本発明は、新規な置換ナフタレン−2−イル酢酸、それらの製造、それらを含有する医薬組成物及びCRTH2アンタゴニスト又は部分アゴニストとしてのそれらの使用に関する。
プロスタグランジンD2(PGD2)は、活性化された肥満細胞により生成される主要なプロスタノイドであり、アレルギー性喘息及びアトピー性皮膚炎のようなアレルギー性疾患の病因に関与している。Tヘルパー型細胞上に発現される化学誘因性受容体−相同分子(CRTH2)は、プロスタグランジンD2受容体の1つであり、Tヘルパー2型(Th2)細胞、好酸球、及び好塩基球のようなアレルギー性炎症に関与するエフェクター細胞上で発現する(Nagata et al., FEBS Lett 459:195-199, 1999)。Th2細胞、好酸球、及び好塩基球のPGD2刺激化学走化性を仲介することが示されている(Hirai et al., J Exp Med 193: 255-261, 2001)。また、CRTH2は、呼吸性バースト及び好酸球の脱顆粒を仲介し(Gervais et al., J Allergy Clin Immunol 108:982-988, 2001)、Th2細胞における炎症性サイトカインの生成を誘起し(Xue et al., J Immunol 175:6531-6536)、好塩基球からのヒスタミンの放出を増大させる(Yoshimura-Uchiyama et al., Clin Exp Allergy 34:1283-1290)。そのmRNA安定性に特異的に影響を与える、CRTH2をコードする遺伝子の配列変異体は、喘息に関連していることが示されている(Huang et al., Hum Mol Genet 13, 2691-2697, 2004)。CRTH2を発現する循環性T細胞の数の増大は、また、アトピー性皮膚炎の重篤度に相関している(Cosmi et al., Eur J Immunol 30, 2972-2979, 2000)。これらの知見は、アレルギー性疾患においてCRTH2が炎症誘発性の役割を果たすことを示唆している。したがって、CRTH2のアンタゴニストは、喘息、アレルギー性炎症、COPD、アレルギー性鼻炎、及びアトピー性皮膚炎のような障害を処置するために有用である。
本発明は、式I:
(式中、W、X、Y、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、詳細な説明及び特許請求の範囲に定義のとおりである)の化合物並びにそれらの薬学的に許容されうる塩及びエステルに関する。さらに、本発明は、式Iの化合物の製造及び使用の方法並びにこのような化合物を含有する医薬組成物に関する。式Iの化合物は、CRTH2受容体のアンタゴニスト又は部分アゴニストであって、その受容体と関連している疾患及び障害(例えば喘息)を処置する上で有用でありうる。
別途示されない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用する以下の特定の用語及び語句は、以下のように定義される:
用語「部分」は、1個以上の化学結合によって他の原子又は分子に結合し、それにより分子の一部を形成している原子又は化学的に結合している原子の群を指す。例えば、式Iの変数R1〜R7は、式Iのコア構造に共有結合によって結合している部分を指す。
1個以上の水素原子を有する特定の部分に関して、用語「置換されている」は、その部分の水素原子のうちの少なくとも1個が、他の置換基又は部分によって置き換えられていることを指す。例えば、用語「ハロゲンで置換されている低級アルキル」は、低級アルキル(以下に定義されるとおり)の1個以上の水素原子が、1個以上のハロゲン原子によって置き換えられていること(例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、クロロメチル等)を指す。
用語「場合により置換されている」は、(1個以上の水素原子を有する)部分の1個以上の水素原子が、他の置換基で置換されうるが、必ずしも置換されている必要はないことを指す。
用語「アルキル」は、1〜20個の炭素原子を有する脂肪族直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素部分を指す。特定の実施態様において、アルキルは、1〜10個の炭素原子を有する。
用語「低級アルキル」は、1〜7個の炭素原子を有するアルキル部分を指す。特定の実施態様において、低級アルキルは1〜4個の炭素原子を有し、他の特定の実施態様においては、低級アルキルは1〜3個の炭素原子を有する。低級アルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル及びtert−ブチルを包含する。
用語「低級シクロアルキル」は、ともに結合して環構造を形成する3〜7個の炭素原子を有する、飽和又は部分的に不飽和の非芳香族炭化水素環部分を指す。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを包含する。
用語「低級アルコキシ」は、部分−O−Rを指し、ここで、Rは、先に定義されたとおりの低級アルキルである。低級アルコキシ部分の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシを包含する。
用語「低級アルコキシカルボニル」は、部分−C(O)−O−Rを指し、ここで、Rは、先に定義されたとおりの低級アルキルである。低級アルコキシカルボニル部分の例は、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルを包含する。
用語「ヘテロ原子」は、窒素、酸素又は硫黄を指す。
用語「低級ヘテロシクロアルキル」は、ともに結合して環構造を形成する3〜7個の環原子を有する、飽和又は部分的に不飽和の非芳香族環部分を指し、ここで、環原子のうちの1個、2個又は3個は、ヘテロ原子であり、残りの環原子は、炭素原子である。低級ヘテロシクロアルキルの例は、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、及びモルホリニルを包含する。
用語「低級アルキルアミノ」は、部分−N(R)を指し、ここで、Rは先に定義されたとおりの低級アルキルである。低級アルキルアミノの一例は、メチルアミノである。
用語「低級ジアルキルアミノ」は、部分-N(R)(R’)を指し、ここで、R及びR’は、先に定義したとおりの低級アルキルである。低級ジアルキルアミノの一例は、ジメチルアミノである。
用語「低級アルキルスルホニル」は、部分−S(O)2−Rを指し、ここで、Rは先に定義されたとおりの低級アルキルである。低級アルキルスルホニルの例は、メチルスルホニル及びエチルスルホニルを包含する。
用語「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードの部分を指す。
別途示されない限り、用語「水素」又は「ヒドロ」は、水素原子の部分(−H)を指し、H2を意味しない。
別途示されない限り、用語「式の化合物」(「a compound of the formula」又は「a compound of formula」又は「compounds of the formula」又は「compounds of formula」)は、式で定義される化合物の類(別途示されない限り、すべてのこのような化合物の、すべての薬学的に許容されうる塩又はエステルを包含する)から選択される任意の化合物を指す。
用語「薬学的に許容されうる塩」は、生物学的にもその他の点でも望ましくないものではない、遊離塩基又は遊離酸の生物学的な有効性及び特性を保持するそれらの塩を指す。塩は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等、好ましくは、塩酸、及び有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、サリチル酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、N−アセチルシステイン等で形成されうる。さらに、塩は、遊離酸に無機塩基又は有機塩基を加えることによって調製されうる。無機塩基に由来する塩は、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、及びマグネシウム塩等を包含するがこれらに限定されない。有機塩基に由来する塩は、第一級、第二級、及び第三級アミン、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂(例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂等)の塩を包含するがこれらに限定されない。
本発明の化合物は、薬学的に許容されうる塩の形で存在しうる。本発明の化合物は、また、薬学的に許容されうるエステルの形(すなわちプロドラッグとして使用される式Iの酸のメチル及びエチルのエステル)で存在しうる。本発明化合物は、また、溶媒和化、すなわち水和化されることがありうる。溶媒和化は、製造プロセス過程で実施されうるか、又は、例えば、最初は無水である式Iの化合物の吸湿性の結果として起こりうる(水和)。
同じ分子式を有するが、空間におけるそれらの原子の結合の性質若しくは順序、又はそれらの原子の配列が異なる化合物は、「異性体」と称される。空間におけるそれらの原子の配列が異なる異性体は、「立体異性体」と称される。ジアステレオマーは1個以上のキラル中心において反対の立体配置を有する、鏡像異性体でない立体異性体である。互いに重ね合わせることのできない鏡像であり、1個以上の不斉中心を有する立体異性体は、「鏡像異性体」と称される。化合物が不斉中心を有する場合、例えば、炭素原子が4個の異なる基に結合しているとき、一対の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体は、その不斉中心(単数または複数)の絶対配置によって特徴づけられ、カーン、インゴルド、プレログのR−、S−シークエンシング規則によって記載されるか、又は、分子が偏光面を回転させる様式で記載され、右旋性若しくは左旋性(すなわち、それぞれ、(+)若しくは(−)−異性体)と表される。キラル化合物は、個別の鏡像異性体、又はそれらの混合物のいずれかとして表すことができる。鏡像異性体を等しい比率で含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
化合物の「治療有効量」という用語は、疾患の症状を予防、緩和若しくは改善するか、又は処置される対象の生存を延長するのに有効な化合物の量を意味する。治療有効量の決定は、当該技術の範囲内である。本発明の化合物の治療有効量又は用量は、広い範囲で変動することができ、当該技術において公知の方法で決定しうる。このような用量は、投与される特定の化合物、投与経路、処置される状態、並びに処置される患者等のそれぞれ特定の事例における個別の要件に適合される。一般に、体重ほぼ70Kgである成人への経口若しくは非経口投与の場合、約0.1mg〜約5,000mg、1mg〜約1,000mg又は1mg〜100mgの一日用量が適切であるが、指定される場合には、上限及び下限を超えてもよい。一日用量は、単回投与または分割投与として投与することができ、あるいは非経口投与については、連続的注入として与えてもよい。
用語「薬学的に許容されうる担体」は、溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌及び抗真菌剤、等張及び吸収遅延剤を包含する薬剤投与に適合するありとあらゆる物質、並びに薬剤投与に適合する他の物質及び化合物を包含することを意図する。本活性化合物と不適合でない限りにおいて、任意の従来の媒体若しくは薬剤を本発明の組成物において使用することが予想される。補助的な活性化合物もまた、本組成物に組み込まれうる。
本明細書の組成物の調製に有用な医薬担体は、固体、液体又は気体でありうる;したがって、本組成物は、錠剤、丸剤、カプセル、坐薬、散剤、腸溶性コーティング製剤又は他の保護された製剤(例えば、イオン交換樹脂上の結合又は脂質−タンパク質小胞中の封入)、徐放製剤、溶液、懸濁液、エリキシル剤、エアロゾル等の形態をとることが可能である。担体は、石油、動物、植物又は合成起源のものを含む種々の油、例えば、落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油等から選択可能である。水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液及びグリコールは、特に(血液と等張である場合)注射溶液に好ましい液体担体である。例えば、静脈内投与用の製剤は、固体有効成分(単数又は複数)を水中に溶解して水溶液を作製すること、そして溶液を滅菌することによって調製される、有効成分(単数又は複数)の無菌水溶液を含む。適切な医薬賦形剤としては、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、タルク、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカ、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、グリセリンモノステアラート、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール等が挙げられる。組成物は、保存料、安定化剤、湿潤又は乳化剤、浸透圧調整用の塩、バッファー等の従来の医薬添加剤にさらされうる。適切な医薬担体及びそれらの処方は、E. W. MartinによるRemington's Pharmaceutical Sciencesに記載されている。レシピエントに適切に投与するための適切な剤形を調製するために、このような組成物は、いずれにしても、適切な担体と一緒に有効量の活性化合物を含有する。
本発明の方法の実施において、有効量の、本発明の化合物のいずれか又は本発明の化合物のいずれかの組み合わせ又はその薬学的に許容されうる塩又はエステルを、当該分野で公知の通常の許容されうる方法のいずれかを介して、単独又は組み合わせのいずれかで投与する。したがって化合物又は組成物は経口的に(例えば頬側口腔)、舌下に、非経口的に(例えば筋肉内、静脈内又は皮下)、経直腸的に(例えば坐薬又は洗浄液により)、経皮的に(例えば皮膚電気穿孔)又は吸入によって(例えばエアロゾルによって)、及び固体、液体又は気体製剤の形態(錠剤及び懸濁液を含む)で投与可能である。投与は、連続治療での単一単位剤形で、又は適宜での単一用量治療で行うことができる。治療組成物はまた、パモ酸等の親油性塩と組み合わせた油乳濁剤又は分散剤の形態、あるいは皮下又は筋肉内投与用の生分解性徐放組成物の形態でもありうる。
詳しくは、本発明は、式I:
[式中、
Wは、CH
2、CH
2−CH
2、C(H)(CH
3)、CH
2−C(H)(CH
3)、又はC(H)(CH
3)−CH
2であり;
Xは、(1)O、(2)N(H)、(3)N(CH
3)、(4)S、(5)S(O)、及び(6)S(O)
2からなる群より選択され;
Yは、炭素又は窒素であり;
R
1は、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)フルオロで場合により置換されているメチル、(4)フルオロで場合により置換されている低級アルコキシ、(5)シアノ、及び
(6)低級アルキルスルホニルからなる群より選択され;
R
2は、水素、フルオロ、クロロ、低級アルキル、又は低級アルコキシであり;
R
3は、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はメチルであり;
R
4は、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)フルオロで場合により置換されている低級アルキル、(4)低級シクロアルキル、及び(5)エテニルからなる群より選択され;
R
5及びR
6は、互いに独立して、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)低級アルキル、(4)シアノ、及び(5)低級シクロアルキルからなる群より選択され;
R
7は、シアノ又はS(O)
2−R
8(ここでR
8は、(1)低級アルキル、(2)低級シクロアルキル、(3)(a)ハロゲン、(b)フルオロで場合により置換されている低級アルキル、又は(c)低級アルコキシで場合により置換されているフェニル、(4)低級アルキルアミノ、(5)低級ジアルキルアミノ、(6)ハロゲン、低級アルキル又は低級アルコキシカルボニルで場合により置換されている低級ヘテロシクロアルキル、及び
(7)2−オキサ−6−アザ−スピロ[3.3]ヘプタ−6−イルからなる群より選択される)である]の化合物、並びにその薬学的に許容されうる塩及びエステルに関する。
別途示されない限り、式I(又は式Iのあらゆる下位式)のR2部分は、(R2で置換されなければ)その炭素原子に結合したであろう水素原子の代わりに、ナフタレンコア構造の5位、7位、又は8位の炭素原子に結合するが、これらの位置は以下に示すとおりである:
1つの特定の実施態様において、本発明は、式I又は式Iの下位式の化合物(並びにその薬学的に許容されうる塩及びエステル)に関し、式中、R2は、ナフタレンコア構造の5位又は7位(ここで、これらの位置は先に示すとおりである)に結合する。
別途示されない限り、R5及びR6部分は(互いに独立して)、(R5又はR6で置換されなければ)その炭素原子に結合したであろう水素原子の代わりに、式I(又は式Iのあらゆる下位式)中の、Yを含む環上の2位、3位、5位、又は6位の環炭素原子の1個に結合し、ここで、これらの位置は以下に示すとおりであるが、但し、R5及びR6は、同時に同じ炭素原子には結合せず、Yが窒素である場合は、Yに結合しない:
このため、別途示されない限り、式I又は式Iの下位式に関連して、語句「Yは、炭素又は窒素である」又は「Yは、炭素である」又は「Yは、窒素である」は、Yが炭素である場合、Yは、水素原子、R5、又はR6のいずれかに結合しており;Yが窒素である場合、Yは、水素原子、R5、又はR6に結合していないことを示す。
1つの特定の実施態様において、本発明は、式I又は式Iの下位式の化合物(並びにその薬学的に許容されうる塩及びエステル)に関し、式中、少なくともR5又はR6のうちの1つは、Yを含む環上の2位の炭素原子に結合している(ここで2位は、先に示したとおりである)。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、式I又は式Iの下位式の化合物(並びにその薬学的に許容されうる塩及びエステル)に関し、式中、少なくともR5又はR6のうちの1つは、Yが炭素であるとき、Yを含む環上の2位又は6位の炭素原子に結合している(ここで、2位及び6位は、先に示したとおりである)。
もう一つの実施態様において、本発明は、式I又は式Iの下位式の化合物(並びにその薬学的に許容されうる塩及びエステル)に関し、式中、R5及びR6は、Yが炭素であるとき、Yを含む環上の2位及び6位の炭素原子に結合している(ここで、2位及び6位は、先に示したとおりである)。
別途示されない限り、上位式I及びそのすべての下位式は、あらゆる可能な立体異性体(すなわち、(R)−鏡像異性体、(S)−鏡像異性体、ジアステレオマー)並びにそのラセミ及び非ラセミ(scalemic)の混合物を包含する。
一つの実施態様において、本発明は、Wが、C(H)2である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、Wが、C(H)2−C(H)2である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、Xが、Oである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、Xが、N(H)である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、Xが、S、S(O)又はS(O)2である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、Xが、Sである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、Xが、S(O)である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、Xが、S(O)2である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、式IA(式Iの下位式):
(式中、W、X、及びR
1〜R
7は、式Iに定義したとおりである)において示すように、Yが、炭素である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、式IB(式Iの下位式):
(式中、W、X、及びR
1〜R
7は、式Iに定義したとおりである)において示すように、Yが、窒素である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
1つの実施態様において、本発明は、R1が、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ又はメチルスルホニルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの実施態様において、本発明は、R1が、ハロゲン、メチル又はメトキシである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
さらに特定の実施態様において、本発明は、R1が、ハロゲンである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R1が、クロロ又はフルオロである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R1が、クロロである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R1が、フルオロである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
1つの実施態様において、本発明は、R2が、水素である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
さらに特定の実施態様において、本発明は、R2が、フルオロである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R2が、クロロである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R2が、メチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R2が、メトキシである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R1が、フルオロであり、R2が、水素である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの実施態様において、本発明は、R3が、水素、フルオロ、又はメチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
さらに特定の実施態様において、本発明は、R3が、水素である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R3が、フルオロである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R3が、メチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの実施態様において、本発明は、R4が、水素、フルオロ、メチル、エチル、エテニル又はシクロプロピルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの実施態様において、本発明は、R4が、水素、フルオロ又はメチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
さらに特定の実施態様において、本発明は、R4が、水素である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R4が、フルオロである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R4が、メチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの実施態様において、本発明は、R5及びR6が、互いに独立して、(1)水素、(2)ハロゲン、(3)低級アルキル、及び(4)シアノからなる群より選択される、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの実施態様において、本発明は、R5及びR6が、互いに独立して、(1)水素、(2)フルオロ、(3)クロロ、(4)メチル、(5)エチル、(6)シクロプロピル、及び(7)シアノからなる群より選択される、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの実施態様において、本発明は、R5及びR6が、互いに独立して、(1)水素、(2)フルオロ、(3)クロロ、(4)メチル、及び(5)シアノからなる群より選択される、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
さらに特定の実施態様において、本発明は、R5又はR6の少なくとも1つが、水素である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R5及びR6が、両方とも水素である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R5又はR6の少なくとも1つが、水素であり、その他が、フルオロ、クロロ、又はブロモである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R5又はR6の少なくとも1つが、水素であり、その他が、メチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R5及びR6が、両方ともシアノではない、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R5又はR6の少なくとも1つが、水素であり、その他が、シアノである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、R5及びR6が、両方ともハロゲンである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの実施態様において、本発明は、R7が、S(O)2−R8であり、R8が、(1)メチル、(2)エチル、(3)プロピル、(4)イソプロピル、(5)ブチル、(6)sec−ブチル、(7)tert-ブチル、(8)シクロプロピル、(9)シクロブチル、(10)シクロペンチル、(11)シクロヘキシル、(12)ハロゲン、メチル又はメトキシで場合により置換されているフェニル、(13)ジメチルアミノ、(14)ジエチルアミノ、(15)ピロリジン−1−イル、(16)モルホリン−4−イル、(17)ハロゲンで場合により置換されているピペリジン−1−イル、(18)メチルで場合により置換されているピペラジン−1−イル、及び(19)2−オキサ−6−アザ−スピロ[3.3]ヘプタ−6−イルからなる群より選択される式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの実施態様において、本発明は、R7が、S(O)2−R8であり、R8が、(1)メチル、(2)エチル、(3)プロピル、(4)イソプロピル、(5)ブチル、(6)シクロプロピル、(7)シクロブチル、(8)シクロペンチル、(9)ジメチルアミノ、(10)ジエチルアミノ、(11)ピロリジン−1−イル、(12)モルホリン−4−イル、(13)4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル、(14)4−メチル−ピペラジン−1−イル、及び(15)2−オキサ−6−アザ−スピロ[3.3]ヘプタ−6−イルからなる群より選択される、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
さらに特定の実施態様において、本発明は、R7が、S(O)2−R8であり、R8が、メチル、(2)エチル、(3)プロピル、(4)イソプロピル、(5)ブチル、(6)シクロプロピル、(7)シクロペンチル、(8)ジメチルアミノ、(9)ジエチルアミノ、(10)ピロリジン−1−イル、(11)モルホリン−4−イル、(12)4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル、(13)4−メチル−ピペラジン−1−イル、及び(14)2−オキサ−6−アザ−スピロ[3.3]ヘプタ−6−イルからなる群より選択される、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
さらに特定の実施態様において、本発明は、R7が、S(O)2−R8であり、R8が、(1)メチル、(2)エチル、(3)イソプロピル、(4)ブチル、(5)ジメチルアミノ、(6)ジエチルアミノ、(7)ピロリジン−1−イル、(8)4−メチル−ピペラジン−1−イル、及び(9)2−オキサ−6−アザ−スピロ[3.3]ヘプタ−6−イルからなる群より選択される、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
さらに特定の実施態様において、本発明は、R7が、S(O)2−R8であり、R8が、(1)エチル、(2)プロピル、(3)イソプロピル、(4)シクロプロピル、(5)ブチル、及び(6)シクロペンチルからなる群より選択される、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
さらに特定の実施態様において、本発明は、R7が、S(O)2−R8であり、R8が、エチルである、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、式IC(式Iの下位式):
(式中、Y、R
1、R
3〜R
6及びR
8は、式Iに定義したとおりである)において示すように、Wが、C(H)
2であり、Xが、Oであり、R
2が、水素であり、R
7が、S(O)
2−R
8である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、式ID(式Iの下位式):
(式中、Y、R
1、R
3〜R
6及びR
8は、式Iに定義したとおりである)において示すように、R
2が、水素であり、R
7が、S(O)
2−R
8であり、Wが、C(H)
2であり、Xが、N(R
9)(ここで、R
9は、水素又はメチルである)である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、式IE(式Iの下位式):
(式中、Y、R
1、R
3〜R
6及びR
8は、式Iに定義したとおりである)において示すように、Wが、C(H)
2であり、Xが、Sであり、R
2が、水素であり、R
7が、S(O)
2−R
8である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、式IF(式Iの下位式):
(式中、Y、R
1、R
3〜R
6及びR
8は、式Iに定義したとおりである)において示すように、Wが、C(H)
2であり、Xが、S(O)であり、R
2が、水素であり、R
7が、S(O)
2−R
8である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
もう1つの特定の実施態様において、本発明は、式IG(式Iの下位式):
(式中、Y、R
1、R
3〜R
6及びR
8は、式Iに定義したとおりである)において示すように、Wが、C(H)
2であり、Xが、S(O)
2であり、R
2が、水素であり、R
7が、S(O)
2−R
8である、式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩若しくはエステルに関する。
さらに特定の実施態様において、本発明は、以下:
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
{6−フルオロ−4−[4−(プロパン−2−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
[4−(4−シクロプロパンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−2−メチル−フェノキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−3−メチル−フェノキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−2−メチル−フェノキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(5−メタンスルホニル−3−メチル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(5−エタンスルホニル−3−メチル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(3−ブロモ−5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(3−ブロモ−5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−メトキシ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−トリフルオロメチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−トリフルオロメチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−トリフルオロメトキシ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−トリフルオロメトキシ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−7−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−メトキシ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−5−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6,7−ジメトキシ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−2−メチル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(プロパン−2−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
[4−(4−シクロプロパンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−3−メチル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−3−メチル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−2−メチル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−2−メチル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(3−クロロ−4−メタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(2−フルオロ−4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−2−フルオロ−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−3−メチル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(2,5−ジフルオロ−4−メタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(3−フルオロ−4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−エタンスルホニル−3−フルオロ−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(2−シアノ−4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(3−クロロ−4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(2−クロロ−4−メタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(2−クロロ−4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(プロパン−1−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{4−[4−(ブタン−1−スルホニル)−フェノキシ]−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
[4−(5−クロロ−4−エタンスルホニル−2−フルオロ−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(2−クロロ−4−エタンスルホニル−5−フルオロ−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−シクロペンタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
{6−フルオロ−4−[4−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−フェノキシ]−3−メチル−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
[4−(4−ベンゼンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(トルエン−4−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{6−フルオロ−4−[4−(4−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−フェノキシ]−3−メチル−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{4−[4−(4−クロロ−ベンゼンスルホニル)−フェノキシ]−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
[6−フルオロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(5−メタンスルホニル−3−メチル−ピリジン−2−イルオキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(5−エタンスルホニル−3−メチル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(3−ブロモ−5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−ジメチルスルファモイル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(ピロリジン−1−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
[4−(4−ジエチルスルファモイル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(モルホリン−4−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{4−[4−(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−スルホニル)−フェノキシ]−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(2−オキサ−6−アザ−スピロ[3.3]ヘプタン−6−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸;
[4−(4−シアノ−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−クロロ−4−(4−シアノ−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[1,6−ジフルオロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[1,6−ジフルオロ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3,6−ジフルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−1−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
3−[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェニルアミノ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェニルアミノ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェニルスルファニル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゼンスルフィニル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゼンスルホニル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−ブロモ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−シアノ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[6−ブロモ−4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−ビニル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[3−シクロプロピル−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3−エチル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(5−エタンスルホニル−3−エチル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸;
[4−(3−シクロプロピル−5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
からなる群より選択される、式Iの化合物及び任意のその薬学的に許容されうる塩又はエステルに関する。
さらに特定の実施態様において、本発明は、以下:
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−フルオロ−4−(2−フルオロ−4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(4−エタンスルホニル−3−メチル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(2−シアノ−4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
{4−[4−(ブタン−1−スルホニル)−フェノキシ]−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル}−酢酸
[6−フルオロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(3−ブロモ−5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(4−ジメチルスルファモイル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(ピロリジン−1−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸
[4−(4−ジエチルスルファモイル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸
{6−フルオロ−3−メチル−4−[4−(2−オキサ−6−アザ−スピロ[3.3]ヘプタン−6−スルホニル)−フェノキシ]−ナフタレン−2−イル}−酢酸
からなる群より選択される式Iの化合物に関する。
本発明に係わる化合物の一般的合成
本発明の化合物は、あらゆる従来の方法で調製することができる。これらの化合物の適切な合成方法は、実施例に記載されている。式Iの化合物は、概ね、以下に示すスキームに従って調製することができる。別途示されない限り、変数W、X、Y、及びR1〜R8は、上位式Iに先に定義したものと同様に定義される。
式IIaの主要な中間体は、スキーム1に従って調製することができる。このプロセスにおいて、ベンズアルデヒドIIIとジメチルスクシナート(IV)とのシュトッベ(Stobbe)縮合反応は、不飽和酸Vを与え、これを続いて、酢酸ナトリウム(VI)及び無水酢酸(VII)の存在下で環化させ、化合物VIIIを得る。ナフタレン誘導体VIIIを、次に、脱アセチル反応により、対応するヒドロキシル類似体IXに変換する。ヒドロキシル誘導体IXの臭化ベンジル(X)での処理、続く水素化アルミニウムリチウム(XI)を用いる還元は、アルコールXIIaを与える。化合物XIIaを、トリフェニルホスフィン(XIII)及び四塩化炭素(XIV)で処理して、対応するクロロ中間体XVに変換する。クロリドXVのメチルエステルXVIへの変換は、メタノール中の、バラジウムを触媒として用いたカルボニル化反応により達成することができる。化合物XVIの水素化分解は、中間体IIaを与える。
スキーム1に概説した第1工程において、不飽和酸Vは、ベンズアルデヒドIIIとジメチルスクシナート(IV)との縮合反応により調製することができる。反応は、塩基(例えば、ナトリウムメトキシド、リチウムメトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、水素化ナトリウム又はカリウムtert−ブトキシド)の存在下、有機溶媒(例えば、メタノール、tert-ブタノール、トルエン、又はそれらの混合物)中で、室温〜90℃の温度で、数時間で行うことができる(reference:Dian, Y. L. et al., Tetrahedron Lett., 32 (1991)5255)。
ナフタレン誘導体VIIIを生成する、不飽和酸Vの環化は、室温〜140℃の温度で、0.5〜12時間で、不飽和酸Vを、酢酸ナトリウム(VI)及び無水酢酸(VII)で処理することにより達成することができる(references:Boger, D. L. et al., J. Org. Chem.61 (1996)4894-4912; Kim, M. et al., J. Org. Chem.69 (2004)6945-6948)。
酢酸誘導体VIIIは、塩基(例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、炭酸カリウム又は重炭酸ナトリウム)の存在下、溶媒(例えば、メタノール、水、又はそれらの混合物)中で、室温〜80℃の温度で、10分間〜数時間で、対応するヒドロキシル化合物IXに変換することができる(reference:Kim, M. et al., J. Org. Chem.69 (2004)6945-6948)。
ヒドロキシル化合物IXの臭化ベンジル(X)での処理は、対応するベンジルエーテルを与える。反応は、塩基(例えば、炭酸カリウム、又は炭酸セシウム)の存在下、不活性有機溶媒(例えば、アセトン、アセトニトリル、又はN,N−ジメチルホルムアミド)中で、室温〜60℃の温度で、数時間で行うことができる。
上記ベンジルエーテルの水素化アルミニウムリチウム(XI)での還元は、アルコールXIIaを与える。反応は、不活性有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、又はそれらの混合物)中で、室温〜80℃の温度で、数時間で行うことができる(reference:Chan W. K, et al., J. Med. Chem. 39 (1996)3756-3768)。
中間体XVは、不活性有機溶媒(例えば、トルエン、アセトニトリル、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、又はテトラヒドロフラン)中、0℃〜120℃の間の温度で、数時間、アルコールXIIaを、トリフェニルホスフィン(XIII)及び四塩化炭素(XIV)で処理することにより調製することができる(reference:Kozhinov, D. V. et al., J. Org. Chem.69 (2004)1378-1379)。
中間体XVのメチルエステルXVIへの変換は、メタノール中の、一酸化炭素1気圧下での、パラジウムを触媒として用いたカルボニル化反応によって達成することができる。反応は、パラジウム触媒(例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(Pd(PPh3)2Cl2)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4)、又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd2(dba)3))の存在下、ホスフィンリガンド(例えば、トリシクロヘキシルホスフィン又はトリフェニルホスフィン)の存在下又は不在下で、室温〜90℃の間の温度で、10分間〜数時間で行うことができる(reference:Kozhinov, D. V. et al., J. Org. Chem.69 (2004)1378-1379)。
ベンジルエーテルXVIの水素化分解は、中間体IIaを与える。反応は、10%パラジウム担持炭の存在下、水素1気圧下で、有機溶媒(例えば、酢酸エチル、メタノール、又はエタノール)中、室温で数時間で行うことができる。R1がCl又はBrである、ベンジルエーテルXVIの水素化分解は、IIaを与えることができるが、ここでR1は、Hに還元され、このとき、水素化は、10%パラジウム担持炭の存在下、水素1気圧下で、より長い反応時間で行われることに留意されたい。
式IIbの主要な中間体は、スキーム2に従って調製することができる。このプロセスにおいて、ベンズアルデヒドIIIとジメチル2−メチル−スクシナート(XVII)とのシュトッベ縮合反応は、不飽和酸XVIIIを与える。トリフルオロ酢酸無水物(XIX)を用いる不飽和酸XVIIIの環化、続く還元は、化合物XXIを与える。あるいは、化合物XXIは、酢酸ナトリウム(VI)及び無水酢酸(VII)での不飽和酸XVIIIの処理、続く塩基での処理によって得ることができる。臭化ベンジル(X)でのヒドロキシル誘導体XXIの処理、続く還元は、アルコールXIIbを与える。アルコールXIIbを、次に、トリフェニルホスフィン(XIII)及び四塩化炭素(XIV)での処理により、対応するクロリドXXIIに変換する。クロリドXXIIは、メタノール中のパラジウムを触媒として用いたカルボニル化反応によって、エステルXXIIIに変換することができる。化合物XXIIIの水素化分解は、中間体IIbを与える。
スキーム2で概説した第1工程において、不飽和酸XVIIIは、ベンズアルデヒドIIIとジメチル2−メチル−スクシナート(XVII)との縮合反応によって調製することができる。反応は、塩基(例えば、ナトリウムメトキシド、リチウムメトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、水素化ナトリウム、又はカリウムtert−ブトキシド)の存在下、有機溶媒(例えば、メタノール、tert-ブタノール、トルエン、又はそれらの混合物)中で、室温〜90℃の間の温度で、数時間で行うことができる(references:Liu, J. et al., Org. Lett. 4 (2002)3521-3524; Bloomer, J. L. et al., J. Org. Chem. 58 (1993)7906-7912)。
ナフタレン誘導体XXIは、環化反応、続く還元によって調製することができる。不飽和酸XVIIIの環化は、不活性有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン又はジクロロメタン)中、室温での、トリフルオロ酢酸無水物(XIX)及びトリエチルアミンでの処理により達成することができる。続く水素化ホウ素ナトリウム(XX)での還元は、アルコール溶媒(例えば、メタノール)中、0℃〜室温の温度で行うことができる(reference:Fuganti, C. et al., J. Chem. Res. (S)1998, 638-639)。
あるいは、ナフタレン誘導体XXIは、スキーム1において中間体IXに関して記載されたものと同様の方法で調製することができる。不飽和酸XVIIIの環化は、室温〜140℃の間の温度で、0.5〜12時間で、酢酸ナトリウム(VI)及び無水酢酸(VII)で処理することにより、達成することができる。生成された酢酸エステルは、溶媒(例えば、メタノール、水又はそれらの混合物)中で、室温〜80℃の間の温度で、10分間〜数時間、塩基(例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、炭酸カリウム、又は重炭酸ナトリウム)で処理することにより、対応するヒドロキシル化合物XXIに変換することができる(references:Boger、D. L. et al., J. Org. Chem.61 (1996)4894-4912; Kim, M. et al., J. Org. Chem. 69 (2004)6945-6948)。
ヒドロキシル化合物XXIの臭化ベンジル(X)での処理は、対応するベンジルエーテルを与える。反応は、塩基(例えば、炭酸カリウム又は炭酸セシウム)の存在下、不活性有機溶媒(例えば、アセトン、アセトニトリル、又はN,N−ジメチルホルムアミド)中で、室温〜60℃の間の温度で、数時間で行うことができる。
上記ベンジルエーテルのエステル部分の水素化アルミニウムリチウム(XI)での還元は、アルコールXIIbを与える。反応は、不活性有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン又はそれらの混合物)中で、室温〜80℃の間の温度で、数時間で行うことができる。
トリフェニルホスフィン(XIII)及び四塩化炭素(XIV)を用いるアルコールXIIbの反応は、不活性有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、又はジクロロメタン)中で、0℃〜120℃の間の温度で、数時間で行うことができる(reference:Kozhinov, D. V. et al., J. Org. Chem.69 (2004)1378-1379)。
クロリドXXIIのメチルエステルXXIIIへの変換は、一酸化炭素1気圧下、メタノール中でのパラジウムを触媒として用いたカルボニル化反応により達成することができる。反応は、パラジウム触媒(例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(Pd(PPh3)2Cl2)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)2)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4)、又はトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd2(dba)3))の存在下で、ホスフィンリガンド(例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、又はトリフェニルホスフィン)の存在下又は不在下で、室温〜90℃の間の温度で、10分間〜数時間で行うことができる(reference:Kozhinov, D. V. et al., J. Org. Chem.69 (2004)1378-1379)。
ベンジルエーテルXXIIIの水素化分解は、中間体IIbを与える。反応は、10%パラジウム担持炭の存在下で、水素1気圧下で、有機溶媒(例えば、酢酸エチル、メタノール、又はエタノール)中で、室温で、数時間で行うことができる。
あるいは、ヒドロキシル中間体IIbは、スキーム3に従って調製することができる。
このプロセスにおいて、ベンズアルデヒドIIIとジメチル2−メチル−スクシナート(XVII)とのシュトッベ縮合反応、続く加水分解は、不飽和二酸XXIVを与える。不飽和二酸XXIVの環化、続く還元は、化合物XXVIIを与える。トリフェニルホスフィン(XIII)及び四塩化炭素(XIV)での化合物XXVIIの処理は、対応するクロリドXXVIIIを与える。クロリドXXVIIIは、パラジウムを触媒として用いたカルボニル化反応により、メチルエステルIIbに変換することができる。
このプロセスにおいて、シュトッベ縮合は、塩基(例えば、水素化ナトリウム)の存在下、有機溶媒(例えば、トルエン)中、室温で、数時間で行うことができる。不飽和二酸XXIVは、有機溶媒(例えば、トルエン)中、室温〜100℃の間の温度で数時間で、縮合生成物を無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム)水溶液で処理することにより、形成することができる。
二酸XXIVの環化は、室温で、数時間、二酸のトリフルオロメタンスルホン酸(XXV)で処理することにより達成することができる。
中間体XXVIにおけるカルボキシル部分の水素化アルミニウムリチウム(XI)での還元は、アルコールXXVIIを与える。反応は、不活性有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン又はそれらの混合物)中で、室温〜80℃の間の温度で、数時間で行うことができる。
トリフェニルホスフィン(XIII)存在下での、アルコールXXVIIと四塩化炭素(XIV)との反応は、不活性有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、又はジクロロメタン)中で、0℃〜120℃の間の温度で、数時間で行うことができる。
クロリドXXVIIIの中間体IIbへの変換は、メチルエステルXVIの調製に関してスキーム1に記載したものと同様の方法で、カルボニル化反応により達成することができる。
あるいは、中間体IIbは、上記スキーム3に記載の4−ヒドロキシ−ナフタレンカルボン酸化合物XXVIから出発して、スキーム4に従って調製することもできる。XXVIのエステル化は、ナフタレンカルボン酸メチルエステルXXIを形成する。XXIの中間体IIbへの変換は、スキーム2に記載した方法を用いて行うことができる。
中間体XXVIは、触媒量の濃硫酸及び過剰量のメタノールの存在下で、室温〜80℃の間の温度で、数時間で、4−ヒドロキシ−ナフタレンカルボン酸メチルエステル中間体XXIに容易に変換することができる。あるいは、エステル化反応は、塩化チオニル及び過剰量のメタノールの存在下で、65℃〜80℃の間の温度で、数時間で行うことができる。得られた化合物XXIは、上記スキーム2に記載のプロセスを用いて、中間体IIbに変換することができる。
式IIcの中間体は、スキーム5に従って調製することができる。このプロセスにおいて、中間体XVIの臭素化、続く鈴木カップリング反応は、中間体XXXIIを与える。中間体XXXIIの水素化分解は、ヒドロキシル中間体IIcを与える。
このプロセスにおいて、臭素化は、有機溶媒(例えば、アセトニトリル、ジクロロメタン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、クロロホルム、又は四塩化炭素)中で、室温で30分間〜数時間、中間体XVIをN−ブロモスクシンイミド (NBS、XXIX)で処理することにより達成することができる(reference:Hidemitsu U., et al., J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 2001, 229)。
中間体XXXとメチルボロン酸(XXXI)との鈴木カップリング反応は、化合物XXXIIを与える。反応は、パラジウム触媒(例えば、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(PdCl2(dppf))、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)、又はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4))の存在下で、リガンド(例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、又はトリ−2−トリルホスフィン)及び塩基(例えば、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸カリウム、又は炭酸ナトリウム)の存在下又は不在下、適切な溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水又はそれらの混合物)中、130℃〜180℃の間の温度で、15〜30分間、マイクロ波照射下で行うことができる。あるいは、反応は、高温(例えば、130℃)で、マイクロ波照射をせずにより長い反応時間で行うことができる(reference:Wallace, D. J. et al., Tetrahedron Lett. 43 (2002) 6987-6990)。
ベンジルエーテルXXXIIの水素化分解は、中間体IIcを与える。反応は、10%パラジウム担持炭の存在下、水素1気圧下で、有機溶媒(例えば、酢酸エチル、メタノール、又はエタノール)中、室温で、数時間で行うことができる。
式IIdの中間体は、スキーム6に従って調製することができる。このプロセスにおいて、化合物IIa(上記スキーム1に記載のとおり調製)とXXXIIIとして一般的に示されているSelectfluor(登録商標)フッ素化試薬(Air Products and Chemicals, Inc.)との間の反応は、適切な溶媒(例えば、アセトニトリル、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、トリフルオロ酢酸、水又はそれらの混合物)中、0℃〜80℃の間の温度で、数時間で行うことができる(reference:Zupan M. et al., Bull. Chem. Soc. Jpn., 68 (1995) 1655-1660)。
中間体IIeは、スキーム7に従って調製することができる。化合物XXXの脱ベンジル化、続くフッ素化反応は、中間体XXXVを与える。化合物XXXVの水素化分解は、中間体IIeを与える。
化合物XXX(上記スキーム5に記載のとおり調製)の脱ベンジル化は、ヒドロキシル中間体XXXIVを与える。反応は、10%パラジウム担持炭の存在下、水素1気圧下で、有機溶媒(例えば、酢酸エチル、メタノール、又はエタノール)中、室温で数時間で、ベンジルエーテルXXXを臭化亜鉛で処理することにより達成することができる(reference:Wu G. et al., Synthesis 11 (2003) 1657-1660)。
化合物XXXIVのフッ化誘導体XXXVへの変換は、適切な溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、メタノール、トリフルオロ酢酸、水又はそれらの混合物)中、Selectfluor(登録商標)フッ素化試薬(XXXIII)を用いて、0℃〜80℃の間の温度で数時間で達成することができる(reference:Zupan M. et al., Bull. Chem. Soc. Jpn., 68 (1995) 1655-1660)。
ブロモ−置換誘導体XXXVの水素化分解は、中間体IIeを与える。反応は、10%パラジウム担持炭の存在下、水素1気圧下で、有機溶媒(例えば、酢酸エチル、メタノール、又はエタノール)中、室温で、数時間で行うことができる。
式Ih及びIiの対象の化合物は、スキーム8に従って調製することができる。ヒドロキシル中間体IIとアリール誘導体XXXVIとの反応、続くエステルの加水分解は、式Ihの対象の化合物を与える。R1がCl又はBrである場合の中間体XXXVIIの水素化分解、続くエステルの加水分解は、式Iiの対象の化合物を与える。
ヒドロキシル中間体II(スキーム1〜7のIIa、IIb、IIc、IId、及びIIeを包含する)のエーテルXXXVIIへの変換は、適切な有機溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシド)中で、化合物II及びアリール誘導体XXXVIを塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、又は炭酸セシウム)で処理することにより達成することができる。反応は、100℃〜150℃の間の温度で30〜60分間、マイクロ波照射下で行うことができる。あるいは、反応は、高温で、マイクロ波照射をせずに、より長い時間で行うことができる。
メチルエステルXXXVIIの加水分解は、式Ihの対象の化合物を与える。反応は、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウム)水溶液存在下で、不活性溶媒(例えば、1,4−ジオキサン又はテトラヒドロフラン)中、室温で、数時間で行うことができる。
中間体XXXVIIの水素化分解は、10%パラジウム担持炭の存在下、水素1気圧下、有機溶媒(例えば、酢酸エチル、メタノール、又はエタノール)中、室温で数時間で行うことができる。
水素化分解反応の生成物の加水分解は、式Iiの対象の化合物を与える。反応は、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウム)水溶液の存在下、不活性溶媒(例えば、1,4−ジオキサン又はテトラヒドロフラン)中、室温で、数時間で行うことができる。
式Ijの対象の化合物は、スキーム9に従って調製することができる。アルコールXII(スキーム1及び2からのXIIa及びXIIbを包含する)の酸化は、アルデヒドXLを与える。ベンジルエーテルXLの水素化分解、続いての、得られたナフトールXLIのアリール誘導体XLIIでの処理は、エーテル中間体XLIIIを与える。アルデヒドXLIIIをホーナー・ワズワース・エモンズ(Horner-Wadsworth-Emmons)反応でアルケンXLVに変換する。アルケンXLVの水素化、続くエステルの加水分解は、対象の化合物式Ijを与える。
中間体XIIは、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)(XXXIX)を用いて、アルデヒドXLに酸化することができる。反応は、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中、0℃〜室温の間の温度で数時間で行うことができる(reference:Thibault, M. E. et al., J. Org. Chem. 68 (2003), 8373-8378)。あるいは、変換は、酸化マンガン、二クロム酸ピリジニウム、デス・マーチン・ペルヨージナン(Dess-Martin periodinane)、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、又は硝酸鉄(III)一水和物を酸化試薬として使用しても達成することができる。
化合物XLの脱ベンジル化は、ヒドロキシル中間体XLIを与える。反応は、10%パラジウム担持炭の存在下、水素1気圧下で、有機溶媒(例えば、酢酸エチル、メタノール、又はエタノール)中、室温で、数時間で達成することができる。
ヒドロキシル中間体XLIのエーテル化合物XLIIIへの変換は、化合物XLI及び化合物XLIIを、塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、又は炭酸セシウム)で、適切な有機溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシド)中、100℃〜150℃の間の温度で、30〜60分間、マイクロ波照射下で処理することにより達成することができる。あるいは、反応は、高温で、マイクロ波照射をせずに、より長い時間で行うことができる。
アルケンXLVは、アルデヒドXLIIIとホスホノ酢酸トリエチル(XLIV)とのホーナー・ワズワース・エモンズ(Horner-Wadsworth-Emmons)反応によって調製することができる。反応は、塩基(例えば、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、n−ブチルリチウム、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は水酸化リチウム)の存在下、適切な溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ベンゼン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、エタノール、水又はそれらの混合物)中、0℃〜60℃の間の温度で数時間で行うことができる(reference:Chan W. K. et al.、J. Med. Chem. 39(1996)3756-3768)。
アルケンXLVの水素化は、中間体XLVIを与える。反応は、10%パラジウム担持炭の存在下、水素1気圧下で、有機溶媒(例えば、酢酸エチル、メタノール、又はエタノール)中、室温で、数時間で行うことができる。
メチルエステルXLVIの加水分解は、式Ijの対象の化合物を与える。反応は、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウム)水溶液存在下で、有機溶媒(例えば、1,4−ジオキサン又はテトラヒドロフラン)中、室温で、数時間で行うことができる。
式Ikの対象の化合物は、スキーム10に従って調製することができる。このプロセスにおいて、ヒドロキシル化合物II(スキーム1〜7からのIIa、IIb、IIc、IId、及びIIeを包含する)は、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(XLVII)で処理され、トリフラートXLVIIIを与える。トリフラートXLVIII及び置換アリールアミン化合物XLIXとの反応、続く加水分解反応は、式Ikの対象の化合物を与える。
ヒドロキシル化合物IIは、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(XLVII)での処理により、トリフラートXLVIIIに変換することができる。反応は、塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチル−4−ピリジンアミン、2,6−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、水素化ナトリウム、又は炭酸カリウム)の存在下、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム又はアセトニトリル)中、−78℃〜室温の間の温度で、30分間〜数時間で行うことができる(reference:Chan W. K. et al.、J. Med. Chem. 39(1996)3756-3768)。
トリフラートXLVIIIとアリールアミン化合物XLIXとの反応は、ホスフィンリガンド(例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン、又はジ(tert-ブチル)(1,1’−ビフェニル−2−イル)ホスフィン)と塩基(例えば、炭酸セシウム、炭酸カリウム、ナトリウムtert-ブトキシド、又はリン酸カリウム)と共に、パラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4)、酢酸パラジウム(Pd(OAc)2)、又は(トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd2(dba)3))の存在下で、適切な溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、又はテトラヒドロフラン)中、130℃〜180℃の間の温度で15〜30分間、マイクロ波照射下で行うことができる。あるいは、反応は、高温で、例えば、130℃で、マイクロ波照射をせずに、より長い反応時間で行うことができる(reference:Uwe S. et al.、Tetrahedron Lett. 46(2005)7111-7115)。
メチルエステルLの加水分解は、式Ikの対象の化合物を与える。反応は、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウム)水溶液存在下で、有機溶媒(例えば、1,4−ジオキサン又はテトラヒドロフラン)中、室温で、数時間で行うことができる。
式Im及びInの対象の化合物は、スキーム11に従って調製することができる。中間体II(これは、スキーム1〜7からのIIa、IIb、IIc、IId、及びIIeを包含する)の塩化ジメチルチオカルバモイル(LI)での処理は、ジメチルチオカルバモイルオキシ化合物LIIを与える。ジメチルチオカルバモイルオキシ化合物LIIのNewman-Kwart転位反応は、中間体LIIIを与える。化合物LIIIの加水分解、続くアリール誘導体XLIIでの処理は、スルファニル化合物Imを与える。Imの酸化は、スルフィニル又はスルホニル化合物Inを与える。
中間体IIのジメチルチオカルバモイルオキシ化合物LIIへの変換は、中間体IIを、塩基(例えば、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、又は水素化ナトリウム)の存在下、適切な溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、水又はそれらの混合物)中で、室温〜100℃の間の温度で、数時間で、塩化ジメチルチオカルバモイル(LI)で処理することにより、達成することができる。
ジメチルチオカルバモイルオキシ化合物LIIのNewman-Kwart転位反応は、有機溶媒(例えば、N−メチルピロリドン、テトラデカン、ジフェニルエーテル、又は1,1−ジオキソチオラン)の存在下又は不在下、150℃〜300℃の間の温度で10分間〜数時間加熱することにより達成することができる(reference:Moseley, J. D. et al., Tetrahedron 62 (2006) 4685-4689)。
化合物LIIIの加水分解は、化合物LIVを与えることができる。反応は、塩基(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、又はナトリウムメトキシド)の存在下、適切な溶媒(例えば、メタノール、エタノール、水、又はそれらの混合物)中、60℃〜100℃の間の温度で、30分間〜数時間で行うことができる。
スルホニル化合物Imは、化合物LIVとアリール誘導体XLIIとの反応によって調製することができる。反応は、塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、又は炭酸セシウム)の存在下、適切な溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド、又はN,N−ジメチルホルムアミド)中、100℃〜150℃の間の温度で約30〜60分間、マイクロ波照射下で行うことができる。あるいは、反応は、高温で、マイクロ波照射をせずに、より長い時間で行うことができる。
スルファニル化合物Imのスルフィニル若しくはスルホニルの類似体Inへの酸化は、酸化剤(例えば、m−クロロペルオキシ安息香酸(m−CPBA)、又は過酸化水素)を用いて、不活性溶媒(例えば、ジクロロメタン若しくは、1,2−ジクロロエタン(又は、過酸化水素が使用される場合は、水溶液))中で、0℃〜室温の間の温度で、数時間で達成することができる。
式Ihの対象の化合物は、あるいは、スキーム12に従って調製することができる。ヒドロキシル化合物IX又はXXI(スキーム1又はスキーム2に記載のとおり調製した)とアリール誘導体XLIIとの置換反応、続く還元は、アルコールLVIを与える。アルコールLVIを次に、四塩化炭素(XIV)及びトリフェニルホスフィン(XIII)で処理することにより、対応するクロリドLVIIに変換する。クロリドLVIIのメチルエステルXXXVIIへの変換は、メタノール中のパラジウムを触媒として用いたカルボニル化反応によって達成することができる。メチルエステルXXXVIIのエステル加水分解は、式Ihの対象の化合物を与える。
ヒドロキシル中間体IX又はXXIのエーテル誘導体LVへの変換は、化合物IX又はXXI及び化合物XLIIを、適切な有機溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシド)中、100℃〜150℃の間の温度で、30〜60分間、マイクロ波照射下で、塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、又は炭酸セシウム)で処理することにより達成することができる。あるいは、反応は、高温で、マイクロ波照射をせずに、より長い時間で行うことができる。
アルコールLVIは、メチルエステルLVを、有機溶媒(例えば、トルエン)中で、−78℃〜室温の間の温度で、数時間で、水素化ジイソブチルアルミニウムで処理することにより形成することができる。
クロリドLVIIは、アルコールLVIを、四塩化炭素(XIV)及びトリフェニルホスフィン(XIII)により、不活性有機溶媒(例えば、トルエン、アセトニトリル、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、又はテトラヒドロフラン)中、0℃〜120℃の間の温度で、数時間で処理することにより調製することができる。
クロリドLVIIのメチルエステルXXXVIIへの変換は、メチルエステルXVIの調製に関してスキーム1に記載したものと同様の方法を用いて、メタノール中、一酸化炭素1気圧下、パラジウムを触媒として用いたカルボニル化反応によって達成することができる。
スキーム8に上記記載のとおり、メチルエステルXXXVIIの加水分解は、式Ihの対象の化合物を与える。反応は、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウム)水溶液の存在下、不活性溶媒(例えば、1,4−ジオキサン又はテトラヒドロフラン)中、室温で数時間で行うことができる。
対象の化合物Io、Ip、及びIqは、ブロモ−置換ナフチル酢酸メチルエステルLVIIIから出発して、スキーム13に従って調製することができる。ブロモ誘導体LVIIIとメチルボロン酸(XXXI)との鈴木カップリング反応、続くエステルの加水分解は、式Ioの対象の化合物を与える。ヨウ化(I)銅を触媒として用いたブロモ誘導体LVIIIとメタンスルフィン酸ナトリウム塩(LX)との反応、続くエステルの加水分解は、式Ipの対象の化合物を与える。
ブロモ誘導体LVIIIのシアノ誘導体LXIIIへの変換、続くエステルの加水分解は、式Iqの対象の化合物を与える。
ブロモ誘導体LVIIIとメチルボロン酸(XXXI)との鈴木カップリング反応は、メチル誘導体LIXを与える。反応は、パラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4)、又は[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(PdCl2(dppf))、及び塩基(例えば、カリウムtert−ブトキシド、リン酸カリウム、又は炭酸ナトリウム)存在下で、不活性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、テトラヒドロフラン、水又はそれらの混合物)中、130℃〜180℃の間の温度で、15〜30分間、マイクロ波照射下で行うことができる。あるいは、反応は、加熱温度(例えば、130℃)で、マイクロ波照射をせずに、より長い反応時間で行うことができる。
スルホニル化合物LXIは、ヨウ化(I)銅を触媒として用いたブロモ誘導体LVIIIとメタンスルフィン酸ナトリウム塩(LX)との反応を介して形成することができる。反応は、触媒ヨウ化銅(I)及びL−プロリンの存在下、極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又は1,4−ジオキサン)中で、150℃で30分間、マイクロ波照射下で行うことができる。あるいは、反応は、加熱温度(例えば、110℃)で、マイクロ波照射をせずに、より長い反応時間で行うことができる。
ブロモ誘導体LVIIIのシアノ誘導体LXIIIへの変換は、触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4))の存在下、不活性有機溶媒(例えば、N,N−ジメチルアセトアミド)中、加熱温度(例えば、150℃)で数時間で、ブロモ誘導体をシアン化亜鉛(LXII)で処理することにより達成することができる。
Ihの調製に関して上記に記載したものと同様の方法でのメチルエステルLIX、LXI又はLXIIIの加水分解は、式Io、Ip及びIqの対象の化合物を、それぞれ与える。
式Ir、Is及びItの対象の化合物は、スキーム14に従って調製することができる。このプロセスにおいて、中間体IIaのヨウ素化、続くアシル化は、ヨード誘導体LXVIを与える。アセチレン誘導体LXIXは、ヨード誘導体LXVIとトリメチルシリルアセチレン(LXVII)との薗頭カップリング反応、続くフッ化カリウム−介在トリメチルシラニル除去により形成することができる。アセチレン誘導体LXIXのオレフィンLXXIIへの還元、続くオレフィンLXXIIの塩基での処理は、対応するヒドロキシル化合物LXXIIIを与える。エーテル中間体LXXIVは、ヒドロキシル中間体LXXIIIのアリール誘導体XLIIでの処理によって得ることができる。エーテル中間体LXXIVの加水分解は、最終化合物Irを与える。シクロプロピル誘導体Isは、中間体LXXIVをジアゾメタン(LXXV)で処理し、続く加水分解反応で形成することができる。アセチレン誘導体LXIXの水素化、続く塩基での処理により、ヒドロキシル中間体LXXVIIIを得る。エチル誘導体Itは、ヒドロキシル中間体LXXVIIIとアリール誘導体XLIIとの反応、続く加水分解反応によって得ることができる。
第1工程において、ヨウ素化は、中間体IIaを、N−ヨードスクシンイミド(NIS、LXIV)により、有機溶媒(例えば、クロロホルム、アセトニトリル、ジクロロメタン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、又は四塩化炭素)中で、0℃〜室温の間の温度で30分間〜数時間で処理することにより達成することができる。
酢酸エステルLXVIは、中間体LXVと無水酢酸(VII)との反応により、形成することができる。反応は、塩基(例えば、4−ジメチルアミノピリジン)の存在下、有機溶媒(例えば、ピリジン)中、室温で数時間で行うことができる。
中間体LXVIIIは、パラジウム触媒(例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)、又はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、及び銅(I)触媒(例えば、ヨウ化銅(I))の存在下で、ヨード誘導体LXVIとトリメチルシリルアセチレン(LXVII)とのカップリング反応により生成することができる。反応は、塩基(例えば、トリエチルアミン、又はジイソプロピルエチルアミン)の存在下、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド又はトルエン)中、150℃で、約6分間、マイクロ波照射下で行うことができる(Baldwin, K. P. et al.、Synlett 11(1993)853)。
アセチレンLXIXを与える、化合物LXVIIIのトリメチルシラニル基の除去は、適切な溶媒(例えば、水、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、又はそれらの混合物)中、室温で、数時間で、フッ化カリウム又はフッ化テトラブチルアンモニウムで処理することにより達成することができる。あるいは、塩基(例えば、炭酸カリウム又は水酸化カリウム)をトリメチルシラニル基の除去に使用することができる。反応は、適切な溶媒(例えば、メタノール、テトラヒドロフラン、水又はそれらの混合物)中、室温で、数時間で行うことができる。
アセチレン誘導体LXIXの還元は、オレフィンLXXIIを与える。還元は、アセチレン誘導体LXIXを、トリエチルボランの存在下で、不活性有機溶媒(例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ヘキサン、又はそれらの混合物)中、−15℃〜室温の間の温度で数時間、三塩化インジウム(LXX)及びトリエチルシラン(LXXI)で処理することにより達成することができる(Hayashi, N.; et al., Org. Lett. 6(2004) 4981-4983)。あるいは、ジフェニルシランを、ヒドリド源として使用することもできる(Hayashi, N.; et al., Org. Lett. 7 (2005) 3093-3096)。
化合物LXXIIは、溶媒(例えば、メタノール、水又はそれらの混合物)中で、室温〜80℃の間の温度で、10分間〜数時間、塩基(例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、炭酸カリウム、又は重炭酸ナトリウム)で処理することにより、対応するヒドロキシル化合物LXXIIIに変換することができる(references:Boger, D. L. et al., J. Org. Chem. 61 (1996) 4894-4912; Kim, M. et al., J. Org. Chem. 69 (2004) 6945-6948)。
ヒドロキシル中間体LXXIIIのエーテルLXXIVへの変換は、ヒドロキシル中間体LXXIII及びアリール誘導体XLIIを、ヨウ化カリウムの存在下、適切な有機溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、ジメチルスルホキシド又はそれらの混合物)中、塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、又は炭酸セシウム)で処理することにより達成することができる。反応は、100℃〜150℃の間の温度で、30〜60分間、マイクロ波照射下で行うことができる。あるいは、反応は、高温で、マイクロ波照射をせずに、より長い時間で行うことができる。
オレフィンLXXIVのメチルエステル部分の加水分解は、最終化合物Irを与える。
反応は、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウム)水溶液存在下、不活性溶媒(例えば、1,4−ジオキサン又はテトラヒドロフラン)中、室温で、数時間で行うことができる。
オレフィンLXXIVの、対応するシクロプロピル誘導体LXXVIへの変換は、パラジウム触媒(例えば、パラジウム(II)アセチルアセトン、酢酸パラジウム、又はパラジウムジクロリドビス(ベンゾニトリル))存在下、溶媒(例えば、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、又はそれらの混合物)中で、0℃〜室温の間の温度で数時間、化合物LXXIVを、ジアゾメタン(LXXV)で処理することにより行うことができる(reference:Staas, D. D. et al. Bioorg. Med. Chem. 14 (2006) 6900)。
エーテル誘導体LXXIVに関して記載されたものと同様の方法での、生成されたエーテル誘導体LXXVIのさらなる加水分解は、最終化合物Isを与える。
アセチレン誘導体LXIXの水素化は、40psiの水素下、10%パラジウム担持炭の存在下で、有機溶媒(例えば、酢酸エチル、メタノール、又はエタノール)中、室温で、数時間で行うことができる。
酢酸エステルLXXIIのエーテル誘導体LXXIVへの変換に関して記載された上記のものと同様の方法で、化合物LXXVIIを、対応するエーテルLXXIXに変換することができる。エーテル誘導体LXXIVに関して記載されたものと同様の方法での、生成されたエーテル誘導体LXXIXの加水分解は、最終化合物Itを与える。
式Iu及びIvの対象の化合物は、スキーム15に従って調製することができる。このプロセスにおいて、ブロモ誘導体LXXXIは、ヒドロキシル中間体II(これは、スキーム1〜7からのIIa、IIb、IIc、IId、及びIIeを包含する)とアリール誘導体LXXXとの反応により、生成することができる。ブロモ誘導体とシクロプロピルボロン酸(LXXXII)との鈴木カップリング反応、続く加水分解反応は、最終化合物Iuを与える。ブロモ誘導体及びエチルボロン酸(LXXXIV)との鈴木カップリング反応、続く加水分解反応は、最終化合物Ivを与える。
中間体XXXVIIの調製に関してスキーム8に記載したものと同様の方法で、ヒドロキシル中間体IIとアリール誘導体LXXXとの反応により、エーテルLXXXIを生成することができる。
生成されたエーテルLXXXIのブロモ基を、メチル中間体LIXの調製に関してスキーム13に記載したものと同様の方法で、化合物LXXXIと、エチルボロン酸(LXXXIV)又はシクロプロピルボロン酸(LXXXII)との鈴木カップリング反応により、エチル又はシクロプロピルに変換することができる。スキーム8に記載した加水分解工程と同様の方法で、化合物LXXXIII及び化合物LXXXIVの加水分解は、それぞれ、最終的な対象の化合物Iu及びIvを与える。
式Iwの対象の化合物は、スキーム16に従って調製することができる。このプロセスにおいて、化合物Ihのヨードメタン(LXXXVI)での処理、続く加水分解は、最終化合物Iwを与える。
このプロセスの第1工程において、中間体LXXXVIIは、化合物Ihを、ヨードメタン(LXXXVI)により、塩基(例えば、水素化ナトリウム)の存在下、不活性有機溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)中で、−30℃〜−15℃の間の温度で数時間で処理することにより形成することができる。
スキーム8に記載した加水分解工程と同様の方法で、中間体LXXXVIIの加水分解は、最終化合物Iwを与える。
式Ix及びIyの対象の化合物は、スキーム17に従って調製することができる。このプロセスにおいて、メタ置換−ベンズアルデヒドLXXXVIIIとジメチルスクシナート(IV)とのシュトッベ縮合反応は、不飽和酸LXXXIXを与え、これを続いて、酢酸ナトリウム(VI)及び無水酢酸(VII)の存在下で環化させ、化合物XCa及びXCbの混合物を生成する。スキーム1に記載した方法を用いて、ナフタレン誘導体XCa及びXCbの混合物を次に対応する中間体IIf及びIIgの混合物に変換し、これをカラムクロマトグラフィーにより分離して、中間体IIf及びIIgを与える。ヒドロキシル中間体IIfとアリール誘導体XXXVIとの反応、続くエステルの加水分解は、対象の式Ixの化合物を与える。ヒドロキシル中間体IIg及びアリール誘導体XXXVIとの反応、続くエステルの加水分解は、式Iyの対象の化合物を与える。
スキーム17で概説した第1工程において、不飽和酸LXXXIXは、メタ置換−ベンズアルデヒドLXXXVIIIとジメチルスクシナート(IV)との縮合反応によって調製することができる。反応は、塩基(例えば、ナトリウムメトキシド、リチウムメトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、水素化ナトリウム又はカリウムtert−ブトキシド)の存在下、有機溶媒(例えば、メタノール、tert-ブタノール、トルエン、又はそれらの混合物)中で、室温〜90℃の間の温度で数時間で行うことができる(reference:Dian, Y. L. et al., Tetrahedron Lett., 32 (1991) 5255)。
ナフタレン誘導体XCa及びXCbの混合物を生成する、不飽和酸LXXXIXの環化は、室温〜140℃の間の温度で、0.5〜12時間、不飽和酸LXXXIXを酢酸ナトリウム(VI)及び無水酢酸(VII)で処理することにより達成することができる(references:Boger, D. L. et al., J. Org. Chem. 61 (1996) 4894-4912; Kim, M. et al., J. Org. Chem. 69 (2004) 6945-6948)。スキーム1に上記のプロセスを用いて、ナフタレン誘導体XCa及びXCbの混合物を、ヒドロキシル中間体IIf及びIIgの混合物に変換することができ、これをカラムクロマトグラフィーにより分離して、中間体IIf及びIIgを得る。
ヒドロキシル中間体IIfのエーテルXCIaへの変換は、適切な有機溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシド)中で、化合物IIf及びアリール誘導体XXXVIを、塩基(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、又は炭酸セシウム)で処理することにより達成することができる。反応は、100℃〜150℃の間の温度で、30〜60分間、マイクロ波照射下で行うことができる。
あるいは、反応は、高温で、マイクロ波照射をせずに、より長い時間で行うことができる。
メチルエステルXCIaの加水分解は、対象の式Ixの化合物を与える。反応は、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウム)水溶液の存在下、不活性溶媒(例えば、1,4−ジオキサン又はテトラヒドロフラン)中、室温で、数時間で行うことができる。
ヒドロキシル中間体IIgの対象の式Iyの化合物への変換は、対象の式Ixの化合物の調製に関して記載されたものと同様の方法で達成することができる。
R4がトリフルオロメチルを表す場合の本発明の化合物は、スキーム18に記載したように調製することができる中間体XCIIIを用いて調製することができる。ヨウ化銅(I)触媒下での、式LXVIの中間体ヨウ化物(上記スキーム14に記載のとおり調製)の2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)酢酸メチルでの処理は、式XCIIの中間体を与える。XCII中のアセチル保護基は、除去して、式XCIIIのフェノールを与えることができ、これは、R4がトリフルオロメチルを表すとき、スキーム8、10、11の出発物質に相当し、これらのスキームに記載された反応を用いて、対象の式Ii、Ik、Im及びIn(R4がトリフルオロメチルを表す場合)の化合物の調製に用いることができる。
式LXVIの中間体の式XCIIの中間体への変換は、従来の任意の手段を用いて、実施することができる。例えば、式LXVIの中間体を、ヨウ化銅(I)の存在下で、さらにヘキサメチルホスホルアミドの存在下で、不活性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)中、約70℃の温度で数時間、市販の試薬、2,2−ジフルオロ−2−(フルオロスルホニル)酢酸メチルで処理し、式XCIIの対応するトリフルオルメチル誘導体を得ることができる(reference:Briner, K. et al. WO 2007028132)。
酢酸エステル誘導体XCIIは、塩基(例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、炭酸カリウム又は重炭酸ナトリウム)の存在下、溶媒(例えば、メタノール、水、又はそれらの混合物)中で、室温〜80℃の間の温度で、10分間〜数時間で、対応するヒドロキシル化合物XCIIIに変換することができる(reference:Kim, M. et al.、J. Org. Chem.69(2004)6945-6948)。
主要な中間体IIb-1(スキーム8で中間体IIの代わりに用いて、式Iの化合物h及びIiを製造することができる)は、スキーム19に記載のとおりに調製することができる。(4−フルオロ−フェニル)−酢酸(XCIV)の塩化オキサリルでの処理は、対応する酸クロリドをインサイチューで生成し、これを分離せず、塩基の存在下、ウィッティヒタイプ試薬XCVで処理して、アレン誘導体XCVIを生成する。アレンとマロン酸tert-ブチルエステルエチルエステルとの共役添加反応は、トリエステル誘導体XCVIIを生成し、これは、加水分解及び続く脱カルボキシル化により、酸誘導体XCVIIIを生成する。XCVIIIの無水酢酸-促進環化は、ナフタレン誘導体XCIXを与え、アセチル基の加水分解は、主要な中間体IIb-1を生成する。
(4−フルオロフェニル)−酢酸のその対応する酸クロリド誘導体への変換は、当技術分野において公知の方法により達成することができる。例えば、反応は、エーテル溶媒中、室温で、塩化オキサリル及び触媒量のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を用いて行うことができる。続くインサイチューで生成された酸クロリドの塩基(例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミン)での処理は、対応するケテンの生成を導き、これは、ウィッティヒタイプ試薬、例えば、XCVで、エーテル溶媒中、0〜10℃の間の温度での処理により、アレン誘導体XCVIを生成する。
トリエステル誘導体XCVIIを生成する、アレン誘導体XCVIとマロン酸tert-ブチルエステルエチルエステルとの共役添加反応は、塩基(例えば、カリウムtert−ブトキシド)の存在下、溶媒(例えば、N,N−ジメチルアセトアミド)中、室温で実施される。
XCVII中の2つのエチルエステルのエステル加水分解は、当技術分野において公知の方法を用いて達成することができる。例えば、反応は、塩基(例えば、水酸化リチウム)水溶液を用いて、溶媒(例えば、エタノール)存在下で、室温で一晩、実施することができる。得られた二酸の溶液を還流下数時間で加熱する、続いての脱カルボキシル化反応により、XCVIIIを生成することができる。
不飽和酸誘導体XCVIIIのナフタレンXCIXへの環化は、前記のとおり(スキーム2と同様に)、無水酢酸及び酢酸カリウム又は酢酸ナトリウムの存在下で、約85℃の温度で、数時間で達成することができる。
酢酸エステル誘導体XCIXを次に加水分解に付し、溶媒(例えば、メタノール)中、室温で、塩基(例えば、ナトリウムメトキシド)で処理することにより、所望の主要な中間体IIb-1を得る。
実施例
本明細書において、特定の説明的な実施態様を図示及び説明するが、本発明の化合物は、適切な出発物質を用いて、本明細書において一般的に記載された方法及び/又は当業者に利用可能な方法に従って、調製することができる。
中間体及び最終化合物は、フラッシュクロマトグラフィー及び/又は分取HPLC(高速液体クロマトグラフィー)のいずれかにより精製した。フラッシュクロマトグラフィーは、別途示されない限り、(1)Biotage SP1(商標)システム及びQuad 12/25カートリッジモジュール(Biotage AB社製)又は(2)ISCO CombiFlash(登録商標)クロマトグラフィー装置(Teledyne Isco, Inc.製)を用いて実施した。用いたシリカゲルの銘柄及び孔径は:(1)KP−SIL(商標)60Å、粒径:40〜60ミクロン(Biotage AB社製);(2)シリカゲルCASレジストリー番号:63231−67−4、粒径:47〜60ミクロン;又は(3)Qingdao Haiyang Chemical Co., Ltd製ZCX、孔径:200〜300メッシュ又は300〜400メッシュである。分取HPLCは、Xbridge(商標)Prep C18(5μm、OBD(商標)30×100mm)カラム(Waters Corporation社製)、又はSunFire(商標)Prep C18(5μm、OBD(商標)30×100mm)カラム(Waters Corporation社製)を用いた逆相カラムで実施した。
質量分析(MS)は、Waters(登録商標)Alliance(登録商標)2795-ZQ(商標)2000(Waters Corporation社製)を用いて実施した。質量スペクトルデータは、通常、特に明記しない限り、親イオンのみを示す。MSデータは、示された特定の中間体又は化合物に関して記載される。
核磁気共鳴分光法(NMR)は、Bruker Avance(商標)400MHZデジタルNMR分光計(400MHzで得た1H NMRスペクトル用)(Bruker BioSpin AG Ltd.製)を用いて実施した。NMRデータは、示された特定の中間体又は化合物に関して記載される。
マイクロ波支援反応は、Biotage Initiator(商標)Sixty(Biotage AB製)中で実施した。
空気敏感性試薬が関与するすべての反応は、不活性雰囲気下で実施した。試薬は、別途示されない限り、業務用サプライヤーから入手したままで使用した。
パートI:好適な中間体の調製
2,5−ビス−メタンスルホニル−3−メチル−ピリジンの調製
3−メチル−2,5−ビス−メチルスルファニル−ピリジン
無水N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中の5−ブロモ−2−フルオロ−3−メチル−ピリジン(1.0g、5.3mmol)の冷(氷−水浴)溶液に、ナトリウムメタンチオラート(775mg、11.1mmol)を少しずつ、窒素雰囲気下で加えた。得られた混合物を室温で15分間、次に100℃で一晩撹拌した。反応混合物を、室温に冷まし、水に注ぎ、ジエチルエーテル(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、3−メチル−2,5−ビス−メチルスルファニル−ピリジンを得て、これを精製することなく次の工程で用いた(reference: Testaferri, L. et al., Tetrahedron 41 (1985) 1373-1384)。
2,5−ビス−メタンスルホニル−3−メチル−ピリジン
ジクロロメタン(50mL)中の3−メチル−2,5−ビス−メチルスルファニル−ピリジンの冷(氷−水浴)溶液に、m−クロロペルオキシ安息香酸(5.3g、純度80%、24.6mmol)を加えた。室温で2時間撹拌した後、混合物を亜硫酸ナトリウム飽和水溶液(20mL)で処理し、15分間撹拌した。有機層を分離し、炭酸ナトリウム飽和水溶液及びブラインで洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチルから結晶化させ、2,5−ビス−メタンスルホニル−3−メチル−ピリジン(1.2g、2工程で収率91%)を白色の固体として得た(reference:Testaferri、L. et al.、Tetrahedron 41(1985)1373-1384)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 9.00 (d, J = 1.6 Hz, 1 H), 8.52 (d, J = 1.6 Hz, 1 H), 3.48 (s, 3 H), 3.41 (s, 3 H), 2.72 (s, 3 H).
2−ブロモ−5−メタンスルホニル−ピリジンの調製
2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン、ナトリウムメタンチオラート及びm−クロロペルオキシ安息香酸から出発して、2,5−ビス−メタンスルホニル−3−メチル−ピリジンに関して記載したものと同様の方法を用いて、2−ブロモ−5−メタンスルホニル−ピリジンを白色の固体として得た。
2−ブロモ−5−エタンスルホニル−ピリジンの調製
ジエチルエーテル(50mL)中の2,5−ジブロモピリジン(2g、8.4mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、9.24mmol)を、窒素雰囲気下で、−78℃で滴下した。混合物をこの温度で1時間撹拌した後、ジエチルジスルフィド(1.15mL、9.24mmol)を−78℃で徐々に加え、混合物を、この温度で1時間、0℃でさらに1時間撹拌した。反応混合物を、次に1N塩酸(20mL)でクエンチした。水層を分離し、ジエチルエーテル(20mL)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をジクロロメタン(50mL)に溶解した。溶液に、m−クロロペルオキシ安息香酸(4.3g、80%純度、16.8mmol)を0℃で少しずつ加えた。室温で2時間撹拌した後、混合物を亜硫酸ナトリウム飽和水溶液(20mL)で処理し、15分間撹拌した。有機層を分離し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(20mL)で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製(石油エーテル中の30%酢酸エチルで溶離)して、2−ブロモ−5−エタンスルホニル−ピリジン(400mg、19%)を白色の固体として得た(reference: Li J. et al., Bioorg. Med. Chem. 13 (2005) 1805-1809)。
3−ブロモ−2−クロロ−5−メタンスルホニル−ピリジンの調製
水(100mL)中の亜硫酸ナトリウム(4.80g、38.1mmol)及び重炭酸ナトリウム(6.10g、72.6mmol)の撹拌した溶液を、15℃に冷却し、5−ブロモ−6−クロロピリジン−3−スルホニルクロリド(10.00g、34.4mmol)を加えた。窒素雰囲気下で、15℃で3時間、次に室温で一晩撹拌した後、混合物を40℃に加熱し、水(20mL)中の2−クロロ酢酸(3.80g、40.2mmol)及び水酸化ナトリウム(1.90g.47.5mmol)の溶液を加えた。得られた混合物を、還流下48時間撹拌し、次に室温に冷ました。沈殿した生成物を濾過により回収し、水(50mL)で洗浄し、カラムクロマトグラフィーにより精製(石油エーテル中の15〜20%酢酸エチルの勾配で溶離)して、3−ブロモ−2−クロロ−5−メタンスルホニル−ピリジン(1.80g、6.65mmol)を白色の固体として得た。
水(10mL)中の2−クロロ酢酸(1.90g、20.1mmol)及び水酸化ナトリウム(0.80g、20.0mmol)の溶液を濾液に加えた。混合物を一晩加熱還流し、次に蒸発させて、水の大半(約100mL)を除去した。残留物を室温に冷まし、次にジクロロメタン(80mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製(石油エーテル中の15〜20%酢酸エチルの勾配で溶離)して、もう1つのバッチの3−ブロモ−2−クロロ−5−メタンスルホニル−ピリジン(1.30g、4.8mmol、2つのバッチの収率35.5%)を白色の固体として得た(reference: US 5424481)。
2,5−ビス−エタンスルホニル−ピリジンの調製
2,5−ビス−エチルスルファニル−ピリジン
ジメチルスルホキシド(200mL)中の水酸化ナトリウム(16.0g、400mmol)の溶液に、エタンチオール(49.6g、798mmol)、続いて2,5−ジブロモピリジン(23.7g、100mmol)を、窒素雰囲気下で、−5℃〜0℃の間で加えた。180℃で5時間加熱した後、反応混合物を室温に冷まし、水(340mL)に注ぎ、ジエチルエーテル(400mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物(21.0g)を更に精製することなく次の工程で直接使用した(reference: Testaferri, L. et al., Tetrahedron 41 (1985) 1373-1384)。
2,5−ビス−エタンスルホニル−ピリジン
6N塩酸(100mL)中の粗2,5−ビス−エチルスルファニル−ピリジン(上記で調製した)の溶液に、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(8.0%、500mL)を0℃で加えた。得られた沈殿を濾過により回収し、水で洗浄し、減圧下で乾燥させ、次にジエチルエーテルから再結晶して、2,5−ビス−エタンスルホニル−ピリジン(18.0g、70%)を白色の固体として得た(reference: US 4371537)。
3−ブロモ−2−クロロ−5−エタンスルホニル−ピリジンの調製
5−エタンスルホニル−ピリジン−2−オール
水中の水酸化カリウム(11.0g、196mmol、50%)の溶液を、水及びテトラヒドロフラン(100mL、1:1、v/v)中の2,5−ビス−エタンスルホニル−ピリジン(12.0g、45.6mmol、上記の方法を用いて調製)の懸濁液に加えた。1時間加熱還流した後、混合物を、0.5N塩酸でpH3に酸性化し、減圧下で濃縮し、溶媒を除去した。残留物を沸騰エタノール(150mL)でトリチュレートし、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得て、これをさらに精製することなく次の工程で用いた。
3−ブロモ−5−エタンスルホニル−ピリジン−2−オール
上記で調製した、酢酸(50mL)中の粗5−エタンスルホニル−ピリジン−2−オール及び酢酸ナトリウム(3.74g、45.6mmol)に、酢酸(10mL)中の臭素(7.3g、46.0mmol)の溶液を、1時間かけて滴下した。室温で一晩撹拌後、酢酸(10mL)中のさらなる臭素(7.3g、46.0mmol)を、反応混合物に1時間かけて滴下した。一晩撹拌した後、反応混合物を30℃に温め、2時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を水(100mL)でトリチュレートした。固体を濾過により回収し、チオ硫酸ナトリウムの希釈溶液で洗浄し、減圧下で乾燥させて、3−ブロモ−5−エタンスルホニル−ピリジン−2−オール(9.1g、75%、2工程)を白色の固体として得た(reference: Bargar, T. M. et al., J. Heterocyclic Chem. 22 (1985) 1583-1592)。
3−ブロモ−2−クロロ−5−エタンスルホニル−ピリジン
オキシ塩化リン(30mL)中の3−ブロモ−5−エタンスルホニル−ピリジン−2−オール(6.0g、22.5mmol)の懸濁液を、窒素雰囲気下で、4時間加熱還流した。減圧下で過剰量のオキシ塩化リンを除去した後、白色の固体残留物を、冷水(200mL)でトリチュレートした。混合物を1時間撹拌した。
固体を濾過により回収し、減圧下で乾燥させて、3−ブロモ−2−クロロ−5−エタンスルホニル−ピリジン(5.5g、85.7%)を白色の固体として得た(reference: Bargar, T. M. et al., J. Heterocyclic Chem. 22 (1985) 1583-1592)。
2−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−2−アザ−スピロ[3.3]ヘプタンの調製
N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中の4−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド(320mg、1.83mmol)の冷(氷−水浴)溶液に、水素化ナトリウム(150mg、分散60%、3.75mmol)を少しずつ加えた。混合物を0℃で10分間撹拌した後、N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の3,3−ビス−ブロモメチル−オキセタン(440mg、1.8mmol)の溶液を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次に1N塩酸で中和し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(20mL×3)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製(石油エーテル中の20%酢酸エチルで溶離)して、2−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−2−アザ−スピロ[3.3]ヘプタン(120mg、26%)を白色の固体として得た(reference: Blizzard T. A. et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 14 (2004) 3861-3864)、MS C12H14FNO2Sの計算値255、実測値(ESI+)[(M+H)+] 256。
4−フルオロ−N,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミドの調製
テトラヒドロフラン(10mL)中の4−フルオロベンゼンスルホニルクロリド(1.95g、10mmol)及びジメチルアミン塩酸塩(978mg、12mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(10mL)中の4−ジメチルアミノピリジン(3.05g、25mmol)の溶液に室温で滴下した。得られた混合物を、室温で一晩撹拌し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラム(石油エーテル中の20%酢酸エチルで溶離)により精製して、4−フルオロ−N,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド(1.02g、50%)を白色の固体として得た。
以下のスルホンアミドは、4−フルオロ−N,N−ジメチル−ベンゼンスルホンアミドに関して記載したものと類似の方法で、4−フルオロベンゼンスルホニルクロリドと市販のアミンとの反応により調製した。
1−エタンスルホニル−4−フルオロ−ベンゼンの調製
水(200mL)中のリン酸水素ナトリウム(14.2g、0.1mol)及び亜硫酸ナトリウム(25.2g、0.2mol)の溶液に、4−フルオロ−ベンゼンスルホニルクロリド(19.5g、0.1mol)を加えた。混合物を60℃で一晩撹拌した後、アセトン(20mL)中のブロモエタン(32.7g、0.3mol)の溶液を滴下し、続いてヨウ化テトラブチルアンモニウム(3.7g、0.01mol)を一度に加えた。得られた反応混合物を、室温で5日間撹拌し、次に水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製(石油エーテル中の20%酢酸エチルで溶離)して、1−エタンスルホニル−4−フルオロ−ベンゼン(11.9g、63%)を黄色の油状物として得た(reference: Arnold, Leggy A. A., et al., Org. Lett, 6 (2004), 3005-3007)。
1−エタンスルホニル−4−フルオロ−ベンゼンに関して記載したものと類似の方法で、市販のアルキルハライド及び置換ベンゼンスルホニルクロリドで出発して、以下のスルホン−置換フルオロ−ベンゼンを調製した。
(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸tert-ブチルエステルの調製
4−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−ブタ−2,3−ジエン酸エチルエステル
メチルtert-ブチルエーテル100mL及びDMF250μL中の(4−フルオロ−フェニル)−酢酸(22.33g、144.9mmol)の溶液に、塩化オキサリル13.02mL(146.3mmol)を室温で30分かけて滴下した。得られた混合物を、室温でさらに20分間撹拌(HPLCは、反応の完了を示した)し、次に全溶液を、メチルtert-ブチルエーテル100mL中のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(50.48mL、289.8mmol)及びエチル2−(トリフェニルホスホラニリデン)プロピオナート(50.0g、138.0mmol)の溶液に、内部温度を0〜15℃に維持しつつ、1時間かけて滴下した。添加が完了した後、反応混合物を0〜10℃でさらに10分間撹拌すると、このときHPLCは、反応の完了を示した。反応混合物を、次にヘプタン100mLで希釈し、0〜10℃で30分間撹拌した。得られた固体を濾過し、1:1 メチルtert-ブチルエーテル:ヘプタン2x100mLで洗浄した。濾液及び洗浄液を合わせ、水100mL、1M クエン酸100mL、水2x100mLで洗浄し、次に総容量約40mLまで25℃/60mmHgで共沸的に濃縮した。残留物をメチルtert-ブチルエーテル60mLで希釈した。この溶液を、それから後、次の工程で直接用いた。
2−エトキシカルボニル−3−[1−(4−フルオロ−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−4−メチル−ペンタン二酸1−tert-ブチルエステル5−エチルエステル
反応温度を約25℃に保持しつつ、マロン酸tert-ブチルエステルエチルエステル(30.08g、151.8mmol)を、N,N−ジメチルアセトアミド200mL中のカリウムtert-ブトキシド(16.30g、138.0mmol)の溶液に加えた。得られた混合物に、次に上記で調製した4−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−ブタ−2,3−ジエン酸エチルエステルの溶液を、反応温度が20〜28℃の間に保持されるような速度で加えた。添加が完了した後、反応混合物を室温で20分間撹拌すると、このときHPLCは、反応の完了を示した。混合物を次に1M クエン酸100mL及び氷−水150mLで処理し、次にメチルtert-ブチルエーテル400mLで抽出した。有機抽出物を分離し、水2x200mLで洗浄し、次に濃縮して黄色の油状物56.36gを生成し、これをさらに精製することなく次の工程で用いた。
3−[1−(4−フルオロ−フェニル)−メタ−(Z)−イリデン]−2−メチル−ペンタン二酸5−tert-ブチルエステル
上記で調製したマロン酸エステル誘導体(56.36g、138mmol)を、無水エタノール280mLに溶解した。水酸化リチウム(1M 溶液、414.0mL、414.0mmol)を15分間かけて徐々に加え、得られた反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を次に3時間還流下加熱した(HPLC分析は、脱カルボキシル化の完了を示した)。このとき、溶液を、30℃/30mmHgで濃縮し、約350mLの溶媒を除去した。残留物を10℃に冷却し、濃塩酸で滴下処理(32.0mL、389.7mmol)し、pHを2.75に調整した。反応混合物を、次にメチルtert-ブチルエーテル(400mL)で抽出した。有機相を分離し、水200mLで洗浄し、次に水150mL中の1M 炭酸ナトリウム17.00mLで処理し、さらに水200mLで洗浄し、次に30℃/80mmHgで共沸的に濃縮して、油状物を生成した。メチルtert-ブチルエーテル(200mL)を加え、残留物を30℃/80mmHgで共沸的に濃縮し、黄色の油状物38.3gを生成し、これをさらに精製することなく次の工程で用いた。
(4−アセトキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸tert-ブチルエステル
上で調製した3−[1−(4−フルオロ−フェニル)−メタ−(Z)−イリデン]−2−メチル−ペンタン二酸5−tert-ブチルエステル(38.3g、124.2mmol)を、無水酢酸(96.00mL、995.3mmol)に溶解した。この溶液に、酢酸カリウム(18.66g、186.3mmol)を加え、反応混合物を85±2℃で10時間撹拌すると、このときHPLC分析は、反応の完了を示した。反応混合物を、次に室温に冷まし、ヘプタン96mLで希釈した。この溶液に、内部温度を約23℃に維持しながら、水270mLを1時間かけて加えた。混合物を次に0〜5℃に冷却し、2時間撹拌した。形成された固体を濾過し、次に水(2x40mL)、ヘプタン(2x40mL)で洗浄し、次に減圧下で乾燥させて、黄色の固体28.5gを得て、これをさらに精製することなく次の工程で用いた。
(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸tert-ブチルエステル(IIb-1)
メタノール140mL中の上で調製した(4−アセトキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸tert-ブチルエステル(28.4g、85.44mmol)の混合物に、ナトリウムメトキシド(メタノール中の25%溶液、23.44mL、102.5mmol)を急速に滴下した。得られた反応混合物を、室温で20分間撹拌すると、このとき、HPLC分析は、反応の完了を示した。混合物を0℃に冷却し、次に1N塩酸溶液(111.1mL、111.1mmol)でpH2に酸性化した。混合物を次に0〜5℃でさらに30分間撹拌した。得られた固体を濾過し、水(2×40mL)で洗浄し、次に減圧下で一晩(40℃)乾燥して、明黄色の固体23.7gを生成した。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.09 (s, 1 H), 7.76-7.86 (m, 2 H), 7.26-7.35 (m, 2 H), 3.71 (s, 2 H), 2.23 (s, 3 H), 1.41 (s, 9 H).
パートII:特定化合物の調製
実施例1−1
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸
2−(4−フルオロ−ベンジリデン)−コハク酸1−メチルエステル
カリウムtert-ブトキシド(27g、242mmol)及びtert-ブタノール(150mL)の還流混合物に、tert-ブタノール(100mL)中の4−フルオロ−ベンズアルデヒド(20g,161mmol)及びジメチルスクシナート(28g、193.2mmol)の溶液を滴下した。3時間加熱還流した後、混合物を減圧下で濃縮して、tert-ブタノールを除去した。残留物を1N塩酸(180mL)に溶解した。得られた水溶液を、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製(石油エーテル中の30%酢酸エチルで溶離)して、2−(4−フルオロ−ベンジリデン)−コハク酸1−メチルエステル(25.5g、66%)を明黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 7.84 (s, 1 H), 7.41 - 7.46 (m, 2 H), 7.13 - 7.20 (m, 2 H), 3.81 (s, 3 H), 3.49 (s, 2 H).
4−アセトキシ−6−フルオロ−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル
無水酢酸(10mL)中の2−(4−フルオロ−ベンジリデン)−コハク酸1−メチルエステル(2g、8.4mmol)の溶液に、酢酸ナトリウム(0.83g、10.1mmol)を加えた。6時間加熱還流した後、混合物を減圧下で濃縮した。残留物を1N塩酸(20mL)に溶解した。水溶液を、酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の10−20%酢酸エチル)により精製して、4−アセトキシ−6−フルオロ−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(1.1g、50%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.52 (s, 1 H), 8.00 (dd, J = 9.09, 5.56 Hz, 1 H), 7.89 (s, 1 H), 7.50 (dd, J = 9.85, 2.53 Hz, 1 H), 7.37 (td, J = 8.59, 2.53 Hz, 1 H), 3.99 (s, 3 H), 2.49 (s, 3 H).
6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル
メタノール(20mL)中の4−アセトキシ−6−フルオロ−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(1g、3.8mmol)の溶液に、ナトリウムメトキシド(309mg、5.7mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応混合物を1N塩酸でpH3に酸性化した。得られた沈殿物を、濾過により回収し、酢酸エチルに溶解した。有機溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、粗6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル900mgを薄黄色の固体として得て、これをさらに精製することなく次の工程で用いた。
4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル
6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(4.6g、21mmol)、炭酸カリウム(5.8g、42mmol)及びアセトン(100mL)の混合物に、臭化ベンジル(5.47g、32mmol)を加えた。窒素雰囲気下、還流下で4時間、激しく撹拌した後、得られた混合物を、室温に冷まし、濾過した。有機溶液を、減圧下で濃縮して、4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(5.85g、90%)を白色の固体として得た。
(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−メタノール
テトラヒドロフラン(30mL)中の水素化アルミニウムリチウム(1.4g、36.9mmol)のスラリーに、テトラヒドロフラン(30mL)中の4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(5.8g、18.7mmol)の溶液を、窒素雰囲気下で、0℃で加えた。窒素雰囲気下で、60℃で1時間加熱した後、得られた混合物を、0℃に冷却し、1N塩酸を加え、反応物をクエンチした。水層を、ジエチルエーテル(50mL×4)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−メタノール(4.9g、93%)を白色の固体として得た。
1−ベンジルオキシ−3−クロロメチル−7−フルオロ−ナフタレン
無水テトラヒドロフラン(16mL)中のトリフェニルホスフィン(2.8g、10.6mmol)の溶液に、四塩化炭素(5mL)を加えた。混合物を室温で10分間撹拌した後、(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−メタノール(1.5g、5.3mmol)を、窒素雰囲気下で固体として加えた。還流下2時間撹拌した後、得られた混合物を、室温に冷まし、水で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を、水(50mL×2)で洗浄した。合わせた水層を、酢酸エチル(100mL)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の5%酢酸エチル)により精製して、1−ベンジルオキシ−3−クロロメチル−7−フルオロ−ナフタレン(1.4g、87.5%)を白色の固体として得た。
(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
1−ベンジルオキシ−3−クロロメチル−7−フルオロ−ナフタレン(5.4g、18mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(630mg、0.9mmol)及び炭酸カリウム(2.6g、18.9mmol)を含有するフラスコ(排気し、次に一酸化炭素(バルーン)で満たしたもの)に、メタノール(25mL)及びテトラヒドロフラン(50mL)をシリンジを用いて加えた。一酸化炭素雰囲気下で、室温で一晩撹拌した後、得られた混合物を、水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を、水(50mL×2)で洗浄した。合わせた水層を、酢酸エチル(150mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の20%酢酸エチルで溶離)により精製して、(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(5.3g、91%)を白色の固体として得た。
(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
メタノール(20mL)中の(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(876mg、2.7mmol)の溶液に、10%パラジウム担持炭(132mg)を加えた。得られた混合物を、水素雰囲気(バルーン)下で一晩激しく撹拌し、次に濾過した。濾液を、減圧下で濃縮して、(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(601mg、95%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.69 - 7.76 (m, 2 H), 7.30 (s, 1 H), 7.22 - 7.26 (m, 1 H), 6.82 (s, 1 H), 3.74 (s, 3 H), 3.72 (s, 2 H).
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(49mg、0.21mmol)、1−エタンスルホニル−4−フルオロ−ベンゼン(87mg、0.427mmol)、及び炭酸カリウム(73mg、0.53mmol)を含有する密閉管を排気し、窒素で満たした。無水N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)を加えた。100℃で一晩撹拌した後、混合物を室温に冷まし、次に水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(10mL×3)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の30%酢酸エチルで溶離)により精製して、[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(67.6mg、80%)を白色の固体として得た。
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸
5N水酸化リチウム(6mL)を、テトラヒドロフラン(4mL)中の[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(64mg、0.16mmol)の溶液に加えた。室温で一晩撹拌した後、得られた混合物を、5N塩酸でpH3に酸性化し、次に酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をエチルエステル/石油エーテル(1:10)から沈殿させて、[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸(25mg)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.84 - 7.90 (m, 3 H), 7.65 (s, 1 H), 7.57 (dd, J = 9.85, 2.53 Hz, 1 H), 7.33 (td, J = 8.65, 2.65 Hz, 1 H), 7.09 - 7.14 (m, 3 H), 3.80 (s, 2 H), 3.13 (q, J = 7.33 Hz, 2 H), 1.30 (t, J = 7.45 Hz, 3 H); MS C20H17FO5Sの計算値388、実測値(ESI+)[(M+H)+] 389。
実施例1−2〜1−23
以下の実施例1−2〜1−23は、4−フルオロ−ベンズアルデヒド、4−クロロ−ベンズアルデヒド、4−メトキシ−ベンズアルデヒド、4−トリフルオロメチル−ベンズアルデヒド、4−トリフルオロメトキシ−ベンゼンアルデヒド、3,4−ジメトキシ−ベンズアルデヒド、及び3−フルオロ−ベンズアルデヒドから出発して、実施例1−1と類似の方法で、(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル、(6−クロロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル、(4−ヒドロキシ−6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル、(4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル、(4−ヒドロキシ−6−トリフルオロメトキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル、(4−ヒドロキシ−6,7−ジメトキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル、(5−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル及び(7−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステルそれぞれを導き(注:3−フルオロ−ベンズアルデヒドから出発して、(5−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル及び(7−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステルの両方を得ることができる。スキーム17参照。)、これらを次に、例えば1−1に記載した手順に従って、さらに適切な市販の若しくは調製したスルホニルアリール誘導体で処理して、調製した。
実施例2−1
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
2−(4−フルオロ−ベンジリデン)−3−メチル−コハク酸1−メチルエステル
無水メタノール(0.1mL)を、無水トルエン(200mL)中の水素化ナトリウム(鉱油中60%、20g、0.5mol)の懸濁液に注意深く添加した後、無水トルエン(100mL)中の4−フルオロ−ベンズアルデヒド(31g、0.25mol)及び2−メチル−コハク酸ジメチルエステル(60g、0.38mol)の溶液を、窒素流下、室温で加えた。得られた混合物を室温で30分間撹拌し、次に水(20mL)をゆっくり加えてクエンチした。混合物を濃塩酸を加えて酸性化し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の30%酢酸エチルで溶離)により精製して、2−(4−フルオロ−ベンジリデン)−3−メチル−コハク酸1−メチルエステル(20g、33%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, acetone-d6) δ ppm 7.77 (s, 1 H), 7.54 (d, J = 8.8 Hz, 2 H), 7.25 (d, J = 8.8 Hz, 2 H), 3.82 (q, 7.2 Hz, 1 H), 1.40 (d, J = 6.8 Hz, 3 H).
6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の2−(4−フルオロ−ベンジリデン)−3−メチル−コハク酸1−メチルエステル(1g、4mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(3.3g、15.7mmol)を一度に加え、その後トリエチルアミン(3.3mL、24mmol)を滴下した。室温で4時間撹拌した後、混合物を5%塩酸水溶液でpH3に酸性化し、酢酸エチル(30mL)で抽出した。有機層を、減圧下で濃縮した。残留物をメタノール(15mL)中に溶解した。得られた溶液を、0℃に冷却し、次に水素化ホウ素ナトリウム(380mg、10mmol)で処理し、1時間撹拌した。反応混合物を、酢酸エチル(20mL)及び5%塩酸水溶液(20mL)で希釈した。水相を分離し、酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(40mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10%酢酸エチルで溶離)により精製して、6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(740mg、80%)を青白い固体として得た。
あるいは、6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステルは、6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステルの調製に関して上記に記載したものと同様の方法で、2−(4−フルオロ−ベンジリデン)−3−メチル−コハク酸1−メチルエステルを無水酢酸及び酢酸ナトリウムで、続いてナトリウムメトキシドで処理することにより得ることができる。
4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル
6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(8.0g、34.2mmol)及び炭酸カリウム(9.45g、68.4mmol)の混合物に、アセトン(100mL)中の臭化ベンジル(4.5mL、37.6mmol)を加えた。得られた混合物を、還流下10時間、窒素雰囲気下で激しく撹拌した。混合物を冷却し、濾過した。合わせた有機溶液を、減圧下で濃縮して、4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(10.4g、94%)を白色の固体として得た。
(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−メタノール
テトラヒドロフラン(50mL)中の水素化アルミニウムリチウム(1.8g、47.5mmol)のスラリーに、テトラヒドロフラン(50mL)中の4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(10g、30.8mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、0℃で加えた。60℃で2時間加熱後、得られた混合物を、0℃に冷却し、1N塩酸で処理して、反応物をクエンチした。水層を、ジエチルエーテル(100mL×5)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−メタノール(8.4g、92%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.84 (dd, J = 5.6, 9.2 Hz, 1 H), 7.70 (dd, J = 2.4, 10.0 Hz, 1 H), 7.69 (s, 1 H), 7.40 - 7.50 (m, 5 H), 7.24 (td, J = 2.4, 8.4 Hz, 1 H), 4.99 (s, 2 H), 4.87 (s, 2 H), 2.47 (s, 3 H).
1−ベンジルオキシ−3−クロロメチル−7−フルオロ−2−メチル−ナフタレン
無水テトラヒドロフラン(32mL)中のトリフェニルホスフィン(7.1g、27.2mmol)の溶液に、四塩化炭素(10mL)を加えた。混合物を10分間撹拌し、4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−メタノール(4g、13.6mmol)を、窒素雰囲気下で、固体として導入した。還流下で2時間撹拌した後、得られた混合物を、水で希釈し、酢酸エチル(150mL)で抽出し、水(50mL×2)で洗浄した。合わせた水層を次に酢酸エチル(150mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の5%酢酸エチル)により精製して、1−ベンジルオキシ−3−クロロメチル−7−フルオロ−2−メチル−ナフタレン(3.5g、83%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.83 (dd, J = 5.6, 9.3 Hz, 1 H), 7.71 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 7.68 (s, 1 H), 7.40 - 7.58 (m, 5 H), 7.25 (td, J = 2.4, 8.8 Hz, 1 H), 5.01 (s, 2 H), 4.79 (s, 2 H), 2.54 (s, 3 H); MS C19H16ClFOの計算値314、実測値(ESI+)[(M+H)+] 315。
(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
1−ベンジルオキシ−3−クロロメチル−7−フルオロ−2−メチル−ナフタレン(3.3g、10.4mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(360mg、0.5mmol)及び炭酸カリウム(1.52g、11.0mmol)を含有するフラスコを、排気し、次に一酸化炭素(バルーン)で満たした。メタノール(18mL)及びテトラヒドロフラン(35mL)を、シリンジを用いて加えた。一酸化炭素雰囲気下、室温で一晩撹拌した後、得られた混合物を、水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を、水(50mL×2)で洗浄した。合わせた水層を、酢酸エチル(150mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の20%酢酸エチル)により精製して、(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(3.4g、96%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.80 (dd, J = 5.2, 8.4 Hz, 1 H), 7.70 (d, J = 10.4 Hz, 1 H), 7.40 - 7.59 (m, 6 H), 7.25 (td, J = 2.0, 8.8 Hz, 1 H), 5.00 (s, 2 H), 3.84 (s, 2 H), 3.75 (s, 3 H), 2.42 (s, 3 H); MS C21H19FO3の計算値338、実測値(ESI+)[(M+H)+] 339。
(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
メタノール(50mL)中の(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(3.4g、10.0mmol)の溶液に、10%パラジウム担持炭(0.5g)を加えた。得られた混合物を、水素(バルーン)雰囲気下で、一晩激しく撹拌した。濾液を、減圧下で濃縮して、(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(2.44g、98%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.69 - 7.74 (m, 2 H), 7.34 (s, 1 H), 7.21 (td, J = 2.4, 8.4 Hz, 1 H), 5.16 (s, 1 H), 3.82 (s, 2 H), 3.74 (s, 3 H), 2.35 (s, 3 H); MS C14H13FO3の計算値248、実測値(ESI+)[(M+H)+] 249。
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(100mg、0.4mmol)、1−エタンスルホニル−4−フルオロ−ベンゼン(152mg、0.8mmol)、及び炭酸カリウム(111mg、0.8mmol)を含有する密閉管を排気し、窒素で満たした。無水N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)を加えた。100℃で一晩撹拌した後、混合物を室温に冷まし、次に水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(10mL×3)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の30%酢酸エチル)により精製して、[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(160mg、96%)を得た。MS C22H21FO5Sの計算値416、実測値(ESI+)[(M+H)+] 417。
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
実施例1−1、最終工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(150mg、0.36mmol)から出発して、[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸(116mg、80%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.82 (d, J = 8.84 Hz, 2 H), 7.80 - 7.86 (m, 1 H), 7.70 (s, 1 H), 7.34 (dd, J = 9.98, 2.40 Hz, 1 H), 6.92 (d, J = 8.84 Hz, 2 H), 3.90 (s, 2 H), 3.11 (q, J = 7.33 Hz, 2 H), 2.25 (s, 3 H), 1.30 (t, J = 7.45 Hz, 3 H); MS C21H19FO5Sの計算値402、実測値(ESI+)[(M+H)+] 403。
実施例2−2〜2−45
以下の実施例2−2〜2−45を、実施例2−1と類似の方法で、4−フルオロ−ベンズアルデヒド又は4−クロロ−ベンズアルデヒドから出発して、(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル又は(6−クロロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステルをそれぞれ導き、これらを次に、実施例2−1に関して記載した手順に従って、さらに適切な市販の若しくは調製したアリール誘導体で処理して調製した。
実施例3−1
[4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
(4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
メタノール中の(4−ベンジルオキシ−6−クロロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(340mg、1.0mmol、実施例1−1の第1〜第7工程の4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステルの調製に関して上記した方法と同様の方法を用いて調製した)の溶液に、10%パラジウム担持炭(10mg)を加えた。得られた混合物を、水素雰囲気(バルーン)下、室温で一晩激しく撹拌し、次に濾過した。濾液を、減圧下で濃縮して、(4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(200mg、92.6%)を白色の固体として得た。
[4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
実施例1−1、最終2工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、(4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(108mg、0.5mmol)及び1−フルオロ−4−メタンスルホニル−ベンゼン(174mg、1.0mmol)から出発して、4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸(65.8mg、37%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 7.89 - 7.94 (m, 4 H), 7.71 (s, 1 H), 7.54 (dt, J = 8.08, 4.04 Hz, 1 H), 7.48 (s, 2 H), 7.14 - 7.19 (m, 3 H), 3.80 (s, 2 H), 3.11 (s, 3 H); MS C19H16O5Sの計算値356、実測値(ESI+)[(M+H)+] 357。
実施例3−2
[4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
2−(4−クロロ−ベンジリデン)−3−メチル−コハク酸
無水メタノール(0.1mL)を、無水トルエン(200mL)中の水素化ナトリウム(鉱油中60%、16g、0.40mol)の懸濁液に注意深く添加した後、無水トルエン(100mL)中の4−クロロ−ベンズアルデヒド(28g、0.20mol)及び2−メチル−コハク酸ジメチルエステル(48g、0.30mol)の溶液を、窒素流下、室温で滴下した。室温で2時間撹拌した後、得られた混合物を、2N水酸化ナトリウム(200mL)を滴下することにより希釈し、次に80℃に加熱し、同じ温度で2時間撹拌した。室温に自然に冷ました後、水層を分離し、酢酸エチル(100mL×3)で洗浄し、次に2N塩酸でpH2に酸性化し、酢酸エチル(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル/石油エーテル(10:1)から沈殿させて、2−(4−クロロ−ベンジリデン)−3−メチル−コハク酸(13.4g、26%)を黄色の固体として得た。
6−クロロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸
トリフルオルメタンスルホン酸(40mL)を含有するフラスコに、2−(4−クロロ−ベンジリデン)−3−メチル−コハク酸(14.0g)を少しずつ加えた。室温で18時間撹拌した後、得られた混合物を、氷−水に注ぎ、15分間撹拌した。形成された沈殿物を濾過により回収し、酢酸エチル(150mL)に溶解した。溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチル/石油エーテル(1:10)から沈殿させて、6−クロロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸(12.7g、97.6%)をピンク色の固体として得た。
7−クロロ−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−ナフタレン−1−オール
テトラヒドロフラン(80mL)中の水素化アルミニウムリチウム(4.1g)のスラリーに、テトラヒドロフラン(80mL)中の6−クロロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸(12.7g、54mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、0℃で加えた。60℃で5時間加熱した後、得られた混合物を、0℃に冷却し、1N塩酸で処理し、反応物をクエンチした。水層を、酢酸エチル(100mL×4)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、7−クロロ−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−ナフタレン−1−オール(8.5g、71%)を白色の固体として得た。
7−クロロ−3−クロロメチル−2−メチル−ナフタレン−1−オール
無水テトラヒドロフラン(165mL)中のトリフェニルホスフィン(20g、75.6mmol)の溶液に、四塩化炭素(50mL)を加えた。混合物を室温で20分間撹拌した後、7−クロロ−3−ヒドロキシメチル−2−メチル−ナフタレン−1−オール(8.4g、37.8mmol)を、窒素雰囲気下で、固体として加えた。還流下で2時間撹拌した後、得られた混合物を、室温に冷まし、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の5%酢酸エチルで溶離)により精製して、7−クロロ−3−クロロメチル−2−メチル−ナフタレン−1−オール(8.7g、96%)を白色の固体として得た。
(6−クロロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
7−クロロ−3−クロロメチル−2−メチル−ナフタレン−1−オール(8.64g、36mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(1.26g、1.8mmol)及び炭酸カリウム(5.2g、37.8mmol)を含有するフラスコ(排気し、次に一酸化炭素(バルーン)で満たしたもの)に、メタノール(30mL)及びテトラヒドロフラン(60mL)をシリンジを用いて加えた。一酸化炭素雰囲気下で、室温で一晩撹拌した後、得られた混合物を、水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を、水(50mL×2)で洗浄した。合わせた水層を、酢酸エチル(150mL)で抽出し、合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の20%酢酸エチルで溶離)により精製して、(6−クロロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(7.0g、74%)を橙色の固体として得た。
[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
実施例1−1のメチルエステルに関して記載したものと同様の方法を用いて、(6−クロロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(132mg、0.5mmol)及び1−フルオロ−4−メタンスルホニル−ベンゼン(174mg、1.0mmol)から出発して、[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(70mg、33%)を黄色の油状物として得た。
[4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
メタノール(3mL)中の[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(110mg、0.26mmol)の溶液に、10%パラジウム担持炭(10mg)を加えた。得られた混合物を、水素雰囲気(バルーン)下、室温で一晩激しく撹拌し、次に濾過した。濾液を、減圧下で濃縮して、[4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(68mg、67%)を無色の油状物として得て、これを更に精製することなく次の工程で直接使用した。
[4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
実施例1−1、最終工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(68mg)から出発して、[4−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸(24mg、37%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.84 (d, J = 8.84 Hz, 3 H), 7.70 - 7.75 (m, 2 H), 7.45 (ddd, J = 23.43, 7.26, 6.69 Hz, 2 H), 6.94 (d, J = 8.84 Hz, 2 H), 3.92 (s, 2 H), 3.04 (s, 3 H), 2.26 (s, 3 H); MS C20H18O5Sの計算値370、実測値(ESI+)[(M+H)+] 371。
実施例4−1
[1,6−ジフルオロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
(1,6−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
アセトニトリル(3mL)中の(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(100mg、0.277mmol)の溶液に、1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボラート)(255mg、0.72mmol)を0℃で加えた。得られた混合物を、室温で一晩撹拌し、水で希釈し、次に酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(20mL×3)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の30%酢酸エチル)により精製して、(1,6−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(60mg、86%)を黄色の固体として得た。MS C13H10F2O3の計算値252、実測値(ESI+)[(M+H)+] 253。
[1,6−ジフルオロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
(1,6−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(50mg、0.198mmol)、2−ブロモ−5−メタンスルホニル−ピリジン(52mg、0.22mmol)、炭酸カリウム(60mg、0.434mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.0mL)の混合物を、70℃で3時間加熱した。得られた混合物を室温に冷まし、1N塩酸でpH3に酸性化し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(20mL×3)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、[1,6−ジフルオロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(70mg、87%)を白色の固体として得て、これをさらに精製することなく次の工程で用いた。
[1,6−ジフルオロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
実施例1−1、最終工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、[1,6−ジフルオロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(70mg、0.172mmol)から出発して、[1,6−ジフルオロ−4−(5−メタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸(10mg、15%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.56 (d, J = 2.53 Hz, 1 H), 8.39 (dd, J = 8.84, 2.53 Hz, 1 H), 8.19 (dd, J = 9.35, 5.31 Hz, 1 H), 7.60 (td, J = 8.97, 2.53 Hz, 1 H), 7.49 - 7.54 (m, 1 H), 7.43 - 7.48 (m, 2 H), 3.82 (s, 2 H), 3.28 (s, 3 H); MS C18H13F2NO5Sの計算値393、実測値(ESI+)[(M+H)+] 394。
実施例4−2
[1,6−ジフルオロ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
実施例4−1に関して記載したものと同様の方法を用いて、(1,6−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(50mg、0.198mmol)及び2−ブロモ−5−エタンスルホニル−ピリジン(52mg、0.208mmol)から出発して、[1,6−ジフルオロ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸(10mg、12%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.52 (d, 1 H), 8.34 (dd, 1 H), 8.19 (dd, 1 H), 7.42 - 7.76 (m, 4 H), 3.78 - 3.86 (m, 2 H), 3.37 - 3.40 (m, 2 H), 1.12 (t, 3 H); MS C19H15F2NO5Sの計算値407、実測値(ESI+)[(M+H)+] 408。
実施例5−1
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3,6−ジフルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸
(4−ベンジルオキシ−1−ブロモ−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
アセトニトリル(10mL)中の(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(350mg、1.08mmol)の撹拌した溶液に、N−ブロモスクシンイミド(385mg、2.16mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、得られた混合物を、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、水(15mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0−20%酢酸エチルの勾配で溶離)により精製して、(4−ベンジルオキシ−1−ブロモ−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(400mg、92%)を白色の固体として得た。
(1−ブロモ−6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
酢酸エチル(10mL)中の(4−ベンジルオキシ−1−ブロモ−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(400mg、0.992mmol)の溶液に、臭化亜鉛(670mg、2.978mmol)及び10%パラジウム担持炭(40mg)を、水素雰囲気(バルーン)下で加えた。室温で1時間撹拌後、得られた混合物を、濾過した。濾液を、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(アセトニトリル中、50〜80%の0.1%トリフルオロ酢酸水溶液勾配での溶離、8分間)により精製して、(1−ブロモ−6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(200mg、64.4%)を白色の固体として得た。
(1−ブロモ−3,6−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
アセトニトリル(4mL)中の(1−ブロモ−6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(135mg、0.433mmol)の溶液に、1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボラート)(230mg、0.650mmol)を、0℃で加えた。得られた混合物を、室温で一晩撹拌し、次に水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(20mL×3)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の30%酢酸エチル)により精製して、(1−ブロモ−3,6−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(60mg、42%)を黄色の固体として得た。MS C13H9BrF2O3の計算値330、実測値(ESI+)[(M+H)+] 331。
(3,6−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
メタノール中の(1−ブロモ−3,6−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(50mg、0.152mmol)の溶液に、10%パラジウム担持炭(10mg)を加えた。水素雰囲気下で一晩、室温で撹拌した後、得られた混合物を濾過した。濾液を、減圧下で濃縮して、(3,6−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(25mg、65%)を白色の固体として得た。
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3,6−ジフルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
(3,6−ジフルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(25mg、0.099mmol)及び2−ブロモ−5−エタンスルホニル−ピリジン(28mg、0.112mmol)から出発して、実施例1−1のメチルエステルに関して記載したものと同様の方法を用いて、[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3,6−ジフルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(20mg、48%)を白色の固体として得て、これをさらに精製することなく次の工程で用いた。
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3,6−ジフルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸
実施例1−1、最終工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3,6−ジフルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(20mg、0.475mmol)から出発して、[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3,6−ジフルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸(1.9mg)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.51 (d, J = 2.02 Hz, 1 H), 8.37 (dd, J = 8.72, 2.65 Hz, 1 H), 8.09 (dd, J = 9.09, 5.56 Hz, 1 H), 7.92 (d, J = 6.82 Hz, 1 H), 7.55 (d, J = 8.59 Hz, 1 H), 7.51 (dd, J = 10.23, 2.65 Hz, 1 H), 7.42 - 7.48 (m, 1 H), 3.74 (s, 2 H), 3.37 (t, 2 H), 1.14 (t, J = 7.33 Hz, 3 H); MS C19H15F2NO5Sの計算値407、実測値(ESI+)[(M+H)+] 408。
実施例6−1
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−1−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−1−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
トルエン(4.0mL)及び水(2滴)中の(4−ベンジルオキシ−1−ブロモ−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(100mg、0.248mmol、実施例5−1の第1工程と同様の手順を用いて調製した)、メチルボロン酸(19.3mg、0.322mmol)、リン酸カリウム(184mg、0.868mmol)及びトリシクロヘキシルホスフィン(69.4mg、0.248mmol)の溶液に、酢酸パラジウム(3mg、0.0124mmol)を、窒素雰囲気下で加えた。マイクロ波条件下で加熱(150℃、30分間)した後、混合物を室温に冷まし、次に水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(15mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10%酢酸エチル)により精製して、(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−1−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(50mg、59.5%)を明黄色の固体として得た。
(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−1−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
メタノール中の(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−1−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(50mg)の溶液に、10%パラジウム担持炭(10mg)を加えた。水素雰囲気下で一晩、室温で撹拌した後、得られた混合物を濾過した。濾液を、減圧下で濃縮して、(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−1−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(30mg)を白色の固体として得た。
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−1−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−1−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(18mg、0.073mmol)及び2−ブロモ−5−エタンスルホニル−ピリジン(27mg、0.109mmol)から出発して、実施例1−1のメチルエステルに関して記載したものと同様の方法を用いて、[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−1−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(22.7mg、75%)を明黄色の固体として得た。
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−1−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
実施例1−1、最終工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−1−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(22.7mg、0.054mmol)から出発して、[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−1−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸(10mg)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 8.54 (d, J = 2.53 Hz, 1 H), 8.20 - 8.30 (m, 2 H), 7.35 - 7.45 (m, 2 H), 7.28 (t, J = 4.42 Hz, 2 H), 3.88 (s, 2 H), 3.26 (q, J = 7.33 Hz, 2 H), 2.67 (s, 3 H), 1.25 (t, J = 7.45 Hz, 3 H); MS C20H18FNO5Sの計算値403、実測値(ESI+)[(M+H)+] 404。
実施例7−1
3−[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸
4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルバルデヒド
ジクロロメタン(10mL)中の(4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−メタノール(180mg、0.6mmol)の溶液に、クロロクロム酸ピリジニウム(260mg、1.2mmol)を少しずつ加えた。室温で3時間撹拌した後、得られた暗色の混合物を、ジエチルエーテルで希釈し、室温で10分間撹拌した。混合物を短いシリカゲルカラムを通して濾過した。濾液を、減圧下で濃縮して、4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルバルデヒド(165mg、93%)を白色の固体として得て、これをさらに精製することなく次の工程で用いた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 10.31 (s, 1 H), 8.16 (s, 1 H), 8.00 (dd, J = 8.84, 5.56 Hz, 1 H), 7.73 (dd, J = 10.48, 2.40 Hz, 1 H), 7.55 (d, J = 6.82 Hz, 2 H), 7.39 - 7.49 (m, 2 H), 7.32 (td, J = 8.65, 2.65 Hz, 1 H), 4.99 (s, 2 H), 2.75 (s, 3 H).
6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−カルバルデヒド
酢酸エチル(5mL)中の4−ベンジルオキシ−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルバルデヒド(165mg、0.56mmol)の溶液に、10%パラジウム担持炭(7mg)を加えた。得られた混合物を、水素雰囲気(バルーン)下で4時間激しく撹拌し、次に濾過した。濾液を、減圧下で濃縮して、6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−カルバルデヒド(115mg、99%)を黄色の固体として得て、これを更に精製することなく次の工程で直接使用した。
4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルバルデヒド
6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−カルバルデヒド(115mg、0.6mmol)及び1−エタンスルホニル−4−フルオロ−ベンゼン(226mg、1.2mmol)から出発して、実施例1−1のメチルエステルに関して記載したものと同様の方法を用いて、4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルバルデヒド(120mg、57%)を黄色の固体として得て、これをさらに精製することなく次の工程で用いた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 10.35 (s, 1 H), 8.32 (s, 1 H), 8.07 (dd, J = 8.97, 5.68 Hz, 1 H), 7.84 (d, J = 9.09 Hz, 2 H), 7.33 - 7.45 (m, 2 H), 6.94 (d, J = 8.84 Hz, 2 H), 3.12 (q, J = 7.41 Hz, 2 H), 2.59 (s, 3 H), 1.31 (t, J = 7.45 Hz, 3 H).
3−[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−アクリル酸エチルエステル
無水テトラヒドロフラン(1mL)中の水素化ナトリウム(15mg、0.37mmol、鉱油中60%)の懸濁液に、無水テトラヒドロフラン(2mL)中のトリエチルホスホノアセタート(83mg、0.37mmol)を0℃で滴下した。混合物を室温に自然に温めて室温で30分間撹拌した後、無水テトラヒドロフラン(2mL)中の4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−カルバルデヒド(120mg、0.33mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、室温で5時間撹拌した。得られた混合物を水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の20%酢酸エチル)により精製して、3−[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−アクリル酸エチルエステル(80mg、56%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.02 - 8.08 (m, 2 H), 7.90 (dd, J = 9.22, 5.43 Hz, 1 H), 7.83 (d, J = 8.84 Hz, 2 H), 7.34 (dd, J = 10.23, 2.15 Hz, 1 H), 7.28 - 7.31 (m, 1 H), 6.94 (d, J = 8.59 Hz, 2 H), 6.53 (d, J = 15.66 Hz, 1 H), 4.32 (q, J = 7.07 Hz, 2 H), 3.11 (q, J = 7.58 Hz, 2 H), 1.38 (t, J = 7.20 Hz, 3 H), 1.30 (t, J = 7.45 Hz, 3 H).
3−[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸エチルエステル
酢酸エチル(3mL)中の3−[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−アクリル酸エチルエステル(40mg、0.09mmol)の溶液に、10%パラジウム担持炭(4mg)を加えた。得られた混合物を、水素(バルーン)雰囲気下で一晩激しく撹拌し、次に濾過した。濾液を、減圧下で濃縮して、3−[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸エチルエステル(30mg、75%)を黄色の固体として得て、これを一切さらに精製することなく、次の工程で用いた。
3−[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸
3−[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸エチルエステル(30mg、0.068mmol)から出発して、実施例1−1、最終工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、3−[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸(19mg、68%)を黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.78 - 7.85 (m, 3 H), 7.63 (s, 1 H), 7.32 (dd, J = 10.11, 2.27 Hz, 1 H), 7.24 (dd, 1 H), 6.91 (d, J = 8.84 Hz, 2 H), 3.08 - 3.19 (m, 4 H), 2.80 (t, J = 7.83 Hz, 2 H), 2.27 (s, 3 H), 1.30 (t, J = 7.45 Hz, 3 H); MS C22H21FO5Sの計算値416、実測値(ESI+)[(M+H)+] 417。
実施例8−1
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェニルアミノ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
(6−フルオロ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
ジクロロメタン(20mL)中の(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(350mg、1.5mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物(506mg、1.8mmol)の混合物(氷浴中で0℃に冷却したもの)に、ピリジン(0.6mL)を滴下した。反応混合物を、0℃で2時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(50mL)に溶解した。得られた溶液を、水、1N塩酸水溶液、水、及びブラインで洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜30%酢酸エチル)により精製して、(6−フルオロ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(450mg、82%)を明黄色の固体として得た。
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェニルアミノ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の(6−フルオロ−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(115mg、0.31mmol)及び4−メタンスルホニル−フェニルアミン(59mg、0.35mmol)の溶液に、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(39mg、0.063mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(14mg、0.016mmol)、及び炭酸セシウム(102mg、0.31mmol)を加えた。マイクロ波条件下で加熱(160℃、15分間)した後、得られた混合物を、水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。有機層を、ブラインで洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜50%酢酸エチルの勾配で溶離)により精製して、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェニルアミノ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(84.0mg、収率69%)を黄色の固体として得た。
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェニルアミノ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェニルアミノ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(30mg)から出発して、実施例1−1、最終工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェニルアミノ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸(17mg)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm (dd, J = 9.09, 5.56 Hz, 1 H), 7.67 - 7.72 (m, 2 H), 7.66 (br. s., 1 H), 7.61 (dd, J = 10.99, 2.65 Hz, 1 H), 7.49 (s, 1 H), 7.30 - 7.36 (m, 1 H), 6.95 - 7.00 (m, 2 H), 3.77 (s, 2 H), 3.06 (s, 3 H); MS C19H16FNO4Sの計算値373、実測値(ESI+)[(M+H)+] 374。
実施例8−2
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェニルアミノ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(36mg)から出発して、実施例8−1の関して記載したものと同様の方法を用いて、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェニルアミノ)−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸(20mg)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.85 (dd, J = 8.97, 5.68 Hz, 1 H), 7.76 (s, 1 H), 7.70 (d, J = 8.84 Hz, 2 H), 7.47 (dd, J = 10.36, 2.27 Hz, 1 H), 6.56 (s, 2 H), 5.97 (s, 1 H), 3.92 (s, 2 H), 3.02 (s, 3 H), 2.36 (s, 3 H); MS C20H18FNO4Sの計算値387、実測値(ESI+)[(M+H)+] 388。
実施例9−1
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェニルスルファニル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
(4−ジメチルチオカルバモイルオキシ6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(500mg、2.14mmol)、微粉砕した炭酸カリウム(591mg、4.28mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)の混合物を、室温で20分間撹拌した。塩化ジメチルチオカルバモイル(290mg、2.35mmol)を一度に加えた。2時間撹拌した後、得られた混合物を、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、水(15mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0〜30%酢酸エチルの勾配で溶離)により精製して、(4−ジメチルチオカルバモイルオキシ−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(491mg、71.5%)を黄色の油状物として得た。
(4−ジメチルカルバモイルスルファニル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
無溶媒の(4−ジメチルチオカルバモイルオキシ−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(100mg、0.31mmol)を、空気を厳密に排除しながら、240℃で1時間加熱した。得られた茶色の油状物を、次にフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中20〜30%エチルエステルの勾配で溶離)により精製して、(4−ジメチルカルバモイルスルファニル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(40mg、40%)を黄色の油状物として得た。
(6−フルオロ−4−メルカプト−ナフタレン−2−イル)−酢酸
メタノール(10mL)中の(4−ジメチルカルバモイルスルファニル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(40mg、0.13mmol)及び水酸化カリウム(72mg、1.3mmol)の溶液を、3時間加熱還流した。得られた混合物を室温に冷まし、水(10mL)で希釈し、2N塩酸で酸性化し、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、水及びブラインで洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗(6−フルオロ−4−メルカプト−ナフタレン−2−イル)−酢酸(30mg)を黄色の固体として得た。
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェニルスルファニル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中の(6−フルオロ−4−メルカプト−ナフタレン−2−イル)−酢酸(30mg、0.127mmol)の溶液に、1−フルオロ−4−メタンスルホニル−ベンゼン(43.4mg、0.25mmol)及び炭酸カリウム(35mg、0.25mmol)を、窒素雰囲気下で加えた。マイクロ波条件下(100℃、30分間)で加熱した後、得られた混合物を、水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の0〜20%メタノール)により精製して、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェニルスルファニル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸(37.0mg、74.6%)をオフホワイトの粉体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.86 - 7.93 (m, 4 H), 7.69 - 7.74 (m, 2 H), 7.34 (td, J = 8.53, 2.65 Hz, 1 H), 7.08 - 7.15 (m, 2 H), 3.85 (s, 2 H), 3.01 (s, 3 H); MS C19H15FO4S2の計算値390、実測値(ESI+)[(M+H)+] 391。
実施例10−1
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゼンスルフィニル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
ジクロロメタン中の6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェニルスルファニル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸(25mg、0.064mmol)の溶液に、m−クロロペルオキシ安息香酸(12.1mg、0.07mmol、80%純度)を0℃で加えた。室温で2時間撹拌した後、得られた混合物を、減圧下で濃縮した。残留物を、分取HPLC(アセトニトリル中、30〜50%の0.1%トリフルオロ酢酸水溶液勾配での溶離、8分間)により精製して、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゼンスルフィニル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸(12.0mg、46%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.59 (br. s, 1 H), 8.21 (d, J = 1.26 Hz, 1 H), 8.09 - 8.15 (m, 2 H), 8.07 (s, 1 H), 8.03 (s, 4 H), 7.55 (td, J = 8.84, 2.53 Hz, 1 H), 3.89 (s, 2 H), 3.21 (s, 3 H); MS C19H15FO5S2の計算値406、実測値(ESI+)[(M+H)+] 407。
実施例11−1
[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゼンスルホニル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
ジクロロメタン中の6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−フェニルスルファニル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸(25mg、0.064mmol)の溶液に、m−クロロペルオキシ安息香酸(41.4mg、0.192mmol、水中の80%溶液)を0℃で加えた。還流下で3時間撹拌した後、得られた混合物を、減圧下で濃縮した。残留物を精製し、分取HPLC(アセトニトリル中、30〜50%の0.1%トリフルオロ酢酸水溶液勾配での溶離、8分間)により、[6−フルオロ−4−(4−メタンスルホニル−ベンゼンスルホニル)−ナフタレン−2−イル]−酢酸(18mg、66.7%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.65 (s, 1 H), 8.58 (d, J = 1.52 Hz, 1 H), 8.24 - 8.31 (m, 3 H), 8.11 - 8.23 (m, 4 H), 7.61 (dd, J = 10.23, 7.45 Hz, 1 H), 3.97 (s, 2 H), 3.26 (s, 3 H); MS C19H15FO6S2の計算値422、実測値(ESI+)[(M+H)+] 423。
実施例12−1
[6−ブロモ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
6−ブロモ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル
6−ブロモ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(423mg、1.5mmol)、炭酸カリウム(414mg、3mmol)、2,5−ビス−エタンスルホニル−ピリジン(420mg、1.6mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)の混合物を、激しく撹拌し、100℃で一晩、アルゴン雰囲気下で加熱し、次に室温に冷まし、酢酸エチル(10mL)で希釈した。得られた混合物を水(10mL×3)で洗浄した。合わせた水層を、酢酸エチル(10mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル、100〜200メッシュ、石油エーテル中の30%酢酸エチル)で精製して、6−ブロモ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(280mg、41%、粗収率)を黄色の固体として得た。
[6−ブロモ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−メタノール
テトラヒドロフラン(5mL)中の6−ブロモ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル(280mg、0.63mmol)の溶液に、水素化ジイソブチルアルミニウムの溶液(トルエン1M、1.3mL、1.3mmol)を、窒素雰囲気下、−78℃で滴下した。得られた混合物を室温に温め、室温で撹拌した(−78℃〜室温までの全撹拌時間は、3時間であった)。反応混合物を、0℃で、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物の水溶液で処理し、室温に温め、室温で30分間撹拌した。得られた混合物を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル、100〜200メッシュ、石油エーテル中の30%酢酸エチル)により精製して、[6−ブロモ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−メタノール(263mg、99%)を無色の油状物として得た。
2−(7−ブロモ−3−クロロメチル−ナフタレン−1−イルオキシ)−5−エタンスルホニル−ピリジン
無水テトラヒドロフラン(6mL)中のトリフェニルホスフィン(330mg、1.26mmol)及び四塩化炭素(2mL)の溶液を室温で10分間、窒素雰囲気下で撹拌した後、[6−ブロモ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−メタノール(265mg、0.63mmol)を、固体として導入した。得られた混合物を、4時間加熱還流し、室温に冷まし、次に水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲル、100〜200メッシュ、石油エーテル中の5%酢酸エチル)により精製して、2−(7−ブロモ−3−クロロメチル−ナフタレン−1−イルオキシ)−5−エタンスルホニル−ピリジン(210mg、76%)を黄色の油状物として得た。
[6−ブロモ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
2−(7−ブロモ−3−クロロメチル−ナフタレン−1−イルオキシ)−5−エタンスルホニル−ピリジン(210mg、0.46mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(16mg、0.023mmol)及び炭酸カリウム(67mg、0.48mmol)を含有するフラスコ(排気し、次に一酸化炭素(バルーン)で満たしたもの)に、メタノール(2mL)及びテトラヒドロフラン(4mL)をシリンジを用いて加えた。室温で、一酸化炭素雰囲気下で3時間撹拌した後、反応混合物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機層を、水(10mL×2)で洗浄した。合わせた水層を、酢酸エチル(20mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100〜200メッシュ、石油エーテル中の20%酢酸エチル)により精製して、[6−ブロモ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(245mg、99%)を黄色の固体として得た。
[6−ブロモ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−ブロモ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(23mg、0.05mmol)から出発して、実施例1−1、最終工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、[6−ブロモ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸(10.2mg、45%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.63 (d, J = 2.53 Hz, 1 H), 8.23 (dd, J = 8.84, 2.53 Hz, 1 H), 8.03 (d, J = 1.26 Hz, 1 H), 7.77 (d, J = 8.84 Hz, 1 H), 7.69 (s, 1 H), 7.62 (dd, J = 8.72, 1.89 Hz, 1 H), 7.31 (d, J = 1.01 Hz, 1 H), 7.23 (d, J = 8.84 Hz, 1 H), 3.85 (s, 2 H), 3.17 (q, J = 7.33 Hz, 2 H), 1.35 (t, J = 7.45 Hz, 3 H); MS C19H16BrNO5Sの計算値449、実測値(ESI+)[(M+H)+] 450。
実施例13−1
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
[6−ブロモ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(30mg、0.07mmol、実施例12−1のメチルエステル)、メチルボロン酸(7mg、0.11mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(8mg、0.007mmol)、リン酸カリウム(45mg、0.21mmol)及びトルエン(0.5mL)の混合物を、115℃で一晩、アルゴン雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を水(5mL)で希釈し、次に酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル中の20%酢酸エチル)により精製して、[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(20mg)を無色の油状物として得た。
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(20mg、0.05mmol)から出発して、実施例1−1、最終工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸(4.5mg、17%、2工程)を白色の粉体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.66 (d, J = 2.53 Hz, 1 H), 8.18 (dd, J = 8.72, 2.40 Hz, 1 H), 7.79 (d, J = 8.34 Hz, 1 H), 7.68 (s, 1 H), 7.59 (s, 1 H), 7.38 (d, J = 8.34 Hz, 1 H), 7.24 (s, 1 H), 7.15 (d, J = 8.59 Hz, 1 H), 3.84 (s, 2 H), 3.16 (q, J = 7.16 Hz, 2 H), 2.47 (s, 3 H), 1.34 (t, J = 7.45 Hz,3 H); MS C20H19NO5Sの計算値385、実測値(ESI+)[(M+H)+] 386。
実施例14−1
[6−シアノ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−シアノ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
[6−ブロモ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(29mg、0.07mmol、実施例12−1のメチルエステル)、シアン化亜鉛(10mg、0.084mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(18mg、0.014mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド(0.2mL)の混合物を、150℃で24時間、アルゴン雰囲気下で撹拌した。反応混合物を、水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル中の30%酢酸エチル)により精製して、[6−シアノ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(17mg)を白色の固体として得た。
[6−シアノ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[6−シアノ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(17mg、0.04mmol)から出発して、実施例1−1、最終工程に記載したものと同様の方法を用いて、[6−シアノ−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸(1.1mg)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.61 (d, J = 2.27 Hz, 1 H), 8.25 - 8.30 (m, 2 H), 7.99 (d, J = 8.59 Hz, 1 H), 7.78 (s, 1 H), 7.68 (dd,
J = 8.59, 1.26 Hz, 1 H), 7.42 (d, J = 1.01 Hz, 5 H), 7.31 (d, J = 8.84 Hz, 5 H), 3.90 (s, 2 H), 3.19 (q, J = 7.24 Hz, 2 H), 1.37 (t, J = 7.45 Hz, 3 H); MS C20H16N2O5Sの計算値396、実測値(ESI+)[(M+H)+] 397。
実施例15−1
[6−ブロモ−4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸
6−ブロモ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−カルボン酸メチルエステル及び1−エタンスルホニル−4−フルオロ−ベンゼンから出発して、実施例14−1に記載したものと同様の方法を用いて、[6−ブロモ−4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸(10.4mg、63%)を黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.18 (s, 1 H), 7.89 (d, J = 8.84 Hz, 2 H), 7.76 (d, J = 8.59 Hz, 1 H), 7.57 - 7.68 (m, 2 H), 7.10 - 7.17 (m, 3 H), 3.80 (s, 2 H), 3.15 (q, J = 7.58 Hz, 2 H), 1.33 (t, J = 7.45 Hz, 3 H); MS C20H17BrO5Sの計算値448、実測値(ESI+)[(M+H)+] 449。
実施例16−1
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−メタンスルホニル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−メタンスルホニル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
[6−ブロモ−4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(32mg、0.07mmol、実施例15−1のメチルエステル)、メタンスルフィン酸ナトリウム(10mg、0.09mmol)、L−プロリン(4mg、0.028mmol)、ヨウ化銅(I)(3mg、0.014mmol)及びジメチルスルホキシド(0.3mL)の混合物を、115℃で一晩、アルゴン雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(石油エーテル中の30%酢酸エチル)により精製して、[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−メタンスルホニル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(11mg)を黄色の固体として得た。
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−メタンスルホニル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(4−エタンスルホニル−フェノキシ)−6−メタンスルホニル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(11mg、0.024mmol)から出発して、実施例1−1、最終工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸(8mg、26%、2工程)を黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.80 (s, 1 H), 8.05 - 8.09 (m, 1 H), 7.99 - 8.04 (m, 1 H), 7.94 (d, J = 8.59 Hz, 2 H), 7.72 (s, 1 H), 7.23 (d, J = 8.59 Hz, 2 H), 7.14 (s, 1 H), 3.85 (s, 2 H), 3.17 (q, J = 7.58 Hz, 2 H), 3.13 (s, 3 H), 1.34 (t, J = 7.45 Hz, 3 H); MS C21H20O7S2の計算値448、実測値(ESI+)[(M+H)+] 449。
実施例17−1
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−ビニル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−ヨード−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
クロロホルム(260mL)中の(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(600mg、2.56mmol、実施例1−1、第8工程の生成物)の溶液に、N−ヨードスクシンイミド(577mg、2.56mmol)を0℃で加えた。混合物を室温に温まるにまかせて、室温で2時間撹拌した。得られた混合物を重硫酸ナトリウムの10%水溶液(100mL)で希釈した。有機層を分離し、ブライン(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュカラム(石油エーテル中の15%酢酸エチルで溶離)により精製して、(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−ヨード−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(500mg、54%)を白色の固体として得た。
(4−アセトキシ−6−フルオロ−3−ヨード−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
ピリジン(3mL)中の(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−ヨード−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(500mg、1.4mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(34mg、0.28mmol)の撹拌した溶液に、無水酢酸(160μL、1.7mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、得られた混合物を、10%塩酸(20mL)で希釈し、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(30mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュカラム(石油エーテル中の20%酢酸エチルで溶離)により精製して、(4−アセトキシ−6−フルオロ−3−ヨード−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(300mg、53%)を白色の固体として得た。
(4−アセトキシ−6−フルオロ−3−トリメチルシラニルエチニル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の(4−アセトキシ−6−フルオロ−3−ヨード−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(300mg、0.75mmol)及びトリエチルアミン(3mL)の溶液に、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(53mg、0.075mmol)、ヨウ化銅(42mg、0.229mmol)及びトリメチルシラニルアセチレン(108mg、1.12mmol)を、アルゴン雰囲気下で加えた。150℃で6分間、マイクロ波照射で加熱した後、得られた混合物を冷却し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、ブライン(15mL×2)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュカラム(石油エーテル中の10%酢酸エチルで溶離)により精製して、(4−アセトキシ−6−フルオロ−3−トリメチルシラニルエチニル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(208mg、75%)を明黄色の固体として得た。
(4−アセトキシ−3−エチニル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド及び水(6mL、v/v=150:1)中の(4−アセトキシ−6−フルオロ−3−トリメチルシラニルエチニル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(200mg、0.538mmol)の溶液に、フッ化カリウム(156mg、2.7mmol)を加えた。得られた混合物を室温で4時間撹拌し、次に水(10mL)に注ぎ、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュカラム(石油エーテル中の10%酢酸エチルで溶離)により精製して、(4−アセトキシ−3−エチニル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(153mg、95%)を明黄色の固体として得た。
(4−アセトキシ−6−フルオロ−3−ビニル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
三塩化インジウム(88mg、0.40mmol)を入れた丸底フラスコ(5mL)を、減圧下で100℃で1時間加熱し、窒素で満たした。アセトニトリル(4mL)中のトリエチルシラン(46mg、0.4mmol)の溶液(0℃に冷却したもの)を、シリンジを用いて加えた。混合物を0℃で5分間撹拌した後、(4−アセトキシ−3−エチニル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(60mg、0.20mmol)及びトリエチルボランの溶液(テトラヒドロフラン中の1M溶液、20μL、0.02mmol)を加えた。得られた混合物を、0℃で3時間撹拌し、次に水(10mL)に注ぎ、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュカラム(石油エーテル中の10%酢酸エチルで溶離)により精製して、(4−アセトキシ−6−フルオロ−3−ビニル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(38mg、62.9%)を青白い固体として得た。
(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−ビニル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
(4−アセトキシ−6−フルオロ−3−ビニル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(38mg、0.126mmol)、ナトリウムメトキシド(10.1mg、0.189mmol)、及びメタノール(4mL)の混合物を、室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃塩酸でpH5に酸性化した後、沈殿が形成され、これを濾過により回収し、酢酸エチル(20mL)に溶解した。有機溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、粗生成物(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−ビニル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(32mg、97.7%)を明黄色の固体として得た。
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−ビニル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
(6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−ビニル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(22mg、0.084mmol)、2,5−ビス−エタンスルホニル−ピリジン(33mg、0.126mmol)、ヨウ化カリウム(5mg)、及び炭酸セシウム(68mg、0.21mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)及びアセトン(1.5mL)の混合物を、マイクロ波照射で100℃で30分間加熱した。混合物を次に減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュカラム(石油エーテル中の0〜50%酢酸エチルの勾配で溶離)により精製して、[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−ビニル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(13mg、36.1%)を黄色の固体として得た。
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−ビニル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−ビニル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(8.6mg、0.02mmol)から出発して、実施例1−1、最終工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−ビニル−ナフタレン−2−イル]−酢酸(1.4mg)をオフホワイトの粘性の油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 8.51 (d, J = 2.53 Hz, 1 H), 8.29 (dd, J = 8.84, 2.53 Hz, 1 H), 7.95 - 8.01 (m, 1 H), 7.83 (s, 1 H), 7.31 - 7.39 (m, 2 H), 7.25 (d, J = 8.84 Hz, 1 H), 6.68 (dd, J = 17.94, 11.62 Hz, 1 H), 5.47 - 5.58 (m, 2 H), 3.91 (s, 2 H), 3.27 (q, J = 7.33 Hz, 2 H), 1.26 (t, J = 7.45 Hz, 3 H); MS C21H18FNO5Sの計算値415、実測値(ESI+)[(M+H)+] 416。
実施例18−1
[3−シクロプロピル−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[3−シクロプロピル−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
テトラヒドロフラン中の[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−ビニル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(6.0mg、0.014mmol、実施例17−1のメチルエステル)の***液に、ジエチルエーテル中のジアゾメタンの溶液(0.1M、5mL)を、アルゴン雰囲気下で0℃で、続いて酢酸パラジウム(1mg)を2回に分けて、加えた。0℃で2時間撹拌した後、反応混合物を酢酸(0.2mL)で処理し、反応物をクエンチし、次に濾過した。濾液を、減圧下で濃縮して、[3−シクロプロピル−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステルの粗生成物を黄色の油状物として得た。
[3−シクロプロピル−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[3−シクロプロピル−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステルから出発して、実施例1−1、最終工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、[3−シクロプロピル−4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸(3.3mg、66%、2工程)を白色の粉体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 9.31 (d, J = 2.53 Hz, 1 H), 9.15 (dd, J = 8.84, 2.53 Hz, 1 H), 8.85 (dd, J = 9.60, 5.56 Hz, 1 H), 8.62 (s, 1 H), 8.19 - 8.29 (m, 3 H), 4.80 (s, 2 H), 4.17 (q, J = 7.33 Hz, 2 H), 2.25 - 2.34 (m, 1 H), 1.94 (t, J = 7.33 Hz, 3 H), 1.55 - 1.64 (m, 2 H), 1.37 - 1.52 (m, 2 H); MS C22H20FNO5Sの計算値429、実測値(ESI+)[(M+H)+] 430。
実施例19−1
4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3−エチル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸
(4−アセトキシ−3−エチル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
メタノール中の(4−アセトキシ−3−エチニル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(50mg)の溶液に、10%パラジウム担持炭(10mg)を加えた。得られた混合物を、水素40psi下で2時間水素化し、濾過した。濾液を、減圧下で濃縮して、(4−アセトキシ−3−エチル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(50mg)を無色の油状物として得た。
(3−エチル−6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル
(4−アセトキシ−3−エチル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(50mg、0.164mmol)、ナトリウムメトキシド(13mg、0.247mmol)、及びメタノール(4mL)の混合物を、室温で2時間撹拌した。反応混合物を、濃塩酸でpH5に酸性化した後、沈殿が形成され、これを、次に濾過により回収し、酢酸エチル(20mL)に溶解した。有機溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、(3−エチル−6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(42mg、97.7%)の粗生成物を明黄色の固体として得た。
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3−エチル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
(3−エチル−6−フルオロ−4−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(15mg、0.057mmol)及び2,5−ビス−エタンスルホニル−ピリジン(30mg、0.115mmol)から出発して、実施例17−1)のメチルエステルに関して記載したものと同様の方法を用いて、[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3−エチル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(15mg、61.1%)を明黄色の固体として得た。
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3−エチル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3−エチル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(15mg)から出発して、実施例1−1、最終工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−3−エチル−6−フルオロ−ナフタレン−2−イル]−酢酸(6.0mg)を白色の半固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 8.51 (d, J = 2.53 Hz, 1 H), 8.31 (dd, J = 8.84, 2.53 Hz, 1 H), 7.93 (dd, J = 9.09, 5.56 Hz, 1 H), 7.79 (s, 1 H), 7.24 - 7.32 (m, 2 H), 7.19 (dd, J = 10.23, 2.40 Hz, 1 H), 3.89 (s, 2 H), 3.26 (q, J = 7.49 Hz, 2 H), 2.71 (q, J = 7.58 Hz, 2 H), 1.25 (t, J = 7.45 Hz, 3 H), 1.11 (t, J = 7.45 Hz, 3 H); MS C21H20FNO5Sの計算値417、実測値(ESI+)[(M+H)+] 418。
実施例20−1
[4−(5−エタンスルホニル−3−エチル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(3−ブロモ−5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3−メチル−ナフタレン−2−イル)−酢酸メチルエステル(124mg、0.50mmol)及び3−ブロモ−2−クロロ−5−エタンスルホニル−ピリジン(157mg、0.55mmol)から出発して、実施例2−1のメチルエステルに関して記載したものと同様の方法を用いて、[4−(3−ブロモ−5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(183mg、73.9%)を白色の固体として得た。
[4−(5−エタンスルホニル−3−エチル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
[4−(3−ブロモ−5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(42mg、0.085mmol)、エチルボロン酸(15mg、0.20mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(7.0mg、0.01mmol)、リン酸カリウム(64mg、0.30mmol)、トリフェニルホスフィン(15.2mg、0.05mmol)及びトルエン(1mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下で100℃で一晩撹拌した。得られた混合物を濾過した。濾液を、減圧下で濃縮した。残留物を、分取TLC(石油エーテル中の20%酢酸エチル)により精製して、[4−(5−エタンスルホニル−3−エチル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(18mg、47.6%)を白色の固体として得た。
[4−(5−エタンスルホニル−3−エチル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(5−エタンスルホニル−3−エチル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(18mg)から出発して、実施例1−1、最終工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、[4−(5−エタンスルホニル−3−エチル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸(2.9mg)を白色の粉体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.34 (d, J = 2.53 Hz, 1 H), 8.08 (d, J = 2.53 Hz, 1 H), 7.85 (dd, J = 8.97, 5.43 Hz, 1 H), 7.72 (s, 1 H), 7.17 - 7.28 (m, 2 H), 3.92 (s, 2 H), 3.15 (q, J = 7.41 Hz, 2 H), 3.04 (q, J = 7.58 Hz, 2 H), 2.20 - 2.24 (m, 3 H), 1.50 (t, J = 7.45 Hz, 3 H), 1.34 (t, J = 7.45 Hz, 3 H); MS C22H22FNO5Sの計算値431、実測値(ESI+)[(M+H)+] 432。
実施例21−1
[4−(3−シクロプロピル−5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(3−シクロプロピル−5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル
4−(3−ブロモ−5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(49mg、0.10mmol)、及びシクロプロピルボロン酸(17mg、0.20mmol)から出発して、実施例20−1のメチルエステルに関して記載したものと同様の方法を用いて、[4−(3−シクロプロピル−5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(25mg、54.7%)を白色の固体として得た。
[4−(3−シクロプロピル−5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸
[4−(3−シクロプロピル−5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸メチルエステル(25mg)から出発して、実施例1−1、最終工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、[4−(3−シクロプロピル−5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸(2.4mg)を白色の粉体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.28 (d, J = 2.53 Hz, 1 H), 7.85 (dd, J = 8.97, 5.43 Hz, 1 H), 7.77 (d, J = 2.02 Hz, 1 H), 7.72 (s, 1 H), 7.21 - 7.28 (m, 2 H), 3.92 (s, 2 H), 3.13 (q, J = 7.33 Hz, 2 H), 2.42 - 2.52 (m, 1 H), 2.25 (s, 3 H), 1.32 (t, J = 7.33 Hz, 3 H), 1.22 - 1.26 (m, 2 H), 0.91 -1.04 (m, 2 H); MS C23H22FNO5Sの計算値443、実測値(ESI+)[(M+H)+] 444。
実施例22−1
2−[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸
2−[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸メチルエステル
無水N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−酢酸(226.5mg、0.56mmol、実施例2−33)の溶液(−30℃に冷却したもの)に、水素化ナトリウム(50mg、1.12mol、鉱油中60%)を加えた。混合物を−30℃で30分間撹拌し、次に、同じ温度でN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中のヨードメタン(76μL)の溶液で滴下処理した。混合物を0℃に温まるにまかせて、同じ温度で2時間撹拌した。得られた混合物を酢酸エチル(230mL)で希釈し、塩化アンモニウムの飽和水溶液(10mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュカラムにより精製して、2−[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸メチルエステル(220mg、85.1%)を白色の固体として得た。
2−[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸
2−[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸メチルエステル(220mg、0.510mmol)から出発して、実施例1−1、最終工程に関して記載したものと同様の方法を用いて、2−[4−(5−エタンスルホニル−ピリジン−2−イルオキシ)−6−フルオロ−3−メチル−ナフタレン−2−イル]−プロピオン酸(205mg、96.4%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 8.51 (d, J = 2.27 Hz, 1 H), 8.31 (dd, J = 6.06, 2.78 Hz, 1 H), 7.92 - 7.97 (m, J = 5.31, 3.54 Hz, 1 H), 7.81 (s, 1 H), 7.23 - 7.32 (m, 3 H), 4.14 (d, J = 7.33 Hz, 1 H), 3.26 (q, J = 7.33 Hz, 2 H), 2.29 (s, 3 H), 1.61 (d, J = 7.07 Hz, 3 H), 1.26 (t, J = 7.45 Hz, 3 H); MS C21H20FNO5Sの計算値417、実測値(ESI+)[(M+H)+] 418。
化合物の活性と用途
式Iの化合物は、有益な薬理学的特性を有する。該化合物は、CRTH2受容体でのアンタゴニスト又は部分アゴニストであり、喘息のような、その受容体に関連する疾患及び障害を処置する上で有用でありうることが見出された。本化合物のCRTH2受容体アンタゴニスト又は部分アゴニストとしての活性は、以下の生物学的アッセイにより示される。
ヒトCRTH2受容体結合アッセイ
[3H]ラマトロバン(ramatroban)を競合放射性リガンドとして用いる全細胞受容体結合アッセイを、ヒトCRTH2への化合物結合活性を評価するために使用した。放射性リガンド[3H]ラマトロバンは、Sugimotoら(Eur. J. Pharmacol. 524, 30-37, 2005)に従って、比活性42Ci/mmolに合成した。
ヒトCRTH2を安定的に発現する細胞系は、FuGene(登録商標)6トランスフェクション試薬(Rocheより)を用いて、それぞれヒトCRTH2及びG−アルファ16cDNAを持つ2種の哺乳類発現ベクターでCHO−K1細胞をトランスフェクションすることにより樹立した。CRTH2を発現する安定なクローンは、各々のクローンを、ヒトCRTH2に対するラットモノクローナル抗体であるBM16(BD Bioscience, a division of Becton, Dickinson and CompanyよりのBD Pharmingen(商標))で染色することにより選択した。細胞は、10%ウシ胎仔血清、100単位/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、2mMのグルタミン、0.5mg/mLのCRTH2用のG418(ゲネチシン)、及び0.2mg/mLのヒグロマイシン−B(G−アルファ16用)を含有するHamのF−12培地中で単層培養物として維持した。全細胞受容体結合アッセイのために、単層細胞をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で一回すすぎ、エチレンジアミン四酢酸(Lonza Inc.からのVersene(商標)のEDTA)を用いて解離させ、10mMのMgCl2及び0.06%のBSA(ウシ血清アルブミン)を含有するPBS中に1.5x106細胞/mLで懸濁した。
結合反応(0.2mL)は、96ウェルプレート中、室温で1.5x105個の細胞、10mMのMgCl2、0.06%のBSA、20nMの[3H]ラマトロバン、及び種々の濃度での試験化合物を含有するPBS中で行った。1時間の結合反応後、細胞を、Filtermate(商標)Harvester(PerkinElmer, Inc.よりのマイクロプレートから細胞を収集し洗浄する細胞採取器)を用いて、GF(商標)/Bフィルターマイクロプレート(PerkinElmer, Inc.よりのガラス繊維をはめ込んだマイクロタイタープレート)上に収集し、PBSで5回洗浄した。細胞に結合した放射能を、Microscint(商標)20シンチレーション液(PerkinElmer, Inc.より)50μLをフィルタープレートの各ウェルに加えた後、マイクロプレートシンチレーションカウンター(PerkinElmer, Inc.よりのTopCount(登録商標)NXT)を用いて決定した。非特異的結合からの放射能は、反応混合物中の化合物を10μMの15(R)−15−メチルPGD2(Cayman Chemical Companyより)で置き換えることにより決定した。化合物の不存在下に細胞に結合した放射能(全結合)は、反応混合物中の化合物を0.25%のDMSO(ジメチルスルホキシド)で置き換えることにより決定した。特異的結合のデータは、各々の結合データから非特異的結合の放射能を差し引くことにより得た。
IC50値は、全特異的結合の50%阻害に要する試験化合物の濃度として定義される。IC50値を算出するために、%阻害データは、各々の化合物について7つの濃度で決定した。各濃度でのある化合物についての%阻害は、以下の式、[1−(化合物存在下の特異的結合)/(全特異的結合)]x100に従って算出した。次いで、IC50値は、XLfit(登録商標)ソフトウエアエクセルアドインプログラム[ID Business Solutions Ltd.より、モデル205、ここで、F(x)=(A+(B−A)/(1+((C/x)^D)))]中で、%阻害データをS字状用量−応答(4パラメーターロジスティック)モデルに当てはめることにより得た。
上記の実施例の化合物は、上記のヒトCRTH2受容体結合アッセイを用いて試験した。アッセイの結果は、以下に示すとおり、試験した化合物のすべてが0.0010μM未満〜0.3785μMの範囲のIC50値を示す結合活性を有することを示した。
蛍光画像プレートリーダー(FLIPR)を用いるカルシウムフラックスアッセイ
細胞培養条件:
あらかじめG−アルファ16でトランスフェクションしたCHO−K1細胞を、その後、ヒトCRTH2受容体及びネオマイシン耐性遺伝子でトランスフェクションした。800μg/mLG418(ゲネチシン)中での選択に続いて、個々のクローンを、抗ヒトCRTH2 IgGでの染色に基づいてそれらの受容体発現についてアッセイし、その後、Ca2+フラックスアッセイにおける13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジンD2(DK−PGD2)(リガンド)に対するそれらの応答についてアッセイした。次いで、陽性クローンを、限界希釈クローニングによりクローニングした。トランスフェクションした細胞は、10%ウシ胎仔血清、2mMのグルタミン、100U/mLのペニシリン/100μg/mLのストレプトマイシン、200μg/mLのヒグロマイシンB、及び800μg/mLのG418(ゲネチシン)を追加したHamのF−12培地中で培養した。細胞は、トリプシン−EDTA(トリプシン−エチレンジアミン四酢酸)で収集し、ViaCount(登録商標)試薬(Guava Technologies, Inc.よりのもの、試薬使用者が生きている細胞と生きていない細胞を区別できるようにする2種のDNA結合染料を含む)を用いてカウントした。細胞懸濁体積は、完全生育培地で2.5x105細胞/mLに調整した。アリコート50μLをBD Falcon(商標)384ウェル黒色/透明マイクロプレート(BD Biosciences, a division of Becton, Dickinson and Companyより)中に分配し、マイクロプレートは、37℃のCO2インキュベーター中に一晩置いた。翌日、マイクロプレートをアッセイに使用した。
染料ローディング及びアッセイ
染料を含有するローディング緩衝液(Molecular Devices, a division of MDS Analytical Technologies and MDS Inc.からのFLIPR(登録商標)カルシウム3アッセイキットより)は、一瓶の内容物を、20mMのHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)及び2.5mMのプロベネシドを含有する200mLのHankの平衡塩溶液中に溶解することにより調製した。生育培地を細胞プレートから除去し、さらにマルチドロップディスペンサーを用いて、20mMのHEPES、0.05%のBSA及び2.5mMのプロベネシドを含有するHankの平衡塩溶液(HBSS)25μLを、続いて希釈した染料25μLを、各々のウェルに加えた。次いで、プレートを37℃で1時間インキュベーションした。
インキュベーションの間に、試験化合物プレートは、HBSS/20mMのHEPES/0.005%のBSA緩衝液90μLを、連続希釈した化合物2μLに加えることにより調製した。連続希釈した化合物を調製するために、化合物の20mM貯蔵液を100%DMSOに溶解した。化合物希釈プレートは、以下のようにして設定した:ウェルNo.1には、化合物5μLとDMSO10μLを入れた。ウェル2〜10には、DMSO 10μLを入れた。5μLを混合し、ウェルNo.1からウェルNo.2に移した。1:3の連続希釈を10回連続して行った。希釈した化合物2μLを384ウェルの「アッセイプレート」の二重のウェルに移し、次いで、緩衝液90μLを加えた。
インキュベーションの後に、細胞と「アッセイプレート」のプレートの双方を蛍光画像プレートリーダー(FLIPR(登録商標))に入れ、希釈化合物20μLをFLIPR(登録商標)により細胞プレートに移した。次いで、プレートを、室温で1時間インキュベーションした。1時間のインキュベーションの後に、プレートをFLIPR(登録商標)に戻し、4.5倍に濃縮したリガンド20μLを細胞プレートに加えた。アッセイの間、蛍光読み取りは、同時に細胞プレートの384ウェル全てから、1.5秒ごとに行った。5回の読み取りを行って安定なベースラインを確立し、次いで、試料20μLを迅速に(30μL/秒)かつ同時に、細胞プレートの各々のウェルに加えた。蛍光は、試料添加の前、その間、そしてその後に、100秒の全経過時間の間、連続的にモニターした。アゴニスト添加後の各々のウェルにおける応答(ピーク蛍光の増加)を測定した。リガンド刺激の前の、各々のウェルからの最初の蛍光読み取りを、そのウェルからのデータについてのゼロベースライン値として使用した。応答は、緩衝液対照の%阻害として表した。緩衝液対照の50%阻害に必要な化合物の濃度として定義される、IC50値は、Genedata Screener(登録商標)Condoseoソフトウエアプログラム[Genedata AGより、モデル205、ここで、F(x)=(A+(B−A)/(1+((C/x)^D)))]を用いて、10濃度についての%阻害データを、S字状の用量−応答(4パラメーターロジスティック)モデルに当てはめることにより算出した。
結合アッセイで試験した具体的な代表的な化合物を、上記のFLIPR(登録商標)アッセイを用いて試験した(実施例1−1〜2−5、2−7〜2−18、2−20、2−23〜2−26、2−28〜2−35、2−37〜11−1、15−1及び16−1)。FLIPR(登録商標)アッセイの結果は、実施例1−1及び7−1(これらは、それぞれ、IC50値5及び4.198μMを示した)を除き、これらの化合物が0.0001μM未満〜1.4078μMの範囲のIC50値を示すことを示した。
Th2細胞におけるDK−PGD2で誘起されたIL−13産生アッセイ
Tヘルパー2型(Th2)細胞における13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジンD2(DK−PGD2)で誘起されたIL−13産生の阻害を、化合物の細胞効力を評価するために適用した。
Th2細胞の培養物は、健康なヒト志願者の血液から、以下の手法に従って確立した。末梢血単核球(PBMC)を、新鮮血50mLから、まず、Ficoll-Hypaque密度グラジエント遠心分離し、続いて、CD4+T細胞単離キットII(Miltenyi Biotec Inc.より)を用いて、CD4+細胞精製により単離した。CD4+T細胞を、次いで、10%ヒトAB血清(Invitrogen CorporationからのAB型血液の血清)、50U/mLの組換え体ヒトインターロイキン−2(rhIL−2)(PeproTech Inc.より)及び100ng/mLの組換え体ヒトインターロイキン−4(rhIL−4)(PeproTech Inc.より)を含有するX-VIVO15(登録商標)培地(Cambrex BioScience Walersville Inc.から)中で7日間細胞を培養することにより、Th2細胞に分化させる。Th2細胞は、CD294(CRTH2)MicroBeadキット(Miltenyi Biotec Inc.より)を用いて単離し、10%ヒトAB血清及び50U/mLのrhIL−2を含有するX-VIVO15(登録商標)培地中で2〜5週間増殖させた。一般に、アッセイで使用されたTh2細胞の70%〜80%は、フィコエリスリン(PE)に接合したBM16抗体(先に記述したようなもの)を用いた蛍光活性化細胞ソーティングにより分析したときに、CRTH2陽性である。
細胞阻害効力を決定するために、種々の濃度の化合物を、10%ヒトAB血清を含有するX-VIVO 15(登録商標)培地200μL中で、2.5x104Th2細胞及び500nMのDK−PGD2と共に、37℃で4時間インキュベーションした。培地へのIL−13産生は、「インスタントELISA(商標)」キット(Bender MedSystems Inc.より)を用いて、このメーカーが推奨している手法に従ってELISA(酵素結合免疫吸着法)により検出した。Th2細胞によるIL−13の自発的産生は、DK−PGD2刺激の不存在下に決定し、その値を、%阻害及びIC50算出についての各化合物の存在下のそれから差し引いた。
種々の濃度での化合物についてのインターロイキン13(IL−13)産生の%阻害は、以下の式、[1−(化合物存在下のIL−13産生)/(0.15%DMSOの存在下のIL−13産生)]x100に従って算出した。IL−13産生の50%阻害に要する化合物の濃度として定義される、IC50値は、XLfit(登録商標)ソフトウエアエクセルアドインプログラム[ID Business Solutions Ltd.より、モデル205、ここで、F(x)=(A+(B−A)/(1+((C/x)^D)))]において、7つの濃度についての%阻害データをS字状用量−応答(4パラメーターロジスティック)モデルに当てはめることにより算出した。
結合アッセイで試験した代表的な化合物を、上記のDK−PGD2で誘起されたIL−13産生アッセイを用いて試験した(実施例1−2〜1−13、2−1〜2−8、2−10〜2−30、2−32〜5−1、8−1、及び9−1〜11−1)。DK−PGD2で誘起されたIL−13産生アッセイの結果は、これらの化合物が、0.0007μM〜1.7419μMの範囲のIC50値の、IL−13産生を阻害する活性を示したことを明らかにした。
このように、試験された化合物が上記の3種のアッセイの少なくとも1つにおいてある程度活性(すなわち、CRTH2受容体での結合)を示すので、本発明の化合物は有用であり、したがって、喘息のような、この受容体に関連する疾患及び障害の処置におけるアンタゴニスト又は部分アゴニストとして有用でありうる。
1つの態様において、本発明は、CRTH2受容体の調節に関連している疾患及び障害の治療及び/又は予防方法に関し、この方法は、治療有効量の式Iの化合物をヒト又は動物に投与することを含む。炎症性又はアレルギー性の疾患又は障害の治療及び/又は予防方法が好ましい。このような疾患又は障害としては、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻炎、アレルギー性炎症、及びアトピー性皮膚炎を挙げることができる(が、これらに限定されない)。
本発明は、また、治療有効量の式Iの化合物を、炎症性又はアレルギー性の疾患又は障害の処置用の他の薬物又は活性剤と組み合わせて又は一緒にして投与することに関する。1つの態様において、本発明は、治療有効量の式Iの化合物及び他の薬物又は活性剤(例えば、他の抗炎症性又は抗アレルギー性の薬物又は薬剤)をヒト又は動物に、同時に、連続的に、又は別々に投与することを含む、そのような疾患又は障害の治療及び/又は予防方法に関する。これらの他の薬物又は活性剤は、同一の、類似の、又は全く異なる作用機作を有しうる。適切な他の薬物又は活性剤として:アルブテロール又はサルメテロールのようなベータ2−アドレナリン作用性アゴニスト;デキサメタゾン又はフルチカゾンのようなコルチコステロイド;ロラチジンのような抗ヒスタミン;モンテルカスト又はザフィルルカストのようなロイコトリエンアンタゴニスト;オマリズマブのような抗IgE抗体療法;フシジン酸のような抗感染剤(特に、アトピー性皮膚炎の処置用);クロトリマゾールのような抗真菌剤(特に、アトピー性皮膚炎の処置用);タクロリムス及びピメクロリムスのような免疫抑制剤;DPアンタゴニストのような他の受容体で作用するPGD2の他のアンタゴニスト;シロミラストのようなホスホジエステラーゼタイプ4の阻害剤;TNF−アルファ変換酵素(TACE)の阻害剤のようなサイトカイン産生を調節する薬物;ブロッキングモノクローナル抗体及び可溶性受容体のようなTh2サイトカインIL−4及びIL−5の活性を調節する薬物;ロシグリタゾンのようなPPAR−ガンマアゴニスト;及びジロートンのような5−リポキシゲナーゼ阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。
別に述べられない限り、実施例中の全ての化合物は、記載したように調製されかつ特徴付けられた。本明細書中で引用した全ての特許及び刊行物は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。