本発明の光学装置の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の光学装置は、光軸方向に繰り出される複数段の筒部を有するズームレンズ鏡筒に適用され、デジタルカメラに装着される。
[第1の実施形態]
図1は第1の実施形態におけるズームレンズ鏡筒の全体構成を示す分解斜視図である。ズームレンズ鏡筒50は、1群ユニット100、第1移動カムユニット300、2群ユニット2000、第2移動カムユニット400、固定筒500、3群ユニット600およびベースユニット700から主に構成される。2群ユニット2000には、絞りシャッタユニット2100が含まれる。
図2Aは1群ユニット100および第1移動カムユニット300の構成を示す分解斜視図である。図2Bは図2Aと異なる方向から視た1群ユニット100および第1移動カムユニット300の構成を示す分解斜視図である。
1群ユニット100は、第1レンズ群101、この第1レンズ群101を保持する1群筒102、およびこの1群筒102に取り付けられたレンズ前面のカバー部材103から構成される。1群筒102の外周側の面には、主カムフォロア102aおよび副カムフォロア102bがそれぞれ周方向の3箇所に設けられている。また、1群筒102の内周側の面には、直進凸部102cがそれぞれ周方向の3箇所に設けられている。
図3は第1カム筒301の内面の構造を示す展開図である。第1カム筒301の外周側の面には、カムフォロア301aおよび駆動ピン301bがそれぞれ周方向の3箇所に設けられている。
また、第1カム筒301の内周側の面には、1群筒102の主カムフォロア102aと副カムフォロア102bにそれぞれ対応する主カム溝301cと副カム溝301dが設けられている。主カム溝301cと副カム溝301dは同一軌跡を有する。
主カムフォロア102aと主カム溝301cは当接して係合する。副カムフォロア102bと副カム溝301dは、隙間が設定された状態にある。
また、第1カム筒301の内周側の面には、凹部301eが周方向の3箇所に設けられている。また、第1カム筒301の端部には、主カム溝301cと副カム溝301dを避ける、周方向の3箇所の位置に切り欠き部301fが設けられている。また、直進筒302の外周側の面には、1群筒102の内周側の面の3箇所に設けられた直進凸部102cとそれぞれ係合する直進凹部302aが周方向の3箇所に設けられている。
また、直進筒302の外周側の面には、第1カム筒301の凹部301eと係合し、光軸方向の移動が規制されるとともに、互いに回転自在な結合状態となる凸部302bが周方向の3箇所に設けられている。
また、直進筒302の外周側の面には、直進キー部302cが周方向の3箇所に設けられている。また、直進筒302の端部には、第1カム筒301が所定の回転角度分だけ回転可能なように、切り欠き部302dが周方向の3箇所に設けられている。この切り欠き部302dは、第1カム筒301の切り欠き部301fと光軸方向に重なる位置となっている。
図4A、図4Bは2群ユニット2000の構成を示す分解斜視図である。図5は収納位置におけるズームレンズ鏡筒の構成を示す断面図である。図6は収納位置におけるズームレンズ鏡筒の構成を示す別の断面図である。
第2レンズ群201(第2のレンズ群)は、後述する2群レンズ保持部材202に組み込まれる。また、2群ベース部材2101は第3カム筒402に支持される。2群ベース部材2101の外周側の面には、フォロア部2101a、直進ガイド部2101bおよびフォロア基部2101cがそれぞれ周方向の2箇所に設けられている。
また、2群ベース部材2101の外周側の面には、穴部2101d、およびこの穴部2101dと同軸の抜け止め穴2101eが設けられている(図5参照)。また、2箇所のフォロア部2101a、直進ガイド部2101bおよびフォロア基部2101cと、1箇所の穴部2101dおよび抜け止め穴2101eとは、2群ベース部材2101の周方向における120°等分の位置に設けられている。このように、2群ベース部材2101の外周面には、カムフォロアが複数設けられる。
バネ部材2102は、2群ベース部材2101に設けられている穴部2101dに組み込まれる。また、可動フォロア2103の一方の先端部は可動フォロア部2103aとなっている。可動フォロア2103の外径部は、直進ガイド部2103bとなっており、2箇所の直進ガイド部2101bと同径である。
可動フォロア2103は、2群ベース部材2101の穴部2101dに組み込まれる。このとき、可動フォロア2103は、バネ部材2102を付勢しながら組み込まれる。可動フォロアの端部2103cは、抜け止め穴部2101eの外径より若干大きい寸法の外径を有しており、可動フォロアの端部2103cが抜け止め穴部2101eを通過すると、抜けないようにされている(図5参照)。
また、2群ベース部材2101には、後述するベース部材701に取り付けられるバネ部材702と周方向の3箇所で当接可能な受け面2101f(図4B参照)、およびガイド軸701eに摺動自在に嵌合するガイド穴2101gが設けられている(図6参照)。
その他の2群ユニット2000の構成の詳細については後述する。図7は第2移動カムユニット400の構成を示す分解斜視図である。第2カム筒401の内周側の面には、カムフォロア301aと係合するカム溝401a、および駆動ピン301bを貫通させるカム孔401bがそれぞれ3箇所に設けられている。カム溝401aとカム孔401bは同一の軌跡を有する。また、第2カム筒401の内周側の面には、直進キー部302cと係合する直進溝401cがそれぞれ周方向の3箇所に設けられている。
また、第2カム筒401の面には、直進ガイド部2101b、2103bがそれぞれ摺動可能に挿通される直進溝401dが周方向の3箇所にそれぞれフランジ部401eを貫通して設けられている。また、周方向の3箇所に設けられた、直進溝401dとフランジ部401eとの貫通部には、それぞれ直進溝有底部401fが形成されている。
図8は第2カム筒401の構造を示す展開図である。同図(a)は第2カム筒401の内面展開図であり、同図(b)は外面展開図である。第2カム筒401の外周側の面には、テーパピン部401gと凸部401hがそれぞれ周方向および光軸方向に同じ位置関係で3箇所に設けられている。また、第2カム筒401の外周側の面には、それぞれ光軸方向に異なる位置関係で凸部401iが3箇所に設けられている。また、フランジ部401eの周方向の3箇所には、それぞれ直進キー部401jが設けられている。
1群筒102より2段低い第3カム筒402の外周側の面には、カムフォロア402aが周方向の3箇所にそれぞれ設けられるとともに、ギア部402bが設けられている。図9は第3カム筒402の内面の構造を示す展開図である。第3カム筒402の内周側の面には、フォロア部2101aと係合するカム溝402cが2箇所に設けられ、フォロア部2103aと係合するカム溝402dが1箇所に設けられている。
また、第3カム筒402の内周側の面には、駆動ピン301bが係合する直進溝402eが周方向の3箇所にそれぞれ設けられている。また、第3カム筒402の内周側の面には、テーパピン部401g、凸部401h、401iにそれぞれ係合する凹部402f、402h、402gが周方向の3箇所にそれぞれ設けられている。これにより、第2カム筒401と第3カム筒402は、光軸方向の移動が規制され、互いに回転自在である。
図10はWIDE位置におけるズームレンズ鏡筒の構成を示す断面図である。図11はTELE位置におけるズームレンズ鏡筒の構成を示す断面図である。図9、図10、図11を参照しながら、カム溝402c、402dの構造の詳細について説明する。
図9の範囲(A)は収納位置からWIDE位置までの範囲を表す。範囲(B)はWIDE位置からTELE位置までの範囲を表す。カム溝402c、402dは同一の軌跡を有する。
図9の範囲(F)、(J)におけるカム溝402c、402dは、同一の断面形状を有する。フォロア部2101a、可動フォロア部2103aは、それぞれカム溝402c、402dと係合した状態となる。このとき、可動フォロア2103は、バネ部材2102の付勢力により、カム溝402dからの反力を受け、フォロア部2101aをカム溝402cに圧接させている(図10のWIDE位置、図11のTELE位置参照)。
カム溝402cは、全域(図9の範囲(C)、(D)、(E))で同一のカム深さを有する。図9の範囲(C)において、フォロア部2101aは、一方の面にのみ当接可能なカム断面形状を有する。また、図9の範囲(F)において、カム溝402cはフォロア部2101aの当接面側のみ形成されている。図9の範囲(E)では、フォロア部2101aは、他方のカム面にも係合するカム断面形状を有する。図9の範囲(D)では、フォロア部2101aは、図9の範囲(C)のカム断面形状から範囲(E)のカム断面形状に徐々に変化するように形成されている。
図9の範囲(G)では、カム溝402dは、範囲(I)よりも深いカム深さに形成され、フォロア部2103aが一方の面にのみ当接可能となる断面形状を有する(図5の収納位置参照)。このとき、可動フォロア2103は、バネ部材2102の付勢力が抜け止め穴部2101eで規制され、カム溝402dからの反力を受けていない状態となる。
また、図9の範囲(J)において、カム溝402dはフォロア部2103aの当接面側のみ形成されている。図9の範囲(I)では、カム溝402dは、フォロア部2103aが他方のカム面にも係合するカム断面形状を有する。
図9の範囲(H)では、カム溝402dは、範囲(G)のカム断面形状から範囲(I)のカム断面形状に徐々に変化するように形成されている。
図12は固定筒500の内面の構造を示す展開図である。固定筒500の内周側の面には、カムフォロア402aと係合するカム溝500aが周方向の3箇所に設けられている。また、固定筒500の内周側の面には、直進キー部401jと係合する直進溝500bが周方向の3箇所に設けられている。固定筒500は、後述するベース部材701に取り付けられ、固定される。
図13は3群ユニット600およびベースユニット700の構造を示す分解斜視図である。図14は3群ユニット600を含む、収納位置におけるズームレンズ鏡筒の構成を示す断面図である。3群レンズ保持部材602は3群レンズ601を保持する。3群レンズ保持部材602には、主ガイド部602aおよび副ガイド部602bが設けられている。また、3群レンズ保持部材602には、バネ掛け部602c、受け部602dおよび貫通孔602eが設けられている。
ガイド部材603は、3群レンズ保持部材602の主ガイド部602aに嵌合される。ステッピングモータ604はスクリュー部604aを有する。ナット部材605はスクリュー部604aに螺合(ネジ結合)している。
ベース部材701には、ガイド部材603を圧入により固定するガイド固定部701a、701b、および副ガイド部602bを光軸方向に摺動自在に嵌合するガイド軸701cが設けられている。
また、ベース部材701には、バネ部材606のバネ掛け部701dが設けられている。さらに、ベース部材701には、2群ベース部材2101のガイド穴2101gに摺動自在に嵌合されるガイド軸701eが設けられている。
バネ部材702は、ベース部材701の受け面701fに取り付けられ、収納位置において2群ベース部材2101を第1レンズ群101側(第1のレンズ群側)に付勢する。ギア部材703は、固定筒500に回転自在に取り付けられ、第3カム筒402のギア部402bと噛合する(ギア連結される)。ギア部材704は、ギア部材703と噛合され(ギア連結され)ており、駆動源(図示せず)により駆動されて回転する。CCD705(撮像手段)はベース部材701に固定される。
つぎに、絞りシャッタユニット2100の構成について説明する。図15Aおよび図15Bは絞りシャッタユニット2100の構成を示す分解斜視図である。
2群ベース部材2101には、ボール受け部2101hが軸周方向の3箇所に設けられている。また、バネ掛け部2101iが軸周方向の2箇所に設けられている。また、爪部2101jが軸周方向の3箇所に設けられている。
コイル部材2104、2105(光学部材駆動手段、補正駆動手段)には、端子2104a、2105aが設けられている。端子2104a、2105aは、2群ベース部材2101に形成された貫通孔2101k、2101lを貫通し、2群ベース部材2101に取り付けられる。
ステッピングモータ2106(光学部材駆動手段、光量規制駆動手段)には、ギア部材2107が取り付けられている。シャッタ駆動ユニット2108(光学部材駆動手段、光量規制駆動手段)には、コイル端子2108aが2本設けられている。シャッタ駆動ユニット2108は、コイル端子2108aを前側に向けて2群ベース部材2101に取り付けられる。また、シャッタ駆動ユニット2108には、マグネットと一体になったアーム2108bが設けられている。
フレキシブル基板2109はカメラ本体(図示せず)と接続される。また、フレキシブル基板2109には、ホール素子2109a、2109bが実装される。また、フレキシブル基板2109は、コイル部材2104、2105の端子2104a、2105a、ステッピングモータ2106の端子、およびシャッタ駆動ユニット2108の端子2108aとそれぞれ電気的に接続されている。
また、ステッピングモータ2106、シャッタ駆動ユニット2108の電気接続側(一方の側)と、コイル部材2104、2105の電気接続側(他方の側)とを連結する連結部2109c(図17A、図17B参照)が設けられている。保持部材2110は、フレキシブル基板2109を保持するものであり、フレキシブル基板2109に接着で固定される。
絞りカム部材2111には、ギア部2111aが形成されている。絞りカム部材2111は、光軸を中心に回動自在に、2群ベース部材2101に取り付けられている。
ギア部材2112は、2群ベース2101に回転自在に取り付けられており、ギア部材2107、およびカム部材2111のギア部2111aに噛合(ギア連結)される。
3枚の絞り羽根2113には、穴部2113aおよびカム孔2113bがそれぞれ形成されている。また、穴部2113aは、2群ベース部材2101の軸部2101mに回動自在にそれぞれ嵌合される。
絞りカバー部材2114には、カム軸部2114aが周方向の3箇所に設けられている。絞り羽根2113は、動作可能な光軸方向のスペースを確保した状態で、カム部材2111の穴部2111bにそれぞれ圧入により固定され、絞りカム部材2111と一体となって回動する。このとき、カム孔2113bは、絞りカバー部材2114のカム軸部2114aに摺動自在に嵌合される。
プレート部材2115は、開口部2115aを有し、2群ベース部材2101に取り付けられる。シャッタ羽根2116、2117には、それぞれ穴部2116a、2117aおよび長穴2116b、2117bが設けられている。穴部2116a、2117aは、2群ベース部材2101の軸部2101n、2101oに回動自在に嵌合されている。長穴2116b、2117bは、シャッタ駆動ユニット2108のアーム2108bに摺動自在に嵌合される。
カバー部材2118は、開口部2118aを有し、シャッタ羽根2116、2117が動作可能な光軸方向のスペースを確保した状態で、2群ベース部材2101に取り付けられる。
図16Aは2群ユニット2000の構成部品を示す分解斜視図である。2群ユニット2000には、第2レンズ群201、2群レンズ保持部材202、マグネット部202a、202bおよびバネ掛け部202cが設けられている。
マグネット部202a、202bは、それぞれコイル部材2104、2105に対向して配置されている。また、マグネット部202a、202bの磁界は、それぞれホール素子2109a、2109bによって検出される。
3個のボール部材203は、それぞれ2群ベース部材2101の周方向の3箇所に設けられたボール受け部2101hに組み込まれる。バネ部材204は、バネ掛け部202c、2101iに掛けられ、2群レンズ保持部材202の受け面202dに挟まれた状態となる。カバー部材205は穴部205aを有する。この穴部205aが爪部2101jと係合することにより、カバー部材205は絞りシャッタユニット2100に取り付けられる。
これらの部品を絞りシャッタユニット2100に組み込むことで、2群ユニット2000が構成される。
上記構成を有するズームレンズ鏡筒において、2群レンズホルダ202は、コイル部材2104、2105を通電することにより、光軸に対して直交する方向(光軸直交方向)に駆動可能である。また、ホール素子2109a、2109bによって、その位置検出が可能である。このような構成および駆動制御は、振れ補正手段として例えば特開2005−173412号公報に示されるように周知のものである。
図16Bおよび図16Cは2群ユニット2000の構成部品を絞りシャッタユニット2100に組み込む様子を示す図である。2群ユニット2000の構成部品を絞りシャッタユニット2100に組み込む際、フレキシブル基板2109が接着により固定されている保持部材2110を、位置Xで折り返すように開き、上記構成部品を組み込むことが可能である。図16Cは保持部材2110が開かれた状態を示す。
図17Aは2群ユニット2000を表側から見た斜視図である。図17Bは2群ユニット2000を裏側から見た斜視図である。シャッタ駆動ユニット2108には、位置X付近でフレキシブル基板2109に当接する凸部2108dが設けられている。位置Xでフレキシブル基板2109が接着により固定されている保持部材2110を折り返す際、凸部2108dが折り返されるフレキシブル基板2109の折り返し部分に当接することで、コイル端子2108aに加わる力が低減する。
また、シャッタ駆動ユニット2108の外周側には、押さえ部2108cが設けられており、フレキシブル基板2109の連結部2109cが外周側にふくらむことを押さえている。
図18は2群ユニット2000の表側における電気接続範囲を示す図である。ステッピングモータ2106、シャッタ駆動ユニット2108の電気接続側(表側)と、コイル部材2104、2105の電気接続側(裏側)とが分割されているので、表側における電気接続範囲Rは全体に比べて狭い範囲となっている。
つぎに、全体のズーム駆動について説明する。前述したように、図5には、収納位置にあるズームレンズ鏡筒が示されている。図10には、WIDE位置にあるズームレンズ鏡筒が示されている。また、図11には、TELE位置にあるズームレンズ鏡筒が示されている。
駆動源(図示せず)によってギア部材704が回転させられると、その動力はギア部材703を介して第3カム筒402のギア部402bに伝達され、第3カム筒402が回転する。カムフォロア402aが固定筒500のカム溝500aと係合しているので、第3カム筒402は、カム溝500aのカム軌跡に沿って光軸方向に回転しながら移動する。
このとき、第2カム筒401は、テーパピン部401g、凸部401h、401iと凹部402f、402h、402gがそれぞれ係合して光軸方向の移動が規制され、互いに回転自在に結合された状態にある。
また、直進キー部401jが直進溝500bと係合しており、第2カム筒401は光軸方向に直進移動する。
第1カム筒301は、駆動ピン301bが第3カム筒402の直進溝402eと係合しており、第3カム筒402が回転すると、第1カム筒301も回転させられる。
そして、第1カム筒301は、カムフォロア301aがカム溝401aと係合しているので、カム溝401aのカム軌跡に沿って回転しながら光軸方向に移動する。このとき、直進筒302は、凸部302bと凹部301eが係合して光軸方向の移動が規制され、互いに回転自在に結合された状態にある。直進筒302は、直進キー部302cが直進溝401cと係合しているので、光軸方向に直進移動する。
1群筒102は、主カムフォロア102aが第1カム筒301のカム溝301cに係合しているので、カム溝301cのカム軌跡に沿って光軸方向に移動する。このとき、直進凸部102cが直進凹部302aと係合し、その回転が規制されているので、1群筒102は、光軸方向に直進移動する。
つぎに、2群ユニット2000のズーム動作について説明する。2群ユニット2000では、フォロア部2101a、可動フォロア部2103aがそれぞれ第3カム筒402のカム溝402c、402dと係合している。
また、直進ガイド部2101b、2103bが直進溝401dと係合しているので、2群ユニット2000は、カム溝402c、402dのカム軌跡に沿って光軸方向に直進移動する。
収納位置(図14参照)では、バネ部材702の付勢力により、2群ユニット2000は、図9の範囲(F)、(J)でフォロア部2101a、2103aがそれぞれカム溝402c、402dの一方の面(1面)に当接された状態となっている。
また、2群ユニット2000の光軸直交方向の位置を規制するために、フォロア部2101a、2103aの先端部は、第2カム筒401の直進溝有底部401fと若干の隙間を有するように、位置している(図5参照)。このフォロア部2101a、可動フォロア部2103aの先端部は第1の位置規制手段に対応する。
また、2群ベース部材2101のガイド穴2101gにベース部材701のガイド軸701eが嵌合している(図6参照)。つまり、ガイド軸701eはガイド穴2101gによって直進案内される。このガイド穴2101gとガイド軸701eは、第2の位置規制手段に対応する。
なお、これら2群ユニット2000の光軸直交方向の位置規制としては、第1の位置規制手段および第2の位置規制手段のいずれか1つでも構わない。また、第2の位置規制手段では、ベース部材701にガイド軸701eが設けられているが、3群レンズ保持部材602の副ガイド部602bと摺動自在に嵌合するガイド軸701cとを第2の位置規制手段として兼用させる構成として構わない。
この状態から、第3カム筒402が回転させられると、2群ユニット2000は、収納位置から撮影位置(図9の範囲(A)、(B))に移動し、収納位置(図5参照)から撮影位置であるWIDE位置(図10参照)、TELE位置(図11参照)に駆動される。
TELE位置において、2群ベース部材2101のフォロア基部2101cは、第1カム筒301の切り欠き部301f、直進筒302の切り欠き部302dに位置する(図11参照)。このように、フォロア基部2101cを2段目のカム筒である第1カム筒301と光軸方向にオーバーラップさせることで、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔をより狭くすることが可能である。
つぎに、3群ユニットの動作について説明する(図13、図14参照)。3群ユニット600は、ベース部材701に取り付けられる。
まず、3群レンズ601を保持した3群レンズ保持部材602をベース部材701に置き、ガイド部材603を主ガイド部602aに嵌合させ、ガイド固定部701aに固定する。この状態で、バネ部材606をバネ掛け部602c、701dに掛ける。
そして、ナット部材605がスクリュー部604aにネジ結合された状態で、スクリュー部604aの先端部を貫通孔602eに貫通させ、ステッピングモータ604をベース部材701に取り付ける。
このように、バネ部材606のバネ力によりナット部材605は、スクリュー部604a側に付勢される(図19参照)。そして、3群レンズ保持部材602は、繰り出し方向(図14の矢印h方向)に付勢されている状態となる。この状態から、ベース部材701に取り付けられた3群ユニットのステッピングモータ604に通電し、3群レンズ保持部材602を駆動させることで、フォーカス動作が行われる。
つぎに、絞りシャッタユニット2100の動作について説明する。まず、絞り動作について説明する。
ステッピングモータ2106が通電されると、ギア部材2107の回転がギア部材2112およびギア部2111aに伝達され、カム部材2111は光軸を中心に回転させられる。このとき、絞り羽根2113は、カム孔2113bのカム軌跡に沿って、軸部2101mに嵌合している穴部2113aを中心に回転する。このように、絞り羽根部材2113が回転させられ、開口面積を変化させることが可能である(図15B参照)。
つぎに、シャッタ動作について説明する。シャッタ駆動ユニット2108は、マグネットと一体になったアーム2108bが通電によって発生する磁界に作用し、光軸方向を軸として回動する。コイル端子2108aへの通電の極性を反転させることにより、アーム2108bの回動方向が逆転する。このアーム2108bの回動により、シャッタ羽根2116、2117は、軸部2101n、2101oを中心に回動して有効光束を遮断し、シャッタとして機能する(図15B参照)。
このように、第1の実施形態のズームレンズ鏡筒50は、2群ベース部材2101に組み込まれた第2レンズ群201を通してCCD705に光を入射させる。2群ベース部材2101には、光軸に垂直な平面で移動自在に支持され、第2レンズ群201を保持する2群レンズ保持部材202が組み込まれる。また、2群ベース部材2101には、2群レンズ保持部材202を駆動し、第2レンズ群201による像振れを補正するコイル部材2104、2105が取り付けられる。また、2群ベース部材2101には、CCD705に入射する光量を規制するシャッタ羽根2116、2117が組み込まれる。また、2群ベース部材2101には、シャッタ羽根2116、2117を駆動するシャッタ駆動ユニット2108が取り付けられる。また、保持部材2110に接着により固定され、2群ベース部材2101に取り付けられるフレキシブル基板2109には、コイル部材2104、2105、ステッピングモータ2106およびシャッタ駆動ユニット2108が電気的に接続される。コイル部材2104、2105のフレキシブル基板2109への電気的接続は、2群ベース部材2101における2群レンズ保持部材202の組み込み側とは異なる側で行われる。また、ステッピングモータ2106やシャッタ駆動ユニット2108のフレキシブル基板2109への電気的接続は、2群ベース部材2101における絞り羽根2113、シャッタ羽根2116、2117の組み込み側と異なる側で行われる。従って、振れ補正機構、シャッタ機構、光量調節機構等の光学部材を同一のベース部材に組み込む際、組み立て作業効率およびスペース効率の向上を図ることができる。
また、シャッタ駆動ユニット2108やステッピングモータ2106のフレキシブル基板2109への電気的接続は、2群レンズ保持部材202の組み込み側で行われる。一方、コイル部2104、2105のフレキシブル基板2109への電気的接続は、絞り羽根2113、シャッタ羽根2116、2117の組み込み側で行われる。このように、シャッタ駆動ユニット2108やステッピングモータ2106の電気接続側と、コイル部2104、2105の電気接続側とが分割されているので、一方の側における電気接続範囲を全体に対して狭い範囲とすることができ、スペース効率が高まる。
また、シャッタ駆動ユニット2108の電気的接続部分であるコイル端子2108aの近傍に、2群ベース部材2101の両側に配置されたフレキシブル基板2109を連結する連結部2109cが設けられたので、連結部2109cを容易に固定することができる。
また、フレキシブル基板2109が折り返される連結部2109cの近傍の位置付近(位置X付近)に、フレキシブル基板2109に当接する凸部2108dが設けられた。これにより、フレキシブル基板2109を折り返す際、シャッタ駆動ユニット2108のコイル端子2108aに加わる力が低減する。
また、ズームレンズ鏡筒50では、収納位置において、バネ部材702の付勢力により、2群ユニット2000のフォロア部2101a、可動フォロア部2103aはそれぞれカム溝402c、402dの一方の面に当接された状態となる。このように、カム溝402c、402dを一方の面のみ設けて収納状態とすることが可能となり、第3カム筒402の光軸方向の長さを短くすることができる。
また、図9の範囲(C)、(G)では、フォロア部2101a、可動フォロア2103aにそれぞれ対応させ、カム溝402c、402dの断面の形状が異なるように形成されている。これにより、2群ベース部材2101にフォロア部2101aおよび可動フォロア2103を設けることが可能となり、安定した2群ユニット2000のズーム駆動が得られる。
また、前述した第1の位置規制手段または第2の位置規制手段を設けることにより、2群ユニット2000の光軸直交方向の位置を規制し、2群ユニット2000を収納位置で安定させることができる。
また、第1カム筒301の主カム溝301cと副カム溝301dを避けた位置に切り欠き部301fが設けられる。また、直進筒302の切り欠き部302dは、切り欠き部301fと光軸方向に重なる位置に設けられている。そして、TELE位置において、フォロア基部2101cが切り欠き部301f、302dに位置することで、1群ユニット100と2群ユニット2000の間隔が短くなる。
また、2群ユニット2000への組み込み時、フレキシブル基板2109が接着により固定されている保持部材2110を、図16B、図16Cに示すように位置Xで折り返すように開いて組み込むことが可能である。これにより、絞りシャッタユニット2100をユニット状態で管理することが容易となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
例えば、光学部材として、像振れ補正装置、シャッタ機構、光学絞り機構を示したが、NDフィルタ機構など他の光学部材の機構についても、本発明は同様に適用可能である。
上記実施形態では、ズームレンズ鏡筒がカメラに固定されているタイプのカメラを例に挙げて説明したが、カメラに着脱可能なズームレンズ鏡筒でも上記実施形態を達成することが可能であることは言うまでもない。
また、上記実施形態では、デジタルカメラを例に説明したが、本発明は、デジタルビデオカメラ等にも適用可能である。
また、上記実施形態では、カメラに適用された場合を示したが、レンズを用いた装置として、光記録装置、電子顕微鏡、望遠鏡など光学装置全般に適用可能である。