JP5457048B2 - 高分子/液晶複合材料およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、重合性組成物と液晶材料とからなるモノマー/液晶混合物、その重合物である高分子/液晶複合材料及び該複合材料を用いた液晶表示素子に関する。
現在、液晶表示素子としては、ポリイミド等の高分子からなる配向膜を形成した2枚の基板の間隙に、誘電異方性を有するネマチック液晶の層を形成してサンドイッチ構造のセルとし、これを2枚の偏光板の間に設置した構造のTN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、MVA(Multi domain Vertical Alignment)型およびIPS(In Plane Switching)型等の様々な表示モードが実用化されている。近年では、上記各表示モードは技術的な成熟を見ており、今後の表示特性の飛躍的な向上は困難な状況にある。
液晶表示素子その他の光変調素子として利用可能な液晶相状態として、青色相(Blue Phase、ブルー相(BP))と呼ばれる、キラリティを有する液晶材料においてキラルネマチック(N*)相と等方相の間の数℃の温度幅で出現することのある光学的等方性の液晶相が知られている。BPは、液晶分子が互いに捩じれて配列した二重捩じれ構造と、等方相に近い配列の線状欠陥とが共存した状態と考えられており、液晶材料のキラリティの大きさに反比例した格子定数の体心立方格子(ブルー相I)や単純立方格子(ブルー相II)のような3次元周期構造を有している。
この様な特異な構造に起因してBP状態にある液晶材料は、可視光に対する旋光性や、ブラッグ回折現象を示し、また電界や磁場に応答して入射光の回折角、偏光状態をマイクロ秒オーダーの応答時間で変化させることができる。このため、BP状態の液晶材料は、従来の光学素子と比較して、高速応答かつ多様な機能を有する液晶材料として有望である。
この様なBPの産業上の利用に際して、液晶材料がBP状態である温度範囲の狭さが大きな問題であった。そこで、菊池らは特許文献1に示されるように、BP状態にある液晶材料中に高分子の3次元網目構造を形成することで、BPの発現温度範囲を飛躍的に拡大する手法を提案している。
しかしながら、特許文献1に開示された技術において得られる高分子/液晶複合材料は、光シャッター等として用いた場合に駆動電圧が高く、また電圧を印加して繰り返し駆動することで、電圧無印加時においても光漏れが生ずるようになる等、耐久性、信頼性の点で十分とはいえない。
この様な問題の解決のために、高分子材料と複合化する液晶材料として、誘電率異方性および屈折率異方性の大きな液晶材料を用い、さらに該液晶材料中に高分子構造を形成する際の重合温度を最適化する技術が特許文献2及び3において提案されている。
しかしながら、これら材料においても駆動電圧の低減化は十分でなく、また液晶材料の屈折率異方性を過度に大きくすることは、高分子/液晶複合材料としたときの液晶材料の結晶化の原因となる。更に、誘電率異方性を過度に大きくすることは液晶材料中にイオン性の不純物を取り込みやすくするため、表示素子材料として用いる場合には画像の焼き付等の原因となるなど、実用材料として用いるには問題があった。この様な状況から、BPを表示素子材料として実用化するために、液晶材料に依存しない駆動電圧の低減化手法が望まれている。
キラリティを有する液晶材料は、一般に、ある温度範囲において分子長軸に垂直な方向に向かって分子長軸が一定の角度で捩じれた螺旋状の分子配列を取ったN*相を示し、非特許文献1によると、この様なN*相状態の液晶材料の外場に対する応答性はキラリティの大きさに依存する。このことから、キラリティを有する液晶材料を用いた表示素子における駆動電圧は、複屈折や誘電率異方性が同等の液晶材料において、キラリティの小さい液晶材料ほど表示素子として用いた場合の駆動電圧が低くなる傾向にあることが予想される。液晶材料が有するキラリティの大きさはN*相における螺旋周期の長さにより定義することが可能である。すなわち螺旋周期が大きな液晶材料ほど小さなキラリティを有する液晶材料であると言うことが出来ることから、N*相において螺旋周期の大きな液晶材料を用いた表示素子ほど駆動電圧が低くなると考えられる。
この様な駆動電圧のキラリティ依存性は、上述のBP状態で用いられる液晶材料等のN*相以外の液晶状態を利用した表示素子においても、液晶材料がキラリティを僅かでも持っている限り予想される。しかし、BPにおいては、液晶材料のキラリティがあまり小さくなるとBP自体発現しない恐れがあり、BPが発現したとしてもBPの三次元格子サイズがキラリティの大きさに依存し、BPの三次元格子構造に由来したブラッグ回折現象等による材料の着色などの問題が生じる。このため、BPを表示素子材料として用いる場合において液晶材料のキラリティを小さくすることには限界があった。
特開2003−327966号公報 国際公開第2005/080529号 特開2007−277531号公報
P.G.de Gennes, "The Physics of Liquid Crystals", 2nd Ed., Clarendon Press, Oxford, p286〜p294
本発明の課題は、実用に適した温度範囲にわたってBPを発現し、表示素子等に用いた際に、駆動電圧を低く抑えることができる高分子/液晶複合材料、該複合材料を製造可能なモノマー/液晶混合物及び該複合材料を用いた液晶表示素子を提供することにある。
本発明によれば、不斉構造を有する重合性化合物を1種以上含有する重合性組成物と、重合性基を持たずかつネマチック相またはキラルネマチック相を示す液晶材料とを含み、キラルネマチック相かつブルー相を示すことを特徴とするモノマー/液晶混合物が提供される。
また本発明によれば、上記モノマー/液晶混合物を、ブルー相状態で重合させて得た高分子/液晶複合材料が提供される。
更に本発明によれば、少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板の少なくとも一方に形成された電極と、該一対の基板間に挟持された液晶層と、該一対の基板の一方の外側に形成された偏光板と、前記電極を介して液晶層に電界を印加する電界印加手段とを備えた液晶表示素子であって、前記液晶層が、前記高分子/液晶複合材料を含むことを特徴とする液晶表示素子が提供される。
本発明のモノマー/液晶混合物は、特に、重合性組成物を構成する化合物として不斉構造を有する化合物を用いるので、液晶材料のキラリティが同一である場合に、より小さな3次元格子構造のBP構造を得ることが可能である。すなわち、BPの3次元格子構造に起因するブラッグ回折波長をより短波長側に現れるようにすることが可能である。
さらに本発明のモノマー/液晶混合物をブルー相状態で重合させて得た、本発明の高分子/液晶複合材料は、該モノマー/液晶混合物が重合前に有するBPの三次元格子構造を高分子ネットワークにより凍結したBP3次元格子構造を有するため、同等のBP格子サイズを得るために必要な液晶材料のキラリティを、より小さくすることができる。従って、液晶材料が有する誘電率異方性および屈折率異方性が同一でかつ同等の格子サイズのBP液晶材料と比較して、液晶表示素子等を、より低電圧で駆動させることができる。
また、本発明のモノマー/液晶混合物は、従来提案されている相安定化高分子/液晶複合材料に用いられるモノマー/液晶混合物と比較して、液晶材料のキラリティが本来BPを発現しないほど小さい場合にも、BPを発現させることができ、従って、BPを実用に適した温度範囲にわたって発現する高分子/液晶複合材料を製造することができる。
実施例及び比較例で調製した高分子/液晶複合材料の駆動電圧評価を行う際に用いた光学系の概略図である。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のモノマー/液晶混合物は、不斉構造を有する重合性化合物を1種以上含有する重合性組成物と、重合性基を持たずかつネマチック相またはキラルネマチック相を示す液晶材料とを含む。
本発明に用いる重合性組成物は、構成する化合物の一部あるいは全てが不斉構造を有する重合性化合物を含有する組成物である。すなわち、本発明に用いる重合性組成物は、1種類以上の不斉構造と重合性基を持った化合物を含むことを特徴とする。
本発明に用いる不斉構造を有する重合性化合物は、特に限定されるものではないが、例えば、式(1)で表される化合物を好ましく挙げることが出来る。
Figure 0005457048
式(1)中、Aは下記構造式A−1〜A−6で示される不斉構造を有する2価のラジカルを表す。本発明における駆動電圧の低減化効果と液晶への溶解性の観点からは、AはA−1またはA−3とすることが好ましい。
Figure 0005457048
式A−2中、R5は炭素数1〜6の直鎖状あるいは分岐したアルキル鎖を表す。
式(1)で示される重合性化合物が不斉構造を有するとは、A−1〜A−6の構造式それぞれについて以下のa、bおよびc、もしくはaおよびbで示される、異なる立体配座の構造を非等量含んでいることを意味する。本発明における駆動電圧の低減化効果を得るためには、A−1〜A−6の構造のそれぞれa、bまたはcを単独で用いることが最も好ましい。
Figure 0005457048
Figure 0005457048
式(1)中、X1およびX2はそれぞれ独立に単結合、メチレン基又は−CO−を表す。MG1およびMG2はそれぞれ独立に下記構造式MG−1〜MG−8で表される1〜4個の環状構造と1〜3個の結合基から形成される液晶基を表す。あまり分子量が大きくなると、本発明の駆動電圧の低減化効果が十分に得られなくなる恐れがあるため、MG1およびMG2はMG−1またはMG−2とすることが好ましい。Y1およびY2はそれぞれ独立に単結合、酸素原子、−COO−又は−OCO−を表す。Sp1およびSp2はそれぞれ独立に単結合または炭素数1〜20のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1又は2以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとしてそれぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良く、該アルキレン基中に存在する1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子で置換されていても良い。Sp1およびSp2の炭素数が過度に少なくなると液晶材料への溶解性が損なわれる恐れがあり、過度に多くなると本発明の駆動電圧の低減化効果が十分に得られなくなる恐れがあるため、炭素数3〜6とすることが最も好ましい。mは1を表し、nは0または1を表す。
Figure 0005457048
式MG−1〜MG−8中、Lは−CH3、−COCH3、−CN、−Fまたは−Clを表し、rは0、1または2を表す。
式(1)中、R1は重合性の官能基であるCH2=CW−COO−、HWN−、CH2=C−、CH2=CH−O−、HS−(CH2)l−COO−、または下記式で表される基もしくはこれら組み合わせを表す。
Figure 0005457048
上記具体的なR1において、Wは水素原子、塩素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表す。またlは1〜7の数である。
式(1)中、R2は独立してR1と同様の構造または、炭素数1〜20のアルキレン基を表す。該アルキレン基中に存在する1又は2以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとしてそれぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良く、該アルキレン基中に存在する1又は2以上の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子で置換されていても良い。本発明における駆動電圧の低減化効果を十分に得るためにはR2は、R1と同一構造とすることが好ましい。
式(1)で表されるモノマーの具体例としては、国際公開第2007/120459号パンフレットに示される、例えば、(3R,3aR,6R,6aR)−ヘキサハイドロフロ[3,2−b]フラン−3,6−ジイル ビス(4−(3−(アクリロイルオキシ)プロポキシ)ベンゾエート)、(3R,3aR,6R,6aR)−ヘキサハイドロフロ[3,2−b]フラン−3,6−ジイル ビス(4−(3−(オキシラン−2−イル)プロポキシ)ベンゾエート)、(3R,4R)−ジメチル 3,4−ビス(4−(3−(アクリロイルオキシ)プロポキシ)ベンゾイルオキシ)ヘキサンジオエートなどの化合物や、英国特許第2298202号明細書に示される、例えば(R)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイル ビス(4−(3−(アクリロイルオキシ)プロポキシ)ベンゾエート、(R)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイル ビス(4−(3−(メタクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾエートなどの化合物や、(1R,2R)−1,2−ジフェニルエタン−1,2−ジイル ビス(4−(3−(アクリロイルオキシ)プロポキシ)ベンゾエート)を挙げることができる。
液晶材料への溶解性および液晶材料に誘起する螺旋誘起力の大きさなどの理由からは(R)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイル ビス(4−(3−(アクリロイルオキシ)プロポキシ)ベンゾエートが好ましく挙げられる。
本発明に用いる不斉構造を有する重合性化合物としては、式(1)で表される化合物の他に、例えば、式(2)で表される化合物も好ましく挙げることが出来る。
Figure 0005457048
式(2)中、MGは式(1)で説明した上記構造式MG−1〜MG−8で表される1〜4個の環状構造と1〜3個の結合基から形成される液晶基を表す。液晶への溶解性などの観点からは、式(2)におけるMGはMG−8とすることが好ましい。X3およびY3はそれぞれ独立して単結合、酸素原子、−COO−又は−OCO−を表す。A1、A3、A4およびA6はそれぞれ独立して単結合または炭素原子数1〜3のアルキレン基を表す。該アルキレン基中に存在する1又は2以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとしてそれぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良く、該アルキレン基中に存在する1又は2以上の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子で置換されていても良い。A2及びA5はそれぞれ独立してF、Clまたは炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。
式(2)中、R3は重合性の官能基であるCH2=CW−COO−、HWN−、CH2=C−、CH2=CH−O−、HS−(CH2)l−COO−、または下記式で表される基もしくはこれら組み合わせを表す。
Figure 0005457048
上記具体的なR3において、Wは水素原子、塩素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表す。またlは1〜7の数である。
式(2)中、R4は独立してR3と同様の構造かまたは、炭素数1〜20のアルキレン基を表す。該アルキレン基中に存在する1又は2以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとしてそれぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良く、該アルキレン基中に存在する1又は2以上の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子で置換されていても良い。本発明における駆動電圧の低減化効果を十分に得るためにはR4はR3と同一の構造とすることが好ましい。
式(2)で表されるモノマーとしては、例えば、(R)−1,4−フェニレン ビス(4−((R)−3−(アクリロイルオキシ)−2−メチルプロポキシ)ベンゾエート)、(2R,2’R)−3,3’−(ビフェニル−4,4’−ジイル ビス(オキシ))ビス(2−メチルプロパン−3,1−ジイル)ジアクリレート、(S)−3−(4−(4−(ペンタン−2−イルオキシ)シクロヘキシル)フェノキシ)プロピル アクリレート、(R)−4−プロポキシフェニル 4’−(3−(アクリロイルオキシ)−2−メチルプロポキシ)ビフェニル−4−カーボキシレート等が挙げられ、好ましくは液晶材料の溶解性などの観点から、(R)−1,4−フェニレン ビス(4−((R)−3−(アクリロイルオキシ)−2−メチルプロポキシ)ベンゾエート)が挙げられる。
本発明に用いる重合性組成物には、後述する本発明の高分子/液晶複合材料とした際の、耐久性、コントラストなどの更なる改善を目的として、例えば、2−メチル−1,4−フェニレン ビス(4−(3−(アクリロイルオキシ)プロピルオキシ)ベンゾエート)等の液晶基を有する多官能性モノマーや、ドデシルアクリレート等の非液晶性単官能性モノマーなどからなる不斉構造を有さない重合性化合物を適宜添加することもできる。
本発明に用いる重合性基を持たずかつネマチック相またはキラルネマチック相を示す液晶材料とは、液晶性化合物にキラルドーパントを組み合わせた材料であって、その構造中に重合性の官能基を含まないものを言う。
本発明においては、液晶性化合物とキラルドーパントを組み合わせた材料を広義にキラルネマチック液晶として扱い、該液晶材料が示す液晶相をキラルネマチック相とする。液晶材料として最も好ましい材料は、単独でBPを示す液晶材料である。液晶材料がBPを示すには、キラルネマチック液晶において螺旋周期が500nm以下であることが好ましい。
BPの発現は、偏光顕微鏡による特徴的な小板状組織の観察や反射スペクトルの測定による小板上組織に対応する波長に現れるピークによって確認できる。
液晶材料に用いる液晶性化合物としては、例えば、ネマチック性液晶化合物、スメクチック性液晶化合物、ディスコチック性液晶化合物が挙げられ、ネマチック性液晶化合物が好ましい。液晶性化合物は1種を用いてもよいが、種々の特性を最適化するためには2種以上用いるのが好ましい。2種以上を用いる場合には、混合した後にネマチック液晶相を示すことが好ましい。
具体的には例えば、ビフェニル系液晶化合物、ターフェニル系液晶化合物、トラン系液晶化合物が挙げられる。
液晶材料に用いる重合性基を持たないキラルドーパントとしては、液晶性化合物であっても非液晶性化合物であっても良い。キラルドーパントが有する不斉構造としては、不斉炭素原子、軸不斉のいずれでもよいが、螺旋誘起力の観点からは軸不斉を有する化合物が好ましい。また、本発明における駆動電圧の低減化効果を得るためには、使用する液晶材料に誘起する螺旋構造のねじれ方向が、上述の重合性組成物に含まれる不斉構造を有する重合性化合物が液晶材料に誘起する螺旋構造のねじれ方向と同一であることが必要である。キラルドーパントとしての具体的な化合物としては、例えば、イソソルビトール誘導体やビナフトール誘導体、アトロプ異性体が好ましく挙げられる。
液晶材料において、キラルドーパントの割合は、液晶性化合物およびキラルドーパントの組み合わせにより所望の螺旋周期となるように適宜決めれば良いが、キラルドーパントがあまり多いと、後述する高分子/液晶複合材料としたときに、析出や相分離等により材料の特性に悪影響を及ぼす可能性があるため、液晶性化合物およびキラルドーパントの合計量に対して20質量%以下、好ましくは1〜10質量%とすることが好ましい。
本発明のモノマー/液晶混合物において、重合性組成物の混合割合は、多いほど高分子/液晶複合材料としたときの耐久性が向上するが、同時に高分子ネットワークと液晶材料の間の束縛力による駆動電圧の上昇を招くことが懸念されるため、耐久性を損なわない範囲では少ないほど好ましく、通常混合物全量基準で、1〜40質量%、得られる高分子/液晶複合材料を表示素子等として用いる場合には5〜15質量%が好ましい。したがって、液晶材料の混合割合は、通常混合物全量基準で99〜60質量%、得られる高分子/液晶複合材料を表示素子等として用いる場合には、95〜85質量%が好ましい。
本発明のモノマー/液晶混合物は、キラルネマチック相かつブルー相を示す。このようなモノマー/液晶混合物は、不斉構造を有する重合性化合物を含有する上述の重合性組成物を、重合性基を持たずかつネマチック相またはキラルネマチック相を示す上述の液晶材料に分散させてブルー相状態を示す温度に保持することにより得ることができる。
ブルー相状態の確認は、前述したように偏光顕微鏡による特徴的な小板上組織の監察や、反射スペクトルの測定による小板状組織に対応するブラッグ回折波長として現れるピークの測定によって行うことができる。
ブラッグ回折が観測される結晶面は、BPIの体心立方構造では(110)面、(200)面、(211)面等、BPIIの単純立方構造では(100)面、(110)面、(210)面等であることが知られている。
本発明のモノマー/液晶混合物が示すキラルネマチック相状態における螺旋周期は、液晶材料のみが示すキラルネマチック相状態における螺旋周期以下であることが好ましい。
本発明の高分子/液晶複合材料は、上述の本発明のモノマー/液晶混合物を、ブルー相状態で重合させて得られる。該重合は、本発明のモノマー/液晶混合物がブルー相を示す状態で行うこと以外特に限定されず、一般に熱重合あるいは光重合によって行うことができる。
前記重合は、モノマー/液晶混合物中の重合性組成物の反応性に応じて、別途光重合開始剤または熱重合開始剤を用いて行うことが出来る。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、ベンジル類、ミヒラーケトン類、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンジルジメチルケタール類およびチオキサントン類が挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、過酸化物、アゾ化合物が挙げられる。
重合開始剤の添加量は、重合性組成物の反応性に応じて適宜定めることができるが、過剰に加えると好ましくない副反応などが起こる可能性があるため、重合性組成物と液晶材料とからなるモノマー/液晶混合物100質量部に対して、1質量部以下とすることが好ましい。
重合開始剤を用いる場合、例えば、モノマー/液晶混合物の調製は、重合性組成物を必要により重合開始剤とともに液晶材料中に分散させることにより行うことができる。
重合温度は、モノマー/液晶混合物が、重合開始時においてBPを示す温度とすることが最も好ましい。モノマー/液晶混合物をBP状態で重合することにより、高分子ネットワークが形成される。この高分子ネットワークは、液晶材料中においてBP格子構造の熱力学的安定性を向上し、該BP格子構造の利用可能な温度範囲の拡大を可能とする。
BP状態での重合は、重合前にモノマー/液晶混合物が、重合する温度においてBP状態を示すことを確認して行うことができる。該BP状態の確認は、前述したように偏光顕微鏡による特徴的な小板上組織の監察や、反射スペクトルの測定による小板状組織に対応するブラッグ回折波長として現れるピークの測定によって行うことができる。
ブラッグ回折が観測される結晶面は、上述のとおり、BPIの体心立方構造では(110)面、(200)面、(211)面等、BPIIの単純立方構造では(100)面、(110)面、(210)面等であることが知られている。
上記方法により確認された該混合物がBPの状態にある温度において、光または熱によって該混合物中の重合性組成物を重合させることで、本発明の高分子/液晶複合材料が製造できる。この時、重合の途中の過程において混合物がBPの状態から、ネマチック相やキラルネマチック相等の光学的に異方性の状態へ変化することのないように、適宜温度を調節することが好ましい。
本発明の高分子/液晶複合材料が有するBP周期構造の格子サイズは、反射スペクトルの測定におけるピーク波長によって評価できる。BP周期構造の格子サイズaは反射スペクトルのピーク波長λと次の関係にある。したがって、異なるBP液晶材料においてBP格子サイズが同等であることは、反射スペクトルのピーク波長が一致することによって確認することが出来る。
Figure 0005457048
式中、aはBP格子サイズ、λは反射スペクトルのピーク波長、nは液晶材料の屈折率、h、kおよびlはそれぞれ面指数を示す。
本発明の高分子/液晶複合材料は、電界無印加時においては光学的に等方性の状態であり、電界印加状態においては印加電界強度の二乗に比例した電気複屈折値ΔnEを示すことが好ましい。ここで、電気複屈折値ΔnEとは、等方性媒体に電界を印加した際に誘起される複屈折値であり、表示素子として用いる場合にはΔnEが光源波長の半分の値に一致する時、素子の透過率は理論上100%となる。
本発明の高分子/液晶複合材料が、電界無印加時においてBPの状態にあることは、前述したように偏光顕微鏡観察および反射スペクトル測定において確認することが出来る。
本発明の高分子/液晶複合材料においてBP周期構造の格子サイズが、用いた液晶材料のキラリティに対して小さく、かつ同等の格子サイズを有する他のBP液晶材料と比較して低電圧で駆動することは次のように推測することが出来る。
本発明のモノマー/液晶混合物のキラリティは、反応開始時点において、液晶材料が有するキラリティと重合性組成物のキラリティによって決定される。重合の進行に伴いキラリティを有する重合性組成物は、液晶材料中から排斥され、高分子ネットワークを形成する。すなわち、重合性組成物が混合物に付与するキラリティが、重合の進行と共に失われる。この際、BP周期構造は、モノマー/液晶混合物としてのキラリティの変化に追随して大きな格子サイズへと変化しようとするが、重合によって形成される高分子ネットワークが重合反応初期のBP周期構造の格子サイズを反映して形成されるために、重合が充分進行した後にも、形成された高分子ネットワークからの束縛によりBP周期構造は液晶本来のキラリティに対応した大きな格子サイズへと変化できず、結果として重合前のBP周期構造を反映した格子サイズとなっていると考えられる。
要するに、本発明における高分子/液晶複合材料は、高分子ネットワークの存在により、本来液晶材料が有するキラリティによって形成されるBP周期構造よりも小さな格子サイズのBP周期構造を得ることが可能であるために、同等の格子サイズのBP液晶材料と比較して、低電圧での駆動が可能であると考えられる。
本発明において所望の駆動電圧の低減化効果は、本発明のモノマー/液晶混合物が示すBP周期構造の格子サイズが、液晶材料単独が示すBP周期構造の格子サイズより充分に小さくなることを確認することで予測できる。すなわち、重合性組成物の液晶材料への混合前後において、BP周期構造の格子サイズに変化が無い場合には、所望の駆動電圧の低減化効果が得られないおそれがある。
本発明の高分子/液晶複合材料は、上述の電気光学効果に基づく光変調素子や光スイッチング等の電気光学素子として利用することが出来る。これら光変調素子としての最適な利用の形態は、それぞれの用途に応じて適宜構成され、特に限定されない。
例えば、光変調あるいは光スイッチングのための基本的な素子としては、本発明の複合材料を、電極付基板で挟持させてなるもの、あるいは櫛型電極を有する基板と電極を有しない基板で挟持させてなるものを挙げることができる。
本発明の液晶表示素子は、少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板の少なくとも一方に形成された電極と、該一対の基板間に挟持された液晶層と、該一対の基板の一方の外側に形成された偏光板と、前記電極を介して液晶相に電界を印加する電界印加手段とを備え、前記液晶層が、本発明の高分子/液晶複合材料を含む。この時、基板上の液晶分子を水平または垂直方向に配向させる目的で、ポリイミド等からなる配向膜を用いても良い。
電極はITO(Indium−Tin−Oxide)、酸化錫、酸化亜鉛等の透明電極または金、銀、クロム等の金属導電膜等が挙げられ、透過率の向上等のためには透明電極を用いることが好ましい。この素子は電場を印加することで複屈折が誘起され、従来用いられているTN型液晶素子と同様に、偏光板と組み合わせて用いることで光シャッターとすることが出来る。
表示装置として用いる場合には、光シャッターをカラーフィルターおよびバックライトと共に組み合わせて構成される。また、この様な表示装置として用いる場合には、表示特性の向上のために位相差フィルム等の各種の光学フィルムと共に用いることも有効である。
この様にして得られた液晶表示素子は、液晶材料のキラリティが同一のその他の高分子/液晶複合材料に比して、より低い駆動電圧で利用することが可能である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
<液晶材料(A1)の調製>
フッ素系混合液晶JC−1041XX(チッソ社製)(I−N点 97℃、Δε=5.7、Δn=0.142)47.5質量%、4−ペンチル−4’−シアノビフェニル(5CBと略す)47.5質量%、およびキラルドーパントとして2,5−ビス−[4’−(ヘキシルオキシ)−フェニル−4−カルボニル]−1,4,3,6−ジアンハイドライド−D−ソルビトール(ISOC6OBA2と略す)5質量%を系全体が等方相を示す温度100℃で均一に混合し、重合性基を持たない液晶材料(1)を調製した。得られた液晶材料(A1)の相転移温度はN*−44.6℃−BP−47.6℃−Isoであった。
<液晶材料(A1)が示すBP格子サイズの評価>
調製した液晶材料(A1)の反射スペクトル測定を行い(110)面からの反射波長を評価した。反射ピークは780nmであった。測定は45℃で行った。
<重合性組成物(A1)の調製>
不斉構造を有する重合性化合物として(3R,3aR,6R,6aR)−ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3,6−ジイル ビス(4−(3−(アクリロイルオキシ)プロポキシ)ベンゾエート)(ISO(AcC3BA)2と略す)40質量%、不斉構造を有さない重合性化合物としてドデシルメタクリレート(nC12Mと略す)30質量%、および商品名RM−257(液晶性ジアクリレートモノマー、Merck社製、融点64℃、I−N点126℃)30質量%を混合し、重合性組成物(A1)を調製した。
<光重合性モノマー/液晶混合物(A1)の調製>
液晶材料(A1)87質量部、重合性組成物(A1)13質量部、および光重合開始剤として2,2’−ジメトキシフェニルアセトフェノン0.4質量部を、系全体が等方相を示す温度60℃で均一に混合し、光重合性モノマー/液晶混合物(A1)を調製した。
得られた光重合性モノマー/液晶混合物(A1)の相転移温度は、N*−28.3℃−BP−30.6℃−Isoであった。
<光重合性モノマー/液晶混合物(A1)が示すBP格子サイズの評価>
光重合性モノマー/液晶混合物(A1)の反射スペクトル測定を行い(110)面からの反射波長を評価した。反射ピークは498nmであった。測定は29.5℃で行った。
<高分子/液晶複合材料(A1)の調製>
光重合性モノマー/液晶混合物(A1)を配向処理の施されていない櫛型電極基板とガラス基板との間(基板間距離6μm)に充填し、得られたセルを光学的等方相であるブルー相が発現する温度である29.5℃に保持し、この状態で紫外光(紫外光強度1.5mW cm-2、波長365nm)を20分間照射した。得られた高分子/液晶複合材料(A1)は、室温以下においてもブルー相の光学組織を安定に保持した。
<高分子/液晶複合材料(A1)のBP格子サイズの評価>
高分子/液晶複合材料(A1)の反射スペクトル測定を行い(110)面からの反射波長を評価した。反射ピークは592nmであった。測定は25℃で行った。
<高分子/液晶複合材料(A1)の駆動電圧評価>
高分子/液晶複合材料(A1)を図1に示す光学系に配置した。セルに矩形波交流電界(周波数1kHz)を印加し、印加電界に対する透過光強度を測定した。ここで、透過率が5%を超える電界強度を駆動電圧の指標とした。結果を表1に示す。
実施例2
<液晶材料(A2)の調製>
フッ素系混合液晶JC−1041XX(チッソ社製)80質量%、5CB 14質量%、およびISOC6OBA2 6質量%を、系全体が等方相を示す温度100℃で均一に混合し、重合性基を持たない液晶材料(A2)を調製した。得られた液晶材料(A2)の相転移温度はN*−73.1℃−BP−74.6℃−Isoであった。
<液晶材料(A2)が示すBP格子サイズの評価>
液晶材料(A2)の反射スペクトル測定を行い(110)面からの反射波長を評価した。反射ピークは648nmであった。測定は74℃で行った。
<重合性組成物(A2)の調製>
不斉構造を有する重合性化合物としてISO(AcC3BA)2を33.4質量%、不斉構造を有さない重合性化合物としてnC12Mを33.3質量%、および商品名RM−257(Merck社製)を33.3質量%混合し、重合性組成物(A2)を調製した。
<光重合性モノマー/液晶混合物(A2)の調製>
液晶材料(A2)88質量部、重合性組成物(A2)1質量部、および光重合開始剤として2,2’−ジメトキシフェニルアセトフェノン0.4質量部を、系全体が等方相を示す温度100℃で均一に混合し、光重合性モノマー/液晶混合物(A2)を調製した。
得られた光重合性モノマー/液晶混合物(A2)の相転移温度は、N*−45.5℃−BP−48.6℃−Isoであった。
<光重合性モノマー/液晶混合物(A2)が示すBP格子サイズの評価>
光重合性モノマー/液晶混合物(A2)の反射スペクトル測定を行い(110)面からの反射波長を評価した。反射ピークは490nmであった。測定は46℃で行った。
<高分子/液晶複合材料(A2)の調製>
光重合性モノマー/液晶混合物(A2)を配向処理の施されていない櫛型電極基板とガラス基板との間(基板間距離6μm)に充填し、得られたセルを光学的等方相であるブルー相が発現する温度である29.5℃に保持し、この状態で紫外光(紫外光強度1.5mW cm-2、波長365nm)を20分間照射した。得られた高分子/液晶複合材料(A2)は、室温以下においてもブルー相の光学組織を安定に保持した。
<高分子/液晶複合材料(A2)のBP格子サイズの評価>
高分子/液晶複合材料(A2)の反射スペクトル測定を行い(110)面からの反射波長を評価した。反射ピークは535nmであった。測定は25℃で行った。
<高分子/液晶複合材料(A2)の駆動電圧評価>
高分子/液晶複合材料(A2)を図1に示す光学系に配置した。セルに矩形波交流電界(周波数1kHz)を印加し、印加電界に対する透過光強度を測定した。ここで、透過率が5%を超える電界強度を駆動電圧の指標とした。結果を表1に示す。
実施例3
不斉構造を有する重合性化合物として(R)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイル ビス(4−(3−(アクリロイルオキシ)プロポキシ)ベンゾエート(BN(AcC3BA)2と略す)を28.0質量%、不斉構造を有さない重合性化合物としてnC12Mを36.0質量%、および商品名RM−257(Merck社製)を36.0質量%混合し、重合性組成物(A3)を調製した。
重合性組成物(A2)の代わりに、重合性組成物(A3)を用いた以外は、実施例2と同様の手順により、高分子/液晶複合材料(A3)を調製した。ただし、重合前の光重合性モノマー/液晶混合物の相転移温度は、N*−46.7℃−BP−50.3℃−Isoであり、重合温度はBPが発現する温度である47℃とした。駆動電圧および重合前後の(110)面反射ピークの結果を表1に示す。
比較例1
不斉構造を有さない重合性化合物であるnC12M 50質量%および商品名RM−257(Merck社製)50質量%を混合し、重合性組成物(B1)を調製した。
実施例1で調製した液晶材料(A1)92質量部、重合性組成物(B1)8質量部、および光重合開始剤として2,2’−ジメトキシフェニルアセトフェノン0.4質量部を、系全体が等方相を示す温度100℃で均一に混合し、光重合性モノマー/液晶混合物(B1)を調製した。光重合性モノマー/液晶混合物(B1)の相転移温度は、N*−38.7℃−BP−41.3℃−Isoであった。
光重合性モノマー/液晶混合物(A1)の代わりに、光重合性モノマー/液晶混合物(B1)を用いた以外は、実施例1と同様の手順により高分子/液晶複合材料(B1)を調製した。ただし、光重合性モノマー/液晶混合物(B1)の重合温度は、BPが発現する温度である39.5℃とした。
重合後に得られた高分子/液晶複合材料(B1)は、室温においてブルー相の光学組織を安定に保持せず、ブルー相の安定化は出来なかった。
比較例2
フッ素系混合液晶JC−1041XX(チッソ社製)46.5質量%、5CB 46.5質量%、およびISOC6OBA2 7質量%を、系全体が等方相を示す温度100℃で均一に混合し、重合性基を持たない液晶材料(B2)を調製した。
液晶材料(A1)の代わりに、液晶材料(B2)を用いた以外は、比較例1と同様の手順により高分子/液晶複合材料(B2)を調製した。ただし、重合前の光重合性モノマー/液晶混合物の相転移温度は、N*−34.9℃−BP−38.4℃−Isoであり、重合温度はBPが発現する温度である35.5℃とした。
得られた高分子/液晶複合材料(B2)は、室温以下においてもブルー相の光学組織を安定に保持した。駆動電圧および重合前後の(110)面反射ピークの結果を表1に示す。
比較例3
フッ素系混合液晶JC−1041XX(チッソ社製)78.6質量%、5CB 13.9質量%、およびISOC6OBA2 7.5質量%を、系全体が等方相を示す温度100℃で均一に混合し、重合性基を持たない液晶材料(B3)を調製した。
液晶材料(A1)の代わりに、液晶材料(B3)を用いた以外は、比較例1と同様の手順により高分子/液晶複合材料(B3)を調製した。ただし、重合前の光重合性モノマー/液晶混合物の相転移温度は、N*−52.1℃−BP−55.3℃−Isoであり、重合温度はBPが発現する温度である52.5℃とした。
得られた高分子/液晶複合材料(B3)は、室温以下においてもブルー相の光学組織を安定に保持した。駆動電圧および重合前後の(110)面反射ピークの結果を表1に示す。
比較例4
フッ素系混合液晶JC−1041XX(チッソ社製)79.6質量%、5CB 14.1質量%、およびISOC6OBA2 6.3質量%を、系全体が等方相を示す温度100℃で均一に混合し、重合性基を持たない液晶材料(B4)を調製した。
液晶材料(A1)の代わりに、液晶材料(B4)を用いた以外は、比較例1と同様の手順により高分子/液晶複合材料(B4)を調製した。ただし、重合前の光重合性モノマー/液晶混合物の相転移温度は、N*−55.0℃−BP−57.8℃−Isoであり、重合温度はBPが発現する温度である55.5℃とした。得られた高分子/液晶複合材料(B4)は、室温以下においてもブルー相の光学組織を安定に保持した。駆動電圧および重合前後の(110)面反射ピークの結果を表1に示す。
Figure 0005457048

Claims (4)

  1. 式(1)に示す不斉構造を有する重合性化合物を1種以上含有する重合性組成物と、重合性基を持たずかつネマチック相またはキラルネマチック相を示す液晶材料とを含み、
    該液晶材料は、ビフェニル基含有液晶化合物とイソソルビトール誘導体との混合物であり、
    前記重合性組成物の含有量は、前記重合性組成物と前記液晶材料との混合物全量基準で、5〜15質量%である、
    キラルネマチック相かつブルー相を示すことを特徴とするモノマー/液晶混合物。
    Figure 0005457048
    [式(1)中、Aは下記構造式A−1又はA−3で示される不斉構造を有する2価のラジカルを表す。X1およびX2はそれぞれ独立に単結合、メチレン基又は−CO−を表す。MG1およびMG2記構造式MG−1表される液晶基を表す。Y1およびY2はそれぞれ独立に単結合、酸素原子、−COO−又は−OCO−を表す。Sp1およびSp2はそれぞれ独立に単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1又は2以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとしてそれぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良く、該アルキレン基中に存在する1又は2以上の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子で置換されていても良い。mは1を表し、nは0又は1を表す。R1は重合性の官能基であるCH2=CW−COO−、HWN−、CH2=C−、CH2=CH−O−、HS−(CH2)l−COO−、又は下記式(a)で表される基もしくはこれらの組み合わせを表す。R1におけるWは、水素原子、塩素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表し、lは1〜7の数である。R2は独立してR1と同様の構造、又は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、該アルキレン基中に存在する1又は2以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとしてそれぞれ独立に酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていても良く、該アルキレン基中に存在する1又は2以上の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子で置換されていても良い。]
    Figure 0005457048
    Figure 0005457048
    Figure 0005457048
    [式MG−1、Lは−CH3、−COCH3、−CN、−F又はClを表し、rは0、1又は2を表す。]
  2. モノマー/液晶混合物が示すキラルネマチック相状態における螺旋周期が、液晶材料のみが示すキラルネマチック相状態における螺旋周期以下である請求項1載のモノマー/液晶混合物。
  3. 請求項1又は2記載のモノマー/液晶混合物を、ブルー相状態で重合させて得た高分子/液晶複合材料。
  4. 少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板の少なくとも一方に形成された電極と、該一対の基板間に挟持された液晶層と、該一対の基板の一方の外側に形成された偏光板と、前記電極を介して液晶層に電界を印加する電界印加手段とを備えた液晶表示素子であって、前記液晶層が、請求項記載の高分子/液晶複合材料を含むことを特徴とする液晶表示素子。
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