JP5452943B2 - ハニカム構造体、及びハニカム触媒体 - Google Patents

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本発明は、自動車用、建設機械用、及び産業用定置エンジン、並びに燃焼機器等から排出される排ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)、及び硫黄酸化物(SO)等の被浄化成分の浄化に好適に用いられるハニカム構造体、及びハニカム触媒体、及びその製造方法に関する。
現在、各種エンジン等から排出される排ガスを浄化するために、ハニカム構造の触媒体(ハニカム触媒体)が用いられている。このハニカム触媒体は、セルを形成する隔壁の表面に触媒層が担持された構造を有するものである。また、このハニカム触媒体(ハニカム構造体)を用いて排ガスを浄化するに際しては、一の端面側からハニカム触媒体のセルに排ガスを流入させ、隔壁表面の触媒層に排ガスを接触させ、次いで、他の端面の側から外部へと流出させることにより行われる(例えば、特許文献1参照)。
このようなハニカム触媒体を用いて排ガスを浄化する場合には、排ガスから隔壁表面の触媒層に向けての、排ガスに含まれる被浄化成分の伝達を可能な限り促進させ、浄化効率を向上させる必要がある。排ガスの浄化効率を向上させるためには、セルのセル水力直径を小さくすること、及び隔壁の表面積を大きくすること等が必要である。具体的には、単位面積当りのセル数(セル密度)を増加させる方法等が採用される。
ここで、排ガスから隔壁表面の触媒層に向けての被浄化成分の伝達率は、セル水力直径の二乗に反比例して増加することが知られている。このため、セル密度を増加させるほど、被浄化成分の伝達率は向上する。しかしながら、圧力損失も、セル水力直径の二乗に反比例して増加する傾向にある。従って、被浄化成分の伝達率の向上に伴って、圧力損失が増加してしまうという問題がある。
なお、隔壁表面の触媒層の厚みは、通常、約数十μm程度である。ここで、触媒層内において被浄化成分が拡散する速度が不十分である場合には、ハニカム触媒体の浄化効率が低下する傾向にある。この傾向は、特に低温条件下で顕著である。このため、排ガスの浄化効率を高めるためには、触媒層の表面積を増加させることだけでなく、触媒層の厚みを低減させて、触媒層内における被浄化成分の拡散速度を向上させる必要がある。従って、セル密度を増加させると触媒層の表面積が増加するという利点がある一方で、やはり圧力損失が増加してしまうという問題がある。
排ガスの浄化効率を高めつつ、圧力損失を低減させるためには、ハニカム触媒体の流入径を大きくするとともに、流通させる排ガスの流速を下げる必要がある。しかし、ハニカム触媒体を大型化等した場合には、例えば車載用のハニカム触媒体等については搭載スペースが限定されるため、搭載が困難になる場合もある。
特開2003−33664号公報
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、浄化効率に優れ、圧力損失が小さく、限られた空間であっても搭載可能なハニカム触媒体を提供することが可能なハニカム構造体、及び浄化効率に優れ、圧力損失が小さく、限られた空間であっても搭載可能なハニカム触媒体を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、ハニカム構造体を構成する隔壁のパーミアビリティー、端面における隔壁厚さ、端面近傍の隔壁の気孔率を特定の数値範囲内とすることによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれば、以下のハニカム構造体、及びハニカム触媒体が提供される。
[1] 入口から出口にかけてセル流路が貫通しているフロースルー型のハニカム構造体であって、前記セル流路を形成する隔壁は一方のセル側の面からその反対側のセル側の面に連通する細孔を有し、前記隔壁の下記式(1)により求められるパーミアビリティーが1.5×10−12[m]以上であり、長手方向における端面の隔壁厚さが中央部の隔壁厚さの20%以上80%未満であるとともに、端面から、全長の1%以上10%未満の範囲の隔壁の水銀ポロシメータを用いて測定される気孔率が前記中央部の気孔率の80%未満であり、内燃機関から排出される排気ガスを浄化する触媒を担持可能なハニカム構造体。
[2] 長手方向における前記中央部は、隔壁厚さが200μm以上、前記隔壁の気孔率が45%以上、平均細孔径が10μm以上である前記[1]に記載のハニカム構造体。
[3] 入口から出口にかけてセル流路が貫通しているフロースルー型のハニカム触媒体であって、前記セル流路を形成する隔壁は一方のセル側の面からその反対側のセル側の面に連通する細孔を有し、前記隔壁の表面、および細孔の内表面の双方に触媒が担持されており、前記触媒が担持された状態での前記隔壁の下記式(1)により求められるパーミアビリティーが1×10−12[m]以上であり、長手方向における端面の隔壁厚さが中央部の隔壁厚さの20%以上80%未満であるとともに、端面から、全長の1%以上10%未満の範囲の隔壁の水銀ポロシメータを用いて測定される気孔率が中央部の気孔率の80%未満であり、内燃機関から排出される排気ガスを浄化するハニカム触媒体。
[4] 長手方向における前記中央部は、隔壁厚さが200μm以上、前記隔壁の気孔率が45%以上、平均細孔径が10μm以上である前記[3]に記載のハニカム触媒体。
本発明のハニカム構造体は、浄化効率に優れ、圧力損失が小さく、限られた空間であっても搭載可能なハニカム触媒体を提供することが可能であるという効果を奏するものである。また、触媒を担持した本発明のハニカム触媒体は、浄化効率に優れ、圧力損失が小さく、限られた空間であっても搭載可能であるという効果を奏するものである。
本発明のハニカム構造体及びハニカム触媒体の一実施形態を模式的に示す正面図である。 本発明のハニカム構造体及びハニカム触媒体の一実施形態を模式的に示す断面図及び隔壁の部分拡大図である。 本発明のハニカム構造体及びハニカム触媒体の一実施形態を端面側から見た、図1のA部分の部分拡大図である。 本発明のハニカム構造体及びハニカム触媒体の特徴部分を説明するための模式図である。 端面近傍の隔壁の製造方法を説明するための模式図である。 パーミアビリティーの測定に用いる試験片について説明する模式図である。 従来のハニカム触媒体の隔壁の部分拡大図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
図1は、本発明のハニカム構造体及びハニカム触媒体の一実施形態を模式的に示す正面図である。また、図2は、本発明のハニカム構造体及びハニカム触媒体の一実施形態を模式的に示す断面図である。図3は、端面側から見た、図1のA部分の部分拡大図である。図4は、特徴部分を説明するための模式図である。図1,2に示すように、本実施形態のハニカム構造体1は、多数の細孔を有する多孔質の隔壁4を備えたものである。隔壁4は、二つの端面2(入口端面2a,出口端面2b)間を連通する複数のセル3が形成されるように配置されている。なお、図1中、Dは、セル水力直径、Tは、隔壁厚さ(リブ厚)である。
本発明のハニカム構造体1は、入口から出口にかけてセル流路が貫通しているフロースルー型のハニカム構造体であって、セル流路を形成する隔壁4は一方のセル側の面からその反対側のセル側の面に連通する細孔25を有し、隔壁4のパーミアビリティーが1.5×10−12[m]以上(好ましくは、1×10−9以下)であり、長手方向における端面2の隔壁厚さが中央部の隔壁厚さの20%以上80%未満であるとともに、端面2から、全長の1%以上10%未満の範囲の隔壁の気孔率が中央部の気孔率の80%未満(好ましくは、20%以上)である。
より詳しく説明すると、図4に示すように、端面2の近傍の端部は、長手方向において中央部側から端面側へと隔壁2が薄くなるように形成されて、セル3を形成する内壁面がテーパー形状のテーパー面4tとなっている。このため、ガスがセル3内に流入しやすくなり圧損を低下させることができる。また、端面2の近傍を中央部よりも緻密化することにより、隔壁4を薄くしたことによる端面2の近傍の強度の低下を防止することができる。つまり、長手方向の端部は、高強度部として形成されている。
長手方向における中央部は、隔壁厚さが200μm以上、隔壁の気孔率が45%以上、平均細孔径が10μm以上であることが好ましい。本明細書において、気孔率、平均細孔径は、市販の水銀ポロシメータで測定した値である。
そして、本発明のハニカム触媒体50は、図2の拡大図に示すように、ハニカム構造体1の隔壁4の両面、および細孔25の内表面の双方に触媒が担持されて触媒層5が形成されたものであり、触媒が担持された状態での隔壁4のパーミアビリティーが1×10−12[m]以上(好ましくは、1×10−9以下)であり、端面2における隔壁厚さが中央部の隔壁厚さの80%未満であるとともに、端面2から、全長の1%以上10%未満の範囲の隔壁の気孔率が中央部の気孔率の80%未満(好ましくは、20%以上)である。
隔壁4のパーミアビリティーが1×10−12未満であると、圧力損失が大きくなるとともに、長期間使用した場合に圧力損失が増大し易くなる傾向にある。一方、隔壁4のパーミアビリティーが1×10−9超であると、排ガスと触媒層5との接触面積を十分に確保し難くなる傾向にある。
端面2における隔壁厚さが、中央部の隔壁厚さの80%を超えると圧力損失が過大になり、20%未満では強度が不足して使用時に欠けを生じ易い。
長手方向における端面2から1%以上10%未満の範囲の隔壁4の気孔率が中央部の気孔率の80%を超えると強度が不足して使用時に欠けを生じやすい。20%未満ではこの領域の触媒担持性が悪化し、浄化性能が劣る。上記、気孔率が低い領域の範囲が全長の1%未満では端面近傍の強度向上効果が小さく、10%を超えると、浄化性能が悪化する。
パーミアビリティーをこのような範囲内にすることにより、図2の拡大図に示すように、排ガスが隔壁4内にガスが拡散しやすく、細孔表面に担持された触媒が有効に活用され、浄化性能が良い。一方、図7に示す従来のハニカム触媒体の場合は、隔壁4内に排ガスが拡散せず、浄化効率があまり良くなかった。隔壁厚さをこのように端面2において薄くなるように設定することにより、端面2の開口率が大きくなり、端面2での乱れによる圧力損失を小さくすることができる。本発明のハニカム触媒体50は、圧力損失が小さく、隔壁4の内表面にも触媒が担持されているため、従来のハニカム触媒体に比してより浄化効率に優れ、限られた空間であっても搭載可能な、コンパクトなハニカム触媒体50を提供することができる。
長手方向における中央部の隔壁厚さが200μm以上あり、中央部の隔壁の気孔率が45%以上であり、平均細孔径が10μm以上であることが好ましい。200μm未満では細孔内へのガス拡散が不十分であり、気孔率45%未満では細孔表面積総和が小さすぎ、細孔表面の触媒が有効に浄化に寄与せず、平均細孔径10μm未満では、やはり細孔内へのガスの拡散が不十分で、浄化性能が悪化するからである。
なお、本明細書にいう「パーミアビリティー」とは、下記式(1)により算出される物性値をいい、所定のガスがその物(隔壁)を通過する際の通過抵抗を表す指標となる値である。ここで、下記式(1)中、Cはパーミアビリティー(m)、Fはガス流量(cm3/s)、Tは試料厚み(cm)、Vはガス粘性(dynes・sec/cm)、Dは試料直径(cm)、Pはガス圧力(PSI)をそれぞれ示す。また、下記式(1)中の数値は、13.839(PSI)=1(atm)であり、68947.6(dynes・sec/cm)=1(PSI)である。
Figure 0005452943
パーミアビリティーの測定手順としては、ハニカム構造体1、ハニカム触媒体50いずれの場合も、図6に示すように、隔壁1枚を、リブ残り高さHが0.2mm以下となるように切り出した角板、又は円板状の試験片100の隔壁4に室温空気を通過させ、その際の通過抵抗を測定し、式1により求める。この際、リブ残り105によりできるシールとの隙間から空気が漏れないように、グリス等の流動性シールを併用することが望ましい。また、空気流量範囲としては、計算上の隔壁通過流速が0.1cm/sec以上、1cm/sec以下となる範囲での計測結果を用いる。ハニカム触媒体50の場合には、セル内壁面とリブ切断面とで、触媒コート層のつき方が異なるが、本発明では隔壁内部細孔の内面に、多くの触媒がコートされる形態をとるため、リブ残りの影響は小さく、ハニカム構造体1と同じ測定方法でハニカム触媒体50の隔壁のパーミアビリティーを計測できる。
まず、触媒が担持されていないハニカム構造体1について説明する。本実施形態のハニカム構造体1を構成する材料としては、セラミックスを主成分とする材料、又は焼結金属等を好適例として挙げることができる。また、本実施形態のハニカム構造体1が、セラミックスを主成分とする材料からなるものである場合に、このセラミックスとしては、炭化珪素、コージェライト、アルミナタイタネート、サイアロン、ムライト、窒化珪素、リン酸ジルコニウム、ジルコニア、チタニア、アルミナ、若しくはシリカ、又はこれらを組み合わせたものを好適例として挙げることができる。特に、炭化珪素、コージェライト、ムライト、窒化珪素、アルミナ等のセラミックスが、耐アルカリ特性上好適である。なかでも酸化物系のセラミックスは、コストの点でも好ましい。
本実施形態のハニカム構造体1の、40〜800℃における、セルの連通方向の熱膨張係数は、1.0×10−6/℃未満であることが好ましく、0.8×10−6未満/℃であることが更に好ましく、0.5×10−6未満/℃であることが特に好ましい。40〜800℃におけるセルの連通方向の熱膨張係数が1.0×10−6/℃未満であると、高温の排気ガスに晒された際の発生熱応力を許容範囲内に抑えられ、ハニカム構造体の熱応力破壊を防止することができる。
また、本実施形態のハニカム構造体1の、セルの連通方向に垂直な面で径方向に切断した断面の形状は、設置しようとする排気系の内形状に適した形状であることが好ましい。具体的には、円、楕円、長円、台形、三角形、四角形、六角形、又は左右非対称な異形形状を挙げることができる。なかでも、円、楕円、長円が好ましい。
そして、セル密度が40セル/cm以上100セル/cm未満であり、端面の隔壁厚さが50μm以上200μm未満であるように形成することが好ましい。セル密度が40個/cm未満であると、排ガスとの接触効率が不足する傾向にある。一方、セル密度が100個/cm超であると、圧力損失が増大する傾向にある。隔壁厚さが50μm未満であると、強度が不足して耐熱衝撃性が低下する場合がある。一方、隔壁厚さが200μm超であると、圧力損失が増大する傾向にある。
本発明のハニカム構造体1は、その隔壁4のパーミアビリティーが所定の数値範囲内のものである。従って、例えば、材料の化学組成を適宜調整すること、造孔剤を用いて多孔質構造とする場合には、用いる造孔剤の種類、粒子径、添加量等を適宜調整すること等により、隔壁4のパーミアビリティーを所定の数値範囲内とすることができる。
本発明の端面近傍は、長手方向において中央部側から端面側へと隔壁が薄くなるように形成されて、セルを形成する内壁面がテーパー形状となっている。まず、坏土を押出成形することにより、例えば、同一形状同一の大きさのセルから構成された可塑性を有する略円筒状のハニカム成形体1aを成形する(なお、セル3やハニカム構造体1の本体の形状は、これに限定されない)。次に、図5に示すようにハニカム成形体1aを、その外周円筒面に接しハニカム成形体1aを固定するための外周保持治具内にセットし、セル形状を矯正するためのセル形状矯正治具30を用いて、セル形状を矯正する。セル形状矯正治具30は、先端に向かって細い形状の多数の先端部31を備えており、先端が尖った治具の先端部31の中心がセル3に挿入される位置にくるように、セル形状矯正治具30の位置をハニカム成形体1aの端面2a,2bと平行に移動させる。
外周保持治具内にセットされたハニカム成形体1aの両端面2a,2b側からセル形状矯正治具30の先端部31をセル3内に挿入することにより、端面近傍を、長手方向において中央部側から端面側へと隔壁が薄くなるように形成することができる。その後、ハニカム成形体1aを焼成し、ハニカム構造体1を得る。このハニカム構造体1に触媒を担持させることによりハニカム触媒体50を得る。
本発明のハニカム触媒体は、前述のハニカム構造体1の隔壁の両面、および細孔の内表面の双方に触媒が担持されて触媒層が形成されたものであり、次にハニカム触媒体50について説明する。
触媒層5が担持された状態、即ち、触媒担持細孔が形成された状態における隔壁4の平均細孔径は、10〜100μmであることが好ましく、20〜80μmであることが更に好ましく、35μmを超えて60μm以下であることが特に好ましい。平均細孔径が5μm未満であると、例えばエンジンから排出される排ガスに含まれるカーボン微粒子やアッシュ等の微粒子が捕捉され易くなり、細孔を閉塞してしまう。一方、平均細孔径が100μm超であると、排ガスと触媒層との接触面積を十分に確保し難くなる傾向にある。
触媒層5が担持された状態、即ち、触媒担持細孔が形成された状態における隔壁4の気孔率は、45〜80%であることが好ましく、40〜65%であることが更に好ましい。気孔率が45%未満であると、細孔表面積が不足し、浄化性能が悪化する傾向にある。一方、気孔率が80%超であると、強度が不十分となる傾向にある。
セル密度は、ハニカム構造体1と同様に、40セル/cm以上100セル/cm未満であり、端面の隔壁厚さが50μm以上200μm未満である。
本実施形態のハニカム触媒体50を構成する触媒層5に含有される触媒の具体例としては、(1)ガソリンエンジン排ガス浄化三元触媒、(2)ガソリンエンジン又はディーゼルエンジン排ガス浄化用の酸化触媒、(3)NO選択還元用SCR触媒、(4)NO吸蔵触媒、を挙げることができる。
ガソリンエンジン排ガス浄化三元触媒は、ハニカム構造体(ハニカム担体)の隔壁を被覆する担体コートと、この担体コートの内部に分散担持される貴金属とを含むものである。担体コートは、例えば活性アルミナにより構成されている。また、担体コートの内部に分散担持される貴金属としては、Pt、Rh、若しくはPd、又はこれらを組み合わせたものを好適例として挙げることができる。更に、担体コートには、例えば、酸化セリウム、酸化ジルコニア、シリカ等の化合物、又はこれらを組み合わせた混合物が含有される。なお、貴金属の合計量を、ハニカム構造体の体積1リットル当り、0.17〜7.07gとすることが好ましい。
ガソリンエンジン又はディーゼルエンジン排ガス浄化用の酸化触媒には、貴金属が含有される。この貴金属としては、Pt、Rh、及びPdからなる群より選択される一以上が好ましい。なお、貴金属の合計量を、ハニカム構造体の体積1リットル当り、0.17〜7.07gとすることが好ましい。また、NO選択還元用SCR触媒は、金属置換ゼオライト、バナジウム、チタニア、酸化タングステン、銀、及びアルミナからなる群より選択される少なくとも一種を含有するものである。
NO吸蔵触媒には、アルカリ金属、及び/又はアルカリ土類金属が含有される。アルカリ金属としては、K、Na、Liを挙げることができる。アルカリ土類金属としては、Caを挙げることができる。なお、K、Na、Li、及びCaの合計量を、ハニカム構造体の体積1リットル当り、5g以上とすることが好ましい。
本発明のハニカム触媒体50は、前述のハニカム構造体1に、従来公知の方法に準じた製造方法に従って、触媒を担持することにより製造することができる。具体的には、先ず、触媒を含有する触媒スラリーを調製する。次いで、この触媒スラリーを、吸引法等の方法により、ハニカム構造体1の隔壁4の細孔表面にコートする。その後、室温又は加熱条件下で乾燥することにより、本発明のハニカム触媒体50を製造することができる。
また、ハニカム構造体1の隔壁4の細孔25の内表面に触媒を担持させる前に、貴金属を含まないアルミナコートを少なくとも隔壁4の細孔25の内表面に行い、その後に触媒を担持することもできる。このようにアルミナコートをすることにより、ガスが侵入しにくい極小さな細孔をあらかじめ塞いでおき、ガスとの接触が起こりやすい大きな細孔に触媒を優先的にコートすることが可能になる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜8)
[ハニカム構造体の作製]コージェライト化原料として、アルミナ、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、及びシリカを使用し、コージェライト化原料100質量部に、造孔材を13質量部、分散媒を35質量部、有機バインダを6質量部、分散剤を0.5質量部、それぞれ添加し、混合、混練して坏土を調製した。分散媒として水を使用し、造孔材としては平均粒子径10μmのコークスを使用し、有機バインダとしてはヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用し、分散剤としてはエチレングリコールを使用した。次いで、所定の金型を用いて坏土を押出成形し、セル形状が四角形で、全体形状が円柱形(円筒形)のハニカム成形体1aを得た。
次に、両端より、各セル位置に対応する配置で角柱形状が並んだ形のダイ(セル形状矯正治具30)の各先端部31をセル内に押し込むことにより、両端近傍の隔壁厚さを中央部より薄くした。そして、ハニカム成形体1aをマイクロ波乾燥機で乾燥し、更に熱風乾燥機で完全に乾燥させた後、ハニカム成形体1aの両端面を切断し、所定の寸法に整えた。その後、ハニカム成形体1aを熱風乾燥機で乾燥し、更に、1410〜1440℃で、5時間、焼成することによって、実施例1〜8のハニカム構造体を得た。セル密度400cpsi、外径100mm、長さ110mmである。
作製したハニカム構造体について、隔壁厚さ、気孔率、細孔径、パーミアビリティー、両端部隔壁厚さを表1に示す。また、そのハニカム構造体の端面近傍の高強度範囲、その気孔率を示す。
Figure 0005452943
[ハニカム触媒体の作製]貴金属として白金(Pt)を含有し、活性アルミナ、及び酸素吸蔵剤としてのセリアを更に含有する触媒スラリーを調製した。吸引法により、実施例1〜8のハニカム構造体1の隔壁内表面、及び細孔内表面に、調製した触媒スラリーのコート層を形成した。次いで、加熱乾燥することにより、表2に示す隔壁(触媒層つき)の細孔構造を有するハニカム触媒体50を作製した。なお、ハニカム構造体(担体)1リットルあたりの貴金属(Pt)の量は2gであった。また、ハニカム構造体(担体)1リットルあたりの触媒スラリーのコート量は100gであった。
作製したハニカム触媒体50について、隔壁厚さ、気孔率、細孔径、パーミアビリティー、両端部隔壁厚さを表2に示す。また、そのハニカム構造体の高強度範囲、その気孔率を示す。さらに、浄化率、圧損、端面耐欠け、総合評価を示す。なお、それぞれ測定・評価は、以下のように行った。
[細孔径]細孔径は、水銀ポロシメータ(水銀圧入法)によって測定されたもので、多孔質基材に圧入された水銀の累積容量が、多孔質基材の全細孔容積の50%となった際の圧力から算出された細孔径を意味するものとする。水銀ポロシメータとしては、Micromeritics社製、商品名:Auto Pore III 型式9405を用いた。
[気孔率]細孔径同様に、水銀ポロシメータを用いた。
[パーミアビリティー]隔壁の一部を取出し、凹凸がなくなるように加工したものを試料とし、この試料をφ20mmのサンプルホルダーでガス漏れのないよう上下から挟み込んだ後、試料の下流側が1atmとなるように試料に特定のガス圧をかけてガスを透過させた。この際、試料を通過したガスについて、下記式(1)に基づいてパーミアビリティーを算出した。なお、下記式(1)中、Cはパーミアビリティー(m)、Fはガス流量(cm/s)、Tは試料厚み(cm)、Vはガス粘性(dynes・sec/cm)、Dは試料直径(cm)、Pはガス圧力(PSI)をそれぞれ示す。また、下記式(1)中の数値は、13.839(PSI)=1(atm)であり、68947.6(dynes・sec/cm)=1(PSI)である。なお、測定に際しては、例えば、商品名「Capillary Flow pormeter」(Porous Materials,Inc.製、型式:1100AEX)等の装置を用いた。
Figure 0005452943
[浄化率]排気量2リッターのガソリンエンジン車両を用いてFTP(米国連邦規制の、LA−4)運転モードでエミッション試験を実施した。ハニカム触媒体装着前後のエミッション値比率から、浄化率(%)を算出した。比較対照のハニカム触媒体を使用して浄化率(基準浄化率(%))を算出し、この基準浄化率に対する割合として、浄化指数(%)を算出し、浄化指数が、105%以上のものを○と評価した。
[圧力損失]PMが堆積していないハニカム触媒体に、8Nm/minの流量で常温の空気を流入させ、ハニカム触媒体の上流と下流との圧力差を、差圧計で測定し、初期圧力損失を求めた。比較対象のハニカム触媒体の初期圧損を測定して基準初期圧損を求め、この基準初期圧損に対する圧損指数(%)を算出し、圧損指数が100%未満のものを○と評価した。
[端面耐欠け]動力計ベンチにセットした排気量2リッターのガソリンエンジンのマニホルド直下にハニカム触媒体を装着し、動力計のコントロールにより、エンジン全負荷最高回転での運転15分とアイドリング5分を繰り返す運転を総計200時間実施した後、ハニカム触媒体の端面を観察し、初期状態からの変化として、端面からの距離2mmを越える欠落の有無を顕微鏡観察写真より判断した。
(比較例1〜7)
比較例1〜7のハニカム構造体、ハニカム触媒体も同様に作製し、測定・評価した。
Figure 0005452943
パーミアビリティーが小さいと、浄化率が良くなかった(比較例1)。端部の隔壁厚さが厚いと、圧損が大きかった(比較例3〜4)。高強度範囲が適切な長さで無い場合、端面耐欠けが生じたり、浄化効率が悪くなったりする(比較例5〜6)。また、高強度部の気孔率が大きいと、端面耐欠けが生じる(比較例7)。一方、実施例1〜8のように、パーミアビリティー、端面における隔壁厚さ、端面近傍の隔壁の気孔率等を所定の範囲内とした場合には、浄化率、圧損、端面耐欠け等において良好な結果が得られた。
本発明のハニカム触媒体は、浄化効率に優れ、圧力損失が小さく、限られた空間であっても搭載可能なものである。従って、本発明のハニカム触媒体は、例えば、自動車用、建設機械用、及び産業用定置エンジン、並びに燃焼機器等から排出される排ガスに含まれる被浄化成分の浄化に好適に用いられる。
1:ハニカム構造体、1a:ハニカム成形体、2:端面、2a:入口端面、2b:出口端面、3:セル、4:隔壁、4t:テーパー面、5:触媒層、20:外壁、25:細孔、30:セル形状矯正治具、31:先端部、50:ハニカム触媒体、100:試験片、105:リブ残り、D:セル水力直径、T:隔壁厚さ(リブ厚)。

Claims (4)

  1. 入口から出口にかけてセル流路が貫通しているフロースルー型のハニカム構造体であって、
    前記セル流路を形成する隔壁は一方のセル側の面からその反対側のセル側の面に連通する細孔を有し、前記隔壁の下記式(1)により求められるパーミアビリティーが1.5×10−12[m]以上であり、長手方向における端面の隔壁厚さが中央部の隔壁厚さの20%以上80%未満であるとともに、端面から、全長の1%以上10%未満の範囲の隔壁の水銀ポロシメータを用いて測定される気孔率が前記中央部の気孔率の80%未満であり、
    内燃機関から排出される排気ガスを浄化する触媒を担持可能なハニカム構造体。
    Figure 0005452943
    (式(1)中、Cはパーミアビリティー(m )、Fはガス流量(cm /s)、Tは試料厚み(cm)、Vはガス粘性(dynes・sec/cm )、Dは試料直径(cm)、Pはガス圧力(PSI)をそれぞれ示す。式(1)中の数値は、13.839(PSI)=1(atm)であり、68947.6(dynes・sec/cm )=1(PSI)である。)
  2. 長手方向における前記中央部は、隔壁厚さが200μm以上、前記隔壁の気孔率が45%以上、平均細孔径が10μm以上である請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 入口から出口にかけてセル流路が貫通しているフロースルー型のハニカム触媒体であって、
    前記セル流路を形成する隔壁は一方のセル側の面からその反対側のセル側の面に連通する細孔を有し、前記隔壁の表面、および細孔の内表面の双方に触媒が担持されており、前記触媒が担持された状態での前記隔壁の下記式(1)により求められるパーミアビリティーが1×10−12[m]以上であり、長手方向における端面の隔壁厚さが中央部の隔壁厚さの20%以上80%未満であるとともに、端面から、全長の1%以上10%未満の範囲の隔壁の水銀ポロシメータを用いて測定される気孔率が中央部の気孔率の80%未満であり、
    内燃機関から排出される排気ガスを浄化するハニカム触媒体。
    Figure 0005452943
    (式(1)中、Cはパーミアビリティー(m )、Fはガス流量(cm /s)、Tは試料厚み(cm)、Vはガス粘性(dynes・sec/cm )、Dは試料直径(cm)、Pはガス圧力(PSI)をそれぞれ示す。式(1)中の数値は、13.839(PSI)=1(atm)であり、68947.6(dynes・sec/cm )=1(PSI)である。)
  4. 長手方向における前記中央部は、隔壁厚さが200μm以上、前記隔壁の気孔率が45%以上、平均細孔径が10μm以上である請求項3に記載のハニカム触媒体。
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