前記問題点に鑑み、本発明は、複数の発光素子が発生した熱をヒートシンクによって十分に放熱することができる車両用灯具を提供することを目的とする。
詳細には、本発明は、リフレクタを小型化することができる車両用灯具を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明によれば、複数の発光素子と、複数の発光素子が発生した熱を放熱するための第1ヒートシンクとを具備する車両用灯具において、 車両用灯具の主光軸線を含む断面内における第1ヒートシンクの形状が概略Y字状になるように第1ヒートシンクを分岐させ、 第1ヒートシンクのうち、一方の分岐せしめられている部分に一の発光素子を接続し、 第1ヒートシンクのうち、他方の分岐せしめられている部分に他の発光素子を接続し、 一の発光素子から放射された光を車両用灯具の前側に反射するための第1リフレクタと、他の発光素子から放射された光を車両用灯具の前側に反射するための第2リフレクタとを設け、 一の発光素子から放射された光のうち、一の発光素子の主光軸線よりも車両用灯具の後側に放射された光を反射するための第1反射面を第1リフレクタに設け、 一の発光素子から放射された光のうち、一の発光素子の主光軸線よりも車両用灯具の前側に放射された光を反射するための第2反射面を第1リフレクタに設け、 他の発光素子から放射された光のうち、他の発光素子の主光軸線よりも車両用灯具の後側に放射された光を反射するための第3反射面を第2リフレクタに設け、 他の発光素子から放射された光のうち、他の発光素子の主光軸線よりも車両用灯具の前側に放射された光を反射するための第4反射面を第2リフレクタに設け、 第1反射面からの反射光および第3反射面からの反射光を車両用灯具の主光軸線と小さい角度をなして車両用灯具の前側に照射し、 第2反射面からの反射光および第4反射面からの反射光を車両用灯具の主光軸線と大きい角度をなして車両用灯具の前側に照射し、 第2反射面からの反射光と第4反射面からの反射光とを車両用灯具の主光軸線の近傍で交差させ、 車両用灯具アウターレンズのうち、第2反射面からの反射光と第4反射面からの反射光とが交差する位置の近傍にレンズカット部を形成したことを特徴とする車両用灯具が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられている部分の前側にレンズカット部を配置し、 車両用灯具の前側から見た分岐せしめられている部分の輪郭とレンズカット部の輪郭とをほぼ一致させたことを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、複数の発光素子に給電するための回路基板を、第1ヒートシンクのうち、分岐せしめられていない部分の一方の面と他方の面とに接続し、 分岐せしめられていない部分のうち、分岐せしめられている部分の反対側の端部と車両用灯具ハウジングとを熱的に接続し、 分岐せしめられている部分と分岐せしめられていない部分との境界部と車両用灯具ハウジングとを熱的に接続したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用灯具が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、複数の発光素子に給電するための回路基板をフレキシブル基板によって構成し、 第1ヒートシンクのうち分岐せしめられていない部分の一方の面に対してフレキシブル基板の半分を接続し、 第1ヒートシンクのうち分岐せしめられていない部分の他方の面に対してフレキシブル基板の残りの半分を接続したことを特徴とする請求項4に記載の車両用灯具が提供される。
請求項1に記載の車両用灯具では、複数の発光素子と、複数の発光素子が発生した熱を放熱するための第1ヒートシンクとが設けられている。また、車両用灯具の主光軸線を含む断面内における第1ヒートシンクの形状が概略Y字状になるように、第1ヒートシンクが分岐せしめられている。
更に、請求項1に記載の車両用灯具では、第1ヒートシンクのうち、一方の分岐せしめられている部分に一の発光素子が接続され、他方の分岐せしめられている部分に他の発光素子が接続されている。
つまり、請求項1に記載の車両用灯具では、一の発光素子が発生した熱が、第1ヒートシンクの一方の分岐せしめられている部分のうち、一の発光素子が接続されている側の面から放熱されるのみならず、一の発光素子が接続されていない側の面からも放熱される。
また、請求項1に記載の車両用灯具では、他の発光素子が発生した熱が、第1ヒートシンクの他方の分岐せしめられている部分のうち、他の発光素子が接続されている側の面から放熱されるのみならず、他の発光素子が接続されていない側の面からも放熱される。
そのため、請求項1に記載の車両用灯具によれば、車両用灯具の主光軸線を含む鉛直断面内における第1ヒートシンクの形状が概略I字状になるように第1ヒートシンクが構成されている特開2006−134810号公報の図1に記載された車両用灯具よりも、複数の発光素子が発生した熱の放熱効率を向上させることができる。
すなわち、請求項1に記載の車両用灯具によれば、複数の発光素子が発生した熱を第1ヒートシンクによって十分に放熱することができる。
換言すれば、請求項1に記載の車両用灯具によれば、複数の発光素子が発生した熱の放熱が不十分になるのに伴って、発光素子の寿命が縮まったり、発光素子の光度が低下したり、発光素子からの光の色が変化したりするのを抑制することができる。
請求項1に記載の車両用灯具では、好ましくは、車両用灯具の主光軸線を含む水平断面内における第1ヒートシンクの形状が概略Y字状になるように、第1ヒートシンクが分岐せしめられているが、代わりに、車両用灯具の主光軸線を含む鉛直断面内における第1ヒートシンクの形状が概略Y字状になるように、第1ヒートシンクを分岐させることも可能である。あるいは、車両用灯具の主光軸線を含む断面内であって、水平断面内でもなく、鉛直断面内でもない断面内における第1ヒートシンクの形状が概略Y字状になるように、第1ヒートシンクを分岐させることも可能である。
請求項1に記載の車両用灯具では、好ましくは、2個の概略く字状の部材を接合することによって概略Y字状の第1ヒートシンクが構成されているが、代わりに、例えばアルミダイキャスト等のような成形によって形成された1個の部材により、概略Y字状の第1ヒートシンクを構成することも可能である。
請求項1に記載の車両用灯具では、一の発光素子から放射された光を車両用灯具の前側に反射するための第1リフレクタと、他の発光素子から放射された光を車両用灯具の前側に反射するための第2リフレクタとが設けられている。
また、請求項1に記載の車両用灯具では、一の発光素子から放射された光のうち、一の発光素子の主光軸線よりも車両用灯具の後側に放射された光を反射するための第1反射面が、第1リフレクタに設けられている。更に、一の発光素子から放射された光のうち、一の発光素子の主光軸線よりも車両用灯具の前側に放射された光を反射するための第2反射面が、第1リフレクタに設けられている。
更に、請求項1に記載の車両用灯具では、他の発光素子から放射された光のうち、他の発光素子の主光軸線よりも車両用灯具の後側に放射された光を反射するための第3反射面が、第2リフレクタに設けられている。また、他の発光素子から放射された光のうち、他の発光素子の主光軸線よりも車両用灯具の前側に放射された光を反射するための第4反射面が、第2リフレクタに設けられている。
また、請求項1に記載の車両用灯具では、第1反射面からの反射光および第3反射面からの反射光が、車両用灯具の主光軸線と小さい角度をなして車両用灯具の前側に照射される。更に、第2反射面からの反射光および第4反射面からの反射光が、車両用灯具の主光軸線と大きい角度をなして車両用灯具の前側に照射される。
つまり、請求項1に記載の車両用灯具では、一の発光素子から放射された光のうち、一の発光素子の主光軸線よりも車両用灯具の前側に放射された光が、車両用灯具の主光軸線と小さい角度をなして車両用灯具の前側に照射されるように第1リフレクタによって反射されるのではなく、車両用灯具の主光軸線と大きい角度をなして車両用灯具の前側に照射されるように第1リフレクタによって反射される。
そのため、請求項1に記載の車両用灯具によれば、一の発光素子から放射された光のうち、一の発光素子の主光軸線よりも車両用灯具の前側に放射された光が、車両用灯具の主光軸線と小さい角度をなして車両用灯具の前側に照射されるように第1リフレクタによって反射される場合よりも、第1リフレクタを小型化することができる。
更に、請求項1に記載の車両用灯具では、他の発光素子から放射された光のうち、他の発光素子の主光軸線よりも車両用灯具の前側に放射された光が、車両用灯具の主光軸線と小さい角度をなして車両用灯具の前側に照射されるように第2リフレクタによって反射されるのではなく、車両用灯具の主光軸線と大きい角度をなして車両用灯具の前側に照射されるように第2リフレクタによって反射される。
そのため、請求項1に記載の車両用灯具によれば、他の発光素子から放射された光のうち、他の発光素子の主光軸線よりも車両用灯具の前側に放射された光が、車両用灯具の主光軸線と小さい角度をなして車両用灯具の前側に照射されるように第2リフレクタによって反射される場合よりも、第2リフレクタを小型化することができる。
請求項1に記載の車両用灯具では、第2反射面からの反射光と、第4反射面からの反射光とが、車両用灯具の主光軸線の近傍で交差せしめられる。更に、車両用灯具アウターレンズのうち、第2反射面からの反射光と第4反射面からの反射光とが交差する位置の近傍にレンズカット部が形成されている。
詳細には、請求項1に記載の車両用灯具では、車両用灯具アウターレンズに形成されたレンズカット部によって、第2反射面からの反射光が拡散せしめられる。更に、そのレンズカット部によって、第4反射面からの反射光も拡散せしめられる。
そのため、請求項1に記載の車両用灯具によれば、第2反射面からの反射光を拡散させるためのレンズカット部と、第4反射面からの反射光を拡散させるためのレンズカット部とが、車両用灯具アウターレンズに別個に形成されている場合よりも、車両用灯具アウターレンズを小型化することができ、それにより、車両用灯具全体を小型化することができる。
請求項2に記載の車両用灯具では、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられている部分の前側にレンズカット部が配置されている。更に、車両用灯具の前側から見た分岐せしめられている部分の輪郭と、レンズカット部の輪郭とが、ほぼ一致せしめられている。
そのため、請求項2に記載の車両用灯具によれば、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられている部分が車両用灯具の前側から直視できてしまうのを、レンズカット部によって回避することができる。
換言すれば、請求項2に記載の車両用灯具では、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられている部分が車両用灯具の前側から直視できてしまうのを回避するための手段として、第2反射面からの反射光および第4反射面からの反射光を拡散させるためのレンズカット部が用いられる。
そのため、請求項2に記載の車両用灯具によれば、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられている部分が車両用灯具の前側から直視できてしまうのを回避するための手段と、第2反射面からの反射光および第4反射面からの反射光を拡散させるためのレンズカット部とが別個に設けられている場合よりも、車両用灯具全体のコストを抑制することができる。
請求項3に記載の車両用灯具では、複数の発光素子に給電するための回路基板が、第1ヒートシンクのうち、分岐せしめられていない部分の一方の面と他方の面とに接続されている。
更に、請求項3に記載の車両用灯具では、分岐せしめられていない部分のうち、分岐せしめられている部分の反対側の端部と、車両用灯具ハウジングとが、熱的に接続されている。また、分岐せしめられている部分と分岐せしめられていない部分との境界部と、車両用灯具ハウジングとが、熱的に接続されている。
詳細には、請求項3に記載の車両用灯具では、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられていない部分の一方の面と他方の面とに接続されている回路基板上の構成部品が発生した熱の一部が、分岐せしめられていない部分のうち分岐せしめられている部分の反対側の端部を介して、車両用灯具ハウジングに伝熱され、車両用灯具ハウジングから放熱される。
更に、請求項3に記載の車両用灯具では、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられていない部分の一方の面と他方の面とに接続されている回路基板上の構成部品が発生した熱の一部が、分岐せしめられている部分と分岐せしめられていない部分との境界部を介して、車両用灯具ハウジングに伝熱され、車両用灯具ハウジングから放熱される。
つまり、請求項3に記載の車両用灯具では、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられていない部分の一方の面と他方の面とに接続されている回路基板上の構成部品が発生した熱が、第1ヒートシンクのうち、複数の発光素子が接続されている部分に殆ど伝熱されない。
そのため、請求項3に記載の車両用灯具によれば、複数の発光素子に給電するための回路基板上の構成部品が発生した熱が、第1ヒートシンクのうち、複数の発光素子が接続されている部分に伝熱されるのに伴って、複数の発光素子の放熱効率が低下してしまうのを抑制することができる。
換言すれば、請求項3に記載の車両用灯具では、複数の発光素子に給電するための回路基板上の構成部品が発生した熱が複数の発光素子に到達することなく放熱されるように、複数の発光素子に給電するための回路基板上の構成部品が発生した熱の放熱経路が確保されている。
そのため、請求項4に記載の車両用灯具によれば、複数の発光素子に給電するための回路基板上の構成部品が発生した熱の放熱経路が十分に確保されていない場合よりも、複数の発光素子の放熱効率を向上させることができる。
請求項4に記載の車両用灯具では、複数の発光素子に給電するための回路基板が、フレキシブル基板によって構成されている。更に、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられていない部分の一方の面に対してフレキシブル基板の半分が接続され、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられていない部分の他方の面に対してフレキシブル基板の残りの半分が接続されている。
そのため、請求項4に記載の車両用灯具によれば、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられていない部分の一方の面に対して剛性の基板が接続され、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられていない部分の他方の面に対して他の剛性の基板が接続される場合よりも、車両用灯具全体の部品数を低減することができ、それにより、車両用灯具全体の組立コストを低減することができる。詳細には、請求項5に記載の車両用灯具によれば、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられていない部分の一方の面に対して剛性の基板が接続され、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられていない部分の他方の面に対して他の剛性の基板が接続される場合よりも、基板の枚数を削減すると共に、一方の剛性の基板と他方の剛性の基板とを接続する配線、カプラなどを削減することができ、それにより、車両用灯具全体を小型化することができる。
更に、請求項4に記載の車両用灯具によれば、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられていない部分の一方の面に対して剛性の基板が接続され、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられていない部分の他方の面に対して他の剛性の基板が接続される場合よりも、回路基板上の構成部品の実装密度を向上させることができる。詳細には、薄く、熱抵抗が小さいフレキシブル基板が用いられている請求項5に記載の車両用灯具によれば、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられていない部分の一方の面に対して剛性の基板が接続され、第1ヒートシンクのうち分岐せしめられていない部分の他方の面に対して他の剛性の基板が接続される場合よりも、基板上の部品が発生した熱を速やかに第1ヒートシンクに伝熱することができるため、部品にかかる熱的負荷を低減することができ、その結果、実装密度を上げて複数の部品を基板に実装することができる。
以下、本発明の車両用灯具の第1の実施形態について説明する。図1および図2は第1の実施形態の車両用灯具を示した図である。詳細には、図1(A)は車両用灯具の主光軸線CLを含む水平面内における第1の実施形態の車両用灯具の断面図、図1(B)は第1の実施形態の車両用灯具の正面図、図2(A)は図1(B)のA−A線に沿った断面図、図2(B)は車両用灯具の主光軸線CLを含む鉛直面内における第1の実施形態の車両用灯具の断面図、図2(C)は第1の実施形態の車両用灯具の一部を構成するヒートシンク4a,4bとフレキシブル基板5とからなる組立体の展開図である。
図3および図4は第1の実施形態の車両用灯具から照射される光を示した図である。詳細には、図3(A)は発光素子1aから放射された光のうち、発光素子1aの主光軸線CL1aよりも後側(図3(A)の上側)に放射され、リフレクタ7のリフレクタ部7aの反射面7a1によって反射され、車両用灯具の照射方向(図3(A)の下側)に照射される光L1,L2を示した図である。図3(B)は発光素子1aから放射された光のうち、発光素子1aの主光軸線CL1aよりも前側(図3(B)の下側)に放射され、リフレクタ7のリフレクタ部7aの反射面7a2によって反射され、車両用灯具の照射方向(図3(B)の右下側)に照射される光L3,L4,L5を示した図である。
図4(A)は発光素子1bから放射された光のうち、発光素子1bの主光軸線CL1bよりも後側(図4(A)の上側)に放射され、リフレクタ7のリフレクタ部7bの反射面7b1によって反射され、車両用灯具の照射方向(図4(A)の下側)に照射される光L6,L7を示した図である。図4(B)は発光素子1bから放射された光のうち、発光素子1bの主光軸線CL1bよりも前側(図4(B)の下側)に放射され、リフレクタ7のリフレクタ部7bの反射面7b2によって反射され、車両用灯具の照射方向(図4(B)の左下側)に照射される光L8,L9,L10を示した図である。
第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)に示すように、例えばLEDのような発光素子1aが高熱伝導性のベース部材2aに搭載され、例えばLEDのような発光素子1bが高熱伝導性のベース部材2bに搭載されている。更に、ベース部材2aが、例えばアルミニウムなどのような高熱伝導性材料によって形成された概略く字状のヒートシンク3aの前側(図1(A)の下側)部分3a1に対して例えばねじ止めなどによって接合されている。また、ベース部材2bが、例えばアルミニウムなどのような高熱伝導性材料によって形成された概略く字状のヒートシンク3bの前側(図1(A)の下側)部分3b1に対して例えばねじ止めなどによって接合されている。
第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)に示すように、発光素子1aとヒートシンク3aの前側部分3a1との間にベース部材2aが配置され、発光素子1bとヒートシンク3bの前側部分3b1との間にベース部材2bが配置されているが、第2の実施形態の車両用灯具では、代わりに、発光素子1aとヒートシンク3aの前側部分3a1とを直接接続し、発光素子1bとヒートシンク3bの前側部分3b1とを直接接続することも可能である。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)に示すように、ベース部材2aがヒートシンク3aの前側部分3a1に対してねじ止めによって接合され、ベース部材2bがヒートシンク3bの前側部分3b1に対してねじ止めによって接合されているが、第3の実施形態の車両用灯具では、代わりに、例えば熱伝導性テープなどのような熱伝導性接合部材によってベース部材2aとヒートシンク3aの前側部分3a1とを接合し、例えば熱伝導性テープなどのような熱伝導性接合部材によってベース部材2bとヒートシンク3bの前側部分3b1とを接合することも可能である。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)および図2(A)に示すように、概略く字状のヒートシンク3aの後側(図1(A)および図2(A)の上側)部分3a2と、概略く字状のヒートシンク3bの後側(図1(A)および図2(A)の上側)部分3b2とが、例えばねじ止め(図2(A)参照)などによって接合されている。
換言すれば、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)に示すように、複数の発光素子1a,1bと、複数の発光素子1a,1bが発生した熱を放熱するためのヒートシンク3a,3bとが設けられている。また、車両用灯具の主光軸線CLを含む水平断面内におけるヒートシンク3a,3bの形状が概略Y字状になるように、ヒートシンク3aの前側部分3a1とヒートシンク3bの前側部分3b1とが分岐せしめられている。
詳細には、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)に示すように、ヒートシンク3a,3bのうち、一方の分岐せしめられているヒートシンク3aの前側部分3a1に発光素子1aが接続され、他方の分岐せしめられているヒートシンク3bの前側部分3b1に発光素子1bが接続されている。
つまり、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)に示すように、発光素子1aが発生した熱が、ヒートシンク3aの前側部分3a1のうち、発光素子1aが接続されている側(図1(A)の左側)の面(詳細には、ベース部材2aの表面)から放熱されるのみならず、発光素子1aが接続されていない側(図1(A)の右側)の面からも放熱される。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)に示すように、発光素子1bが発生した熱が、ヒートシンク3bの前側部分3b1のうち、発光素子1bが接続されている側(図1(A)の右側)の面(詳細には、ベース部材2bの表面)から放熱されるのみならず、発光素子1bが接続されていない側(図1(A)の左側)の面からも放熱される。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具によれば、車両用灯具の主光軸線を含む鉛直断面内におけるヒートシンク(放熱板)の形状が概略I字状になるようにヒートシンク(放熱板)が構成されている特開2006−134810号公報の図1に記載された車両用灯具よりも、複数の発光素子1a,1bが発生した熱の放熱効率を向上させることができる。すなわち、第1の実施形態の車両用灯具によれば、複数の発光素子1a,1bが発生した熱をヒートシンク3a,3bによって十分に放熱することができる。
換言すれば、第1の実施形態の車両用灯具によれば、複数の発光素子1a,1bが発生した熱の放熱が不十分になるのに伴って、発光素子1a,1bの寿命が縮まったり、発光素子1a,1bの光度が低下したり、発光素子1a,1bからの光の色が変化したりするのを抑制することができる。
第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)および図2(A)に示すように、概略く字状のヒートシンク3aの後側(図1(A)および図2(A)の上側)部分3a2と概略く字状のヒートシンク3bの後側(図1(A)および図2(A)の上側)部分3b2とがねじ止め(図2(A)参照)によって接合されているが、第4の実施形態の車両用灯具では、代わりに、例えば熱伝導性テープなどのような熱伝導性接合部材によって概略く字状のヒートシンク3aの後側部分3a2と概略く字状のヒートシンク3bの後側部分3b2とを接合することも可能である。
第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)に示すように、車両用灯具の主光軸線CLを含む水平断面内におけるヒートシンク3a,3bの形状が概略Y字状になるように、ヒートシンク3aの前側部分3a1とヒートシンク3bの前側部分3b1とが分岐せしめられているが、第5の実施形態の車両用灯具では、代わりに、車両用灯具の主光軸線CLを含む鉛直断面内におけるヒートシンク3a,3bの形状が概略Y字状になるように、ヒートシンク3aの前側部分3a1とヒートシンク3bの前側部分3b1とを分岐させることも可能である。
あるいは、第6の実施形態の車両用灯具では、車両用灯具の主光軸線CLを含む断面内であって、水平断面内でもなく、鉛直断面内でもない断面内におけるヒートシンク3a,3bの形状が概略Y字状になるように、ヒートシンク3aの前側部分3a1とヒートシンク3bの前側部分3b1とを分岐させることも可能である。
第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)に示すように、2個の概略く字状のヒートシンク3a,3bを接合することによって概略Y字状のヒートシンク3a,3bの組立体が構成されているが、第7の実施形態の車両用灯具では、代わりに、例えばアルミダイキャスト等のような成形によって形成された1個の部材により、概略Y字状のヒートシンクを構成することも可能である。
また、図1〜図4において、3a2a,3a2bはヒートシンク3aの後側部分3a2とハウジング6とを熱的に接続する部分を示しており、3b2a,3b2bはヒートシンク3bの後側部分3b2とハウジング6とを熱的に接続する部分を示している。4aはヒートシンク3aの後側部分3a2とフレキシブル基板5の左側部分5aとの間に配置されたヒートシンクを示しており、4bはヒートシンク3bの後側部分3b2とフレキシブル基板5の右側部分5bとの間に配置されたヒートシンクを示している。第1の実施形態の車両用灯具では、ヒートシンク4a,4bが、例えばアルミニウムなどのような高熱伝導性材料によって形成されている。また、ハウジング6が例えばアルミダイキャストなどのような高熱伝導性・高放熱性材料によって形成されている。
更に、図1〜図4において、5a1は発光素子1aに給電するためにフレキシブル基板5の左側部分5aに実装されたカプラーを示しており、5b1は発光素子1bに給電するためにフレキシブル基板5の右側部分5bに実装されたカプラーを示しており、5b2はフレキシブル基板5と外部電源(図示せず)とを接続するためにフレキシブル基板5の右側部分5bに実装されたカプラーを示している。
また、図1〜図4において、8はアウターレンズを示しており、8aはアウターレンズ8の一部を構成する素通しレンズ部を示しており、8bはアウターレンズ8の一部を構成するレンズカット部を示している。
第1の実施形態の車両用灯具では、図1(B)および図3に示すように、発光素子1aから放射された光を車両用灯具の前側(図3の下側)に反射するためのリフレクタ部7aがリフレクタ7に設けられている。更に、図1(B)および図4に示すように、発光素子1bから放射された光を車両用灯具の前側(図4の下側)に反射するためのリフレクタ部7bがリフレクタ7に設けられている。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(B)および図3(A)に示すように、発光素子1aから放射された光のうち、発光素子1aの主光軸線CL1aよりも車両用灯具の後側(図3(A)の上側)に放射された光を反射するための反射面7a1が、リフレクタ部7aに設けられている。更に、図1(B)および図3(B)に示すように、発光素子1aから放射された光のうち、発光素子1aの主光軸線CL1aよりも車両用灯具の前側(図3(B)の下側)に放射された光を反射するための反射面7a2が、リフレクタ部7aに設けられている。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(B)および図4(A)に示すように、発光素子1bから放射された光のうち、発光素子1bの主光軸線CL1bよりも車両用灯具の後側(図4(A)の上側)に放射された光を反射するための反射面7b1が、リフレクタ部7bに設けられている。更に、図1(B)および図4(B)に示すように、発光素子1bから放射された光のうち、発光素子1bの主光軸線CL1bよりも車両用灯具の前側(図4(B)の下側)に放射された光を反射するための反射面7b2が、リフレクタ部7bに設けられている。
詳細には、第1の実施形態の車両用灯具では、図3(A)に示すように、反射面7a1からの反射光L1,L2が、車両用灯具の主光軸線CL(およびそれに平行な軸線CL’)と例えば約10°程度の小さい角度をなして車両用灯具の前側(図3(A)の下側)に照射される。更に、図3(B)に示すように、反射面7a2からの反射光L3が、車両用灯具の主光軸線CLと例えば約5°程度の小さい角度をなして車両用灯具の右前側(図3(B)の右下側)に照射される。また、図3(B)に示すように、反射面7a2からの反射光L4が、アウターレンズ8のレンズカット8bによって屈折し、車両用灯具の主光軸線CLと例えば約50°程度の大きい角度をなして車両用灯具の右前側(図3(B)の右下側)に照射される。更に、図3(B)に示すように、反射面7a2からの反射光L5が、アウターレンズ8のレンズカット8bによって屈折し、車両用灯具の主光軸線CLと例えば約80°程度の大きい角度をなして車両用灯具の右前側(図3(B)の右下側)に照射される。つまり、反射面7a1からの反射光L1,L2は、反射面7a2からの反射光L3,L4,L5よりも集光された明るい光になる。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図4(A)に示すように、反射面7b1からの反射光L6,L7が、車両用灯具の主光軸線CL(およびそれに平行な軸線CL’)と例えば約10°程度の小さい角度をなして車両用灯具の前側(図4(A)の下側)に照射される。更に、図4(B)に示すように、反射面7b2からの反射光L8が、車両用灯具の主光軸線CLと例えば約5°程度の小さい角度をなして車両用灯具の左前側(図4(B)の左下側)に照射される。また、図4(B)に示すように、反射面7b2からの反射光L9が、アウターレンズ8のレンズカット8bによって屈折し、車両用灯具の主光軸線CLと例えば約50°程度の大きい角度をなして車両用灯具の左前側(図4(B)の左下側)に照射される。更に、図4(B)に示すように、反射面7b2からの反射光L10が、アウターレンズ8のレンズカット8bによって屈折し、車両用灯具の主光軸線CLと例えば約80°程度の大きい角度をなして車両用灯具の左前側(図4(B)の左下側)に照射される。つまり、反射面7b1からの反射光L6,L7は、反射面7b2からの反射光L8,L9,L10よりも集光された明るい光になる。
すなわち、第1の実施形態の車両用灯具では、図3(B)に示すように、発光素子1aから放射された光のうち、発光素子1aの主光軸線CL1aよりも車両用灯具の前側(図3(B)の下側)に放射された光L4,L5が、車両用灯具の主光軸線CLと小さい角度をなして車両用灯具の前側(図3(B)の下側)に照射されるようにリフレクタ部7aによって反射されるのではなく、車両用灯具の主光軸線CLと大きい角度をなして車両用灯具の前側(図3(B)の下側)に照射されるようにリフレクタ部7aの反射面7a2によって反射される。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具によれば、図3(B)に示すように、発光素子1aから放射された光のうち、発光素子1aの主光軸線CL1aよりも車両用灯具の前側(図3(B)の下側)に放射された光L4,L5が、車両用灯具の主光軸線CLと小さい角度をなして車両用灯具の前側(図3(B)の下側)に照射されるようにリフレクタ部7aの反射面7a2’(図3(B)参照)によって反射される場合よりも、リフレクタ部7aを小型化することができる。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図4(B)に示すように、発光素子1bから放射された光のうち、発光素子1bの主光軸線CL1bよりも車両用灯具の前側(図4(B)の下側)に放射された光L9,L10が、車両用灯具の主光軸線CLと小さい角度をなして車両用灯具の前側(図4(B)の下側)に照射されるようにリフレクタ部7bによって反射されるのではなく、車両用灯具の主光軸線CLと大きい角度をなして車両用灯具の前側(図4(B)の下側)に照射されるようにリフレクタ部7bの反射面7b2によって反射される。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具によれば、図4(B)に示すように、発光素子1bから放射された光のうち、発光素子1bの主光軸線CL1bよりも車両用灯具の前側(図4(B)の下側)に放射された光L9,L10が、車両用灯具の主光軸線CLと小さい角度をなして車両用灯具の前側(図4(B)の下側)に照射されるようにリフレクタ部7bの反射面7b2’(図4(B)参照)によって反射される場合よりも、リフレクタ部7bを小型化することができる。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図3(B)および図4(B)に示すように、反射面7a2からの反射光L4,L5と、反射面7b2からの反射光L9,L10とが、車両用灯具の主光軸線CLの近傍で交差せしめられる。また、アウターレンズ8のうち、反射面7a2からの反射光L4,L5と反射面7b2からの反射光L9,L10とが交差する位置の近傍にレンズカット部8bが形成されている。
詳細には、第1の実施形態の車両用灯具では、図3(B)および図4(B)に示すように、アウターレンズ8に形成されたレンズカット8b部によって、反射面7a2からの反射光L4,L5が拡散せしめられる。更に、そのレンズカット部8bによって、反射面7b2からの反射光L9,L10も拡散せしめられる。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具によれば、反射面7a2からの反射光L4,L5を拡散させるためのレンズカット部8bと、反射面7b2からの反射光L9,L10を拡散させるためのレンズカット部8bとが、アウターレンズ8に別個に形成されている場合よりも、アウターレンズ8を小型化することができ、それにより、車両用灯具全体を小型化することができる。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)に示すように、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられているヒートシンク3aの前側部分3a1およびヒートシンク3bの前側部分3b1の前側(図1(A)の下側)にレンズカット部8bが配置されている。更に、図1(B)に示すように、車両用灯具の前側から見た分岐せしめられているヒートシンク3aの前側部分3a1の輪郭3a1’およびヒートシンク3bの前側部分3b1の輪郭3b1’と、レンズカット部8bの輪郭8b’とが、ほぼ一致せしめられている。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具によれば、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられているヒートシンク3aの前側部分3a1およびヒートシンク3bの前側部分3b1が車両用灯具の前側から直視できてしまうのを、レンズカット部8bによって回避することができる。
換言すれば、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)および図1(B)に示すように、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられているヒートシンク3aの前側部分3a1およびヒートシンク3bの前側部分3b1が車両用灯具の前側から直視できてしまうのを回避するための手段として、反射面7a2からの反射光L4,L5および反射面7b2からの反射光L9,L10を拡散させるためのレンズカット部8bが用いられる。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具によれば、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられているヒートシンク3aの前側部分3a1およびヒートシンク3bの前側部分3b1が車両用灯具の前側から直視できてしまうのを回避するための手段と、反射面7a2からの反射光L4,L5および反射面7b2からの反射光L9,L10を拡散させるためのレンズカット部8bとが別個に設けられている場合よりも、車両用灯具全体のコストを抑制することができる。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)に示すように、発光素子1a,1bに給電するためのフレキシブル基板5が、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3aの後側部分3a2の左側(図1(A)の左側)の面と、ヒートシンク3bの後側部分3b2の右側(図1(A)の右側)の面とに接続されている。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)および図2(A)に示すように、分岐せしめられていないヒートシンク3aの後側部分3a2のうち、分岐せしめられているヒートシンク3aの前側部分3a1の反対側(図1(A)および図2(A)の上側)の端部の部分3a2aと、ハウジング6とが、接触せしめられ、熱的に接続されている。また、分岐せしめられているヒートシンク3aの前側部分3a1と分岐せしめられていないヒートシンク3aの後側部分3a2との境界部に位置する部分3a2bと、ハウジング6とが、接触せしめられ、熱的に接続されている。
詳細には、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)および図2(A)に示すように、ヒートシンク3aのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3aの後側部分3a2の左側(図1(A)および図2(A)の左側)の面に接続されているフレキシブル基板5の左側部分5a上の構成部品が発生した熱の一部が、ヒートシンク3aの後側部分3a2の後側(図1(A)および図2(A)の上側)の端部の部分3a2aを介してハウジング6に伝熱され、ハウジング6から放熱される。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)および図2(A)に示すように、ヒートシンク3aのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3aの後側部分3a2の左側(図1(A)および図2(A)の左側)の面に接続されているフレキシブル基板5の左側部分5a上の構成部品が発生した熱の一部が、ヒートシンク3aの前側部分3a1と後側部分3a2との境界部に位置する部分3a2bを介してハウジング6に伝熱され、ハウジング6から放熱される。
つまり、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)および図2(A)に示すように、ヒートシンク3aのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3aの後側部分3a2の左側(図1(A)および図2(A)の左側)の面に接続されているフレキシブル基板5の左側部分5a上の構成部品が発生した熱が、ヒートシンク3aのうち、発光素子1aが接続されているヒートシンク3aの前側部分3a1に殆ど伝熱されない。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具によれば、フレキシブル基板5の左側部分5a上の構成部品が発生した熱が、ヒートシンク3aのうち、発光素子1aが接続されているヒートシンク3aの前側部分3a1に伝熱されるのに伴って、発光素子1aの放熱効率が低下してしまうのを抑制することができる。
換言すれば、第1の実施形態の車両用灯具では、発光素子1aに給電するためのフレキシブル基板5の左側部分5a上の構成部品が発生した熱が発光素子1aに到達することなく放熱されるように、発光素子1aに給電するためのフレキシブル基板5の左側部分5a上の構成部品が発生した熱の放熱経路が確保されている。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具によれば、発光素子1aに給電するためのフレキシブル基板5の左側部分5a上の構成部品が発生した熱の放熱経路が十分に確保されていない場合よりも、発光素子1aの放熱効率を向上させることができる。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)および図2(A)に示すように、分岐せしめられていないヒートシンク3bの後側部分3b2のうち、分岐せしめられているヒートシンク3bの前側部分3b1の反対側(図1(A)および図2(A)の上側)の端部の部分3b2aと、ハウジング6とが、接触せしめられ、熱的に接続されている。また、分岐せしめられているヒートシンク3bの前側部分3b1と分岐せしめられていないヒートシンク3bの後側部分3b2との境界部に位置する部分3b2bと、ハウジング6とが、接触せしめられ、熱的に接続されている。
詳細には、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)および図2(A)に示すように、ヒートシンク3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3bの後側部分3b2の右側(図1(A)および図2(A)の右側)の面に接続されているフレキシブル基板5の右側部分5b上の構成部品が発生した熱の一部が、ヒートシンク3bの後側部分3b2の後側(図1(A)および図2(A)の上側)の端部の部分3b2aを介してハウジング6に伝熱され、ハウジング6から放熱される。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)および図2(A)に示すように、ヒートシンク3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3bの後側部分3b2の右側(図1(A)および図2(A)の右側)の面に接続されているフレキシブル基板5の右側部分5b上の構成部品が発生した熱の一部が、ヒートシンク3bの前側部分3b1と後側部分3b2との境界部に位置する部分3b2bを介してハウジング6に伝熱され、ハウジング6から放熱される。
つまり、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)および図2(A)に示すように、ヒートシンク3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3bの後側部分3b2の右側(図1(A)および図2(A)の右側)の面に接続されているフレキシブル基板5の右側部分5b上の構成部品が発生した熱が、ヒートシンク3bのうち、発光素子1bが接続されているヒートシンク3bの前側部分3b1に殆ど伝熱されない。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具によれば、フレキシブル基板5の右側部分5b上の構成部品が発生した熱が、ヒートシンク3bのうち、発光素子1bが接続されているヒートシンク3bの前側部分3b1に伝熱されるのに伴って、発光素子1bの放熱効率が低下してしまうのを抑制することができる。
換言すれば、第1の実施形態の車両用灯具では、発光素子1bに給電するためのフレキシブル基板5の右側部分5b上の構成部品が発生した熱が発光素子1bに到達することなく放熱されるように、発光素子1bに給電するためのフレキシブル基板5の右側部分5b上の構成部品が発生した熱の放熱経路が確保されている。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具によれば、発光素子1bに給電するためのフレキシブル基板5の右側部分5b上の構成部品が発生した熱の放熱経路が十分に確保されていない場合よりも、発光素子1bの放熱効率を向上させることができる。
第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)に示すように、ヒートシンク3aの後側部分3a2とフレキシブル基板5の左側部分5aとの間にヒートシンク4aが配置され、ヒートシンク3bの後側部分3b2とフレキシブル基板5の右側部分5bとの間にヒートシンク4bが配置されているが、第8の実施形態の車両用灯具では、代わりに、ヒートシンク3aの後側部分3a2とフレキシブル基板5の左側部分5aとの間のヒートシンク4aを省略し、ヒートシンク3bの後側部分3b2とフレキシブル基板5の右側部分5bとの間のヒートシンク4bを省略することも可能である。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)、図2(B)および図2(C)に示すように、発光素子1a,1bに給電するための回路基板が、フレキシブル基板5によって構成されている。更に、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3aの後側部分3a2の左側(図1(A)の左側)の面に対してフレキシブル基板5の左側部分5aが接続され、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3bの後側部分3b2の右側(図1(A)の右側)の面に対してフレキシブル基板5の右側部分5bが接続されている。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具によれば、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3aの後側部分3a2の左側(図1(A)の左側)の面に対して剛性の基板が接続され、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3bの後側部分3b2の右側(図1(A)の右側)の面に対して他の剛性の基板が接続される場合よりも、車両用灯具全体の部品数を低減することができ、それにより、車両用灯具全体の組立コストを低減することができる。詳細には、第1の実施形態の車両用灯具によれば、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3aの後側部分3a2の左側(図1(A)の左側)の面に対して剛性の基板が接続され、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3bの後側部分3b2の右側(図1(A)の右側)の面に対して他の剛性の基板が接続される場合よりも、基板の枚数を削減すると共に、一方の剛性の基板と他方の剛性の基板とを接続する配線、カプラなどを削減することができ、それにより、車両用灯具全体を小型化することができる。
更に、第1の実施形態の車両用灯具によれば、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3aの後側部分3a2の左側(図1(A)の左側)の面に対して剛性の基板が接続され、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3bの後側部分3b2の右側(図1(A)の右側)の面に対して他の剛性の基板が接続される場合よりも、回路基板上の構成部品の実装密度を向上させることができる。詳細には、薄く、熱抵抗が小さいフレキシブル基板5が用いられている第1の実施形態の車両用灯具によれば、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3aの後側部分3a2の左側(図1(A)の左側)の面に対して剛性の基板が接続され、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3bの後側部分3b2の右側(図1(A)の右側)の面に対して他の剛性の基板が接続される場合よりも、フレキシブル基板5上の部品が発生した熱を速やかにヒートシンク3a,3bに伝熱することができるため、部品にかかる熱的負荷を低減することができ、その結果、実装密度を上げて複数の部品をフレキシブル基板5に実装することができる。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)に示すように、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3aの後側部分3a2の左側(図1(A)の左側)の面に対してフレキシブル基板5の左側部分5aが接続される前に、図2(C)に示すように、ヒートシンク4aがフレキシブル基板5の左側部分5aに予め接合されている。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)に示すように、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3bの後側部分3b2の右側(図1(A)の右側)の面に対してフレキシブル基板5の右側部分5bが接続される前に、図2(C)に示すように、ヒートシンク4bがフレキシブル基板5の右側部分5bに予め接合されている。
また、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)に示すように、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3aの後側部分3a2の左側(図1(A)の左側)の面に対してヒートシンク4aを接合することにより、ヒートシンク3aの後側部分3a2の左側の面に対してフレキシブル基板5の左側部分5aが接続される。
更に、第1の実施形態の車両用灯具では、図1(A)に示すように、ヒートシンク3a,3bのうち、分岐せしめられていないヒートシンク3bの後側部分3b2の右側(図1(A)の右側)の面に対してヒートシンク4bを接合することにより、ヒートシンク3bの後側部分3b2の右側の面に対してフレキシブル基板5の右側部分5bが接続される。
そのため、第1の実施形態の車両用灯具によれば、ヒートシンク3aの後側部分3a2の左側の面に対してフレキシブル基板5の左側部分5aが直接接合され、ヒートシンク3bの後側部分3b2の右側の面に対してフレキシブル基板5の右側部分5bが直接接合される場合よりも、フレキシブル基板5とヒートシンク3a,3bとの組立性を向上させることができる。
第1の実施形態の車両用灯具では、ヒートシンク3aの後側部分3a2の左側の面とヒートシンク4aとが例えば熱伝導性テープのような熱伝導性接合部材によって接合され、ヒートシンク4aとフレキシブル基板5の左側部分5aとが例えば熱伝導性テープのような熱伝導性接合部材によって接合され、ヒートシンク3bの後側部分3b2の右側の面とヒートシンク4bとが例えば熱伝導性テープのような熱伝導性接合部材によって接合され、ヒートシンク4bとフレキシブル基板5の右側部分5bとが例えば熱伝導性テープのような熱伝導性接合部材によって接合されているが、第9の実施形態の車両用灯具では、代わりに、他の任意の接合方法によって、ヒートシンク3aの後側部分3a2の左側の面とヒートシンク4aとを接合し、ヒートシンク4aとフレキシブル基板5の左側部分5aとを接合し、ヒートシンク3bの後側部分3b2の右側の面とヒートシンク4bとを接合し、ヒートシンク4bとフレキシブル基板5の右側部分5bとを接合することも可能である。
第10の実施形態では、上述した第1から第9の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。