JP5450024B2 - プレスラインの搬送モーション作成方法 - Google Patents
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Description
この搬送モーション作成方法によれば、基準形を選択し、搬送装置の開始位置及び終了位置を指定するだけでよいので、搬送装置の搬送モーションの作成にかかる時間を短縮することができる。
この搬送モーションによれば、搬送装置の搬送速度を上げることなく、プレス機の昇降速度を上げることができる。
この搬送モーション作成方法によれば、各プレス機及び搬送装置、ワーク及び金型の干渉を回避しつつライン生産効率が高くなる位相調整結果を短時間の調整作業で得ることができる。
よって、複製プレスラインでは、既存プレスラインの搬送モーションを転用できないため、新たに金型やプレス機の昇降動作の周期に合わせて、できるだけ速やかにワークを搬送できるように、搬送装置の搬送モーションを作成する必要がある。
また、特許文献2に示された搬送モーションを作成するには、各プレス機及び搬送装置の動作に合わせて最適な順次位相差を設定する必要がある。
また、特許文献3に示された搬送モーション作成方法では、各プレス機及び搬送装置の動作が最適になるように、各プレス機及び搬送装置のモーションの位相調整を行う必要がある。
既存搬送経路(例えば、後述の既存搬送経路C2)に沿って既存搬送装置(例えば、後述の既存搬送装置3A)を用いてワークを搬送する既存プレスライン(例えば、後述の既存プレスライン1A)の金型と同一の金型(例えば、後述の下型21)を用いており、前記既存搬送経路とは別の新搬送経路(例えば、後述の新搬送経路C1)に沿って前記既存搬送装置とは別の新搬送装置(例えば、後述の新搬送装置3)を用いてワークを搬送する複製プレスラインの前記新搬送経路を作成する演算装置(例えば、後述のモーションデータ演算装置5)による搬送モーション作成方法において、前記既存搬送経路に関するデータに基づいて、前記金型の下型を含むエリアに設定された複製エリアによって予め切出された既存プレスライン下型干渉曲線(例えば、後述の既存プレスライン下型干渉曲線L10)に関するデータ、及び前記新搬送経路の搬送条件に関する新搬送条件データを読み込むデータ読込工程(例えば、後述の図4のステップS1)と、前記既存プレスライン下型干渉曲線に関するデータ及び前記新搬送条件データを用いて、前記既存プレスライン下型干渉曲線から上方に十分離れた位置で仮下型干渉曲線(例えば、後述の仮下型干渉曲線L11)を初期設定する新下型干渉曲線初期設定工程(例えば、後述の図5のステップS105)と、前記仮下型干渉曲線に所定間隔で複数の制御点(例えば、後述の制御点L11a)を設け、前記複数の制御点をそれぞれ前記既存プレスライン下型干渉曲線に向かって、前記複数の制御点が前記既存プレスライン下型干渉曲線と所定の最小クリアランスとなるようにそれぞれ移動させることにより新下型干渉曲線(例えば、後述の新下型干渉曲線L1)を生成する搬送経路設定工程(例えば、後述の図5のステップS106)とを備え、前記新下型干渉曲線に基づき、前記新搬送経路を作成する搬送モーション作成方法。
したがって、既存プレスラインと金型が同一の複製プレスラインの構築に際し、搬送モーションの設定工数を削減できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る搬送モーション作成方法により作成された搬送モーションが適用された複製プレスライン1の概略構成を示す図である。
先ず、前プレス工程に対応するプレス機2の上型22と下型21との間へ、クロスバー32を新復路CB1に沿って移動する。
次に、バキュームカップ31で加工後のワークWを吸引し、このワークWを保持する。
次に、次プレス工程に対応するプレス機2の上型22と下型21との間へ、ワークWを保持したまま、クロスバー32を新往路CO1に沿って移動する。
次に、保持したワークWをプレス機2の下型21に設置する。
プレスモーションを規定するプレスモーションデータには、各プレス機2の上型22を駆動する速度、位置及び時刻等のプレスモーションに関する情報が含まれる。この上型22を駆動する速度は、プレス機2のワークの加工能力を示す加工速度、すなわち、プレスSPMとして特徴付けられる。したがって、このプレスSPMが大きいほど、上型22を昇降する周期が短くなる。
新搬送経路は、所定の定点から視た新搬送装置3における任意の点の軌跡で示すことができるが、本実施形態では、新搬送装置3の新搬送経路C1を、3次元空間内におけるクロスバー32の中心位置の軌跡として定義する。
またさらに、周期的なプレスモーションを繰り返す各プレス機2と、周期的な搬送モーションを繰り返す各新搬送装置3とを制御するため、搬送モーションデータには、各プレス機2のプレスモーションと各新搬送装置3の搬送モーションとの間の位相差に関する情報が含まれる。
プレスモーションを規定するプレスモーションデータには、各プレス機2の上型22を駆動する速度、位置及び時刻等のプレスモーションに関する情報が含まれる。この上型22を駆動する速度は、プレス機2のワークの加工能力を示す加工速度、すなわち、プレスSPMとして特徴付けられる。したがって、このプレスSPMが大きいほど、上型22を昇降する周期が短くなる。
既存プレスライン1Aは、ワークWを加工する複数台のプレス機2Aと、各プレス機2Aに付随して設けられ、これらプレス機2Aの間でワークWを搬送する複数台の既存搬送装置3Aと、を備える。
既存プレスライン1Aで製造する所定の形状の製品は、複製プレスライン1(図1参照)で製造する所定の形状の製品と同様である。また、既存プレスライン1Aのプレス工程の進行順序は、複製プレスライン1のプレス工程の進行順序と同様である。
既存プレスライン1Aの上型22及び下型21は、複製プレスライン1に移管され、複製プレスライン1の上型22及び下型21として使用される。
先ず、前プレス工程に対応するプレス機2Aの上型22と下型21との間へ、クロスバー32Aを復路CB2に沿って移動する。
次に、既存バキュームカップ31Aで加工後のワークWを吸引し、このワークWを保持する。
次に、次プレス工程に対応するプレス機2Aの上型22と下型21との間へ、ワークWを保持したまま、クロスバー32Aを往路CO2に沿って移動する。
次に、保持したワークWをプレス機2Aの下型21に設置する。
また、本実施形態では、複製プレスライン1は、既存搬送経路C2に沿って既存搬送装置3Aを用いてワークWを搬送する既存プレスライン1Aの金型と同一の金型(上型22及び下型21)を用いており、既存搬送経路C2とは別の新搬送経路C1に沿って既存搬送装置3Aとは別の新搬送装置3を用いてワークを搬送する。
一方、複製プレスライン1の新搬送経路C1(図1参照)は、既存プレスライン1Aと各プレス機間の距離や搬送条件等が互いに異なるので、既存プレスライン1Aの既存搬送経路C2と異なる。
モーションデータ演算装置5は、入力装置51と、記憶装置52と、演算装置53と、を含んで構成される。
記憶装置52は、ハードディスクやCDROM等のハードウェアで構成される。この記憶装置52には、各種データが記憶されており、記憶されたデータは、演算装置53に適宜入力される。
既存プレスラインデータには、既存搬送装置の形状を示す既存搬送装置データ、既存プレスラインで設定されていた上型と既存搬送装置とのクリアランスを示す既存プレスラインの必要クリアランスデータ、既存プレスラインの仕様として規定された既存ボルスタの幅等を示す既存ボルスタデータ、既存プレスライン下型干渉曲線に関するデータ(既存搬送経路に関するデータ)、既存プレスライン上型干渉曲線に関するデータ、が含まれる。
新搬送条件に関するデータには、ワークを吸引する際におけるクロスバーの高さ、ワークの下型に対するリフト量及び送り量の初期値、及びワークを搬送する際においてワークを保持する姿勢に関する量等の設定値が含まれる。
さらに、この断面形状を示す2Dデータは、金型の近傍を既存搬送装置が通過する方向に、複数の区間(例えば、10mm)を設け、この複数の区間毎に上記複数の断面形状のうち最も突出した部分を有する断面形状をそれぞれ選択し、このそれぞれ選択した断面形状を合成して作成してもよい。
このような事前処理を行うことで、搬送モーション作成の計算にかかる負荷を低減し、演算速度を向上することができる。
このように、複製プレスライン制御装置4は、モーションデータ演算装置5より新下型干渉曲線及び新上型干渉曲線を送信され、複製プレスラインプレスモーションデータ出力装置6よりプレスモーションデータを出力される。これにより、複製プレスライン制御装置4は、新下型干渉曲線を新搬送経路として新搬送装置を動作させることができる。また、複製プレスライン制御装置4は、プレスモーションデータによるプレス機の動作及び新下型干渉曲線を新搬送経路とした新搬送装置の動作において、既存プレスライン上型干渉曲線を分割した複数の分割点のうちの1点にのみ干渉する新上型干渉曲線を選択することで、上型と新搬送装置とが干渉しないように複製プレスラインを運転できる。
新下型干渉曲線の作成手順S100の詳細について、図5に示すフローチャートを参照して、説明する。
なお、既に既存プレスライン下型干渉曲線が切出され、記憶装置に記憶されている場合は、ステップS101で、この既存プレスライン下型干渉曲線を読み込むことで、ステップS102〜S104の処理を省略できる。
図6に示すように、下型21は、既存搬送経路C2において、既存搬送装置3Aまたはこの既存搬送装置3Aにより搬送されるワークWと、干渉しないように所定のクリアランスΔD1またはΔD2が確保できるように製作されている。
また、既存搬送経路C2は、既存搬送装置3Aまたはこの既存搬送装置3Aにより搬送されるワークWと、下型21との間のクリアランスΔD1またはΔD2が最小になるように設定されている。
既存搬送経路C2のうち往路CO2では、既存搬送装置3AはワークWを保持しながら移動する。このため、往路CO2は、既存搬送装置3Aにより保持されたワークWと下型21との間のクリアランスΔD2が確保されている。
図7に示すように、既存プレスライン1Aの既存搬送経路C2から切り出された既存プレスライン下型干渉曲線L10は、ボルスタ24が設置されたエリア25に入力されている。
図9は、昇降する上型22から視た新搬送装置3のクロスバー32の軌跡を示す図である。より具体的には、図9は、上型22を昇降した場合に、設定された新搬送経路に沿って移動するクロスバー32の軌跡を、上型22の静止系から視た図である。
そこで、図4に戻って、上型と新搬送装置またはワークとが干渉しないようにする新上型干渉曲線の作成手順S110について説明する。
新上型干渉曲線の作成手順S110の詳細について、図9に示すフローチャートを参照して、説明する。
なお、既に既存プレスライン上型干渉曲線が切出され、記憶装置に記憶されている場合は、ステップS111で、この既存プレスライン上型干渉曲線を読み込むことで、ステップS112〜S124の処理を省略できる。
また、軌跡L2Aの形状は、既存プレスライン1Aの所定のプレスSPM及び所定のラインSPMにより定まる。
複数の分割点のうちの1点にのみ干渉する新上型干渉曲線を選択では、例えば、横軸上の値と縦軸上の値の2つの値により特定される各分割点の座標が、これらの横軸及び縦軸により規定される平面上で延びる各新上型干渉曲線上に含まれるか否かを判断する。
既存搬送経路C2に沿って既存搬送装置3Aを用いてワークを搬送する既存プレスライン1Aの金型と同一の金型である下型21を用いており、既存搬送経路C2とは別の新搬送経路C1に沿って新搬送装置3を用いてワークを搬送する複製プレスライン1の新搬送経路C1を作成する。
したがって、既存プレスラインと金型が同一の複製プレスラインの構築に際し、搬送モーションの設定工数を削減できる。
上記実施形態では、4つの工程、すなわち、4台のプレス機2を備える既存プレスライン1Aの複製プレスライン1の搬送モーション作成方法について説明したが、既存プレスライン及び複製プレスラインが備えるプレス機の数は、これに限るものではない。
1A…既存プレスライン
21…下型
25A…複製エリア
5…搬送モーション演算装置
C1…新搬送経路
C2…既存搬送経路
L1…新下型干渉曲線
L10…既存プレスライン下型干渉曲線
L11…仮下型干渉曲線
L11a…制御点
Claims (1)
- 既存搬送経路に沿って既存搬送装置を用いてワークを搬送する既存プレスラインの金型と同一の金型を用いており、前記既存搬送経路とは別の新搬送経路に沿って前記既存搬送装置とは別の新搬送装置を用いてワークを搬送する複製プレスラインの前記新搬送経路を作成する演算装置による搬送モーション作成方法において、
前記既存搬送経路に関するデータに基づいて、前記金型の下型を含むエリアに設定された複製エリアによって予め切出された既存プレスライン下型干渉曲線に関するデータ、及び前記新搬送経路の搬送条件に関する新搬送条件データを読み込むデータ読込工程と、
前記既存プレスライン下型干渉曲線に関するデータ及び前記新搬送条件データを用いて、前記既存プレスライン下型干渉曲線から上方に十分離れた位置で仮下型干渉曲線を初期設定する新下型干渉曲線初期設定工程と、
前記仮下型干渉曲線に所定間隔で複数の制御点を設け、当該制御点と前記既存プレスライン下型干渉曲線とのクリアランスが所定範囲内に収まるように、前記複数の制御点をそれぞれ前記既存プレスライン下型干渉曲線に向かって移動させることにより新下型干渉曲線を生成する搬送経路設定工程とを備え、
前記新下型干渉曲線に基づき、前記新搬送経路を作成する搬送モーション作成方法。
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