JP5448969B2 - アンテナの取付具 - Google Patents

Description

本発明は、車両用アンテナを曲面を有する車体パネルに固着するためのアンテナの取付具に関する。

車両アンテナを車両のルーフパネル等の車体に固着する従来の取付具１００の構成を図２０ないし図２３に示す。図２０は取付具１００の構成を示す上方から見た斜視図であり、図２１は取付具１００の構成を示す下方から見た斜視図であり、図２２は取付具１００の構成を示す上面図であり、図２３は取付具１００の構成を示す正面図である。
これらの図に示すように、従来の取付具１００においては、断面コ字状で円筒状とされているワッシャー部１１０ａの上端には複数の三角状の突出片１１０ｂが形成されている。このワッシャー部１１０ａの下にナット部１１１が回転可能に固着されている。この場合、六角形状のナット部１１１の上面からはリング状突出部が形成されており、このリング状突出部がワッシャー部１１０ａの下から挿通孔１１０ｃ内に挿通されて、リング状突出部が拡径されるようカシメられる。これにより、拡径されたリング状突出部が、ワッシャー部１１０ａの下面に形成されている内側に絞られた部分に係合して、ワッシャー部１１０ａの下にナット部１１１が回転可能に固着されるようになる。

この取付具１００は、車両用アンテナをたとえば車両のルーフ上に固着するために用いられる。この場合、車両アンテナの下部に設けられているアンテナベースの下面から下方へ突出して突出ネジ部が形成されている。ルーフには突出ネジ部が挿通される取付孔が形成されており、上記突出ネジ部を取付孔内に挿入しつつ車両用アンテナをルーフ上に載置する。そして、取付孔に挿通されて車両の内側に突出した突出ネジ部に車両の内側から取付具１００を螺合する。この取付具１００のナット部１１１を突出ネジ部に締着していくと、ワッシャー部１１０ａの上端に４つ形成されている三角形状に尖った突出片１１０ｂが、車体の内側に喰い込んでいき、取付具１００を介して車両用アンテナのアンテナベースが確実に車体にアースされるようになる。

特開２００４−２３２２７号公報 特開２００１−３６３１５号公報

最近は、車両のルーフに外形がシャークフィン状とされた車両用アンテナを取り付けることが行われている。このシャークフィン型の車両用アンテナは長さが１６０〜２２０ｍｍ程度で高さが６０〜７０ｍｍ程度とされており、従来の取付具１００によりシャークフィン状の車両アンテナを取り付けた場合は、取付具１００のワッシャー部１１０ａが比較的小さい丸型とされて小さい範囲でルーフをアンテナベースと取付具１００とで挟持することから、車両進行方向に対し左右方向にぐらつくという問題点があった。特に、ルーフは曲面状とされていると共に、最近は車体パネルの厚さが薄くなってきていることから、ぐらつき易くなっている。
そこで、本発明は、シャークフィン型の車両用アンテナを曲面を有する車体パネルに取り付けても、ぐらつくことのないアンテナの取付具を提供することを目的としている。

本発明のアンテナの取付具は、アンテナ本体の底面から突出するように設けられ且つ車両パネルに形成された取付孔を前記車両パネルの表面側から貫通した雄ネジに対して、前記車両パネルの裏面側から螺着されるアンテナの取付具であって、前記雄ネジに螺合するナット部と、平板状部材であって、当該ナット部をそのネジ孔の軸を中心として回転のみ自在に保持するとともに、当該ナットの外縁よりも外側における当該ネジ孔を取り囲む複数の位置に、前記平板状部材の平板面から前記車両パネルの表面側に向けて突出した先鋭な先端形状を有する突起片を夫々有するベース板とを備えることを最も主要な特徴としている。

本発明によれば、平板状のベース板の外縁に先端が先鋭とされている複数の突起片が形成されており、ワッシャー部の下部に回転可能に固着されているナット部を突出ネジ部に締着した際に、複数の突出片および複数の突起片が車両パネルに喰い込むようになることから、ぐらつくことなくシャークフィン状のアンテナを曲面状の車両パネルに取り付けることができるようになる。

本発明の実施例にかかるアンテナの取付具の構成を示す上方から見た斜視図である。 本発明の実施例にかかるアンテナの取付具の構成を示す下方から見た斜視図である。 本発明の実施例にかかるアンテナの取付具の構成を示す上面図である。 本発明の実施例にかかるアンテナの取付具の構成を示す正面図である。 本発明の実施例にかかるアンテナの取付具の構成を示す側面図である。 本発明のアンテナの取付具にかかるベース板の構成を示す斜視図である。 本発明のアンテナの取付具にかかるベース板の構成を示す正面図である。 本発明のアンテナの取付具にかかるナット部の構成を示す斜視図である。 本発明のアンテナの取付具にかかるベース板の構成を示す上面図である。 本発明のアンテナの取付具にかかるベース板の構成を示す正面図である。 本発明にかかるアンテナの取付具の組み立てを示す分解組立図である。 本発明にかかるアンテナの取付具を備えるアンテナ装置をルーフに取り付けた構成を示す正面図である。 本発明にかかるアンテナの取付具を備えるアンテナ装置をルーフに取り付けた構成を示す上面図である。 本発明にかかるアンテナの取付具を備えるアンテナ装置をルーフに取り付けた構成を示す側面図である。 本発明にかかるアンテナの取付具を備えるアンテナ装置をルーフに取り付けた構成を示すａ−ａ線で切断した断面図である。 本発明にかかるアンテナの取付具を備えるアンテナ装置をルーフに取り付けた構成を一部拡大して示す断面図である。 本発明にかかるアンテナの取付具を備えるアンテナ装置をルーフに取り付けた他の構成を示す側面図である。 本発明にかかるアンテナの取付具を備えるアンテナ装置をルーフに取り付けた他の構成を示すａ−ａ線で切断した断面図である。 本発明にかかるアンテナの取付具を備えるアンテナ装置をルーフに取り付けた他の構成を一部拡大して示す断面図である。 従来のアンテナの取付具の構成を示す上方から見た斜視図である。 従来のアンテナの取付具の構成を示す下方から見た斜視図である。 従来のアンテナの取付具の構成を示す上面図である。 従来のアンテナの取付具の構成を示す正面図である。

本発明の実施例のアンテナの取付具１の構成を図１ないし図５に示す。図１は本発明にかかるアンテナの取付具１の構成を示す上方から見た斜視図であり、図２は本発明にかかるアンテナの取付具１の構成を示す下方から見た斜視図であり、図３は本発明にかかるアンテナの取付具１の構成を示す上面図であり、図４は本発明にかかるアンテナの取付具１の構成を示す正面図であり、図５は本発明にかかるアンテナの取付具１の構成を示す側面図である。
これらの図に示す本発明の実施例にかかるアンテナの取付具１は金属板を加工して作成されており、平板状のベース板１０と、ベース板１０に形成されているワッシャー部１０ａと、このワッシャー部１０ａに回転可能に固着された六角形状の金属製のナット部１１とから構成されている。

ここで、ベース板１０の詳細構成を図６および図７に示す。図６は本発明のアンテナの取付具１にかかるベース板１０の構成を示す斜視図であり、図７は本発明のアンテナの取付具１にかかるベース板１０の構成を示す正面図である。
これらの図に示すように、ベース板１０は、短辺が円弧状とされた長方形状とされ、プレス加工することによりほぼ中央に下方へ突出してワッシャー部１０ａが形成されている。ワッシャー部１０ａは、断面形状がコ字状とされて挿通孔１０ｅが形成されており、挿通孔１０ｅの下端は内方へ向かって絞り加工されて、内径が狭められて内側へリング状に突出している。このワッシャー部１０ａにおける挿通孔１０ｅの上端からは４つの三角形状に尖った突出片１０ｂが上方へ突出するよう形成されている。この複数の突出片１０ｂはベース板１０の上面を超えて上方へ突出するよう形成されている。なお、複数の突出片１０ｂはベース板１０におけるワッシャー部１０ａとの境界部を切り欠くことにより形成されており、切り欠かれた部位を除く境界部でワッシャー部１０ａはベース板１０に保持されている。このため、ワッシャー部１０ａは切り欠きによる弾性を持ってベース板１０に一体に形成されている。また、ベース板１０の円弧状の短辺には、両側に溝が切られて形成された突起片１０ｄが一対ずつ長辺との境界部に形成されている。この複数の突起片１０ｄもベース板１０の上面から上方へ突出するよう折曲されて形成されている。さらに、ベース板１０にはワッシャー部１０ａの周囲に２本の円弧状の長孔１０ｃが短辺にほぼ平行に形成されている。

次に、ナット部１１の詳細構成を図８ないし図１０に示す。図８は本発明のアンテナの取付具１にかかるナット部１１の構成を示す斜視図であり、図９は本発明のアンテナの取付具１にかかるナット部１１の構成を示す上面図であり、図１０は本発明のアンテナの取付具１にかかるナット部１１の構成を示す正面図である。
これらの図に示すように、ナット部１１は貫通孔１１ｃが形成された六角状の六角部１１ａからなり、六角部１１ａの上面において貫通孔１１ｃの上端からリング状突出部１１ｂが突出して形成されている。六角部１１ａにおける貫通孔１１ｃの内周面には雌ねじ１１ｄが形成されている。

本発明の実施例のアンテナの取付具１を組み立てる分解組立図を図１１に示す。
図１１に示すように、ベース板１０の下方へリング状突出部１１ｂが上面になるようにしてナット部１１を配置する。そして、ナット部１１のリング状突出部１１ｂをワッシャー部１０ａの下方から挿通孔１０ｅ内に挿通する。挿通孔１０ｅに挿通されたリング状突出部１１ｂの外径が拡径されるように、リング状突出部１１ｂにカシメ加工を施す。これにより、拡径されたリング状突出部１１ｂが、ワッシャー部１０ａの下端における内径が狭められて内側へリング状に突出された部位に係合して、ナット部１１が挿通孔１０ｅから抜け出ないと共にワッシャー部１０ａに対して回転可能に固着される。

このようにして組み立てられた図１ないし図５に示す本発明にかかるアンテナの取付具１により、車両パネルである曲面状のルーフ１３に取り付けられたアンテナ装置２の構成の概要を図１２および図１３に示す。図１２はルーフ１３に取り付けられたアンテナ装置２の構成の概要を示す側面図であり、図１３はルーフ１３に取り付けられたアンテナ装置２の構成の概要を示す上面図である。
これらの図においては、ルーフ１３は一部分だけを示しており、車両のルーフ１３には図示しない取付孔が形成されている。アンテナ装置２は、シャークフィン状の筐体１２を有しており、筐体１２の内部にアンテナ部が内蔵され、筐体１２の下面を閉塞するように金属製のアンテナベース１４が固着されている。アンテナベース１４の下面からは突出ネジ部１４ａが下方へ突出して形成されている。この突出ネジ部１４ａをルーフ１３に形成された取付孔に挿入することにより、アンテナ装置２がルーフ１３上に配置される。突出ネジ部１４ａは取付孔を貫通して車体内に露出され、車体の内側に突出した突出ネジ部１４ａを車体の内側において取付具１の挿通孔１０ｅ内に挿通すると共にナット部１１を螺合する。そして、取付具１のナット部１１を締着していくと、ベース板１０の外縁に形成されている４つの三角形状に尖った突起片１０ｄが、ルーフ１３の内面に喰い込んでいくと共に、ワッシャー部１０ａの上端に４つ形成されている三角形状に尖った突出片１０ｂが、ルーフ１３の内面に喰い込んでいくようになる。これにより、取付具１を介してアンテナ装置２のアンテナベース１４が確実に車体にアースされるようになる。また、ベース板１０の長軸は車両の進行方向に対して横方向に配置されて、ルーフ１３を平板状のベース板１０とアンテナベース１４とにより挟持することから、シャークフィン状のアンテナ装置２がルーフ１３に取り付けられてもぐらつきを防止することができるようになる。

次に、本発明にかかるアンテナの取付具１により、車両パネルである曲面状のルーフ１３に取り付けられたアンテナ装置２の構成の詳細を図１４ないし図１６に示す。図１４はルーフ１３に取り付けられたアンテナ装置２の構成の詳細を示す正面図であり、図１５はルーフ１３に取り付けられたアンテナ装置２の構成の詳細を断面図で示す正面図であり、図１６はルーフ１３に取り付けられたアンテナ装置２の構成の詳細を断面図で示す一部拡大図である。
これらの図に示すように、アンテナ装置２のシャークフィン状の筐体１２の下面はアンテナベース１４により閉塞されており、アンテナベース１４の下面のほぼ中央から下方へ突出ネジ部１４ａが突出して形成されている。突出ネジ部１４ａを取付具１の挿通孔１０ｅに挿通して、ナット部１１をスパナ等を用いて突出ネジ部１４ａに締着すると、ワッシャー部１０ａに形成されている複数の突出片１０ｂがルーフ１３の裏面に喰い込むようになる。同時に、車両の進行方向にほぼ直交するよう長軸が配置されている取付具１における平板状のベース板１０の外縁に形成されている複数の突起片１０ｄがルーフ１３の裏面に喰い込むようになる。

この場合、アンテナ装置２における筐体１２の幅とベース板１０の両側に形成された突起片１０ｄ間の間隔がほぼ同じとされて、アンテナ装置２はぐらつくことなくルーフ１３に取り付けられる。なお、ワッシャー部１０ａとベース板１０との境界部には突出片１０ｂを形成するための切り欠きが複数箇所に形成されていることから、ナット部１１が突出ネジ部１４ａに締着された際にベース板１０は弾性的にルーフ１３に圧接されるようになる。さらに、ベース板１０自体も、２本の長孔１０ｃの作用により弾性変形することから、ルーフ１３が曲面とされていても、取付具１によりアンテナ装置２を確実にルーフ１３に取り付けることができる。

ところで、車両パネルは近年厚さが薄くなってきており、このため補強材を車両パネルの内側に設けることが行われている。そこで、ルーフ１３の内側に補強部材１３ａが設けられた場合に、本発明にかかるアンテナの取付具１により、車両パネルであるルーフ１３に取り付けられたアンテナ装置２の構成の詳細を図１７ないし図１９に示す。図１７はルーフ１３に取り付けられたアンテナ装置２の構成の詳細を示す正面図であり、図１８はルーフ１３に取り付けられたアンテナ装置２の構成の詳細を断面図で示す正面図であり、図１９はルーフ１３に取り付けられたアンテナ装置２の構成の詳細を断面図で示す一部拡大図である。
これらの図に示すように、アンテナ装置２のルーフ１３の内側に複数本の補強部材１３ａが設けられており、取付具１は補強部材１３ａにまたがるように配置される。すなわち、取付具１のナット部１１をスパナ等を用いて突出ネジ部１４ａに締着した際に、ワッシャー部１０ａに形成されている複数の突出片１０ｂがルーフ１３の裏面に喰い込むようになるが、ベース板１０の外縁に形成されている複数の突起片１０ｄは補強部材１３ａの上に乗って補強部材１３ａに喰い込むようになる。

この場合、複数の突起片１０ｄが補強部材１３ａの上に乗ってもベース板１０自体が、２本の長孔１０ｃの作用で弾性変形することにより、取付具１によりアンテナ装置２を確実に補強部材１３ａが設けられているルーフ１３に取り付けることができる。また、ワッシャー部１０ａとベース板１０との境界部には突出片１０ｂを形成するための切り欠きが複数箇所に形成されていることから、ナット部１１が突出ネジ部１４ａに締着された際にベース板１０は弾性的にルーフ１３に圧接されるようになる。これにより、アンテナ装置２はぐらつくことなく補強部材１３ａが設けられているルーフ１３に取り付けられるようになる。

以上説明した本発明にかかるアンテナの取付具１においては、ベース板１０を長方形状としたが矩形状や楕円形状、円形状としても良い。この場合、ベース板１０の外縁に設けられる突起片は４つに限らず３つとしたり、５つ以上とすることができる。また、ワッシャー部１０ａの上端に設けられている突出片１０ｂも４つに限らず３つとしたり、５つ以上とすることができる。さらに、ベース板１０に形成されている長孔１０ｃは２本に限らず４本以上形成するようにしても良い。
さらにまた、アンテナ装置はシャークフィン状としたが、これに限ることはなく長さが１６０〜２２０ｍｍ程度で高さが６０〜７０ｍｍ程度の筐体を有するアンテナ装置であれば、どのような形状とされていてもぐらつくことなく車体パネルにアンテナ装置を取り付けることができる。

１ 取付具、２ アンテナ装置、１０ ベース板、１０ａ ワッシャー部、１０ｂ 突出片、１０ｃ 長孔、１０ｄ 突起片、１０ｅ 挿通孔、１１ ナット部、１１ａ 六角部、１１ｂ リング状突出部、１１ｃ 貫通孔、１２ 筐体、１３ ルーフ、１３ａ 補強部材、１４ アンテナベース、１４ａ 突出ネジ部、１００ 取付具、１１０ａ ワッシャー部、１１０ｂ 突出片、１１０ｃ 挿通孔、１１１ ナット部

Claims (7)

1. アンテナ本体の底面から突出するように設けられ且つ車両パネルに形成された取付孔を前記車両パネルの表面側から貫通した雄ネジに対して、前記車両パネルの裏面側から螺着されるアンテナの取付具であって、
   前記雄ネジに螺合するナット部と、
   平板状部材であって、当該ナット部をそのネジ孔の軸を中心として回転のみ自在に保持するとともに、当該ナットの外縁よりも外側における当該ネジ孔を取り囲む複数の位置に、前記平板状部材の平板面から前記車両パネルの表面側に向けて突出した先鋭な先端形状を有する突起片を夫々有するベース板とを備えることを特徴とするアンテナの取付具。
2. 前記ベース板は、前記ナット部のネジ孔に連通する貫通孔を備えていることを特徴とする請求項１記載のアンテナの取付具。
3. 前記各突起片は、前記ベース板の縁に設けられていることを特徴とする請求項２記載のアンテナの取付具。
4. 前記ベース板における前記貫通孔が形成され且つ前記ナット部を回転のみ自在に保持する部分が、前記ナット側に凹んだ円筒状に形成されていることを特徴とする請求項２記載のアンテナの取付具。
5. 前記ベース板における前記ナット側に凹んだ円筒状部分の縁に、前記突起片と同じ方向に突出した先鋭な先端形状を有する突起片を更に有することを特徴とする請求項４記載のアンテナの取付具。
6. 前記ベース板における前記ナット側に凹んだ円筒状部分の周囲に長孔が形成されていることを特徴とする請求項４記載のアンテナの取付具。
7. 前記ベース板における前記ナット部を保持している部分と前記突起片との間に孔が形成されていることを特徴とする請求項１記載のアンテナの取付具。

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