JP5448967B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、像担持体上に形成された現像剤画像を被転写媒体に転写する画像形成装置に関するものである。
従来、カラー電子写真プリンタ等の画像形成装置では、例えば下記の特許文献1に記載されているように、感光体(感光ドラム等)の像担持体と帯電手段と露光手段と現像手段等を備えた印刷機構を4個並べてそれぞれブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの画像形成手段とし、搬送ベルト上を搬送された用紙等の被転写媒体としての記録媒体に、順次トナー等の現像剤画像を転写する技術が知られている。
特開2004−258281号公報
しかしながら、従来の画像形成装置では、先に転写されている現像剤画像が下流側に配置されている画像形成手段の像担持体上に移る、いわゆる逆転写現象により画質が低下するという課題があった。
本発明の画像形成装置は、被転写媒体を被転写媒体搬送方向に搬送する被転写媒体搬送手段と、前記被転写媒体搬送方向に沿って配設され、現像剤像を前記被転写媒体に転写する複数の画像形成手段と、を備え、前記画像形成手段は、前記現像剤像を担持する像担持体と、前記像担持体と対向し、且つ前記像担持体に対して前記被転写媒体搬送方向の下流側に、2.0〔mm〕以下の一定距離だけずらされて配設され、所定電圧が印加されることによって前記現像剤像を前記被転写媒体に転写する転写部材と、前記像担持体と前記転写部材が対向し、前記現像剤像を前記被転写媒体に転写する接触領域と、を有し、前記被転写媒体搬送方向の下流側に配設された前記画像形成手段は、上流側に配設された前記画像形成手段と比べて、前記転写部材と前記像担持体との前記一定距離が大きい。
そして、前記各画像形成手段は、各々現像電圧が印加されることにより前記像担持体を現像する現像ローラを有し、対応する前記転写部材と前記像担持体とのずらし量である前記一定距離が前記上流側に配置された前記画像形成手段と比べて大きくなる前記下流側に配置された前記画像形成手段程、前記現像ローラに印加する前記現像電圧の絶対値を上げることを特徴とする。
本発明の画像形成装置によれば、転写部材と像担持体とのずらし量の距離が大きい程、被転写媒体へ転写される現像剤量が不足することを解消するために、転写部材と像担持体とのずらし量である一定距離が上流側に配置された画像形成手段と比べて大きくなる下流側に配置された画像形成手段程、現像ローラに印加する現像電圧の絶対値を上げるようにしている。
これにより、被転写媒体上に転写された現像剤が像担持体へ逆転写する量を減らすと共に、転写部材と像担持体を大きくずらす程発生する被転写部材へ転写される現像剤不足を解消することができる。更に、被転写媒体搬送方向の上流から下流に複数配置される画像形成手段により、被転写媒体に転写される現像剤の量を適した量に制御することができる。
図1は、本発明の実施例1に於ける画像形成装置の転写ニップ領域を示す概略の構成図である。 図2は、本発明の実施例1における画像形成装置を示す概略の構成図である。 図3は、図2の画像形成装置の制御回路を示す概略の構成図である。 図4は、本発明の実施例1における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。 図5は、図1の転写ローラ設置距離の設定値を示す図である。 図6は、図1の転写ローラの設置距離条件(1),(2)を示す図である。 図7は、ブラック(K)トナー画像のトナー帯電量推移を示す図である。 図8は、濃度値と逆転写レベルを示す図である。 図9は、ブラック(K)トナー画像の逆転写レベルを示す図である。 図10は、第1のトナー画像帯電量と第2のトナー画像の転写性を示す図である。 図11は、本発明の実施例1におけるブラック(K)トナー画像のトナー帯電量の推移を示す図である。 図12は、本発明の実施例1におけるブラック(K)トナー画像が受ける逆転写レベルを示す図である。 図13は、本発明の実施例2における画像形成装置を示す概略の構成図である。 図14は、図13の画像形成装置の制御回路を示す概略の構成図である。 図15は、本発明の実施例2の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。 図16は、図15における転写電圧の補正値を算出する条件を示す図である。 図17は、湿度と普通紙Aの表面抵抗率との関係を示す図である。 図18は、普通紙Aの表面抵抗率と逆転写レベルとの関係を示す図である。 図19は、普通紙Aの表面抵抗率と転写良好電圧範囲との関係を示す図である。 図20は、実施例2の適用の有無と逆転写レベル合計値を示す図である。 図21は、本発明の実施例3の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。 図22は、図21の現像ローラの印加電圧を補正した電圧を示す図である。 図23は、本発明の実施例4における画像形成装置を示す概略の構成図である。 図24は、図23の印刷機構における現像ローラと感光ドラムとのニップ量を示す図である。 図25は、本発明の実施例4におけるずらし量とニップ量との関係を示す図である。
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1の構成)
図2は、本発明の実施例1における画像形成装置を示す概略の構成図である。
画像形成装置10は、外部ホストコンピュータから入力された画像データに基づく画像を被転写媒体である記録媒体としての用紙に印刷可能な装置であり、用紙を供給するための給紙機構と、ガイド23と、センサ26,27と、搬送ベルト30と、駆動ローラ31と、従動ローラ32と、吸着ローラ33と、搬送ベルト30の上部に配置された4個の画像形成手段(例えば、「印刷機構」)40(=40−1,40−2,40−3,40−4)と、搬送ベルト30の下部に配置されたクリーニング機構と、センサ60と、定着機構65と、排出センサ70と、ガイド71と、スタッカ72とを有している。
画像形成装置10の下部には、搬送路22に用紙を供給するための前記給紙機構が設けられている。この給紙機構は、用紙収容カセット20と、用紙収容カセット20に収容されている用紙を送り出すホッピングローラ21と、ガイド23と、用紙がスキュー(用紙が斜め送りされた状態をスキューという。)した場合に用紙を修正するピンチローラ25と、用紙を吸着ローラ33と搬送ベルト30との間に送り出すレジストローラ24と、用紙を従動ローラ32との間で圧接させて搬送ベルト30の上面に静電吸着させる吸着ローラ33とを有している。
レジストローラ24の記録媒体搬送方向である用紙搬送方向の上流側にはセンサ26が、下流側にはセンサ27がそれぞれ配置されている。センサ26とセンサ27とは、用紙の位置を検出する機能を有している。
搬送ベルト30は、継目なしのエンドレス状に形成されている高抵抗の半導電性プラスチックフィルムからなり、この搬送ベルト30の上面部は、各印刷機構40の像担持体(例えば、「感光ドラム」)41と各転写部材(例えば、「転写ローラ」)49との間に架け渡されている。搬送ベルト30は、各転写ローラ49によって感光ドラム41に押し当てられて接触し、転写ニップ領域(転写接触領域)を形成している。搬送ベルト30は、駆動ローラ31と従動ローラ32とに架け渡され、従動ローラ32によって矢印f方向に引っ張られてテンションが付与されると共に、駆動ローラ31の矢印e方向の回転によって駆動される。搬送ベルト30、駆動ローラ31、及び従動ローラ32は、用紙を搬送する媒体搬送手段の一つである。
前記クリーニング機構は、搬送ベルト30の下面部に設置され、クリーニングブレード34と廃トナータンク35とを有している。従動ローラ32とクリーニングブレード34とは、搬送ベルト30の下面部を挟むよう、それぞれ対向した位置に設置されている。クリーニングブレード34は、可撓性のゴム材又はプラスチック材からなり、搬送ベルト30の表面に付着残留した現像剤(例えばトナー)を廃トナータンク35に掻き落とす機能を有している。
4個の独立した印刷機構40(=40−1,40−2,40−3,40−4)は、用紙に現像剤像としてのトナー像を現像する複数の現像手段であり、ブラック(K)・イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)の4色に対応し、用紙を搬送する搬送ベルト30からなる搬送路22に沿って配置されている。各印刷機構40は、帯電ローラ42と、この帯電ローラ42により表面が一様に帯電する感光ドラム41と、帯電した感光ドラム41上に光によって静電潜像を形成する発光ダイオード(以下、「LED」という。)ヘッド48と、静電潜像が形成された感光ドラム41上にトナー画像を形成する現像部である現像ローラ43,現像ブレード45,及び供給ローラ44と、この現像部へトナーを供給するトナーカートリッジ47と、感光ドラム41表面を除電する除電光源46とを有している。
感光ドラム41と転写ローラ49の間には、搬送ベルト30が移動可能に配置されている。更に、各印刷機構40は、図示しない離間機構により、搬送ベルト30から離間可能に配置されている。本実施例1では、感光ドラム41の外径はφ30、転写ローラ49の外径はφ20である。転写ローラ49は、所定電圧が印加されることによって、用紙にトナー像を転写する転写部材である。
駆動ローラ31側の搬送ベルト30の下流側には、搬送ベルト30からの分離に失敗した用紙をチェックし、或いは用紙の後端位置を検出するためのセンサ60が設置され、このセンサ60の下流側には、更に定着機構65が設置されている。
定着機構65は、ヒートローラ61と、ヒートローラ61を加圧する加圧ローラ62と、ヒートローラ61の温度を検知するサーミスタ63とを有している。ヒートローラ61は、図示しないヒートモータ87によって駆動され、加圧ローラ62は、ヒートローラ61に連れ回りする。このヒートローラ61は、熱源として機能するハロゲンランプからなるヒータ64を内蔵している。この定着機構65は、用紙上のトナーを加熱溶融してトナー画像を定着させる機能を有している。ヒートローラ61の表面近くにはサーミスタ63が配置され、ヒートローラ61の温度を監視している。ヒートローラ61の下流側には排出センサ70が設置されており、定着機構65における用紙のジャムや用紙のヒートローラ61への巻き付き等を監視している。この排出センサ70の下流側には、用紙を画像形成装置10の筐体上部のスタッカ72へと搬送するガイド71が設けられ、印刷済みの用紙はスタッカ72に排出される。
図1は、本発明の実施例1に於ける画像形成装置の転写ニップ領域を示す概略の構成図である。
用紙搬送方向の最も上流側に配置された印刷機構40−1では、感光ドラム41(=41−1)の中心軸真下に対して、転写ローラ49(=49−1)が距離t1だけ下流側にずらされて設置されている。転写ローラ49(=49−1〜49−4)を感光ドラム41(=41−1〜41−4)に対して下流側にずらされて設置した一定距離のことを、以下「ずらし量」という。
この印刷機構40−1の下流側に配置された印刷機構40−2では、感光ドラム41−2の中心軸真下に対して、転写ローラ49−2がずらし量t2だけ下流側にずらされて設置されている。この印刷機構40−2の下流側に配置された印刷機構40−3では、感光ドラム41−3の中心軸真下に対して、転写ローラ49−3がずらし量t3だけ下流側にずらされて設置されている。この印刷機構40−3の下流側に配置された印刷機構40−4では、感光ドラム41−4の中心軸真下に対して、転写ローラ49−4がずらし量t4だけ下流側にずらされて設置されている。このとき、感光ドラム41と転写ローラ49との各ずらし量t1〜t4は、式(1)を満たす。
t1<t2<t3<t4≦2[mm]・・・(1)
なお、感光ドラム41に対する転写ローラ49の各ずらし量t1〜t4の上限値を2[mm]とした理由は、2[mm]以上の場合に媒体搬送性が悪くなり、また、色ずれの低下等が見られるためである。
図3は、図2の画像形成装置の制御回路を示す概略の構成図である。
画像形成装置10の制御回路は、ホストインタフェース部81と、このホストインタフェース部81が接続されているコマンド/画像処理部82と、LEDヘッドインタフェース部83と、このLEDヘッドインタフェース部83によって制御される複数のLEDヘッド48(=48−1〜48−4)と、機構制御部80と、センサ26,27,60,70と、ヒータ64と、サーミスタ63と、ホッピングモータ84と、このホッピングモータ84によって駆動されるホッピングローラ21と、レジストモータ85と、このレジストモータ85によって駆動されるレジストローラ24と、ベルトモータ86と、このベルトモータ86によって駆動される駆動ローラ31と、ヒートモータ87と、このヒートモータ87によって駆動されるヒートローラ61と、ドラムモータ88と、このドラムモータ88によって駆動される複数の印刷機構40(=40−1〜40−4)と、高圧制御部90と、この高圧制御部90によって制御される帯電電圧発生部91,現像電圧発生部92,供給電圧発生部93,及び転写電圧発生部94と、帯電電圧発生部91によって電圧が印加される複数の帯電ローラ42(=42−1〜42−4)と、現像電圧発生部92によって電圧が印加される複数の現像ローラ43(=43−1〜43−4)と、供給電圧発生部93によって電圧が印加される複数の供給ローラ44(=44−1〜44−4)と、転写電圧発生部94によって電圧が印加される複数の転写ローラ49(=49−1〜49−4)とを有している。
ホストインタフェース部81は、図示しないホストコンピュータとコマンド/画像処理部82とに接続されている。ホストインタフェース部81は、コネクタ及び通信用チップを有し、ホストコンピュータとの物理的階層の通信インタフェース機能を有している。
コマンド/画像処理部82は、ホストインタフェース部81と機構制御部80とに接続されている。コマンド/画像処理部82は、ホストコンピュータからのコマンド及び画像データを解釈し、この画像データをビットマップに展開する部分であり、図示しないマイクロプロセッサとRandom Access Memory(以下「RAM」という。)及び展開のための特別なハードウェア等からなり、画像形成装置10全体を制御する機能を有している。
LEDヘッドインタフェース部83は、コマンド/画像処理部82と、ホストインタフェース部81と、各LEDヘッド48とに接続されている。LEDヘッドインタフェース部83は、図示しないセミカスタムLSI(Large Scale Integration)及びRAM等を有し、コマンド/画像処理部82がビットマップに展開した画像データを、各色のLEDヘッド48のインタフェースに合わせて加工する機能を有している。
機構制御部80には、コマンド/画像処理部82と、LEDヘッドインタフェース部83と、センサ26,27,60,70と、ヒータ64と、サーミスタ63と、ホッピングモータ84と、レジストモータ85と、ベルトモータ86と、ヒートモータ87と、ドラムモータ88と、高圧制御部90とが接続されている。
機構制御部80は、画像形成装置10の印刷機構40及び駆動機構の各部を制御する機能を有している。機構制御部80は、コマンド/画像処理部82からの指令に従い、各センサ26,27,60,70からの入力信号を監視しつつ、ホッピングモータ84、レジストモータ85、ベルトモータ86、ヒートモータ87、及びドラムモータ88を駆動すると共に、サーミスタ63からの入力信号を監視しつつヒータ64を制御し、更に高圧制御部90を制御する機能を有している。
前記駆動機構は、印刷機構40を駆動するためのホッピングモータ84、レジストモータ85、ベルトモータ86、及びドラムモータ88と、ヒートローラ61を駆動するためのヒートモータ87と、これらのモータ群を駆動するドライバ回路群とを有している。ヒータ64は、ハロゲンランプからなり、ヒートローラ61の中に配置されている。ヒートローラ61の表面近くにはサーミスタ63が配置され、このヒートローラ61の温度を検知する機能を有している。
高圧制御部90は、マイクロプロセッサ或いはカスタムLSIを有し、各印刷機構40へ供給する帯電電圧、現像電圧、供給電圧、及び転写電圧を生成する機能を有している。帯電電圧発生部91は、各印刷機構40の帯電ローラ42への帯電電圧の生成と停止を行う機能を有している。現像電圧発生部92は、各印刷機構40の現像ローラ43への現像電圧の生成と停止を行う機能を有している。供給電圧発生部93は、各印刷機構40の供給ローラ44への供給電圧の生成と停止を行う機能を有している。転写電圧発生部94は、転写ローラ49への転写電圧の生成と停止を行う機能を有すると共に、図示しない電流検出回路又は電圧検出回路を有し、転写ローラ49に流れる電流が定電流になるように制御を行う機能、又は転写ローラ49に印加される電圧が定電圧になるよう制御を行う機能とを有している。
(実施例1の動作)
図4は、本発明の実施例1における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
処理が開始すると、画像形成装置10は、ステップS1において、図示しないホストコンピュータから画像データを受信するまで待つ。画像データを受信したならば、ステップS2において、コマンド/画像処理部82は機構制御部80に定着機構65のウォームアップを開始するよう指示し、機構制御部80は、ヒートモータ87を駆動して定着機構65のヒートローラ61を回転開始し、回転させながら定着可能温度に制御しつつ、用紙の搬送を待つ。
ステップS3において、機構制御部80は、サーミスタ63の出力信号を参照して、ヒータ64のオン/オフを制御し、ヒートローラ61の温度の調整を行う。ヒートローラ61の温度が、記録媒体上のトナー画像を定着可能な温度に到達すると、ステップS4の処理を行って印刷動作を開始する。
機構制御部80は、ステップS4において、ベルトモータ86の駆動を開始して駆動ローラ31を駆動し、ステップS5において、ドラムモータ88の制御を開始して各印刷機構40を駆動し、ステップS6において、高圧制御部90に高圧バイアスを供給開始するよう指示する。機構制御部80は、ステップS4〜S6をウエイトなく処理するため、ステップS4〜S6は同一のタイミングで動作が開始する。高圧制御部90は、帯電電圧発生部91と、現像電圧発生部92と、供給電圧発生部93とに高圧バイアスを供給するよう制御する。
ここで、各印刷機構40におけるトナー画像の形成動作について説明する。ここでは、ブラック(K)の印刷機構40−1を代表として説明する。なお、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)の各印刷機構40−2,40−3,40−4については、トナーの色の違いを除き、ブラック(K)の印刷機構40−1と同様である。
高圧制御部90が帯電電圧発生部91を制御することによって、帯電ローラ42に−1100Vの帯電電圧が供給される。この帯電ローラ42は、感光ドラム41と接触して、その表面を−600Vに帯電させる。
高圧制御部90が現像電圧発生部92と供給電圧発生部93とを制御することによって、現像ローラ43に−200Vの現像電圧が供給され、供給ローラ44には−250Vの供給電圧が供給される。現像ローラ43と供給ローラ44に印加された電圧の差によって、現像ローラ43と供給ローラ44のニップ領域近傍では、現像ローラ43から供給ローラ44に向かう方向の電界が形成される。印刷機構40−1のトナーカートリッジ47には、ブラック(K)のトナーが収容されている。トナーカートリッジ47から供給されたトナーは、現像ローラ43と供給ローラ44に強く擦られてマイナス極性に摩擦帯電する。マイナス極性に摩擦帯電したトナーは、現像ローラ43から供給ローラ44の方向を向いた電界から受けるクーロン力によって現像ローラ43上に付着する。付着したトナーは、現像ローラ43の回転に伴って現像ローラ43と現像ブレード45の接触部に運ばれ、現像ブレード45によって均一な厚さにならされてトナー層を形成する。更に、現像ローラ43の回転に伴い、トナー層は感光ドラム41とのニップ領域に運ばれる。
機構制御部80は、ステップS7において、ホッピングモータ84を駆動してホッピングローラ21を回転させ、用紙収容カセット20の用紙を1枚だけガイド23へ送る。ステップS8において、センサ26の出力を監視し、用紙の先端がレジストローラ24とピンチローラ25との間に到達したことを検出すると、ステップS9においてホッピングモータ84を停止させる。
機構制御部80は、ステップS10において、レジストモータ85の駆動によりレジストローラ24を回転させ、用紙を従動ローラ32と吸着ローラ33とのニップ領域へ送る。更に、ベルトモータ86の駆動により駆動ローラ31を回転させ、搬送ベルト30の上面に静電吸着された用紙を、感光ドラム41と搬送ベルト30とのニップ領域へ送る。
次に、各印刷機構40において、LEDヘッド48が感光ドラム41に静電潜像を書き込む動作、及び静電潜像がトナーで現像される動作について説明する。コマンド/画像処理部82は、ステップS11において、センサ27によって用紙先端を検出したのちに、用紙が感光ドラム41と搬送ベルト30で形成されるニップ領域に到達するまでウエイトし、ステップS12において、LEDヘッドインタフェース部83に画像データを送信する。
LEDヘッドインタフェース部83は、送信された画像データに対応したLEDヘッド48のLEDを点滅させて、−600Vに帯電された感光ドラム41を露光し、−50Vに除電した静電潜像を書き込む。感光ドラム41表面に書き込まれた静電潜像は、感光ドラム41の回転に伴って現像ローラ43とのニップ領域に到達する。
感光ドラム41上の露光部は、露光によって−50Vに除電されているので、感光ドラム41から現像ローラ43に向かう方向の電界が形成される。それに対して、感光ドラム41上の非露光部は、−600Vのまま除電されていないので、露光部とは逆向きの電界が、現像ローラ43から感光ドラム41に向かう方向に形成される。よって、現像ローラ43上のマイナスに帯電したトナー層は、感光ドラム41上の露光部に選択的にトナーが付着し、静電潜像がトナー画像として現像される。
ステップS13において、機構制御部80は、高圧制御部90の転写電圧発生部94によってブラック(K)・イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)の各転写ローラ49−1〜49−4に各転写電圧を供給する。このとき、用紙は搬送ベルト30によって搬送されて、その先端がブラック(K)・イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)それぞれの転写ニップ領域に順次到達する。本実施例1では、ブラック(K)の転写ローラ49−1に2600Vの転写電圧を供給し、イエロー(Y)の転写ローラ49−2に2700Vの転写電圧を供給し、マゼンタ(M)の転写ローラ49−3に2800Vの転写電圧を供給し、シアン(C)の転写ローラ49−4に2900Vの転写電圧を供給している。これらの転写電圧は、機構制御部80の図示しない記憶手段によって記憶されている。
転写ニップ領域では、搬送ベルト30から感光ドラム41に向かう方向で電界が形成されるので、感光ドラム41上に現像されたトナーは、搬送ベルト30上の用紙に転写される。
転写工程が終了した用紙は、引き続き搬送ベルト30により搬送され、定着機構65へ送られる。ステップS14において、センサ60が用紙を検知すると、機構制御部80は、ヒートモータ87を駆動して定着機構65のヒートローラ61を回転させ続ける。用紙は、ステップS3にて定着可能温度に到達しているヒートローラ61と、これに圧接する加圧ローラ62によって狭持搬送されることにより、トナー画像の定着処理が行われる。
ステップS16において、排出センサ70が用紙を検知するまでウエイトしたのち、ステップS17において、排出センサ70が用紙を検知しなくなるまでウエイトすると、用紙の定着機構65における定着工程は終了し、且つ用紙はガイド71で案内されてスタッカ72へ排出され、図4の動作は終了する。
ここで、本実施例1の特徴について説明する。転写工程では、カラー画像を得るためには、先に用紙上に転写されたトナー画像に、異なる色のトナーを有する印刷機構40で、トナー画像を重ねて転写しなければならない。トナー画像に含まれるトナーの一部は、転写ニップ領域における転写電流の影響を受けて逆極性に帯電していると考えられるが、先に用紙上に転写されて逆極性に帯電したトナー画像は、異なる色のトナーを有する印刷機構40の感光ドラム41と接触したときに、用紙から感光ドラム41に移る「逆転写現象」によって画質が低下する。
逆転写現象は、感光ドラム41と対向する位置に配置されている転写ローラ49の位置を、感光ドラム41真下から用紙搬送方向の下流側に、ずらし量を一定距離ずらすことで低減できる。これにより、転写ニップ領域の後側で発生する隙間放電量が増加して転写されたトナー画像のトナー帯電量が上昇し、逆極性に帯電したトナーを減らせるからである。
図5は、図1の転写ローラ設置距離の設定値を示す図である。
ずらし量t1は、最も上流に設置されたブラックの印刷機構40−1の感光ドラム41に対して、転写ローラ49が下流側にずらされて設置された距離である。以下同様に、ずらし量t2は、イエローの印刷機構40−2の感光ドラム41に対して、転写ローラ49が下流側にずらされて設置された距離である。ずらし量t3は、マゼンタの印刷機構40−3の感光ドラム41に対して、転写ローラ49が下流側にずらされて設置された距離である。ずらし量t4は、シアンの印刷機構40−4の感光ドラム41に対して、転写ローラ49が下流側にずらされて設置された距離である。
図6は、図1の転写ローラの設置距離条件(1),(2)を示す図である。
条件(1)は、最も上流に設置されたブラックの印刷機構40−1から、最も下流側に設置されたシアンの印刷機構40−4まで、全て転写ローラ49が感光ドラム41に対してずらされずに設置されていることを示している。
条件(2)は、最も上流に設置されたブラックの印刷機構40−1から、最も下流側に設置されたシアンの印刷機構40−4まで、全て転写ローラ49が感光ドラム41に対して下流側に1.5mmずらされていることを示している。
図7は、ブラック(K)トナー画像のトナー帯電量推移を示す図である。
図7から分かるように、各転写ローラ49のずらし量tが1.5mmの場合、ずらし量tが0.0mmの場合と比較して、トナー帯電量が大きく上昇している。転写ローラ49の位置を用紙搬送方向の下流側にずらすことにより、転写ニップ領域の後側で発生する隙間放電量が増加し、転写されたトナー画像のトナー帯電量を上昇させるためである。
図8は、濃度値と逆転写レベルを示す図である。
図8に示す逆転写レベルとは、本来の濃度値のときを0として、逆転写現象によってどの程度の画質低下が発生しているかを定量的に示したものである。逆転写現象とは、用紙に先に転写されているトナー画像に含まれる逆極性に帯電したトナーが、下流側に配置されている感光ドラム41上に移り、よって画質が低下する現象のことをいう。
図8に示す濃度値は、X−rite528分光濃度計(X−rite社)で測定した値である。本来、濃度値は1.50となるような印刷パターンで印刷しているが、逆転写現象が発生するに従って濃度値は低くなり、濃度値が1.40となったとき、画質の低下が視覚的に認識可能となる。これをレベル10と定義し、その間の濃度値0.01ごとに逆転写レベルを定義した。図8において、最も画質低下が少ない状態がレベル0であり、もっとも画質低下が大きい状態がレベル10である。
図9は、ブラック(K)トナー画像の逆転写レベルを示す図である。
図9から分かるように、条件(1)のずらし量t1〜t4が全て0.0mmの場合と比較して、条件(2)の各転写ローラ49−1〜49−4のずらし量t1〜t4が全て1.5mmの場合、イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)における各逆転写レベルが低くなっており、画質の低下を防止できている。条件(1)における逆転写レベルの合計値は、5+4+3=12であるが、条件(2)における逆転写レベルの合計値は、3+2+1=6である。条件(1)よりも条件(2)の方が逆転写レベルの合計値は低く、よって画質低下は少ない。
更に、本実施例1の画像形成装置10においてカラー画像を得るためには、先に転写された第1のトナー画像の上に第2、第3、第4の色のトナー画像を転写しなければならないが、逆転写現象の抑制のため転写ローラ49−1〜49−4をずらすことで、先に転写されたトナー画像のトナー帯電量が上昇する。トナー画像のトナー帯電量の上昇は逆転写現象を抑制できるが、その反面、先に転写されたトナー画像の上に重ねて転写する第2、第3、第4の色のトナー画像の転写性が悪化する問題が発生する。トナー画像の転写が良好となる転写電圧は、先に転写されたトナー画像のトナー帯電量によって異なるためである。
図10は、第1のトナー画像帯電量と第2のトナー画像の転写性を示す図である。
図10の横軸はトナー帯電量〔μC/g〕を示し、縦軸は転写電圧〔V〕を示し、長方形は各トナー帯電量において良好に転写できる転写電圧の範囲を示している。横破線は、先に転写されたトナー画像がない場合(トナー帯電量0〔μC/g〕の場合)において良好に転写できる転写電圧の範囲を示している。
印刷される画像のパターンには、先に転写された第1のトナー画像がある箇所に第2のトナー画像が転写されるパターンと、先に転写された第1のトナー画像がない箇所に第2のトナー画像が転写されるパターンがある。
図10に示すように、先に転写された第1のトナー画像のトナー帯電量が上昇すると、この第1のトナー画像に重ねて転写する第2のトナー画像を良好に転写できる転写電圧の範囲は高電圧側にシフトする。
なおかつ、先に転写された第1のトナー画像のトナー帯電量が−40〔μC/g〕以上になると、先に転写された第1のトナー画像がない場合に於ける第2のトナー画像が良好に転写できる転写電圧の範囲と、先に転写された第1のトナー画像がある場合に於ける第2のトナー画像が良好に転写できる転写電圧の範囲とのオーバーラップがなくなる。この場合には、転写電圧をどのように選択しても、先に転写された第1のトナー画像がある場合と、先に転写された第1のトナー画像がない場合とのどちらかにおいて良好な転写が行えず、よって転写不良となってしまう。
図7を参照すると、各転写ローラ49−1〜49−4のずらし量t1〜t4が全て1.5mmの場合において、マゼンタ転写後のブラック(K)のトナー画像のトナー帯電量が−40〔μC/g〕以上になっている。この場合、シアン(C)における先に転写されたブラック(K)のトナー画像がある場合の良好に転写できる転写電圧の範囲と、先に転写されたブラック(K)のトナー画像がない場合に良好に転写できる転写電圧の範囲がオーバーラップしていないので、転写電圧をどのように選択しても転写不良が発生してしまう。
本実施例1では、以上のことを鑑みて、図5に示すように、印刷機構40−1〜40−4の転写ローラ49−1〜49−4のずらし量t1〜t4を、下流側に設置された印刷機構40ほど徐々に大きくしていくことにより、逆転写現象を抑制して、且つ用紙に重ねて転写するトナー画像の転写性が確保できる。
図11は、本発明の実施例1におけるブラック(K)トナー画像のトナー帯電量の推移を示す図である。
図11は、本実施例1によってマゼンタ(M)転写ニップ領域通過後のブラック(K)のトナー画像のトナー帯電量を−40〔μC/g〕以下に抑えることができたことを示している。
図12は、本発明の実施例1におけるブラック(K)トナー画像が受ける逆転写レベルを示す図である。
図12は、本実施例1によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)における各逆転写レベルの合計値を画質の低下の見られない10以下にできたことを示している。このとき、シアン(C)の転写の際、先に転写されたブラック(K)のトナー画像がある場合の良好に転写できる転写電圧範囲と、先に転写されたブラック(K)のトナー画像がない場合に良好に転写できる転写電圧範囲がオーバーラップしている。よって、オーバーラップした範囲の転写電圧を転写ローラ49に印加することで、良好に転写できる。
(実施例1の効果)
本実施例1の画像形成装置10によれば、次の(A),(B)のような効果がある。
(A) 逆転写現象による画質の低下を防ぐことができる。
(B) 併せて、用紙に先に転写されたトナー画像のトナー帯電量の上昇を抑えることにより、用紙搬送方向の下流側に配置されている印刷機構40におけるトナー画像の転写性を向上させることができる。
(実施例2の構成)
図13は、本発明の実施例2における画像形成装置を示す概略の構成図であり、実施例1を示す図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例2の画像形成装置10Aは、実施例1を示す図2の画像形成装置10と同様の構成に加えて、更に湿度検出部89を有している。
図14は、図13の画像形成装置の制御回路を示す概略の構成図であり、実施例1を示す図3中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例2の画像形成装置10Aの制御回路は、実施例1を示す図3の画像形成装置10の制御回路と同様の構成に加えて、更に、湿度検出部89と転写電圧補正部95とを有している。この湿度検出部89と転写電圧補正部95とは、機構制御部80に接続されている。湿度検出部89は、画像形成装置10Aの環境情報の一つである湿度を取得する動作環境取得部であり、転写電圧補正部95は、この環境情報である湿度をもとに転写電圧を補正する電圧補正手段である。
(実施例2の動作)
図15は、本発明の実施例2の画像形成装置の動作を示すフローチャートであり、実施例1を示す図4中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
処理が開始すると、画像形成装置10Aは、実施例1と同様にステップS1において、図示しないホストコンピュータから画像データを受信するまで待つ。画像データを受信したならば、実施例1とは異なり、ステップS20において、湿度検出部89によって湿度を検出し、ステップS21において、転写電圧補正部95は、この湿度をもとに転写電圧の補正値を算出する。
以降、ステップS2〜S12の処理は、実施例1と同様である。
ステップS13Aにおいて、画像形成装置10Aは、転写ローラ49に対し、ステップS21で計算した補正値を加味した転写電圧を供給する。以降、ステップS14〜S17の処理は実施例1と同様である。
図16は、図15における転写電圧の補正値を算出する条件を示す図である。
ステップS20で測定した湿度と、図16に示す転写電圧補正条件によって、ステップS21において、転写電圧補正値を決定する。湿度が30〔%RH〕未満のときには補正値は0Vであり、湿度が31〜60〔%RH〕のときには補正値は−200Vであり、湿度が61〔%RH〕以上のときには補正値は−400Vであることを示している。転写電圧の補正値は、高圧制御部90が転写電圧発生部94よりブラック(K)・イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)の転写ローラ49−1〜49−4それぞれの転写電圧を供給する際に、あらかじめ設定された転写電圧に、ステップS21で決定された転写電圧補正値を加算する。本実施例2では、ブラック(K)の印刷機構40−1への転写電圧を2600V、イエロー(Y)の印刷機構40−2への転写電圧を2700V、マゼンタ(M)の印刷機構40−3への転写電圧を2800V、シアン(C)の印刷機構40−4への転写電圧を2900Vと予め設定し、これらの転写電圧に図16で示す転写電圧補正値を加算する。
図17は、湿度と普通紙Aの表面抵抗率との関係を示す図である。
図17の横軸は湿度〔%RH〕を示し、縦軸は普通紙Aの表面抵抗率〔Ω/□〕を示し、菱形のプロットは、湿度と表面抵抗率の関係を示している。
本実施例2では、逆転写現象と相関を有する表面抵抗率について説明する。図17は、記録媒体である用紙(普通紙A)は、湿度が高いほど吸湿によって表面抵抗率が低下することを示している。
図18は、普通紙Aの表面抵抗率と逆転写レベルとの関係を示す図である。
図18の横軸は普通紙Aの表面抵抗率〔Ω/□〕を示し、縦軸は逆転写レベルを示し、菱形のプロットは、表面抵抗率〔Ω/□〕と逆転写レベルとの関係を示している。
図18は、記録媒体である用紙(普通紙A)の表面抵抗率が低くなるほど逆転写レベルが悪化することを示している。前述したように、用紙上のトナーが転写ニップ部における転写電流の影響を受け、逆極性に帯電することが、逆転写現象の要因となっていると考えられる。よって、用紙の表面抵抗率が低くなるほど、用紙上のトナーは転写ニップ部における転写電流の影響を受けやすくなって逆極性に帯電し、よって逆転写レベルが悪化すると考えられる。
図19は、普通紙Aの表面抵抗率と転写良好電圧範囲との関係を示す図である。
転写が良好となる転写電圧は、記録媒体である用紙(普通紙A)の抵抗値により変化する。図19から分かるように、転写が良好となる転写電圧は、記録媒体である用紙(普通紙A)の表面抵抗率が低くなるほど、低電圧側に広がっているのが分かる。
つまり、用紙の表面抵抗率が低くなるほど逆転写レベルが悪化するが、同時に転写が良好となる転写電圧も低電圧側に広がる。よって、転写電圧を低くすることにより、転写ニップ部における転写電流の影響を小さくして逆極性に帯電したトナーの発生を抑え、よって逆転写現象を抑えることができる。さらに、転写電圧を低くすることで転写ニップ部の後側で発生する隙間放電量は減少するので、用紙に先に転写されたトナー画像のトナー帯電量の上昇も抑えることができ、よって用紙搬送方向の下流側に配置されている印刷機構40におけるトナー画像の転写性を向上させることができる。
本実施例2では、以上のことを鑑みて、画像形成装置10Aの置かれている環境の湿度を検出して、あらかじめ実験的に求めておいた湿度と媒体の抵抗値変動の関係をもとに、最適となる転写電圧となるように補正を行うことにより、逆転写現象を抑制でき、且つ重ねて転写するトナー画像の転写性を確保することができた。
図20は、実施例2の適用の有無と逆転写レベル合計値を示す図である。
図20は、実施例2を適用したことにより、記録媒体である用紙の表面抵抗率が低くなる高湿条件においても、画質の低下を防ぐことができることを示している。
(実施例2の効果)
本実施例2の画像形成装置10Aによれば、次の(C),(D)のような効果がある。
(C) 湿度検出部89からなる湿度検出手段を設け、湿度と記録媒体である用紙の抵抗値の関係から最適な転写電圧を決定することにより、逆転写現象による画質の低下を防ぐことができる。
(D) 併せて、用紙に先に転写されたトナー画像のトナー帯電量の上昇を抑え、用紙搬送方向の下流側に配置されている印刷機構40におけるトナー画像の転写性を向上させることができる。
(実施例3の構成)
本発明の実施例3における画像形成装置10の構成は、実施例1を示す図2の画像形成装置10の構成と同一である。
(実施例3の動作)
図21は、本発明の実施例3の画像形成装置の動作を示すフローチャートであり、実施例1を示す図4中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
処理が開始すると、本実施例3の画像形成装置10は、実施例1と同様にステップS1〜S5の処理を行い、ステップS6Aにおいて、実施例1とは異なり、現像ローラ43−1〜43−4の印加電圧の補正を行う。具体的には、感光ドラム41−1〜41−4に対する転写ローラ49−1〜49−4のずらし量の少ない用紙搬送方向の上流側のブラック(K)の現像ローラ43−1より、感光ドラム41に対する転写ローラ49−1〜49−4のずらし量が多い下流側にあるイエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)の現像ローラ43−2,43−3,43−4の印加電圧の絶対値を上げる。
以降、ステップS7〜S17の処理は、実施例1と同様である。
図22は、図21の現像ローラの印加電圧を補正した電圧を示す図である。
イエロー(Y)の現像ローラ43−2は、ブラック(K)の現像ローラ43−1よりもd〔V〕だけ印加電圧の絶対値が大きく、以降は同様に下流側の現像ローラ43ほどd〔V〕ずつ印加電圧の絶対値が大きくなり、よって下流側の印刷機構40にて発生するトナー量の不足を打ち消すことができる。
(実施例3の効果)
本実施例3の画像形成装置10によれば、実施例1の効果に加えて更に次の(E)のような効果がある。
(E) 下流側の印刷機構40にて発生するトナー量の不足を、現像ローラ43への印加電圧によって打ち消すことができる。
(実施例4の構成)
図23は、本発明の実施例4における画像形成装置を示す概略の構成図であり、実施例1を示す図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本発明の実施例4の画像形成装置10Bは、実施例1を示す図2の画像形成装置10とは異なる複数の印刷機構40B(=40B−1,40B−2,40B−3,40B−4)を備えているほかは、実施例1の画像形成装置10と同様である。
図24は、図23の印刷機構における現像ローラと感光ドラムとのニップ量を示す図である。
各印刷機構40Bは、実施例1の各印刷機構40と同様に感光ドラム41と、帯電ローラ42と、現像ローラ43と、供給ローラ44と、転写ローラ49とを備えている。感光ドラム41と転写ローラ49の間には、実施例1と同様に搬送ベルト30が移動可能に配置されている。感光ドラム41と帯電ローラ42、感光ドラム41と現像ローラ43、現像ローラ43と供給ローラ44とはそれぞれ接触している。ここで現像ローラ43と感光ドラム41との接触するニップ量(お互いのローラが押し込む量)をNと定義する。
図25は、本発明の実施例4におけるずらし量とニップ量との関係を示す図である。
各印刷機構40Bは、実施例1の各印刷機構40とは異なり、感光ドラム41と転写ローラ49とのずらし量tの増加に合わせ、現像ローラ43と感光ドラム41とのニップ量Nが増加するよう、現像ローラ43と感光ドラム41は配置されていることを示している。
(実施例4の動作)
感光ドラム41に対して転写ローラ49を用紙搬送方向にずらすことで発生する感光ドラム41から用紙へ転写されるトナー量の不足は、現像ローラ43と感光ドラム41とのニップ量Nの増加によって打ち消されるように配置されているので、下流側の印刷機構40であってもトナー量が不足することはない。
(実施例4の効果)
本実施例4の画像形成装置10Bによれば、実施例1の効果に加えて更に次の(F)のような効果がある。
(F) 下流側の印刷機構40Bで発生するトナー量の不足を、現像ローラ43と感光ドラム41のニップ量Nの増加によって打ち消すことができる。
(変形例)
本発明は、上記実施例に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(d)のようなものがある。
(a) 実施例1〜4では、潜像形成手段をLEDヘッド48としたが、レーザ光源等を潜像形成手段としてもよい。
(b) 実施例1〜4では、用紙搬送路の上流からブラック(K)・イエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)の順で印刷機構40−1〜40−4が並んでいる場合について説明した。しかし、多色トナーに係る印刷機構40を複数有する場合の並び順番は、例えばシアンが上流でもよく、実施例1〜4に限定されるものではない。
(c) 実施例1〜4では、印刷機構40が4台のものについて説明したが、印刷機構40は2台以上であればよい。
(d) 実施例1〜4の画像形成装置10,10A,10Bでは、搬送ベルト30によって搬送される用紙を被転写媒体としてトナーを転写した。しかし、搬送ベルト30を被転写媒体とし、この搬送ベルト30にブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの画像形成手段でトナーを直接転写したのち、搬送ベルト30に転写されたブラック・イエロー・マゼンタ・シアンのトナーを同時に転写する画像形成装置においても、搬送ベルト30にブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの画像形成手段でトナーを直接転写する部分に本発明を適用することで、画像形成を良好にする効果を得ることが可能である。
10,10A,10B 画像形成装置
40 印刷機構
41 感光ドラム
42 帯電ローラ
49 転写ローラ
64 ヒータ
82 コマンド/画像処理部
80 機構制御部
89 湿度検出部
90 高圧制御部
94 転写電圧発生部
95 転写電圧補正部

Claims (2)

  1. 被転写媒体を被転写媒体搬送方向に搬送する被転写媒体搬送手段と、
    前記被転写媒体搬送方向に沿って配設され、現像剤像を前記被転写媒体に転写する複数の画像形成手段と、を備え、
    前記画像形成手段は、
    前記現像剤像を担持する像担持体と、
    前記像担持体と対向し、且つ前記像担持体に対して前記被転写媒体搬送方向の下流側に、2.0〔mm〕以下の一定距離だけずらされて配設され、所定電圧が印加されることによって前記現像剤像を前記被転写媒体に転写する転写部材と、
    前記像担持体と前記転写部材が対向し、前記現像剤像を前記被転写媒体に転写する接触領域と、を有し、
    前記被転写媒体搬送方向の下流側に配設された前記画像形成手段は、
    上流側に配設された前記画像形成手段と比べて、前記転写部材と前記像担持体との前記一定距離が大きい画像形成装置であって、
    前記各画像形成手段は、各々現像電圧が印加されることにより前記像担持体を現像する現像ローラを有し、
    対応する前記転写部材と前記像担持体とのずらし量である前記一定距離が前記上流側に配置された前記画像形成手段と比べて大きくなる前記下流側に配置された前記画像形成手段程、前記現像ローラに印加する前記現像電圧の絶対値を上げることを特徴とする画像形成装置。
  2. 被転写媒体を被転写媒体搬送方向に搬送する被転写媒体搬送手段と、
    前記被転写媒体搬送方向に沿って配設され、現像剤像を前記被転写媒体に転写する複数の画像形成手段と、を備え、
    前記画像形成手段は、
    前記現像剤像を担持する像担持体と、
    前記像担持体と対向し、且つ前記像担持体に対して前記被転写媒体搬送方向の下流側に一定距離だけずらされて配設された転写部材と、
    前記像担持体と前記転写部材が対向し、前記現像剤像を前記被転写媒体に転写する接触領域と、を有し、
    前記被転写媒体搬送方向の下流側に配設された前記画像形成手段は、上流側に配設された前記画像形成手段と比べて、前記転写部材と前記像担持体との前記一定距離が大きい画像形成装置であって、
    前記各画像形成手段は、各々現像電圧が印加されることにより前記像担持体を現像する現像ローラを有し、
    対応する前記転写部材と前記像担持体とのずらし量である前記一定距離が前記上流側に配置された前記画像形成手段と比べて大きくなる前記下流側に配置された前記画像形成手段程、前記現像ローラに印加する前記現像電圧の絶対値を上げることを特徴とする画像形成装置。
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