JP5446185B2 - 光学シート - Google Patents
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Description
さらに、図5に例示したプリズムフィルムを用いる装置では、プリズムフィルムの枚数が2枚必要であるため、フィルムの吸収による光量の低下が大きいだけでなく、部材数の増加によりコストが上昇する原因にもなっていた。
しかし、少なからず集光機能をもった光学シートがパネル側最表面に位置すると、周囲環境の変化、特に光源が点灯した時の熱によって光学シートにしわが発生した場合、非常に目立つという問題がある。
特に押出法で作成したシートはしわが発生しやすい。
しわの発生を防ぐために光学シートを厚くする方法もあるが、コストアップや厚みが増すことによる光のロス、反りの問題が発生し完全な解決策にはなっていない。
本発明は押出法で作成したシートに着目して案出されたものであって、本発明の目的は、厚さを大きくすることなく、しわの発生を抑制する上で有利な光学シートを提供することにある。
0.8<A/B<1.2・・・式(1)
ここで、シートの流れ方向(MD)とは、押出工程の製造ライン上で製品が流れていく方向である。
そして、更なる鋭意研究の結果、光学シートのしわの発生原因は、熱が加わった状況下で光学シートのMDとTDの伸縮率が異なり、ゆがみが生じるためと考えた。
光学シートのMDとTDの伸縮率は線膨張係数で確認することができる。
押出法で作成した光学シートのMDとTDの線膨張係数の差を小さくした本発明によれば、すなわち、光学シートのMDとTDの線膨張係数の差異を所定の範囲内に抑えた本発明によれば、しわをなくすことが可能となった。
光学シートのMDとTDの線膨張係数の差を小さくする調節作業は、押出工程の製造時に行なうことができ、また、製造後、製品となってからも行なうことができる。
なお、MDとTDの線膨張係数として、75℃±5℃の値を用いたのは、液晶テレビのバックライト・ユニットが使用時に75℃±5℃前後になるためであるが、本発明の用途は液晶テレビに限定されず、液晶テレビ以外の各種の装置に広く適用される。
ダイから溶融押出された光学シートは所望の形状やサイズの金型で成形され、徐々に温度が低くなるように複数の温度の異なるロールで冷やされ、巻き取られる。
光学シートは温度の高いうちからラインのMDに張力がかかり伸ばされ、TDには特に力を受けていない。
そして、この状態のまま冷やされる。
このため、作成した光学シートに熱を加えると伸ばされたMDに縮み復元しようとする力が働き、線膨張係数が小さくなる。
そこで、何度か加熱を繰り返し、伸ばされた状態の内部応力がなくなればMDの線膨張係数はもとの材料の値に近づく。
上述のように、製品化された後でも、加熱を繰り返して行うことでMDの線膨張係数を調節でき、MDとTDの線膨張係数の差を式(1)の範囲に収めることが可能となる。なお、TDにはこのような動きは無い。
この場合には、上記のライン中で光学シートにかかるMDの張力を低減しなければならない。
ダイから溶融押出された光学シートはまず基材シートとラミネートされ、ラミネートされた状態のまま冷却され、十分に冷却した後基材シートから剥離され、巻き取られる。
通常の方法と異なり冷却までの間、基材シートとともにラインの張力を受けるため、MDの伸びが緩和され、MDとTDの線膨張係数の差を式(1)の範囲に収めることが可能となる。
なお、MDとTDの線膨張係数について、製造時に行なう調節作業と、製品となった後に行う調節作業とを併用してもよい。
基材シートとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ4−メチルペンテンー1(TPX)等のポリオレフィン系等の合成樹脂シート、及びこれらの積層シート等を使用することが出来る。
ピッチ66μm、頂角90°のプリズム形状をPET上にUV硬化樹脂で形成した基材シートを準備した。熱可塑性ポリカーボネート樹脂シートを溶融し、押出機にてダイよりシート形状に樹脂シートを押し出し、当該シートが冷却、硬化する前に上記基材シートとラミネートし、冷却した後基材シートから剥離して、レンチキュラーレンズを有する押出シートを得た。厚みは320umとした。ラインの張力を調整し、MDの線膨張係数の異なる押出シートを得た。
熱可塑性ポリカーボネートは帝人化成(株)のM1201ZとML1103を適宜配合して使用し、拡散性を有する押出シートとした。320umにおけるHzを15%に調整した。
押出シートは中心から730mm×310mmの真四角に切り取り、光学シートを得た。光学シートの長辺方向がMDとなっている。
このようにして実施例1、2、3、4と比較例1、2とを製作した。
ピッチ66μm凸シリンドリカルレンズの形状に切削した第1金型ロールを押出し機に近接して配置した。熱可塑性ポリカーボネート樹脂シートを溶融し、上記押出し機により成型し、当該シートが冷却、硬化する前に上記第1金型ロールによって成形して、レンチキュラーレンズを有する押出シートを得た。厚みは320umとした。
熱可塑性ポリカーボネートは帝人化成(株)のM1201ZとML1103を適宜配合して使用し、拡散性を有する押出シートとした。320umにおけるHzを15%に調整した。
押出シートは中心から730mm×310mmの真四角に切り取り、光学シートを得た。光学シートの長辺方向がMDとなっている。
このようにして従来例を製作した。
各シートのMDとTDから4mm幅のひも状に測定サンプルを切り取った。
線膨張係数の測定はTMA(SEIKO製 EXS TC6000PCステーション)の石英の引っ張り冶具を使用して測定した。測定サンプルに50mNの加重をかけながら、15mm長さの部分のTMA−温度曲線を測定した。75℃±5℃の範囲の線膨張係数を算出した。結果を表1に示す。
作成した光学シートを32型のディスプレイに市販の拡散板(帝人化成65HLW)と組み込み、点灯した後1時間放置ししわを目視確認した。この時を初期状態とした。初期状態でしわが認められなかったディスプレイを点灯したまま60℃の環境に24時間投入した。このときの光学シートの置かれた箇所の環境は75℃±5℃であった。24時間後、点灯したまま常温環境に戻し、1時間ごとに24時間しわを目視確認した。
この結果を表1に示す。
実施例1、2、3、4では光学シートにしわが発生していないのに対して、従来例と比較例1、2では光学シートにしわが発生した。
2 本発明以外の光学シート
5 拡散板
10 光学部材
15 光源
17 反射板
19 液晶層
21 偏光板
K 光源からの光
L 光学部材からの出射光
S ディスプレイの視認方向
Claims (6)
- 押出成形で製造され、ディスプレイ用バックライト・ユニットの照明光路制御に使用される光学シートであって、
押出成形時における光学シートの流れ方向の75℃±5℃における線膨張係数Aと、光学シートの流れ方向と垂直方向の75℃±5℃における線膨張係数Bが式(1)を満たし、かつ、前記光学シートは、前記押出成形時において前記光学シートの流れ方向の垂直方向において延伸されないことを特徴とする、
光学シート。
0.8<A/B<1.2・・・式(1) - 前記光学シートは、集光機能を有するマトリックス状の構造体を表面に有することを特徴とする、
請求項1記載の光学シート。 - 前記光学シートは、集光機能を有し直線状に延在する突条が複数平行に並べられたライン状の構造体を表面に有することを特徴とする、
請求項1記載の光学シート。 - 前記光学シートが表面に光拡散機能を奏する構造体を有するか、シート材料に粒子を含有することで光拡散機能を奏することを特徴とする、
請求項1乃至3に何れか1項記載の光学シート。 - 表示画像を規定する画像表示素子の背面に、
光源と、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の光学シートを少なくとも備えることを特徴とするディスプレイ用バックライト・ユニット。 - 画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する液晶表示素子からなる画像表示素子と、
光源と、請求項5記載のバックライト・ユニットを備えることを特徴とするディスプレイ。
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