JP5444790B2 - ポリエステル樹脂組成物、その製造方法およびフィルム - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物、その製造方法およびフィルム Download PDF

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Description

本発明はポリエステル樹脂組成物に関するものである。特に、光吸収損失に優れ、液晶反射板用フィルムに好適なポリエステル樹脂組成物に関する。
ポリエステルは優れた物理的、化学的特性を有しており、フィルム、繊維、シートなどに広く使用されている。特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐溶剤性、機械的特性、光学特性において優れた性質を有するために、磁気記録材料、各種写真材料、包装材料、電気絶縁材料、光学材料、一般工業材料等、多くの用途に用いられている。
また特に、光学用ポリエステル樹脂は、光吸収損失、異物レスなどが重要視されるため、各種触媒、様々な添加物による改良が行われている。
例えば、特許文献1には、3価のリン化合物と新規のチタン触媒によって色調を改善するポリエステル組成物について記載があるが、繊維用であるため触媒系の適正化が不十分で、光学フィルム用途、特に液晶反射板用フィルムのように、低い光吸収損失を必要とする用途においては十分な効果が得られない。
特許文献2は、ケイ素化合物を用いてb値を改善するポリエステルの製造方法について記載されているが、用途が包装用フィルムであるため、低い光吸収損失を要求される液晶反射板用フィルムなどの用途に適用することは難しい。
特開2005−15630号公報 特開2005−272509号公報
本発明の目的は、光吸収損失に優れ、光学用途、特に液晶反射板用フィルムに適したポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル樹脂組成物に対し、チタンキレート化合物をチタン原子換算で1ppm以上10ppm以下、アルデヒド酸を全酸成分に対して0.0002mol%以上0.01mol%以下、アセタール環を有するホスファイト化合物をリン原子換算で20ppm以上150ppm以下含有し、かつ式(I)を満足することを特徴とするポリエステル樹脂組成物である。
5≦P/AA≦40 (I)
(但し、P、AAはそれぞれリン原子の含有量、アルデヒド酸の含有量を表し、単位はmol%(ポリエステル樹脂組成物対比)である。)
本発明によれば、光吸収損失に優れ、光学用途、特に液晶反射板用フィルムに適したポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル樹脂組成物に対し、チタンキレート化合物をチタン原子換算で1ppm以上10ppm以下、アルデヒド酸を全酸成分に対して0.0002mol%以上0.002mol%以下、アセタール環を有するホスファイト化合物をリン原子換算で20ppm以上150ppm以下含有し、かつ式(I)を満足することを特徴とするポリエステル樹脂組成物である。
5≦P/AA≦40 (I)
(但し、P、AAはそれぞれリン原子の含有量、アルデヒド酸の含有量を表し、単位はmol%(ポリエステル樹脂組成物対比)である。)
本発明のポリエステル樹脂組成物は、繰り返し単位の95mol%以上が、エチレンテレフタレート単位であることが機械特性、光学特性、耐熱性の点から必要である。
他の共重合成分が5mol%を越えると、耐熱性が低下し、成形時の分解反応により光吸収損失が増大する原因となる。
本発明のアルデヒド酸は、全酸成分に対して、0.0002mol%以上0.002mol%以下含有することが耐熱性、光吸収損失の点から必要である。アルデヒド酸が0.0002mol%未満では、十分な耐熱性が得られないため光吸収損失が増大する。また、0.002mol%を越えると、アルデヒド酸起因の着色物質量が増加するため光吸収損失が増大する。
本発明におけるアルデヒド酸としては、例えば、テレフタルアルデヒド酸、イソフタルアルデヒド酸、フタルアルデヒド酸、6−ホルミル−2−ナフトエ酸などを挙げることができるが、これらに限定するものではない。これらのアルデヒド酸は、テレフタル酸を製造する際に副生することがある。
本発明のアセタール環を有しているホスファイト化合物とは、分子内にアセタール環構造を含むホスファイト化合物であり、例えば、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト,ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどを挙げることができる。これらの中でも、ビス(4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが耐熱性の点から好ましい。
このようなホスファイト化合物の含有量としては、リン原子換算で20ppm以上150ppm以下であることが、耐熱性、光吸収損失の点から必要であり、さらに40ppm以上100ppm以下であることが好ましい。含有量が20ppm未満では十分な光吸収損失低減効果が得られず、150ppmを越えると、重合触媒が失活し、十分な重合度のポリマーを得ることができない。
また、本発明のアルデヒド酸とアセタール環を有するホスファイト化合物の含有比率が式(I)を満たすことが耐熱性、光吸収損失の点から必要であり、さらには式(X)を満足することが好ましい。
5≦P/AA≦40 (I)
20≦P/AA≦35 (X)
(但し、P、AAはそれぞれリン原素の含有量、アルデヒド酸の含有量を表し、単位はmol%(ポリエステル樹脂組成物対比)である)
リン原子とアルデヒド酸のモル比が5未満である場合、過剰のアルデヒド酸により着色起因物質が多量に生成するため、光吸収損失が増大する。40を越える場合は、過剰なホスファイト化合物により重合反応が遅延するため、光吸収損失が増大する。
本発明におけるチタンキレート化合物とは、式(V)〜(IX)で表される官能基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有していることが好ましい。
Figure 0005444790
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Figure 0005444790
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(ただし、式(V)〜(IX)において、R〜Rはそれぞれ独立に水素または炭素数1〜30の有機基)
なお、上記の炭素数1〜30の有機基としては、その構造中にアルキル基、アルコキシ基、水酸基、カルボニル基、アセチル基、カルボキシル基、およびエステル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を含んでいることが好ましい。
また、好ましい態様としては、チタン化合物としてこれら式(I)〜式(VI)で表される置換基の2種以上を含んでなるチタンジイソプロポキシビスアセチルアセトナートがある。
なお、チタン化合物が置換基として式(V)〜式(VII)で表される官能基を有し、式(V)〜式(VII)におけるR〜Rが、それぞれ独立に水素または炭素数1〜30の有機基であると、置換基が立体障害になり主鎖を拘束し熱分解を抑制するため好ましい。
また、式(V)〜式(VII)におけるR〜Rの少なくとも1つの置換基が、水素であるか、または水酸基であるか、またはアルキル基、アルコキシ基、水酸基、カルボニル基、アセチル基、カルボキシル基、およびエステル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を含んでいる炭素数が1〜30の有機基である場合には、置換基が立体障害となり主鎖を拘束し好ましいが、さらに官能基が水酸基、カルボニル基、アセチル基、カルボキシル基などの極性基であると、ポリエステルのカルボニル基と親和性が良く、強い立体障害効果を発現できるためより好ましい。
さらに、チタン化合物が置換基として式(V)で表される官能基を有し、式(V)におけるR〜Rの少なくとも1つの置換基が、水素であるか、またはアルキル基、カルボキシル基およびエステル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する炭素数1〜30の有機基であると、チタンと配位子の結合がより強固となり、上記の効果が強化され耐熱性が良好となる。
また、チタン化合物が置換基として式(VIII)で表される官能基を有し、式(VIII)におけるRが炭素数1〜30の有機基であると、耐熱性の点で好ましい。この場合、炭素数1〜30の有機基としては、その構造中にアルキル基、アルコキシ基、水酸基、カルボニル基、アセチル基、カルボキシル基、およびエステル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を含んでいることが好ましい。
具体的には、式(V)で表される基としては、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシド、2−エチルヘキソキシド等のアルコキシ基、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等を主骨格とするヒドロキシ多価カルボン酸などの官能基が挙げられる。
また、式(VI)で表される基としては、アセチルアセトン等のβ−ジケトン系化合物、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のケトエステル系化合物を主骨格とする官能基が挙げられる。
また、式(VII)で表される基としては、フェノキシ、クレシレイト、サリチル酸等を主骨格とする官能基が挙げられる。
また、式(VIII)で表される基としては、ラクテート、ステアレート等のアシレート基、フタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シクロヘキサンジカルボン酸またはそれらの無水物等の多価カルボン酸系化合物を主骨格とする官能基が挙げられる。
中でも式(V)及び/または式(VIII)で表される基が含まれていることがポリマーの熱安定性及び光吸収損失の観点から好ましい。
このようなチタン触媒の含有量は、ポリエステル樹脂組成物に対し、チタン原子換算で、1ppm以上10ppm以下であることが重合反応性、光吸収損失の点から必要であり、さらには3〜10ppmであることが好ましい。含有量が1ppm未満の場合、十分な重合反応が行えないため、ポリマーを得ることができない。10ppmを越えると、副反応により着色物質が多量に生成するため光吸収損失が増大する。
本発明においては、酸化防止剤を併用することが分解反応に基づく異物生成を抑制できるので望ましい。
本発明の酸化防止剤とはリン系以外の酸化防止剤であり、例えばペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N‘−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]などを挙げることができる。特に、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]であることが耐熱性の点から好ましい。
このような酸化防止剤の含有量としては、アセタール環を有するホスファイト化合物に対して、式(II)を満足するように含有することが、耐熱性、光吸収損失の点から好ましい。
0.05≦A/P≦0.5 (II)
(但し、P、Aはそれぞれリン原子含有量、酸化防止剤の添加量を表し、単位はmol%(ポリエステル樹脂組成物対比)である。)
リン原子と酸化防止剤のモル比が0.05未満の場合、過剰なホスファイト化合物の分解物により異物が生成し、光吸収損失が増大することがある。また0.5を越える場合は、過剰な酸化防止剤により異物が生成し、光吸収損失が増大することがある。
本発明のポリエステル組成物は、更にマグネシウム化合物を含有していることが好ましい。その含有量は、ポリエステル樹脂組成物に対してマグネシウム原子として、20ppm以上100ppm以下であることが静電印加特性の点から好ましく、特に40ppm以上80ppm以下であることが更に好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物はエステル化反応を行う第一の工程、エステル化反応が実質的に終了して固有粘度が0.3に到達するまでの間に添加物などを添加する第二の工程、重合反応を行う第三の工程により製造することができる。
以下に、本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法を具体的に述べる。
第一の工程は、240〜250℃にて溶融したビスヒドロキシエチレンテレフタレートに対して、テレフタル酸およびエチレングリコールを徐々に添加して、反応温度240〜250℃に保ちながら、副生する水を留出させてエステル化反応を行う。
このとき、テレフタル酸は耐熱性、光吸収損失の点からアルデヒド酸を0.0002mol%以上0.001mol%以下含有している必要がある。アルデヒド酸が0.0002mol%未満では、十分な耐熱性が得られないため光吸収損失が増大する。また、0.001mol%を越えると、アルデヒド酸起因の着色物質量が増加するため光吸収損失が増大する。
ここで、添加するテレフタル酸とエチレングリコールは、反応性、安定供給性の点から予め混合してスラリー状にして添加することが好ましく、スラリーはテレフタル酸に対するエチレングリコールのモル比を1.0以上1.2以下とすることが好ましい。このようなスラリーは、スネークポンプなどを用いて安定に少量ずつ添加することができる。
第二の工程は、エステル化反応が実質的に終了した後から固有粘度が0.3に到達するまでの間にチタンキレート化合物、アセタール環を有するホスファイト化合物、その他添加物を添加する工程である。
チタンキレート化合物は原液あるいは粉体のまま添加することもできるが、ハンドリング性の点から、エチレングリコールの溶液、またはスラリーとして添加することが好ましく、同じくハンドリング性の点からその濃度は20重量%以下であることがさらに好ましい
チタンキレート化合物の添加量としては、チタン原子換算でポリエステル組成物に対して、1ppm以上10ppm以下含有するように添加することが、重合反応性、光吸収損失の点から必要であり、さらには3ppm以上10ppm以下であることが好ましい。
アセタール環を有するホスファイト化合物の添加量としては、耐熱性、光吸収損失の点から、リン原子換算で20ppm以上150ppm以下含有するように添加することが必要である。20ppm未満では十分な光吸収損失低減効果が得られず、150ppmを越えると重合反応が遅延するため光吸収損失が増大する。
また、アセタール環を有するホスファイト化合物は、耐熱性、光吸収損失の点からアルデヒド酸に対して、式(III)を満足するように添加することが必要であり、さらには式(XI)を満足することが好ましい。
5≦P/AA≦40 (III)
20≦P/AA≦35 (XI)
(但し、P、AAはそれぞれリン原子の含有量、アルデヒド酸の含有量を表し、単位はmol%(ポリエステル樹脂組成物対比)である。)
このようなアセタール環を有するホスファイト化合物は、原液あるいは粉体のまま添加してもよいが、ハンドリング性の点から、エチレングリコールの溶液、またはスラリーとして添加することが好ましい。
さらには、光吸収損失、耐熱性の点から、酸化防止剤と式(IV)を満足するように混合して添加することが好ましく、特にエチレングリコールの溶液、またはスラリーとして20重量%以下の濃度に調整して添加することが好ましい。
0.05≦A/P≦0.5 (IV)
(但し、P、Aはそれぞれリン原子含有量、酸化防止剤の含有量を表し、単位はmol%(ポリエステル樹脂組成物対比)である。)
アセタール環を有するホスファイト化合物の添加時期は、チタンキレート化合物と5分以上間隔を離して添加することが重合反応性の点から好ましい。
その他の添加物として、酢酸マグネシウムをマグネシウム原子として20ppm以上100ppm以下となるように添加することが、製膜時の静電印加特性の点から好ましい。
第三の工程は、従来公知の方法で重合反応を行うことができ、例えば重合反応温度280〜290℃、真空度1Torr以下で重合反応を行ったあと、反応ポリマをストランドカッターにて水冷しながらチップ化することができる。
このようにして得られたポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は、乾燥後、従来公知の方法で製膜し、二軸延伸フィルムとすることができる。
このような二軸延伸フィルムは光吸収損失に優れるため、光学用途、特に、液晶反射板用フィルムとして好適である。
以下本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。なお、実施例中の特性は次のようにして測定した。
(A.固有粘度)
o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
(B.ポリエステル樹脂組成物中の金属原子量)
アンチモン原子、チタン原子、リン原子、マグネシウム原子については蛍光X線分析法(堀場製作所社製、MESA−500W型)による定量を行った。
(C.アルデヒド酸量の測定)
テレフタル酸0.1gを0.5Nアンモニア水7ml、内標液(ニトロベンゼン0.1mlg/アセトニトリル1ml)3mlで溶解し、5μlを注入してHPLCで分析した。
分析条件は以下の通り。
カラム:CAPCELL PAC C18 4.6φ×25cm
TYPE UG 120Å 5μm
移動相:A液 1%酢酸水溶液
B液 アセトニトリル
検出器:UV 254nm(RANGE=0.002AUFS)
カラム温度:50℃
移動相流量:1.2ml/min(0分)→1.44ml/min(80分)
Graduent条件:アセトニトリル濃度 10%(0分)→22.8%(80分)
分析時間:80分
(D.光吸収損失の評価)
分光光度計U−3410((株)日立製作所)に、φ60積分球130−0632((株)日立製作所)および10°傾斜スペーサーを取りつけた状態で測定波長300〜800nm、バンドパス6nm、スキャン速度120nm/minで測定を行い、400nm、560nmの光損失を求めた。標準白色板には(株)日立計測器サービス製の部品番号210−0740を用いた。
サンプルは、ポリエステル樹脂組成物に白色化剤(非環状ポリオレフィン系樹脂PMP(ポリメチルペンテン)(三井化学(株)製))、分散剤(「ハイトレル7247」(東レデュポン(株)製))を加えた未延伸シートを用い、厚み1000μm換算で算出した。
なお、光吸収損失は、100%−(相対反射率+光線透過率)として算出し、この光吸収損失の値が小さいほど、ポリエステル樹脂組成物の光線透過率が高いことを示す。
判定は、400nmで10%以下、かつ560nmで10%以下を可、400nmで7%以下、かつ560nmで10%以下を優良とした。
(参考例)
触媒A.クエン酸キレートチタン化合物の合成方法
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた3Lのフラスコ中に温水(371g)にクエン酸・一水和物(532g、2.52モル)を溶解させた。この撹拌されている溶液に滴下漏斗からチタンテトライソプロポキシド(288g、1.00モル)をゆっくり加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、これよりイソプロパノール/水混合物を減圧下で蒸留した。その生成物を70℃より低い温度まで冷却し、そしてその撹拌されている溶液にNaOH(380g、3.04モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えた。得られた生成物をろ過し、次いでエチレングリコール(504g、80モル)と混合し、そして減圧下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(Ti含有量3.85重量%)を得た。
得られた生成物はエチレングリコールで希釈し、チタン原子換算で2重量%溶液とした。
触媒B.乳酸キレートチタン化合物の合成方法
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた2Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(218g、3.51モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節された。その反応混合物を15分間撹拌し、そしてその反応フラスコに乳酸アンモニウム(252g、2.00モル)の85重量/重量%水溶液を加えると、透明な淡黄色の生成物(Ti含有量6.54重量%)を得た。
得られた生成物をエチレングリコールで希釈し、チタン原子換算で2重量%溶液とした。
(実施例1)
ビスヒドロキシエチルテレフタレート132.3重量部(テレフタルアルデヒド酸0.0012g含有)を250℃、窒素雰囲気下で溶融、攪拌する。(以降、反応系内は全て窒素雰囲気下)その後、テレフタル酸(テレフタルアルデヒド酸0.0012g含有)86.5重量部、エチレングリコール36.5重量部のスラリーをスネークポンプで3.5時間かけて供給し、245℃〜250℃でエステル化反応を実施し、反応率90%で、重合缶へ反応生成物132.3重量部を移行した。酢酸マグネシウム4水和物0.035重量部、触媒A0.025重量部、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(旭電化製:PEP24G)0.09重量部とIRGANOX1010(チバ・ジャパン製)0.09重量部の混合物のエチレングリコール10重量%スラリーをそれぞれ5分間隔で添加し、重縮合反応を開始した。最終到達温度は290℃、真空度は0.1torr未満、重縮合反応時間は2時間30分、リン原子の含有量は65ppmであった。
得られたポリエステル樹脂組成物74重量部、白色化剤として非環状ポリオレフィン系樹脂PMP(ポリメチルペンテン)(三井化学(株)製)20重量部、分散剤として「ハイトレル7247」(東レデュポン(株)製)6重量部を160℃、3.0torr未満、4時間の条件で乾燥後、単軸の押出機を用いて、静電印加キャスト法による二軸延伸を行ったところ、製膜性に問題はなかった。
途中サンプリングした未延伸シートの光吸収損失は400nmで5.2%、560nmで9.1%であり、液晶反射板用フィルムとして好適であった。
(実施例2〜4、6、7、参考例5、参考例11、比較例1,2,4,5)
テレフタルアルデヒド酸、PEP24G、酸化防止剤、マグネシウム化合物、触媒Aの含有量を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物、及び二軸延伸フィルムを得た。
実施例2においては、実施例1に比べてホスファイト化合物の含有量が少ないため、400nm波長での光吸収損失も増大する傾向にあるが、本願の特許請求の範囲内であり、液晶反射板用フィルムとして優れた性能を示した。
実施例3においては、実施例1に比べてホスファイト化合物の含有量が多いため、400nm波長での光吸収損失が減少し、560nm波長での光吸収損失が増大する傾向にあるが、本願の特許請求の範囲内であり、液晶反射板用フィルムとして優れた性能を示した。
実施例4においては、実施例1に比べてテレフタルアルデヒド酸、及びホスファイト化合物の含有量が少ないため、製膜時にオリゴマーによる口金汚れが多くなる傾向にあるが、本願の特許請求の範囲内であり、液晶反射板用フィルムとして優れた性能を示した。
参考例5においては、実施例1に比べて、マグネシウム金属含有量、テレフタルアルデヒド酸、及びホスファイト化合物の含有量が多いため、重合反応が遅延、及びマグネシウム金属起因の着色により、400nm波長および560nm波長の光吸収損失が増大する傾向にあるが、本願の特許請求の範囲内であり、液晶反射板用フィルムとして良好な性能を示した。
実施例6においては、実施例1に比べ、チタン金属量が少なく、マグネシウム金属を含有していないため、400nm波長での光吸収損失は減少する傾向にあるが、重合反応が長くなり、製膜時の静電印加性が悪く、厚みムラが増加する傾向にあるが、液晶反射板用フィルムとして良好な性能を示した。
実施例7においては、酸化防止剤を含有しないため、実施例1に比べ、耐熱性が低下し、400nm波長および560nm波長の光吸収損失が増大する傾向にあったが、液晶反射板用フィルムとして良好な性能を示した。
参考例11においては、実施例1に比べ、アルデヒド酸が多く、ホスファイト化合物の含有量が少ないため、波長400nmでの光吸収損失が増大する傾向にあるが、液晶反射板用フィルムとして優れた性能を示した。
比較例1においては、テレフタルアルデヒド酸の含有量が非常に多いため、400nm波長の光吸収損失も11.0%と液晶反射板用フィルムとして不十分であった。
比較例2においては、テレフタルアルデヒド酸の含有量が少なく、ホスファイト化合物とテレフタルアルデヒド酸のモル比が大きいため、重合反応が遅延し、400nm波長での光吸収損失が10.5%と液晶反射板用フィルムとして不十分であった。
比較例4においては、テレフタルアルデヒド酸に対して、十分なホスファイト化合物を含有していないため、400nm波長での光吸収損失が12.0%と液晶反射板用フィルムとして不十分であった。
比較例5においては、テレフタルアルデヒド酸に対して、過剰のホスファイト化合物を含有しているため、重合触媒であるチタンキレート化合物が失活し、製膜可能な重合度のポリエステル樹脂組成物を得ることができなかった。
(実施例8)
触媒Aの代わりに触媒Bを用いる以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物、二軸延伸フィルムを得た。
その結果、実施例1とほぼ同等の品質を有しており、液晶反射板用フィルムとして優れた性能を示した。
(実施例9、比較例3)
ホスファイト化合物を変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物、二軸延伸フィルムを得た。
実施例9においては、実施例1とほぼ同等の品質を有しており、液晶反射板用フィルムとして優れた性能を示した。
比較例3においては、ホスファイト化合物の代わりに、リン酸を含有しているため、十分な光吸収損失低減効果が得られず、400nm波長での光吸収損失が11.5%と液晶反射板用フィルムとして不十分であった。
(実施例10)
添加順序をホスファイト化合物、チタンキレート化合物、酢酸マグネシウム、酸化防止剤の順に5分間隔で添加する以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹枝組成物、二軸延伸フィルムを得た。
その結果、実施例7と同様に400nmでの光吸収損失が増大する傾向にあったが、液晶反射板用フィルムとして優れた性能を示した。
(比較例6)
重合触媒を触媒Aから三酸化アンチモンに変更する以外は実施例1と同様にしてポリエステル樹枝組成物、二軸延伸フィルムを得た。
その結果、アンチモン金属の析出により、560nmでの光吸収損失が増大し、液晶用反射板フィルムとして不十分であった。
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Claims (8)

  1. 繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル樹脂組成物に対し、チタンキレート化合物をチタン原子換算で1ppm以上10ppm以下、アルデヒド酸を全酸成分に対して0.0002mol%以上0.002mol%以下、アセタール環を有するホスファイト化合物をリン原子換算で20ppm以上150ppm以下含有し、かつ式(I)を満足することを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
    5≦P/AA≦40 (I)
    (但し、P、AAはそれぞれリン原子の含有量、アルデヒド酸の含有量を表し、単位はmol%(ポリエステル樹脂組成物対比)である。)
  2. 酸化防止剤を含有し、かつアセタール環を有するホスファイト化合物と酸化防止剤が下記式(II)を満足する量含有することを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
    0.05≦A/P≦0.5 (II)
    (但し、P、Aはそれぞれリン原子含有量、酸化防止剤の含有量を表し、単位はmol%(ポリエステル樹脂組成物対比)である。)
  3. マグネシウム化合物をマグネシウム原子換算で20ppm以上100ppm以下含有することを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. アルデヒド酸を0.0002mol%以上0.01mol%以下含有するテレフタル酸とエチレングリコールからエステル化反応、重縮合反応を経て、ポリエステル樹脂組成物を製造するに際して、エステル化反応終了後から固有粘度が0.3に到達するまでの間に、重合触媒としてチタンキレート化合物をチタン原子換算(ポリエステル樹枝組成物対比)で1ppm以上10ppm以下で、及び、アセタール環を有するホスファイト化合物をリン原子換算(ポリエステル樹枝組成物対比)で20ppm以上150ppm以下で、かつ式(III)を満足する含有量になるように添加することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
    5≦P/AA≦40 (III)
    (但し、P、AAはそれぞれリン原子の含有量、アルデヒド酸の含有量を表し、単位はmol%(ポリエステル樹脂組成物対比)である。)
  5. 酸化防止剤をアセタール環を有するホスファイト化合物に、下記式(IV)を満足するように混合して添加することを特徴とする請求項4に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
    0.05≦A/P≦0.5 (IV)
    (但し、P、Aはそれぞれリン原子含有量、酸化防止剤の含有量を表し、単位はmol%(ポリエステル樹脂組成物対比)である。)
  6. マグネシウム化合物をマグネシウム原子換算で20ppm以上100ppm以下含有するように反応物の固有粘度が0.3に到達する前に添加することを特徴とする請求項4または5に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  7. ホスファイト化合物と酸化防止剤の混合物をエチレングリコールのスラリーまたは溶液として、20重量%以下の濃度で添加することを特徴とする請求項6に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  8. 請求項1または2のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂組成物からなる液晶反射板用フィルム。
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