JP5442375B2 - 光学素子の製造方法 - Google Patents
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Description
そのため本発明においては、ダイシングによりコーティング層が剥離することを防止できる光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
また、ダイシングシートに複数の基材を貼着した状態のまま基材表面にコーティング層を成膜しているため、複数の基材を一度に成膜可能である。
なお、光学素子とは、平面板、プリズム、又はレンズ等の基材上に、赤外カット層に代表される波長選択フィルタ層、反射層(高反射膜を含む)、又は反射防止層等のコーティング層が成膜されたものをいう。
チッピング面は、ダイシングにより基材の一部が欠けて露出した面であり、その大部分がへき開面からなっている。へき開面は、主に結晶粒界で形成され、切断や研磨により創成された基材の平坦面よりもコーティング層との密着性が高い。したがって、基材の平坦面よりもチッピング面の方が密着性が高くなると考えられる。
本発明で製造された光学素子は、上記構成によりコーティング層がチッピング面の少なくとも一部を覆っているため、密着性の高いチッピング面上にコーティング層の端部が位置することとなり、コーティング層が膜剥がれしにくい構造とすることができる。
これにより、酸素や水、腐食性ガスが基材とコーティング層との間に侵入して、金属性の反射膜が腐食することを防止でき、耐腐食性の高い小型ミラーを製造することが可能となる。
これは、成膜工程で真空蒸着によりコーティング層を成膜しているため、コーティング材料の選択自由度が広がり、また薄膜形成の精度を高くすることができる。
さらに、真空蒸着時に、基材の温度をダイシングシートの耐熱温度未満に維持しているため、ダイシングシートが熱により変形したり、ダイシングシートに塗膜された粘着剤の粘着性が低下したり、あるいは粘着剤が変性したりすることを防止できる。
なお、真空蒸着は、イオンプレーティングを含む。
蒸発材料が蒸発した蒸発粒子は、基材とボートとの間に高周波電力を供給しているため基材近傍でイオン化する。イオン化された粒子を含む蒸発粒子は、基材とボート間に印加された直流電圧により基材表面へ引き寄せられ付着する。
一方、解離した電子は、基材と反対側の蒸発源側に引き寄せられ、ボート上の蒸発材料に集中して衝突するため、低温度で蒸発材料を蒸発させることが可能となる。したがって、基材温度をダイシングシートの耐熱温度以下に維持することが容易となる。
特に、ミラーのようにコーティング層に反射層を含む場合、従来はコーティング層を形成した親基材の切断にレーザー光を用いることはできなかったが、本発明ではコーティング層を成膜する前にダイシングするため、レーザー光を用いたダイシングが可能となる。
洗浄工程は、主にダイシングにより発生した飛散物を除去する目的で行なわれるが、従来は、コーティング層が形成された基材を洗浄していたため、コーティング層が剥離しないような洗浄方法を選択する必要があり、洗浄に高度な技術が必要とされていた。
本発明では、成膜工程の前に、ダイシングした基材を洗浄するため、簡単に洗浄を行なうことができる。また、従来用いることができなかった超音波洗浄等を用いることができるようになり、洗浄方法の自由度が広がる。
また、ダイシングシートに複数の基材を貼着した状態のまま基材表面にコーティング層を成膜しているため、複数の基材を一度に成膜可能である。
さらに、本発明の製造方法で製造される光学素子は、コーティング層がチッピング面の少なくとも一部を覆っているため、密着性の高いチッピング面上にコーティング層の端部が位置することとなり、コーティング層が膜剥がれしにくい構造とすることができる。
したがって、耐久性の高い光学素子を製造することが可能となる。
本発明の実施形態で製造される光学素子は、平面板、プリズム、又はレンズ等の基材上に、赤外カット層に代表される波長選択フィルタ層、反射層(高反射膜を含む)、又は反射防止層等のコーティング層が成膜されたものをいう。例えば、小型ミラー、赤外線カットフィルター、プリズム等の光学デバイスや光学装置に用いられるものが挙げられる。
図1(a)に示すような大判の親基材1を準備し、(b)に示すように親基材1の裏面1bにダイシングシート2を貼着し、(c)に示すように親基材1の表面側をダイシングして複数の基材11に分割するダイシング工程と、
図1(d)、(e)に示すように、ダイシングシート2に貼着した状態のまま、複数の基材11の表面にコーティング層15を成膜する成膜工程と、
図1(f)に示すように、コーティング層15が成膜された複数の基材11をダイシングシート2から取り外すピックアップ工程とを備える。
図1(a)に示す基材1は、表面1aが平坦面となっている。親基材1は、小型ミラーや赤外線カットフィルター等のように平板状の素子を製造する場合には、大判の平板状の親基材1を用いる。プリズム等の柱状の素子を製造する場合には、長尺な柱状の親基材1を用いる。
次いで、図1(c)に示すように、親基材1の表面側をダイサーによりダイシングする。ダイシングは、ダイシングブレードを利用したブレードダイシングであっても、レーザー光を利用したレーザーダイシングであってもよい。レーザーダイシングは、アブレーション加工、ステルスダイシングのいずれを用いることもできる。
真空に維持されたチャンバ51内に、ダイシングシート2に貼り付けた状態の親基材11を配置する。チャンバ51内には、反射層16の材料である蒸発材料52を収納したるつぼ53が設置されている。
そして、加熱ヒータ55により基材11を加熱した状態で、電子銃54により電子ビームを蒸発材料52に照射して蒸発させる。蒸発材料52は、基材11の表面11aに蒸着するとともに、ダイシングシート2に貼り付けられた基材11と基材11の間の切断目5に間隙が存在するため、基材11のチッピング面13の少なくとも一部を覆うように蒸着する。このように蒸発材料が基材11に蒸着して反射層16が形成される。なお、蒸着時は、親基材1の温度がダイシングシートの耐熱温度未満となるように、電子銃54を制御する。
反射層16を形成した後、反射層16の材料である蒸発材料52が収納されたるつぼ53を、保護層17の材料である蒸発材料52が収納されたるつぼ53と入れ替えて、上記と同様にして真空蒸着して保護層17を形成する。
一方、解離した電子は、基材11と反対側の蒸発源69側に引き寄せられ、ボート61上の蒸発材料69に集中して衝突するため、低温度で蒸発材料69を蒸発させることが可能となる。したがって、基材温度をダイシングシート2の耐熱温度以下に維持することが容易となる。
このイオンプレーティング装置60の詳細な構成、及びこれを用いた具体的な成膜方法については、後述する。
これにより、真空蒸着時に、ダイシングシート2が熱により変形して、基材11がダイシングシート2から剥がれたり傾いたりして成膜精度が低下することを防止できる。また、ダイシングシート2に塗膜された粘着剤は、耐熱温度以上の熱により粘着性が低下したり劣化又は変性したりすることが考えられる。耐熱温度以上でダイシングシート2から剥がれたり傾いたり、あるいは紫外線剥離型樹脂の場合には紫外線を照射しても取り外せなくなる可能性がある。したがって、基材3をダイシングシート2の耐熱温度未満とすることで、これらの不具合が引き起こされることなく成膜を行なうことが可能となる。一般に、ダイシングシート2に用いられる樹脂シートは、耐熱性が75℃程度であるものが多い(図6参照)。したがって、基材11の温度を75℃未満、好適には70℃未満に維持することが好ましい。
小型ミラーを製造する時は、基材11上に、少なくとも金属性の反射層16と耐腐食性を有する保護層17とを順に成膜する。小型ミラーを製造する時のコーティング層15の詳細な説明は後述する。
これにより、図5(a)、(b)に示すように、基材11の表面11a全面を被覆するとともに、基材11の表面11aからチッピング面13の少なくとも一部を被覆するように延在したコーティング層15が形成された小型ミラー10が製造できる。
また、ダイシングシート2に複数の基材を貼着した状態のまま基材表面11aにコーティング層15を成膜しているため、複数の基材11を一度に成膜可能である。
さらに、本発明の製造方法で製造される光学素子は、コーティング層15がチッピング面13の少なくとも一部を覆っているため、密着性の高いチッピング面13上にコーティング層15の端部が位置することとなり、コーティング層15が膜剥がれしにくい構造とすることができる。
したがって、耐久性の高い光学素子を製造することが可能となる。
このように、成膜工程の前に、ダイシングした基材を洗浄することにより、簡単に洗浄を行なうことができる。また、従来用いることができなかった超音波洗浄等を用いることができるようになり、洗浄方法の自由度が広がる。
コーティング層15は、基材11側から順に密着性向上層18、反射層16、中間層19、保護層17、撥水層(図示略)のうち少なくとも反射層16と保護層17とを含み、その他の層を選択的に有する。
図7(B)に示す小型ミラーは、基材11の平坦面11aに、基材11側から順に密着性向上層18a、密着性向上層18b、反射層16、保護層17が積層されてコーティング層15が形成されている。
図7(C)に示す小型ミラーは、基材11の平坦面11aに、基材11側から順に密着性向上層18a、密着性向上層18b、反射層16、中間層19、保護層17が積層されてコーティング層15が形成されている。
撥水層は、主に水分の浸透を効果的に防止し、小型ミラーの耐腐食性及び耐久性をより向上させる機能を有する。撥水層は、例えば、フッ素化合物、あるいはフッ素及びケイ素を含有する化合物によって形成させることが好ましい。その膜厚は、15〜40nmであることが好ましく、これにより上記機能を効果的に発揮する。
図4に示すイオンプレーティング装置60におけるチャンバ71内の下部には、蒸発材料69を収容保持して加熱蒸発させるためのボート61が配置されている。また、ボート61による加熱の代わりに電子銃79により電子ビームを照射して蒸発材料69を蒸発させる、るつぼ78も配置されている。この蒸発材料69を保持したボート61又は蒸発材料69を保持したるつぼ78を蒸発源と称する。この蒸発源に対向するように、チャンバ71内の上部には、基材11を保持するための基材保持部62が設けられている。密着性向上層を形成するための蒸発材料69としては、Cu、Cr、CrO、Cr2O3、Y2O3、La2Ti3O8、SiO2、TiO2、又はAl2O3を用いることができる。基材保持部62は、ダイシングシート2に貼着された状態の複数の基材11を保持するようになっている。密着性向上層を成分の異なる多層にする場合は、これらの金属又は金属酸化物の層(薄膜)を以下に述べる方法により基材11の上に順次形成する。
すなわち、蒸発速度=(加熱による蒸発速度)+(デポジションアシスト効果による蒸発速度)が保たれ、デポジションアシスト効果が大きくなると、蒸発源からの輻射熱は抑えられ、基材11への影響が小さくなるので、基材11の温度を上昇させないで薄膜の形成ができ、本実施形態の場合70℃以下の温度を保持しながらコーティングを持続できる。したがって、蒸着時にダイシングシート2の耐熱温度以下となるように基材11温度を維持できる。
(実施例)
ダイシング工程では、親基材1として、表面1aが76mm×76mm、厚さ0.1mmのガラス研磨品を用い、親基材1の表面1aにダイシングシート2を貼着して、ブレードダイシングにより親基材1をダイシングし、表面11aが3mm×3mmの基材11に分割した。ダイシングシート2は、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる樹脂シートにアクリル系の紫外線剥離型粘着剤が塗膜されたものを用いた。このダイシングシート2は、樹脂シートの耐熱温度120℃、粘着剤の耐熱温度80℃である。
ダイシング工程の後、洗浄工程を行なった。洗浄工程では、ダイシングシート2に貼着した状態のまま基材11を純水により洗浄した。
成膜工程では、ダイシングシート2に貼着された複数の基材11を、図4に示すイオンプレーティング装置60を用いて、基材11上に下記(1)〜(4)の順に各層を積層し、小型ミラーを製造した。
(1)密着性向上層18:クロム(Cr)(厚さ20nm)及び銅(Cu)(厚さ60nm)の2層を、この順に積層した。
(2)反射層16:銀−ビスマス(Ag−Bi)合金(株式会社コベルコ科研製「Ag−1.0at%Bi合金(ビスマス:1.9wt%)」)(厚さ120nm)
(3)保護層17:フッ化マグネシウム(MgF2)(厚さ54.1nm)、酸化イットリウム(Y2O3)(厚さ20nm)、MERCK社製Substance H5 Patinal(商標)(LaTixOy)(厚さ49.5nm)の3層を、この順にAg−Bi層上に積層した。
(4)撥水層:MERCK社製Substance WR1 Patinal(商標)(フッ化ケイ素化合物)(厚さ20nm)をLaTixOy層上に積層した。
蒸発材料69:Cr、Cu(まずCr膜を下記操作により形成後、Cu膜を同操作によってCr膜上に形成した)
チャンバ71内への導入ガス:アルゴンガス
高周波電力供給電源65からの基材保持部62への印加電力:周波数13.56MHzで31.6mW/cm2(基材保持部62の単位面積当たりの印加電力)
直流印加電源66:陰極側を基材保持部62に接続し、陽極側をボート61に接続
直流印加電源66から基材保持部62への印加電圧:200V
チャンバ71:接地されていない電気的に浮遊状態
チャンバ71内の真空度:1.5×10−3Pa以下
密着性向上層の形成速度:3Å/秒(Cr)、6Å/秒(Cu)
蒸発源の加熱:加熱電源63により抵抗加熱
このようにして、厚さ20nmのCr膜及び厚さ60nmのCu膜からなる2層の密着性向上層18を、基材11上に形成した。
蒸発材料69:Ag−Bi
チャンバ71内への導入ガス:アルゴンガス
高周波電力供給電源65からの基材保持部62への印加電力:周波数13.56MHzで31.6mW/cm2(基材保持部62の単位面積当たりの印加電力)
直流印加電源66:陰極側を基材保持部62に接続し、陽極側をボート61に接続
直流印加電源66から基材保持部62への印加電圧:200V
チャンバ71:接地されていない電気的に浮遊状態
チャンバ71内の真空度:1.5×10−3Pa以下
反射層の形成速度:10Å/秒
蒸発源の加熱:加熱電源63により抵抗加熱
このようにして、厚さ120nmのAg−Bi膜からなる反射層16をCu膜上に形成した。
蒸発材料69:MgF2、Y2O3、LaTixOy(この順で形成)
チャンバ71内への導入ガス:アルゴンガス(MgF2)、酸素ガス(Y2O3、LaTixOy)
高周波電力供給電源65からの基材保持部62への印加電力:周波数13.56MHzで52.6(MgF2成膜時)、又は100(Y2O3成膜時)、又は80(LaTixOy成膜時)mW/cm2(基材保持部62の単位面積当たりの印加電力)
直流印加電源66:陰極側を基材保持部62に接続し、陽極側をボート61に接続
直流印加電源66から基材保持部62への印加電圧:250V(MgF2)、400(Y2O3)、300(LaTixOy)
チャンバ71:接地されていない電気的に浮遊状態
チャンバ71内の真空度:1.5×10−3Pa以下
保護層の形成速度:8Å/秒(MgF2)、2Å/秒(Y2O3、LaTixOy)
蒸発源の加熱:加熱電源63により抵抗加熱又は電子ビーム加熱
このようにして、膜(MgF2)、膜(Y2O3)及び膜(LaTixOy)からなる3層の保護層17を、基材11上に形成した。
蒸発材料69:MERCK社製Substance WR1 Patinal(商標)
チャンバ71内への導入ガス:無
撥水層の形成速度:7Å/秒
撥水層の形成時には導入ガスを使用していないので、ガス供給量は0であり、チャンバ内の真空度は5.0×10−2Pa以下である。
最初に成膜工程を行なった。成膜工程では、図4に示すイオンプレーティング装置60を用いて、親基材1上に、実施例と同様に上記(1)〜(4)の順に各層を積層してコーティング層15を形成した。親基材1は、表面1aが76mm×76mm、厚さ0.1mmのガラス研磨品を用いた。コーティング層15の構成は実施例と同様である。
成膜工程の後、ダイシング工程を行なった。ダイシング工程では、イオンプレーティング装置60からコーティング層15が形成された親基材1を取り出し、ダイシングブレードにより親基材1をダイシングし、表面1aが3mm×3mmの基材11に分割した。
洗浄工程の後、ピックアップ工程を行なった。ピックアップ工程では、ダイシングシート2に紫外線を照射して粘着剤を剥離させ、吸引コレットにより上記各層からなるコーティング層15が形成された基材11をピックアップした。
(1)高温高湿条件は、実施例と比較例の小型ミラーを、温度48.9℃、湿度95%の空間に入れて24時間放置した。
(2)高温高湿条件は、実施例と比較例の小型ミラーを、温度60℃、湿度90%の空間に入れて100時間放置した。
(3)高温条件は、実施例と比較例の小型ミラーを、温度140℃の空間に入れて72時間放置した。
(4)低温条件は、実施例と比較例の小型ミラーを、温度−25℃の空間に入れて72時間放置した。
(5)温度サイクル条件は、実施例と比較例の小型ミラーを、温度60℃の空間に入れて3時間放置した後に1時間冷却し、さらに温度25℃の空間に入れて3時間放置した後に1時間冷却する8時間の温度サイクルを6回繰り返した。
(6)塩水噴霧条件は、実施例と比較例の小型ミラーに、塩分濃度5%の水を噴霧した後、温度35℃の空間に入れて24時間放置した。
図10は、小型ミラーの信頼性試験の結果を示す表である。この表の中で、Aは変化なしの場合、Bは膜の変色および腐食ありの場合、Cは膜の欠落、膜浮きありの場合を示している。
図11は、信頼性試験後の小型ミラーを撮影した写真であり、(a)はコーティング層が変色および腐食した状態、(b)はコーティング層が腐食して膜浮きした状態を示す。
(6)塩水噴霧条件では、実施例の小型ミラーはコーティング層の変色と腐食が見られ、実施例の小型ミラーは欠落や膜浮きが見られた。この結果から、塩水噴霧条件では実施例の小型ミラーでも一部変色と腐食が発生したが、比較例の小型ミラーは同条件でコーティング層の欠落や膜浮きが発生している(図11(b)の写真)ため、塩水噴霧条件においても実施例の小型ミラーの方が比較例の小型ミラーより耐腐食性が優れていることがわかる。
このように、信頼性試験の結果からも本発明の小型ミラーは従来の小型ミラーに比べて高い耐腐食性を有していることが明らかである。
2 ダイシングシート
11 基材
15 コーティング層
16 反射層
17 保護層
18、18a、18b 密着性向上層
19 中間層
50 真空蒸着装置
51 チャンバ
52 蒸発材料
53 るつぼ
54 電子銃
55 加熱ヒータ
60 イオンプレーティング装置
61 ボート
62 基材保持部
65 高周波電力供給電源
66 直流電圧印加電源(DC)
69 蒸発材料
71 チャンバ
74 真空ポンプ
78 るつぼ
79 電子銃
80 制御装置
Claims (6)
- 基材上にコーティング層が形成された光学素子の製造方法において、
親基材の裏面にダイシングシートを貼着し、前記親基材の表面側をダイシングして複数の前記基材に分割するダイシング工程と、
前記ダイシング工程を行なった後、前記ダイシングシートに貼着された複数の前記基材の表面に前記コーティング層を成膜する成膜工程と、
前記コーティング層が成膜された複数の前記基材を、前記ダイシングシートから取り外すピックアップ工程とを備えることを特徴とする光学素子の製造方法。 - 前記光学素子が小型ミラーであり、
前記成膜工程で、前記コーティング層として金属性の反射膜と耐腐食性を有する保護層とを順に成膜することを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。 - 前記成膜工程では、前記基材の温度を前記ダイシングシートの耐熱温度未満に維持しながら真空蒸着により前記基材に前記コーティング層を成膜することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子の製造方法。
- 前記成膜工程は、真空に維持されたチャンバ内に、前記ダイシングシートに貼着された複数の前記基材を配置し、複数の前記基材と前記コーティング層の蒸発材料を収納したボートとの間に高周波電力を供給するとともに直流電圧を印加しながら前記コーティング層を蒸着することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
- 前記ダイシング工程で、前記親基材をレーザー光によりダイシングすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
- 前記成膜工程の前に、前記ダイシングシートに複数の前記基材が貼着された状態で、前記基材を洗浄する洗浄工程を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。
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