JP5442241B2 - 容器のガス置換方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、飲料缶等の内容物充填容器のヘッドスペースに不活性ガスを吹き込んでヘッドスペース内の残存気体を置換するガス置換方法及びその装置に関する。
従来、内容物が充填された容器(以下、代表的な容器として缶の場合について説明する)のヘッドスペースの残存気体を置換ガス(代表的には窒素ガス等の不活性ガス)に置換するガス置換方法として、図7に示すように蓋の巻締直前にガスターレット1とシーミングターレット2との間で缶30に蓋33が被さる直前に蓋と缶開口部との間に水平方向から置換ガスを吹き込んで置換する方法(いわゆる、アンダーカバーガッシング法)が知られている。アンダーカバーガッシングにおける置換ガスは、ガスターレット1の円弧状凹部(ポケット)3の内周面から缶開口部と蓋との隙間に向けて水平方向に噴射されるため、大部分の置換ガスが缶内部に入らずに缶と蓋の間を通過してしまい、置換効率が悪いという問題点があり、従来、水平方向に噴出される置換ガスをなるべく缶内及び蓋下面に指向させてガス置換効率を高めるようにする等、種々の工夫が提案されている。
例えば、置換ノズルへの置換ガス流路を大きく形成して(いわゆるバッファを設けて)ノズルの吹き出し孔群を、缶蓋のフランジに向けて置換ガスを吹き出す第1ガス噴流用孔、缶に対して直角方向に蓋下の空間中に吹き出す第2ガス噴流用孔、及び缶口縁より下にある壁部分に対して吹き出す第3ガス噴流用孔を縦方向に3段に設けたもの(特許文献1参照)、置換ガス噴射流路中央部にガス流を左右に分岐する分岐体を設けて左右にノズルを形成することにより、一対のノズルから噴射する置換ガスを缶内上部空間中心部で衝突させることによって、置換ガスを缶のヘッドスペースの液面に指向させるようにしたもの(特許文献2参照)、置換ガス噴射流路内にガイド板を設け、噴射口から吹出した置換ガス流が缶上部空間内に旋回流を形成するようにしたもの(特許文献3参照)、さらに左右一対の吹き出し口から吹き出した置換ガスを略直線上の衝突領域で衝突させるようにしたもの(特許文献4、5参照)等が提案されている。
特公昭49−28627号公報 特開平8―324513号公報 特開2000―219213号公報 特開2004−59016号公報 特開2005−59885号公報
容器のガス置換方法において、最も理想的なガス置換方法は、容器内の残存酸素量、置換ガスの消費量、置換時における容器からの液こぼれ量の3量を同時に低減できることであり、従来提案されている方法は何れもこの理想的な技術課題達成を目的とするものであるが、これらの課題は技術的に相反し、一方の要求を満たせば他の要求を犠牲にしなければならず、3量を同時に達成することは困難で、未だ満足するものが得られていない。例えば、上記特許文献1の方法によれば、置換ガス流量を多くすれば残存酸素量の低減(即ち、置換率の向上)は満足するものが得られるが大量の置換ガスを消費するという問題がある。一方、特許文献2〜5に示す方法では、容器内に旋回流の形成、又は中心部あるいは中心線に沿って噴流を衝突させることによって、置換ガス流を液面に衝突させて、液面近傍に効果的に置換ガスを供給して置換効率を高めるものであるが、置換効率を高めるためには置換ガス噴流の速度を高める必要があるため、液面に衝突する置換ガス流の衝撃により液こぼれが発生し易いという問題点がある。アンダーカバーガッシングは直線軌道から円軌道に乗り移る不安定なところで行なわれ、しかも近年毎分1000〜2000缶の高速生産が行なわれているので、僅かな衝撃でも液こぼれが生じやすいという問題があり、上記提案の方法では未だ満足に液こぼれ量を低減させるに至っていない。
そこで、本発明は、従来達成できなかった上記課題、即ち、残存酸素量、置換ガスの消費量、置換時における缶からの液こぼれ量の3量を同時に満足できるほど低減できるガス置換方法およびその装置を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題を達成するために、従来のガス置換方法において、上記課題を満足に達成できない原因について鋭意研究した結果、次のようなことが判明した。
(1)ノズルから噴射するガス流が容器開口部に向けて中心部で衝突させることは、置換ガス流を上下方向に偏向させて置換ガス流が液面を叩き液面近傍に存する残存空気を追い出して置換ガスと置換するのに効果的であるが、置換ガスを速い流速でヘッドスペースに吹き込むことで置換ガスが液面を叩く衝撃が強くなり、液こぼれを生じさせている。それを減少させるためには、置換ガスの流速を遅くすることが考えられるが、ノズルの限られた開口面積(範囲)から所定量の置換ガスを所定時間に噴射するためには、所定の流速を確保する必要がある。
(2)アンダーカバーガッシングで、従来図5に示すように、缶ヘッドスペースの缶進行方向両端近傍(ノズルの両端部前方)Sに渦6が発生し、それが淀みとなって置換効率を低下させている。
(3)ヘッドスペースへの置換ガス吹き込み時に、置換ガスが缶ネック部外周面に存在する空気の巻き込みが起きて、ヘッドスペースの置換率向上に弊害となっている。
以上の原因を解決するためにさらに研究した結果、液こぼれを発生させないためには、ノズルから容器中心部を通って外方に向けて直進する主ガス噴射流を形成し、それに両側から対称に所定角度を有する副ガス噴射流を衝突させることによって、液面側に下降する置換ガス流の流速を弱め液面に衝突する衝撃を緩和できることを知見した。また、(2)の原因は、周方向のノズル開口範囲を従来よりも広くすることによって、前記箇所への渦が生じることを解消できることを知見した。さらに、(3)の原因は、ノズルの開口高さ方向長さを所定範囲にすることによって減少できることを知見した。また、(2)(3)の手段を採用することによって、結果的に噴射ガス流が従来よりも遅くなり、流入時の空気の巻き込みを減らすと共に所定時間内に所定の残存酸素量以下にすることが可能となり、(1)の手段と相まってより液こぼれ量を低減させることができることを知見した。
本発明は、以上の知見に基づき到達したもので、次の各構成からなる。
即ち、上記課題を達成する本発明の容器のガス置換方法は、内容物充填容器のヘッドスペースに置換ガスを吹き込んでヘッドスペース内の残存気体を置換するガス置換方法において、置換ノズルより吹き込む置換ガス流が、容器開口縁部から開口部中心を通って外部に向けて吹き出す主ガス噴射流と、容器開口部中心に対して所定角度を有して前記主ガス噴射流を挟んで対称に吹き出す副ガス噴射流を形成し、前記主ガス噴射流と前記副ガス噴射流を衝突させてガス置換を行うようにしてなり、前記主ガス噴射流に対して所定角度で対称に吹き込まれる副ガス噴射流間の噴射角度が100゜〜130゜であることを特徴とするものである。
また、上記置換方法を達成する本発明に係る容器のガス置換装置は、内容物充填容器のヘッドスペースに置換ガスを吹き込んで残存気体と置換するガス置換装置において、容器開口縁部から開口部中心を通って外部に向けて置換ガスを吹き出す主ガス噴射流路と、容器開口部中心に対し所定角度を有して前記主ガス噴射流路を挟んで主ガス噴射流に対して対称に置換ガスを吹き出す副ガス噴射流路を有し、前記主ガス噴射流路と副ガス噴射流路の開口は容器開口上部と容器上部にガスを噴射するように高さ方向に所定長さを有し、かつ前記副ガス噴射流路からの対向する置換ガスの吹き出し方向のなす角度が100°〜130゜であることを特徴とするものである。
容器のガス置換方法及び装置において、前記主ガス噴射流に対して所定角度で対称に吹き込まれる副ガス噴射流間の噴射角度は100゜〜130゜であることが望ましい。このように噴射角度を大きくすることによって、ヘッドスペース内にガスの淀みが生じることを防止できる。噴射角度が100゜より小さいと従来の置換ノズル体と同様になり、ヘッドスペースの渦発生の抑制効果が少ない。また、上限はより大きい角度の方が望ましいが、ガスターレットの構造上制約から130゜以上にすることは困難である。前記ガス置換方法及び装置は、缶巻締機のアンダーカバーガッシング方法及び装置に好適に適用でき、その場合、前記置換ノズルより吹き込む置換ガス流を、缶蓋高さと缶ネック部の長さの1/3との合計より長い高さ方向の開口を有するノズルより吹き出すようにすることが望ましい。
そして、ガス置換装置が缶巻締機のアンダーカバーガッシング装置において、前記アンダーカバーガッシング装置のガスターレットのポケットの両側に設けられた一対のフィンガーをノズル体の前記副ガス噴射流路の上面位置に設けるように工夫することによって、ポケットに面するノズル体の噴射開口を広げて、副ガス噴射流路の角度を110゜以上にすることを可能としている。
請求項1及び請求項に記載の発明によれば、主ガス噴射流に両側から対称に所定角度を有する副ガス噴射流を衝突させることによって、主ガス噴射流が缶蓋のチャックウォールに衝突して下降する置換ガス流や副ガス噴射流同士が衝突して液面側に下降する置換ガス流の流速を弱めることができ、液面に衝突する衝撃を緩和でき、効果的にガス置換ができると共にヘッドスペースからの液こぼれを減少させることができる。したがって、本発明によれば、従来の櫛歯型ノズルに比較して、同一の置換ガス使用量で残存酸素量、液こぼれ量を共に減少させることができる。
また、前記主ガス噴射流に対して所定角度で対称に吹き込まれる副ガス噴射流間の噴射角度が100゜〜130゜と大きくすることによって、ヘッドスペース内にガスの淀みが生じることを防止でき、置換率を高めることができる。また、置換ノズル範囲が拡大することによって、その分所定量の置換ガス量をヘッドスペースに吹き込むのに、流速を低くすることが可能であり、液こぼれ抑制に効果がある。
さらに、請求項2、に記載の発明によれば、缶ネック部外周面を置換ガス雰囲気にすることができ、ヘッドスペースへの置換ガス吹き込み時に、缶ネック部外周面からの空気の巻き込みが少なくなり、ヘッドスペースの置換率向上に有効である。
また、請求項の構成にすることによって、置換ノズルの周方向の開口角度(中心部に対する噴射角度)を従来よりも大きくすることが構造的に可能となった。
以下、本発明の実施形態を図面を基に詳細に説明する。
図1は、本発明のガス置換装置の実施形態に係るアンダーカバーガッシング装置の要部平面断面図であり、図7に示すガスターレット1の円弧状凹部(ポケット)3に面するように設けられる。図2に示すようにガスターレット1のガスターレット本体10の上面にノズル体11が固定され、該ノズル体の内部に各円弧状凹部3に通じる置換ガス流路12が形成されている。
本実施形態では、置換ガス供給口14に至る置換ガス流路12は、置換ガス量を少なくするため、図3に示すように、略等高さのストレートに形成され、途中でのバッファは設けられていない。該置換ガス流路12は、先端部は複数の風向調整板13によって仕切られて、円弧状凹部3に面して複数の置換ガス噴射流路を形成している。本実施形態の噴射流路は、中央部は置換ガスが直進して缶開口中心を通って反対側に抜けるように置換ガスを噴出する主ガス噴射流路15となっており、該主ガス噴射流路15を挟んで容器開口部中心に対して所定角度を有して対称に形成された副ガス噴射流路16から形成されている。副ガス噴射流路16は、少なくとも円弧凹部の最外側近傍に位置して形成され、本実施形態では該副ガス噴射流路16と中心上の主ガス噴射流路15との間をさらに複数の中間副ガス噴射流路17を形成しているが、中間副ガス噴射流路17は必ずしも形成しなくてもよい。
そして、本実施形態においては、副ガス噴射流路16は、円弧状凹部中心に対して置換ガス吹き出し角度θを120゜と大きく形成してあることが、従来装置と比べて最も大きく相違しているところである。即ち、従来放射状に噴射流路を配置したノズルの吹き出し角度は、最大で100゜以内である。本発明者は、前記した図5に示すように、従来のアンダーカバーガッシング方法ではノズル吹き出し口基部外側位置Sの容器開口部に渦6が発生し、その部分にガスの淀みが生じガス置換が良好に行われない点、及びガス置換時に発生する液こぼれが発生する点を解決する手段として、吹き出し口の開口面積(吹き出し角度)を大きくすることによって、これらの問題点が解決できることを見出した。しかしながら、従来のガスターレット1は、図5、図6に示すように、ガスターレット本体10の円弧状凹部3の両端部にポケット外周縁に載った缶蓋33をポケットに位置決めして搬送するためにフィンガー4が設けられ、その間にノズル体5が設けられているため、ポケット周面に配置する噴出しノズルの設置範囲は自ずと制限を受け、最大で100゜以内しか設置できず、通常80゜程度にしか形成されていない。
そこで、本発明では置換ノズルの設置範囲を広げるために、従来のフィンガー4をターレット本体10上から除去して、従来のフィンガー4、4が位置している位置まで、置換ノズルの範囲を広げたノズル体を形成し、図1、2に示すようにノズル体11の上にフィンガー4、4を設けた。それにより、置換ノズルの範囲を120゜まで拡大することができ、副ガス噴射流路16を中心に向けて対向角度が120゜となるように形成することができた。それにより、噴射流路面積を拡大できて同一流量の置換ガスを噴射する場合の流速を遅くすることにより空気の巻き込みを減らすと共に、ヘッドスペースの渦の発生を抑制することができた。
さらに、本発明では、置換ノズルからの置換ガス吹き込み時に図4に示すように缶胴のネック部外周部に位置する空気の巻き込み量を減少させるために、該ネック部31の外面近傍を置換ガス雰囲気を形成できるように、置換ガスがノズルの噴出し口の高さを従来の櫛歯型ノズルに比べて高さを大きくした。該ガス噴射流路の高さ、即ちガス流路の高さ方向の長さhは、図3に示すように蓋高をa、缶ショルダー部寸法をbとすると、a+b/3≦h≦a+b/1.5の関係を満たす範囲が望ましい。ガス流路の高さ方向の長さhが上記範囲よりも低いと、噴射流速が早くなり、液こぼれが発生し易くなると共に、外気の巻きこみ量が増えて置換率が向上し難くなる不都合が発生し、逆に上記範囲より高い(大きい)と置換ガス消費量が増えてしまうので、上記範囲が望ましい。
本実施形態のガス置換装置は、以上のように構成され、副ガス噴射流路16からの置換ガス噴出し方向のなす角度が120゜と従来と比べて特段に広くしたことによって、前述したようにノズル外方端部近傍Sでの渦の発生がなくなり該近傍での流れの淀みが無くなり、少ない置換ガス量で効率よく置換を行うことができるようになった。また、ノズルの開口角度を大きくしたことにより、その分開口面積を大きくすることができたため、置換ガス流の平均流速が遅くなり、液こぼれ量が少なくなった。また、置換ガス流の平均流速が遅くなったことにより、置換ガスにより外部空気の巻き込みも少なくなって、残存酸素量の低減に効果を奏している。
なお、置換ガスには、通常窒素や炭素ガスなどの不活性ガスが用いられる。
本実施形態におけるガス置換は、より詳しくは以下のメカニズムによって、より効果的に行なうことができる。
主ガス噴射流路15から噴射された主噴射ガス流は、図4に示すように、高さ方向中心部は略直進しながらヘッドスペース内のガスを缶外に押し出して缶外に抜ける。同時に左右の副ガス噴射流路16から噴射された副ガス噴射流21は缶の略中心部で衝突して下降流となり、液面に広がり液面を叩くが、従来の中心直進流がなく放射流のみの場合と比べて、主ガス噴射流20と衝突することによって副ガス噴射流の衝突衝撃が主ガス噴射流によって緩和され、また、主ガス噴射流が缶蓋のチャックウォールに衝突して下降する置換ガス流を両側から対称に吹き込む副ガス流によって緩和され、その分液面を叩く衝撃が弱く液はねや液こぼれを少なくすることができる。
また、本発明では、噴射流路の高さ方向長さhが、缶蓋高さaと缶ネック部の長さbの1/3よりも高く形成されているため、図4に示すように、主ガス噴射流20及び副ガス噴射流21ともそのノズル開口上方部から噴射するガス流は缶蓋33のチャックウォール34にあたってからヘッドスペースに進入して液面を叩くが、本発明の場合は前述のようにノズルの開口面積が大きいため、その分流速が遅いので、それにより液面を叩く衝撃は少なく、液こぼれを生じることなく、液面及び缶内周面近傍のガス置換を効率よく行うことができる。一方、ノズル開口下方部からのガス流は缶のネック部31外周面に当たり、該近傍を置換ガス雰囲気にすることによって、缶内への外気の吸い込みを防ぐことができる。
本発明の作用効果を確認するため、以下のような設定条件で、上記実施形態に示す缶巻締装置でアンダーカバーガッシングを行う場合、また比較例として従来の櫛歯型ノズルで行う場合、及び櫛歯型ノズルでバッファが設けられているノズル体について、置換ガス噴射時間に対する残存エアー量、液こぼれ量の変化をそれぞれ数値解析により分析して評価を行った。
実施例:
(1)ガス置換装置
一対の副ガス噴射流路16の角度:120゜
ガス流路の高さ:h=12mm
(2)ガス置換条件
缶形状:胴部直径66mm、開口部直径60mm、缶ショルダー部高さ18mm
缶蓋形状:蓋高さ7mm
内溶液の種類及びその量: 脱気水350g、
ヘッドスペース容積:19.2ml
置換ガス種:炭酸ガス
(3)測定法
残存エアー量:ヘッドスペースの初期設定のエアーとして、ヘッドスペースの単位時間ごとの炭酸ガス濃度から計算
液こぼれ量:缶フランジ部に面を作成して通過する液体の流量を積算した。
その結果を図8、図9に示す。図8は、置換ガス流量を、450Nl/min、600Nl/min、900Nl/minと変化させた場合のヘッドスペースの残存エアー量、液こぼれ量の変化を示している。図9は、置換ガス流量900Nl/minで行なった場合の液こぼれ量とヘッドスペース内の残存エアー量(ml)を示す。
比較例:
比較例として従来の櫛歯型ノズルで行う場合(比較例1)、及び櫛歯型ノズルでバッファが設けられているノズル体で行なう場合(比較例2)について、実施例と同一条件および同一方法で、置換ガス噴射時間に対する残存エアー量、液こぼれ量の変化をそれぞれ数値解析により分析して評価を行った。その結果を実施例と共に、図8、図9のグラフに示す。図8は比較例2のノズル体により、600Nl/min、900Nl/min、1200Nl/minと変化させて行なった場合のヘッドスペースの残存エアー量、液こぼれ量の変化を示している。図9は、比較例1が置換ガス流量900Nl/minで行なった場合、比較例2が置換ガス流量900Nl/minと1200Nl/minの場合の液こぼれ量とヘッドスペース内の残存エアー量(ml)を示す。
図8のグラフにおいて、▲は実施例、●は比較例2を示し、図9のグラフにおいて、△は実施例、○は比較例2(900Nl/min)、●は比較例2(1200Nl/min)、■は比較例1の場合をそれぞれ示している。
図8のグラフより明らかなように、実施例の場合は、流量600Nl/minで比較例2の場合の噴射流量900Nl/minの場合よりも残存エアー及び液こぼれ量とも著しく低減している。同様に、実施例で900Nl/min噴射した場合は、比較例で1200Nl/min噴射した場合よりも残存エアー量及び液こぼれ量とも低減しており、比較例2で実施例と同等の残存エアー量に低減させるためには、実施例より約30%増の置換ガス量を使用しなければならないことが分かる。
一方、図9のグラフにおいては、実施例、比較例とも置換ガス噴射量900Nl/minと同じ量の置換ガスでガス置換を行った場合、残存エアー量及び液こぼれ量は、実施例の場合が比較例1、2と比較して液こぼれ量、残存エアー量とも特段に減少していることが分かる。以上の解析から、本発明に係るガス置換方法および装置は、従来のガス置換方法および装置と比較してその有用性が確認された。
本発明は、内容物充填容器のヘッドスペースに置換ガスを吹き込んで残存気体と置換するガス置換方法及び装置として利用でき、特に缶詰のアンダーカバーガッシング装置として、置換ガス量、液こぼれ量、残存酸素量の低減に有効であるが、缶容器のガス置換に限らず、例えばボトル状容器の蓋密封直前のガス置換装置やカップ状容器の蓋材のヒートシール前のガス置換装置としても適用可能である。
本発明の実施形態に係るガス置換装置の平面模式図であり、フィンガー部を除き置換ガス流路部は平面断面を示している。 そのA−A矢視図である。 本発明の実施形態に係るガス置換装置の缶体及び缶蓋との関係を示すノズル体断面図である。 本発明の実施形態に係るガス置換装置のガス置換時の置換ガスの流れを示す模式図である。 比較例の櫛歯型のノズルの場合の図1相当図である。 図5のB−B矢視図である。 缶巻締装置におけるアンダーカバーガッシング装置の平面配置を示す概略図である。 実施例及び比較例2における置換ガス流量に対する残存エアー量、液こぼれ量の関係を示すグラフである。 実施例及び比較例1、2における置換ガス流量を一定とした場合の、残存エアー量、液こぼれ量の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 ガスターレット 2 シーミングターレット
3 円弧状凹部(ポケット) 4 フィンガー
5 ノズル体 6 渦
10 ガスターレット本体 11 ノズル体
12 置換ガス流路 13 風向調整板
14 置換ガス供給口 15 主ガス噴射流路
16 副ガス噴射流路 17 中間副ガス噴射流路
20 主ガス噴射流 21 副ガス噴射流
30 缶 31 ネック部
33 缶蓋 34 チャックウォール

Claims (5)

  1. 内容物充填容器のヘッドスペースに置換ガスを吹き込んでヘッドスペース内の残存気体を置換するガス置換方法において、置換ノズルより吹き込む置換ガス流が、容器開口縁部から開口部中心を通って外部に向けて吹き出す主ガス噴射流と、容器開口部中心に対して所定角度を有して前記主ガス噴射流を挟んで対称に吹き出す副ガス噴射流を形成し、前記主ガス噴射流と前記副ガス噴射流を衝突させてガス置換を行うようにしてなり、
    前記主ガス噴射流に対して所定角度で対称に吹き込まれる副ガス噴射流間の噴射角度が100゜〜130゜であることを特徴とする容器のガス置換方法。
  2. 前記ガス置換方法が缶巻締機のアンダーカバーガッシング方法であり、前記置換ガス流を、缶蓋高さと缶ネック部の長さの1/3との合計より長い高さ方向の開口を有する置換ノズルより吹き出すようにした請求項1に記載のガス置換方法。
  3. 内容物充填容器のヘッドスペースに置換ガスを吹き込んで残存気体と置換するガス置換装置において、容器開口縁部から開口部中心を通って外部に向けて置換ガスを吹き出す主ガス噴射流路と、容器開口部中心に対し所定角度を有して前記主ガス噴射流路を挟んで主ガス噴射流に対して対称に置換ガスを吹き出す副ガス噴射流路を有し、前記主ガス噴射流路と副ガス噴射流路の開口は容器開口上部と容器上部にガスを噴射するように高さ方向に所定長さを有し
    かつ前記副ガス噴射流路からの対向する置換ガスの吹き出し方向のなす角度が100°〜130゜であることを特徴とする容器のガス置換装置。
  4. 前記ガス置換装置が缶巻締機のアンダーカバーガッシング装置であり、置換ガス流路の高さ方向の長さが、缶蓋高さと缶ネック部の長さの1/3との合計より長い請求項に記載のガス置換装置。
  5. 前記アンダーカバーガッシング装置のガスターレットのポケット両側に設けられた一対のフィンガーがノズル体の前記副ガス噴射流路の上面位置に設けられていることを特徴とする請求項に記載のガス置換装置。
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