JP5441881B2 - 磁気トンネル接合を備えた磁気メモリ - Google Patents

磁気トンネル接合を備えた磁気メモリ Download PDF

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Description

本発明は磁気メモリの分野に関し、電子システムにおいてデータを記録および読み込むために使われる特に不揮発性ランダムアクセス磁気メモリに関する。さらにとりわけ、磁気トンネル接合に基づく、M−RAMといわれる磁気ランダムアクセスメモリ(Magnetic Random Access Menlories)に関する。
周囲温度における高い磁気抵抗を持つ磁気トンネル接合(MTJ)の開発に起因して、M−RAMメモリへの関心が更新されてきた。これらのランダムアクセス磁気メモリは、以下のような多くの重要な利点を持っている。つまり、SRAMのそれと互換性のある速度(数ナノ秒持続する読み取りおよび書き込み動作)、
・DRAMのそれに匹敵する密度、
・フラッシュメモリに類する非揮発性、
・読み取り/書き込み疲労がない、
・電離放射(イオン化放射)に影響されない。
このようであるので、これらは、キャパシタの充電状態に基づくより従来的な技術を使うメモリ(DRAM、SRAM、フラッシュ)に、次第に置き換えられており、また一般的なメモリになっている。
製造された最初の磁気メモリでにおいては、記録セルは、いくつかの交互の磁気層および非磁性金属層のスタックから成る「巨大磁気抵抗」と称されるものを持った要素から成った。このタイプの構造の詳細な説明は、例えば、基本的な構造を取り扱った特許文献1および特許文献2、およびこれらの基本的な構造に基づくランダムアクセスメモリ(RAM)の実施を扱った特許文献3ニ見出すことができる。
その基本設計のために、この技術は、単純であるが限定された能力を持った技術を使って不揮発性メモリを製造することを可能にする。記録セルがそれぞれのラインに沿って直列に接続されるという事実は、セルの数が増加するにつれて信号が益々弱くなるので、可能な集積化を限定する。
磁気トンネル接合(MTJ)記録セルの開発は、性能の重要な改善、およびこれらのメモリの機能の方法を達成することを可能にした。このような磁気トンネル接合磁気メモリは、例えば特許文献4でに記載されている。それらの最も簡単な形態において、それらは、薄い絶縁層によって分離された異なった飽和保磁力の2つの磁気層を有する。
これらの磁気トンネル接合MRAMは、例えば、特許文献5および非特許文献1、また図1に記載されているもののような強化の主題を持ってきている。明らかなように、すべての記録セル(10)はCMOSトランジスタ(12)およびMTJ(11)の組合せから成る。前記トンネル接合(11)は、少なくとも1つの「記録層」という磁気層(20)、薄い絶縁層(21)、および「基準層」として言及される磁気層(22)を有する。
好ましくは、しかし限定的ではなく、2つの磁気層は3d金属(Fe、Co、Ni)およびその合金ベースとし、また絶縁層は慣習的にアルミナ(Al)から成る。好ましくは、磁気層(22)は、その磁化が外部磁界をかけられる時に反転しないか、または可逆的に反転するように層(22)をピンニングする機能を持った反強磁性層(23)に結合される。好ましくは、基準層(22)は、それ自体、合成の反強磁性層を形成するために、例えば特許文献6に記載されたようないくつかの層から成ることができる。
一つのトンネル接合を、非特許文献2に記載されたような二重のトンネル接合で置き換えることも可能である。この場合、記録層は、前記薄い絶縁層に対向する側に位置する2つの基準層と共に2つの薄い絶縁層の間に挟み込まれる。
磁気記録層および基準層の磁化が反平行にある時、接合の抵抗は高い。対照的に、磁化が平行である時、この電気抵抗は低くなる。これらの2つの状態の間の抵抗の相対的な変化は、スタック中の層に対する材料の適切な選択および/または前記材料の熱処理によって40%を達成することができる。
このように、前に述べたように、接合(11)は、スイッチングトランジスター(12)と、上部導電ラインを形成する電流供給ライン(14)(ワードライン)との間に置かれる。ライン中を流れる電流は第1の磁界を作る。下側の導電ライン(15)(ビットライン)は、一般にライン(14)(ワードライン)に対して直角に配置され、電流がそれを通して通過する時に第2の磁界を作ることを可能にする。
書き込みモードにおいて、トランジスタ(12)はブロックされ、それによって電流はトランジスタを通して流れない。電流パルスは電流ライン(14)とライン(15)を流れる。従って接合(11)は、2つの垂直な磁界をかけられる。1つの磁界が、その反転磁界を減らすために、「自由層」(22)とも言われる記録層の困難な磁化の軸に沿って印加されるが、その一方で、他の磁界が、磁化の反転と、それによる記録セルの書き込みを起こさせるために、その磁化容易軸に沿って印加される。
読み取りモードにおいて、トランジスタ(12)は飽和形態に置かれる。すなわち、正の電流インパルス(impulse)を前記トランジスタのゲートに送ることによって、このトランジスタを横断する電流が最大になる。ライン(14)に送られた電流は、トランジスタが飽和モードに置かれた記録セルを横断するのみである。この電流は、この記録セルの接合の抵抗を測定することを可能にする。基準の記録セルに関して、記録層(22)の磁化が基準層(20)のそれに平行であるか、または反平行であるかは、わかっている。かくして、問題の記録セルの状態(「0」または「1」)が決定される。
2つのライン(14,15)によって生成された磁界パルスは、書き込みプロセスの際に記録層(20)の磁化を切り替える(スイッチングする)ことを可能にする。これらの磁界パルスは、電流ライン(14,15)に沿って短い(通常2から5ns)の低強度(通常10mAより少ない)電流パルスを送ることによって、作られる。これらのパルスの強度とそれらの同期は、これらの2つの電流ラインが交差するポイント(選択ポイント)に位置する記録セルの磁化のみが、2つの導体により生成された磁界の効果に起因して切り替えることができるように調整される。同じ行または同じ列(半分選択された要素)上に位置する他の記録セルは、実際に、導体(14,15)の1つの磁界を受けるだけであり、その結果反転しない。
記録セルを書き込むためのメカニズムの性質を仮定すると、この基本設計の限界は明らかに明白である。
書き込みは外部の磁界を使って得られるので、書き込みは、それぞれの記録セルの個別の反転磁界の値に従う。すべての記録セルのための反転磁界の分布関数が広いならば(製造の制約と固有の統計上の変動のせいで、実際それは一様ではない)、選択された記録セルにおける磁界は、対応する行または列上に位置する、不意にいくつかの記録セルを反転させるリスクと共に、統計分布における最も高い反転磁界を超えなければならない。それは、それらの反転磁界が分布の低い部分にあり、そして行または列のみによって生成された磁界よりも弱い場合である。逆に、いかなる記録セルも1つの行または列のみによって書き込みできないことを確実にしたいならば、書き込み電流は、これらの記録セルに対して、反転磁界がその分布の高い部分にある場合に前記行および列の交点において選択される記録セルを書き込みしないというリスクと共に、分布の低い部分に対応する磁界を決して超えないように制限されなければならない。
換言すれば、行および列または導体を使って磁界によって選択することを備えた基本設計は、容易に書き込みアドレッシングエラーをもたらしうる。磁化を反転するためのメカニズムを支配するのが記録セルの幾何学的配置(形状、不均一性、欠陥)であるので、記録セルの反転磁界の分布関数が、その大きさが縮小するにつれて益々広くなることが予想されうる、という事実を仮定すると、この効果は次世代製品において悪化することは必至である。
これらの従来技術メモリの他の欠点は、記録セルの大きさが減少するときの、熱的変動に対する記録層の磁化の安定度である。実際に、1つの方向から他の方向へとこの層の磁化を切り替えるために克服されなければならないエネルギーバリアは、この層の体積に比例する。この体積が減るのにつれて、バリアの高さは熱変動(熱攪拌)kTに匹敵するようになる。ここに、kはボルツマン定数である。この時、メモリにおける情報書き込みは、もはや維持されない。この問題の結果を和らげるために、一層異方性のある材料を選定することによって、あるいは記録セルの形状異方性を強調すること、例えばそれが楕円形状を持つ場合にはアスペクト比を増やすことによって、記録層の磁気異方性を増やすことを強いられる。しかし、これを実行することは、磁気スイッチング(切り替え)を得るために必要とされる磁界を増やし、それ故、磁気スイッチングを得るのに必要とされる磁界を生成するために消費されるパワー(電力)を増やすことにもなる。ワードおよびビットラインにおける電流が、ある段階において、これらの導体ライン中の電子移動によって課される制限しきい値(通常、2×10A/cmのオーダー)を超えることさえありうる。
例えば特許文献7に記載された強化によれば、電流パルスは、前記記録セルの顕著な加熱を誘発するために、トランジスタ(12)を開にすることによって書き込みプロセスの間に、記録セルを通して送られる。記録セルの温度を上げることは、要求される磁気書き込み磁界の低下を引き起こす。アドレシングされたセルの温度が他の記録セルの温度より著しく高い時のこの段階の間に、問題の接合の記録層の磁化を切り替えることを可能にする2つの垂直な磁界を作るために、電流パルスはライン(14,15)内で送られる。この熱的支援書き込み操作は、選択された記録セルだけが加熱され、同じ行か同じ列上の他の半分選択された記録セルが環境温度に保たれるので、書き込み選択を改善することを可能にする。換言すれば、この文献で記載された強化は、アドレッシングされた接合の温度を上げることによって書き込み選択性を増やすことを狙いとしているが、一方で、2つの垂直な磁界パルスを送ることによって基本的な書込みの概念を維持する。
記録セルの温度を上げることに基づくだけでなく、記録層中にスピン分極された電流を注入することによって一つの磁界、または磁気切り替えを使う、他のアドレッシング方法が、特許文献8および特許文献9に記載されている。
このような選択された記録セルの熱の使用は、以下のことを含めて、多くの利点を有する。
・書き込みされるべき記録セルだけが加熱されるので、書き込み選択性がかなり改良されること
・周囲温度において高い書き込み磁界で材料を使うことによって、書き込み選択性がかなり改良されること
・周囲温度において高い磁気異方性(固有の、または記録セルの形状に起因する)の材料を使うことによる、ゼロ磁界における安定度(保磁力)の改良
・周囲温度において高い磁気異方性の材料を使うことによって、その安定限界に影響を与えることなく記録セルの大きさを著しく減らす可能性
・書き込みの時点での減少した電力(パワー)消費
・ある状況下での多レベルの記録を得る可能性
好ましくは、記録層は、基準層のように、ブロッキング温度Tb1が基準層の磁化をピンニングする温度(Tb2)より低いような、隣接した反強磁性層に結合されうる。このように、書き込みの時点において、トンネル接合を通って流れる電流パルスは、基準層の磁化に影響を与えることなくかけられた中程度の磁界を用いて記録層の磁化が切り替えられうるように、Tb1より少し高い温度に記録層の温度を上げる。デバイスの動作温度範囲は、このようにTb1とTb2と差によって制限される。そうであるなら、加熱電流パルスが温度上昇ΔTを作り出し、スタンバイ温度、すなわち書き込み段階の間以外の温度がTs(通常周囲温度より高い40℃)ならば、以下の2つの条件が満たされなければならない。
Ts<Tb1<Tb2
および
Tb1<Ts+ΔT<Tb2
換言すれば、スタンバイ温度Tsは差Tb2−Tb1、通常100℃、より小さく変動する。実際には、ほとんどの反強磁性層は明瞭なブロッキング温度を持っていないが、それよりもむしろ、100℃を上回り、あるいは200℃にもなる、統計学的に分布されたブロッキング温度を持つ。実際、磁気トンネル接合がTb1より少し高く熱せられる時、反強磁性基準層におけるある結晶粒(特にブロッキング温度分布の低い分布部分におけるそれら)は、全体として基準層のブロッキング温度(Tb2)を十分に下まわって切り替わり始める。これは、トンネル接合の磁気抵抗信号の緩やかな減少につながりうる、そして究極的にはエラーにつながりうる、基準層の磁化の部分的な脱分極(depolarization)をもたらす。
従って、基準層に対して、ブロッキング温度分布に起因するこれらの緩やかな脱分極問題を避けるために、反強磁性層と結合することによって、その層(基準層)の磁化のピンニングを避けることが望ましいと思われる。
米国特許US−A−4 949 039号明細書 米国特許US−A−5 159 513号明細書 米国特許US−A−5 343 422号明細書 米国特許US−A−5 640 343号明細書 米国特許US−A−6 021 065号明細書 米国特許US−A−5 583 725号明細書 米国特許US−A−6 385 082号明細書 フランス特許FR 2 829 867号明細書 フランス特許FR 2 829 868号明細書 欧州特許EP 1 466 329号明細書
「JOURNAL of Applied Physics」, Vol. 81, 1997年, 3758頁 Y.Saitoら著, 「Journal of Magnetism and Magnetic Materials Vol. 223 (2001年) 293頁
本発明の目的は、読み取りの際に、基準層の磁化の方向を固定するために異なったメカニズムを使うことによってこの目的を達成することである。これは、実際に、固定磁化の磁気層を備えた、また一般的に言って、固定磁化の磁気要素を備えた、前記基準層の静磁気的相互作用を誘発することを含む。
換言すれば、本発明は、従来技術のように、隣接した反強磁性層と結合することによって固定方向に永久的にピンニングされるからではなく、他の固定磁化の磁気要素との静磁気的な相互作用に起因して、読み取りの時と常に同一である方向に方向付けされるか、または再方向付けされる理由から、基準層の磁化が読み取りの時に固定方向にあるのを確実にする、ということを狙いとしている。この固定磁化の要素は、読み取りと、何よりもまして書き込みの時に、基準層が受けるのよりも小さな温度変化を受けさせられる。
この結果を達成するために、本発明は、少なくとも1つの磁気トンネル接合から成るすべての記録セルを熱的支援書き込みする磁気メモリにおいて、前記トンネル接合は、少なくとも、
・磁化が、読み取りの時と実質的に同じ方向に常に方向付けられている「基準」層と称される層と、
・磁化方向が可変的な1つの「自由」磁気記録層と称される層と、
・前記基準層と前記記録層との間に挟み込まれた1つの絶縁層と、
を有することを特徴とする磁気メモリに関係する。
本発明によれば、前記基準層の磁化方向は、「分極層」と称される他の固定磁化層との静磁気的な相互作用に起因して、読み取りの時と実質的に同じである方向に常に分極される。この分極層の磁化は固定方向にピンニングされ、それは、読み取りの時と実質的に同じ方向に軟質の層の磁化を常に方向付ける、このピンニングされた磁化によって放射される静磁気的場である。
好ましくは、この分極層と、それが静磁気的に相互作用する基準層は、そのような相互作用に有利にはたらくのに十分近い。同じ理由で、基準層と分極層は、それらの磁化の良好な静磁気的結合を確実にする閉じた磁束形状において可能な限り遠くに存在する。
本発明によれば、この分極層は、読み取りのみならず、何よりもまして書き込みの際に、それ(分極層)が静磁気的に相互作用する基準層が受けるより少ない熱的変化を受けるように配置される。
これを達成するために、読み取り、および何よりもまして書き込み段階の際に、前記分極層の熱的変化を制限するために、これらの2つの静磁気的に相互作用する層の間に、好ましくはトンネル接合を構成するスタックの上または下に、薄い低熱伝導層を挿入することが有利である。
トンネル接合を構成するスタックは、記録層(反強磁性層によってピンニングされる強磁性材料から成るが、飽和保磁力が書き込み温度においてシャープに減少する層から成る)と、強磁性の基準層と、記録層と基準層とを分離する、アルミナ(Al)、TiOまたはMgOから成る薄い厚さ(<2nm)の絶縁バリアと、によって形成される。低い熱伝導率を持ったこの層は、一般的に、その表面の1つがトンネル接合に接触するように、またその他の表面が静磁気的に相互作用する層の1つに接触するように位置する。それにもかかわらず、それらの間に1つ以上の他の層を挿入することは、基準層と分極層との間の静磁気的相互作用が維持される限り、本発明の範囲を逸脱することはないであろう。
実際の分極層の磁化は、反強磁性材料から成る層と関連(結合)することによってピンニングされうる。
前記基準層と前記分極層との間に置かれる前記低熱伝導層は好都合にGeSbTeまたはBiTeから成る。
本発明によれば、前記記録層は、典型的に、パーマロイ(Ni80Fe20)、Co90Fe10、またはFe、Co、Niを含む他の磁性材料からなる群から選択された強磁性体材料層と、典型的に、120から220℃までのブロッキング温度を持つがそれに限定されない、通常Ir20Mn80から成る中程度のブロッキング温度を持った反強磁性層と、から成り、選択されたそれら2つの層の厚さは、前者が1から4nm、後者が4から8nmである。
本発明によれば、磁気記録セルの一般的な規定において言及される絶縁層は、アルミナ(Al)、TiOまたはMgOからなる群から選択され、この絶縁層は、典型的に1から500Ω・μmの面積抵抗積(resistance times area product:RA)を持つ。
本発明の一局面によれば、典型的にBiTeまたはGeSbTeから選択される低熱伝導率を持った層は、トンネル接合に対向する表面上において、記録層をピンニングする反強磁性層と導電性金属層との間に介在される。低熱伝導率層は、それ自体、典型的に銅(Cu)またはタンタル(Ta)から成る導電性金属層の薄い保護層と接触し、またそれによって分離される。
本発明の1つの変形によれば、前記基準層は、記録セルへの電気接続を確実にするライン中に挿入される分極層を用いて分極される。
本発明によれば、前記分極層は、第一に、典型的にCo1−xFe合金で、xが0から0.5までの強磁性体材料層を、第二に、高いブロッキング温度を持った反強磁性層を、結合させた二重層を有しうる。前記分極層の磁化方向を固定する反強磁性層はPtMnまたはIrMnから成りうる。
記録セルは、該記録セルに近接して場所を定められた電流ラインを通して電流を通過させることによって、いわゆる「書き込み」磁界を使う結果として書き込まれうる。前記記録セルを書き込むことは、トンネル接合を通って流れる電流を分極するスピンの結果でもありうる。書き込み磁界が使われる場合、それは基準層の磁化方向を強化するために使われる。
本発明の他の実施の態様において、基準層は、記録セルの両側に置かれた永久磁石によって分極され、そして好都合には、基準層のレベルに置かれる。これらの永久磁石は、SmCo、CoPt、CoCrPt、およびFePtからなる群から選択された材料のような、高い保持力を備えた強い磁場を持つ強磁性材料から成る。あるいは、これらの磁石は、例えばCoFe合金から成るもののような、強い磁場を持つ強磁性材料から成りうる。そして、特に200℃を超えるブロッキング温度を有する反強磁性層によってピンニングされる。
本発明の他の実施の態様において、基準層は、メモリ上に位置する永久分極磁石を用いて分極され、メモリはいくつかの記録セルを含んでいることが想定される。
本発明によれば、基準層および分極層は、特にルテニウムから成る非磁性スペーサを介して反強磁性的に結合された多くの強磁性層から成る。
本発明のさらに他の実施形態において、PtMnタイプの反強磁性層によってピンニングされた第1のラミネートされた分極層から成るラミネートされた基準層が、基準層として使用される。第2のラミネートされた層は追加的な二重の効果:第一に、第1のラミネート層によって第2のラミネート層上に放射された静磁気的磁界によって、またルテニウム(Ru)スペーサを通した反強磁性結合によって、分極される。
この形状において、分極層自体が好都合にラミネートされ、ラミネートされた基準層がルテニウムから成るスペーサを介した反強磁性結合による前記分極層によって分極され、この結合がこれらの層の間の静磁気的結合に加えられる、という状態で、反強磁性層、特にPtMnから成るものによってピンニングされる。
またこの形状において、基準層は、好都合に、前記トンネルバリアに接触するラミネートされた基準層の最後の構成層が、CoFeおよびCoFeBからなる群から選択された強磁性体材料から成るような状態で、磁気トンネル接合のトンネルバリアに接触状態にある。
好都合に、1つのルテニウム層によって反平行に結合され、ラミネートされた基準層/ラミネートされた分極層アセンブリから成るスタックの数は、トンネルバリアから最も遠いスタックが、反強磁性材料から成る層との相互作用によってピンニングされる、という状態で、2より大きい。
好都合に、磁気トンネル接合のトンネルバリアにすぐに接触する強磁性層およびRu層は、ラミネート層中のものより厚い。
本発明が実施することができる方法、およびその結果得られる利点は、単なる例示として与えられ、貼付の図面に対する参照がなされた以下の実施形態の説明によってさらに容易に理解できるであろう。
記載されたように、従来技術による、記録セルが磁気トンネル接合を有する磁気メモリの基本設計の概略図である。 図1の熱的支援された記録セルの書き込み原理の概略図であって、該記録セルが、トンネル接合を通して流れる加熱電流が増加するにつれて記録層のピンニングの緩やかな減少を示すグラフと並んで示されている。 本発明の第1の実施形態に従う記録セルの構造の概略図である。 温度の変化対構造の厚さにおける位置を示す。 本発明に特有のピンニングされた分極層と基準層との間の閉じた磁束、さらに図3aおよび図3bに関連して記載した本発明の実施形態の状況における記録層によって放射された磁界を示す。 本発明の第2の実施形態に従う、2つのトンネルバリアを使った記録セルの構造の概略図である。 本発明の第3の実施形態に従う、分極層が前記記録セルの導電ライン(ビットライン)の1つに統合された記録セルの構造の概略図である。 代替の実施形態におけるこの特定の構造の原理の基本的動作を示す。 本発明の第4の実施形態に従う、構成する層の磁化がそれらと境界を接する平面の外に方向付けられた記録セルの構造の概略図である。 本発明の第5の実施形態に従う、永久磁石を使った記録セルの構造の概略図である。 永久磁石の空間的配列を示す。 以前の実施形態に従う、永久磁石をも使う記録セルの構造の概略図である。 放射された磁界を示す。 本発明の第6の実施形態に従う、永久磁石が記録セルより上に位置した記録セルの構造の概略図である。 本発明の第7の実施形態に従う、基準層がラミネートされた形態の記録セルの構造の概略図である。 記録セルの書き込みのために、スピン分極された電流と、図11の実施形態で記載されるような基準層の分極を使うことを示す。
図2は、MRAMセルに対する熱的支援書き込みの動作原理を例示する略図を示す。接合を通る電流パルスによって起こされる温度上昇と、ビットライン中の電流パルスによって作られる中程度の磁界を印加することとの組合せが、この図のグラフの上側左部分に示されている。
図2の右部分は、このような動作の状況における好ましい従来技術の実施形態を示す。2つの基準層および記録層が隣接した反強磁性層との相互作用によってピンニングされることがわかる。
図2の下側左部分には、トンネル接合を通って流れる熱電流が増加するのに従って、記録層のピンニングに緩やかな減少を示し、それ故、このような構造の限界が見られるグラフが示される。
前記図の上側左部分は、接合を通る電流パルスによって起こされたスタックの温度上昇と、ビットライン中の電流パルスによって作られた中程度の磁界との組み合わせを概略的に示す。
本発明の本質的な一局面によれば、記録セルの基準層は、静磁気的に相互作用する分極要素と関連付けられる(結合される)。
これを達成するために、本発明の範囲には、以下でより詳細に記載されるような種々の実行可能な実施形態が存在する。
[1.熱バリアによってトンネル接合から分離された分極層を持つ記録セル]
さらに具体的に図3および図4に関連して記載される第1の実施形態において、記録セルのスタックは、基準層および記録層を分離する一つの絶縁バリアによるトンネル接合を有する。
記録層は、平面磁化を持った強磁性材料(例えば、1から4nmのオーダーの厚みを持ったパーマロイNi80Fe20層、または1から4nmの厚みを持ったCo90Fe10層)と、中程度、すなわち120から220℃のオーダーのブロッキング温度を持った反強磁性層との二重層を有する。このブロッキング温度は、スタンバイ温度(書き込み時でない)で数年間にわたって情報を維持することが可能なように十分に記録層の磁化がピンニングされることを確実にするために、充分に高くなければならないが、反面、すべての書き込み動作のために過度に接合を熱することが材料を劣化させ電力消費を上昇するという理由から、その熱することを要するほどには高くない。この反強磁性層は、典型的には、に4から6nmのオーダーの厚さを持つIr20Mn80から成る。
あるいは、記録層は、動作温度(書き込み動作なし)と書き込み温度(典型的に120から220℃)との間で大きく変化する、強制磁界を持った一つの磁気層によって形成されうる。
強磁性記録層は、低い面積抵抗積(RA)を有するトンネルバリアに接触する。一般的に言って、トンネル接合は、電気的絶縁破壊のために限られた電圧処理能力しか持たないので、記録層の温度をそのブロッキング温度よりも上に上げるのに十分強いトンネルバリアを通して電流を通過させることを十分可能にするために、積RAを減らすことが必要である。使われるスタックの組成(構成)に応じて、約100℃だけ接合の温度を上げるのに要する加熱電流密度は、熱バリアが存在するか否かに依存して、またこのようなバリアの効果(それらの厚みとそれらの熱伝導率によって決定される)に依存して10A/cmから10A/cmまで変わりうる。1から500Ω・μmのオーダーのRA積は、これらの電流密度を扱うために適切である。トンネルバリアを製造するための材料の例は、アルミナ(7から12オングストロームのオーダーの厚み)、またはTiO(10から20オングストロームの厚み)、またはMgO(10から25オングストロームの厚み)を含む。
熱バリアとして使用される非常に低い熱伝導率を持つ層は、スタンバイ温度において記録層をピンニングする反強磁性層と電気接続を確実にする電極との間の記録層に対向する表面上に挿入される。この層の目的は、接合を通って流れる電流によって加熱の効率を増やすことであるが、一方で、記録層の側でのトンネル接合への電気接続を確実にする電極の方への熱の拡散を制限する。この熱バリアはBiTeまたはGeSbTeから成り、典型的には2から10nmの厚さを持つ。熱バリア自体は直接電極に電気的に接続されるか、あるいは導電層、例えばTiNまたはTiWNから成るもの、によって接続される。
強磁性の「基準」層と称される層は、記録層を挟んでトンネルバリアとは反対側に位置する。記録層の磁化は読み取り時に固定方向を指す。この層は、CoFe層がトンネル電子のスピン分極を強化するために、トンネルバリアに背して位置するという状態で、CoFe合金(Co90Fe10、Co70Fe30、Co80Fe1010)、NiFe合金(Ni80Fe20)、または1nmのCoFe/2nmNiFe二重層からなる。この層の厚さは1から4nmの範囲にある。
従来の技術の状況によれば、この層の磁化は、一般的に言うと反強磁性層によってピンニングされるが、あるいはこの層は、Ru層を介して反平行に結合された2つの強磁性層のスタックから成る、ピンニングされた合成の反強磁性層の一部であり、第2の強磁性層はそれ自体、反強磁性層にピンニングされる(当業者によく知られた合成層)。
本発明においては、そして従来の技術の状況とは対照的に、基準層は交換異方性によってピンニングされず、ピンニングされた合成の反強磁性層の一部ではない。ここでは、基準層は、以前に記載したものと同様の他の熱バリアからの反拡散層として使われる薄いTiNまたはTiWN層と接触するか、あるいは好ましくは、それによって分離される。この第2の熱バリアの目的はまた、基準層の側に位置する電極の方への熱の拡散を制限する。トンネルバリアの他の側では、磁化がピンニングされる、「分極」強磁性層と称される層がある。隣接した反強磁性層、例えば、20nmの厚みを持つPtMnからなるもの、またはIrMnで8nmを超える厚みのもの、と結合することによって、このピンニングも確実にされうる。
この層はまた、高飽和保磁力を持った層(Co80Cr20またはSmCo永久磁石タイプ)から成りうる。この層は、一つのものが他のものの上に位置する平面磁化を持ったこれらの2つの層が閉じた磁束形状中にあるように、すなわち、それらの磁化が反平行に静磁気的に結合され、そして記録層のレベルにおいて実質的に磁界を放射しないように、基準層のそれに接近する磁気モーメントを持たなければならない(図4参照)。
この強い静磁気的結合のために、基準層の磁化はそれ自体、ピンニングされた分極層によって間接的に分極される。このアプローチの利点は、従来の技術の状況と比較して、基準層とピンニングされた分極層との間の熱バリアに存する。なぜならば、ピンニングされた分極層は、すべての書き込み動作の時点での温度においてわずかな変化だけを受けるからである。結果として、そのピンニングの品質は長い間にわたって悪化する可能性が少ない。この層は、装置の動作の際に良好な分極を維持し、それによって順に基準層の良好な分極を確実にする。
要約すると、反強磁性層によってピンニングされた強磁性層から成る分極層が、トンネル接合のスタックに挿入される。分極強磁性層は、熱バリアによって基準層から分離されるだけであり、その熱バリアは分極層の加熱を最小化することを可能にする一方で、これらの2つの層の間の静磁気的な結合によって、分極層の磁化と反平行な配列を基準層の磁化が維持するために、基準層に実質的に十分近い。
図3bは、電流がこのように構成された記録セルを通って流れる時の2つのトンネルバリアの間の温度上昇の制限、そして同時に、最高温度の20%以下である分極層の温度を示す。
既に述べた前述の図4は、ピンニングされた分極層と基準層との間の閉じられた磁束、さらに記録層によって放射された磁界を示す。
このような構成を作る時に考慮されなければならない制限は、以下の通りである。
分極層と基準層によって放射された磁界が、記録層のレベルにおいて互いに相殺し合うことが望ましい。これは、記録層のレベルにおいて放射された静磁気的な磁界が類似の大きさを持ち、反対の符号であるように基準層および分極層の大きさを定めることによって、達成できる。この場合、記録層に作用する有効な磁界は事実上ゼロ(零)であり、あらゆるケースにおいてそれぞれの層によって個々に生成された磁界に対し実質的に低くなる。
記録層に作用する残余の非ゼロの有効な磁界があるならば、記録セルの2つの方向を書き込むために必要とされる電流は不安定となるものの、ビットを書き込むことは依然可能である。記録層上に方向を与えるために、この残余の有効な磁界を使うこと、および反対方向のみに書き込むために使うために磁力線を使うことさえ可能である。これは、書き込みのために磁力線に送られる電流を作り出す電流源が、二極源よりはむしろ単一極が可能である、という利点を持っており、これはCMOS技術を使って源を遥かにコンパクトにする。
記録層によって放射された磁界は、それ自体、記録層と基準層が低い電気抵抗の状態と等価な同じ方向に磁化される時に、基準層の不安定化に寄与する。基準層上でのこの不安定化の磁界を減らすために、層の厚さを減らすか、および/または弱い磁性材料を使うことによって、記録層の全体的な磁化を減らすことが可能である。全体的な磁化を減らす他の可能な方法は、合成の強磁性構造を持った記録層を作ることである。この合成の強磁性構造によれば、記録層の有効な磁化は、典型的に0.5nmから1nmの厚さを持つルテニウム(Ru)スペーサで分離された2つの強磁性層(FM)の間の反強磁性結合、例えばFM/Ru0.7nm/FM、によって減らされる。
分極層と基準層によって記録層上に放射された磁界が零でなく、記録層の方向を反転するのに十分ではないならば、この構造は、単極書き込みのために使われうるが、それにもかかわらず、電源消費の面での制約がつきまとう。
平面から出る磁化を持った磁気層を使う、この実施の1つの変形が図7に示される。平面の磁化を持つ層は、コバルト−白金(Co/Pt)多重層に置き換えられる。この場合、磁化方向は層の平面に垂直である。
[2.二重のトンネルバリアと、熱バリアによって分離された分極層とを持つ記録セル]
図5に示された第2の実施形態において、スタックは二重のトンネル接合構造から成る。
それぞれのトンネルバリアが、記録層と反対側に、他のピンニングされた磁性層との静磁気的相互作用によって書き込みの時点での固定方向にその磁化が維持されるような基準層を持つ、という状態で、記録層が2つのトンネルの間に挿入される。
前の実施形態のように、ここでは、2つの基準層はそれぞれ、熱バリアによって2つのピンニングされた層から分離される。その熱バリアの目的は、記録層が位置するレベルにおいてスタックの中央部分での熱を制限することである。これらの熱バリアはまた、ピンニングされた層が過度に大きい温度変化にさらさられることを回避する。それによって、それらの磁化の緩やかな脱分極問題を避ける。
このスタックにおいて、記録層は、好都合に、トンネルバリアと接触する軟質材料の2つの強磁性層の間に挟み込まれた、中程度のブロッキング温度を持った中央の反強磁性層(前述のようにIrMnまたはPtMnまたはPtPdMnからなる160から220℃のオーダーのもの)を備えた、CoFe 2nm/lrMn 5nm/CoFe 2nmタイプの3重層から成る。これらの強磁性層の厚さは典型的に1から5nmである。これらの強磁性層は、Ni80Fe20、Co100−xFeで、xが通常0から30までのもの、Co100−x−yFeで、xが通常0から30でyが通常0から20までのものから成りうる。
前のように、トンネルバリアは、5から500Ω・μmのオーダーのRA積を持ったアルミナ、TiOまたはMgOから成りうる。この構造から最大の加熱有効性を得るために、2つのバリアの抵抗は可能な限り近いことが重要である。実際に、1つのバリアの面積抵抗積がRAで第2のそれがRAであり、そして両方の接合が同程度の絶縁破壊電圧Vmaxを持つ場合、系を通って流れる最大の電流密度は、jmax=Min(Vmax/RA,Vmax/RA)である。よって、スタックの単位表面積当たりの最大加熱電力は、P/A=(RA+RA)・jmax のオーダーのものとなる。この量は、RA=RAの時、所与のRAに対する最大値である。
熱バリア、ピンニングされた層、および反強磁性のピンニングされた層は、典型的に、前の実施形態と同じ材料から成る。ピンニングされた磁性層は、それらの対応する基準層が対応する熱バリアのいずれかの側に位置するという状態で、閉じられた磁束形状中にある。
記録層、基準層、および分極層の大きさを定める場合に求められる目的は以下の通りである。
・基準層と分極層によって放射された磁界を相殺することによって、記録層のレベルにおいて有効な磁界を減らすか、またはキャンセルする。(有効な磁界は、分極層と記録層と記録層によって放射された磁界のベクトル和の結果であって、記録層と基準層の間にいくらかのオレンジピール結合(orange peel coupling)を含む。)
・基準層のレベルにおいて記録層によって放射された磁界よりも高い係数の上の基準層のレベルにおける分極層に起因して、磁界を作る。−これら2つの磁界の差は、記録層の磁化の方向にかかわらず、基準層の磁化が分極磁界との平行を維持するのを可能にするために十分大きくなければならない。
・書き込みラインによって生成された磁界はまた、要求される方向の基準層の配列を強化するために使われうる。これは、ワードが書き込みされる時、磁力線に沿った記録セルが第1の方向に書き込みされ、そして第2段階の間には、基準層のための最初の磁界とは反対の要求される方向を安定させる磁界によって書き込みされる、ということを意味する。
分極層と基準層によって放射された磁界は、記録層のレベルにおいて反対の方向を持つ。(材料の厚さおよび/または選択によって)これらの2つの層の磁化の大きさを定めることは、記録層に作用する有効な磁界をキャンセル、または劇的に減らすことを可能にするはずである。これらの2つの層の磁気モーメントは、記録層からより離れているという事実に対して相殺するために、分極層に対する少し大きなモーメントを持った状態で、互いに類似でなければならない。
また、記録層から基準層上への放射を最小化するために、記録層の磁気モーメントは分極層と基準層のそれよりも十分に小さくなければならい。記録層の磁気モーメントは、その層の厚みを減らすことによって、および/または弱い磁性材料を使ったり、あるいは合成の強磁性構造を持った記録層さえをも作ることによって、減らすことが可能である。この構造は、Ruによって分離された2つの強磁性層(FM)、典型的に0.5nmから1nmの厚さを持つFM/Ru0.7nm/FMスペーサによって得ることができる。
Ruによって引き起こされた反強磁性結合は、2つの層FMの間の磁化の差によって構造の有効な磁化(Meff)を減らす。しかしながら、このモーメントは、磁気書き込み磁界によって与えられたトルクも、有効なモーメントを減少することによって減少するので、ゼロにまで減らすことができない。そしてこれは、書き込みを困難にするか、あるいは不可能にさえする。好ましくは、有効なモーメントは、弱い保持力と2nmを超える厚みのFM電極による減少したモーメントを得るために、1〜1.5nm厚さの層と等価である。
この二重のトンネル接合の利点は、記録三重層のさらに有効な加熱を可能にするということである。これは、第一に、加熱能力が単独バリアに対するよりも1から2倍大きいという事実に起因しており、そして第二に、当該構造が記録層に対して本質的に対称であることによって最高温度が記録層の中心における反強磁性層のレベルで得られるが、一方で、第1の実施形態の構造においては、最高温度はトンネルバリアに直接に接触する点で得られる、という事実に起因している。最高温度が反強磁性層で起こる、ということは望ましい。というのは、後者(反強磁性層)に対して、温度はブロッキング温度を超えるからである。
要約すると、この実施形態は二重構造にふさわしい。すなわち、記録層が中央にあり、そして熱バリアによって基準層から分離された分極層との磁気相互作用によって分極された基準層をそれぞれ有する、2つのトンネルバリアの間に挿入される。
[3.記録セルへの電気接続を確実にするラインに挿入された分極層による分極]
具体的に図6に関連して記載される本発明の第3の実施形態において、ピンニングされた分極層は、トンネル接合の上の電気接続を確実にする導体内でトンネル接合の上に挿入される。この分極層とトンネル接合の記録および基準層との間の距離が、前の実施形態と比較して大きいと、磁束が閉じている度合いは満足度が低い。これにより、分極層によって放射された磁界は基準層の磁化に対して作用し、記録層の磁化に対しても著しく作用する。これらの放射された磁界の値は、FLUX3D[CEDRAT:www.cedrat.com]のような有限要素ソフトウェアを使うことによって計算できる。この値は、分極層の材料の磁化、その厚さ、導電ラインの幅、および前記導電ラインと問題の磁気層との間の距離に依存する。
分極層の磁化の方向は、好都合に、電流ラインの長手方向に垂直に方向付けられる。
図6aに示されるように、導電ラインは、このピンニングされた分極層(典型的な厚さ:4から15nm)、ピンニング反強磁性層から成ることができ、そして、接合に対する加熱目的ために要求される電流密度を供給するために、単位長さ当たりのラインの抵抗を要求される値に適応させることを可能にする導電性の銅層によって補われる。放射された磁界の振幅のために、分極層を、導電ラインを構成する種々の層の間で、かつ可能な限りトンネル接合の近くに位置させることが望ましい。
記録層上へ分極層によって放射された著しい磁界の存在は好都合に使われうる。つまり、記録層のレベルにおいて分極層によって放射された磁界の方向に平行な記録層の磁化を切り替えることを望むならば、磁界を生成するためにビットラインに書き込み電流を通過させる何らかの必要性なしに、接合を通して加熱電流を通すのにそれは十分である。分極層によって放射された磁界は、それだけで、記録層の磁化を要求される方向に方向付けるのに十分である。一方で、記録層のレベルにおいて分極層に放射された磁界と反対の方向に磁化を切り替えるために、ビットライン中で、記録層のレベルにおいて分極層によって放射された磁界に対する反対方向の、ほぼ2倍の高さの振幅を持った磁界を生成することを可能にする書き込み電流を通過させることが必要であり、それによって、2つの磁界の合計は分極層によって放射される磁界とはほぼ反対となる。これは、書き込みに要求される電流パルスが常に同じ方向にあるという利点を持ち(単極の電流供給)、そして、これらのパルスのみが1つのタイプのビット(「0」または「1」)を書き込むのに要求されるという事実をも有する。不利点は、分極層が記録層のレベルにおいて何らの磁界をも放射していなかった場合よりも電流強度が大きくなければならない、ということである。
例えば、もし記録層のレベルにおいて有効な磁界(分極層と反対の方向を持つ基準層とによって放射された磁界のベクトル和からの結果としての)が30Oeのオーダーのものであるならば、供給されるパルスは、記録層のレベルにおいて分極層によって放射される磁界がなかった場合の±30Oe磁界よりはむしろ、記録層のレベルにおいて60Oe磁界を作るはずであろう。電流が2倍にされるので、必要とされる電力は4倍になる。また、所与のライン幅に対して、必要とされる電流密度が2倍にされるので、このアプローチはワードラインにおける電子移動(electromigration)問題を経験する可能性がより高い。
記載された実施形態は、ワードラインがビットラインに平行であるということを想定する。これは、書き込みされるべき「1」ビットの数と同じ程度の多くの磁気書き込み磁界を作ることを必要とし、そしてこれは極めて電力を消費する。
さらに容認できる電力消費を回復させるために、接合の下の部分に分極層を統合すること、すなわち図6bに示すようにビア(via)に記録セルを接続することが望ましい。これはビットラインとワードラインの垂直性を元に戻す。
第一に、分極層を含む下側のラインが上側の電気接触ラインと同じ長さではないということも明白である。第二に、分極要素の(左および右の)端部は、分極磁界を増やすために記録セルにより近く移動されうる。
[4.セルまたは記録セルのいずれかの側に位置した永久磁石による分極]
より具体的に図8a、8b、9aおよび9bに関連して記載される第4の実施形態において、磁化容易軸に沿って基準層の両側上に置かれた2つの横方向永久磁石が分極磁界を放射する。これらの2つの磁石によって生成された磁界は基準層の磁化方向を分極する。z軸に沿ったそれらの位置は、好ましくは、安定磁界が前記層のレベルにおいてその最大値を想定するように、基準層のそれと同じレベルに位置する。
分極磁界は、記録セルから離れて置かれた永久磁石によって生成される。この実施形態において、記録セルは、複数の記録セルを統合するチップから分離されうる永久磁石によって放射される分極磁界に浸漬される。
分極磁界がチップの全表面積にわたって均一であることを確実にするために、記録セルは中央に置かれ、チップの両方の側に置かれた永久磁石の横方向表面に直接接触しないか、または近接する。永久磁石によって放射された磁界のプロファイルは、有限要素ソフトウェアを使うことによって計算できる。メモリチップの配置は、磁界が十分に均一である領域内で磁界のプロファイルに応じて選ばれる。分極磁界が基準層の磁化容易方向に生成されるように、磁石が置かれる。このアプローチは、記録セルアレイの製作後に永久磁石を統合することを可能にする。
図8bにおいて、y軸に沿って安定磁界における差を最小にし、またそれらの加工をより容易にするために、永久磁石が、1つ以上の記録セルを包含するライン形成することが見て取れる。
これらの安定磁石を作るのに使われる材料は、SmCo、CoPt、CoCrPt、またはFePtのような高い保持力を持った強い磁場を持つ強磁性材料の層である。
他の実施形態においては、それらはまた、強い磁場を持つ強磁性体材料から成る層、例えば高いブロッキング温度(>200℃)を持った反強磁性層によってピンニングされるCoFe合金、から成ることもできる。この代替の実施形態は、記録セルの製作においてすでに使ったのと同じような材料を必要とすることの利点を有する。
両方のケースにおいて、分極強磁性層の厚みは、要求される分極磁界と使われる材料の磁化とに応じて調整される。
前の実施形態のように、記録層のレベルにおいて放射された磁界は非ゼロでありうる。従って単極の電流によって記録セルへの書き込みを可能にする。
基準層の全体的磁化の大きさを定めること(その厚さまたは材料を変えることによる)は、記録層に作用する有効な磁界をキャンセルするか、または減らすことを可能にする。分極磁界の方向は、記録層のレベルにおいて放射された磁界に対して反対である。
また、記録層から基準層上への放射を最小化するために、この層の厚さを減らすことによって、および/または弱い磁性材料を使うことによって、あるいは合成の強磁性構造を持った記録層さえをも作ることによって、記録層の全磁気モーメントを減らすことが可能である。
図9bは、放射され、分極された磁界を示す。記録層のレベルにおいて、安定磁界と基準層によって放射された磁界が反対であることが見て取れる。記録層によって放射された磁界は、基準層の方向が記録層の方向と反平行にある(または平行にある)か否かに応じて、基準層の方向を安定にする(または不安定にする)ことができる。
[5.チップ上の永久分極磁石による分極]
図10において示される他の実施形態において、分極磁界は、今度も記録セルから離れて置かれた永久磁石によって生成されるが、チップ上に置かれる。
この永久磁石は、高い磁気モーメントと高い飽和保磁力とを持つ層であって、チップの全面をカバーする。
チップ上の分極磁界を生成する磁石のN極とS極との間をループするのが磁力線である。
この形状は全体的な大きさを減らすという利点を有する。チップ上に永久磁石を置くことによって、それは余分のスペースを取らない。
再度、記録および基準層と分極磁界の大きさが以下の目的によって規定される。
永久磁石により作られた分極磁界によって基準層で放射された静磁気的磁界を補うことによって、記録層のレベルにおいて、有効な磁界(基準層によって放射された磁界と、永久磁石によって作られた分極磁界と、記録層と基準層との間のいくらかのオレンジピール結合とのベクトル和の結果)を減らすかまたはキャンセルする。
基準層のレベルにおいて記録層によって放射された磁界よりも高い係数の上の基準層のレベルにおける永久磁石に起因して、磁界を作る。−これら2つの磁界の差は、記録層の磁化の方向にかかわらず、基準層の磁化が分極磁界との平行を維持するのを可能にするために十分大きくなければならない。
書き込みラインによって生成された磁界はまた、要求される方向の基準層の配列を強化するために使われうる。これは、ワードが書き込みされる時、磁力線に沿った記録セルが第1の方向に書き込みされ、そして第2段階の間には、基準層のための最初の磁界とは反対の要求される方向を安定させる磁界によって書き込みされる、ということを意味する。
[6.ラミネートされた基準層を持った記録セル]
図11に示された本発明の第6の実施形態において、スタックは一つのトンネル接合を備えた構造から成るが、図2で説明した構造とは異なってラミネートされた基準および分極層を使う、という違いがある。
ラミネーションの一般的な着想は、それらの熱伝導率を減少させるために基準および分極層中に多くの界面を作ることである。実際に電気的見地では、例えば、Co/Ru界面は20nm厚みのCo層と同じ電気抵抗を持つということが知られている。同じことが熱抵抗にも当てはまる。一般的に言って、界面にわたる原子は均一な材料におけるよりも強固なつながりが小さいので、また界面はしばしば電子的構造において不連続性を有するので、界面は、典型的に数ナノメートルの均一な材料と等価な電気的および熱的抵抗を有する。ゆえに、基準および分極層内の界面の数を増加することによって、このようにそれらの熱伝導率を減らすことができる。ある意味で、界面は熱バリアの役割をする。
このラミネーションは、以下の方法の組み合わせの一つまたはもう一つ、あるいは両方の方法で得られる。
基準および分極層をラミネートする第1の方法は、それらの単純な層、例えば2.5nmのCoFeを、典型的に1.5から3nmのオーダーの厚さを持ついくつかの強磁性層から成り、適切なスペーサ、例えばルテニウムからなり、典型的に0.5から0.9nmの厚さを持つもの、によって互いに反平行に結合された多重層によって置き換えることにある。この方法により、トンネルバリアから最も遠く離れた層が、例えばPtMnから成る反強磁性ピンニング層との交換相互作用によってピンニングされるという状態で、互いに反平行に結合された3つ、4つ、あるいはさらにもっと多くの強磁性層を提供することができる。
また、トンネルバリアに直接接触する強磁性層は、トンネル接合の磁気抵抗の振幅を最大化するために、多重層中のさらに深い層より少し厚くありうる。例えば、2.5nmオーダーのトンネルバリアに接触する最後の層のために厚みを選択することができる一方で、トンネルバリアと反強磁性ピンニング層との間のラミネートされたスタック内のより深い強磁性層は、1.5nmの厚みを持つことができる。
このアプローチの利点は、減少された熱伝導性の層の全スタックによりトンネルバリアから分離されているという理由で、大きな温度変化にさらされないであろう反強磁材料によって分極層をピンニングすることの可能性である。
ラミネーションを得る第2の方法は、基準および分極層の中に、低い熱伝導率の極めて薄い材料層を導入することである。
この場合、ラミネートされた層は、低い熱伝導率の第2の材料、例えばGeSbTeの薄層を、第1の磁性材料、例えばCoFeに挿入することによって形成される。標準的な熱伝導率の材料(例えばTa)を挿入することも可能であるが、磁性材料とのその界面は低い熱伝導率を持つ。
薄層、例えばGeSbTeまたはTaの層を挿入することによるCoFeのこのラミネーションの目的は、スタックの有効な熱伝導率を下げる一方で、十分な磁気の結束を保つことである。GeSbTeまたはTa層は、CoFe層が強固に強磁性的に互いに結合されることを維持するのに十分に薄いが(典型的には1.5nm以下)、しかし著しく熱伝導率を減らすのに十分である(第一にGeSbTeまたはTaの合計した全体厚みとした場合に典型的に0.6nm、第二に界面の数、従って挿入した層の数)。磁性材料と挿入された層との間の界面が低い熱伝導率を持つならば、その結果非常に多くのラミネート層を挿入することによってこれらの界面の数を増やすのに有用である、ということが明白である。従って、界面の数を増やすことは、ラミネート層の有効な熱伝導率を減らすのを助け、そして熱バリアの役割を果たす。
低い熱伝導率の材料(GeSeTeまたはTa)を使うラミネーションは、ラミネートされた基準および分極層の全体的な熱伝導率を減らす。これは、第1の熱バリア(6nmのGeSbTe)とラミネートされた基準電極との間の記録層内の熱の制限を改善することを可能にする。またそれは、基準層が結合される分極層をピンニングするPtMn反強磁性層における温度上昇を減らすことをも可能にする。ここでの目的は、このように製造された基準電極の磁化方向を失うことなく、記録層への書き込みを得るための温度範囲の広い操作を可能にすることである。
さらに、上記提案された2つのラミネーションのアプローチは、組み合わせることができる。つまり、適切なスペーサ(例えば0.6nm厚みのRuスペーサ)を介して互いに反強磁性的に結合された多くの数の層からなる基準および分極層を、強磁性挙動を呈する層のそれぞれが、それ自体強磁性層のラミネートされたスタック(例えば、低い熱伝導率の材料(例えばTaまたはGeSbTe)の超薄層によって分離されたCoFe)から成るという状態で、作ることができる。
一般的に言って、繰返しの数を増やすことは、トンネルバリアと基準層をピンニングする反強磁性層との間の全体のスタックの熱伝導係数をさらに一層減らすことを可能にする。それにもかかわらず、基準層がピンニングされる品質は、繰返しの数が増加するにつれて悪化し、従って熱伝導率を減らすことと適切なピンニングとの間の妥協が損害を受けるに違いない。この実施形態において、基準および分極層を構成し強磁性挙動を呈するすべての層が、必ずしも同じ方法でラミネートされない。特に、このラミネーションが電子の分極に影響するのを避けるために、トンネルバリアに接触する最後の強磁性層をラミネートしないが、その一方で、強磁性挙動を持った深い層、すなわちトンネルバリアから遠く離れたものをラミネートすることができる。
好都合に、ラミネートされたなスタックのそれぞれにおいて、トンネルバリアまたはRu層のいずれかに接触する層、あるいは反強磁性材料の層は、Ruまたは強磁性/反強磁***換異方性結合をそれぞれ介したトンネル磁気抵抗振幅または反強磁性結合を促進するために、スタック内のCoFe層より厚くありうる(典型的に0.8から1nmよりはむしろ約1.5nm)。
トンネルバリアに接触する基準層の最後の構成層も、これがCoFeB層上に通常的に準備されるMgOバリアのケースのようにトンネルバリアを成長させるために必要であるならば、CoFe以外の強磁性材料からなりうる。
記載された例(図11)においては、最初と最後のラミネートされたCoFe層の間の直接の強磁性結合を維持するように、CoFe 8ÅとGeSbTe 4Åのラミネートされた層の厚みが選ばれる。このラミネーションは、PtMn層の熱的な絶縁を確実にするためにn回繰り返される。
明らかに、このようなラミネートされた基準層の使用は、中央の記録層と共に2つのトンネルを使用する図5に関連した記載されたタイプの二重構造の状況においても想定されうる。この形態において、ラミネートされた層(CoFe/GeSbTe)/CoFe/Ru/CoFe(GeSbTe/CoFe)/PtMnによって置き換えられるのは、図5における2つのCoFe/GeSbTe/CoFe/PtMnスタックである。
[7.スピン転送書き込み]
前に記載された動作方法の状況では、記録セルは、例えば図2に示されるように、記録セルに近接して置かれた電流ラインに、一般的に言って後者(記録セル)にわたって電流を通過させることによって生成された磁界を印加することによって書き込みされる。この磁界は、強磁性記録層をピンニングする反強磁性層のブロッキング温度を超える時に印加され、そして記録セルの冷却時には、この冷却は、トンネル接合を通って流れる加熱電流をスイッチオフすることによって引き起こされる。記録層の新しい磁化方向は、電流ラインによって生成されたこの印加磁界の方向によって決定され、そしてそれは接合の冷却の間維持される。
代替の書き込みモードによれば、記録層の磁化方向に直接作用するために、接合を通して流れる電流のスピン分極を使うことが可能である。スピン転送として知られているこの書き込みモードは、記録層に入り込んだ基準層に起源を有する電子がスピン分極されるという事実を利用する。接合の2つの強磁性電極を分離するバリアを横切って、記録層を貫く電子のスピンは、記録層の磁化方向に応じ、その磁化にトルク(10〜10A/cmのオーダーの電流密度に対して記録層の磁化を反転するのに十分強い)を与えることによって再度方向付けされる。そして、書き込みは送られた電流の方向によって決定される。電子が基準層から記録層に移動するならば、スピン分極された電流は、記録および基準層の平行な形態に有利にはたらく(低抵抗状態)。電子が反対方向に流れる時には、反平行な形態に有利にはたらく(高抵抗状態)。記録層を反転するための臨界電流は、現存する静磁界およびスピン転送現象の固有の不安定性のために必ずしも対称でない。
この書き込みモードは、強磁性電極(NiFe、CoFeB、CoFe 1〜4nm)から成る記録層が、低いブロッキング温度(160℃)を持った反強磁性層(IrMn 6nm)によってピンニングされるという状態で、セル内で達成することもできる。基準層は上記6つの方法を使って製造することができる。例えば基準層は、高いブロッキング温度(>250℃)(図12のPtMn)を持った反強磁性層(PtMn、IrMn、NiMn 10〜25nm)によってピンニングされた分極層に反強磁性的に結合された、ラミネートされた強磁性層から成りうる。第2のラミネート層(基準層)は、0.5nmから1nmの典型的な厚さを持ったルテニウムから成るスペーサを通した反強磁性結合によって分極される。
この動作方法は、例えば特許文献10に記載されている。スピン分極された電流を使う書き込みモードによって、記録層を反転するための臨界電流は、ブロッキング温度を超えて記録層をピンニングする反強磁性層の温度の上昇を達成するのに要求される電流よりも小さくなければならない。従って、トンネル接合を通して流れる電流の方向に応じた1つの方向または他の方向への記録層の磁化は、このブロッキング温度を超えるや否や再度方向付けられる。
基準層の分極は、最初の6つの実施形態に関連して上述した方法を使って得ることができる。
図12は、記載された最後の実施形態(項目6)に対して記載したようなスピン分極された電流と基準層の分極とによって、記録セル書き込み動作を行うことを示す。2つの電極を分離するトンネルバリアは、トンネル効果に起因する多量の電子の流れを可能にするために薄くなければならない。これらのバリアの特徴的なRA積は、接合の絶縁破壊電圧より低い電圧において高い電流密度(>10A/cm)を可能にするためを含めて、1から100Ω・μmである。
これらのバリアは、0.5から2nmの典型的厚さを持つAl、TiOまたはMgOから成りうる。基準層−トンネルバリア−記録層のアセンブリ(組立体)は、加熱有効性を改善し、接合に熱を限定する(閉じ込める)ために、2つのトンネルバリアの間に置かれる。
分極層および反強磁性の基準層は低い熱伝導率の材料(例えばGeSbTe)でラミネートされる。基準層はピンニングされた分極層によって分極される。反強磁性のピンニングされた層(PtMn)は、熱バリアによって限定された領域の外に位置する。この実施形態は、磁界を生成するためにさらなる電流ラインを必要としないので、メモリの基本設計を単純化する。
図12において、記録層および基準層を反平行モードに設定するための書き込み電流の方向が、実質的に垂直な上向きの矢印(破線)によって示され、そして記録層および基準層を平行モードに設定するための書き込み電流の方向が、実質的に垂直な下向きの矢印(実線)によって示されている。

Claims (31)

  1. 少なくとも1つの磁気トンネル接合から成るすべての記録セルを熱的支援書き込みする磁気メモリにおいて、前記トンネル接合は、少なくとも、
    ・磁化が、記録セルの読み取りの時と同じ方向に常に方向付けられている基準層と、
    ・磁化方向が可変的な1つの「自由」磁気記録層と称される層と、
    ・前記基準層と前記記録層との間に挟み込まれた1つの絶縁層と、
    を有し、
    前記基準層の磁化方向は、「分極層」と称される他の固定磁化層との静磁気的な相互作用に起因して、読み取りの時と実質的に同じである方向に常に分極され、かつ、前記分極層は、読み取り段階および書き込み段階の際において、静磁気的に相互作用する基準層が受けるより少ない熱的変化を受けるように配置され
    GeSbTeまたはBiTeから成る層が前記基準層と前記分極層との間に置かれることを特徴とする磁気メモリ。
  2. 前記記録層は、第一に、典型的にパーマロイ(Ni80Fe20)およびCo90Fe10からなる群から選択された強磁性体材料層を、第二に、120から220℃の中程度のブロッキング温度を持った反強磁性層を、結合させた二重層を有することを特徴とする請求項に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  3. 前記記録層の二重層は平面の磁化を持つことを特徴とする請求項に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  4. 前記中程度のブロッキング温度を持つ反強磁性層は、Ir20Mn80に近い組成を持つIrMn合金から成ることを特徴とする請求項またはに記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  5. 前記記録層を構成する強磁性材料および反強磁性材料から成る層の、選択されたそれぞれの厚さは、前者が1から4nm、後者が4から8nmであることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  6. 前記分極層は、第一に、典型的にCo1−xFe合金で、xが0から0.50までの強磁性体材料層を、第二に、高いブロッキング温度を持った反強磁性層を、結合させた二重層を有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  7. 前記分極層の磁化方向を固定する反強磁性層はPtMnまたはIrMnから成ることを特徴とする請求項に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  8. 書き込みの際に、磁界が前記基準層の磁化方位を強化するために使われることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  9. 強磁性の分極層は、Co80Cr20およびSmCoからなる群から選択された材料から成る高い飽和保磁力を持つ材料から成ることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  10. 前記分極層は記録セルへの電気接続を確実にするライン中に挿入され、その磁化方向はラインの長手方向と実質的に垂直であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  11. 前記分極層は導電ラインから成り、反強磁性ピンニング層の導電性が非磁性導電層によって補われることを特徴とする請求項10に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  12. 前記基準層は、CoFe合、NiFe合、または1nmCoFe/2nmNiFe二重層からなる群から選択された磁性材料から成ることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  13. 前記基準層の厚さは1から4nmであることを特徴とする請求項12に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  14. トンネルバリアに対向する前記記録層の側は、2から10nmの厚さを持ったBiTeおよびGeSbTeから成る群から選択された材料から成る層に接触することを特徴とする請求項から13のいずれか1項に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  15. すべての記録セルは、共通に一つの記録層を持った二重の磁気トンネル接合から成り、前記記録層は2つのトンネルバリアの間に挿入され、それぞれのトンネルバリアは、前記記録層に対向する側に基準層を持ち、その磁化は、ピンニングされた磁化分極層との磁気相互作用によって読み取りの時に固定された方向に維持され、2つの基準層は2つの分極層から分離され、それら基準層が熱バリアによってそれぞれ前記分極層と磁気的に結合されることを特徴とする請求項から13のいずれか1項に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  16. 前記記録層は、トンネルバリアに接触する軟質の材料の2つの強磁性層の間に挟み込まれたIrMn、PtMn、およびPtPdMnからなる群から選択された材料から成る、120から220℃の中程度のブロッキング温度を持った中央の反強磁性層を有する三重層から成り、前記強磁性層は、Ni80Fe20、Co100−xFeで、xが通常0から30までのもの、Co100−x−yFeで、xが通常0から30でyが通常0から20までのもの、から成ることを特徴とする請求項15に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  17. 前記分極層は、前記記録セルの両側に置かれた永久磁石から成ることを特徴とする請求項1から、および12から16のいずれか1項に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  18. 前記永久磁石は基準層のレベルに置かれることを特徴とする請求項17に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  19. 前記永久磁石は、SmCo、CoPt、CoCrPt、およびFePtからなる群から選択された、高い保持力を備えた強い磁場を持つ強磁性材料層から成ることを特徴とする請求項17または18に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  20. 前記永久磁石は特にCoFe合金をベースとする強い磁場を持つ強磁性材料から成り、特に200℃を超えるブロッキング温度を有する反強磁性層によってピンニングされることを特徴とする請求項17または18に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  21. 前記基準層と静磁気的に相互作用する分極層は、メモリ上に位置する永久磁石から成ることを特徴とする請求項1から、および12から16のいずれか1項に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  22. 前記基準層は、特にルテニウムから成る非磁性スペーサを介して反強磁性的に結合された多くの強磁性層から成ることを特徴とする請求項1または2に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  23. 前記分極層は、非磁性スペーサを介して、特にルテニウムから成るものに反強磁性的に結合された多くの強磁性から成ることを特徴とする請求項1または2に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  24. 前記基準層は、第1の磁性材料、特にCoFe中に特にGeSbTeまたはTaを持つ第2の材料の薄層を挿入することによって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  25. 前記分極層は、第1の磁性材料、特にCoFe中に特にGeSbTeまたはTaを持つ第2の材料の薄層を挿入することによって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  26. 反強磁性的に結合され、前記基準層を構成する少なくとも1つの強磁性層は、この強磁性層中に、2の材料の薄層、特にGeSbTeまたはTaを挿入することによって形成されることを特徴とする請求項22に記載の磁気メモリ。
  27. 反強磁性的に結合され、前記分極層を構成する少なくとも1つの強磁性層は、この強磁性層中に、2の材料の薄層、特にGeSbTeまたはTaを挿入することによって形成されることを特徴とする請求項23に記載の磁気メモリ。
  28. 前記分極層は、形成された基準層がルテニウムから成るスペーサを介した反強磁性結合による前記分極層によって分極され、この結合がこれらの層の間の静磁気的結合に加えられる、という状態で、反強磁性層、特にPtMnから成るものによってピンニングされることを特徴とする請求項2325、および27のいずれか1項に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  29. 前記基準層は、ンネルバリアに接触する前記基準層構成層が、CoFeおよびCoFeBからなる群から選択された強磁性体材料から成るような状態で、磁気トンネル接合のトンネルバリアに接触状態にあることを特徴とする請求項1から28のいずれか1項に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  30. 1つのルテニウム層によって反平行に結合され、形成された基準層及び形成された分極層アセンブリから成るスタックの数は、分極層に含まれるスタックが、反強磁性体材料から成る層との相互作用によってピンニングされる、という状態で、2より大きいことを特徴とする請求項22から28のいずれか1項に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
  31. 磁気トンネル接合のトンネルバリアにすぐに接触する強磁性層は、ラミネート層中のものより厚いことを特徴とする請求項30に記載の熱的支援書き込みする磁気メモリ。
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