JP5441585B2 - 処理機械においてシートを側方に位置調整する方法および装置 - Google Patents

Description

本発明は、処理機械、特に印刷機においてシートを側方に位置調整する方法および装置に関する。

胴に沿ってシートを側方に位置調整するために、胴全体を移動させることが公知である。

選択的な構成は、欧州特許出願公開第１３３４８２９号明細書に開示されており、ここではシートをガイドする胴の、１枚のシートしか把持しないグリッパ装置が摺動される。シートをガイドする胴は、胴軸線の延長上に定位置に配置された調節駆動装置ならびに定位置に配置された調節伝動装置を備えており、調節伝動装置は、胴と同期的に回転する、軸方向に配置された引張レールと連行体とを介して、グリッパブリッジに作用する。調節伝動装置と引張レールとの間の回動分離継手は、胴の外側に配置されている。

欧州特許出願公開第１３５４８３３号明細書において、印刷機の胴に沿ってグリッパ装置を前位置決めする方法が公知であり、ここではセンサを用いたシート位置の測定に基づいて、グリッパ装置が、シートを検出するまえに、位置修正値の半分だけ、逆向きの、修正に対応する方向に摺動される。シートを把持したあとで、グリッパ装置は、全体の修正値分を摺動される。

欧州特許出願公開第１３３４８２９号明細書 欧州特許出願公開第１３５４８３３号明細書

本発明の課題は、冒頭で述べたような、処理機械、特に印刷機においてシートを側方に位置調整する方法および装置を改良して、高い精度で作動するものを提供することである。

この課題を解決するための本発明の方法によれば、シートの実際値を検出するため、およびグリッパ装置によってシートを把持するまえにグリッパ装置を前位置調整するための少なくとも１つのセンサを備えた処理機械の胴に沿ってシートを側方に位置調整する方法において、グリッパ装置を、シートの側方位置に関するシートの実際位置に応じて、所定の位置に前位置調整する。

有利には、グリッパ装置のグリッパ閉鎖状態でシートをセンサによって２度目の検出で検出し、目標値／実際値−比較のあとで、グリッパ装置が、側方の修正運動を行うようにする。

有利には、グリッパ装置の後続の前位置調整のために、シートの実際位置を、第２のセンサによって検出する。

有利には、グリッパ装置のグリッパを作動させるための制御ローラを、グリッパ装置の前位置調整中に、グリッパの開閉時間を制御するための制御カムから持ち上げる。

この課題を解決するための本発明の装置によれば、処理機械の胴に沿ってシートを側方に位置調整する装置であって、直線運動を形成するための調節駆動装置と、押圧ロッドと、回動分離継手と、押圧ロッドに配置された連行体とを備えており、該連行体は、可動に支承されたグリッパ装置に取り付けられている、シートを側方に位置調整する装置において、回動分離継手が、胴の胴体内に配置されており、連行体が、回動可能に押圧ロッドに支承されていて、摺動に対して固定されている。

この課題を解決するための本発明の装置によれば、処理機の胴に沿ってシートを側方に位置調整する装置であって、調節駆動装置と、回動運動をグリッパ装置の直線運動に変換するための伝動装置とを備えている、シートを側方に位置調整する装置において、調節駆動装置の回動運動をグリッパ装置の直線運動に変換するための伝動装置が、胴の胴体内に配置されている。

有利には、伝動装置は、連行体を備えており、該連行体は、グリッパ装置に取り付けられている。

有利には、伝動装置は、回動駆動可能な調節軸によって作動可能に配置されている。

有利には、調節軸は、調節駆動装置によって駆動可能に配置されている。

有利には、グリッパ装置のグリッパを作動させるための調節ローラが、制御カムと作用接触しており、該調節ローラは、グリッパ装置の前位置調整中に、制御カムから間隔を有して配置されている。

有利には、制御カムは、空運転距離の領域で、搬送距離の領域における半径を有する輪郭よりも小さな直径を有する輪郭を有している。

有利には、シート位置を検出するために少なくとも１つのセンサが設けられており、該センサは、機械制御装置を介して調節駆動装置と接続されている。

有利には、第２のセンサが設けられており、該第２のセンサは、機械制御装置によってシート位置を検出するために、調節駆動装置と接続されており、両方のセンサは、シート搬送方向にみて相互間隔を有して配置されている。

本発明による方法によって、グリッパ装置が位置調整に必要とする距離が、大幅に短縮される。

粗い検出および細かい検出への、シートの位置決め特定の分配が特に有利である。粗い検出は、グリッパ装置の前位置決めに用いられ、細かい検出は、求められた修正値に応じたシートの位置調整に用いられる。

搬送方向にみて上流側に配置された第２のセンサの配置構造によって、グリッパ装置の前位置決めのために比較的大きな時間窓が形成される。

特にグリッパ装置によるグリッパ閉鎖状態での、引張距離検出のための第２の測定によって、シート位置調整の精度が高まる。

調節装置の有利な形態は、胴の内側における回動分離継手の配置構造によって得られる。このような構成手段によって、調節駆動装置の延長上に配置された押圧ロッドは、位置調整もしくは前位置決めに際してのみ運動させられ、常に胴と共に駆動させる必要はない。

別の有利な形態は、グリッパ装置の前位置決中における制御カムからのグリッパ制御ローラの持ち上げである。このような構成手段によって、カム−ローラ−摩擦が大幅に低減される。

本発明の実施の形態を図示して、以下に説明する。

枚葉輪転印刷機を示す概略断面図である。 側方に可動のグリッパ装置を備えた胴を示す概略断面図である。 リニア駆動装置を備えた選択的な形態を示す図である。 グリッパ装置の前位置決めの中にグリッパ開放制御ローラを持ち上げるための制御カムを示す図である。

シート７を処理する機械、たとえば印刷機１は、フィーダ２と少なくとも１つの印刷部３，４とデリバリ６とを備えている。シート７は、シートスタック（パイル）８から取り出されて、個別化されるかまたは刺身状にずれ重なった状態でフィーダボード９を介して印刷部３，４に供給される。印刷部３，４は、公知のように、版胴１１，１２と、該版胴１１，１２と協働するゴムブランケット胴１５，２０とを備えている。版胴１１，１２は、それぞれフレキシブルな刷版を固定するための装置１３，１４を備えている。さらに各版胴１１，１２に、半自動または全自動式の刷版交換のための装置１６，１７が配設されている。

シートスタック８は、昇降制御可能な紙積台１０に載設されている。シート７の取出は、シートスタック８の上面から、いわゆるサッカヘッド１８を用いて行われ、サッカヘッド１８は、とりわけシート７を個別化するための幾つかの持上サッカ１９と送りサッカ２１とを備えている。さらに上位のシート層をほぐすための吹込装置２２およびスタック後ガイドのための接触エレメント２３が設けられている。シートスタック８、特にシートスタック８の上位のシート７を揃える、つまり位置調整するために、側方および後方の幾つかのストッパ２４が設けられている。

シートを側方に揃えて調整するために、シートは、印刷機１の胴、有利には給紙胴２６上で調整され、位置調整は、胴２６に沿って摺動可能なグリッパ装置２７が、給紙胴２６の軸線に対して平行に運動して行われる。グリッパ装置２７の側方調節運動を形成するために、定位置に配置された調節モータ２９またはリニア駆動装置４５が設けられている。調節モータ２９またはリニア駆動装置４５は、グリッパ装置２７、たとえばグリッパブリッジを前位置調整するため、またはシートを微調整するために駆動される。調節モータ２９もしくはリニア駆動装置４５の操作は、機械制御装置３１によって行われ、機械制御装置３１は、シート７の位置測定データを、少なくとも１つのセンサ３２から受け取る。

センサ３２（たとえばＬＣＤラインセンサ）は、フィーダボード９に配置されていて、シート７がフィーダボード９の端部、たとえば前当て３７に到着すると、側縁を検出する。機械制御装置３１による目標値／実際値−比較に基づいて、グリッパ装置２７が、前位置調整される。この場合作動は以下の通りである。
目標値からの実際値のずれが小さな場合（たとえば＜１．５ミリメートル）、グリッパ装置２７の前位置調整は行われない。
実際値が、駆動側ＡＳ（シート搬送方向にみて右側）で離れすぎる（たとえば１．５ｍｍ〜６ｍｍ）場合、グリッパ装置２７は、グリッパ装置によってシートが把持されるまえに、規定値（＋３ｍｍ）だけ駆動側ＡＳに向かって前位置調整される。
検出された実際値が操作側ＢＳ（シート搬送方向にみて左側）で離れすぎる（たとえば−１．５〜−６ｍｍ）場合、グリッパ装置２７は、規定値（たとえば−３ｍｍ）だけ操作側ＢＳに前位置調整される。このような構成手段によって、シートを位置調整する際に、グリッパ装置２７が±３ｍｍの移動距離しかとらないが、それにもかかわらずたとえば±６ｍｍの調整距離が形成される。

シート７が、グリッパ閉鎖状態で、たとえば前グリッパ３３またはグリッパ装置２７のグリッパ４４によって保持されると、直ちにグリッパ閉鎖状態でシート７の実際値を検出するために、センサ３２による側縁の第２の測定が行われる。機械制御装置３１は、目標値／実際値−比較から修正値を求め、修正値は、調節モータ２９もしくはリニア駆動装置４５に送られる。調節モータ２９もしくはリニア駆動装置４５は、グリッパ装置２７に対応して配置されていて、グリッパ装置２７を、求められた修正値に応じて移動させる。

第２の形態によれば、グリッパ装置２７の前位置決めは、第２のセンサ３６によって制御することができ、この場合第２のセンサ３２は、専ら修正運動を検出するために必要とされる。

ここではセンサ３６は、シート側縁を検出するために前当て３７から離れて配置されたたとえばダブルスイッチ（Doppelschalter）である。このような構成手段によって、既に極めて早期にグリッパ装置２７の前位置決めを行うことができ、つまり比較的高い処理速度でも、グリッパ装置２７を前位置決めするために十分な時間が提供される。ダブルスイッチ３６は、シート搬送方向に対して横向きに配置された２つの２つのセンサを備えており、２つのセンサは、たとえば約３ｍｍの間隔を有して配置されている。ダブルスイッチ３６によって、３つの切換状態が特定される。ダブルスイッチ３６の両方のセンサが作動すると、シートは、たとえば操作側ＢＳに向かって過度に離れて位置する。ダブルスイッチ３６のセンサが作動しないと、シートは駆動側ＡＳに向かって過度に離れ定置する。シートが中央の範囲に位置すると、ここではグリッパ装置２７の前位置決めは不要であり、ダブルスイッチ３６の一方のセンサしか作動しない。

調節駆動装置、たとえば図２に示した調節モータ２９は、フレーム固定して配置されていて、駆動シャフト３８の延長上に調節軸４０を備えている。調節軸４０は、回動運動を直線運動に変換するための伝導装置４１（たとえばナット−ねじ山−伝導装置）によって、連行体４３に連結されており、連行体４３は、グリッパブリッジ２７に取り付けられている。伝導装置４１は、胴体２６内に配置されている。グリッパブリッジは、グリッパ４４を支持しており、グリッパ４４は、シート７を搬送するために設けられている。グリッパブリッジ２７は、給紙胴２６の軸線２８に対して平行に摺動可能に支承されている。

図３に示した選択的な形態では、調節駆動装置としてリニアモータ４５が用いられている。リニアモータ４５は、定位置に配置されていて、かつ駆動シャフト３８の延長上に摺動可能に支承された押圧ロッド３９を備えている。押圧ロッド３９は、端部に、連行体４３のための支承箇所４２を有しており、連行体４３は、グリッパブリッジとして形成されたグリッパ装置２７に取り付けられている。連行体４３は、回動可能に押圧ロッド３９に支承されているが、摺動不能に押圧ロッド３９に固定されている。

グリッパ４４の開閉運動を制御するために、定位置に配置された制御カム４６が設けられており、制御カム４６は、図４に示したように、「搬送領域」のための輪郭４７と、グリッパ４４の「空運動距離」のための輪郭４８とを備えている。制御凸部４９，５１は、シートの受取位置および引渡位置においてグリッパ４４の開放領域を拡大する。輪郭４８は、輪郭４７よりもかなり小さな半径ｒ1を有しているので、グリッパ４４を作動させるグリッパ軸５３の制御ローラ５２は、輪郭４８から間隔を有している。制御ローラ５２が制御カム４６もしくは制御カム４６の輪郭４８から間隔を有している領域は、グリッパ装置２７の前位置調整に利用される。

１ 印刷機、 ２ フィーダ、 ３ 印刷部、 ４ 印刷部、 ６ デリバリ、 ７ シート、 ８ シートスタック、 ９ フィーダボード、 １０ 紙積台、 １１ 版胴、 １２ 版胴、 １３ 刷版固定装置、 １４ 刷版固定装置、 １５ ゴムブランケット胴、 １６ 刷版交換装置、 １７ 刷版交換装置、 １８ 吸着ヘッド、 １９ 持上サッカ、 ２０ ゴムブランケット胴、 ２１ 送りサッカ、 ２２ 吹込装置、 ２３ 接触エレメント、 ２４ ストッパ、 ２６ 給紙胴、 ２７ グリッパ装置（グリッパブリッジ）、 ２８ 軸線（２６）、 ２９ 調節駆動装置（モータ）、 ３１ 機械制御装置、 ３２ センサ（ＬＣＤ）、 ３３ 前グリッパ、 ３６ 第２のセンサ（ダブルスイッチ）、 ３７ 前当て、 ３８ 駆動シャフト（２９）、 ３９ 押圧ロッド、 ４０ 調節軸、 ４１ 伝動装置、 ４２ 支承箇所、 ４３ 連行体、 ４４ グリッパ（２７）、 ４５ リニアモータ、 ４６ 制御カム、 ４７ 輪郭（４６）、 ４８ 輪郭（４６）、 ４９ 制御凸部（４６）、 ５１ 制御凸部（４６）、 ５２ 制御ローラ、 ５３ グリッパ軸、 ＡＳ 駆動側、 ＢＳ 操作側、 ｒ1 半径（４８）、 ｒ2 半径（４７）

Claims (17)

1. 処理機械の胴に沿ってシートを側方に位置調整する方法において、
   当該方法は、
   少なくとも１つのセンサによりシートの実際位置を検出し、
   グリッパ装置によってシートが把持されるまえに、グリッパ装置を、シートの側方位置に関するシートの実際位置に応じて、所定の位置に前位置調整し、
   グリッパ装置によってシートを搬送する間に必要な場合にシートを位置調整する、
   ステップを有することを特徴とする、シートを側方に位置調整する方法。
2. グリッパ装置のグリッパ閉鎖状態で、シートを前記少なくとも１つのセンサによって前記シートの実際位置の検出とは別に検出し、目標値／実際値−比較のあとで、グリッパ装置が、側方の修正運動を行うようにする、請求項１記載の方法。
3. グリッパ装置の後続の前位置調整のために、シートの実際位置を、別のセンサによって検出する、請求項１記載の方法。
4. グリッパ装置のグリッパを作動させるための制御ローラを、グリッパ装置の前位置調整中に、グリッパの開閉時間を制御するための制御カムから持ち上げる、請求項１記載の方法。
5. 処理機械の胴に沿ってシートを側方に位置調整する装置において、
   直線運動を形成するための調節駆動装置と、
   該調節駆動装置に接続された押圧ロッドと、
   可動に支承されたグリッパ装置と、
   該グリッパ装置に取り付けられた、回動可能に押圧ロッドに支承されていて、該押圧ロッドに摺動に対して固定された連行体と、
   胴の胴体内に配置された、前記押圧ロッドと前記連行体とを相互に接続する回動分離継手と、
   を備え、
   制御カムと、前記グリッパ装置のグリッパを作動させるための、該制御カムと作用接触された調節ローラとが設けられており、前記調節ローラは、前記グリッパ装置の前位置調整中に、前記制御カムから間隔を有して配置されていることを特徴とする、処理機械の胴に沿ってシートを側方に位置調整する装置。
6. 処理機の胴に沿ってシートを側方に位置調整する装置において、
   胴の外側に配置された、定位置のリニア式の調節駆動装置と、
   グリッパ装置と、
   前記調節駆動装置の回動運動を前記グリッパ装置の直線運動に変換するための、胴の胴本体内に配置された伝動装置と、
   を備え、
   制御カムと、前記グリッパ装置のグリッパを作動させるための、該制御カムと作用接触された調節ローラとが設けられており、前記調節ローラは、前記グリッパ装置の前位置調整中に、前記制御カムから間隔を有して配置されていることを特徴とする、処理機の胴に沿ってシートを側方に位置調整する装置。
7. 前記伝動装置は、前記グリッパ装置に取り付けられた連行体を備えている、請求項６記載の装置。
8. 前記伝動装置を作動するための回動駆動可能な調節軸が設けられている、請求項７記載の装置。
9. 前記調節軸は、前記調節駆動装置によって駆動可能に構成されている、請求項８記載の装置。
10. 前記制御カムは、ある半径を有する輪郭を備えた搬送距離の領域と、該搬送距離の領域の前記輪郭の前記半径よりも小さな半径を有する輪郭を備えた空運転距離の領域とを備えている、請求項５記載の装置。
11. 前記制御カムは、ある半径を有する輪郭を備えた搬送距離の領域と、該搬送距離の領域の前記輪郭の前記半径よりも小さな半径を有する輪郭を備えた空運転距離の領域とを備えている、請求項６記載の装置。
12. 機械制御装置が設けられており、該機械制御装置を介して調節駆動装置と接続された、シート位置を検出するための少なくとも１つのセンサが設けられている、請求項５記載の装置。
13. 機械制御装置が設けられており、該機械制御装置を介して調節駆動装置と接続された、シート位置を検出するための少なくとも１つのセンサが設けられている、請求項６記載の装置。
14. 前記機械制御装置を介して前記調節駆動装置と接続された、シート位置を検出するための別のセンサが設けられており、前記両方のセンサは、シート搬送方向にみて相互間隔を有して配置されている、請求項１２記載の装置。
15. 前記機械制御装置を介して前記調節駆動装置と接続された、シート位置を検出するための別のセンサが設けられており、前記両方のセンサは、シート搬送方向にみて相互間隔を有して配置されている、請求項１３記載の装置。
16. 請求項５記載の装置を備えた枚葉輪転印刷機。
17. 請求項６記載の装置を備えた枚葉輪転印刷機。

Images