JP5440410B2 - 金属化樹脂フィルムの製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属化樹脂フィルムの製造方法及びその製造装置に関し、更に詳しくは、長尺樹脂フィルムの表面に接着剤を介さずに一次金属層を形成した一次金属層付長尺樹脂フィルムをロールツーロールで搬送しながら、一次金属層上に電気めっきで二次金属層を形成する金属化樹脂フィルムの製造方法及び製造装置に関する。
金属化ポリイミドフィルムに代表される金属化樹脂フィルムは、ポリイミドなどの樹脂フィルムの少なくとも片方の表面上に金属層を形成したものであり、近年では液晶画面に画像を表示するための駆動用半導体を実装する半導体実装用基板等の用途に汎用されている。特に金属化ポリイミドフィルムの基材となるポリイミドフィルムは、優れた耐熱性を有し、機械的、電気的及び化学的な特性においても、他のプラスティック材料に比べ遜色のないものである。
そのため、金属化ポリイミドフィルムは、例えば、プリント配線板(PWB)、フレキシブルプリント配線板(FPC)、テープ自動ボンディング用テープ(TAB)、チップオンフィルム(COF)等の電子部品用の絶縁基板材料として多用されている。このようなPWB、FPC、TAB、及びCOFは、ポリイミドフィルムの少なくとも片方の表面上に金属層を被覆した金属化ポリイミドフィルムを用いて、配線パターンニング加工することによって得られている。
また、これらの中で特に液晶画面表示用ドライバーICチップを実装する手法として、金属化ポリイミドフィルムを用いるCOFが注目されている。COFは、従来の実装法であったTCP(Tape Carrier Package)に比べてファインピッチ実装が可能であり、ドライバーICの小型化とコストダウンを図ることが容易な実装法である。このCOFの製造方法としては、一般的にはポリイミドフィルムに銅層を設けた金属化ポリイミドフィルムを使用し、いわゆるサブトラクティブ法によってファインパターニングし、更に所望の箇所にスズめっき及びソルダーレジストを被覆する方法が一般的である。
因みに、サブトラクティブ法による銅層のパターニングでは、まず、銅層表面にレジスト層を設け、そのレジスト層の上に所定の配線パターンを有するマスクを設け、その上から紫外線を照射して露光し、現像して銅層をエッチングするためのエッチングマスクを得る。次に、露出している金属部をエッチングして除去し、残存するレジスト層を除去することで配線パターンが得られる。
上記金属化ポリイミドフィルムには、接着剤を用いて金属箔とポリイミドフィルムを張り合わせた3層金属化ポリイミドフィルムと、接着剤を介することなく直接ポリイミドフィルムの表面に金属層を形成した2層金属化ポリイミドフィルムとがある。近年では微細配線が描ける基材が要求される中で、接着剤層の影響を受けず、ポリイミド本来の安定性を利用した材料が得られる理由から、接着剤層の無い2層金属化ポリイミドフィルムの要求が高まっている。
2層金属化ポリイミドフィルムを製造する場合、ポリイミドフィルム表面に金属層を形成する方法としては、いわゆるメタライジング法がある。メタライジング法では、例えばスパッタリング法等の乾式めっき法により、ニッケルクロム合金等のニッケル合金からなる下地金属薄膜を形成し、その上に良導電性を付与するために銅薄膜を形成して一次金属層とする。この一次金属層のみでは金属導電体として薄いので、金属導電体の膜厚を厚くするために、一次金属層上に電気めっき等の湿式めっき法により銅を成膜して二次金属層を形成している。
ここで、上記した2層金属化ポリイミドフィルムを製造において、一次金属層の表面に電気めっき法によって二次金属層を形成するには、一次金属層付きの長尺樹脂フィルムをロールツーロールで搬送しながら、アノードを備え且つめっき液が満たされためっき槽へ浸漬して、アノードとの間で電気めっきを行えばよい。例えば特許文献1には、スパッタリング工程で金属被膜を形成したポリイミドフィルムを、複数のアノードを備え電解液が満たされためっき槽内に搬送し、めっき槽内を進むにつれてアノードへの通電量を順次増加させて、均一且つ良好な電気めっき被膜を連続的に形成する連続めっき方法が記載されている。
一方、特許文献2には、上記特許文献1と同様にロールツーロールで搬送して銅電解めっきを行った後、得られた銅積層タイプのフレキシブルプリント基板用材料を巻取後又は巻取前に熱処理を施することによって、耐折れ指数の改善を行う技術が開示されている。しかしながら、特許文献2の方法は、折り曲げ時の断線やクラックの発生を抑制する技術であり、シワの発生などへの対策はなされていない。
特開2009−026990号公報 特開2007−262493号公報
上記した2層金属化ポリイミドフィルムの製造においては、一次金属層付長尺樹脂フィルムをロールツーロールで搬送し、一次金属層の表面に電気めっきにより二次金属層を形成した後、得られた長尺の金属化ポリイミドフィルムを巻取ロールに巻き取っているが、その巻き取りの際に金属化ポリイミドフィルムに局所的にシワが発生するという問題があった。微細配線が描ける基材として金属化ポリイミドフィルムが要求されている現状において、シワの発生は配線パターンニング加工にも影響するため改善が要望されていた。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、長尺の一次金属層付樹脂フィルムをロールツーロールで搬送しながら、電気めっきにより二次金属層を形成し、得られた長尺の金属化樹脂フィルムを巻き取る際にシワの発生をなくすことができる金属化樹脂フィルムの製造方法と、その製造装置を提供することを目的とする。
本発明者は、シワの発生しない金属化樹脂フィルムを製造するため検討を重ねた結果、電気めっきにより一次金属層上に二次金属層を積層して形成した後の金属化樹脂フィルムに対し張力を加えながら熱処理することによって、局所的な歪みをなくすことができ、従って巻き取ってもシワが発生しない金属化樹脂フィルムが得られることを確認し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明が提供する金属化樹脂フィルムの製造方法は、長尺樹脂フィルムの片方の表面に接着剤を介さず下地金属薄膜と銅薄膜を積層した一次金属層を有する一次金属層付樹脂フィルムを、巻出ロールから巻き出してロールツーロールで搬送しながら、一次金属層の表面に電気めっきにより銅の二次金属層を形成し、得られた長尺の金属化樹脂フィルムを単位断面積当たり2.4〜4.9N/mmの張力を加えながら100〜150℃の温度で熱処理を施した後、二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取ることを特徴とする。
また、本発明による金属化樹脂フィルムの製造装置は、長尺樹脂フィルムの片方の表面に接着剤を介さず下地金属薄膜と銅薄膜を積層した一次金属層を有する一次金属層付樹脂フィルムを、巻取ロールから巻き出してロールツーロールで搬送しながら、電気めっき槽内のめっき液への浸漬と搬出を繰り返して一次金属層の表面に電気めっきにより銅の二次金属層を形成する電気めっき装置と、搬送経路上で且つ電気めっき装置の後に設置され、電気めっき装置で得られた長尺の金属化樹脂フィルムに張力を加える張力負荷手段及び該金属化樹脂フィルムを加熱する加熱手段を有する熱処理装置とを備え、熱処理装置で熱処理された金属化樹脂フィルムを二次金属層が表向きになるように巻き取る巻取ロールを有することを特徴とする。
本発明によれば、ロールツーロールで搬送しながら電気めっきして得られる金属化樹脂フィルムをロール状に巻き取っても、巻き取られた金属化樹脂フィルムにおけるシワの発生をなくすことができる。しかも、電気めっき後に連続して熱処理を施せば、効率的にシワのない金属化樹脂フィルムを製造することができる。従って、本発明による金属化樹脂フィルムは、微細配線に適したプリント配線板やチップオンフィルム(COF)等の電子部品用の絶縁基板材料として極めて有用である。
本発明のロールツーロール方式による金属化樹脂フィルムの製造装置を示す概略の側面図である。
本発明方法の第1の工程では、電気めっき装置において、長尺の一次金属層付樹脂フィルムを巻出ロールから巻き出してロールツーロールで搬送しながら、電気めっきにより一次金属層の表面に銅の二次金属層を形成する。その際用いる一次金属層付樹脂フィルムは、長尺樹脂フィルムの片方の表面に、接着剤を介さずに、下地金属薄膜と銅薄膜を積層した一次金属層を形成したものである。尚、樹脂フィルムの表面に接着剤を介することなく一次金属層を形成する方法としては、蒸着法やスパッタリング法等の乾式めっき法、あるいは無電めっき法を用いることができる。
上記一次金属層は、ニッケル(Ni)又はクロム(Cr)などの金属又はこれら合金からなる下地金属薄膜と、この下地金属薄膜上に積層された銅薄膜とから構成される。下地金属薄膜上に銅薄膜を設ける理由は、下地金属薄膜上に電気めっき法により銅層を直接設けようとすると、通電抵抗が高いので電気めっきの電流密度が不安定になるためである。そこで、下地金属薄膜上に銅薄膜を積層することにより通電抵抗を下げ、電気めっきによる銅層形成時の電流密度の安定化を図ることができる。
下地金属薄膜の膜厚は、3〜50nmとすることが好ましい。膜厚が3nm未満では、得られた金属化樹脂フィルムの金属層をエッチングして配線を形成する際に、エッチング液が下地金属薄膜を浸食してポリイミドフィルムとの間に染み込み、配線が浮いてしまう場合があるため好ましくない。一方、膜厚が50nmを超えると、エッチングして配線を形成する際に金属層が完全に除去されず、残った残渣が配線間の絶縁不良を発生させることがある。
また、下地金属薄膜の上に積層する銅薄膜の膜厚は、10nm〜1μmとすることが好ましく、20nm〜0.8μmの範囲が更に好ましい。その理由は、銅薄膜の膜厚が10nmより薄いと銅層形成する電気めっきでの通電抵抗を十分下げることができず、逆に1μmを超えて厚い場合には銅薄膜の成膜に時間がかかりすぎ、生産性を悪化させ、経済性を損なうからである。
上記樹脂フィルムとしては、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、液晶ポリマーフィルムから選ばれた樹脂フィルムが挙げられるが、ポリイミドフィルム及びポリアミドフィルムは、はんだリフロー等の高温での接続が必要な用途に適している点で望ましく、特にポリイミドフィルムが好ましい。また、樹脂フィルムの厚さは8〜75μmのものが好適に使用できる。尚、樹脂フィルムにはガラス繊維等の無機質材料を適宣添加することもできる。
次に、上記した長尺の一次金属層付樹脂フィルムをロールツーロールで搬送しながら、電気めっき装置で一次金属層の表面に電気めっき法を用いて二次金属層を形成する第1の工程を、図1を参照して具体的に説明する。尚、図1に示す金属化樹脂フィルムの製造装置は、ロールツーロール方式によるものであって、電気めっき装置Aと熱処理装置Bとで構成されている。
電気めっき装置Aにおいて、長尺の一次金属層付樹脂フィルムFは巻出ロール1から巻き出され、給電ロール3aを経てめっき槽2内へ送られ、めっき液2aに浸漬される。めっき槽2内に入った一次金属層付樹脂フィルムFは、反転ロール4aを経てめっき槽2外に搬出される。このように、一次金属層付樹脂フィルムFはめっき液2aへの浸漬を複数回(図1では4回)繰り返し、その間に各給電ロールと一対のアノードとで構成される電気めっきの回路(めっきセル)により一次金属層の表面上に二次金属層として銅が成膜される。尚、二次金属層の厚みは、一般的に数μmから数十μmまでとされる。
具体的には、給電ロール3aと1対のアノード5a、5aとで電気めっき回路(めっきセル)を構成し、同様に、給電ロール3bとアノード5b、5b、給電ロール3cとアノード5c、5c、給電ロール3dとアノード5d、5dとで、それぞれ電気めっきの回路が構成されている。尚、アノードとしては公知の無酸素含リン銅や不溶性アノードを用いることができ、めっき液はアノードに応じた銅めっき液を使用すればよい。
各給電ロール3a、3b、3c、3dは、個別の電源装置(図示せず)に接続され、それぞれ一次金属層付樹脂フィルムFの一次金属層に接触して電気めっきに必要な電力を供給する。各給電ロール3a、3b、3c、3d及び各アノード5a、5a、5b、5b、5c、5c、5d、5dに供給される通電量を、一次金属層付樹脂フィルムFが搬送される経路に沿って順次増加させることにより、均一で良好な銅の二次金属層を形成することができる。尚、一次金属層付樹脂フィルムFの搬送速度と、各電気めっき回路(めっきセル)の電流密度は、二次金属層の厚みに応じて適宜定めることができる。
このようにして形成された銅の二次金属層には、電気めっきの過程で応力が発生する。即ち、めっき液への浸漬を繰り返す樹脂フィルムの吸湿による膨張と収縮、電気めっきで供給される電力によるジュール熱による熱膨張と収縮、長尺樹脂フィルムの搬送による湾曲などによって、二次金属層に応力が発生する。この応力は長尺の金属化樹脂フィルム内で不均一であるため、局所的な歪となって二次金属層に蓄積される。
その結果、ロールツーロール方式で電気めっきして得られた金属化樹脂フィルムを巻取ローラーに巻き取ると、二次金属層に局所的に蓄積された歪が原因となって、金属化樹脂フィルムの長手方向に帯状のシワが発生することがある。この帯状のシワはゲージバンドと呼ばれ、金属化樹脂フィルムの品質にとって重大な欠点となる。
本発明方法においては、第2の工程において、上記第1の工程で得られた長尺の金属化樹脂フィルムを、張力負荷手段と加熱手段張力を備えた熱処理装置で熱処理することにより、局所的に蓄積された応力の歪を除去してシワの発生を防止する。張力を加えながら金属化樹脂フィルムを熱処理することによって、第1の工程で金属化樹脂フィルムに蓄積された局所的な応力が緩和され、歪みが解消されるため、シワの発生が抑制されるものと考えられる。
第2の工程による長尺の金属化樹脂フィルムの熱処理を、図1を参照して具体的に説明する。上記第1の工程で長尺の一次金属層付樹脂フィルムFに銅の二次金属層を形成して得られた金属化樹脂フィルムSは、巻取ロール7で巻き取る前に、ガイドロール6で熱処理装置Bに搬送される。熱処理装置Bでは、一対のテンションロール8a、8bのような張力負荷手段で金属化樹脂フィルムSに一定の張力を加えながら、加熱手段9a、9bで金属化樹脂フィルムSを所定の温度に加熱する。
上記熱処理装置Bとしてはアニール炉などを使用することができ、その加熱手段9a、9bとしては各種ヒーターなどを用いることができ、その中でも遠赤外線ヒーターが特に好ましい。また、遠赤外線ヒーターなどの加熱手段9a、9bは、金属化樹脂フィルムSの二次金属層が形成されていない面(裏面)に対向するように配置することが好ましい。このように金属化樹脂フィルムSの裏面側から遠赤外線で加熱を行えば、遠赤外線により樹脂フィルムが加熱され、その樹脂フィルムからの熱で間接的に二次金属層を加熱することができる。
熱処理に際して金属化樹脂フィルムに加える張力は、金属化樹脂フィルムの単位断面積当たり2.4〜4.9N/mmの範囲とする。張力が2.4N/mm未満では応力が緩和されないため歪の除去が不十分となり、シワのない金属化樹脂フィルムが得られない。また、張力が4.9N/mmを超えると、逆に金属化樹脂フィルムに応力がかかり過ぎ、歪の除去ができなくなる。
張力を加えた金属化樹脂フィルムの熱処理温度は、100〜150℃の範囲とする。熱処理温度が100℃未満では長尺の金属化樹脂フィルムの応力を十分に緩和することができず、シワのない金属化樹脂フィルムが得られない。一方、熱処理温度が150℃を超えると、逆に応力の増大を招いてしまうため、シワの抑制効果が得られない。尚、熱処理時間は、適宜選択することができるが、40〜60秒程度が望ましい。熱処理時間が長くなると、金属化樹脂フィルムの生産性が低下するため好ましくない。
上記した第1の工程における電気めっきと第2の工程における熱処理は、連続して、即ちロールツーロールで搬送される長尺の一次金属層付樹脂フィルム(電気めっき後は金属化樹脂フィルム)の搬送経路上に電気めっき装置と熱処理装置を配置し、樹脂フィルムの搬送を停止することなく連続的に処理することが好ましい。ただし、電気めっき装置と熱処理装置を別々の搬送経路上に配置して、電気めっき後の金属化樹脂フィルムを一旦巻取った後、再び巻き出して熱処理することも可能である。
第1の工程における電気めっきと第2の工程における熱処理を連続して行う場合、電気めっきの際の張力と熱処理時の張力が同一である必要はない。電気めっきの際の張力は電気めっきの条件に応じて適宜選択されるが、熱処理時の張力は電気めっき装置と熱処理装置の間に公知のニップロール(図示せず)などを配置することで、張力を所定の範囲内に制御することができる。
上記第2の工程において熱処理された金属化樹脂フィルムSは、図1に示すように、銅の二次金属層が表向きになる(即ち、二次金属層が巻取ロール7側に向かない)ように巻取ロール7に巻き取る。従って、ロール状に巻き取られた金属化樹脂フィルムSはロールの表面側が銅の二次金属層となる。銅の二次金属層を裏向きにして巻き取ると、上記熱処理を施した場合でも長手方向に帯状のシワ(即ち、ゲージバンド)が発生することが多いが、二次金属層を表向きにして巻き取ることでシワの発生を抑制することができる。
図1に示す電気めっき装置Aと熱処理装置Bとを備えたロールツーロール方式の金属化樹脂フィルム製造装置を使用して、長尺の一次金属層付ポリイミドフィルムに銅の電気めっきと熱処理を連続して行い、金属化ポリイミドフィルムを製造した。
即ち、ポリイミドフィルムは幅50cmの東レデュポン(株)製カプトン(登録商標)を用い、片方の表面にスパッタリング法により膜厚100nmの20重量%クロム−ニッケル合金薄膜と膜厚1000nmの銅薄膜を成膜して、一次金属層付ポリイミドフィルムとした。
得られた一次金属層付ポリイミドフィルムの一次金属層の表面に、電気めっき装置Aで電気めっきを行って膜厚8μmの銅の二次金属層を成膜し、金属化ポリイミドフィルムとした。尚、めっき液にはpH1以下の硫酸銅溶液を用い、アノードには酸化イリジウムを塗布したチタンアノードを用いた。
[実施例1〜4]
実施例1では、上記金属化ポリイミドフィルムを電気めっき装置Aから連続して熱処理装置Bに搬送し、2.4N/mmの張力を加えながら、遠赤外線ヒーターで100℃に加熱して熱処理(熱処理時間52秒間)を施した。熱処理後の金属化ポリイミドフィルムは、引き続き連続して、銅の二次金属層が表向きになるように巻取ロールにロール状に巻き取った。
実施例2では、上記金属化ポリイミドフィルムを、2.4N/mmの張力を加えながら150℃に加熱した以外は実施例1と同様に熱処理(熱処理時間52秒間)して、銅の二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取った。
実施例3では、上記金属化ポリイミドフィルムを、4.9N/mmの張力を加えながら100℃に加熱した以外は実施例1と同様に熱処理(熱処理時間52秒間)して、銅の二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取った。
実施例4では、上記金属化ポリイミドフィルムを、4.9N/mmの張力を加えながら150℃に加熱した以外は実施例1と同様に熱処理(熱処理時間52秒間)して、銅の二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取った。
上記の実施例1〜4の各熱処理を施して巻き取った各金属化ポリイミドフィルムは、いずれも外観目視検査においてシワの発生は確認されず、良好な結果が得られた。これらの結果を、シワの発生が確認されなかったものを「○」として、下記表1にまとめて示した。
[比較例1〜12]
比較例1では、上記金属化ポリイミドフィルムを、2.0N/mmの張力を加えながら90℃に加熱した以外は実施例1と同様に熱処理(熱処理時間52秒間)して、銅の二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取った。
比較例2では、上記金属化ポリイミドフィルムを、2.0N/mmの張力を加えながら100℃に加熱した以外は実施例1と同様に熱処理(熱処理時間52秒間)して、銅の二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取った。
比較例3では、上記金属化ポリイミドフィルムを、2.0N/mmの張力を加えながら150℃に加熱した以外は実施例1と同様に熱処理(熱処理時間52秒間)して、銅の二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取った。
比較例4では、上記金属化ポリイミドフィルムを、2.0N/mmの張力を加えながら160℃に加熱した以外は実施例1と同様に熱処理(熱処理時間52秒間)して、銅の二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取った。
比較例5では、上記金属化ポリイミドフィルムを、2.4N/mmの張力を加えながら90℃に加熱した以外は実施例1と同様に熱処理(熱処理時間52秒間)して、銅の二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取った。
比較例6では、上記金属化ポリイミドフィルムを、4.9N/mmの張力を加えながら90℃に加熱した以外は実施例1と同様に熱処理(熱処理時間52秒間)して、銅の二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取った。
比較例7では、上記金属化ポリイミドフィルムを、5.3N/mmの張力を加えながら90℃に加熱した以外は実施例1と同様に熱処理(熱処理時間52秒間)して、銅の二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取った。
比較例8では、上記金属化ポリイミドフィルムを、5.3N/mmの張力を加えながら100℃に加熱した以外は実施例1と同様に熱処理(熱処理時間52秒間)して、銅の二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取った。
比較例9では、上記金属化ポリイミドフィルムを、5.3N/mmの張力を加えながら150℃に加熱した以外は実施例1と同様に熱処理(熱処理時間52秒間)して、銅の二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取った。
比較例10では、上記金属化ポリイミドフィルムを、5.3N/mmの張力を加えながら160℃に加熱した以外は実施例1と同様に熱処理(熱処理時間52秒間)して、銅の二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取った。
比較例11では、上記金属化ポリイミドフィルムを、2.4N/mmの張力を加えながら160℃に加熱した以外は実施例1と同様に熱処理(熱処理時間52秒間)して、銅の二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取った。
比較例12では、上記金属化ポリイミドフィルムを、4.9N/mmの張力を加えながら160℃に加熱した以外は実施例1と同様に熱処理(熱処理時間52秒間)して、銅の二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取った。
上記の比較例1〜12の各熱処理を施して巻き取った各金属化ポリイミドフィルムは、いずれも外観目視検査においてシワの発生が確認された。これらの結果を、シワの発生が確認されたものを「×」として、上記実施例1〜4と共に下記表1にまとめて示した。
Figure 0005440410
[比較例13]
この比較例13では、上記金属化ポリイミドフィルムを電気めっき装置Aから連続して熱処理装置Bに搬送し、2.4N/mmの張力を加えながら、遠赤外線ヒーターで100℃に加熱して熱処理(熱処理時間52秒間)を施した。熱処理後の金属化ポリイミドフィルムは、引き続き連続して、銅の二次金属層が上記実施例1とは逆に裏向きになるように巻取ロールにロール状に巻き取った。
銅の二次金属層が裏向きになるように巻取ロールに巻き取った金属化ポリイミドフィルムは、外観目視検査においてシワの発生が確認された。
A 電気めっき装置
B 熱処理装置
F 一次金属層付樹脂フィルム
S 金属化樹脂フィルム
1 巻出ロール
2 めっき槽
2a めっき液
3a、3b、3c、3d 給電ロール
4a、4b、4c、4d 反転ロール
5a、5b、5c、5d アノード
6 ガイドロール
7 巻取ロール
8a、8b テンションロール
9a、9b 加熱手段

Claims (6)

  1. 長尺樹脂フィルムの片方の表面に接着剤を介さず下地金属薄膜と銅薄膜を積層した一次金属層を有する一次金属層付樹脂フィルムを、巻出ロールから巻き出してロールツーロールで搬送しながら、一次金属層の表面に電気めっきにより銅の二次金属層を形成し、得られた長尺の金属化樹脂フィルムを単位断面積当たり2.4〜4.9N/mmの張力を加えながら100〜150℃の温度で熱処理を施した後、二次金属層が表向きになるように巻取ロールに巻き取ることを特徴とする金属化樹脂フィルムの製造方法。
  2. 前記熱処理は、前記金属化樹脂フィルムの二次金属層を有しない表面側を加熱することを特徴とする、請求項1に記載の金属化樹脂フィルムの製造方法。
  3. 前記電気めっきと前記熱処理を連続して行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の金属化樹脂フィルムの製造方法。
  4. 前記熱処理は遠赤外線の加熱によることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の金属化樹脂フィルムの製造方法。
  5. 前記一次金属層は、乾式めっきにより形成したニッケル薄膜又はニッケル合金薄膜からなる下地金属薄膜と、その表面に乾式めっきにより積層した銅薄膜とからなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の金属化樹脂フィルムの製造方法。
  6. 前記長尺樹脂フィルムがポリイミドフィルムからなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の金属化樹脂フィルムの製造方法。
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