図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機であってフルカラーの画像形成を行うことが可能になっているが、他の画像形成装置、すなわち、モノクロ機や、複写機、プリンタ、ファクシミリの単体、あるいは複写機とプリンタとの複合機等他の複合機であっても良い。画像形成装置100は、プリンタとして用いられる場合には、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。これは画像形成装置100がファクシミリとして用いられる場合も同様である。
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体である用紙としての記録体である記録材たる転写紙Sの両面に画像形成可能な両面画像形成装置でもある。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能なドラム状の像担持体としての潜像担持体である感光体たる感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを、転写ベルト11の張り渡し方向に沿って4連タンデム式に並べて設け平行配設したタンデム構造、言い換えるとタンデム方式を採用している。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、画像形成装置100のプリンタ部として機能する本体99の図示しないフレームに回転自在に支持され、中間転写体である転写体たる中間転写ベルトとしての転写ベルト11の移動方向であって図1において反時計回り方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための作像装置としての画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、本体99の内部のほぼ中央部に配設された無端のベルトとして構成されたエンドレスの転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に位置している。
転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像である像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写媒体としての転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、転写紙Sに一括転写されるようになっている。よって画像形成装置100は中間転写方式の画像形成装置となっている。したがって画像形成装置100はタンデム型間接転写方式の電子写真装置となっている。
転写ベルト11は、その下側の部分が各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向しており、この対向した部分である対向位置が、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上のトナー像を転写ベルト11に転写する1次転写領域としての1次転写部58を形成している。
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向する位置に配設された第1の転写ローラとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
画像形成装置100は、本体99内に、4つの作像装置としての画像形成ステーションである画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKと、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの上方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写装置たる転写ユニットとしての中間転写ユニットである転写ベルトユニット10と、図1における転写ベルト11の右側において転写ベルト11に対向して配設された2次転写装置5と、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKの下方に対向して配設された潜像形成手段としての光書込みユニットである光学ユニットとしての書き込み装置たる露光装置としての光走査装置8とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内の光走査装置8の下方に、転写ベルト11と2次転写装置5との間の2次転写領域としての2次転写部57に向けて搬送される転写紙Sを多数枚積載可能な給紙ユニットとしての給紙トレイである給紙装置たる給紙手段としてのシート給送装置61と、シート給送装置61から搬送されてきた転写紙Sを、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、2次転写部57に向けて繰り出す搬送ローラとしてのレジストローラ対4と、転写紙Sの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内に、トナー像を転写された転写紙Sに同トナー像を定着させるためのローラ定着方式の定着ユニットとしての定着部である定着装置6と、定着済みの転写紙Sを本体99の外部に排出する排出ローラである排紙ローラ対としての排紙装置である排紙ローラ7と、転写ベルトユニット10の上方に配設され、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y、9M、9C、9BKと、本体99の上側に配設され排出ローラ7により本体99の外部に排出された転写紙Sを積載する、胴内排紙部によって形成された排紙トレイ17とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99の、同図における右側面に取り付けられた両面ユニット51と、本体99の上側に位置し原稿を読み取るスキャナとしての画像読取装置である読取装置98とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内に、同図における右側に下方から上方に向けて形成され、その中途部に2次転写部57、レジストローラ対4、定着装置6及び排紙ローラ7が設けられ、シート給送装置61から繰り出された転写紙Sが進入する用紙搬送路81と、用紙搬送路81における転写紙Sの搬送方向においてレジストローラ対4の上流側で両面ユニット51から用紙搬送路81に合流する給紙路82と、用紙搬送路81における転写紙Sの搬送方向において定着装置6の下流側で用紙搬送路81から両面ユニット51に向けて分岐した再給紙搬送路83とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内に、シート給送装置61近傍の用紙搬送路81の中途部に設けられ転写紙Sの厚みを測定する記録媒体厚測定手段としての記録媒体厚測定装置101と、本体99内の空気を強制的に本体99の外部に排出して本体99内の環境制御を行う環境制御手段としての環境制御装置であるファン97とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99内に、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを所定のプロセススピードで回転駆動する図示しない駆動装置と、画像形成装置100の動作全般を制御する図2に示す演算部としてのCPU91a、記憶手段としての記憶部たるメモリであるメモリ部91b、及び、定着装置6を制御する定着制御手段としての定着制御部91c、ファン97の回転をファン97に備えられた図示しないファンモータを制御することで制御する、環境制御手段の一部を構成する環境制御部91d等を含む制御手段91とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99の外面に、画像形成開始指示を行うための図示しないスタートスイッチ等を備え画像形成装置100の動作、作動態様を指定することが可能となっているとともに、所定の表示を行うための表示手段としての図示しない液晶表示装置を備えた図示しない操作パネルを有している。
図1に示すように、画像形成装置100は、排紙トレイ17が本体99の上方でかつ読取装置98の下側に位置した胴内排紙型の画像形成装置である。
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11の他に、1次転写バイアスローラとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、転写ベルト11を巻き掛けられ掛けまわした複数のローラとしての、駆動部材である駆動ローラ72と、張架ローラとしてのクリーニング対向ローラ74と、駆動ローラ72及びクリーニング対向ローラ74とともに転写ベルト11を張架する支持ローラとしての張架ローラ33、34と、転写ベルト11の外側から転写ベルト11に当接しクリーニング対向ローラ74とともに転写ベルト11に所定の張力を与えるためのテンションローラ75とを有している。
転写ベルトユニット10はまた、クリーニング対向ローラ74に対向する位置において転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11表面をクリーニングする中間転写体クリーニング装置であるベルトクリーニング装置としてのクリーニング装置13と、駆動ローラ72を回転駆動する図示しない駆動系と、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKに1次転写バイアスを印加し1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKとともに一次転写装置をそれぞれ構成する図示しないバイアス印加手段としての電源及びバイアス制御手段とを有している。
クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、34、テンションローラ75は、駆動ローラ72によって回転駆動される転写ベルト11に連れ回りする従動ローラとなっている。1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKは、転写ベルト11をその裏面から感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに向けて押圧してそれぞれ1次転写ニップを形成する。この1次転写ニップは、転写ベルト11の、クリーニング対向ローラ74と張架ローラ33との間でほぼ水平に張り渡した部分において形成されている。クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、テンションローラ75は、1次転写ニップを安定化する機能を有する。
各1次転写ニップには、1次転写バイアスの影響により、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKとの間に1次転写電界が形成される。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上に形成された各色のトナー像は、この1次転写電界やニップ圧の影響によって転写ベルト11上に1次転写される。
駆動ローラ72は、転写ベルト11を介して2次転写装置5を当接されており、2次転写部57を形成している。
クリーニング対向ローラ74は、テンションローラ75とともに、転写ベルト11に、転写に適した所定の張力を与える加圧部材としてのテンションローラたる機能を有している。
クリーニング装置13は、図1において転写ベルトユニット10の左下方、具体的にはクリーニング対向ローラ74の下方に配設されている。クリーニング装置13は、図示を省略するが、クリーニング対向ローラ74に対向する位置で転写ベルト11に当接するように配設されたクリーニング部材と、クリーニング部材をその内部に収容したケースと、図1においてケースの紙面手前側に配設された廃トナー回収ボトルとを有している。
クリーニング装置13は、転写ベルト11上の残留トナー等の異物をクリーニング部材で掻き取り、除去して、転写ベルト11をクリーニングするようになっている。転写ベルト11から除去されたかかる異物は廃トナー回収ボトルに貯蔵される。廃トナー回収ボトルは前面パネルを開いた状態で図1における紙面手前側に取り出し可能となっており、内部の異物が満杯になったときに新たなものと交換可能になっている。なお、後述するクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKも同様に交換可能な廃トナー回収ボトルを有している。
シート給送装置61は、転写紙Sを複数枚重ねた転写紙束の状態で収容するものであり、本体99の下部において光走査装置8の下方に配設されている。シート給送装置61は、複数枚の転写紙Sを紙束の状態で収容可能な給紙カセット25と、給紙カセット25に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sの上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ24と、給紙ローラ24によって送り出された転写紙Sのうちの1枚のみを分離してさらに搬送する図示しない分離ローラと、給紙カセット25が本体99に対して開閉されたことを検出する図示しない検出手段としての開閉検知センサとを有しており、給送ローラ24が所定のタイミングで反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の転写紙Sをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
シート給送装置61は、給送ローラ24が選択的に図中反時計回り方向に回転駆動され、分離ローラが作用することにより、その給紙カセット25に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sを用紙搬送経路81に入れてレジストローラ対4に向けて給送し、搬送された転写紙Sがレジストローラ対4のローラ間に挟まれた状態で突き当られ止められるようになっている。このとき、給送ローラ24は、かかる最上位の転写紙Sの先端部のみが給紙カセット25から送り出された状態でかかる最上位の転写紙Sの給送を一旦停止し、先に給送されレジストローラ対4に突き当てられ止められている転写紙Sがレジストローラ対4によって更に給送されるまで、かかる最上位の転写紙Sをレジストローラ対4に給送するための待機状態とし、その後、先に給送された転写紙Sがレジストローラ対4によって更に給送されるタイミングで、待機状態としていたかかる最上位の転写紙Sを再度給送してレジストローラ対4に突き当てた状態とする。
2次転写装置5は、駆動ローラ72に対向して配置されている。2次転写装置5は、図示を省略するが、駆動ローラ72との間で転写ベルト11を挟むようにして配設された転写部材である2次転写ローラと、転写ベルト11上に担持されているトナー像を転写紙Sに転写させるための転写バイアスを2次転写ローラに印加するバイアス印加手段とを有している。2次転写装置5は、2次転写ローラにより、トナー像を転写された後の転写紙Sを定着装置6へと搬送するシート搬送機能も有している。
両面ユニット51は、外側面側に配設された手差し給紙装置53と、手差し給紙装置53から両面ユニット51内を横切るように配設された、給紙路82の一部と、再給紙搬送経路83を経た転写紙Sを給紙路82に向けて反転して搬送する反転搬送経路21と、反転搬送経路21中に配設され転写紙Sを給紙路82に向けて搬送する搬送ローラ23とを有している。
手差し給紙装置53は、転写紙Sを積載可能な手差し給紙トレイとしての手差しトレイ27と、手差しトレイ27に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙の上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ28と、給送ローラ28により繰り出された転写紙を1枚ずつ分離する図示しない分離ローラとを有している。
手差し給紙装置53は、給送ローラ28が図中時計回り方向に回転駆動され、分離ローラが作用することにより、最上位の転写紙Sをレジストローラ対4に向けて給送し、搬送された転写紙Sがレジストローラ対4のローラ間に挟まれた状態で突き当られ止められるようになっている。
定着装置6は、ローラ状の定着部材としての定着ローラ65と、定着ローラ65に圧接し転写紙Sを押圧する圧接部である定着部としての定着ニップ62を形成するためのローラ状の加圧部材としての加圧ローラ63と、定着ローラ65の内部に配設され定着ローラ65を加熱して定着ニップ62を所定の温度に加熱するための加熱手段としての熱源である定着熱源たる熱発生手段としてのハロゲンヒータであるヒータ66と、定着ローラ65の外周面に近接して配設され定着ローラ65の温度を検知する定着部材温度検知手段である温度検知手段としての非接触型のサーミスタ68とを有している。
なお、熱源としてはハロゲンヒータ以外にセラミックヒータやカーボンヒータ、あるいは誘導加熱などの熱源を用いてもよい。
また温度検知手段としてはサーモパイル、NCセンサなどの非接触センサを用いてもよいし、接触型のサーミスタを用いても差し支えないが、応答性の高い温度検知手段ほど望ましい。
定着装置6はまた、図3に示すように、加圧ローラ63を定着ローラ65に圧接して定着ニップ62を形成するニップ形成手段67と、定着ローラ65を回転駆動し加圧ローラ63を定着ローラ65に従動回転させることで定着ニップ62に進入した転写紙Sを搬送する駆動手段としての定着速度駆動手段たる定着モータであるモータ40と、以上の定着装置6を構成する各部材、手段を内包した図示しないハウジングとを有している。
定着装置6はまた、図4に示すように、ヒータ66を駆動する加熱駆動手段としてのPWM駆動回路92aと、指定された定着ローラ65の目標制御温度とサーミスタ68により検知された定着ローラ65の温度との間の温度偏差の情報を基にPWM駆動回路92aを通してヒータ66への印加電力を単位時間当たりの通電時間(=DUTY)で制御し定着ローラ65の温度を制御する加熱駆動制御手段としての定着温度制御手段である温度コントローラとしての定着温度コントローラ92bとを有している。
PWM駆動回路92aと定着温度コントローラ92bとは、図2に示した定着制御部91cに備えられている。定着制御部91cは、定着ローラ65の温度制御を行うことで、実質的に、定着ニップ62の温度制御を行うものである。
図3に示すように、ニップ形成手段67は、加圧ローラ63の回転軸である軸63aに当接支軸63aを押圧して付勢する加圧押圧部材としての押圧部材41と、押圧部材41の一端をハウジングに回転自在に支持した軸42と、その一端が押圧部材41の他端に当接し押圧部材41により軸63aに圧をかける付勢部材としての加圧押圧スプリングであるスプリング43と、その一端がスプリング43の他端に当接して押圧部材41との間でスプリング43を挟持した状態としその他端が軸42に回転自在に支持された付勢部材支持部材であるアーム44と、アーム44の一端側にスプリング43の反対側から当接した偏心カムとしてのカム45と、カム45を回転駆動する回転軸である軸46を出力軸として備えた駆動手段としての定着圧駆動手段たるステッピングモータであるカムモータたるモータ47とを有している。なお、同図において、符号65aは、定着ローラ65の回転軸である軸を示している。
このような構成のニップ形成手段67においては、カム45の回転角度と定着ニップ62における圧力が1対1で対応している。よって、モータ47を駆動して軸46の回転角度を制御し、カム45を回転駆動してスプリング43の圧縮量を制御することで、押圧部材41による軸63aの加圧押圧力を変化させ、加圧ローラ63が定着ローラ65に圧接する力言い換えると定着ニップ62の圧力を制御することが可能である。
モータ47の駆動制御は定着制御部91cによって行う。そのため、定着制御部91cは、定着ニップ62における定着ローラ65と加圧ローラ63との間の圧力であるニップ圧である定着圧を制御する。定着制御部91cは、モータ47を駆動する図示しないカムモータ駆動回路と、定着圧が指定された圧力となるようにカムモータ駆動回路にモータ47を駆動するパルスを発生させ軸46の回転角度言い換えるとカム45の回転角度を制御する図示しない定着圧駆動制御手段としての定着圧制御手段である圧コントローラとしての定着圧コントローラとを有している。
モータ40の駆動制御は定着制御部91cによって行う。定着制御部91cは、定着ニップ62における定着速度すなわち定着ニップ62において転写紙Sを搬送する搬送速度言い換えると定着ニップ62における転写紙Sの通過時間である定着時間、定着速度を制御する。定着制御部91cは、モータ40を駆動する図示しない定着モータ駆動回路と、定着時間、定着速度が指定された時間、速度となるように定着モータ駆動回路にモータ40の回転速度を制御する信号を発生させる図示しない定着速度駆動制御手段としての定着速度制御手段である速度コントローラとしての定着速度コントローラとを有している。
定着装置6は、トナー像を担持した転写紙Sを定着ニップ62に挟み込む態様で通し、定着ローラ65が転写紙Sのトナー像を担持した画像面に接触することで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を構成しているトナーを溶融させて圧着し、転写紙Sの表面に定着するようになっている。
本形態では、定着ローラ65の軸65aと加圧ローラ63の軸63aとのうち軸63aが回転自在且つ移動可能にハウジングに支持されているとともに軸65aは定位置で回転可能にハウジングに支持され、加圧ローラ63が定着ローラ65に対して接離可能となっており、ニップ形成手段67により加圧ローラ63を定着ローラ65に圧接しているが、軸65aと軸63aとのうち軸65aを回転自在且つ移動可能にハウジングに支持するとともに軸63aを定位置で回転可能にハウジングに支持し、定着ローラ65を加圧ローラ63に対して接離可能とし、ニップ形成手段67により定着ローラ65を加圧ローラ63に圧接するようにしても良い。
定着装置6のその余については後述する。
トナーボトル9Y、9M、9C、9BK内のイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーは、重合トナーであって、図示しない駆動手段によって回転されることでトナーを吐出し、図示しないパイプ等によって構成された搬送経路を経て、所定の補給量だけ、後述するように画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられた現像装置80Y、80M、80C、80BKに補給される。
読取装置98は、詳細な図示を省略するが、原稿を載置するコンタクトガラス、コンタクトガラスに載置された原稿に光を照射する光源及び光源から原稿に照射され反射された光を反射する第1の反射体を備え図1における左右方向に走行する第1走行体、第1走行体の反射体によって反射された光を反射する第2の反射体を備えた第2走行体、第2走行体からの光を結像するための結像レンズ、結像レンズを経た光を受け原稿の内容を読み取る読み取りセンサ等を備えている。
図2に示すように、記録媒体厚測定装置101は、温湿度を検出するための第1の検出センサとしての検出センサ102と、転写紙Sを加熱するための加熱ヒータ104と、加熱ヒータ104によって加熱された転写紙Sの温湿度を検出するための第2の検出センサとしての検出センサ103と、CPU91aの一機能として実現され検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104の制御を行う制御部91eと、メモリ部91bの一機能として実現された、メモリ部91bの、制御部91eにおいて用いるデータを記憶した又は記憶する部分とを有している。
記録媒体厚測定装置101はまた、図5に示すように、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104と制御部91eとを電気的に接続した信号線105、106、107を有している。
検出センサ102は、温湿度センサである第1の検出手段としての検出部であるセンサ部102aと、センサ部102aを電気的に接続されているとともに支持し、信号線105によってセンサ部102aを制御部91eに電気的に接続した基板部102bとを有している。検出センサ103は、温湿度センサである第2の検出手段としての検出部であるセンサ部103aと、センサ部103aを電気的に接続されているとともに支持し、信号線106によってセンサ部103aを制御部91eに電気的に接続した基板部103bとを有している。加熱ヒータ104は、加熱手段としての加熱部であるヒータ部104aと、ヒータ部104aを電気的に接続されているとともに支持し、信号線107によってヒータ部104aを制御部91eに電気的に接続した基板部104bとを有している。
検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104は、上述のように待機状態とされた状態の転写紙Sの先端部に対向する位置に配設されている。転写紙Sは、待機状態において占める位置が、厚みを測定されるときに占めるべき所定位置となっている。図5(a)に示すように、検出センサ102、検出センサ103は、かかる所定位置を占めている状態の転写紙Sの上側の面に対向するように配設されているとともに、加熱ヒータ104は、同状態の転写紙Sの下側の面に対向し且つ検出センサ103に対向するように配設されており、用紙搬送路81が、検出センサ102の下側に位置するとともに、検出センサ103と加熱ヒータ104との間に位置するようになっている。このように、検出センサ102と検出センサ103とは、ともに、かかる状態の転写紙Sの上方側である片面側に位置していると、後述のようにして転写紙Sからの蒸散時または転写紙Sによる吸湿時の空気の検知を行う場合の感度が向上するが、検出センサ102をかかる状態の転写紙Sの片面側、検出センサ103をかかる状態の転写紙Sの他方の面側言い換えると下方側の片面側に配設し、あるいは、検出センサ102をかかる状態の転写紙Sの他方の面側、検出センサ103をかかる状態の転写紙Sの片面側に配設しても良い。このように検出センサ102、検出センサ103をかかる状態の転写紙Sのそれぞれの面の側に位置する場合も、検出センサ103と加熱ヒータ104とは、かかる状態の転写紙Sを挟むように、かかる状態の転写紙Sのそれぞれの面の側に位置するように配設する。
ただし、同図(b)に示すように、加熱ヒータ104の配設位置を、かかる状態の転写紙Sに対する検出センサ102、検出センサ103の配設位置と同じ側とし、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104のすべてを、かかる所定位置を占めている状態の転写紙Sの上側の面に対向するように配設するようにしても良い。このように、検出センサ102と検出センサ103とを、かかる状態の転写紙Sの上方側である片面側に位置していると、後述のようにして転写紙Sからの蒸散時または転写紙Sによる吸湿時の空気の検知を行う場合の感度が向上するが、検出センサ102と検出センサ103とをかかる状態の転写紙Sの他方の面側言い換えると下方側の片面側に配設するとともに加熱ヒータ104もかかる他方の面側に配設するようにしても良い。このように、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104は、複数の比較的自由度の高いレイアウトで配設することが可能となっている。
これらの何れの場合においても、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104はそれぞれ、基板部102b、基板部103b、基板部104bにより、センサ部102a、センサ部103a、ヒータ部104aを、かかる状態の転写紙Sに対向させるように支持している。
検出センサ102と検出センサ103とは互いに同じ構成であり、センサ部102aとセンサ部103aとは、ともに、MEMS(Micro Electronics Mechanical System)機構を有するマイクロヒータセンサ、言い換えると、MEMS技術すなわち技術すなわち集積回路加工技術を応用した微細加工技術を応用した熱伝導方式型のセンサである。
センサ部102a、センサ部103aによる温度および湿度の測定方法は、雰囲気ガスである空気の熱伝導率が、水蒸気の濃度すなわち湿度に応じて変化することを利用したものである。そのため、センサ部102a、センサ部103aはそれぞれ、ジュール熱によって自己発熱する感温抵抗体を備え、湿度変化に応じて発熱エネルギーを変化させ加熱温度を一定に保つことが可能となっており、周囲の温度変化に応じて感温抵抗体の抵抗値が変化することを利用して温度を測定し、且つ熱放散が湿度に応じて変化することを利用して湿度を測定することが可能となった、単体構成で温度検出及び湿度検出が可能な周知のセンサとなっている。センサ部102a、センサ部103aはそれぞれ、温度及び湿度の測定に際して、感温抵抗体の発熱温度が100℃〜300℃程度とされる。かかる感温抵抗体は、MEMS技術により極めて熱容量を小さく形成されたものであるため、きわめて少ないエネルギー量で高い発熱量を得られる他、出力応答性が著しく高いという特徴を有しており、また、その発熱領域は数μm2と微小な領域で発熱するため、記録紙Sの全体を暖めてしまうこともなく、本体99内を暖めてしまうこともない。
センサ部102aとセンサ部103aとが、MEMS(Micro Electronics Mechanical System)機構を有する同型のマイクロヒータセンサであることにより、光学センサや焦電センサ素子など多種のセンサの組み合わせで転写紙Sの含水分率を測定する場合に生じる、各線差の電気的特性や検知箇所の違いによる測定誤差が大きく発生するおそれもない。またセンサ部102aとセンサ部103aとの応答性が高いことにより、転写紙Sの厚さ、含水分率が速やかに取得されるため、近年の画像形成の高速化に適している。
センサ部102aとセンサ部103aとの距離は、ヒータ部104aの発熱時における熱の影響をセンサ部102aが受けないようにするために、15mm程度となっている。この距離は、本発明者の調査によってかかる影響による問題が生じないことが確認された距離である。
ヒータ部104aは、MEMS(Micro Electronics Mechanical System)機構を有するマイクロヒータ、言い換えると、MEMS技術を応用した熱伝導方式型のヒータであり、検出センサ102、検出センサ103と同じ構成である。そのため、ヒータ部104aも、感温抵抗体を備え、この感温抵抗体の発熱温度を加熱源としており、感温抵抗体の温度が500℃〜600度程度となるようにエネルギーを加えることで、ヒータとして機能するものとなっている。つまり、制御部91eによる制御により感温抵抗体に加えるエネルギー量の違いにより、センサ部102a、センサ部103aは温度および湿度を測定するために用いられ、ヒータ部104aは転写紙Sを加熱するために用いられる。
ヒータ部104aの感温抵抗体も、上述のようにMEMS技術により極めて熱容量を小さく形成されたものであるため、きわめて少ないエネルギー量で高い発熱量を得られることから、その発熱温度が500℃〜600度程度となるようにエネルギーを加えても、そのエネルギー量は数10mW程度であり、最大でも数100mW程度と極めて少ない電力で対応可能となっている。
その他、感温抵抗体は、上述のように、出力応答性が著しく高いという特徴を有しており、また、その発熱領域は数μm2と微小な領域で発熱するため、記録紙Sの全体を暖めてしまうこともなく、転写紙Sの必要な部位に効率よく、非接触で伝熱させ昇温させることが可能となっているとともに、本体99内を暖めてしまうこともない。よって、従来の、転写紙Sに接触して加熱するタイプの加熱手段では転写紙Sの水分が蒸散によって奪われ、画像形成に最適な水分状態である4%〜6%を保てなくなる他、転写紙Sが過昇温して転写紙Sの組成をも変化させ画像形成に影響を与え、また、トナー像の転写前の転写紙Sの温度が上昇すると、トナー像の転写時にトナーが溶融して画像に影響を与えるという事情があるが、ヒータ部104aを用いればこのような事情は回避ないし抑制される。
また、センサ部102aとセンサ部103aとがそれぞれかかるマイクロヒータセンサであり、ヒータ部104aがかかるマイクロヒータであることにより、他の高分子膜センサなどと比べて応答性が高く、記録紙Sの厚みの測定の精度の確保及び時間の短縮を図ることが可能であり、また画像形成装置100の高速化に好適に適用可能であるとともに、センサ部102a、センサ部103a、ヒータ部104aの小型化によりこれらのレイアウトの自由度が高いとともに検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104全体、さらには記録媒体厚測定装置101全体としても小型化可能となり、また、省電力環境に貢献可能となっている。
基板部102b、基板部103b、基板部104bはそれぞれ、センサ部102a、センサ部103a、ヒータ部104aを、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104の構成のうち転写紙Sの表面に一番近い位置を占めるように、突出した状態で接着しており、これにより、検出センサ102、検出センサ103は、湿度の検出時に、それぞれを構成している他の構成によって阻害されることなく、転写紙Sと空気との間で生じる水分の移動の流れが一番速く到達する位置を占めることが可能となっており、かかる水分の移動を良好に検出可能となっているとともに、加熱ヒータ104は、転写紙Sの加熱時に、これを構成している他の構成によって阻害されることなく、転写紙Sを加熱可能となっている。
基板部102b、基板部103b、基板部104bはそれぞれ、センサ部102a、センサ部103a、ヒータ部104aを、微細な金属線又は溶着にて接合され、センサ部102a、センサ部103a、ヒータ部104aは信号線105、信号線106、信号線107を通じて制御部91eに電気的に接続されている。
基板部102b、基板部103b、基板部104bはそれぞれ、センサ部102a、センサ部103a、ヒータ部104aを固定可能であるとともにセンサ部102a、センサ部103a、ヒータ部104aから電子信号を取り出し可能であればどのようなものでもよいが、一般的に利用されるガラスエポキシ基材、ポリイミド基材等で加工された電子回路基板などを用いることが好ましい。
このように、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104は何れも、MEMS(Micro Electronics Mechanical System)機構を有する、センサ部102a、センサ部103a、ヒータ部104aを備えているため、その外形が数mm単位の大きさまで小さく、また薄くなっており、全体として小さくなっているため、狭いスペースにも設置が可能となっている。
また、検出センサ102は温度及び湿度が検出可能であり、検出センサ103は温度と湿度とのうち少なくとも湿度が検出可能であり、加熱ヒータ104は転写紙Sを加熱可能であれば、他の構成であっても良い。さらに検出センサ102で検出されるべき温度と湿度とは別々のセンサによって検出するものであっても良く、この場合それらのセンサによって検出センサ102が構成されることとなる。
記録媒体厚測定装置101のその余については後述する。
ファン97は、環境制御部91dの制御によって回転駆動されることにより、本体99内の空気を強制的に本体99の外部に排出することにより、外気を本体99内に導入し、本体99内の空気の温度及び湿度を制御する。環境制御手段の構成は、本体99内の温度及び湿度を制御可能なものであれば、ファン97でなく、他のものであっても良い。
画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKは互いに同様の構成となっている。画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKはそれぞれ、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの周囲に、図1中時計方向であるその回転方向B1に沿って、プロセス手段として、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKと、図示しないクリーニングブレードを備えたクリーニング手段としてのクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKと、除電手段としての図示しない除電装置と、AC帯電を行なう帯電手段としての帯電装置79Y、79M、79C、79BKと、2成分現像剤により現像を行う現像手段としての現像装置80Y、80M、80C、80BKとを有している。
感光体ドラム20Y、クリーニング装置71Y、除電装置、帯電装置79Y、現像装置80Yは、一体化されてプロセスカートリッジを構成している。感光体ドラム20M、20C、20BKの周りの各構成も同様にそれぞれ一体化されてプロセスカートリッジを構成している。これらプロセスカートリッジは、前面パネルを開いた状態で図1における手前側である感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの回転軸方向に着脱可能となっている。このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことができるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。
このような構成の画像形成装置100においては、スタートスイッチの押下等により画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKにおいてそれぞれ次の画像形成プロセスが実行されること等によって、画像形成が行われる。すなわち、カラー画像を形成すべき旨の信号が入力されると、適宜、読取装置98において原稿の読み取りが行われる等して形成すべき画像に対応したデータが取得されるとともに、駆動ローラ72が駆動され、転写ベルト11、クリーニング対向ローラ74、張架ローラ33、34、テンションローラ75が従動回転するとともに、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKがB1方向に回転駆動される。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、B1方向への回転に伴い、帯電装置79Y、79M、79C、79BKにより表面を一様に帯電され、形成すべき画像に対応したデータに基づいて制御手段によって駆動される光走査装置8からのレーザー光の露光走査によりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置80Y、80M、80C、80BKによりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーにより現像されて顕像化され、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像によって構成された単色画像が形成される。
現像により得られたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像は、順次、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによって、A1方向に回転している転写ベルト11上の同じ位置に重ねて転写され、転写ベルト11上には合成カラー画像が形成される。
一方、カラー画像を形成すべき旨の信号の入力に伴い、給紙カセット25に対応する給紙ローラ24、手差しトレイ27に対応する給送ローラ28の何れかが選択されて回転駆動され、転写紙Sを繰り出すとともに1枚ずつ分離して搬送し、搬送された転写紙Sはレジストローラ対4に突き当てられた状態で停止する。両面画像形成の場合は、定着装置6においてその片面に後述のように画像が定着された転写紙Sが、反転搬送経路21を通って表裏反転された状態で、レジストローラ対4に突き当てられた状態で停止する。
転写ベルト11上に重ね合わされた合成カラー画像が転写ベルト11のA1方向の回転に伴って2次転写部57まで移動するタイミングに合わせて、レジストローラ対4が回転し、2次転写部57では、合成カラー画像が、2次転写部57に送り込まれた転写紙Sに密着し、ニップ圧の作用によって転写紙Sに2次転写され、記録される。
転写紙Sは2次転写装置5およびA1方向に回転する転写ベルト11によって搬送されて定着装置6に送り込まれ、定着装置6において定着ローラ65と加圧ローラ63との間の定着部である定着ニップ62を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像すなわち合成カラー画像を定着される。
定着装置6を通過した、合成カラー画像を定着済みの転写紙Sは、排紙ローラ7を経て本体99外に排出され、本体99の上部の排紙トレイ17上にスタックされる。両面画像形成の場合は、片面に定着済みの転写紙Sは再給紙経路83及び反転搬送経路21を通って再度レジストローラ対4に向けて搬送される。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、転写後に残留した転写残トナーをクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKにより除去され、除電装置によって除電され、帯電装置79Y、79M、79C、79BKによる次の帯電に供される。
2次転写を終えた2次転写部57を通過後の転写ベルト11は、クリーニング装置13に備えられたクリーニング部材によってその表面をクリーニングされ、次の転写に備える。
ここで、トナー像を担持した転写紙Sを定着ニップ62に通過させて定着を行う定着装置6においては、定着ニップ62においてトナー像を転写紙Sに定着するのに必要な熱量を転写紙Sやトナー像に適切に与えることが、コールドオフセット、ホットオフセット、無駄な電力消費を防止ないし抑制するのに極めで重要である。
したがって、定着に適切な熱量を把握し、定着ニップ62において転写紙S等に与える熱量を、かかる適切な熱量となるように制御することが要求される。
定着するのに必要な投入熱量言い替えると加熱量は、転写紙Sの厚さに左右され、転写紙Sの厚さが厚いほど加熱量を大きくする必要がある。
そこで、画像形成装置100においては、記録媒体厚測定装置101において、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104、制御部91eを用いて転写紙Sの厚さを測定するようになっている。
具体的には、検出センサ102により、転写紙Sの厚さを測定する環境における温度と湿度とを検出するとともに、検出センサ103により、加熱ヒータ104によって加熱された待機状態にある転写紙Sからの蒸散時すなわち強制蒸散時、又は、加熱ヒータ104によって加熱された待機状態にある転写紙Sによる吸湿時すなわち強制吸湿時の、転写紙Sの表面近傍の空気の温度と湿度とを検出し、検出センサ102によって検出されたかかる温度及び湿度と、検出センサ103によって検出されたかかる温度及び湿度のうちかかる湿度とを用いることにより、記録媒体厚測定装置101によって転写紙Sの厚みを測定する。ここで、検出センサ102によって検出する、転写紙Sの厚さを測定する環境における温度、湿度には、転写紙Sが待機状態となっておらず検出センサ102が転写紙Sに対向していない場合の温度、湿度すなわち環境温度、環境湿度と、待機状態にある転写紙Sからの自然蒸散時、又は、待機状態にある転写紙Sによる自然吸湿時の、転写紙Sの表面近傍の空気の温度、湿度を含む。
記録媒体厚測定装置101による転写紙Sの厚みの測定原理、すなわち、検出センサ102によって検出された温度及び湿度と、検出センサ103によって検出された強制蒸散時又は強制吸湿時の温度及び湿度のうち湿度とを用いて転写紙Sの厚みが測定される原理を説明する。
図6に、転写紙Sを一方の面から加熱したときのこの転写紙Sの他方の面の表面近傍の湿度変化と、転写紙Sを加熱しない状態で同条件で捉えた湿度変化とを比較したグラフを示す。測定に使用した転写紙Sは一般的な画像形成装置でよく利用される、連量単位の呼称で55k紙と呼ばれる厚さ約93μmの普通紙を23℃50%RHの一定の環境に任意の時間、放置された状態の用紙であり、その含水分率は転写紙Sに対して約6%となっている。
転写紙Sの含水分率の測定方法である水分測定方法については、検出センサ102によって検出された温度及び湿度のうち少なくとも湿度を用いればかかる含水分率が測定される水分測定方法が知られている。たとえば、本出願人の先願である〔特許文献5〕に記載された原理・現象に基づいて、検出センサ102によって検出された自然蒸散時又は自然吸湿時の湿度変化量を用いればかかる含水分率が取得、測定される、本形態で採用している測定方法、その他、一定の温度及び湿度の環境下に置かれた転写紙Sの含水分率が所定の含水分率に安定することを利用し、様々な環境温度及び環境湿度に対する転写紙Sの含水分率をテーブルとして用意しておき、検出センサ102によって検出された環境温度及び環境湿度によって転写紙Sの含水分率を取得する測定方法が挙げられる。このような、検出センサ102によって検出された温度と湿度とのうち少なくとも湿度を用いた転写紙Sの含水分率の取得は、制御部91eの一機能として実現される。この点、制御部91eは、記録媒体含水分率取得手段として機能する。なお、検出センサ103によっても、加熱ヒータ104の駆動前は、環境温度及び環境湿度が検出可能であるため、転写紙Sの含水分率の取得には、検出センサ102によって検出された環境温度及び環境湿度を用いても良く、この場合には、検出センサ103が第1のセンサとして機能する。
同図において、用紙検知とされているタイミングは、転写紙Sが待機状態となったタイミング、言い替えると、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104が転写紙Sに対向した状態となったタイミングである。加熱ヒータ104の駆動すなわち発熱は、用紙検知のタイミングと同時に開始され、このときの加熱温度は約600℃となっている。
同図における検出変化量とは、用紙検知のタイミングより前における湿度すなわち検出センサ102、検出センサ103によって検出された湿度すなわち環境湿度を基準である0としたときの、用紙検知のタイミング以降における湿度すなわち検出センサ102、検出センサ103によって検出された湿度の値を意味している。なお、用紙検知のタイミングより前における温度すなわち検出センサ102、検出センサ103によって検出された温度は環境温度である。
同図において、グラフAは、自然蒸散による水分移動の湿度変化であって、検出変化量Aを示すものであり、検出センサ102によって検知された検出値に相当している。グラフBは、加熱した状態の強制蒸散による水分移動の湿度変化であって、検出変化量Bを示すものであり、検出センサ103によって検知された検出値に相当している。同図から、検出変化量Aより、検出変化量Bの方が大きいことが明らかである。
ここで、転写紙Sの表面近傍を加熱した場合、転写紙S内に吸収されている水分が、転写紙Sが置かれる周囲の環境水分よりも多い場合には、かかる水分が強制的に蒸散され、逆に、かかる水分が環境水分よりも少ない場合、転写紙Sはかかる環境水分を吸湿する。
これは、加熱によって熱移動が起こるためであって、熱移動と共に水分が転写紙Sから外部すなわち周囲の環境の空気すなわち雰囲気へ水蒸気となって蒸散されたり、雰囲気の水分を吸湿したりすることによるものである。この場合に蒸散又は吸湿される量言い替えると強制蒸散又は強制吸湿される量は、転写紙Sが持つ水分量と転写紙Sが置かれる周囲の環境状態すなわち雰囲気の温湿度によって異なり、また転写紙Sの厚みによっても異なる。例えば同じ含水分率の転写紙Sでも厚みが異なると含まれる水分量も異なる。
転写紙Sが、水分を含むことができる容積は、転写紙Sの厚みが増すことで増えるので、厚い方が転写紙Sに含まれる水分量は多いことになるが、加熱された際の瞬間的な蒸散の量は熱が早く伝わる薄い方が大きい変化が検出され、逆に加熱された際の瞬間的な吸湿の量は容積が大きい厚い方が大きい変化が検出される。
同図は、転写紙S内の水分が、転写紙Sが置かれる周囲の環境水分よりも多い場合における湿度変化を捉えたものとなっている。
なお、図示していないが、検出変化量Aは、転写紙Sの厚みが異なった場合も、転写紙Sの含水分率が同じであればほとんど変わらないことが本発明者の実験調査でわかっている。これは、転写紙Sの表面からの水分の自然蒸散及び自然吸湿分による湿度検出を行っているため、厚みに関係なく変化が捉えられているためである。
図7に、検出変化量Bを転写紙Sの厚みを変えて捉えたグラフを示す。このときの転写紙Sの水分調節条件すなわち含水分率は、すべて同じで約6%であり、加熱温度は600℃であり、測定環境は、23℃50%RHである。
同図において、aで示されたグラフは、連量単位の呼称で180k紙と呼ばれる、厚みが約240μmである転写紙Sについてのものであり、bで示されたグラフは同じく135k紙と呼ばれる、厚みが約195μmである転写紙Sについてのものであり、cで示されたグラフは同じく110k紙と呼ばれる、厚みが約156μmである転写紙Sについてのものであり、dで示されたグラフは同じく90k紙と呼ばれる、厚みが約129μmである転写紙Sについてのものであり、eで示されたグラフは市場で最も利用頻度の高い同じく55k紙と呼ばれる、厚さが約93μmの転写紙Sについてのものである。
同図から、厚みが厚い方が、検出変化量が小さいことがわかる。これは、加熱作用によって、転写紙S内に含まれる水分が暖められ、水蒸気となって転写紙S外に放出されるときに、転写紙Sの厚みが増すと熱の伝わりが遅くなるため、薄い転写紙Sの方が早く熱が伝わり、放出される水分量が多くなることによるものである。
図8に、図7においてaないしeで示したのと同じ転写紙Sについて、図7に示すように用紙検知のタイミングから任意の検出変化量取得時間を経過した時に取得される検出変化量Bを、転写紙Sの含水分率を変化させてプロットした結果を示す。なお、画像形成装置100においては、かかる検出変化量取得時間は1秒程度となっている。この程度の時間があれば、検出変化量Bは精度良く検出される。画像形成装置100において、転写紙Sは1秒程度、待機状態とされるため、検出変化量Bを精度良く検出されるのに必要な時間が確保されている。
同図から、aないしeで示される各転写紙Sの検出変化量Bの値は互いに異なるも、その変化傾向すなわち同図における傾きは互いに同じであることがわかる。
また同図から、転写紙Sの厚みが増すごとに、同じ検出変化量Bにおける転写紙Sの含水分率が大きくなっていることもわかる。
図9に、図7、図8においてeで示した転写紙について、図8に示した変化傾向を測定環境を異ならせて比較した結果を示す。
同図において、1で示されたグラフは、23℃50%RHの環境条件において測定したデータであり、2で示されたグラフは、23℃30%RH23℃50%RHの環境条件において測定したデータであり、3で示されたグラフは、23℃70%RH23℃50%RHの環境条件において測定したデータであり、4で示されたグラフは、18℃50%RH23℃50%RHの環境条件において測定したデータであり、5で示されたグラフは、20℃50%RH23℃50%RHの環境条件において測定したデータであり、6で示されたグラフは、25℃50%RH23℃50%RHの環境条件において測定したデータであり、7で示されたグラフは、30℃50%RH23℃50%RHの環境条件において検出したデータである。
同図から、水分状態すなわち含水分率が同じであっても、測定環境によって、検出される変化量Bが違うことがわかる。
しかし、1、2、3で示されたグラフのように測定環境温度が同じで、測定環境湿度が違う場合、同じ含水分率における変化量Bは異なるがその変化傾向は同じとなり、反対に2、4、5、6、7で示されたグラフのように測定環境湿度が同じで、測定環境温度が異なる場合は、変化傾向が違うことが解る。
また、同図と図8との比較から、同一環境とくに同一温度においては、転写紙Sの種類によらず、変化傾向は、ほぼ同じとなることがわかる。
図10に示すように、転写紙Sの種類によらず、測定環境温度が同じであれば、変化傾向を示す傾き定数aは同じである。
よって、測定環境温度がわかれば、図8、図9に示された変化傾向がわかる。すなわち、検出センサ102あるいは検出センサ103によって検出された環境温度により、図8、図9に示された変化傾向が定まる。
これを利用して、画像形成装置100では、制御部91eにおいて、かかる環境温度を用いて、転写紙Sの厚みと環境湿度とに依存せず、環境温度に依存する変化傾向である第1の定数としての傾き定数aを取得するようになっている。この点、制御部91eは、第1の定数取得手段として機能する。そのため、メモリ部91bには、図10に対応したデータテーブルが記憶されている。この点、メモリ部91bは、第1の定数取得参照データ記憶手段として機能する。第1の定数取得手段として機能する制御部91eは、環境温度が検出されるとかかる第1の定数取得参照データ記憶手段として機能するメモリ部91bに記憶されているデータテーブルを参照し、かかる環境温度に基づいて傾き定数aを取得する。なお、傾き定数aの取得に検出センサ103によって検出した環境温度を用いる場合には、検出センサ103が第1のセンサとして機能する。
図11に、各環境条件と転写紙Sの厚みとの関係を、切片定数を用いてプロットした結果を示す。
ここで、切片定数とは、検出変化量Bを0と仮定した場合における転写紙Sの含水分率に相当する。
この切片定数は、図8、図9に示した、検出変化量Bと含水分率との関係から算出可能である。すなわち、含水分率をYとし、切片定数をbとすると、傾き定数aを用いて、Y=aB+bであり、これを変形すると、b=Y−aBである。そこで、画像形成装置100では、制御部91eにおいて、記録媒体含水分率取得手段として機能する制御部91eによって取得された含水分率Yと、第1の定数取得手段として機能する制御部91eによって取得された傾き定数aと、検出センサ103によって検出された検出変化量Bとを用いて、第2の定数としての切片定数bを算出し取得するようになっている。この点、制御部91eは、第2の定数取得手段、第2の定数算出手段として機能する。
図11から、環境湿度言い替えると相対湿度が同じ条件の場合、切片定数はほぼ同じとなる。すなわち、切片定数は、環境湿度の影響によって変化する。よって、各転写紙Sの環境湿度毎における切片定数の変化を予測することで、図12に示すような参照テーブルが作成される。この参照テーブルは、環境温度毎における切片定数と転写紙Sの厚みとの関係を示すデータであり、切片定数と転写紙Sの厚み特性との関係を示している。
以上のことを利用して、画像形成装置100では、かかる参照テーブルをメモリ部91bに記憶しておき、制御部91eにおいて、第2の定数算出手段として機能する制御部91eによって取得された切片定数と、検出センサ102あるいは検出センサ103によって検出された環境湿度とに基づいて、メモリ部91bに記憶されている参照テーブルを参照、照合することで、転写紙Sの厚みを推測し、取得する。この点、メモリ部91bは、記録媒体厚取得テーブル記憶手段として機能し、制御部91eは、計測手段である記録媒体厚取得手段として機能する。なお、記録媒体厚取得手段として機能する制御部91eによる転写紙Sの厚みの推測、取得に検出センサ103によって検出した環境湿度を用いる場合には、検出センサ103が第1のセンサとして機能する。
記録媒体厚取得手段として機能する制御部91eは、以上述べたことから、検出センサ102によって検出された温度及び湿度と検出センサ103によって検出された湿度とを用いて転写紙Sの厚みを取得するようになっているとともに、記録媒体含水分率取得手段によって取得された含水分率を用いて転写紙Sの厚みを取得するようになっているとともに、第1の定数取得手段として機能する制御部91eによって取得された傾き定数aを用いて転写紙Sの厚みを取得するようになっているとともに、第2の定数取得手段として機能する制御部91eによって取得された切片定数を用いて転写紙Sの厚みを取得するようになっている。
以上のことから、転写紙Sの厚さを測定する環境温度と環境湿度とを検出する検出センサ102と、転写紙Sを加熱する加熱ヒータ104と、加熱ヒータ104によって加熱された転写紙Sからの蒸散時又は加熱ヒータ104によって加熱された転写紙Sによる吸湿時の空気の湿度を検知する検出センサ103と、検出センサ102によって検出された環境温度と環境湿度と検出センサ103によって検出されたかかる湿度とを用いて転写紙Sの厚みを取得する記録媒体厚取得手段として機能する制御部91eと、を用いる記録媒体厚測定方法が成立する。
定着制御部91cは、記録媒体厚測定装置101、記録媒体厚測定方法によって測定された転写紙Sの厚みに応じ、定着ニップ62の温度制御すなわち定着温度の制御と、定着ニップ62の圧力制御によるニップ幅の制御と、定着ニップ62を通過する転写紙Sの所要時間すなわち定着速度とを制御する。この点、定着制御部91cは、測定した転写紙Sの厚みに応じて、転写紙Sに担持されたトナー像を転写紙Sに定着する条件である定着条件を制御する第1の定着条件制御手段として機能する。第1の定着条件制御手段としての定着制御部91cは、かかる定着温度、ニップ幅、定着速度に関する定着条件を制御することで、定着ニップ62において転写紙S等に与える熱量すなわち投入熱量を、定着に適切な熱量となるように制御する。具体的には、測定された転写紙Sの厚さが厚い方が投入熱量が多くなるように制御する。投入熱量は、かかる定着温度が高いほど多くなり、かかるニップ幅が大きいほど多くなり、かかる定着速度が遅いほど多くなる。なお、第1の定着条件制御手段として機能する定着制御部91cは、かかる定着温度、ニップ幅、定着速度のうち少なくとも1つを、かかる投入熱量が定着に適切な熱量となるように制御すればよい。
定着制御部91cはまた、記録媒体厚測定装置101、記録媒体厚測定方法によって転写紙Sの厚みを測定する際に、記録媒体含水分率取得手段として機能する制御部91eによって取得された含水分率に応じ、かかる定着温度の制御と、かかるニップ幅の制御と、かかる定着速度とを制御する。この点、定着制御部91cは、測定した転写紙Sの含水分率に応じて、転写紙Sに担持されたトナー像を転写紙Sに定着する条件を制御する第2の定着条件制御手段として機能する。第2の定着条件制御手段としての定着制御部91cは、かかる定着温度、ニップ幅、定着速度を制御することで、定着ニップ62において転写紙S等に与える熱量すなわち投入熱量を、定着に適切な熱量となるように制御する。具体的には、測定された転写紙Sの含水分率が多い方が投入熱量が多くなるように制御する。定着時に、転写紙Sに含まれている水分が蒸散して、転写紙Sの温度が低下する度合いが、転写紙Sの含水分率が多いほど大きいためである。なお、第2の定着条件制御手段として機能する定着制御部91cは、かかる定着温度、ニップ幅、定着速度のうち少なくとも1つを、かかる投入熱量が定着に適切な熱量となるように制御するようにしても良い。
また、環境制御部91dは、記録媒体厚測定装置101、記録媒体厚測定方法によって転写紙Sに厚みを測定する際に、検出センサ102又は検出センサ103によって検出された環境温度又は環境湿度に応じて、ファン97を駆動し、本体99内の空気の温度及び湿度を画像形成に適した状態に制御する。たとえば、環境制御部91dは、検出された環境温度が画像形成に適した温度より高いと判断すると、外気を本体99内に導入して環境温度を下げるようにファン97を駆動する。また、環境制御部91dは、検出された環境湿度が画像形成に適した湿度より高いと判断すると、外気を本体99内に導入して環境湿度を下げるようにファン97を駆動する。したがって、たとえば、含水分率の高い転写紙Sを連続通紙する場合に、本体99内が高湿度状態となり、定着装置6などで結露が発生し、現像装置80Y、80M、80C、80BKでは、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの表面に付着した放電生成物が水分を吸着することによってフィルミング現象が発生し、画像形成不良の原因となるといった事情が回避ないし抑制される。
なお、環境制御部91dは、検出された環境温度と環境湿度との少なくとも一方に基づいて、本体99内の空気の温度及び湿度を制御するものであればよい。このことには、検出された環境温度と環境湿度とを総合判断してファン97を駆動することも含む。
ここで、制御手段91は、メモリ部91bに、かかる記録媒体厚測定方法を実行するための記録媒体厚測定プログラムを記憶している。この点、制御手段91ないしメモリ部91bは、記録媒体厚測定プログラム記憶手段として機能している。かかる記録媒体厚測定プログラムは、制御手段91に備えられたメモリ部91bのみならず、半導体媒体(たとえば、ROM、不揮発性メモリ等)、光媒体(たとえば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(たとえば、ハードディスク、磁気テープ、フレキシブルディスク等)その他の記憶媒体に記憶可能であり、かかるメモリ、他の記憶媒体は、かかる記録媒体厚測定プログラムを記憶した場合に、かかる記録媒体厚測定プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記録媒体を構成する。
以上述べた記録媒体厚測定装置101、記録媒体厚測定方法を実現するために、図13に示すように、制御部91eは、検出センサ102を駆動するドライブ回路91fと、検出センサ103を駆動するドライブ回路91gと、加熱ヒータ104を駆動するドライブ回路91hとを有している。なお、同図及び同図に関する以下の説明においては、メモリ部91bの一機能として実現されている構成についても、制御部91eに備えられているものとしている。
制御部91eはまた、ドライブ回路91fによって駆動された検出センサ102によって検出された、転写紙Sの厚さを測定する環境における温度及び湿度に関する情報を含む検出信号を受信してA/D変換しかかる温度及び湿度に関する情報を含むデジタル信号に変換するA/D変換回路91iと、かかるデジタル信号を受信してこの信号をかかる温度及び湿度に変換し取得する温湿度演算回路91jとを有している。
制御部91eはまた、ドライブ回路91gによって駆動された検出センサ103によって検出された、加熱ヒータ104がドライブ回路91hによって駆動されている強制蒸散時又は強制吸湿時における転写紙S近傍の温度及び湿度または検出センサ103が転写紙Sに対向していないときにおける温度及び湿度に関する情報を含む検出信号を、A/D変換回路91iが上述の受信及びA/D変換を行うと同時に受信してA/D変換しかかる温度及び湿度に関する情報を含むデジタル信号に変換するA/D変換回路91kと、かかるデジタル信号を受信してこの信号をかかる温度及び湿度に変換し取得する温湿度演算回路91lとを有している。
制御部91eはまた、温湿度演算回路91jによって取得された温度及び湿度を入力され水分値すなわち転写紙Sの含水分率に変換する水分変換パラメータ部91mと、温湿度演算回路91jによって取得された温度及び湿度、温湿度演算回路91lによって取得された温度及び湿度、水分変換パラメータ部91mによって取得された水分値を記憶する、メモリ部91bの一機能として実現されたメモリ91nとを有している。なお、温湿度演算回路91lは、少なくとも湿度を取得するものであれば良く、メモリ91nはこれに応じてかかる湿度等を記憶するものであれば良い。
制御部91eはまた、上述の検出変化量取得時間における検出変化量Bを取得するために、メモリ91nに記憶されている、加熱ヒータ104がドライブ回路91hによって駆動されている強制蒸散時又は強制吸湿時に温湿度演算回路91lによって取得された湿度と温湿度演算回路91jまたは温湿度演算回路91lによって取得された環境湿度との差分値を算出する差分演算回路91oと、メモリ91nに記憶されている、温湿度演算回路91j又は温湿度演算回路91lによって取得された環境温度、水分変換パラメータ部91mによって取得された水分値、差分演算回路91oによって算出された差分値を入力されこれらを用いて切片定数を取得する定数演算回路91pとを有している。
制御部91eはまた、定数演算回路91pによって取得された切片定数とメモリ91nに記憶されている温湿度演算回路91jまたは温湿度演算回路91lによって取得された環境湿度とを用い記録媒体厚取得テーブル記憶手段として機能するメモリ部91bに記憶され格納されている参照テーブルを参照して転写紙Sの厚みを取得し、この厚み及び水分変換パラメータ部91mによって取得された水分値を定着制御部91cに出力するとともに温湿度演算回路91jによって取得された温度及び湿度を環境制御部91dに出力する算出パラメータ部91qを有している。
図14に、転写紙Sが加熱ヒータ104によって加熱されているときに検出センサ102によって自然蒸散時又は自然吸湿時の温度及び湿度が検出されると同時に検出センサ103によって強制蒸散時又は強制吸湿時の温度及び湿度が検出されている状態を示す。同図はとくに、加熱ヒータ104によって転写紙Sが加熱されているとともに検出センサ102、検出センサ103によって転写紙Sからの水分移動を捉えている様子を示している。検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104の配設位置に関して、図14(a)は図5(a)に対応し、図14(b)は図5(b)に対応している。
これらの図に示されているように、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104は、待機状態すなわち厚みを測定される状態の転写紙Sに対して非接触の位置に配設されている。具体的には、検出センサ102、検出センサ103は、転写紙Sに対し、非接触且つ2mm以内の距離に配設されており、加熱ヒータ104は、転写紙Sに対し、非接触且つ1mm以内の距離に配設されている。上述のように、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104はそれぞれ、センサ部102a、センサ部103a、ヒータ部104aを、その構成のうち転写紙Sの表面に一番近い位置を占めるように備えているため、かかる距離は、センサ部102a、センサ部103a、ヒータ部104aと転写紙Sとの距離である。
検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104を転写紙Sに対してこのように配設した理由について説明する。
検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104を転写紙Sに対して非接触となるように配設したのは、これらが転写紙Sに接触した場合の、これら自身とくにセンサ部102a、センサ部103a、ヒータ部104a及び転写紙Sの損傷、劣化を考慮したものである。
検出センサ102、検出センサ103を転写紙Sに対し2mm以内の距離に配設し、加熱ヒータ104を転写紙Sに対し1mm以内の距離に配設したのは、検出センサ102、検出センサ103による検出精度、加熱ヒータ104による加熱効率を考慮したものである。すなわち、周囲の環境の、検出センサ102、検出センサ103による検出に対する影響、加熱ヒータ104による加熱に対する影響を受けにくくすることを考慮したものである。
図15を参照して、検出センサ102、検出センサ103による検出精度についてより詳しく説明する。
同図は、転写紙S表面からの計測距離すなわちかかる表面とセンサ部102a、センサ部103aとの間の距離の違いによる、検出された湿度変化量の差を示したグラフである。
同図から、計測距離が3mmや5mmの場合には、室内環境との差はほとんど見られず、転写紙Sからの水分移動である湿度変化量が捉えられていないのに対し、計測距離が2mm以下の場合、湿度変化が捉えられていることが分かる。
また、すでに述べたとおり、水分が蒸散する際、その蒸散が開始される位置から、水分すなわち水蒸気の移動が線形的に行われている拡散層の存在が説明されている。たとえば、水が張られた水面の場合、水は定常的に定量の水蒸気移動が可能なので、拡散層の厚さは風などの影響がない時には水面から垂直方向に10mm程度の高さ領域まで存在が可能であるため、風の影響があっても2〜3mm位までは検出精度が保たれる。しかし、転写紙Sのような記録媒体の場合、まず記録媒体の持つ水分量が周囲環境によって変化し、さらに記録媒体の厚さによってもかかる水分量が変化するため、定常的な水蒸気移動にはならず、また、水蒸気量も一定ではないため、微量な水分の場合、拡散層の厚さ領域は小さくなる。また、記録媒体の水分状態と周囲環境とのバランス状態によっては、周囲環境の水分を記録媒体が吸収してしまう逆の水分移動すなわち吸湿が起こる。この場合も拡散層は存在し、このときの領域の厚さが記録媒体と周囲環境の場合、2mm以下の領域となっているため、2mmを超えると非線形的な動きに変化してしまい、周囲環境の影響を受け易くなり、記録媒体の正確な水分状態が把握されなくなる。
従って、転写紙S表面から2mm以下となる空間に検出センサ102、検出センサ103を配置することが、水分移動である湿度変化量の状態変化を大きく捉えられるのに最も好ましい。
転写紙S表面から2mm以下となる空間に検出センサ102、検出センサ103を配置することは次のような事情にも適っている。液体や固体の物体の表面から空気中に水分が蒸散すると、その表面に近い空間の湿度が変化し、分布ができる。この分布は、表面の形状や気温、湿度、風速などによってさまざまであるが、湿度が大きく変化する範囲は、一般に表面から1cm以内の狭い空間とされ、数cm以上離れると、対流により、蒸散した水蒸気が周囲の空気と混合しほぼ一様な分布になる。適切に水分調節された転写紙Sに含まれる水分は、4〜6%とされており、その水分量は数百ミリグラムと僅かな量となる。よって転写紙S表面から放出される水分も微量であるため、この微量の水分を検知するには、転写紙Sからの距離が離れるほど、その場の環境に馴染み易くなってしまい、周辺環境との違いを見極められなくなってしまうため、従来のような画像形成装置周辺やシート給送装置61、給紙カセット25のような用紙収納トレイの近傍など、転写紙Sとの距離が明確にされていないような位置に装着された湿度センサでは、転写紙S自体から発生する水分を見極める事が困難である。よって、湿度センサは、転写紙Sとの検知距離を規定することが必要となる。
なお、検出センサ102、検出センサ103を転写紙S表面に接触させた状態でも検知は可能だが、記録媒体は、画像形成装置内を200mm/sec以上の速度で高速搬送されることがあるため、このように高速搬送される記録媒体表面に検出センサ102、検出センサ103を接触させてしまうと、上述のように記録媒体表面を傷つける他、センサ部102a、センサ部103aが破損する恐れがある。また、センサ部102a、センサ部103aの配設位置は、記録媒体の搬送時におけるばたつき動作なども考慮して定める必要がある。
よって、転写紙S表面からの計測距離範囲は、転写紙Sから発生する水蒸気を効率よく且つ、高速に検知することが可能な、転写紙S表面とセンサ部102a、センサ部103aとが非接触となる距離から2mm以下までの範囲とする。
また、加熱ヒータ104を転写紙Sに対し1mm以内の距離に配設したのは、加熱についても湿度の検出と同じことが言え、出来るだけ転写紙S表面に近い距離の方が熱を伝え易くなるためである。よって、転写紙S表面からの加熱距離範囲は、転写紙Sへ効率よく且つ、高速に伝熱させることが可能な、転写紙S表面とヒータ部104aとが非接触となる距離から1mm以下の範囲とすることで、より大きい転写紙Sの温度変化が得られるので、高精度且つ高速な検出が可能となる。
図16ないし図20を参照して、センサ部102a、センサ部103a、ヒータ部104aと転写紙Sとの距離を以上述べた距離に保つように、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104を支持した構成を説明する。
図16に示すように、記録媒体厚測定装置101は、検出センサ102、検出センサ103を支持した上ユニット108と、加熱ヒータ104を支持し上ユニット108との間で待機状態にある転写紙Sを挟持する下ユニット109とを備えた検出ユニット構造110を備えている。同図は、検出ユニット構造110を上ユニット108と下ユニット109とに分解した斜視図であり、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104の配設位置に関して、図16(a)は図5(a)、図14(a)に対応し、図16(b)は図5(b)、図14(b)に対応している。
図16(a)に示した構成において、上ユニット108は、検出センサ102、検出センサ103を、用紙搬送路81における転写紙Sの搬送方向に沿って、上述した15mm程度の距離をあけて、並列に備えている。下ユニット109は、上ユニット108と下ユニット109とが結合された状態において検出センサ103に対向する位置に加熱ヒータ104を備えている。よって、検出センサ103と加熱ヒータ104は、用紙搬送路81を中心として対称となる位置に設置されている。検出センサ102、検出センサ103は、上ユニット108と下ユニット109との間に挟持され待機状態にある転写紙Sに対し非接触で2mm以下の距離を保持するように、すなわち上ユニット108と下ユニット109との間を通過する転写紙Sに対してかかる距離による間隔を保持するように、上ユニット108に埋め込まれている。加熱ヒータ104は、かかる待機状態にある転写紙Sに対し非接触で1mm以下の距離を保持するように、すなわち上ユニット108と下ユニット109との間を通過する転写紙Sに対してかかる距離による間隔を保持するように、下ユニット109に埋め込まれている。
図16(b)に示した構成において、上ユニット108は、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104を、用紙搬送路81における転写紙Sの搬送方向に沿って、並列に備えている。検出センサ102、検出センサ103は、上述した15mm程度の距離をあけて配設されている。検出センサ102、検出センサ103は、上ユニット108と下ユニット109との間に挟持され待機状態にある転写紙Sに対し非接触で2mm以下の距離を保持するように、すなわち上ユニット108と下ユニット109との間を通過する転写紙Sに対してかかる距離による間隔を保持するように、また、加熱ヒータ104は、かかる待機状態にある転写紙Sに対し非接触で1mm以下の距離を保持するように、すなわち上ユニット108と下ユニット109との間を通過する転写紙Sに対してかかる距離による間隔を保持するように、上ユニット108に埋め込まれている。
同図(a)、(b)に示した何れの構成においても、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104は、転写紙Sに対し0.5mm以上の距離で非接触の状態を保つように埋め込まれている。
上ユニット108は、基端部108aと、転写紙Sを挟持する挟持部108bと、基端部108aと挟持部108bとの間に介在した中間部108cと、基端部108aに対して中間部108cを回動可能に支持した稼動部108dと、中間部108cに対して挟持部108bを回動可能に支持した稼動部108eと、基端部108aを本体99に対して固定することで上ユニット108を本体99の用紙搬送路81の近傍位置に固定した棒状のシャフト108fとを有している。稼動部108d、稼動部108eは、挟持部108bを下ユニット109に向けて言い換えると用紙搬送路81に向けて小さな付勢力で付勢するための負荷の軽い付勢部材としての図示しないバネ材を備えている。
下ユニット109は、基端部109aと、転写紙Sを挟持する109bと、基端部109aと挟持部109bとの間に介在した中間部109cと、基端部109aに対して中間部109cを回動可能に支持した稼動部109dと、中間部109cに対して挟持部109bを回動可能に支持した稼動部109eと、基端部109aを本体99に対して固定することで下ユニット109を本体99の用紙搬送路81の近傍位置に固定した棒状のシャフト109fとを有している。稼動部109d、稼動部109eは、挟持部109bを上ユニット108に向けて言い換えると用紙搬送路81に向けて小さな付勢力で付勢するための負荷の軽い付勢部材としての図示しないバネ材を備えている。
上ユニット108と下ユニット109とは互いに対称形状をなしているとともに、シャフト108f、シャフト109fにより機械的に同じ位置関係となるように本体99に固定されており、先端部である挟持部108b、109bが、互いに接離する方向に稼動可能であるとともに、バネ材により互いに当接する方向に弱い力で付勢されている。
挟持部108b、109bはそれぞれ、これらに対する転写紙Sの密着によって用紙搬送路81における転写紙Sの搬送の摩擦抵抗となり転写紙Sが用紙搬送路81を移動しなくなることを防止するために、用紙搬送路81における転写紙Sの搬送方向の上流側及び下流側の端部が互いに拡開するように弧を描いた形状とされた、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104を備えたガイド部108g、109gを有し、これによって転写紙Sへの接触面積が小さくなるよう丸みを帯びた形状となっている。
基端部108a、109a、挟持部108b、109b、中間部108c、109cは、周囲の温度や湿度に影響しにくいプラスチック系樹脂で構成されている。
このような構成の検出ユニット構造110において、給送ローラ24の回転により給紙カセット25に積載された転写紙Sが給送されてくると、ガイド部108gとガイド部109gが弧を描いた形状であることにより挟持部108bと挟持部109bとの間に転写紙Sが滑らかに進入し、さらにはバネ材の付勢力が小さいことにより挟持部108bと挟持部109bとの間隔が転写紙Sの厚み分だけ互いに離間して挟持部108bと挟持部109bとが転写紙Sを挟み込み、転写紙Sがかかる付勢力によって挟持部108bと挟持部109bとに密着した状態でかつこの密着によって転写紙Sの搬送が妨げられることなく、転写紙Sが挟持部108bと挟持部109bとに摺動するように移動し待機状態となる。よって、待機状態の転写紙Sに対し、センサ部102a、センサ部103a、ヒータ部104aは常に、転写紙Sに対して上述の範囲内の一定の距離で対向する。
なお、図17に示すように、下ユニット109は、ガイド部108gのみを有し、これを本体99の用紙搬送路81近傍の、ガイド部109gに上述のように対向する位置に接着又は埋め込みによって装着するようにしても良い。また、図16(b)に示した構成においては、下ユニット109をなくしても良い。
図18に示すように、検出ユニット構造110は、構成を簡易的なものとし、上ユニット108が挟持部108bのみを有するとともに下ユニット109が挟持部109bを有し、挟持部108bと、挟持部109bと、これらを連結して一体化した連結部110aとを有し、全体でコの字状となる形状に構成しても良い。同図は、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104の配設位置に関して、図18(a)は図5(a)、図14(a)、図16(a)に対応し、図18(b)は図5(b)、図14(b)、図16(b)に対応している。また、図18(c)は転写紙Sの厚みを測定している状態を示している。
挟持部108bと挟持部109bとは、ガイド部108gとガイド部109gとにおいて数μmの間隙を持って対向しており、検出ユニット構造110は、用紙搬送路81がかかる間隙の間に位置するように、連結部110aにおいて本体99に固定されている。
このような構成の検出ユニット構造110において、同図(c)に示した状態となる場合、ガイド部108g、ガイド部109gが弧を描いた形状であることにより挟持部108bと挟持部109bとの間に転写紙Sが滑らかに進入する。転写紙Sの厚みがかかる間隙よりも厚い場合であっても、転写紙Sの厚みに合わせてかかる間隙が拡開することで挟持部108bと挟持部109bとの間に転写紙Sが滑らかに進入する。
図19に示すように、挟持部108b、挟持部109bは、ガイド部108g、ガイド部109gを備えておらず、転写紙Sに当接する面が平面形状となっていても良い。同図に示した検出ニット構造110は、図16に示した検出ユニット構造110と同様に、上ユニット108と下ユニット109とを分解可能に備えている。検出ユニット構造110は、上ユニット108と、下ユニット109と、挟持部108bと挟持部109bとを接離可能に連結し検出ユニット構造110を全体として洗濯バサミのような構造にした連結部110bを備えている。
同図は、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104の配設位置に関して、図19(a)は図5(a)、図14(a)、図16(a)、図18(a)に対応し、図19(b)は図5(b)、図14(b)、図16(b)、図18(b)に対応している。また、図19(a−1)、図19(b−1)は、連結部110bによって上ユニット108と下ユニット109とを連結した状態を示しており、図19(a−2)、図19(b−2)は、連結部110bにおいて上ユニット108と下ユニット109とを分解した、図16に対応する状態を示しており、図19(a−3)、図19(b−3)は、転写紙Sの厚みを測定している、図18(c)に対応する状態を示している。
連結部110bは、挟持部108bと挟持部109bとを互いに当接する方向に付勢した付勢部材としての図示しないバネ材を有している。
このような構成の検出ユニット構造110を備えた記録媒体厚測定装置101は、画像形成装置100から独立した、転写紙S等の記録媒体の厚みを測定する装置に適している。これは、かかる検出ユニット構造110において、上ユニット108、下ユニット109の、挟持部108b、挟持部109bと逆側の端部を、バネ材の付勢力に抗して、てこの原理によって互いに近づくようにつまむと、挟持部108bと挟持部109bとが離間し、この状態で厚みを測定する対象である記録媒体を挟持部108bと挟持部109bとの間に進入させたうえで、かかる端部を放すと、記録媒体が挟持部108bと挟持部109bとの間に挟持され密着した状態となる。挟持部108bと挟持部109bとは記録媒体に当接する面が平面形状であるため、検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104の周りが密閉された状態となるため、検出センサ102、検出センサ103による検出、加熱ヒータ104による加熱が周囲環境の影響を受けにくい状態となり、かかる検出、加熱が良好に行われる。
ただし、図20に示すように、図19に示した上ユニット108、下ユニット109の形状も、図16ないし図18に示した上ユニット108、下ユニット109と同様に、挟持部108b、挟持部109bが、ガイド部108g、ガイド部109gを備えていてもよい。
図21に、記録媒体厚測定装置101が画像形成装置100から独立した装置である場合における制御系のブロック図を示す。同図において、図13に示したのと同様の構成については図13に示したのと同じ符号を付して説明を適宜省略する。また、図21において、記録媒体厚測定装置101を駆動させる電源やこれに付随するスイッチなど、構成中お必要不可欠な構成については図示及び説明を省略する。
記録媒体厚測定装置101は、同図に示すように、ドライブ回路91f、ドライブ回路91g、ドライブ回路91hを動作させて検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104を駆動させ、記録媒体の厚みの測定を開始するためのスイッチ111aと、測定された厚みを表示する液晶表示部111bと、液晶表示部111bに表示されている数値が記録媒体の厚みであることを示す発光LED111cとを備えた表示パネル111を有している。液晶表示部111bと発光LED111cとは、記録媒体厚測定装置101による測定結果をユーザに報知する報知手段である伝達手段111dとして機能する。液晶表示部111bが記録媒体の含水分率等、記録媒体の厚み以外の数値も表示する場合には、発光LED111cは液晶表示部111bに表示されている数値が何の値であるかを表示するために設けられる。なお、液晶表示部111bがかかる発光LED111cの機能を兼ねることが可能であれば、発行LED111cは不要である。また、音声等の他の方法により液晶表示部111bの機能を果たすことが可能な場合は伝達手段111dはかかる機能を果たす部材によって構成され、液晶表示部111bを省略可能である。
以上、検出ユニット構造110の種々の構成例を示したが、各構成例はあくまで例示であり、転写紙S表面と検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104との距離が一定に保たれ、また画像形成装置100に備えられる場合には転写紙Sの搬送の妨げにならなければ、検出ユニット構造110はどのような形状であっても良い。たとえば、転写紙Sの搬送の妨げとならないようにする構成としては、ガイド部108g、109gとともに、あるいはガイド部108g、109gに代えて、挟持部108b、挟持部109bが、転写紙Sの移動に従動して転がるローラを備え、このローラにより、転写紙Sが挟持部108bと挟持部109bとの間を容易に移動可能となるように構成しても良い。また、転写紙S表面と検出センサ102、検出センサ103、加熱ヒータ104との距離を微調整するための、たとえばステッピングモータ等を備えた距離微調整機構を備えていてもよい。また、検出センサ102、検出センサ103、あるいはこれらに加えて加熱ヒータ104を、上述の各構成例では、用紙搬送路81における転写紙Sの搬送方向に沿って配設したが、用紙搬送路81における転写紙Sの搬送方向に直交するように配設しても良い。
図22に、以上述べた記録媒体厚測定装置101、記録媒体厚測定方法において転写紙Sを含む記録媒体としての用紙の厚みを測定する場合の処理を示す。
先ず、検出センサ102と対向する位置に用紙がない場合、すなわち、画像形成装置100における記録媒体厚測定装置101、記録媒体厚測定方法においては給紙カセット25に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sがまだ給送ローラ24によって待機状態とされていない状態、画像形成装置100から独立した記録媒体厚測定装置101、記録媒体厚測定方法おいては挟持部108bと挟持部109bとの間に転写紙Sが挟まれていない状態において、環境温度並びに環境湿度値を測定して取得する(ステップS1)。
次いで、検出部によって用紙が検知されたかどうか確認する(ステップS2)。このステップS2は、用紙の存在を判断するための電気的に反応するスイッチや光学的に反応するフォトインタラプタなどを記録媒体厚測定装置101に設けることで、より正確に用紙の存在を確認することが望ましいが、画像形成装置100における記録媒体厚測定装置101、記録媒体厚測定方法おいては給送ローラ24によってかかる最上位の転写紙Sが給送ローラ24によって待機状態とされたかどうかを確認すること、画像形成装置100から独立した記録媒体厚測定装置101、記録媒体厚測定方法おいては挟持部108bと挟持部109bとの間に転写紙Sが挟まれたかどうかを確認することによって行うことが可能である。
ステップS2で用紙が検知された後、取得した環境温度から、第1の定数取得手段として機能する制御部91eにより傾き定数aを算出する(ステップS3)。次に、ステップS4からステップS7までと、ステップS8からステップS11までとを並行して行う。これによって、ステップS4からステップS7までと、ステップS8からステップS11までとを順次行う場合に比べて、用紙の厚さの測定時間が短縮されている。
ステップS4からステップS7までにおいては、用紙表面近傍の任意の時間、本形態では検出変化量取得時間における検出湿度値1を検出センサ102にて測定して取得し(ステップS4及びステップS5)、制御部91eにより、環境湿度値と用紙検出湿度値1との減算により検出変化量Aを算出し(ステップS6)、環境湿度値と検出変化量Aとから記録媒体含水分率取得手段として機能する制御部91eにより用紙の含水分mを算出する(ステップS7)。
ステップS8からステップS11までにおいては、加熱ヒータ104を駆動して用紙を加熱し(ステップS8)、加熱してから用紙表面近傍の任意の時間、本形態では検出変化量取得時間における検出湿度値2を測定して取得し(ステップS9及びステップS10)、制御部91eにより、用紙検出湿度値2と環境湿度値との減算により検出変化量Bを算出する(ステップS11)。
ステップS7及びステップS11が完了したら、ステップS3にて算出した傾き定数aとステップS7にて算出した用紙含水分mとステップS11にて算出した検出変化量Bとから第2の定数算出手段として機能する制御部91eにより切片定数bを算出し(ステップS12)、図12の関係における切片定数bと環境湿度値との関係を照合し、記録媒体厚取得手段として機能する制御部91eにより用紙の厚みwを推測する(ステップS13)ことで、記録媒体厚測定装置101、記録媒体厚測定方法において用紙の厚みが測定される。
このようにして測定された用紙の厚みに応じて定着制御手段としての定着制御部91cにより定着条件を制御する場合の処理を図23に示す。ここでは、定着制御手段としての定着制御部91cは、かかる厚みに加えて、ステップS7で算出された用紙の含水分mを用いて定着条件を制御するようにしている。また、上述した定着条件である定着温度、ニップ幅、定着速度のうち、定着温度、ニップ幅に関する定着条件を制御するものとしている。
用紙の厚みwを推測するステップS13に次いで、推測された厚みwおよび算出された用紙の含水分mはCPU91aから定着制御部91cに入力され、定着制御手段としての定着制御部91cにより、図24に示す制御条件テーブル(a)、(b)が照合され、これによって、定着温度、ニップ幅のそれぞれの制御条件が取得され決定されるとともに(ステップS14)、決定された制御条件で定着処理を実施する(ステップS15)。制御条件テーブル(a)、(b)はメモリ部91bに記憶されている。この点、メモリ部91bは、定着条件取得テーブル記憶手段として機能する。
このように、本形態に係る記録媒体厚測定装置101では、用紙の含水分及び、厚みが正確に取得されるので、定着制御手段としての定着制御部91cは、制御部91eから出力される用紙の含水分並びに厚み情報に基づいて、定着温度及び、ニップ幅を適切に制御することが可能となっている。
用紙を連続給紙して連続印字すなわち連続画像形成する場合などのように、複数の用紙が用紙搬送路81を連続して通過する場合には、用紙の含水分量によって本体99内の環境が変化する。
そこで、画像形成装置100においては、用紙が検出センサ102、検出センサ103の少なくとも一方に対向する位置を通過していない時に、検出センサ102または検出センサ103によって検出された環境温度、環境湿度の値に応じて、本体99内の環境制御条件を決定するようにしている。この場合の処理を図25に示す。
先ず、ステップS16で、画像形成装置100の電源がオン状態になったときすなわち電源がオンされたときかそうでないときかの判断を行い、電源がオンされたときの場合(ステップS16:YES)は、そのときの環境湿度値を取得し、その環境湿度値を用いて環境制御を行う(ステップS17)。
この環境制御は、具体的には、次のようにして行われる。すなわち、制御部91eにより、検出センサ102または検出センサ103からのセンサ出力に基づいて本体99内の環境湿度値を取得すると、取得された環境湿度値はCPU91aから環境制御部91dに入力され、環境制御部91dは、入力された環境湿度値に基づいてファン97を制御する。
これにより、所定の回転数で回転するファン97による気流によって本体99内の環境が制御される。
ステップS17において、電源がオンされたときではない場合には(ステップS16:NO)、印字動作すなわち画像形成動作が開始された時かそうでない時かを判断し(ステップS18)、印字動作が開始されている場合は(ステップS18:YES)、用紙が検出センサ102または検出センサ103と対向する位置に居るどうかを図22に示したステップS2と同様にして判断する(ステップS19)。
ステップS19で、用紙が検出センサ102または検出センサ103と対向する位置に居る場合は(ステップS19:YES)、図22に示したステップS3の処理を行い、以降は、同図に示されたのと同様の処理を実行する。ステップS19で、用紙が検出センサ11並びに15と対向する位置に居ない場合(ステップS19:NO)、ステップS18で印字動作が開始されていない場合(ステップS18:NO)、およびステップS17で装置内の環境制御を行った後においては、図22に示したステップS1の処理を行い、以降は、同図に示されたのと同様の処理を実行する。
なお、検出センサ102および検出センサ103と対向する位置に対する用紙の存在有無の判断は、図22に示したステップS2において説明したのと同様に行う。また、用紙が通過する合間における環境温度、環境湿度の検出については、毎回検出する必要はなく、連続印字枚数を規定して、規定された枚数が印字された後の用紙通過の合間における環境温度、環境湿度を検出するようにしてもよい。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、本発明にかかる記録媒体厚測定装置、記録媒体厚測定方法は、画像形成装置100に備えられている手差し給紙装置53のような手差し給紙装置によって供給される記録媒体の厚みを測定するのにも用いることができ、本発明にかかる記録媒体厚測定装置は画像形成装置に複数備えられていても良い。かかる手差し給紙装置が備えられていない場合であっても、画像形成装置100に備えられているシート給送装置61のような給紙ユニットに、給紙カセット25のような給紙カセットが複数備えられている場合には、それぞれの給紙カセットに対して本発明にかかる記録媒体厚測定装置、記録媒体厚測定方法を適用可能であり、この場合も本発明にかかる記録媒体厚測定装置は画像形成装置に複数備えられていても良い。ただし、手差し給紙装置や複数の給紙カセットが備えられている場合であっても、画像形成装置100に備えられているレジストローラ対4のようなレジストローラを備えている画像形成装置においては、かかるレジストローラ対によって一旦停止されている記録媒体の厚みを、本発明にかかる記録媒体厚測定装置、記録媒体厚測定方法によって測定しても良く、この場合には本発明にかかる記録媒体厚測定装置は単数で済み得る。なお、記録媒体が移動しているときにも、加熱手段を複数配設するなどして第2の検出手段によって強制蒸散時または強制吸湿時の記録媒体近傍の空気の湿度を検出可能であれば、移動中の記録媒体の厚みを測定することが可能となる。
また、本発明にかかる記録媒体厚測定装置、記録媒体厚測定方法によって取得された記録媒体の厚み及び/又は含水分率に応じて、転写条件を制御するようにしてもよい。たとえば、画像形成装置100においては、転写紙Sにトナー像を転写する2次転写装置5においてバイアス印加手段によって印加する転写バイアスを、本発明にかかる記録媒体厚測定装置、記録媒体厚測定方法によって取得された記録媒体の厚み及び/又は含水分率に応じて制御するようにすることが可能である。かかる制御を行う構成は、たとえば、定着制御部91c、環境制御部91dと同様に、制御手段91に、転写制御手段としての転写制御部として備えることが可能である。この場合、記録媒体が厚いほど、また含水分率が多いほど、転写電流、転写バイアスを大きくする必要がある。
その他、本発明を適用した画像形成装置は、タンデム型であっても、上述した間接転写方式でなく、直接転写方式を採用可能である。直接転写方式の画像形成装置は、上述の転写ベルト11に代えて像担持体としての記録媒体搬送体であるシート搬送ベルトを備え、シート搬送ベルトで搬送されている過程の転写紙に、画像ステーション60BK、60C、60M、60Yで形成した各色のトナー像を順次重ね転写する。
また、画像形成装置は、いわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することが可能である。
その他、画像形成装置は、近年では、市場からの要求にともない、カラー複写機やカラープリンタなど、カラーのものが多くなってきているが、画像形成装置は、モノカラー画像のみを形成可能なものであっても良い。
このような画像形成装置に用いる現像剤は、2成分現像剤に限らず、1成分現像剤であっても良い。さらには、定着装置により記録媒体に定着する画像は、トナーによって形成されたものに限らず、インク等の他の画像形成物質によって形成されたものであっても良く、画像形成装置はこのように定着を必要とするものであれば適宜の画像形成物質によって画像を形成するものであっても良い。
画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機でなく、これらの単体であっても良いし、その他、複写機とプリンタとの複合機等の他の組み合わせの複合機であっても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。