JP5439524B2 - 不織布 - Google Patents

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Description

本発明は不織布に関する。
生理用ナプキン、パンティーライナー、及び使い捨ておむつ等といった吸収性物品において、その機能に応じて、シート材の片面に突出した部分を配したものや、筋状に***した部分を配したもの、多数の小さな孔をあけたものなどが開発されている。
特許文献1には、凹凸ないし起伏のあるシート材において、凸状部分と、開孔されている凹状部分とが全体に分散配置され、凹状部分の繊維集合密度が凸状部分の繊維集合密度より低いものが開示されている。これにより、高粘性体液の漏れを確実に抑制または防止し、しかも必要とされる他の特性をも備え、上記吸収性物品の表面材として総合的に優れた性能を有しているとされる。
特許文献1に開示された不織布では、凹部は凸部に比べて繊維が粗な状態になっている。このため、シート表面に***された液体が残留しにくくなる低残留性が不十分である。また、開孔部が形成されるため、液体の低液戻り性が不十分である。
特許文献2には、シート材の片面が筋状に延びる突出部であり、その断面がかまぼこ(略半円)形状にされた多層不織布が開示されている。この不織布における溝部は、不織布において最も目付が低く、かつ横配向繊維の含有率が高く、縦配向繊維の含有率が低くなるように形成されている。そして、凸状部の側部は、不織布において最も目付が高く、かつ縦配向繊維の含有率が高くなっている。これにより、***物等の所定の液体を透過させやすくなり、また液が溝部に落ちるため拡散面積が小さく(スポット性)、肌との接触面積が小さく(触感性良好)、液戻りが抑制される。したがって、シート表面に液体が残留しにくくなり(低残留性)、肌に液体を広く長時間付着させてしまうことを防止できるとされる。
特許文献2に開示された不織布では、凸状部の繊維密度は溝部より高いため、シート表面に***された液体の低残留性が不十分である。また装着時の圧力により凸状部が容易に潰れにくいので、クッション性が低い。
特許文献3には、上層不織布と下層不織布との積層不織布であって、貫通する多数の液通過孔が形成されている積層不織布が開示されている。この積層不織布の液通過孔の周囲では上下層が互いに接合され、上層不織布と下層不織布との間に第1の空間が形成され、下層不織布の下側に第2の空間が形成されている。また上層不織布におけるアーチ状に***した部分は、下層不織布におけるアーチ状に***した部分よりも小さな小凸部となっている。
上述の積層不織布は、上記各空間によって、クッション感やソフト感が高くなるとされる。また、これらの空間の存在によって、液戻りが起こりにくいとされる。さらに上層不織布のアーチ形状が下層不織布のアーチ形状よりも小さいので、表面シートと肌との接触面積が小さくなり、さらっと感やすべり感が優れたものとなるとされる。
特許文献3に開示された積層不織布の表面シートでは、積層構造であるため、コストが高くなる。また、凸部と小凸部は不織布で区切られるため、液透過性が十分でない場合がある。さらに開孔とその周囲に接合部を有するので、柔らかさを感じにくいことがあり、また風合いが低下する。
特許文献4には、ポリマーウエブが開示されている。このポリマーウエブは、個々の毛髪様フィブリルのパターンを含み、各毛髪様フィブリルは、前記ポリマーウエブの突き出た延長部であり、開いた近位部分及び閉じた遠位部分を画定する側壁を有し、前記ポリマーウエブは、前記毛髪様フィブリルの前記閉じた遠位部分又はその近くが細くなっており、前記毛髪様フィブリルは、当該フィブリルの高さの1/2の箇所における平均横断面直径が50μm〜130μmの範囲内であるとされる。
上記毛髪様フィブリルは優れたソフトな感触を有するとされ、この毛髪様フィブリルを有することは、再湿潤の減少、即ち内在する吸収性層へとトップシートを最初に通過した後に、トップシートの表面に再導入される流体の量の減少をもたらすとされる。
特許文献4に開示されたポリマーウエブでは、フィブリルの直径が50μm〜130μmであるため、加圧時ではフィブリルが潰れ、肌接触面積が増大し、液戻り量を低減することが困難である。
特開平03−137258号公報 特開2008−025081号公報 特開2005−334374号公報 特許第4642475号公報
本発明は、肌との接触面積を低減して肌に優しい感触を与え、着用者の着座圧でも不織布の形状保持性に優れ、高加圧時でも肌接触面積が小さく保たれ、液戻り量が低減される不織布を提供することを課題とする。
本発明は、シート状の不織布を平面視した側の第1面側に突出し内部空間を有する第1突出部と、前記第1面側とは反対側の第2面側に突出し内部空間を有する第2突出部とを有し、前記第1、第2突出部は、該不織布の平面視交差する異なる方向のそれぞれに交互に連続して配された不織布であって、前記第1突出部の頂部の第1面側が前記第1突出部の外径より小さい外径の小突出部で構成され、前記第1突出部の内側に存する内部空間と前記小突出部の内側に存する内部空間が連通して一つの内部空間を構成していて、
前記不織布を0.05kPaの圧力で加圧した時の前記小突出部の厚みが、0.05kPaの圧力で加圧した時の前記不織布厚みの5〜70%である不織布を提供する。
本発明の不織布は、肌との接触面積を低減して肌に優しい感触を与えることができ、着用者の着座圧でも不織布の形状保持性に優れ、高加圧時でも肌接触面積が小さく保たれ、液戻り量が低減できる。
本発明の不織布の好ましい一実施形態を示した部分断面図である。 図1に示した不織布の模式的に示した平面配設図である。 本発明の不織布の断面を撮影した断面写真である。 本発明の不織布の製造工程を示した部分断面図である。
本発明に係る不織布の好ましい一実施形態について、図1〜図3を参照しながら、以下に説明する。
本発明の不織布10は例えば生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの吸収性物品の表面シートに適用することが好ましく、第1面側Z1を着用者の肌面側に向けて用い、第2面側Z2を吸収性物品内部の吸収体(図示せず)側に配置して用いることが好ましい。以下、図面に示した不織布10の第1面側Z1を着用者の肌面に向けて用いる実施態様を考慮して説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
図1および図2に示すように、本発明の不織布10は、シート状の不織布を平面視した側の第1面側Z1に突出し内部空間11Kを有する第1突出部11と、第1面側Z1とは反対側の第2面側Z2に突出し内部空間12Kを有する第2突出部12とを有している。これらの第1突出部11および第2突出部12は、不織布10の例えば全面にわたって平面視交差する異なる方向のそれぞれに交互に連続して配されている。上記異なる方向とは、具体的一例として、上記異なる方向の1方向であるx方向と、このx方向とは異なり、上記異なる方向の別の1方向であるy方向である。ここでは、第1面側Z1からみた凸部が第1突出部11であり、凹部が第2突出部12となる。また、第2面側Z2からみた凸部が第2突出部12であり、凹部が第1突出部11となる。したがって、第1突出部11と第2突出部12とは一部が共有されている。
さらに、上記第1突出部11の頂部11Tは、第1面側Z1にさらに突出する小突出部21が構成されている。このように、第1面側Z1には2段の突出部が構成されている。小突出部21は第1突出部11よりも径を小さくしてあり、例えば、平面視、小突出部21は第1突出部11よりはみ出さないように配されることが好ましい。また小突出部21の内側に存する内部空間21Kと上記第1突出部の内部空間11Kとは連通していて、一つの内部空間23を構成している。
また第1突出部11と小突出部21の断面(図3参照。)をみたとき、不織布10の断面外側の輪郭を表す曲線Cが、第1突出部11の壁部13から小突出部21の壁部22に連続する曲線であり、かつ第1突出部11と小突出部21との間で変曲点Pを有する。
上記第1突出部11と第2突出部12の配列について、さらに詳細に説明する。本実施形態の不織布10は、第1面側Z1に多数の第1突出部11が縦横の2つの方向に面内で斜交する関係で延び配列されている(以下、この配列を斜交格子状配列ということがある。)。この格子状配列が直交(90°)する関係でもよく、そのときには直交格子状配列として区別していうことがある。本実施形態においては、その面内における第1方向(x)と第2方向(y)(図2参照)が、30°〜90°の角度で交差していることが好ましい。さらに本実施形態においては、不織布の第2面側Z2に突出する多数の第2突出部12が形成されている。この第2突出部12も直交格子状配列になっているが、斜交格子状配列であってよい。その交差角度の好ましい範囲は、第1突出部11に伴って定まるため、上記と同様である。この第1突出部11と第2突出部12とは、シート面に対して互いに反対方向に突出している。そして、平面視においても側面視においても同一位置にない、つまり重なりのない関係で両者が交互に配置するようにされている。
上記のようにして面内の第1方向(x方向)及び第2方向(y方向)にそれぞれ延び配列された第1突出部11と第2突出部12とは、面状に矛盾無く連続し、不織布10を構成している。ここで、矛盾無く連続するとは、特定の形状部分が連なって面状になるとき、屈折したり不連続になったりせず、緩やかな曲面で全体が連続した状態になることをいう。なお、上記第1突出部11と第2突出部12との配列形態は上記に限定されず、矛盾無く連続しうる配列で配置しうる形態であればよく、例えば、第1突出部11を中心とする6角形の頂点に6つの第2突出部12が配置され、そのパターンが面内に広がる配列であってもよい。この場合、第2突出部12の数が第1突出部11の数を上回るため、第2突出部12同士が隣接する状態が生じるが、全体において連続したシート状態が構成される限りにおいて、このような形態の配列も第1突出部11と第2突出部12とが「交互」に配列したという意味に含まれる。
本実施形態において第1突出部11の頂部11Tおよび第2突出部12の頂部12Tは、丸みをもった円錐台形状もしくは半球状にされていて、頂部11Tは小突出部21に構成され、上記第1突出部11等と同様に丸みをもった円錐台形状もしくは半球状にされている。なお、本実施形態において第1,第2突出部11,12および小突出部21は上記形状に限定されず、どのような突出形態でもよく、例えば、様々な錐体形状(本明細書において錐体形状とは、円錐、円錐台、角錐、角錐台、斜円錐等を広く含む意味である。)であることが実際的である。なお、第1突出部11の上記突出形態は、上記小突出部21が作られていない状態の仮想形状であり、実際には上記突出形態において第1突出部頂部11Tの一部が第1面側Z1にさらに突出して小突出部21が構成されている。
また本実施形態において、第1,第2突出部11,12および小突出部21はその外形と相似する頂部に丸みのある円錐台形状もしくは半球状の内部空間11K,12Kおよび内部空間21Kを有している。
上記第1突出部11の頂部(以下、第1突出部頂部ともいう。)11Tとその開口部11Hとの間に壁部13を有する。この壁部13は、第1突出部11において環状構造を成している。また第2突出部12の頂部(以下、第2突出部頂部ともいう。)12Tとその開口部12Hとの間に壁部14を有する。この壁部14は、第2突出部12において環状構造を成している。また壁部14は上記壁部13の一部分と共有している。さらに、上記小突出部21の頂部(以下、小突出部頂部ともいう。)21Tとその開口部21Hとの間に壁部22を有する。この壁部22は、小突出部21において環状構造を成していて、上記第1突出部11の壁部13と併せてみても環状構造を成している。すなわち、上記第1突出部11の壁部13と小突出部21の壁部22とは、連続した構成となっている。
ここでいう「環状」とは、平面視において無端の一連の形状をなしていれば特に限定されず、平面視において円、楕円、矩形、多角形など、どのような形状であってもよい。シートの連続状態を好適に維持する上では円又は楕円が好ましい。さらに、「環状」を立体形状としていえば、円柱状、斜円柱状、楕円柱状、切頭円錐状、切頭斜円錐状、切頭楕円錐状、切頭四角錐状、切頭斜四角錐状など任意の環構造が挙げられ、連続したシート状態を実現する上では、円柱状、楕円柱状、切頭円錐状、切頭楕円錐状が好ましい。
上述のように配設された第1,第2突出部11,12および小突出部21を有する不織布10は、屈曲部を有さず、上述したように全体が連続した曲面で構成されている。
このように上記不織布10は、面方向に連続した構造を有していることが好ましい。この「連続」とは、断続した部分や小孔がないことを意味する。ただし、繊維間の隙間のような微細孔は上記小孔に含めない。上記小孔とは、例えば、その孔径が円相当の直径で1.0mm以上のものと定義する。
上述の壁部13を構成する繊維は、第1突出部頂部11Tとその開口部11Hの縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有する。言い換えれば、壁部13の起立する方向に繊維配向性を有する。壁部13はその全周にわたってこのような繊維配向性を有している。また小突出部21の壁部22を構成する繊維は、小突出部頂部21Tとその開口部21Hの縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有する。言い換えれば、壁部22の起立する方向に繊維配向性を有する。壁部13と同様に、小突出部21の壁部22を構成する繊維も、その全周にわたってこのような繊維配向性を有している。したがって、小突出部頂部21Tから第1突出部11の開口部11Hに向かう方向に放射状の繊維配向性を有している。
第2突出部12の壁部14を構成する繊維は、第2突出部頂部12Tとその開口部12Hの縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有する。この壁部14の繊維配向性は、上述の壁部13と共通部分では、壁部13の繊維配向性と同じになる。一般的なエアスルー不織布では、通常不織布を製造するときに、そのMD方向に繊維が配向しそのまま融着されるため、その後凹凸賦形を行った場合、MD方向断面における壁部の繊維はその起立方向に繊維が配向するものの、CD方向断面においては、起立方向とは直行する方向に繊維が配向することとなるため、このような繊維配向性は有さない。
本発明の不織布10に用いることができる繊維材料は特に限定されない。具体的には、下記の繊維などが挙げられる。ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維等のポリオレフィン繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を単独で用いてなる繊維があり、また、芯鞘型、サイドバイサイド型等の構造の複合繊維がある。本発明では複合繊維を用いるのが好ましい。ここでいう複合繊維とは、高融点成分が芯部分で低融点成分が鞘部分とする芯鞘繊維、また高融点成分と低融点成分とが並列するサイドバイサイド繊維が挙げられる。その好ましい例として、鞘成分(低融点成分)がポリエチレンまたは低融点ポリプロピレンである芯鞘構造の繊維が好ましく挙げられ、該芯/鞘構造の繊維の代表例としては、PET(芯)/PE(鞘)、PP(芯)/PE(鞘)、ポリ乳酸(芯)/PE(鞘)、PP(芯)/低融点PP(鞘)等の芯鞘構造の繊維があげられる。さらに具体的には、上記構成繊維は、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレン複合繊維、ポリプロピレン複合繊維を含むのが好ましい。ここで、該ポリエチレン複合繊維の複合組成は、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンであり、該ポリプロピレン複合繊維の複合組成が、ポリエチレンテレフタレート/低融点ポリプロピレンであるのが好ましく、より具体的には、PET(芯)/PE(鞘)、PET(芯)/低融点PP(鞘)が挙げられる。また、これらの繊維は、単独で用いて不織布を構成してもよいが、2種以上を組み合わせた混繊として用いることもできる。
また、微小加圧時(0.05kPa)の上記小突出部21の厚み(TS)は、微少加圧時の上記不織布10の厚みTの5〜70%であることが好ましい。より好ましくは、10〜70%であり、特に好ましくは、30〜70%である。このような範囲とすることにより、着用者が起立や歩行している時のような吸収性物品の装着圧のみがかかる状態(0.05kPa加圧時)において、小突出部21の形状が保たれ、肌との接触面積が少なく保たれるため好ましい。
微小加圧時の不織布10の厚みTは用途によって適宜調節すればよいが、おむつや生理用品等の表面シートとして用いることを考慮すると、2mm〜6mmが好ましく、3mm〜5mmがより好ましい。その範囲とすることにより、着用者に適度なクッション性を与え、吸収体からの液戻りを防ぐことができる。また、微小加圧時の小突起部21の厚みTSは、上記の理由から0.1mm〜4.2mmが好ましく、より好ましくは、0.2mm〜4.2mmであり、特に好ましくは、0.3mm〜4.2mmである。
さらに、3.5kPaの圧力で加圧した時の上記小突出部21の厚み(TSp)が、微少加圧時(0.05kPa)の上記小突出部21の厚み(TS)の20〜70%であることが好ましい。より好ましくは、20〜60%であり、特に好ましくは、20〜50%である。このような範囲とすることにより、着用者が着座している時のような高加圧時(3.5kPa)においても、着用者への触感が悪化しない程度に小突出部21の形状が保たれ、肌との接触面積が少なく保たれると共に液戻り量を低減できる。
上記実施形態で説明した不織布10は、以下のような効果を奏する。
上記不織布10は、肌面との接触が第1突出部頂部11Tに構成された第1突出部11より径が小さい小突出部21になるため、肌接触面積が低減されて、肌に優しい感触を与えることができる。更に、不織布10は、第1突出部11の上に小突出部21を有する形状であるため、着用者の着座圧のような高加圧下においてでも不織布10の形状保持性に優れ、肌接触面積が低減されて、肌に優しい感触を与えることができる。
上記不織布10は、優れたクッション性を有する。
本実施形態の不織布10は表裏の片面だけではなく、両面において突出した部分を有するため、その構造に特有のクッション性を発現する。例えば筋状の突起や片面の突起ではどうしても線ないし面としての弾力性を発現することとなるが、本実施形態によれば三次元的な動きに対してもよく追従して両面において点で支持された立体的なクッション性を奏する。また、小突出部頂部21Tから放射状に第1突出部11の開口部11Hの縁部に向かう方向、すなわち、壁部13,22の起立する方向に向けて配向した繊維配向性を有する。そのため、壁部13、22にしっかりとしたコシが生まれ、繊維が厚み方向に潰れてしまうことのない適度のクッション性を有する。さらに、壁部13、22の繊維配向性により、押圧力を受けて不織布10が潰されても、その形状復元力が大きく、梱包状態や着用が継続されても初期のクッション力が維持されやすい。すなわち、着用者の着座圧でも不織布の形状保持性に優れ、高加圧時でも肌接触面積が少なく保たれ、第1、第2突出部11、12および小突出部21は、潰れ難く、変形が起こっても回復し易い。
上記不織布10は、肌触りに優れる。
本実施形態の不織布10には両面方向に小突出部21、第2突出部12を有し、その頂部21T、12Tは丸みを帯びている。そのため、そのどちらの面を肌面側にしても、表面シートが肌に対して点で柔らかく接触する良好な肌触りが実現される。また、装着時の圧力に対しても接触する面積が増減することで肌触りを良好としながら、圧力に対する表面シート全体の形状変形を抑えることができ、また、圧力変形からの形状復元も容易にできる。上記の良好なクッション性に起因する作用もあり、点接触による動的な作用と相俟って、独特の良好な肌触り感が得られる。しかも、不織布10はホットメルト接着剤や熱接着による接合部を有さない点でも、肌触りが柔らかく非常によい。また、***等を受けたときにも、上述した点接触が効果を奏し、サラッとした肌触りが実現される。このサラッとした肌触り(吸収性の効果)について補足すると、壁部13,22の起立する方向に向け配向した繊維配向性を有することから、その配向した繊維によって、液がスムースに繊維を伝い流れることによって、不織布10の下面に配された吸収体に移行し、且つ、壁部13、22の繊維配向性により液戻りが少なく、サラッとした肌触りが実現される。また、上述した構造の維持による不織布10自体の通気性に優れ、点接触の効果により、カブレの防止にも役立つ。
さらに、第1突出部11の内部空間11Kと小突出部21の内部空間21Kとが連通しているので、小突出部21を透過した液はスムースに第1突出部11の内部空間11K内に流れ込むので、液透過性がよい。そして小突出部21から透過した液は小突出部21の内部空間21Kから速やかに第1突出部11の内部空間11Kに流れ込める。
次に、上述の不織布10の製造方法の好ましい一例について、図4を参照しながら、以下に説明する。
上述の不織布10の製造方法は、以下のような方法を適宜採用すればよい。その際、ウエブ賦形の支持体として、図4(1)に示した構成の支持体30を用いる。この支持体30は、第2突出部12が賦形される位置に対応して多数の突起31を有し、第1突出部11および小突出部21が賦形される位置に対応して孔32が配されている。支持体30上に繊維ウエブ(単に「ウエブ」ということもある)50を配して、繊維ウエブ50に向けて後述する条件の温風60を吹き付けた場合、図4(2)に示すように、孔32に対応して賦形された第1突出部11の頂部11Tに、上記孔32内の入り込むように小突出部21が賦形されることになる。また、突起31の位置に第2突出部12が賦形される。小突出部21の高さは、突起31の高さおよび風速によって、適宜決定される。なお、図面矢印は温風60の流れを模式的に示している。
この製造方法の具体的一例を挙げると、下記のような態様が挙げられる。
融着する前の繊維ウエブ50を、所定の厚みとなるようカード機(図示せず)からウエブを賦形する装置に供給する。賦形装置では、まず上記支持体30に上記繊維ウエブ50を定着させる。次いで、その支持体30上の繊維ウエブ50に温風60を吹きつける(図4(1)の状態。)。そして繊維ウエブ50を支持体30の形状に沿うように賦形する(図4(2)の状態。)。このときの温風60の温度は、この種の製品に用いられる一般的な繊維材料を考慮すると、繊維ウエブ50を構成する熱可塑性繊維の融点に対して0〜70℃低いことが好ましく、5〜50℃低いことがより好ましい。また、このときの温風60の風速は、支持体30の突起31の高さにもよるが、賦形性と風合いの観点から、70〜180m/sに設定され、好ましくは80〜150m/sに設定され、より好ましくは90〜130m/sに設定される。風速がこの下限値より遅くなると、小突出部21が作られなくなる。風速がこの上限値を超えると、第1突出部11の頂部11Tに開口が生じることになる。また連続生産を考慮すると、製造装置(図示せず)は、上記支持体30を搬送可能なコンベア式またはドラム式のものとし、搬送されてくる型付けされた不織布10を、ロールで巻き取っていく態様が挙げられる。このようにして、本発明の不織布10を得る。なお、本実施形態の不織布10についてMDおよびCDをどちらに向けてもよいが、前記図2に示したモデル図でいうと図面縦方向をMDとすることが好ましい。
上記MDとは、機械方向ともいい、不織布製造時における繊維ウエブの送給方向であり、「Machine Direction」の略語である。上記CDとはMDに対して直交する方向であり、「Cross Direction」の略語である。
また、支持体30の突起31の高さは、0.3〜5mmに設定され、好ましくは0.4〜4mmに設定され、より好ましくは0.5〜3mmに設定される。
次いで各繊維が適度に融着可能な温度の空気(以下、熱風という。)を吹きつけて、各繊維を融着させる。このときの熱風の温度は、この種の製品に用いられる一般的な繊維材料を考慮すると、繊維ウエブ50を構成する熱可塑性繊維の融点に対して0〜70℃高いことが好ましく、5〜50℃高いことがより好ましい。
熱可塑性繊維としては、上述した繊維が用いられる。熱可塑性繊維として、低融点成分および高融点成分を含む複合繊維を用いる場合、繊維ウエブ50に吹き付ける熱風の温度は、低融点成分の融点以上で、かつ高融点成分の融点未満であることが好ましい。繊維ウエブ50に吹き付ける熱風の温度は、低融点成分の融点以上高融点成分の融点より10℃低い温度であることがより好ましく、低融点成分の融点より5℃以上高く高融点成分の融点より20℃以上低い温度であることが更に好ましい。
繊維ウエブ50は、熱可塑性繊維を、30〜100質量%含んでいることが好ましく、より好ましくは40〜80質量%である。繊維ウエブ50は、本来的に熱融着性を有さない繊維(例えばコットンやパルプ等の天然繊維、レーヨンやアセテート繊維など)を含んでいてもよい。
上記製造方法により、第1突出部11の頂部11Tに小突出部21を作製する際に、2層の不織布を貼り合わせる必要がなく、1枚の繊維ウエブ50から、1回に賦形により、2段の突出部(第1突出部11と小突出部21)を有する不織布10を作製することができる。このため、製造工程が簡便になり、生産コストの低減ができ、製品コストを引き下げることができる。しかも、突起31間の孔32に入り込むように小突出部21が作製されるので、第1突出部11の外径より小突出部21の外径が小さく作製されるため、肌接触面積率のより小さい不織布10を作製することができる。また第1突出部11の内部空間11Kと小突出部21の内部空間21Kが連通しているので、液透過性にも優れる。ここで第1突出部11の外径とは、第1突出部11の開口部11Hを平面視した時の最小外接円の直径のことであり、小突出部21の外径とは、小突出部21の開口部21Hを平面視した時の最小外接円の直径のことである。
本発明の不織布10は、各種用途に用いることができる。例えば、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、パンティーライナー、尿取りパッド等の吸収性物品の表面シートとして好適に使用することができる。さらに不織布10の両面が凹凸構造であることに起因する通気性や液拡散性、押圧力時の変形特性、などに優れていることから、おむつや生理用品等の表面シートと吸収体との間に介在させるサブレイヤーとして用いることもできる。その他、吸収性物品の表面シート、ギャザー、外装シート、ウイングとして利用する形態も挙げられる。さらに、おしり拭きシート、清掃シート、フィルターとして利用する形態も挙げられる。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定して解釈されるものではない。
[実施例1−5]
実施例1は、芯がポリエチレンテレフタレートで鞘がポリエチレンからなる2.4dtex×51mmの芯鞘型複合繊維を坪量30g/mとなるようカード機から賦形装置に供給した。賦形装置では、多数の突起を有し通気性を有する支持体30の上に上記繊維ウエブ50を定着させた。この支持体30の突起31の平面視におけるMDピッチを8mm、CDピッチを5mmとし、突起高さを0.7mmとした。また支持体30における孔32の孔径を2.8mmとした。
次いで、その支持体30上の繊維ウエブ50に温風(温度130℃、風速100m/s)を吹きつけて賦形し、支持体30上の突起31にそって繊維ウエブ50を賦形するとともに、温度145℃、風速5m/sの熱風に切り替えて各芯鞘構造の繊維を融着させた。このときのライン速度は100m/minとした。このように熱融着して不織布10を作製し、実施例1の不織布試験体とした。実施例1の不織布10の厚みTは3.8mmであった。
実施例2は、賦形条件としての支持体30の突起31の高さを2mmとした以外、上記実施例1と同様な条件で不織布10を作製した。実施例2の不織布10の厚みTは3.8mmであった。
実施例3は、賦形条件としての支持体30の突起31の高さを3mmとした以外、上記実施例1と同様な条件で不織布10を作製した。実施例3の不織布10の厚みTは3.8mmであった。
実施例4は、賦形条件としての温風の風速を120m/sとした以外、上記実施例2と同様な条件で不織布10を作製した。実施例4の不織布10の厚みTは4.2mmであった。
実施例5は、賦形条件としての温風の風速を120m/sとした以外、上記実施例3と同様な条件で不織布10を作製した。実施例5の不織布10の厚みTは4.2mmであった。
[比較例1−3]
比較例1は、賦形条件としての温風の風速を40m/sとした以外、上記実施例3と同様な条件で不織布10を作製した。比較例1では、小突出部は作製されず、不織布10の厚みTは3.3mmであった。
比較例2は、賦形条件としての支持体30の突起31の高さを4mmとした以外、上記実施例1と同様な条件で不織布10を作製した。比較例2では、小突出部は作製されず、不織布10の厚みTは3.8mmであった。
比較例3は、特開2008−25081号公報に記載された実施例1の製造方法により、不織布の試験体を作製した。比較例3は、筋状の凹凸形状と開孔を有することを特徴とする不織布であり、不織布の厚みは1.3mmであった。
次に、測定方法および評価方法について説明する。上述の各不織布試験体を用い、下記の測定試験を行った。
<厚みの測定>
不織布試験体の切断面を、キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−1000で測定する部位が十分に視野に入り測定できる大きさ(10〜100倍)に拡大し、圧力が0.05kPaになるように重りを不織布試験体の上に置き、図1に示した不織布10の全体の厚みTおよび小突出部21の厚みTSを測定する。なお、小突出部21の厚みTSは、第1突出部頂部11T上において小突出部21が立ち上がる部分から小突出部頂部21Tまでの高さをいう。測定は、5回行い、平均してそのサンプルの不織布10の厚みをT、小突出部21の厚みをTS(mm)とした。このときの値を0.05kPa加圧時の厚みとした。
3.5kPa加圧時での小突出部21の厚み(TSp)の測定方法は、上記おもりを3.5kPaの圧力がかかるように調整する以外は同様に行った。
<不織布10の厚み(T)に対する小突起部21の厚み(TS)の比率>
「不織布10の厚み(T)に対する小突起部21の厚み(TS)の比率」は、(TS/T)×100(%)として表した。
<小突起部21の厚み(TS)に対する3.5kPa加圧時の小突起部21の厚み(TSp)の比率>
「小突起部21の厚み(TS)に対する3.5kPa加圧時の小突起部21の厚み(TSp)の比率」は、(TSp/TS)×100(%)として表した。
<0.05kPa加圧時の肌接触面積率の測定>
0.05kPa加圧時肌接触面積率は次の方法で測定される。不織布試験体(10cm×10cm)を、シャチハタ社製黒スタンプインキ(S−1)で均一に黒く塗り潰す。このシートをインキのついた面を下にして、コピー用紙の上に置き、シート上にアクリル板(10cm×10cm)を置き、更にその上にアクリル板質量と合わせて0.05kPaの加圧状態になるよう重りを置き、30秒間加圧する。その後、素早く重り、アクリル板及びシートを取り除き、コピー用紙を室温にて風乾させる。乾燥後、画像解析装置〔(株)ネクサス社製、New Qube〕を用いてコピー用紙の黒色部の面積率を求め、この値を0.05kPa加圧時肌接触面積率とする。
<3.5kPa加圧時肌接触面積率の測定>
3.5kPa加圧時肌接触面積率は、0.05kPa加圧時肌接触面積率測定方法のアクリル板質量と重りにより3.5kPaの加圧状態になるようにする以外は上記0.05kPa加圧時の肌接触面積率の測定と同様に測定する。
繊維配向性(配向角、配向強度)の測定方法について、以下に説明する。
日本電子株式会社製の走査電子顕微鏡JCM−5100を使用し、図1におけるz軸方向が上下となるようにサンプルを静置し、サンプルの測定する面に対して垂直の方向から撮影した画像(測定する繊維が10本以上計測できる倍率に調整;100〜300倍)を印刷し、透明PET製シート上に繊維をなぞった。前記の画像をパソコン内に取り込み、株式会社ネクサス社製のnexusNewQube(スタンドアロン版)画像処理ソフトウエアを使用し、前記画像を二値化した。次いで、前記二値化した画像を、繊維配向解析プログラムである、株式会社ネクサス製のFiber Orientation Analysis 8.13 Singleソフトを用い、フーリエ変換し、パワースペクトルを得て、楕円近似した分布図から、配向角と配向強度を得た。
配向角は繊維が最も配向している角度を示し、配向強度はその配向角における強度を示している。壁部の測定においては、配向角が90°に近い値ほど、第1突出部11の開口部11Hから小突出部21の頂部21T方向に向かって繊維が配向していることを示し、50〜130°であれば、小突出部21の頂部21T方向に向かう方向に繊維が配向していると判断する。
また、配向強度の値が大きいほど繊維の向きがそろっていることを表す。配向強度が1.05以上の場合を配向しているとする。
配向角および配向強度の測定は3箇所で行い、それら測定値の平均を試験体の配向角および配向強度とした。本願実施例、比較例においては、壁部の配向角、配向強度の測定は、CD方向断面について測定した。
上述の繊維配向性は、繊維の配向角と配向強度からなる概念である。
繊維の配向角は、色々な方向性を有する複数の繊維が全体としてどの方向に配向しているかを示す概念で、繊維の集合体の形状を数値化している。繊維の配向強度は、配向角を示す繊維の量を示す概念であり、配向強度は、1.05未満では、ほとんど配向しておらず、1.05以上で配向を有しているといえる。しかしながら、本実施形態においては、繊維配向がその部位によって変化している。すなわち、ある配向角の状態の部位から異なる配向角の部位へと変化する間(繊維がある方向に配向強度が強い状態から異なる配向に強い強度を示す部位へ変化する間)に、配向強度が弱い状態や再配向することで高い状態へ至る等の様々な状態を有する。そのため、ある強い配向角を示す部位と別の方向に強い配向角を示す部位との間においては、繊維の配向強度が弱くとも繊維の配向角が変わっていることが好ましく、配向強度が高いことがより好ましい。配向角および配向強度について本実施形態において一例を示すと、小突出部21の壁部22の曲面構造に対して配向角は、50〜130°が好ましく、より好ましくは70〜110°であり、配向強度は1.05以上が好ましく、より好ましくは1.20以上である。第1突出部11の壁部13の曲面構造に対して配向角は、50〜130°が好ましく、より好ましくは70〜110°であり、配向強度は1.05以上が好ましく、より好ましくは1.10以上である。
各々の壁部13,22の繊維の配向方向が各小突出部21の頂部21Tに向かう方向であることから、クッション性を発現する。また、不織布10を表面シートとして用いた場合、各々の壁部13,22の繊維強度に違いがある場合、例えば小突出部21のほうが高い配向強度を有することで、第1突出部11よりも着用者の肌に接触する部位である小突起部21が潰れ難くなり、高加圧時でも肌との接触面積率が低減されて、肌に優しい感触を与えることができる。
次に、不織布の液戻り量の測定法を、以下に説明する。
測定は、吸収性物品100の一例として乳幼児用おむつ(花王株式会社製:メリーズさらさらエアスルー(登録商標)Mサイズ)から表面シートを取り除き、その代わりに不織布10の試験体(以下、不織布試験体110という)を用い、その周囲を固定して得た評価用の乳幼児用おむつを用いた。
上記不織布試験体110上に2kPaの圧力を均等にかけ、試験体のほぼ中央に設置した断面積1000mmの筒を当て、そこから人口尿を注入した。人工尿としては、生理食塩水を用い、10分ごとに40gずつ4回にわたり、計160gの人工尿を注入した。
注入完了から10分静置した後に、上述の円筒および圧力を取り除いた。そして、アドバンテック社製のろ紙No.4A(100mm×100mm,質量測定W1)を10枚重ねた吸収シートに3.5kPaの圧力がかかるように調整した重りを、注入点を中心として不織布試験体110上に置いた。
5分静置した後に重りを取り除き、ろ紙の質量を測定し(W2)、次式のようにして、液戻り量を算出した。
液戻り量(g)=加圧後のろ紙の質量(W2)−最初のろ紙の質量(W1)
上記各評価項目についての測定結果および評価結果を表1に示す。
表1に示した結果から明らかなように、各実施例1から実施例5のそれぞれの不織布10の試験体は、いずれの評価項目においても良好な結果を得た。
比較例1は、賦形条件としての温風の風速が40m/sと遅いため、小突出部が作製されなかった。このため、0.05kPa加圧時の肌接触面積率が50%、3.5kPa加圧時の肌接触面積率が70%と実施例と比較して高くなり、低加圧時、高加圧時の肌触り感がやや低下した。また、液戻り量も、0.9gと実施例と比較してやや多かった。
比較例2は、支持体の突起高さが6mmと高いため、小突出部が作製されなかった。このため、0.05kPa加圧時の肌接触面積率が56%、3.5kPa加圧時の肌接触面積率が74%と実施例と比較して高くなり、低加圧時、高加圧時の肌触り感がやや低下した。また、液戻り量も、0.8gと実施例と比較してやや多かった。
比較例3は、0.05kPa加圧時の肌接触面積率が65%あり、3.5kPa加圧時の肌接触面積率が93%であり、低加圧時、高加圧時の肌触り感に優れているとはいえない。また液戻り量も1.3gと多くなり、十分な効果を発揮していない。
したがって、上述の実施例1から実施例5に記載された突起高さを有するそれぞれの支持体10を用いて、繊維ウエブ50に凹凸を賦形する処理を行うことによって、肌との接触面積を低減して肌に優しい感触を与えることができ、着用者の着座圧でも不織布の形状保持性に優れ、高加圧時でも肌接触面積が小さく保たれ、液戻り量が低減できる賦形不織布を製造することができる。
10 不織布
11 第1突出部
11H 第1突出部の開口部
11K 内部空間
11T 第1突出部頂部
12 第2突出部
12K 内部空間
12T 第2突出部頂部
12H 第2突出部の開口部
13 第1突出部の壁部
14 第2突出部の壁部
21 小突出部
21H 小突出部の開口部
22 小突出部の壁部
23 一つの連続した内部空間

Claims (4)

  1. シート状の不織布を平面視した側の第1面側に突出し内部空間を有する第1突出部と、前記第1面側とは反対側の第2面側に突出し内部空間を有する第2突出部とを有し、前記第1、第2突出部は、該不織布の平面視交差する異なる方向のそれぞれに交互に連続して配された不織布であって、
    前記第1突出部の頂部の第1面側が前記第1突出部の外径より小さい外径の小突出部で構成され、前記第1突出部の内側に存する内部空間と前記小突出部の内側に存する内部空間が連通して一つの連続した内部空間を構成していて、
    前記不織布を0.05kPaの圧力で加圧した時の前記小突出部の厚みが、0.05kPaの圧力で加圧した時の前記不織布厚みの5%以上70%以下である不織布。
  2. 前記第1突出部の壁部を構成する繊維は、第1突出部頂部とその開口部の縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有し、前記小突出部の壁部を構成する繊維は、小突出部頂部とその開口部の縁部を結ぶ方向に繊維配向性を有する請求項1記載の不織布。
  3. 前記不織布を3.5kPaの圧力で加圧した時の前記小突出部の厚みが、前記不織布を0.05kPaの圧力で加圧した時の前記小突出部の厚みの20%以上70%以下である請求項1または2に記載の不織布。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の不織布の製造方法であって、
    融着する前の繊維ウエブを、多数の、高さが0.5mm以上3mm以下に設定された突起、および孔が配されている支持体上に配し、次いで、前記繊維ウエブを構成する熱可塑性繊維の融点に対して温度が5℃以上50℃以下の範囲でい温度に設定され、風速が90m/s以上130m/s以下に設定された温風を吹きつけて前記繊維ウエブを前記支持体の形状に沿うように賦形し、その後、前記繊維ウエブを構成する熱可塑性繊維の融点に対して5℃以上50℃以下の範囲で高い温度に設定された熱風を吹きつけて前記各熱可塑性繊維を融着させる不織布の製造方法。
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