JP5437511B2 - 高周波増幅回路及びそれを用いた移動体通信端末 - Google Patents

高周波増幅回路及びそれを用いた移動体通信端末 Download PDF

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Description

本発明は、携帯電話等の移動体通信端末の送信部に用いられる高周波信号を増幅する高周波増幅回路、及びその高周波増幅回路を用いた移動体通信端末に関し、より特定的には、制御信号によって高周波増幅回路のバイアス電流(出力電力)の制御を行う技術に関する。
最近、移動体通信分野では、音声通信のみならず画像や音楽配信といったデータ通信機能への拡大が進み、データ通信機能を強化した移動体通信端末が主流になりつつある。例えば、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)の場合、基地局と移動体通信端末との間のデータ伝送速度のさらなる向上を実現するため、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)方式やHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)が検討されている。さらに、音声通信時は、従来のW−CDMA方式(Release99)に準拠した通信を行い、高速データ通信時には、HSDPA方式やHSUPA方式にマルチモードで対応する通信システムについても検討されている。
このようなマルチモードの移動体通信端末において、例えば、高速データ通信時に用いられるHSDPA方式では、音声通信時に用いられる従来のRelease99と比較して、高周波増幅回路に対して高い線形性が求められる。一般的に、高周波増幅回路で高い線形性を実現したい場合、高周波増幅回路の動作電流を増加させる必要がある。よって、複数の通信方式に対応した移動体通信端末を考えた場合、高い線形性が必要とされる高速データ通信時に用いられるHSDPA方式に合わせて、高周波増幅回路を設計する必要がある。このため、より使用頻度の高い音声通信を行っている通常モードでの消費電流が増加することになる。さらに、移動体通信端末のアプリケーションの多様化による処理回路の複雑化に伴う消費電流拡大の影響により、高周波回路ブロックでの消費電流の削減が重要視されている。
以下、W−CDMA方式で複数の通信方式に対応した従来の携帯電話端末について説明する。
図23は、従来の携帯電話端末の無線部の構成を示すブロック図である。図23において、従来の携帯電話端末の無線部は、送信部200、受信部400、シンセサイザ部300、及び共用器500で構成される。送信部200は、変調器201と、高周波増幅回路202と、バンドパスフィルタ203と、高出力高周波増幅回路204と、アイソレータ205とを備える。共用器500は、アンテナ501と、デュプレクサ502とを備える。受信部400は、高周波増幅回路401と、バンドパスフィルタ402及び404と、復調器403とを備える。シンセサイザ部300は、温度制御水晶発振器(TCXO)301と、フェーズロックドループ回路(PLL)302と、電圧制御発振器(VCO)303とを備える。
変調器201は、シンセサイザ部300から出力される信号を用いて、入力する変調信号を送信周波数(W−CDMA方式の場合、約1.9GHz)の送信信号に変換する。高周波増幅回路202は、変調器201の出力信号(1mW以下)を、利得を可変して最大10mW程度まで増幅する。バンドパスフィルタ203は、高周波増幅回路202で増幅された高周波信号から、送信波帯域の信号を抽出する。高出力高周波増幅回路204は、バンドパスフィルタ203から出力された高周波信号(10mW以下)を、固定利得に従って最大1W程度まで増幅する。アイソレータ205は、高出力高周波増幅回路204の出力信号を、共用器500へ一方向で供給する。
デュプレクサ502は、アイソレータ205の出力端子に接続されるTX端子と、受信部400の入力端子に接続されるRX端子と、アンテナ501に接続されるANT端子とを有している。高周波増幅回路401は、共用器500のアンテナ501で受信された信号を増幅する。バンドパスフィルタ402は、高周波増幅回路401の出力信号から送信波帯域の信号を抽出する。復調器403は、バンドパスフィルタ402で抽出された信号と、シンセサイザ部300から供給される局部発振信号とを、混合する。バンドパスフィルタ404は、復調器403の出力信号から中間周波数信号を抽出する。シンセサイザ部300は、送信部200及び受信部400に対して、所定の周波数を有する信号を供給する。
次に、移動体通信端末の高周波回路ブロックで使用される高出力高周波増幅回路について説明する。
近年、移動体通信端末の高周波回路ブロックで使用される高出力高周波増幅回路では、電界効果トランジスタ(FET)に代わって、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)を用いるようになってきている。HBTを用いれば、ディプレッション形のFETと異なりゲートバイアス用の負電圧を必要としないため、正電圧の電源だけで増幅動作が可能であり周辺回路を簡素化することができる、という利点がある。しかしながら、温度依存性や電源電圧依存性を補償するためのバイアス回路が必要となることが、HBT利用の欠点としてあげられる。従って、このバイアス回路の設計が、安定な特性を得るための重要なポイントとなっている。
以下、従来の高周波増幅回路について、図面を参照しながら説明する。
従来の高周波増幅回路としては、例えば図24に示す増幅器100が存在する(特許文献1を参照)。図24において、増幅器100は、バイアス回路102と、基準電圧供給部103と、トランジスタQ101とを備える。バイアス回路102は、抵抗R102及びR103と、トランジスタQ102〜Q104とで構成される。基準電圧供給部103は、抵抗R101からなる。
抵抗R102は、一方端子に設定バイアスの切り替えを行うための切替電圧Vmodが印加され、他方端子にトランジスタQ102のコレクタ及びベースが接続されている。トランジスタQ102のエミッタは、トランジスタQ103のコレクタ及びベースが接続されている。トランジスタQ103のエミッタは、接地されている。トランジスタQ104は、コレクタが電源電圧Vdcに接続されており、エミッタが抵抗R103を介して接地されていると共に、抵抗R101を介して基準電圧Vrefに接続されている。トランジスタQ104は、抵抗R102の他方端子に現れる電圧をベースに入力して、エミッタから出力する。トランジスタQ104のエミッタからの出力は、トランジスタQ101のベースに入力される。
この増幅器100は、切替電圧Vmodを切り替えることによって、ベースバイアスを切り替えてトランジスタQ101を動作させる。具体的には、増幅器100が高電力出力動作時には、切替電圧Vmodを3Vに切り替え、バイアス回路102からトランジスタQ101へベースバイアスが供給される。一方、増幅器100が低電力出力動作時には、切替電圧Vmodを0Vに切り替え、バイアス回路102からトランジスタQ101へはベースバイアスが供給されない。トランジスタQ101のベースバイアスは、基準電圧Vrefが抵抗R101を介して供給される。この回路構成により、増幅器100の切り替え動作を実現している。
特開2004−40500号公報(第7頁、第1図)
しかしながら、上述した従来の高周波増幅回路では、以下の課題が残る。
第1の課題は、電源電圧Vdc用と基準電圧Vref用とに、複数の高精度電源を準備しなければならないということである。
その理由は、増幅器100が高電力出力時に基準電圧Vrefの値が変動すると、トランジスタQ104から流れ出す電流、すなわちトランジスタQ101のベース電流が変動し、トランジスタQ101の動作電流が大きく変動してしまうからである。また、増幅器100が低電力出力時に電源電圧Vdcの値が変動すると、トランジスタQ101のベース電流が変動し、トランジスタQ101の動作電流が大きく変動してしまうからである。さらに、電圧回路によりレギュレータされた電源を、切替電圧Vmod用と電源電圧Vdc用とに、複数個準備する必要があるため回路規模が増大してしまうという問題もある。
第2の課題は、増幅器100の高電力出力動作と低電力出力動作との切り替え動作の設定において、回路規模が増加するということである。
その理由は、移動体通信端末において、高電力出力動作と低電力出力動作との切り替えを行う制御論理が、増幅器100で定義された論理と異なる場合(高電力出力動作:基準電圧Vref=2.7V、低電力出力動作:基準電圧Vref=0V)、制御回路に制御信号を反転させる論理回路を追加しなければならず、回路規模が増大してしまう。
第3の課題は、増幅器100の高電力出力動作時と低電力出力動作時とで、高周波増幅回路の電力利得が変動するということである。
その理由は、高電力出力動作時と低電力出力動作時とで、トランジスタQ101のコレクタを流れる電流が変化するためである。一般的に、トランジスタを用いた高周波増幅回路では、動作電流の増加に伴って電力利得が増加する。そのため、それぞれの動作時で電力利得が異なってしまい、移動体通信端末の高周波回路ブロックにおいて、制御パラメータが増加し、制御回路が複雑化してしまう。
それ故に、本発明の目的は、バイアス電流の制御電圧の設定範囲を拡大させつつ、バイアス電流を制御するバイアス回路の構成の自由度を向上させ、簡単かつ小規模な構成で複数の通信方式への対応を実現する高周波増幅回路、及びこの高周波増幅回路を用いた移動体通信端末を提供することである。
本発明は、高周波信号を増幅する高周波増幅回路に向けられている。そして、上記目的を達成させるために、本発明の高周波増幅回路は、制御信号の切り替えに応じて電流量を可変させたバイアス電流を生成するバイアス回路と、バイアス回路から供給されるバイアス電流を用いて、入力される高周波信号を増幅する増幅器とを備える。
典型的には、バイアス回路は、入力されるベース電流に応じたバイアス電流を増幅器に供給するバイアス供給用トランジスタと、基準電圧に応じた電流を流す第1の温度補償用トランジスタと、第1の温度補償用トランジスタに流れる電流に応じて、バイアス供給用トランジスタのベース電流を補正することにより、バイアス供給用トランジスタの温度特性を補償する第2の温度補償用トランジスタと、バイアス供給用トランジスタ(構成1)又は第2の温度補償用トランジスタのベース(構成2)に接続され、制御信号の切り替えに応じてバイアス供給用トランジスタのベース電流量を切り替えるバイアス切り替え部とで構成される。
この場合、バイアス切り替え部は、ベースに基準電圧が印加され、コレクタに制御電圧が印加される第2のバイアス切り替え用トランジスタと、ベースに第2のバイアス切り替え用トランジスタのエミッタが接続され、第2のバイアス切り替えトランジスタを介して、制御電圧がベースに印加されるバイアス切り替え用トランジスタと、バイアス切り替え用トランジスタのコレクタ又はエミッタの少なくともいずれかに挿入される抵抗とで構成される。
また、バイアス切り替え部を、バイアス供給用トランジスタのベースに接続され、第1の制御信号の切り替えに応じてバイアス供給用トランジスタのベース電流量を切り替える第1のバイアス切り替え部と、第2の温度補償用トランジスタのベースに接続され、第2の制御信号の切り替えに応じてバイアス供給用トランジスタのベース電流量を切り替える第2のバイアス切り替え部とし、第1及び第2のバイアス切り替え部を、それぞれベースに制御電圧が印加されるバイアス切り替え用トランジスタと、バイアス切り替え用トランジスタのコレクタ又はエミッタの少なくともいずれかに挿入される抵抗とで構成してもよい(構成3)。
この制御信号には、外部から与えられる制御電圧、又は増幅器に供給される電源電圧が用いられる。
また、バイアス回路に用いられるトランジスタのベース−エミッタ間電圧と、増幅器に用いられるトランジスタのベース−エミッタ間電圧とが、略同一であることが好ましい。
また、バイアス切り替え用トランジスタが電界効果トランジスタで構成してもよい。さらに、制御電圧と高周波信号とが同一の端子から入力されてもよい。
なお、上述した高周波増幅回路を、シンセサイザ部、送信部、受信部、共用器、及び制御信号出力部を含む高周波回路ブロックを備えた移動体通信端末に用いることもできる。この場合、入力された変調信号を所定の送信周波数の送信信号に変換する変調器と、変調器で変換された送信信号を増幅する可変利得の高周波増幅回路と、高周波増幅回路で増幅された送信信号から所定帯域の信号を抽出するバンドパスフィルタと、バンドパスフィルタで抽出された信号を増幅する固定利得の高周波増幅回路と、固定利得の高周波増幅回路と共用器との間に設けられ、固定利得の高周波増幅回路から共用器に向けて一方向に信号を通過させるアイソレータとを含む送信部の、固定利得の高周波増幅回路に適用すればよい。
上記本発明によれば、設定範囲を拡大した制御電圧を用いてバイアス回路の電流を可変し、増幅器のバイアス電流を制御する。これにより、高精度なA/Dコンバータが不要となり、高周波回路ブロックの回路規模を削減できる。また、高電力出力動作時と低電力出力動作時との切り替えを行う制御論理に対応して、バイアス回路の構成を部分的に変更することにより、論理回路を追加することなく制御信号を反転させることができるため、高周波回路ブロックの回路規模を削減できる。さらに、増幅器のバイアス電流の制御により電力利得が増加した場合において、増幅器を多段接続して各増幅器にバイアス電流を供給するバイアス回路の動作を対称的にする。これにより、制御電圧の変化に対する電力利得の変動を低減することができる。
本発明の第1の実施形態に係る高周波増幅回路10の構成を示す図 高周波増幅回路10の詳細な回路構成を示す図 高周波増幅回路10を含む携帯電話端末の無線部の構成を示す図 高周波増幅回路10の高周波特性の一例を示す図 高周波増幅回路10の高周波特性の一例を示す図 高周波増幅回路10の高周波特性の一例を示す図 高周波増幅回路10の高周波特性の一例を示す図 本発明の第2の実施形態に係る高周波増幅回路20の構成を示す図 高周波増幅回路20の高周波特性の一例を示す図 本発明の第3の実施形態に係る高周波増幅回路30の構成を示す図 高周波増幅回路30の詳細な回路構成を示す図 高周波増幅回路30を含む携帯電話端末の無線部の構成を示す図 高周波増幅回路30の高周波特性の一例を示す図 本発明の第4の実施形態に係る高周波増幅回路40の構成を示す図 高周波増幅回路40の高周波特性の一例を示す図 本発明の第5の実施形態に係る高周波増幅回路50の構成を示す図 高周波増幅回路50の詳細な回路構成を示す図 高周波増幅回路50の高周波特性の一例を示す図 本発明の第6の実施形態に係る高周波増幅回路60の構成を示す図 高周波増幅回路60の高周波特性の一例を示す図 高周波増幅回路60の高周波特性の一例を示す図 本発明の第7の実施形態に係る高周波増幅回路70の構成を示す図 従来の携帯電話端末の無線部の構成を示す図 従来の高周波増幅回路における増幅器の構成を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る高周波増幅回路10の構成を示すブロック図である。図2は、高周波増幅回路10の増幅器11及びバイアス回路12の詳細な回路構成を示す図である。図3は、高周波増幅回路10を含む携帯電話端末の無線部の構成を示すブロック図である。
高周波増幅回路10の詳細を説明する前に、まず図3に示す携帯電話端末の無線部の詳細を説明する。なお、本実施形態の携帯電話端末は、W−CDMA方式の複数の通信方式に対応しているものとする。
図3において、携帯電話端末の無線部は、送信部120、受信部140、シンセサイザ部130、共用器150、及び制御信号出力部160で構成される。送信部120は、変調器121と、高周波増幅回路122と、バンドパスフィルタ123と、高出力高周波増幅回路124と、アイソレータ125とを備える。共用器150は、アンテナ151と、デュプレクサ152とを備える。受信部140は、高周波増幅回路141と、バンドパスフィルタ142及び144と、復調器143とを備える。シンセサイザ部130は、温度制御水晶発振器(TCXO)131と、フェーズロックドループ回路(PLL)132と、電圧制御発振器(VCO)133とを備える。
変調器121は、シンセサイザ部130から出力される信号を用いて、入力する変調信号を送信周波数(W−CDMA方式の場合、約1.9GHz)の送信信号に変換する。高周波増幅回路122は、変調器121の出力信号(1mW以下)を、利得を可変して最大10mW程度まで増幅する。バンドパスフィルタ123は、高周波増幅回路122で増幅された高周波信号から、送信波帯域の信号を抽出する。高出力高周波増幅回路124は、バンドパスフィルタ123から出力された高周波信号(10mW以下)を、固定利得に従って最大1W程度まで増幅する。本発明の第1の実施形態に係る高周波増幅回路10は、この高出力高周波増幅回路124として用いられる。
また、変調器121、高周波増幅回路122、及び高出力高周波増幅回路124は、複数の動作モードを実現するためのモード切り替え機能を有している。例えば、W−CDMA方式(Release99)とHSDPA方式とでは、高周波増幅回路の無線仕様が互いに異なるため、各方式に対応する機能をそれぞれ切り替えることで複数の動作モードを実現する。アイソレータ125は、高出力高周波増幅回路124の出力信号を、共用器150へ一方向で供給する。
デュプレクサ152は、アイソレータ125の出力端子に接続されるTX端子と、受信部140の入力端子に接続されるRX端子と、アンテナ151に接続されるANT端子とを有している。高周波増幅回路141は、共用器150のアンテナ151で受信された信号を増幅する。バンドパスフィルタ142は、高周波増幅回路141の出力信号から送信波帯域の信号を抽出する。復調器143は、バンドパスフィルタ142で抽出された信号と、シンセサイザ部130から供給される局部発振信号とを、混合する。バンドパスフィルタ144は、復調器143の出力信号から中間周波数信号を抽出する。シンセサイザ部130は、送信部120及び受信部140に対して、所定の周波数を有する信号を供給する。制御信号出力部160は、入力される制御信号に従って、変調器121、高周波増幅回路122、及び高出力高周波増幅回路124のモード切り替えを制御する。
次に、図1及び図2を用いて、高周波増幅回路10の詳細な構成及び動作を説明する。
図1において、高周波増幅回路10は、増幅器11と、バイアス回路12と、整合回路13及び14とを備えている。整合回路13及び14は、入力信号に対してインピーダンス変換を行うインピーダンス整合回路である。バイアス回路12は、高周波増幅回路10のバイアス電流を制御するために与えられる制御信号に基づいて、増幅器11へ供給するバイアス電流を変化させる。この第1の実施形態では、外部の回路で生成された制御電圧VSWを制御信号として用いる。増幅器11は、整合回路13を通して入力される高周波信号を、バイアス回路12から供給されるバイアス電流に従って増幅し、増幅した高周波信号を整合回路14を通して出力する。これにより、増幅器11から出力される信号レベルを変化させることができる。
図2において、増幅器11は、抵抗R1と、トランジスタQ1とで構成される。バイアス回路12は、抵抗R2〜R8と、トランジスタQ2〜Q5とで構成される。トランジスタQ1が増幅用であり、トランジスタQ2及びQ3が温度補償用であり、トランジスタQ4がバイアス切り替え用であり、トランジスタQ5がバイアス供給用である。トランジスタQ4及び抵抗R5〜R7によって、バイアス切り替え部が構成される(図2の破線部分)。
抵抗R2は、一方端子に基準電圧Vrefが印加され、他方端子にトランジスタQ3のベースと抵抗R3の一方端子とが接続されている。抵抗R3の他方端子は、トランジスタQ2のコレクタに接続されている。トランジスタQ2は、エミッタが接地されており、ベースがトランジスタQ3のエミッタと抵抗R4の一方端子に接続されている。抵抗R4の他方端子は、接地されている。制御電圧VSWは、抵抗R5を介してトランジスタQ4のベースに印加される。トランジスタQ4は、コレクタが抵抗R6を介してトランジスタQ2のコレクタとトランジスタQ5のベースとに接続されており、エミッタが抵抗R7を介して接地されている。トランジスタQ5は、エミッタが抵抗R8を介して接地されていると共に、抵抗R1を介してトランジスタQ1のベースに接続されている。トランジスタQ3及びQ5のコレクタは、電源電圧Vdcに接続されている。トランジスタQ1は、ベースに高周波信号(RFIN)を入力し、増幅した高周波信号(RFOUT)をコレクタから出力する。
まず、基準電圧Vref、電源電圧Vdc、及び電源電圧Vccに所定の電圧を与え、制御電圧VSWを0V(動作モード1)とした場合の動作を説明する。
トランジスタQ2、Q3、及びQ5は、各ベース−エミッタ間にターン・オン電圧を超える電圧(約1.3V)が印加されるため、オン状態となる。よって、トランジスタQ1が動作する。また、トランジスタQ4は、ベース−エミッタ間の電圧が0Vとなり、オフ状態となる。このトランジスタQ4がオフ状態のとき、トランジスタQ5のベースに接続されている抵抗R6、トランジスタQ4、及び抵抗R7からなる回路は、無視することができる。また、トランジスタQ3は、基準電圧Vrefに応じた電流を流す。トランジスタQ2は、トランジスタQ3に流れる電流に応じて、トランジスタQ5からトランジスタQ1に供給されるバイアス電流を補正することにより、温度特性を補償する。トランジスタQ1のコレクタ電流は、トランジスタQ5のエミッタ電流により決定され、そのエミッタ電流は主に抵抗R2の値により決定される。また、基準電圧Vrefの値変動が想定される場合、その変動値に応じてトランジスタQ5のエミッタ電流の変動を抑えるように抵抗R3の値を決定する。
次に、基準電圧Vref、電源電圧Vdc、及び電源電圧Vccに所定の電圧を与え、制御電圧VSWを3V(動作モード2)とした場合の動作を説明する。
トランジスタQ2、Q3、及びQ5の動作は、上述した動作モード1と同じである。この動作モード2では、トランジスタQ4が、ベース−エミッタ間の電圧が3Vとなり、オン状態となる。よって、トランジスタQ5のベースに接続されている抵抗R6、トランジスタQ4、及び抵抗R7からなる回路が動作して、トランジスタQ5のベースに供給される電流の一部が、バイアス切り替え部(抵抗R6、R7、及びトランジスタQ4の回路)に流れることになる。結果、トランジスタQ5のベースに供給される電流は動作モード1よりも減少し、トランジスタQ1の動作電流も減少する。
このように、バイアス回路12の制御電圧VSWを変化させることにより、トランジスタQ5のベース電流の量、すなわちトランジスタQ1のバイアス電流の量を制御することが可能となる。
図4は、高周波増幅回路10に与えられる制御電圧VSWと増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流の関係を示した図である。図4に示すように、制御電圧VSWの変化により、増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流が変化していることがわかる。
次に、高周波増幅回路10について、2つの動作モードを持たせることを考える。制御電圧VSWを0Vとした時を動作モード1と定義し、トランジスタQ1のバイアス電流を30mAとする。制御電圧VSWを3Vとした時を動作モード2と定義し、トランジスタQ1の動作電流が20mAになるようにバイアス回路12を構成する。また、図4において、制御電圧VSWに対して、電流値が変化する部分と電流値がほぼ一定な部分とが存在する。このことにより、制御電圧VSWに範囲を持たすことができ、制御電圧VSWを設定するマージンを確保できることがわかる。
図5は、高周波増幅回路10における高周波信号の入出力電力の関係を示した図である。図6は、高周波増幅回路10に入力される高周波信号の電力と増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流との関係を示した図である。図7は、高周波増幅回路10から出力される高周波信号の電力と増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流との関係を示した図である。この図5〜図7では、動作モード1及び動作モード2の電力特性を表している。
一般的に、高周波増幅回路では、線形性を向上させる手段として、高周波増幅回路のバイアス電流を増加させる方法が用いられる。この高周波増幅回路10では、動作モード1は動作モード2よりも動作電流が多い。言い換えれば、動作モード1は、動作モード2よりも高い線形が確保できていることを示している。
ここで、電源電圧の設定の一例について説明する。基準電圧Vrefを2.8Vに、電源電圧Vdc及びVccを共に3.6Vに、それぞれ設定した。また、制御電圧VSW(0V/3V)は、ロジック回路の出力電圧を与えることができ、制御電圧VSW用の電源に高精度なA/Dコンバータを使用する必要はない。
次に、抵抗R2〜R8の値の設定範囲の一例について説明する。抵抗R2〜R8の値は、トランジスタQ1のコレクタ電流の設定値やサイズ(大きさ)、又はエピタキシャル層の構造によって変わってくる。抵抗R2は、20Ω〜300Ω程度で、通常は100Ω程度である。抵抗R3は、500Ω〜1kΩ程度である。抵抗R4は、1Ω〜3kΩ程度である。抵抗R5及びR6は、1kΩ〜10kΩ程度である。抵抗R7は、100Ω〜2kΩ程度である。また、抵抗R3を短絡してバイアス回路を構成してもよく、求められる特性や回路規模に対応して柔軟に各抵抗値を設定することがきる。なお、図示していないが、トランジスタQ3のエミッタとトランジスタQ2のベースとの間に抵抗を入れる場合もあり、この抵抗の値に応じても抵抗R2〜R4の抵抗値は若干変わる。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る高周波増幅回路及び移動体通信端末によれば、設定範囲を拡大した制御電圧VSWを用いてバイアス回路の電流を可変し、増幅器のバイアス電流を制御する。これにより、高精度なA/Dコンバータが不要となり、高周波回路ブロックの回路規模を削減できる。
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る高周波増幅回路20の増幅器11及びバイアス回路22の詳細な回路構成を示す図である。この第2の実施形態に係る高周波増幅回路20は、上記第1の実施形態に係る高周波増幅回路10のバイアス回路12をバイアス回路22に代えた構成である。よって、高周波増幅回路20の構成を示すブロック図は図1と同様であるので、図示及び説明を省略する。また、高周波増幅回路20を高出力高周波増幅回路124に用いた携帯電話端末の無線部の構成を示すブロック図は図3と同様であるので、図示及び説明を省略する。
図8において、バイアス回路22は、抵抗R2〜R8と、トランジスタQ2〜Q5とで構成される。この素子構成は、図2に示したバイアス回路12と同じである。しかし、トランジスタQ4のコレクタが抵抗R6を介して接続される先が、トランジスタQ5のベースではなく、トランジスタQ3のエミッタであることが異なる。
以下、この接続構成によるバイアス回路22の動作を説明する。バイアス回路22の基本的な動作は、バイアス回路12と同様である。
まず、基準電圧Vref、電源電圧Vdc、及び電源電圧Vccに所定の電圧を与え、制御電圧VSWを0V(動作モード1)とした場合、トランジスタQ4は、ベース−エミッタ間の電圧が0Vとなり、オフ状態となる。このとき、トランジスタQ2のベースとエミッタとに流れる電流は、抵抗値R4により決定される。
次に、基準電圧Vref、電源電圧Vdc、及び電源電圧Vccに所定の電圧を与え、制御電圧VSWを3V(動作モード2)とした場合、トランジスタQ4は、ベース−エミッタ間の電圧が3Vとなり、オン状態となる。よって、トランジスタQ2のベースを接地する抵抗値R4と、抵抗R6及びR7による直列抵抗とを、並列に接続した回路構成となり、制御電圧VSWを0Vとした動作モード1のときより抵抗値が減少し、トランジスタQ2のベース電圧が低下する。よって、トランジスタQ2のベース電流が減少し、トランジスタQ2のコレクタを流れる電流が減少し、トランジスタQ5のベースに流れ込む電流が増加する。結果、トランジスタQ5のエミッタから出力される電流が増加し、増幅器11のトランジスタQ1へ供給されるバイアス電流が増加する。
図9は、高周波増幅回路20に与えられる制御電圧VSWと増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流の関係を示した図である。図9に示すように、制御電圧VSWの変化により、増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流が変化していることがわかる。ここで、この第2の実施形態に係る高周波増幅回路20における関係(図9の実線)は、上記第1の実施形態に係る高周波増幅回路10における関係(図9の破線)と相対的な傾向を示している。また、図9においても、制御電圧VSWに対して、電流値が変化する部分と電流値がほぼ一定な部分とが存在する。このことにより、制御電圧VSWに範囲を持たすことができ、制御電圧VSWを設定するマージンを確保できることがわかる。
なお、第2の実施形態に係る高周波増幅回路20に関する、高周波信号の入出力電力の関係、入力高周波信号の電力と増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流との関係、及び出力高周波信号の電力と増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流との関係は、図5〜図7で示した特性とほぼ同等であるので省略する。
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る高周波増幅回路及び移動体通信端末によれば、高電力出力動作時と低電力出力動作時との切り替えを行う制御論理に対応して、バイアス回路の構成を部分的に変更することにより、論理回路を追加することなく制御信号を反転させることができるため、高周波回路ブロックの回路規模を削減できる。
(第3の実施形態)
図10は、本発明の第3の実施形態に係る高周波増幅回路30の構成を示すブロック図である。図11は、高周波増幅回路30の増幅器11及びバイアス回路32の詳細な回路構成を示す図である。図12は、高周波増幅回路30を含む携帯電話端末の無線部の構成を示すブロック図である。
高周波増幅回路30の詳細を説明する前に、まず図12に示す携帯電話端末の無線部を説明する。図12に示す携帯電話端末の無線部は、図3に示す携帯電話端末の無線部の制御信号出力部160を送信制御回路170に代えた構成であり、送信制御回路170以外の構成はすでに説明した動作を同様に行う。この送信制御回路170は、入力される制御信号に従って、高出力高周波増幅回路124のモード切り替えを制御する。なお、第3の実施形態に係る高周波増幅回路30も、高出力高周波増幅回路124として用いられる。
次に、図10及び図11を用いて、高周波増幅回路30の詳細な構成及び動作を説明する。
図10において、高周波増幅回路30は、増幅器11と、バイアス回路32と、整合回路13及び14とを備えている。バイアス回路32は、高周波増幅回路30のバイアス電流を制御するために与えられる制御信号に基づいて、増幅器11へ供給するバイアス電流を変化させる。この第3の実施形態では、増幅器11に供給される電源電圧Vccを制御信号として用いる。増幅器11は、整合回路13を通して入力される高周波信号を、バイアス回路32から供給されるバイアス電流に従って増幅し、増幅した高周波信号を整合回路14を通して出力する。これにより、増幅器11から出力される信号レベルを変化させることができる。なお、増幅器11、整合回路13、及び14の構成は、上記第1及び第2の実施形態と同様であるので、基本的な説明は省略する。
図11において、バイアス回路32は、抵抗R2〜R10と、トランジスタQ2〜Q6とで構成される。トランジスタQ2及びQ3が温度補償用であり、トランジスタQ4及びQ6がバイアス切り替え用である。トランジスタQ4、Q6、抵抗R5〜R7、R9、及びR10によって、バイアス切り替え部が構成される(図11の破線部分)。なお、トランジスタQ2、Q3、及びQ5、抵抗R2〜R8の構成は、上記第1及び第2の実施形態と同様であるので、基本的な説明は省略する。
抵抗R2は、一方端子に基準電圧Vrefが印加され、他方端子にトランジスタQ3のベースと抵抗R3の一方端子とが接続されている。抵抗R3の他方端子は、トランジスタQ2のコレクタに接続されている。トランジスタQ2は、エミッタが接地されており、ベースがトランジスタQ3のエミッタと抵抗R4の一方端子に接続されている。抵抗R4の他方端子は、接地されている。トランジスタQ4は、コレクタが抵抗R6を介してトランジスタQ2のコレクタとトランジスタQ5のベースとに接続されており、エミッタが抵抗R7を介して接地されている。トランジスタQ4のベースは、抵抗R5を介してトランジスタQ6のエミッタに接続されている。トランジスタQ6のベースには、抵抗R9を介して基準電圧Vrefが、トランジスタQ6のコレクタには、抵抗R10を介して電源電圧Vccが、それぞれ印加される。トランジスタQ5は、エミッタが抵抗R8を介して接地されていると共に、抵抗R1を介してトランジスタQ1のベースに接続されている。トランジスタQ3及びQ5のコレクタは、電源電圧Vdcに接続されている。トランジスタQ1は、ベースに高周波信号(RFIN)を入力し、増幅した高周波信号(RFOUT)をコレクタから出力する。
まず、基準電圧Vref及び電源電圧Vdcに所定の電圧を与え、電源電圧Vccを1V(動作モード1)とした場合の動作を説明する。
トランジスタQ2、Q3、及びQ5は、各ベース−エミッタ間にターン・オン電圧を超える電圧(約1.3V)が印加されるため、オン状態となる。よって、トランジスタQ1が動作する。この動作モード1では、トランジスタQ6のコレクタ電圧は、電源電圧Vccの1Vよりも低い電圧となる。そのため、トランジスタQ4は、ベース−エミッタ間の電圧がターン・オン電圧以下となり、オフ状態となる。このトランジスタQ4がオフ状態のとき、トランジスタQ5のベースに接続されている抵抗R6、トランジスタQ4、及び抵抗R7からなる回路は、無視することができる。
次に、基準電圧Vref及び電源電圧Vdcに所定の電圧を与え、電源電圧Vccを3.6V(動作モード2)とした場合の動作を説明する。
トランジスタQ2、Q3、及びQ5の動作は、上述した動作モード1と同じである。トランジスタQ4及びQ6は、各ベース−エミッタ間にターン・オン電圧を超える電圧(約1.3V)が印加されるため、オン状態となる。よって、トランジスタQ5のベースに接続されている抵抗R6、トランジスタQ4、及び抵抗R7からなる回路が動作して、トランジスタQ5のベースに供給される電流の一部が、バイアス切り替え部(抵抗R6、R7、及びトランジスタQ4の回路)に流れることになる。結果、トランジスタQ5のベースに供給される電流は動作モード1よりも減少し、トランジスタQ1の動作電流も減少する。
このように、増幅器11の電源電圧Vccによって、バイアス回路32のトランジスタQ5のベース電流の量、すなわちトランジスタQ1のバイアス電流の量を制御することが可能となる。
次に、高周波増幅回路30について、2つの動作モードを持たせることを考える。電源電圧Vccを1Vとした時を動作モード1と定義し、電源電圧Vccを3.6Vとした時を動作モード2と定義する。図13は、高周波増幅回路30に与えられる電源電圧Vccと増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流の関係を示した図である。図13に示すように、電源電圧Vccの変化により、増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流が変化していることがわかる。ここで、図13において、電源電圧Vccに対して、電流値が変化する部分と電流値がほぼ一定な部分とが存在する。このことにより、電源電圧Vccに範囲を持たすことができる。
また、電源電圧Vccを3.6V(動作モード2)に設定した場合の高周波増幅回路30の高周波特性に関する、高周波信号の入出力電力の関係、入力高周波信号の電力と増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流との関係、及び出力高周波信号の電力と増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流との関係は、図5〜図7で示した特性とほぼ同等であるので省略する。
ここで、電源電圧の設定の一例及び抵抗R2〜R10の値の設定範囲の一例について説明する。
この第3の実施形態では、基準電圧Vrefを2.8Vに、電源電圧Vdcを3.6Vに、それぞれ設定した。抵抗R2〜R7の値は、第1の実施形態で説明した通りである。抵抗R8は、1kΩ〜10kΩ程度である。抵抗R9は、1kΩ〜100kΩ程度である。抵抗R10は、1Ω〜100kΩ程度である。
以上のように、本発明の第3の実施形態に係る高周波増幅回路及び移動体通信端末によれば、電源電圧Vccを用いてバイアス回路の電流を可変し、増幅器のバイアス電流を制御することが可能となる。これにより、制御電圧VSWを制御するための回路が不要となり、高周波回路ブロックの回路規模をさらに削減できる。
(第4の実施形態)
図14は、本発明の第4の実施形態に係る高周波増幅回路40の増幅器11及びバイアス回路42の詳細な回路構成を示す図である。この第4の実施形態に係る高周波増幅回路40は、上記第3の実施形態に係る高周波増幅回路30のバイアス回路32をバイアス回路42に代えた構成である。よって、高周波増幅回路40の構成を示すブロック図は図10と同様であるので、図示及び説明を省略する。また、高周波増幅回路40を高出力高周波増幅回路124に用いた携帯電話端末の無線部の構成を示すブロック図は図12と同様であるので、図示及び説明を省略する。
図14において、バイアス回路42は、抵抗R2〜R10と、トランジスタQ2〜Q6とで構成される。この素子構成は、図11に示したバイアス回路32と同じである。しかし、トランジスタQ4のコレクタが抵抗R6を介して接続される先が、トランジスタQ5のベースではなく、トランジスタQ3のエミッタであることが異なる。
以下、この接続構成によるバイアス回路42の動作を説明する。バイアス回路42の基本的な動作は、バイアス回路32と同様である。
まず、基準電圧Vref及び電源電圧Vdcに所定の電圧を与え、電源電圧Vccを1V(動作モード1)とした場合、トランジスタQ4は、ベース−エミッタ間の電圧がターン・オン電圧以下となり、オフ状態となる。このとき、トランジスタQ2のベースとエミッタとに流れる電流は、抵抗値R4により決定される。
次に、基準電圧Vref及び電源電圧Vdcに所定の電圧を与え、電源電圧Vccを3.6V(動作モード2)とした場合、トランジスタQ4は、ベース−エミッタ間の電圧がターン・オン電圧以上となり、オン状態となる。よって、トランジスタQ2のベースを接地する抵抗R4と、抵抗R6及びR7による直列抵抗とを並列接続した回路構成となり、電源電圧Vccを1Vとした動作モード1のときよりも抵抗値が減少し、トランジスタQ2のベース電圧が低下する。よって、トランジスタQ2のベース電流が減少し、トランジスタQ2のコレクタに流れる電流が減少し、トランジスタQ5のベースに流れ込む電流が増加する。結果、トランジスタQ5のエミッタから出力される電流が増加し、増幅器11へトランジスタQ1へ供給されるバイアス電流が増加する。
図15は、高周波増幅回路40に与えられる電源電圧Vccと増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流の関係を示した図である。図15に示すように、電源電圧Vccの変化により、増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流が変化していることがわかる。ここで、この第4の実施形態に係る高周波増幅回路40における関係(図15の実線)は、上記第3の実施形態に係る高周波増幅回路30における関係(図15の破線)と相対的な傾向を示している。また、図15においても、電源電圧Vccに対して、電流値が変化する部分と電流値がほぼ一定な部分とが存在する。このことにより、電源電圧Vccに範囲を持たすことができることがわかる。
なお、第4の実施形態に係る高周波増幅回路40に関する、高周波信号の入出力電力の関係、入力高周波信号の電力と増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流との関係、及び出力高周波信号の電力と増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流との関係は、図5〜図7で示した特性とほぼ同等であるので省略する。
以上のように、本発明の第4の実施形態に係る高周波増幅回路及び移動体通信端末によれば、バイアス回路の構成を部分的に変更することにより、論理回路を追加することなく増幅器の動作電流の設定を変更させることができるため、高周波回路ブロックの回路規模を削減できる。
(第5の実施形態)
図16は、本発明の第5の実施形態に係る高周波増幅回路50の構成を示すブロック図である。図17は、高周波増幅回路50の増幅器11及びバイアス回路52の詳細な回路構成を示す図である。
この第5の実施形態に係る高周波増幅回路50は、上記第1の実施形態に係る高周波増幅回路10のバイアス回路12をバイアス回路52に代えた構成である。なお、高周波増幅回路50を高出力高周波増幅回路124に用いた携帯電話端末の無線部の構成を示すブロック図は図3と同様である。
図17において、バイアス回路52は、第1の実施形態で説明したバイアス回路12(図2を参照)に、制御電圧VSW2で動作するトランジスタQ7及び抵抗R11〜R13からなるバイアス切り替え部を、さらに加えた構成である。この加えられたバイアス切り替え部は、上記第2の実施形態で説明したバイアス回路22に用いられたバイアス切り替え部(トランジスタQ4及び抵抗R5〜R7)に相当する(図8を参照)。
以下、この接続構成によるバイアス回路52の動作を説明する。バイアス回路52の基本的な動作は、バイアス回路12及び22と同様である。
まず、基準電圧Vref、電源電圧Vdc、及び電源電圧Vccに所定の電圧を与え、制御電圧VSW1を0Vかつ制御電圧VSW2を3V(動作モード1)とした場合、トランジスタQ4は、ベース−エミッタ間の電圧が0Vとなってオフ状態となり、トランジスタQ7は、ベース−エミッタ間の電圧が3Vとなってオン状態となる。よって、この状態のとき、トランジスタQ5のベースに接続されている抵抗R6、トランジスタQ4、及び抵抗R7からなる回路は、無視することができる。さらに、トランジスタQ2のベースを接地する抵抗R4と、抵抗R6及びR7による直列抵抗とを並列接続した回路構成となり、抵抗値が減少してトランジスタQ2のベース電圧が低下する。よって、トランジスタQ2のベース電流が減少し、トランジスタQ2のコレクタに流れる電流が減少し、トランジスタQ5のベースに流れ込む電流が増加する。結果、トランジスタQ5のエミッタから出力される電流が増加し、増幅器11へトランジスタQ1へ供給されるバイアス電流が増加する。
次に、基準電圧Vref、電源電圧Vdc、及び電源電圧Vccに所定の電圧を与え、制御電圧VSW1を0Vかつ制御電圧VSW2を0V(動作モード2)とした場合、トランジスタQ4及びQ7は、ベース−エミッタ間の電圧が0Vとなり、共にオフ状態となる。よって、この状態のとき、抵抗R6、トランジスタQ4、及び抵抗R7からなる回路と、抵抗R12、トランジスタQ7、及び抵抗R13からなる回路は、無視することができる。
この動作モード2では、動作モード1に比べて、トランジスタQ2のベースを接地する抵抗値が増加し、トランジスタQ2のベース電圧が上昇する。よって、トランジスタQ2のベース電流が増加し、トランジスタQ2のコレクタを流れる電流が増加し、トランジスタQ5のベースに流れ込む電流が減少する。結果、トランジスタQ5のエミッタから出力される電流が、動作モード1のときよりも減少し、増幅器11のトランジスタQ1へ供給されるバイアス電流も減少する。
最後に、基準電圧Vref、電源電圧Vdc、及び電源電圧Vccに所定の電圧を与え、制御電圧VSW1を3Vかつ制御電圧VSW2を0V(動作モード3)とした場合、トランジスタQ4は、ベース−エミッタ間の電圧が3Vとなってオン状態となり、トランジスタQ7は、ベース−エミッタ間の電圧が0Vとなってオフ状態となる。よって、この状態のとき、トランジスタQ2のベースに接続されている抵抗R12、トランジスタQ7、及び抵抗R13による回路は、無視することができる。また、トランジスタQ5のベースに接続されている抵抗R6、トランジスタQ4、及び抵抗R7からなる回路が動作して、トランジスタQ5のベースに供給される電流の一部が、バイアス切り替え部に流れることになる。結果、トランジスタQ5のベースに供給される電流は、動作モード2のときよりも減少し、増幅器11のトランジスタQ1の動作電流も減少する。
図18は、高周波増幅回路50に与えられる制御電圧VSW1及びVSW2と増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流の関係を示した図である。図18に示すように、制御電圧VSW1及びVSW2の変化により、増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流が変化していることがわかる。
なお、第5の実施形態に係る高周波増幅回路50に関する、高周波信号の入出力電力の関係、入力高周波信号の電力と増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流との関係、及び出力高周波信号の電力と増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流との関係は、図5〜図7で示した特性とほぼ同等であるので省略する。
以上のように、本発明の第5の実施形態に係る高周波増幅回路及び移動体通信端末によれば、設定範囲を拡大した制御電圧VSWを用いてバイアス回路の電流を可変し、増幅器のバイアス電流を制御する。これにより、高精度なA/Dコンバータが不要となり、高周波回路ブロックの回路規模を削減できる。
(第6の実施形態)
図19は、本発明の第6の実施形態に係る高周波増幅回路60の構成を示すブロック図である。図19で示すように、第6の実施形態に係る高周波増幅回路60は、上述した第1又は第2の実施形態に係る高周波増幅回路10又は20を、多段化した構成である。よって、高周波増幅回路60を構成する増幅器及びバイアス回路の基本構成は図2又は図8と同様であるので、図示及び説明を省略する。また、高周波増幅回路60を高出力高周波増幅回路124に用いた携帯電話端末の無線部の構成を示すブロック図は図3と同様であるので、図示及び説明を省略する。
この高周波増幅回路60は、高周波増幅回路10又は20を直列に2段接続した構成であり、接続部分の整合回路15を共通化している。また、2つのバイアス回路12a及び12bには、高周波増幅回路60のバイアス電流を制御するために与えられる制御信号として制御電圧VSWが共通に印加される。
図19を用いて、高周波増幅回路60の詳細な構成及び動作を説明する。
整合回路13〜15は、入力信号に対してインピーダンス変換を行うインピーダンス整合回路である。バイアス回路12aは、制御電圧VSWに基づいて、増幅器11aへ供給するバイアス電流を変化させる。バイアス回路12bは、制御電圧VSWに基づいて、増幅器11bへ供給するバイアス電流を変化させる。増幅器11aは、整合回路13を通して入力される高周波信号を、バイアス回路12aから供給されるバイアス電流に従って増幅し、増幅した高周波信号を整合回路15を通して出力する。増幅器11bは、整合回路15を通して入力される高周波信号を、バイアス回路12bから供給されるバイアス電流に従って増幅し、増幅した高周波信号を整合回路14を通して出力する。これにより、増幅器11a及び11bから出力される信号レベルを変化させることができる。
上述したように、マルチモードの移動体通信端末では、音声通信方式と比較して、高周波回路ブロックの高周波増幅回路に高い線形性が求められる。高周波増幅回路で高い線形性を実現しようとした場合、動作電流を増加する必要がある。そこで、上記第1及び第2の実施形態に係る高周波増幅回路では、増幅器に流れる動作電流を変化させることにより、2つの方式に対応した動作モードを実現できるように高周波回路を構成した。
しかし、一般的に、制御電圧VSWにより高周波増幅回路を流れるバイアス電流を変化させたとき、動作電流の変化に伴い電力利得も変化する。また、移動体通信端末の高周波回路ブロックにおいて、動作モードを切り替えた場合に高周波増幅回路の利得が変化すると、電力利得の補正テーブルのパラメータが増加して制御が複雑化する。そのため、各動作モード間の電力利得の差を低減する必要がある。第6の実施形態では、各動作モード間の電力利得の差を、次のように低減させている。
高周波増幅回路60について、2つの動作モードを持たせることを考える。制御電圧VSWを0Vとした時を動作モード1と定義し、制御電圧VSWを3Vとした時を動作モード2と定義する。そこで、2つの動作モードを持つ高周波増幅回路60において、増幅器11a及び11bの各動作モードにおける制御電圧VSWが0Vの時を、動作モード1:バイアス電流「大」と、制御電圧VSWが3Vの時を、動作モード2:バイアス電流「小」と定義する。高い線形が求められる動作モードでは、増幅器11aのバイアス電流を「小」に、増幅器11bのバイアス電流を「大」に設定する。一方、高い線形が求められない動作モードでは、増幅器11aのバイアス電流を「大」に、増幅器11bのバイアス電流を「小」に設定する。すなわち、増幅器11aのバイアス電流と増幅器11bのバイアス電流とが、反比例の関係で変化するように設定する。これにより、高周波増幅回路60において、各動作モード間の電力利得の差を低減させることができる。
次に、バイアス回路12aに第2の実施形態に係るバイアス回路22(図8)を、バイアス回路12bに第1の実施形態に係るバイアス回路12(図2)を用いた場合の、高周波増幅回路60の動作について説明する。
図20は、高周波増幅回路60における高周波信号の入出力電力の関係を示した図である。図21は、高周波増幅回路60から出力される高周波信号の電力と増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流との関係を示した図である。この図20及び図21では、動作モード1及び動作モード2の電力特性を表している。
図20から、広い入力電力範囲で、2つの動作モードにおいて出力電力が変化していないことがわかる。言い換えれば、動作モード1の電力利得は、動作モード2の電力利得とほとんど変化していないことを示している。また、図21から、各出力電力において増幅用トランジスタのコレクタを流れる電流が変化しており、動作モード1は動作モード2よりも動作電流が多い。この結果は、動作モード1は、動作モード2よりも高い線形が確保できていることを示している。
なお、高周波増幅回路60の電源電圧の設定の一例、及びバイアス回路12a及び12bを構成する抵抗R2〜R8の値の設定範囲の一例は、上述した通りである。また、移動体通信端末において制御論理が異なる場合があるが、第1の実施形態に係る高周波増幅回路10と第2の実施形態に係る高周波増幅回路20とを、その制御信号の論理に合わせて使い分ければよい。こうすれば、高周波増幅回路の回路規模を増加させることなく、柔軟に対応することができる。さらに、図19の高周波増幅回路60の整合回路13の入力端子がDC的なインピーダンスが無限大である場合、高周波信号の入力端子と制御電圧VSWを入力する端子とを共用することができる。これにより、端子数を削減でき、高周波増幅回路の実装面積を縮小することができる。
以上のように、本発明の第6の実施形態に係る高周波増幅回路及び移動体通信端末によれば、増幅器のバイアス電流の制御により電力利得が増加した場合において、増幅器を多段接続して各増幅器にバイアス電流を供給するバイアス回路の動作を対称的にする。これにより、制御電圧の変化に対する電力利得の変動を低減することができる。
(第7の実施形態)
図22は、本発明の第7の実施形態に係る高周波増幅回路70の構成を示すブロック図である。図22で示すように、第7の実施形態に係る高周波増幅回路70は、上述した第3又は第4の実施形態に係る高周波増幅回路30又は40を、多段化した構成である。よって、高周波増幅回路70を構成する増幅器及びバイアス回路の基本構成は図11又は図14と同様であるので、図示及び説明を省略する。また、高周波増幅回路70を高出力高周波増幅回路124に用いた携帯電話端末の無線部の構成を示すブロック図は図12と同様であるので、図示及び説明を省略する。
この高周波増幅回路70は、高周波増幅回路30又は40を直列に2段接続した構成であり、接続部分の整合回路15を共通化している。また、2つのバイアス回路32a及び32bには、高周波増幅回路70のバイアス電流を制御するために与えられる制御信号として電源電圧Vccが供給される。
ここで、高周波増幅回路70に入力される信号レベルに応じて、高周波増幅回路70の電源電圧Vccを変化させることを考える。具体的には、入力される信号レベルが低い時には電源電圧Vccを低く(1V)設定し、入力される信号レベルが高い時には電源電圧Vccを高く(3.6V)設定する。電源電圧Vccによって高周波増幅回路を流れるバイアス電流を変化させたとき、動作電流の変化に伴い電力利得も変化する。また、移動体通信端末の高周波回路ブロックにおいて、動作モードを切り替えた場合に高周波増幅回路70の利得が変化すると、電力利得の補正テーブルのパラメータが増加して制御が複雑になる。そのため、各動作モード間の電力利得の差を低減する必要がある。第7の実施形態では、各動作モード間の電力利得の差を、次のように低減させている。
高周波増幅回路70について、2つの動作モードを持たせることを考える。電源電圧Vccを1Vとした時を動作モード1と定義し、電源電圧Vccを3.6Vとした時を動作モード2と定義する。そこで、2つの動作モードを持つ高周波増幅回路70において、増幅器11a及び11bの各動作モードにおける電源電圧Vccが1Vの時を、動作モード1:バイアス電流「小」と、電源電圧Vccが3.6Vの時を、動作モード2:バイアス電流「大」と定義する。また、入力信号レベルが低い動作モードでは、増幅器11aのバイアス電流を「大」に、増幅器11bのバイアス電流を「小」に設定する。一方、入力信号レベルが高い動作モードでは、増幅器11aのバイアス電流を「小」に、増幅器11bのバイアス電流を「大」に設定する。すなわち、増幅器11aのバイアス電流と増幅器11bのバイアス電流とが、反比例の関係で変化するように設定する。これにより、高周波増幅回路70において、各動作モード間の電力利得の差を低減させることができる。
なお、第7の実施形態に係る高周波増幅回路70に関する、高周波信号の入出力電力の関係、及び出力高周波信号の電力と増幅用トランジスタのコレクタに流れる電流との関係は、図20及び図21で示した特性とほぼ同等であるので省略する。
また、高周波増幅回路70の電源電圧の設定の一例、及びバイアス回路32a及び32bを構成する抵抗R2〜R10の値の設定範囲の一例は、上述した通りである。また、移動体通信端末において制御論理が異なる場合があるが、第3の実施形態に係る高周波増幅回路30と第4の実施形態に係る高周波増幅回路40とを、その制御信号の論理に合わせて使い分ければよい。こうすれば、高周波増幅回路の回路規模を増加させることなく、柔軟に対応することができる。さらに、バイアス回路32a及び32bの双方にあるトランジスタQ6、抵抗R9、及び抵抗R10の構成は、共用化することも可能である。これにより、バイアス回路の回路規模を縮小することができる。
以上のように、本発明の第7の実施形態に係る高周波増幅回路及び移動体通信端末によれば、増幅器のバイアス電流の制御により電力利得が増加した場合において、増幅器を多段接続して各増幅器にバイアス電流を供給するバイアス回路の動作を対称的にする。これにより、電源電圧の変化に対する電力利得の変動を低減することができる。
なお、上述した各実施形態において、バイアス切り替え用のトランジスタQ4及びQ7に電界効果トランジスタを用いた場合も、同様の切り替え動作を実現することができる。
また、バイアス回路及び増幅器に用いられる各トランジスタのベース−エミッタ間電圧は、略同一であることが望ましい。
さらに、第3及び第4の実施形態において、トランジスタQ6、抵抗R9、及び抵抗R10の構成を用いずに、トランジスタQ4のベースを抵抗R5を介して電源電圧Vccに接続する構成にしても、同様の制御が可能である。
本発明の高周波増幅回路は、携帯電話等の移動体通信端末の送信部等に利用可能であり、特に制御信号によって高周波増幅回路の出力電力制御を行う場合等に有用である。
10〜70、122、124、141、202、204、401 高周波増幅回路
11、11a、11b、100 増幅器
12、12a、12b、22、32、32a、32b、42、52、102 バイアス回路
13〜15 整合回路
103 基準電圧供給部
120、200 送信部
121、201 変調器
123、142、144、203、402、404 バンドパスフィルタ
125、205 アイソレータ
130、300 シンセサイザ部
131、301 温度制御水晶発振器(TCXO)
132、302 フェーズロックドループ(PLL)
133、303 電圧制御発振器(VCO)
140、400 受信部
143、403 復調器
150、500 共用器
151、501 アンテナ
152、502 デュプレクサ
160 制御信号出力部
170 送信制御回路
Q1〜Q7、Q101〜104 トランジスタ
R1〜R12、R101〜R103 抵抗

Claims (9)

  1. 高周波信号を増幅する高周波増幅回路であって、
    制御信号の切り替えに応じて電流量を可変させたバイアス電流を生成するバイアス回路と、
    前記バイアス回路から供給されるバイアス電流を用いて、入力される高周波信号を増幅する増幅器とを備え、
    前記バイアス回路は、
    入力されるベース電流に応じたバイアス電流を前記増幅器に供給するバイアス供給用トランジスタと、
    基準電圧に応じた電流を流す第1の温度補償用トランジスタと、
    前記第1の温度補償用トランジスタに流れる電流に応じて、前記バイアス供給用トランジスタのベース電流を補正することにより、前記バイアス供給用トランジスタの温度特性を補償する第2の温度補償用トランジスタと、
    前記バイアス供給用トランジスタのベースに接続され、前記制御信号の切り替えに応じて前記バイアス供給用トランジスタのベース電流量を切り替えるバイアス切り替え部とを含み、
    前記バイアス切り替え部は、
    ベースに前記基準電圧が印加され、コレクタに前記制御電圧が印加される第2のバイアス切り替え用トランジスタと、
    ベースに前記第2のバイアス切り替え用トランジスタのエミッタが接続され、前記第2のバイアス切り替えトランジスタを介して、前記制御電圧がベースに印加されるバイアス切り替え用トランジスタと、
    前記バイアス切り替え用トランジスタのコレクタ又はエミッタの少なくともいずれかに挿入される抵抗とで構成されることを特徴とする、高周波増幅回路。
  2. 高周波信号を増幅する高周波増幅回路であって、
    制御信号の切り替えに応じて電流量を可変させたバイアス電流を生成するバイアス回路と、
    前記バイアス回路から供給されるバイアス電流を用いて、入力される高周波信号を増幅する増幅器とを備え、
    前記バイアス回路は、
    入力されるベース電流に応じたバイアス電流を前記増幅器に供給するバイアス供給用トランジスタと、
    基準電圧に応じた電流を流す第1の温度補償用トランジスタと、
    前記第1の温度補償用トランジスタに流れる電流に応じて、前記バイアス供給用トランジスタのベース電流を補正することにより、前記バイアス供給用トランジスタの温度特性を補償する第2の温度補償用トランジスタと、
    第2の温度補償用トランジスタのベースに接続され、前記制御信号の切り替えに応じて前記バイアス供給用トランジスタのベース電流量を切り替えるバイアス切り替え部とを含み、
    前記バイアス切り替え部は、
    ベースに前記基準電圧が印加され、コレクタに前記制御電圧が印加される第2のバイアス切り替え用トランジスタと、
    ベースに前記第2のバイアス切り替え用トランジスタのエミッタが接続され、前記第2のバイアス切り替えトランジスタを介して、前記制御電圧がベースに印加されるバイアス切り替え用トランジスタと、
    前記バイアス切り替え用トランジスタのコレクタ又はエミッタの少なくともいずれかに挿入される抵抗とで構成されることを特徴とする高周波増幅回路。
  3. 高周波信号を増幅する高周波増幅回路であって、
    制御信号の切り替えに応じて電流量を可変させたバイアス電流を生成するバイアス回路と、
    前記バイアス回路から供給されるバイアス電流を用いて、入力される高周波信号を増幅する増幅器とを備え、
    前記バイアス回路は、
    入力されるベース電流に応じたバイアス電流を前記増幅器に供給するバイアス供給用トランジスタと、
    基準電圧に応じた電流を流す第1の温度補償用トランジスタと、
    前記第1の温度補償用トランジスタに流れる電流に応じて、前記バイアス供給用トランジスタのベース電流を補正することにより、前記バイアス供給用トランジスタの温度特性を補償する第2の温度補償用トランジスタと、
    前記バイアス供給用トランジスタのベースに接続され、第1の制御信号の切り替えに応じて前記バイアス供給用トランジスタのベース電流量を切り替える第1のバイアス切り替え部と、
    前記第2の温度補償用トランジスタのベースに接続され、第2の制御信号の切り替えに応じて前記バイアス供給用トランジスタのベース電流量を切り替える第2のバイアス切り替え部とを含み、
    前記第1のバイアス切り替え部は、
    ベースに前記制御電圧が印加されるバイアス切り替え用トランジスタと、
    前記バイアス切り替え用トランジスタのコレクタ又はエミッタの少なくともいずれかに挿入される抵抗とで構成され、
    前記第2のバイアス切り替え部は、
    ベースに前記制御電圧が印加されるバイアス切り替え用トランジスタと、
    前記バイアス切り替え用トランジスタのコレクタ又はエミッタの少なくともいずれかに挿入される抵抗とで構成されることを特徴とする高周波増幅回路。
  4. 前記制御信号は、外部から与えられる制御電圧であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の高周波増幅回路。
  5. 前記制御信号は、前記増幅器に供給される電源電圧であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の高周波増幅回路。
  6. 前記バイアス回路に用いられるトランジスタのベース−エミッタ間電圧と、前記増幅器に用いられるトランジスタのベース−エミッタ間電圧とが、略同一であることを特徴する、請求項1から3のいずれかに記載の高周波増幅回路。
  7. 前記バイアス切り替え用トランジスタが電界効果トランジスタで構成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の高周波増幅回路。
  8. 前記制御信号と前記高周波信号とが同一の端子から入力されることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の高周波増幅回路。
  9. シンセサイザ部、送信部、受信部、共用器、及び制御信号出力部を含む高周波回路ブロックを備えた移動体通信端末であって、
    前記送信部は、
    入力された変調信号を所定の送信周波数の送信信号に変換する変調器と、
    前記変調器で変換された送信信号を増幅する可変利得の高周波増幅回路と、
    前記高周波増幅回路で増幅された送信信号から所定帯域の信号を抽出するバンドパスフィルタと、
    前記バンドパスフィルタで抽出された信号を増幅する請求項1から3のいずれかに記載の固定利得の高周波増幅回路と、
    前記固定利得の高周波増幅回路と前記共用器との間に設けられ、前記固定利得の高周波増幅回路から前記共用器に向けて一方向に信号を通過させるアイソレータを含む、移動体通信端末。
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