JP5435177B1 - ガイドロール及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

表面粗さが存在するロール胴部を備えるガイドロールであって、前記ロール胴部の表面粗さを表す粗さ曲線とその平均線との交点のうち、前記粗さ曲線の山の始点と終点に相当する交点間の距離の平均値が0.2mm以上1mm以下の範囲に含まれ;前記粗さ曲線の最大谷深さRv及び最大高さRyを含む下記(1)式で定義される形状係数Kが0.7以上である。
K=Rv/Ry …(1)

Description

本発明は、例えば圧延機に使用するガイドロール及びその製造方法に関する。
本願は、2012年03月02日に、日本に出願された特願2012−046758号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

一般に、焼鈍された金属ストリップは、2次加工の際の腰折れやストレッチャーストレイン等の表面欠陥の発生防止、降伏点伸び解消等の機械的性質の改善、形状改善と表面の平坦化、及び用途に適した表面粗度の造込みなどの目的で、図7に示す圧延機80により調質圧延される。この圧延機80は、調質圧延する金属ストリップ81の厚み方向両側に間隔を有して対向配置される一対のワークロール82、83と、このワークロール82、83を挟込むように配置されるバックアップロール84、85とを有している。ペイオフリール86で巻戻された金属ストリップ81は、入側デフレクターロール(ガイドロール)87によってその搬送方向が切替えられて、ワークロール82、83間へ送り込まれる。これらワークロール82、83によって圧延された金属ストリップ81は、出側デフレクターロール(ガイドロール)88によってその搬送方向が再度切替えられて、テンションリール89に巻取られる。
この圧延機80の使用により、出側デフレクターロール88が損耗した場合、これを新品のデフレクターロールに交換する必要がある。従来では、この新品のデフレクターロールの使用により、金属ストリップ81の表面に微小なひっかき疵が発生する可能性があった。
具体的には、金属ストリップ81の加減速時において、通板速度と出側デフレクターロール88の周速との不一致が発生することにより、金属ストリップ81よりも硬い出側デフレクターロール88によって金属ストリップ81の表面が削られてひっかき疵が生じると考えられる。
例えば、出側デフレクターロール88の周速よりも通板速度が速い場合には、金属ストリップ81が出側デフレクターロール88に擦られることにより、金属ストリップ81の表面が削られてひっかき疵が生じると考えられる。また、通板速度よりも出側デフレクターロール88の周速が速い場合には、出側デフレクターロール88が金属ストリップ81の上で回転することにより、金属ストリップ81の表面が削られてひっかき疵が生じると考えられる。
そこで、このひっかき疵を防止する方法として、従来は、新品のデフレクターロールを入側デフレクターロール87として一定期間使用し、その表面粗度を低下させた後、出側デフレクターロール88として使用していたが、この方法では、緊急時の対応が難しかった。すなわち、出側デフレクターロール88の確保には長期間の準備期間が必要な一方、取替の必要時には事前に準備が完成していなければならない。従って、突然の出側デフレクターロール88の破損も見越して長期間をかけて準備し、一定数の出側デフレクターロール88を保管しておくことが必要だった。
なお、例えば、下記特許文献1には、デフレクターロールの周方向に、0.1〜50mmのピッチで、深さ及び幅が0.05〜10mmの溝を連続的或いは非連続的に設ける技術が開示されているが、この技術は、搬送対象物(鋼板)の搬送速度の制御性向上を目的としたものであって、上記のようなひっかき疵の発生を防止するものではない。
日本国特開平7−16636号公報
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、新品の状態(未使用の状態)で、搬送対象物の表面に微小なひっかき疵が発生することを防止可能であり、その使用が制限されることなく、緊急時にも対応可能なガイドロール及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決して係る目的を達成するために以下の手段を採用する。すなわち、
(1)本発明の一態様に係るガイドロールは、炭素鋼からなり、表面にCrめっき層が形成され、かつ表面粗さが存在するロール胴部を備えるガイドロールであって、前記ロール胴部の表面粗さを表す粗さ曲線とその平均線との交点のうち、前記粗さ曲線の山の始点と終点に相当する交点間の距離の平均値が0.2mm以上1mm以下の範囲に含まれ;前記粗さ曲線の最大谷深さRv及び最大高さRyを含む下記(1)式で定義される形状係数Kが0.7以上であり;前記ロール胴部の表面の算術平均粗さRaが2.5μm以上4μm以下である;ことを特徴とする。
K=Rv/Ry …(1)
(2)上記(1)に記載のガイドロールが、圧延機の入側及び出側の少なくとも一方に使用されるデフレクターロールであっても良い。
また、
)本発明の一態様に係るガイドロールの製造方法は、炭素鋼からなり、表面にCrめっき層が形成され、かつ表面粗さが存在するロール胴部を備えるガイドロールの製造方法であって、前記ロール胴部の素材表面に粗面化加工を施す第1工程と;前記粗面化加工後の前記素材表面に一次研磨を施す第2工程と;前記一次研磨後の前記素材表面に前記Crめっき層を形成する第3工程と;前記Crめっき層が形成された前記素材表面に仕上げ研磨を施す第4工程と;を有し、最終的に、前記ロール胴部の表面粗さを表す粗さ曲線とその平均線との交点のうち、前記粗さ曲線の山の始点と終点に相当する交点間の距離の平均値が0.2mm以上1mm以下の範囲に含まれると共に、前記粗さ曲線の最大谷深さRv及び最大高さRyを含む下記(1)式で定義される形状係数Kが0.7以上であり、前記ロール胴部の表面の算術平均粗さRaが2.5μm以上4μm以下となる前記ロール胴部を得ることを特徴とする。
K=Rv/Ry …(1)
上記(1)に記載のガイドロールによれば、ロール胴部の表面粗さを表す粗さ曲線とその平均線との交点のうち、前記粗さ曲線の山の始点と終点に相当する交点間の距離(以下、この距離を山幅と呼称する)の平均値が0.2mm以上の範囲に含まれるので、前記ロール胴部の表面に存在する微小な山の形状を、従来よりもなだらかにできる。これにより、新品の状態で、搬送対象物(例えば金属ストリップ)に発生する微小なひっかき疵を防止でき、しかも使用が制限されることなく、緊急時にも対応可能なガイドロールを提供できる。また、上記山幅の平均値は、1mm以下の範囲に含まれるので、ロール胴部で搬送対象物が滑って擦り疵が発生するのを防止することができる。
また、形状係数K(=Rv/Ry、Rv:最大谷深さ、Ry:最大高さ)が0.7以上である場合、山幅の平均値を規定することに加え、形状係数Kも規定されるため、ロール胴部の表面に存在する微小な山の形状を、更に厳密な基準のもとで、なだらかにできる。
またロール胴部の表面の算術平均粗さRaが2.5μm以上4μm以下であるので、搬送対象物に発生する微小なひっかき疵を防止できるだけでなく、ロール胴部が接触する搬送対象物との摩擦抵抗も十分に確保できる。これにより、例えば、搬送対象物がロール胴部の表面と接触する際に、搬送対象物がロール胴部の表面を滑って移動する現象を抑制、更には防止できるため、擦り疵等の発生も防止できる。
また、上記()に記載のガイドロールによれば、圧延機の入側及び出側の少なくとも一方のデフレクターロールとして使用されるので、特に、従来において、出側デフレクターロールを新品に交換した後に発生し易かったひっかき疵を効果的に防止することが可能となる。
さらに、上記()に記載のガイドロールの製造方法によれば、前述の第1工程から第4工程を実施することにより、山幅の平均値が0.2mm以上1mm以下の範囲に含まれると共に、形状係数Kが0.7以上であり、表面の算術平均粗さRaが2.5μm以上4μm以下となる前記ロール胴部を簡単な方法で得ることができる。
本発明の一実施形態に係るガイドロール10の構成概略図である。 本実施形態におけるロール胴部11の幅方向の表面粗さを測定して得られた粗さ曲線を示す図である。 本実施形態におけるロール胴部11の表面粗さの状態を模式的に示す図である。 本実施形態におけるロール胴部11の表面の山幅Lの平均値と、ひっかき疵の発生頻度との関係を示す図である。 山幅Lの平均値が0.2mm未満の場合におけるロール胴部11の粗さ曲線を示す図である。 図4Aに示した粗さ曲線(つまり山幅Lの平均値が0.2mm未満の場合のロール胴部11の表面状態)を模式的に示す図である。 山幅Lの平均値と形状係数Kがひっかき疵の発生に及ぼす影響を示すグラフである。 本実施形態に係るガイドロール製造方法の各工程を模式的に示す図である。 一般的な圧延機80の構成を示す説明図である。

以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
〔1.ガイドロール〕 まず、本発明に係るガイドロールの一実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係るガイドロール10(搬送ロール)は、板状の搬送対象物(例えば金属ストリップ等の鋼材)を搬送するために使用されるロールであり、表面に微細な無数の凸凹(つまり表面粗さ)が存在するロール胴部11と、回転軸12とを備えている。このガイドロール10は、例えば図7に示したような圧延機80の入側デフレクターロール87及び出側デフレクターロール88の少なくとも一方として使用可能である。
ロール胴部11は、中空或いは中実(中身の詰まった)の円筒形状部材であり、その中心軸線が回転軸12と一致した状態で、溶接或いはボルト締め等の結合手段によって回転軸12に固定されている。このロール胴部11の表面には、硬質化めっき層(例えばCrめっき層など)が形成されている。回転軸12は、円形の断面を有する棒状部材であり、その両端が不図示の回転支持機構によって回転自在に支持されている。ロール胴部11が搬送対象物と接触した状態で、回転軸12が回転する(つまりロール胴部11が回転する)ことにより、所定の搬送方向へ搬送対象物が搬送される。
図2Aは、ロール胴部11の幅方向(軸方向)の表面粗さを測定して得られた粗さ曲線を示す図である。図2Bは、図2Aに示した粗さ曲線、つまりロール胴部11の表面粗さの状態を模式的に示す図である。周知のように、粗さ曲線とは、測定対象面(本実施形態ではロール胴部11の表面)に存在する微細な凸凹を、例えば触針式の表面粗さ測定器を用いて測定した断面曲線から低周波成分(うねり成分)を除去することで得られる曲線である。触針式の表面粗さ測定器としては、例えば、「Mitutoyo」の「Surftest SJ301」等を用いることができる。
図2Aは、例えばロール胴部11の表面を幅方向に沿って5つの測定区間(例えば長さ12.5mmの区間)に等分割し、各測定区間について表面粗さ測定器を用いて測定した粗さ曲線の中から、一つの測定区間の粗さ曲線を抜粋したものである。なお、上記の測定条件は一例であり、測定区間の分割数や長さ(測定長さ)は、ロール胴部11の幅や測定器の仕様に応じて適宜設定すれば良い。例えば、測定区間の分割数は5〜20個の範囲で設定しても良く、測定区間の長さは10mm以上15mm以下の範囲で設定しても良い。
また、以下では、図2A及び図2Bに示すように、粗さ曲線においてその平均線Avより高い部分を「山」(図中の符号13参照)と呼称し、粗さ曲線においてその平均線Avより低い部分を「谷」(図中の符号14参照)と呼称する。なお、平均線Avとは、粗さ曲線までの縦軸方向の距離(偏差)の二乗和が最小となる線である。
本実施形態のガイドロール10は、ロール胴部11の表面粗さを表す粗さ曲線とその平均線Avとの交点のうち、粗さ曲線の山13の始点(図2B中の符号P1参照)と終点(図2B中の符号P2参照)に相当する交点間の距離L(以下、この距離Lを山幅Lと呼称する)の平均値が0.2mm以上1mm以下の範囲に含まれることを特徴としている。
ここで、各測定区間のそれぞれについて個別に算出された山幅Lの平均値が、上記範囲に含まれていれば良い。或いは、全測定区間について総合的に算出された山幅Lの平均値が、上記範囲に含まれていれば良い。また、この山幅Lの平均値は、突出した値(例えば最大値及び最小値)の山幅Lを除いて算出されたものでも良い。
前述のように、金属ストリップ等の搬送対象物の加減速時において、通板速度(搬送速度)とガイドロール10の周速との不一致が発生することにより、搬送対象物よりも硬いガイドロール10(つまりはロール胴部11)によって搬送対象物の表面が削られてひっかき疵が生じる可能性がある。
本願発明者は、ロール胴部11の表面の山幅Lの平均値と、上記ひっかき疵の発生頻度との関係を鋭意調査した結果、上記のように山幅Lの平均値を0.2mm以上1mm以下の範囲に収めることで、上記ひっかき疵の発生を大幅に低減できることを見出した。
図3に、ロール胴部11の表面の山幅Lの平均値と、上記ひっかき疵の発生頻度(1日当たりの発生回数)との関係を示す。この図3は、ガイドロール10を圧延機80の出側デフレクターロール88として使用し、ロール胴部11の山幅Lの平均値を、0.05mm、0.1mm、0.15mm、0.2mmに変化させた時の、山幅Lの平均値とひっかき疵の発生頻度との関係を示す図である。
この図3に示すように、ロール胴部11の山幅Lの平均値が0.2mmの場合に、ひっかき疵の発生頻度がゼロとなるので、少なくとも山幅Lの平均値を0.2mm以上とすることで、ひっかき疵の発生を完全に防止できることがわかる。

また、図3に示すように、山幅Lの平均値が0.2mm未満の場合には、山幅Lの平均値が小さくなるにつれて、ひっかき疵の発生頻度が大きくなることがわかる。この理由は、例えば、図4A及び図4Bに示すように、山幅Lの平均値が0.2mm未満の場合には、山13の形状が急峻になるためだと考えられる。なお、図4Aは、山幅Lの平均値が0.2mm未満の場合におけるロール胴部11の粗さ曲線を示す図であり、図4Bは、図4Aに示した粗さ曲線(つまり山幅Lの平均値が0.2mm未満の場合のロール胴部11の表面状態)を模式的に示す図である。
一方、本願発明者は、ロール胴部11の山幅Lの平均値が1mmを超える場合、ひっかき疵とは異なる擦り疵が搬送対象物に発生するという調査結果を得た。山幅Lの平均値が1mmを超える場合には、ロール胴部11の表面に存在する凹凸が小さくなるため、ロール胴部11の接触抵抗が小さくなる。これにより、搬送対象物(金属ストリップ)がロール胴部11の表面で滑って、ひっかき疵とは異なる擦り疵が搬送対象物に発生すると考えられる。
本実施形態のガイドロール10は、上記のような調査結果に基づいて、ロール胴部11の山幅Lの平均値が0.2mm以上1mm以下の範囲内に設定されている。このような本実施形態のガイドロール10によれば、新品の状態で搬送ロール(例えば出側デフレクターロール88)として使用された場合であっても、搬送対象物(例えば金属ストリップ)にひっかき疵が発生することを防止できる。その結果、例えば、従来のように、新品のガイドロールを、一定期間、入側デフレクターロール87として使用して粗度を低下させた後に、出側デフレクターロール88として使用する必要もなくなるため、使用が制限されることなく、また、多大な準備期間とロール保管の必要性もなく、緊急時にも対応できる。
なお、より確実にひっかき疵及び擦り疵の発生を防止するためには、山幅Lの平均値の下限値を0.3mmとし、山幅Lの平均値の上限値を0.7mmとすることが好ましい。なお、ロール胴部11の幅方向に隣合う山13のピッチは、例えば、0.3〜0.4mm程度である。

また、本実施形態のガイドロール10は、上述した山幅Lの平均値が0.2mm以上1mm以下の範囲に含まれることに加えて、ロール胴部11の表面粗さを表す粗さ曲線の最大谷深さRv及び最大高さRyを含む下記(1)式で定義される形状係数Kが0.7以上であることが好ましい。
K=Rv/Ry …(1)
ここで、図2Bに示すように、最大谷深さRvは、谷14の谷底から平均線Avまでの最大距離であり、最大高さRyは、谷14の谷底から山13の山頂までの最大距離である。また、各測定区間のそれぞれについて個別に算出された形状係数Kが0.7以上であれば良い。或いは、全測定区間について総合的に算出された形状係数Kが0.7以上であれば良い。
本願発明者は、形状係数Kが0.7未満の場合に、ひっかき疵の発生が増える傾向にあるとの調査結果を得た。この理由は、形状係数Kが0.7未満の場合、Ry値に対するRv値が小さくなり、山13の形状が急峻になるためだと考えられる(図4B参照)。なお、本実施形態では、形状係数Kを0.7以上にしたが、より確実にひっかき疵の発生を防止するには、形状係数Kを0.75以上にすることが好ましい。また、形状係数Kの上限値は、上記(1)式の定義から1未満であることは明らかであるが、実際に得られる効果を考慮すれば0.9以下が好ましい。
図5は、山幅Lの平均値と形状係数Kとを、種々変更したガイドロール10を製造し、これを圧延機80の出側デフレクターロール88として使用して、金属ストリップ81にひっかき疵が発生するか否かを調査した結果である。この図5において、横軸は山幅Lの平均値を示し、縦軸は形状係数Kを示している。この図5に示すように、山幅Lの平均値が0.2mm未満であれば、形状係数Kを0.7以上に設定しても、ひっかき疵が発生することが確認された。また、山幅Lの平均値が0.2mm以上で、且つ形状係数Kが0.7以上の場合には、ひっかき疵が発生しないことも確認された。
更に、本実施形態において、ロール胴部11の表面の算術平均粗さ(以下、単に平均粗さともいう)Raを、2.5μm以上4μm以下にすることが好ましい。なお、算術平均粗さRaとは、「JIS B0601:2001年」に規定されたものである(以下同様)。
ここで、平均粗さRaが2.5μm未満の場合、搬送対象物との摩擦抵抗が小さくなり、搬送対象物に擦り疵等が発生し易くなる。一方、平均粗さRaが4μmを超える場合、ロール胴部11の表面に存在する凹凸が搬送対象物に転写される可能性がある。
従って、より確実に擦り疵や凸凹の転写を防ぐためには、ロール胴部11の表面の算術平均粗さRaの下限値を3μmとし、上限値を3.5μmとすることが好ましい。
〔2.ガイドロール製造方法〕
次に、本発明に係るガイドロール製造方法の一実施形態について、図6を参照しながら説明する。
本実施形態のガイドロール製造方法は、上述したガイドロール10(特にロール胴部11)の製造に用いられる製造方法であり、粗面化加工工程(第1工程)と、一次研磨工程(第2工程)と、めっき工程(第3工程)と、仕上げ研磨工程(第4工程)との4つの工程を有している。
まず、粗面化加工工程では、ロール胴部11の素材表面に粗面化加工(いわゆるダル加工)を施す。具体的には、製造すべきガイドロール10の仕様に応じて、材質及び形状(幅や径)を調整したロール胴部11の素材(以下、胴部素材20と呼称する)を準備する。なお、胴部素材20の材質は、例えば、炭素鋼等である。そして、この胴部素材20の表面に、ショットブラスト加工或いは放電加工を施すことにより、所定の粗度に設定された凸凹(表面粗さ)を胴部素材20の表面に形成する(図6の「粗面化加工工程」参照)。
続いて、一次研磨工程では、粗面化加工後の胴部素材20の表面に一次研磨(いわゆるピークカット加工)を施す。具体的には、例えばグラインダー等の研磨手段によって胴部素材20の表面を研磨することにより、胴部素材20の表面に存在する凸凹の先端(山13の先端に相当する部分)を平坦にする(図6の「一次研磨工程」参照)。
続いて、めっき工程では、一次研磨後の胴部素材20の表面にめっき層21を形成する。具体的には、胴部素材20の表面に溶射法等を用いて硬質化めっきを施すことにより、胴部素材20の表面に存在する凸凹の表面に硬質化めっき層21を形成する(図6の「めっき工程」参照)。この硬質化めっき層21は、Crめっき層(例えば、厚さが10μm程度)であることが好ましいが、ガイドロール10の仕様に応じて、めっきの種類を適宜変更しても良い。
最後に、仕上げ研磨工程では、めっき層21が形成された胴部素材20の表面に仕上げ研磨(いわゆるピークカット)を施す。具体的には、例えばグラインダー等の研磨手段によって胴部素材20の表面を研磨することにより、胴部素材20の表面に存在する凸凹の先端(特にめっき層21の凸凹の先端)を平坦にする(図6の「仕上げ研磨工程」参照)。以上のような4つの工程により、最終的に、山幅Lの平均値が0.2mm以上1mm以下の範囲に含まれると共に、形状係数Kが0.7以上となるロール胴部11が得られる。

以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、実施形態の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、ガイドロール10が、圧延機80の入側デフレクターロール87及び出側デフレクターロール88の少なくとも一方として使用される場合について説明したが、本実施形態のガイドロール10は、搬送対象物の搬送時にひっかき疵の発生が懸念される搬送ロール(例えば金属ストリップの表面を平滑仕上げするブライトロール等)として広く使用することができる。
10 ガイドロール
11 ロール胴部
12 回転軸
13 山
14 谷
Av 平均線
Rv 最大谷深さ
Ry 最大高さ

Claims (3)

  1. 炭素鋼からなり、表面にCrめっき層が形成され、かつ表面粗さが存在するロール胴部を備えるガイドロールであって、前記ロール胴部の表面粗さを表す粗さ曲線とその平均線との交点のうち、前記粗さ曲線の山の始点と終点に相当する交点間の距離の平均値が0.2mm以上1mm以下の範囲に含まれ;
    前記粗さ曲線の最大谷深さRv及び最大高さRyを含む下記(1)式で定義される形状係数Kが0.7以上であり;
    前記ロール胴部の表面の算術平均粗さRaが2.5μm以上4μm以下である
    ことを特徴とするガイドロール。
    K=Rv/Ry …(1)
  2. 圧延機の入側及び出側の少なくとも一方に使用されるデフレクターロールであることを特徴とする請求項1に記載のガイドロール。
  3. 炭素鋼からなり、表面にCrめっき層が形成され、かつ表面粗さが存在するロール胴部を備えるガイドロールの製造方法であって、
    前記ロール胴部の素材表面に粗面化加工を施す第1工程と;
    前記粗面化加工後の前記素材表面に一次研磨を施す第2工程と;
    前記一次研磨後の前記素材表面に前記Crめっき層を形成する第3工程と;
    前記Crめっき層が形成された前記素材表面に仕上げ研磨を施す第4工程と;
    を有し、
    最終的に、前記ロール胴部の表面粗さを表す粗さ曲線とその平均線との交点のうち、前記粗さ曲線の山の始点と終点に相当する交点間の距離の平均値が0.2mm以上1mm以下の範囲に含まれると共に、前記粗さ曲線の最大谷深さRv及び最大高さRyを含む下記(1)式で定義される形状係数Kが0.7以上であり、前記ロール胴部の表面の算術平均粗さRaが2.5μm以上4μm以下となる前記ロール胴部を得ることを特徴とするガイドロールの製造方法。
    K=Rv/Ry …(1)
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