JP5434061B2 - 電子写真現像剤用キャリアの製造方法、電子写真現像剤用キャリア、電子写真用現像剤、電子写真現像方法、プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真現像剤用キャリアの製造方法、電子写真現像剤用キャリア、電子写真用現像剤、電子写真現像方法、プロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、キャリア芯材を樹脂層によって被覆した電子写真現像剤用キャリアの製造方法、電子写真現像剤用キャリア、電子写真用現像剤、電子写真現像方法及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真の現像方式には、トナーのみを主成分とする一成分現像方式と、キャリアとトナーとを混合して使用する二成分現像方式が知られている。二成分現像方式は、一成分現像方式で一般的に使用される帯電スリーブよりもキャリア自体が粉体であることから比表面積をはるかに大きくすることが可能なため、トナーに対する摩擦帯電面積が広く、さらに接触確率が増すため帯電立ち上がり性に優れ、かつ、帯電安定性が良い特徴を有しており、一成分現像方式と比較して長期に渡り高画質を維持できるという利点がある。このような点から、レーザビーム等で感光体上に静電潜像を形成し、この潜像を顕像化するデジタル方式の電子写真システムにおいても二成分現像方式が広く採用されている。
近年、解像度アップ、ハイライト再現性向上、及びカラー化等に対応するため、潜像の最小単位(1ドット)の極小化、高密度化が図られており、特にこれらの潜像(ドット)を、忠実に現像できる現像システムの開発が重要な課題となってきている。そのため、プロセス条件と現像剤(トナー、キャリア等)の両面から種々の提案がなされている。プロセス面では、現像ギャップの近接化、感光体の薄膜化、また、書き込みビーム径の小径化等が有効であるが、コストが高くなること、及び信頼性等の点で依然大きな課題がある。
また、小粒径トナーの使用によりドットの再現性が大幅に改良されるが、小粒径トナーを含む現像剤には、地汚れの発生、画像濃度不足、キャリアへのトナースペント等の解決すべき課題が残っている。フルカラートナーの場合には、十分な色調を得るため、低軟化点の樹脂が使用されるが、黒トナーの場合に比べて、キャリアへのスペント量が多くなり、現像剤が劣化して、トナー飛散及び地肌汚れが起こり易くなる。
小粒径キャリアの使用も種々提案されている。例えば、特許文献1には、有機光導電体層を有する潜像保持体に形成されている静電潜像を、現像部において交流成分と直流成分とを有するバイアス電界を付与しながら、現像剤担持体に担持されている、該静電潜像の帯電極性と同極性に帯電し得るトナー及びキャリアを有する二成分系現像剤の磁気ブラシによって反転現像する現像方法において、該キャリアは、フェライト粒子を有するキャリア芯材表面が該キャリア芯材重量を基準にして0.1重量%〜5.0重量%の電気絶縁性樹脂で被覆され、該電気絶縁性樹脂で被覆された後の該キャリアの重量基準平均径が30μm〜65μmであり、該キャリア芯材表面における平均細孔径が1,500Å〜30,000Åであることを特徴とする現像方法が記載されている。
また、特許文献2には、キャリア粒子を有する電子写真用キャリアにおいて、該キャリアは、50%平均粒径(D50)15μm〜45μmを有し、該キャリアは、22μmより小さいキャリア粒子を1%〜20%含有しており、16μmより小さいキャリア粒子を3%以下含有しており、62μm以上のキャリア粒子を2〜15%含有しており、かつ88μm以上のキャリア粒子を2%以下含有しており、該キャリアは、空気透過法によって測定される該キャリアの比表面積S1と、S2=(6/ρ・D50)×10(式中、ρはキャリアの比重)によって算出される該キャリアの比表面積S2とが、1.2≦S1/S2≦2.0の条件を満たすことを特徴とする電子写真用キャリアが記載されている。
また、特許文献3には、静電潜像現像剤に用いられるキャリアであって、該キャリアの体積平均粒径の50%径(D50)が30μm〜80μmの範囲にあり、体積平均粒径の10%径(D10)と体積平均粒径の50%径の比率(D50/D10)が1.8以下であり、体積平均粒径の90%径(D90)と体積平均粒径の50%径の比率(D90/D50)が1.8以下であり、体積粒径で20μm以下のキャリアが3%未満であり、かつ、該キャリアの1kOeにおける磁化が52emu/g〜65emu/gの範囲にあることを特徴とする静電潜像現像剤用キャリアが記載されている。
このような小粒径キャリアを使用する場合には、次のような利点が得られる。
(1)表面積が広いため、個々のトナーに充分な摩擦帯電を与えることができ、低帯電量トナー、逆帯電量トナーの発生が少ない。その結果、地汚れが発生しにくくなり、また、ドット周辺のトナーのちり、にじみが少なくドット再現性が良好となる。
(2)表面積が広く、地汚れが発生しにくいことから、トナーの平均帯電量を低くすることができ、充分な画像濃度が得られる。
(3)また、小粒径トナーを使用した場合にも、キャリアに対するトナー被覆率が大きくならないため、小粒径トナー使用時の不具合点を補い、利点を引き出すのに特に有効である。
(4)小粒径キャリアは、緻密な磁気ブラシを形成し、かつ、穂の流動性が良いため、画像に穂跡が発生しにくい等の特徴がある。
しかし、このような小粒径キャリアを従来公知の製造方法で製造する場合、液滴形成方法として、回転ディスクや二流体混合ノズルを利用することとなり、液滴の粒度分布が目的のキャリア粒度分布と比較し、非常に広いものしか得られない。このために、上記のような小粒径キャリアの利点はいかせず、満足のいく結果が得られなかった。
このような、小粒径キャリアの問題を解決する方法として、特許文献4に記載されている振動オリフィス造粒装置や、特許文献5に記載のインクジェット方式などが提案されているが、これらはいずれも液滴径よりも小さな孔径のノズルから、キャリア組成液を噴出させる方法であるため、キャリア組成液内の磁性粉の凝集物や、ゴミなどの異物により、ノズルがしばしば閉塞する問題が生じる。これらを回避する為に、より磁性粉スラリーの分散性を上げる工程を追加したり、濾過を繰り返す必要が生じたり、ノズルのクリーニング機構を具備させたりする必要があり、どれも満足した安定性を得るに至っていなかった。
また、いずれも、実際に大量にキャリア粒子を得ようとすると、一般的にサテライトと呼ばれる微細な液滴を多量に発生する問題を生じることが判った。これは、初期には微細な液滴が発生しない条件で稼働していても、次第にノズルの出口や内壁面にキャリア芯材組成液の固形分が付着することにより、目的より小さな粒子を大量に生むノズルが生じることによるもので、得られたキャリア粒子は目的とする粒度範囲よりかなり小さな範囲の粒子が混在するものであった。このような微粒子は、キャリア現像と呼ばれる、感光体へのキャリア付着現象を発生させることとなり、プロセス上あるいは画像上の大きな問題となることが判っている。
特許第2832013号公報 特許第3029180号公報 特開平10−198077号公報 特開2007−171499号公報 特開2007−216213号公報
上記特許文献4に記載されている液滴化原理を利用した振動オリフィス造粒装置について図15を参照して簡単に説明する。
この装置では、ハウジング501に開口部502が形成され、この開口部502に臨んでノズル(開口)が形成された吐出部材としてのノズル板503が、ハウジング501に螺着された流路部材504の先端部との間でO−リング505を介して保持され、ノズル板503に図示しない振動発生手段によって振動が与えられることで、ノズル板503の裏面側に流路部材504の流路506を介して供給されるスラリー液が、ノズル板503のノズルから液滴化されて吐出される。なお、特許文献5では、連続式インクジェットと称しているが、原理的には特許文献4記載の振動オリフィス造粒と同じである。
また、ノズル板503の前方側には絶縁性基板507で保持された中空状の対向電極508が配置されて、この対向電極508には直流電源509から直流高電圧が印加されている。さらに、基板507とハウジング501との間の隙間にはノズル板503の吐出面側に向けて分散気体511が送り込まれており、ノズル板503から吐出されるスラリー液の液滴510は対向電極508内を通って下流側に放出される。
緻密な穂立ちによる画質向上の点から、より小粒径なキャリアが望まれており、上述した特許文献4,5に記載されているように、振動オリフィスや連続式インクジェットによるキャリア製造方法を利用すれば、確かに小粒径のキャリアを得ることはできる。
しかし、凝集し易い粒子であるキャリア芯材組成液は、ノズル詰まりが発生しやすく、長時間の安定した粒子製造が困難であった。つまり、振動オリフィス(連続式インクジェット)造粒法にあっては、微細なノズルから磁性粉を分散させたスラリーを吐出させる必要があるため、頻繁にノズルが閉塞したり、閉塞しないまでも、ノズル出口部や内壁に磁性粉が付着するために、液滴化の条件が大幅に変わってしまうこととなり、磁性粉付着により、ノズル径が実質的に小さくなり液滴が小粒径化したり、あるいは、本来直進すべき液滴が斜めに吐出するために、周りの液滴に衝突し合一したり、衝突のエネルギーにより液滴***したりすることが判った。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、高画質、すなわちドット再現性及びハイライトの再現性が良好で、かつ、画像濃度が高く、地汚れの少ない画質、高耐久で、かつ、長期の使用においても誘導型キャリア付着の生じない、小粒径且つ粒度分布のシャープな電子写真現像剤用キャリアを長時間安定して製造できるようにすることを目的とする。また、当該電子写真現像剤用キャリア、当該キャリアを用いた電子写真用現像剤、当該現像剤を使用する電子写真現像方法、当該現像剤を含むプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る電子写真現像剤用キャリアの製造方法は、キャリア芯材を構成する原料をスラリーにし、前記スラリーを噴霧して一次造粒物とする電子写真現像剤用キャリアの製造方法であって、複数のノズルが形成された薄膜、前記薄膜の変形可能な領域内の周囲に配されて前記薄膜を振動させる円環状の振動発生手段で構成された液滴化手段を用いて、少なくともキャリア芯材を構成する材料を、前記振動を主たる液滴化のエネルギーとし、前記複数のノズルから周期的に液滴化して放出させる周期的液滴化工程と、前記放出されたキャリア芯材の液滴を固化させてキャリア芯材を形成する粒子化工程と、を行い、得られたキャリア芯材を樹脂層で被覆する構成とした。
ここで、前記液滴化手段は、前記薄膜が前記液滴を放出させる方向に凸形状に形成されて、凸形状に形成された部分に前記複数のノズルが形成されているものである構成とできる。この場合、前記ノズルを形成している薄膜は厚み5μmから100μmの金属板であり、かつ、ノズル開口径が10μmから50μmの範囲にあることが好ましい。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリアは、本発明に係わる電子写真現像剤用キャリアの製造方法によって製造された電子写真現像用キャリアであって、ノズルの振動周波数が、20KHzから300KHzの範囲である。
ここで、嵩密度が、2.15g/cm〜2.70g/cmの範囲内であり、1,000エルステッドの磁界を印加したときにおけるキャリア芯材粒子の磁化が40emu/g〜150emu/gの範囲内にある構成とできる。
また、1,000エルステッドの磁界を印加したときにおけるキャリア芯材粒子の磁化が40emu/g〜150emu/gの範囲内にある構成とできる。
また、キャリア芯材は、MnMgSrフェライトからな構成とできる。また、キャリア芯材は、Mnフェライトからなる構成とできる。また、キャリア芯材は、マグネタイトからなる構成とできる。また、樹脂層は、シリコーン樹脂からなる構成とでき、この場合、前記樹脂層は、アミノシランカップリング剤を含有する構成とできる。
本発明に係る電子写真用現像剤は、トナーとキャリアとからなり、 前記キャリアは、本発明に係る電子写真現像剤用キャリアである構成とした。
ここで、トナーによる前記キャリアの被覆率が50%のときの前記トナーの帯電量は、絶対値で15μc/g〜50μc/gの範囲内にある構成とできる。また、前記トナーの重量平均粒径は、3.0μm〜6.0μmの範囲内にある構成とできる。
本発明に係る電子写真現像方法は、本発明に係る電子写真用現像剤を用いて現像を行う構成とした。
本発明に係るプロセスカートリッジは、像担持体と、前記増担持体の表面を帯電させる帯電手段と、本発明に係る電子写真用現像剤を収容する現像部と、前記増担持体の表面に残存する前記現像剤を払拭するクリーニング手段とを備える構成とした。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリアの製造方法によれば、複数のノズルが形成された薄膜、前記薄膜の変形可能な領域内の周囲に配されて前記薄膜を振動させる円環状の振動発生手段で構成された液滴化手段を用いて、少なくともキャリア芯材を構成する材料を、前記振動を主たる液滴化のエネルギーとし、前記複数のノズルから周期的に液滴化して放出させる周期的液滴化工程と、前記放出されたキャリア芯材の液滴を固化させてキャリア芯材を形成する粒子化工程と、を行い、得られたキャリア芯材を樹脂層で被覆する構成としたので、高画質、高耐久で、かつ、長期の使用においても誘導型キャリア付着の生じない、小粒径且つ粒度分布のシャープな電子写真現像剤用キャリアを長時間安定して製造できるようになる。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリアによれば、本発明に係る電子写真現像剤用キャリアの製造方法によって製造されたものであるので、高画質、高耐久で、かつ、長期の使用においても誘導型キャリア付着の生じない、小粒径且つ粒度分布のシャープな電子写真現像剤用キャリアが得られる。
本発明に係る電子写真用現像剤によれば、トナーと本発明に係る電子写真現像剤用キャリアである構成としたので、高画質画像が得られる。
本発明に係る電子写真現像方法によれば、本発明に係る電子写真用現像剤を用いて現像を行う構成としたので、高画質画像が得られる。
本発明に係るプロセスカートリッジによれば、像担持体と、前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、本発明に係る電子写真用現像剤を収容する現像部と、前記像担持体の表面に残存する前記現像剤を払拭するクリーニング手段とを備える構成としたので、高画質画像が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係るキャリアの芯材粒子の製造方法を実施する本発明に係るキャリア芯材粒子製造装置の一実施形態について図1の模式的構成図を参照して説明する。ここでは、キャリア芯材粒子製造装置の各部材を詳述するとともに、芯材の一次造粒物の作製方法について説明する。また、キャリア芯材の構成材料である磁性粉、バインダー及び分散液、消泡剤をスラリーとするが、この「スラリー」を、便宜上、「キャリア組成液」と称する。
このキャリアの芯材粒子製造装置1は、液滴化手段及び貯留部を備える液滴噴射ユニット2と、この液滴噴射ユニット2が上方に配置され、液滴噴射ユニット2から放出されるキャリア組成液の液滴を固化してキャリア芯材粒子Pを形成する粒子化手段としての粒子形成部3と、粒子形成部3で形成されたキャリア芯材粒子Pを捕集するキャリア捕集部4と、キャリア捕集部4で捕集されたキャリア芯材粒子Pがチューブ5を介して移送され、移送されたキャリア芯材粒子Pを貯留するキャリア芯材粒子貯留手段としてのキャリア芯材粒子貯留部6と、キャリア組成液10を収容する原料収容部7と、この原料収容部7内からキャリア組成液10稼動時などにキャリア組成液10を圧送供給するためのポンプ9とを備えている。
ここでは、液滴噴射ユニット2が1個配置されている例で図示しているが、好ましくは、図2に示すように、複数、例えば制御性の観点からは100個〜1,000個(図2では4個のみ図示)の液滴噴射ユニット2を、粒子形成部3の天面部3Aに並べて配置し、各液滴噴射ユニット2には配管8Aを原料収容部7(共通液溜め)に通じさせてキャリア組成液10を供給するようにする。これによって、一度により多くの液滴を放出させることができ、生産効率の向上を図ることができる。
また、原料収容部7からのキャリア組成液10は、液滴噴射ユニット2による液滴化現象により自給的に液滴噴射ユニット2に供給されるが、装置稼働時等には上述したように噴射ユニットまで自給的な補給を行うことが出来ることから、あくまで補助的にポンプ9を用いて液供給を行う構成としている。このことは、この液滴化のエネルギーがポンプ9の圧力によるものでなく、液滴噴射ユニットの振動エネルギーのみを利用していることを示すものでもある。
次に、液滴噴射ユニット2について図3ないし図5を参照して説明する。なお、図3は同液滴噴射ユニット2の断面説明図、図4は図3を下側から見た要部底面説明図、図5は液滴化手段の概略断面説明図である。
この液滴噴射ユニット2は、キャリア組成液10を液滴化して放出させる液滴化手段11と、この液滴化手段11にキャリア組成液10を供給する貯留部(液流路)12を形成した流路部材13とを備えている。
液滴化手段11は、複数のノズル(吐出口)15が形成された薄膜16と、この薄膜16を振動させる円環状の振動発生手段である電気機械変換手段(素子)17とで構成されている。ここで、薄膜16は、最外周部(図4の斜線を施して示す領域)をハンダ又は樹脂結着材料によって流路部材13に接合固定している。電気機械変換手段17は、この薄膜16の変形可能領域16A(流路部材13に固定されていない領域)内の周囲に配されている。この電気機械変換手段17にはリード線21、22を通じて駆動回路(駆動信号発生源)23から所要周波数の駆動電圧(駆動信号)が印加されることで、例えば撓み振動を発生する。
薄膜16の材質、ノズル15の形状としては、特に制限はないものの、材質としては硬質なものが望ましく、例えばステンレスやチタンが好適である。ノズル形状も適宜選択することができるが、真円形あるいは楕円形などは問題なく使用することが出来る。
薄膜16の厚みは5μm〜100μmの上記金属板で形成され、かつ、ノズル15の開口径が10μm〜50μmであることが、ノズル15からキャリア組成液の液滴を噴射させるときに、極めて均一な粒子径を有する小液滴を発生させる観点から好ましい。なお、前記ノズル15の開口径は、真円であれば直径を意味し、楕円であれば短径を意味することとする。また、複数のノズル15の個数は、2個ないし3,000個が好ましいが、生産効率の点から100個以上であることが望ましい。
電気機械変換手段17としては、薄膜16に確実な振動を一定の周波数で与えることができるものであれば特に制限はないが、バイモルフ型のたわみ振動の励起される圧電体が好ましい。圧電体としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミックスが挙げられるが、一般に変位量が小さいことから、積層して使用されることも多い。この他にも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電高分子や、水晶、LiNbO、LiTaO、KNbO、等の単結晶、などが挙げられる。
流路部材13には貯留部12にキャリア組成液を供給する液供給チューブ18及び気泡排出用の気泡排出チューブ19がそれぞれ少なくとも1箇所に接続されている。この流路部材13に取り付けた支持部材20によって粒子形成部3の天面部に設置保持されている。なお、ここでは、粒子形成部3の天面部に液滴噴射ユニット2を配置している例で説明しているが、粒子形成部3となる乾燥部側面壁又は底部に液滴噴射ユニット2を設置する構成とすることもできる。
このように、液滴化手段11は、貯留部12に臨む複数のノズル15を有する薄膜16の変形可能領域16A内の周囲に円環状の電気機械変換手段17が配されていることによって、例えば図6に示す比較例構成(図15と同様な構成)のように電気機械変換手段17Aが薄膜16の周囲を保持している構成に比べて、相対的に薄膜16の変位量が大きくなり、この大きな変位量が得られる比較的大面積(φ1mm以上)の領域に複数のノズル15を配置することができ、これら複数のノズル15より一度に多くの液滴を安定的に形成して放出することができるようになる。
この液滴化手段11の動作原理について図7A及び図7Bを参照して説明すると、図7A及び図7Bに示すような単純円形薄膜16の周辺部16Bを固定した(より具体的には、変形可能領域16Aの外周が固定された状態である)場合、この円形薄膜16に振動を与えると、基本振動は周辺が節になり、図8に示すように、薄膜16の中心Oで変位量ΔLが最大(ΔLmax)となる断面形状となり、振動方向に周期的に上下振動する。
この図8に示すように、薄膜16を、周辺が節となり、直径方向(径方向)に節を持たない振動モードで振動させることが好ましい。なお、図9及び図10に示すような、より高次の振動モードが存在することが知られている。これらのモードは、円形薄膜16内に、同心円状に節を1ないし複数持ち、実質的に径方向に対称な変形形状となる。また、図11に示すように、円形薄膜16の中心部を凸形状16Cとすることで、液滴の進行方向を制御し、かつ振動振幅量を調整することが可能となる。
ここで、円形薄膜16の振動により、円形薄膜16に設けられた複数のノズル15近傍の液体(キャリア組成液)には、薄膜16の振動速度Vmに比例した圧力Pacが与えられる。圧力は、媒質(キャリア組成液)の放射インピーダンスZrの反作用として生じることが知られており、放射インピーダンスと膜振動速度Vmの積で次の(1)式で示す方程式を用いて表すことができる。
薄膜16の振動速度Vmは、時間とともに周期的に変動しているため時間の関数であり、例えばサイン波形、矩形波形など、様々な周期変動を形成することが可能である。また、前述したとおり、薄膜16の各部位で振動方向の振動変位は異なっており、振動速度Vmは、薄膜16上の位置座標の関数でもある。好ましい薄膜の振動形態は、上述のとおり径方向に対称な変形形状であるので、実質的には半径座標の関数となる。
以上のように、分布を持った薄膜16の振動変位速度に対して、それに比例する圧力が発生し、圧力の周期的変化に対応して貯留部12内のキャリア組成液10が、気相へ吐出される。そして、気相へ周期的に排出されたキャリア組成液10は、液相と気相との表面張力差によって球体を形成するため、液滴化が周期的に発生し、キャリア組成液10は複数のノズル15から液滴化されて放出される。
この様子を図12に模式的に示している。薄膜16の変形可能領域内の周囲に配された電気機械変換手段17に対して撓み振動を与えることによって、薄膜16は、図12Aに示すように貯留部12側と反対側に撓んだ状態と、図12Bに示すように貯留部12側に撓んだ状態との間で振動することになる。その結果、この薄膜16の振動によってキャリア組成液10が液滴化されて液滴31が噴射(吐出)される。
ここで、液滴化を可能とする薄膜16の振動周波数としては20kHz〜2.0MHzの領域が利用できるが、キャリア粒子を製造する場合は、20KHz〜300KHzの範囲が望ましい。
これは、20kHz以上の振動周期であれば、液体の励振によって、キャリア組成液10中の磁性粒子の分散が促進されるためである。この範囲の周波数を利用する場合に限り、使用する磁性体の凝集物が殆ど存在しないことから、ノズル閉塞が見られず、また仮に凝集物がノズルを通過し閉塞させたとしても、すぐにノズル内で凝集がほぐれ、自発的にノズル閉塞が解消される。これは、丁度この領域がいわゆる超音波分散器に利用される周波数領域であり、使用する磁性粉の粒子径から考えても妥当な結果といえる。また、原料内や工程途中で混入したゴミなどがノズルを通過しようとしても、ノズルより大きなゴミは通過することなく、液循環により排出され、またノズルよりやや小さなゴミは、前述の凝集体同様に、自発的にノズルから噴出し除去できる。このような特徴は、キャリア組成液をポンプ圧力で一方向に押し出す、振動オリフィスやインクジェットを利用した造粒方法と大きく異なる点であり、このことにより、極めて高い液滴形成の安定性を得ることが出来ている。
形成される液滴31の直径は、薄膜16の複数のノズル15が形成された領域における振動変位が大きいほど大きくなる傾向にあり、振動変位が小さい場合、小滴が形成されるか、または液滴化しない。このような、複数のノズル15が形成された領域における液滴サイズのばらつきを低減するためには、複数のノズル15の配置を薄膜16の振動変位の最適な位置に規定することが必要である。
実験によれば、図8ないし図10に示す、電気機械変換手段17によって発生する薄膜16の複数のノズル15が形成された領域における薄膜16の振動方向変位(変位量)ΔLの最大値ΔLmaxと最小値ΔLminの比R(=ΔLmax/ΔLmin)が、2.0以内である、つまり、比Rが2.0以内になる領域内に複数のノズル15を配置することにより、液滴サイズのばらつきを、高画質な画像を提供することのできるキャリア粒子として必要な領域に保てることを見出した。
次に、図1に戻って、キャリア組成液10の液滴31を固化してキャリア芯材粒子Pを形成する粒子形成部3について説明する。
ここでは、キャリア組成液10として、前述したように少なくともキャリア芯材の構成材料である磁性粉、バインダーからなるキャリア組成物を主に溶媒、例えば水に分散した溶液、スラリー液を用いているので、液滴31に含まれる水を乾燥固化することでキャリア芯材粒子Pを形成している。つまり、この実施形態では、粒子形成部3は液滴31の溶媒を乾燥して除去することによってキャリア芯材粒子Pを形成する溶媒除去部としている(以下では、粒子形成部3を「溶媒除去部」あるいは「乾燥部」とも称する。)。
具体的には、この粒子形成部3は、液滴噴射ユニット2のノズル15から放出される液滴31を、この液滴31の飛翔方向と同方向に流れる乾燥した気体(乾燥気体)35によって搬送することで、液滴31の溶媒(水)を除去してキャリア芯材粒子Pを形成する。乾燥気体35としては、液滴31を乾燥可能な気体であれば何でもよく、例えば、空気、窒素などを用いることができる。
次に、この粒子形成部3にて形成されたキャリア芯材粒子Pを捕集するキャリア芯材粒子捕集手段としてのキャリア芯材粒子捕集部4について説明する。
このキャリア芯材粒子捕集部4は、粒子形成部3の粒子飛翔方向下流側に粒子形成部3に連続して設けられ、開口径が入口側(液体噴射ユニット2側)から出口側に向けて漸次縮小するテーパ面41を有している。そして、例えば、図示しない吸引ポンプなどでキャリア芯材粒子捕集部4内から吸引を行うことによってキャリア芯材粒子捕集部4内に下流側に向かう渦流である気流42を発生させ、この気流42によってキャリア芯材粒子Pを捕集するようにしている。このように渦流(気流42)によって遠心力を発生させてキャリア芯材粒子Pを捕集することで確実にキャリア芯材粒子Pを捕集して下流側のキャリア芯材粒子貯留部6に移送することができる。
また、キャリア芯材粒子捕集部4の入口部には、粒子形成部3で形成されたキャリア芯材粒子Pの電荷を一時的に中和する(除電する)除電手段43を備えている。この除電手段43は、キャリア芯材粒子Pに対して軟X線を照射する軟X線照射装置43Aを用いているが、図13に示すように、除電手段43としてキャリア粒子Pに対してプラズマ照射を行うプラズマ照射装置43Bを用いることもできる。また帯電が顕著でない場合は、除電手段を用いないでも良いことから、必須な装置ではない。
このキャリア芯材粒子捕集部4で捕集されたキャリア芯材粒子Pは、渦流(気流42)によってそのままチューブ5を介してキャリア芯材粒子貯留部6に移送されて貯留される。この場合、キャリア芯材粒子捕集部4、チューブ5、キャリア芯材粒子貯留部6を導電性の材料で形成したときには、これらが接地されている(アースに接続されている。)ことが安全性の面で好ましい。また、キャリア芯材粒子捕集部4からキャリア芯材粒子Pをキャリア芯材粒子貯留部6に向けて圧送したり、あるいは、キャリア芯材粒子貯留部6側からキャリア芯材粒子Pを吸い込む構成としたりすることもできる。
次に、このように構成したキャリア芯材粒子の製造装置1による本発明に係るキャリア芯材粒子の製造方法の概要について説明する。
前述したように液滴噴射ユニット2の貯留部12に少なくともキャリア組成物を分散させたキャリア組成液10を供給した状態で、液滴化手段11の電気機械変換手段17に対して所要の駆動周波数の駆動信号を印加することによって電気機械変換手段17に撓み振動が発生し、この電気機械変換手段17の撓み振動によって薄膜16が周期的に振動し、この薄膜16の振動によって複数のノズル15から貯留部12のキャリア組成液10が周期的に液滴化されて液滴31として溶媒除去部としての粒子形成部3(図1参照)内に放出される。
そして、粒子形成部3内に放出された液滴31は、粒子形成部3内で液滴31の飛翔方向と同方向に流れる乾燥気体35によって搬送されることで、溶媒が除去され、キャリア芯材粒子Pが形成される。この粒子形成部3にて形成されたキャリア芯材粒子Pは下流側のキャリア芯材粒子捕集部4にて気流42にて捕集され、チューブ5を介してキャリア芯材粒子貯留部6に送られて貯留される。
このように、液滴噴射ユニット2の液滴化手段11には複数のノズル15が設けられているので、同時に複数の液滴化されたキャリア組成液の液滴31が連続的に多数放出されることから、キャリア芯材粒子の生産効率が飛躍的に向上する。加えて、前述したように、液滴化手段11は、貯留部12に臨む複数のノズル15を有する薄膜16の変形可能領域16A内の周囲に円環状の電気機械変換手段17を配した構成としているので、大きな薄膜16の変位が得られ、この大きな変位量が得られる領域に複数のノズル15を配置することによって一度に多くの液滴31をノズル15の目詰まりを発生することなく安定して放出することができ、安定して効率的なキャリア芯材粒子の製造が可能になる。さらに、これまでにない粒度の単一分散性を有したキャリア芯材粒子を得ることができるようになることが確認された。
このような方法で得たキャリア芯材粒子に対し、粒子表面に樹脂層を形成し、最終的なキャリア粒子とする。樹脂層の形成方法としては、スプレードライ法、浸漬法、あるいはパウダーコーティング法等、従来公知の方法をいずれも適用できる。
次に、本発明に係る電子写真現像剤用キャリアについて説明する。本発明に係る電子写真現像剤用キャリアは、上述したキャリアの製造装置を用いたキャリア芯材粒子の製造方法により製造されたキャリアであり、これにより、粒度分布のシャープな電子写真現像用キャリアが得られる。本実施形態の電子写真現像剤用キャリア(以下、単に「キャリア」という)は、上述した製造装置によって製造される磁性を有する芯材粒子とその表面を被覆する樹脂層とからなる。
本発明の実施形態についてさらに詳説する。
本実施形態のキャリアにおいて、その重量基準平均径(D4)は、15μm〜45μmの範囲であることが好ましく、15μm〜35μmの範囲であることがより好ましい。重量平均粒径D4が前記範囲よりも大きいと、キャリア付着が起こりにくいが、高画像濃度を得るために、トナー濃度を高くした場合、地汚れが急速に増大する。また、潜像のドット径が小さい場合は、ドット径のバラツキが大きくなる。また、高解像度を得るために、キャリアが小粒径化するとキャリア付着の発生が著しくなる。この場合、キャリア付着を起こしている大部分は18μm以下の微細粒子であることが新たに判明した。ここでキャリア付着とは、静電潜像の画像部又は地肌部にキャリアが付着する現象を示す。それぞれの電界が強いほどキャリア付着し易い。画像部はトナーが現像されることにより電界が弱められるため、地肌部に比べ、キャリア付着は起こりにくい。キャリア付着は感光体ドラムや定着ローラの傷の原因となる等の不都合を生じるので好ましくない。
粒径分布を測定するための粒度分析計としては、マイクロトラック粒度分析計(モデルHRA9320−X100:Honewell社製)を用いた。その測定条件は以下の通りである。
(1)粒径範囲:100〜8μm
(2)チャネル長さ(チャネル幅):2μm
(3)チャネル数:46
(4)屈折率:2.42
本実施形態のキャリア芯材は、個数基準平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が1.00〜1.50の範囲であり、粒度分布はシャープである。従って、本実施形態のキャリアにおいては、重量基準平均粒径が20μm〜35μmと小粒径であってもキャリア付着が生じることなく、ドット再現性、及びハイライトの再現性が良好で、かつ、画像濃度が高く、地汚れの少ない画質が得られる。
本実施形態のキャリアにおいて、その抵抗率LogR(Ω・cm)は、12.0以上、より好ましくは13.0以上である。キャリアの抵抗率が前記範囲よりも低いと、例えば現像ギャップ(感光体と現像スリーブ間の最近接距離)が狭くなり、電界強度が大きくなると、キャリアに電荷が誘導されてキャリア付着が発生し易くなる。感光体の線速度、及び、現像スリーブの線速度が大きい場合、悪化の傾向が見られる。
また、キャリア表面の被膜の形成のばらつきが大きいもの、芯材の一部が露出しているものが、キャリア付着し易い傾向がある。さらに、樹脂コートされたキャリアを長期間使用すると、被膜の削れや剥がれが徐々に進行し、キャリア付着となることが分かった。この原因も、キャリアに電荷が誘導されるためだと考えられる。
この現象に対して、キャリア芯材に近い部分の樹脂被覆層の抵抗を、キャリア表層部の被覆層の抵抗よりも大きくしておくと、長時間使用後もキャリア付着が起こりにくく、小粒径キャリアのキャリア付着防止方法として有効な手段となることが確認された。その方法としては、芯材表面に高抵抗の層を設けるか、または、被覆層内の抵抗を芯材側が高くなるように徐々に変化させることも可能である。樹脂被膜の抵抗を徐々に変化させるには、抵抗の異なる被膜を多層塗り重ねるか、または、塗布するコート液の抵抗を塗付時間に対して、徐々に下げて行く等の方法で達成可能である。
抵抗の調整は、芯材粒子上の被覆樹脂の抵抗調整、膜厚の制御等により制御することができる。また、キャリア抵抗調整のために、導電性微粉末を被覆樹脂層に添加して使用することも可能である。上記導電性微粉末としては、導電性ZnO、Al等の金属又は金属酸化物粉、種々の方法で調製されたSnO又は種々の元素をドープしたSnO、TiB、ZnB、MoB等のホウ化物、炭化ケイ素、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)ポリピロール、ポリエチレン等の導電性高分子、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック等が挙げられる。
これらの導電性微粉末は、以下の方法、すなわち、コーティングに使用する溶媒、あるいは被覆用樹脂溶液に導電性微粉末を投入後、ボールミル、ビーズミル等のメディアを使用した分散機、あるいは高速回転する羽根を備えた攪拌機を使用することによって均一に分散することができる。
上記キャリアの抵抗率は、次の方法により測定する。電極間距離2mm、表面積2×4cmの電極を収容したフッ素樹脂製容器からなるセルにキャリアを充填し、両極間に100Vの直流電圧を印加し、ハイレジスタンスメーター4329A(4329A+LJK 5HVLVWDQFH OHWHU;横川ヒューレットパッカード株式会社製)にて直流抵抗を測定し、電気抵抗率LogR(Ω・cm)を算出する。
同時に、1KOeにおける磁気モーメントが76emu/g以上とすることにより、キャリア付着は大幅に改良された。
なお、本実施形態のキャリアの好ましい嵩密度は、2.15g/cm〜2.70g/cmであり、より好ましくは2.20g/cm以上である。嵩密度が2.15g/cm未満であると、多孔性、あるいは表面の凹凸が大きく、添加剤の効果が充分得られ難くなる。嵩密度が小さいと、1KOeの磁化(emu/g)が大きくても、一粒子当たりの実質的な磁化の値が小さくなるため、キャリア付着に対して不利となる。
また、キャリアは、1,000エルステッドの磁界を印加したときの芯材粒子の磁化が、40emu/g〜150emu/gであることが好ましく、さらには、130emu/g程度とすることが好ましい。走査型電子顕微鏡で観察してもキャリア表面への添加剤の固着が進む様子が見られないが、キャリアの磁化が大きくなると、添加剤の固着が進み、キャリアの流動性が変化する。
また、本願発明者は、キャリアの磁気束縛力に関係する磁化の大きさを変えたサンプルを試作して検討し、1,000エルステッド(Oe)の磁場を印加したときの磁気モーメントが、40emu/g以上、より好ましくは50emu/g以上とすることにより、キャリア付着が改良されることを確かめた。粒子の磁化が40emu/g未満となると、キャリア付着が生じやすくなるので好ましくない。一方、粒子の磁化が150emu/gを超えると、磁気ブラシが硬くなり、微小領域の均一現像が損なわれるようになる。なお、磁化は、以下のようにして測定することができる。B−Hトレーサー(BHU−60/理研電子(株)製)を使用し、円筒のセルにキャリア芯材粒子1.0gを詰めて装置にセットする。磁場を徐々に大きくし、3,000エルステッドまで変化させ、次に徐々に小さくして、0にした後、反対向きの磁場を徐々に大きくし3,000エルステッドとする。さらに、徐々に磁場を小さくして、0にした後、最初と同じ方向に磁場をかける。このようにして、B−Hカーブを図示し、その図より1,000エルステッドの磁化を算出することができる。
本実施形態のキャリアを構成する芯材粒子の材料としては、従来公知の各種の磁性材料を適用することができる。1,000エルステッドの磁場を印加したときに、40emu/g以上となる芯材粒子としては、例えば、鉄、コバルト等の強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ba系フェライト、Mn系フェライト等が挙げられる。なお、フェライトとは、一般に、(MO)x(NO)y(Fe)zで表される焼結体である。
但し、x+y+z=100mol%であって、M、Nはそれぞれ、Ni、Cu、Zn、Li、Mg、Mn、Sr、Ca等であり、2価の金属酸化物と3価の鉄酸化物との完全混合物から構成されているものとする。さらに、1,000エルステッドの磁場を印加したときの磁化が40mu/g以上の芯材粒子として、より好ましいものとしては、例えば、鉄系、Mn−Mg−Sr系フェライト、Mn系フェライト、マグネタイト系等が挙げられる。
本実施形態のキャリアは、キャリア芯材を構成する原料をスラリーにし、これを噴霧し一次造粒物とした後、焼成、解砕した後に得られるキャリア芯材に、樹脂層を被覆形成することによって得ることができる。
本実施形態のキャリアを構成する樹脂層には、従来公知の各種樹脂を用いることができるが、下記構造式A、B、Cで表される繰り返し単位を含むシリコーン樹脂が好適である。なお、構造式A及び構造式Bを適宜組み合わせた繰り返し単位でもよい。
なお、構造式B、Cにおいて、R1は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、メトキシ基、炭素数1〜4の低級アルキル基、あるいはアリール基(フェニル基、トリル基等)を示し、R2は、炭素数1〜4のアルキレン基、あるいはアリーレン基(フェニレン基等)を示す。また、アリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含されていてもよい。なお、アリール基には、各種の置換基が結合していてもよい。
アリーレン基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリーレン基には、ベンゼン由来のアリーレン基(フェニレン基)の他、ナフタレンやフェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリーレン基等が包含される。なお、アリーレン基には、各種の置換基が結合していてもよい。
本実施形態のキャリアに適用する上記シリコーン樹脂としては、ストレートシリコーン樹脂を用いることができる。具体的には、KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(信越化学工業社製)、SR2400、SR2406(東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられる。
また、本実施形態のキャリアに適用するシリコーン樹脂としては、変性シリコーン樹脂も適用できる。このようなものとしては、エポキシ変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、アルキッド変性シリコーン等が挙げられる。
変性シリコーン樹脂の具体例としては、エポキシ変性物:ES−1001N、アクリル変性シリコーン:KR−5208、ポリエステル変性物:KR−5203、アルキッド変性物:KR−206、ウレタン変性物:KR−305(以上、信越化学工業社製)、エポキシ変性物:SR2115、アルキッド変性物:SR2110(東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられる。
さらに、以下に示す材料を単独、又は上記各種シリコーン樹脂と混合して適用してもよい。
ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
キャリア芯材粒子表面に樹脂層を形成するための方法としては、スプレードライ法、浸漬法、あるいはパウダーコーティング法等、従来公知の方法をいずれも適用できる。特に、流動床型コーティング装置を用いる方法は、均一な塗付膜を形成するのに有効である。キャリアの樹脂層の厚さは、通常0.02μm〜1μm、より好ましくは0.03μm〜0.8μmであるものとする。
また、上述したシリコーン樹脂からなる樹脂層に、アミノシランカップリング剤を含有させることにより、耐久性の良好なキャリアを得ることができる。適用するアミノシランカップリング剤としては、以下のようなものが挙げられる。また、アミノシランカップリング剤の含有量は、0.001重量%〜30重量%が好ましい。
N(CH)Si(OCH)
(MW:179.3)
N(CH)Si(OC)
(MW:221.4)
NCHCHCHSi(CH)(OC) (MW:161.3)
NCHCHCHSi(CH)(OC) (MW:191.3)
NCHCHNHCHSi(OCH) (MW:194.3)
NCHCHNHCHCHCHSi(CH)(OCH)(MW:206.4)
NCHCHNHCHCHCHSi(OCH) (MW:224.4)
(CHNCHCHCHSi(CH)(OC) (MW:219.4)
(CNCSi(OCH)(MW:291.6)
また、キャリアの抵抗率の調整は、芯材粒子上の被覆樹脂の抵抗調整、膜厚の制御によって行うことができる。キャリアの抵抗率を調整するために、導電性微粉末を被覆樹脂層に添加して使用することもできる。このとき、導電性微粉末としては、導電性ZnO、Al等の金属又は金属酸化物粉、種々の方法で調製されたSnO又は種々の元素をドープしたSnO、TiB、ZnB、MoB等のホウ化物、炭化ケイ素、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)ポリピロール、ポリエチレン等の導電性高分子、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック等を適用することができる。
これらの導電性微粉末は、以下の方法、すなわち、コーティングに使用する溶媒、あるいは被覆用樹脂溶液に導電性微粉末を投入後、ボールミル、ビーズミル等のメディアを使用した分散機、あるいは高速回転する羽根を備えた攪拌機を使用することによって均一に分散することができる。
上述したような本実施形態のキャリアを使用した現像剤においては、トナーによるキャリアの被覆率が50%のときの、このトナーの帯電量が、15μc/g〜50μc/gとすることにより、地汚れ、キャリア付着のさらに良好な電子写真用現像剤が得られることが確かめられた。上記トナーによるキャリアの被覆率は、下記式により算出される。
被覆率(%)=(Wt/Wc)×(ρc/ρt)×(Dc/Dt)×(1/4)×100
なお、上記式中、Dcはキャリアの重量平均粒径(μm)、Dtはトナーの重量平均粒径(μm)、Wtはトナーの重量(g)、Wcはキャリアの重量(g)、ρtはトナー真密度(g/cm)、ρcはキャリア真密度(g/cm)をそれぞれ表わすものとする。
上述したような、本実施形態に係るキャリアと、重量平均粒径が3.0μm〜6.0μmのトナーを使用して現像剤を作製すると、特に粒状性が良くなり、さらに高画質化が達成されることが確認された。なお、トナー粒径はコールターカウンター(コールターカウンター社製)を用いて測定した。
本実施形態の現像剤に適用されるトナーは、熱可塑性樹脂を主成分とするバインダー樹脂中に、着色剤、微粒子、そして帯電制御剤、離型剤等を含有させたものであり、従来公知の各種のトナーを用いることができる。このトナーは、粉砕法、重合法、造粒法等の各種のトナー製法によって作製された不定形、あるいは球形のトナーとすることができる。また、磁性トナーあるいは非磁性トナーのいずれも使用可能である。
−結着樹脂−
トナーの結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピレン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−着色剤−
トナーの着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
トナーにおける着色剤の含有量は、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。このような樹脂としては特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−離型剤−
トナーの離型剤としては特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類等が好適に挙げられる。
ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン等が挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックス等が挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃〜160℃が好ましく、50℃〜120℃がより好ましく、60℃〜90℃が更に好ましい。前記融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5cps〜1,000cpsが好ましく、10cps〜100cpsがより好ましい。前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
トナーにおける離型剤の含有量としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜40質量%が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
−帯電制御剤−
トナーの帯電制御剤としては特に制限はなく、感光体に帯電される電荷の正負に応じて正又は負の荷電制御剤を適宜選択して用いることができる。
負の帯電制御剤としては、例えば、電子供与性の官能基を持つ樹脂又は化合物、アゾ染料、有機酸の金属錯体などを用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:S−31、S−32、S−34、S−36、S−37、S−39、S−40、S−44、E−81、E−82、E−84、E−86、E−88、A、1−A、2−A、3−A)(何れも、オリエント化学工業社製);カヤチャージ(品番:N−1、N−2)、カヤセットブラック(品番:T−2、004)(何れも、日本化薬社製);アイゼンスピロンブラック(T−37、T−77、T−95、TRH、TNS−2)(何れも保土谷化学工業社製);FCA−1001−N、FCA−1001−NB、FCA−1001−NZ、(何れも、藤倉化成社製)、などが挙げられる。
正の帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料等の塩基性化合物、4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物、高級脂肪酸の金属塩等を用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:N−01、N−02、N−03、N−04、N−05、N−07、N−09、N−10、N−11、N−13、P−51、P−52、AFP−B)(何れも、オリエント化学工業社製);TP−302、TP−415、TP−4040(何れも、保土谷化学工業社製);コピーブルーPR、コピーチャージ(品番:PX−VP−435、NX−VP−434)(何れも、ヘキスト社製);FCA(品番:201、201−B−1、201−B−2、201−B−3、201−PB、201−PZ、301)(何れも、藤倉化成社製);PLZ(品番:1001、2001、6001、7001)(何れも、四国化成工業社製)、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤の添加量は、結着樹脂の種類、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、前記結着樹脂100質量部に対し0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。添加量が10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがあり、0.1質量部未満であると、帯電立ち上り性や帯電量が十分でなく、トナー画像に影響を及ぼし易いことがある。
トナーには、更に、必要に応じて無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸等を添加することができる。
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム等を用いることができ、シリコーンオイルやヘキサメチルジシラザンなどで疎水化処理されたシリカ微粒子や、特定の表面処理を施した酸化チタンを用いることがより好ましい。
前記シリカ微粒子としては、例えば、アエロジル(品番:130、200V、200CF、300、300CF、380、OX50、TT600、MOX80、MOX170、COK84、RX200、RY200、R972、R974、R976、R805、R811、R812、T805、R202、VT222、RX170、RXC、RA200、RA200H、RA200HS、RM50、RY200、REA200)(何れも、日本アエロジル社製);HDK(品番:H20、H2000、H3004、H2000/4、H2050EP、H2015EP、H3050EP、KHD50)、HVK2150(何れも、ワッカーケミカル社製);カボジル(品番:L−90、LM−130、LM−150、M−5、PTG、MS−55、H−5、HS−5、EH−5、LM−150D、M−7D、MS−75D、TS−720、TS−610、TS−530)(何れも、キャボット社製)等を用いることができる。
前記無機微粒子の添加量としては、トナー母体粒子100質量部に対し0.1質量部〜5.0質量部が好ましく、0.8質量部〜3.2質量部がより好ましい。
トナーを製造する方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粉砕法、特定の結晶性高分子及び重合性単量体を含有する単量体組成物を水相中で直接的に重合する重合法(懸濁重合法、乳化重合法)、特定の結晶性高分子及びイソシアネート基含有プレポリマーを含有する組成物を水相中においてアミン類で直接的に伸長/架橋する重付加反応法、イソシアネート基含有プレポリマーを用いた重付加反応法、溶剤で溶解し脱溶剤して粉砕する方法、溶融スプレー法などが挙げられる。
前記粉砕法は、例えば、トナー材料を溶融乃至混練し、粉砕、分級等することにより、トナーの母体粒子を得る方法である。なお、該粉砕法の場合、トナーの平均円形度を高くする目的で、得られたトナーの母体粒子に対し、機械的衝撃力を与えて形状を制御してもよい。この場合、機械的衝撃力は、例えば、ハイブリタイザー、メカノフュージョンなどの装置を用いてトナーの母体粒子に付与することができる。
以上のトナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、例えば、一軸の連続混練機、二軸の連続混練機、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、株式会社池貝製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、バインダー樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。その際、ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナーを製造する。
前記懸濁重合法は、油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で、後述する乳化法によって乳化分散する。次いで、重合反応を行い粒子化した後、本発明におけるトナー粒子表面に無機微粒子を付着させる湿式処理を行えばよい。その際、余剰にある界面活性剤等を洗浄し、除去したトナー粒子に処理を施すことが好ましい。
前記重合性単量体として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド又はこれらのメチロール化合物;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のアミノ基を有する(メタ)アクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有するものを選ぶことにより、粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
前記乳化重合法としては、水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途着色剤、離型剤等を水系媒体中に分散した分散体を用意し、混合した後、トナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。その後、後述する無機微粒子の湿式処理を行えばよい。ラテックスとして懸濁重合法に使用される単量体と同様なものを用いれば、トナー粒子表面に官能基を導入できる。
これらの中でも、樹脂の選択性が高く、低温定着性が高く、また、造粒性に優れ、粒径、粒度分布、形状の制御が容易であるため、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られるトナーが好適である。
前記トナー材料は、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、結着樹脂と、帯電制御剤と、着色剤とを反応させて得られる接着性基材などを少なくとも含み、更に必要に応じて、樹脂微粒子、離型剤などのその他の成分を含むものである。
また、トナーの流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造されたトナー母体粒子に更に疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。添加剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるが、温調ジャケット等を装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。なお、添加剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中で又は漸次添加剤を加えていけばよい。この場合、混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。また、始めに強い負荷を、次に、比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。次いで、250メッシュ以上の篩を通過させて、粗大粒子、凝集粒子を除去すればトナーが得られる。
トナーの形状、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下のような、平均円形度、重量平均粒径、重量平均粒径と個数平均粒径との比(重量平均粒径/個数平均粒径)などを有していることが好ましい。
平均円形度は、トナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、例えば、0.900〜0.980が好ましく、0.950〜0.975がより好ましい。なお、平均円形度が0.94未満の粒子が15質量%以下のものが好ましい。前記平均円形度が、0.900未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.980を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
前記平均円形度は、例えばフロー式粒子像分析装置(FPIA−2100:シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行った。具体的には、ガラス製100mlビーカーに、10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩、ネオゲンSC−A:第一工業製薬社製)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5gを添加してミクロスパーテルでかき混ぜ、更に、イオン交換水80mlを添加した。次いで、得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。この分散液について、前記解析ソフトFPIA−2100を用いて、分散液濃度5,000〜15,000個/μlが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。本測定法は平均円形度の測定再現性の点から分散液濃度を5,000〜15,000個/μlにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために、分散液の条件、即ち、添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分に濡らすことができないため、分散が不十分となる。また、トナー添加量は粒径により異なり、小粒径の場合は少なく、大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3〜10μmの場合、トナー量を0.1〜0.5g添加することにより、分散液濃度を5,000〜15,000個/μlに合わせることが可能となる。
トナーの重量平均粒径としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、3.0μm〜6.0μmが好ましい。
前記重量平均粒径が、3.0μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、6.0μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合に、トナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
トナーにおける重量平均粒径と個数平均粒径との比(重量平均粒径/個数平均粒径)としては、1.00〜1.25が好ましく、1.10〜1.25がより好ましい。
重量平均粒径、及び重量平均粒径と個数平均粒子径との比(重量平均粒径/個数平均粒径)は、粒度測定器(マルチサイザーIII:ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version 3.51)を用いて解析を行った。
具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩、ネオゲンSC−A:第一工業製薬社製)を0.5ml添加し、各トナー0.5gを添加してミクロスパーテルでかき混ぜ、更に、イオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II:本多電子社製)で10分間分散処理した。この分散液を前記粒度測定器マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2%になるように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
前記トナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであることが好ましい。
次に、図14を参照して本発明の実施形態の電子写真現像剤用キャリア及び現像剤を適用したプロセスカートリッジについて説明する。
プロセスカートリッジ130においては、像担持体としての感光体131と、感光体131の表面を帯電させる帯電手段132(例えば帯電ブラシ)と、感光体131の表面に形成される静電潜像を、本実施形態のキャリア及び現像剤を用いて現像する現像部133と、感光体131の表面に残存する現像剤を払拭するクリーニング手段134(例えばブレード)とを具備している。
プロセスカートリッジ130は画像形成装置に適用される。画像形成を行う工程について説明する。感光体131が所定の周速度で回転駆動され、感光体131は、回転過程において、帯電手段132によりその周面に、正あるいは負の所定電位の均一帯電を受ける。次に、スリット露光やレーザビーム走査露光等の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体131の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像部133によりトナー現像され、現像されたトナー現像は、給紙部から感光体131と転写手段との間に感光体131の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段によって転写されていく。像転写を受けた転写材は、感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリーニング手段(ブレード)134によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、除電された後、繰り返し画像形成にて使用される。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明の実施形態をさらに具体的に説明する。なお、以下において、「部」は重量部を表わす。
(トナー製造例1)
まず、サンプルのトナーを製造した。
ポリエステル樹脂:100部
カーボンブラック:5部
含フッ素4級アンモニウム塩:5部
上記材料をブレンダーにより充分に混合した後、二軸式押出し機にて溶融混練し、放冷後カッターミルで粗粉砕し、ついでジェット気流式微粉砕機で微粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級して、重量基準平均径4.80μm、真比重1.20g/cmの母体トナーを得た。さらに、この母体トナー100部に対して、疎水性シリカ微粒子(R972:日本アエロジル社製)を1.5部加え、ヘンシェルミキサーで混合して、トナーIを得た。
(トナー製造例2)
上記トナー製造例1で得られた母体トナー100部に対して、疎水性シリカ微粒子(R972:日本アエロジル社製)を1.0部、酸化チタンを0.5部加え、ヘンシェルミキサーで混合してトナーIIを得た。
(トナー製造例3)
上記トナー製造例1で得られた母体トナー100部に対して、疎水性シリカ微粒子(R972:日本アエロジル社製)を1.0部、酸化チタンを0.5部、ステアリン酸亜鉛を0.3部加え、ヘンシェルミキサーで混合してトナーIIIを得た。
上記のようにして作製したトナーI〜IIIの粒径、母体トナー真比重、及び含有成分とその量を下記表1に示す。
(トナー製造例4)
−ポリエステルの合成−
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物34090質量部、フマル酸5800質量部、及びジブチルチンオキサイド15質量部を仕込み、常圧下、230℃で5時間反応させた。次いで、10〜15mmHgの減圧下で6時間反応させ[ポリエステル1]を合成した。
得られた[ポリエステル1]のガラス転移温度(Tg)は63℃であり、重量平均分子量(Mw)は12,000であり、酸価は22mgKOH/gであった。
−トナーIVの作製−
[ポリエステル1]100質量部、銅フタロシアニン顔料2質量部、及び下記構造式(A)で表される帯電制御剤(ノニレンパーフルオロエーテル−p−トリメチルアミノプロピルアミドフェニルのヨウ素塩)2質量部を、熱ロールを用いて120℃で混練し、冷却して固化した後、粉砕し、分級して、重量平均粒径7.1μm、個数平均粒径5.8μm、平均円形度0.953のトナー母体粒子を作製した。
次に、得られたトナー母体粒子100質量部に対し、シリカR972(日本アエロジル社製)を0.5質量部添加し、混合して、「トナーIV」を作製した。
(トナー製造例5)
−トナーVの作製−
[ポリエステル1]100質量部、カーボンブラック(Printex60、デグサ社製)5質量部、及び下記構造式(B)で表される含クロムアゾ染料2質量部を、熱ロールを用いて120℃で混練し、冷却して固化した後、粉砕し、分級して、重量平均粒径7.3μm、個数平均粒径6.0μm、平均円形度0.955のトナー母体粒子を作製した。
次に、得られたトナー母体粒子100質量部に対し、シリカR972(日本アエロジル社製)を0.5質量部添加し、混合して、「トナーV」を作製した。
(トナー製造例6)
<トナーVI作製>
−有機微粒子エマルジョンの合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)11質量部、スチレン83質量部、メタクリル酸83質量部、アクリル酸ブチル110質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。次いで、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを[微粒子分散液1]とする。
得られた[微粒子分散液1]に含まれる微粒子の体積平均粒径を、レーザー散乱法を用いた粒径分布測定装置(「LA−920」、堀場製作所製)により測定したところ、105nmであった。また、[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分のみを単離した。この樹脂分のガラス転移温度(Tg)は59℃であり、重量平均分子量(Mw)は15万であった。
−水相の調製−
水990質量部、[微粒子分散液1]83質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)37質量部、及び酢酸エチル90質量部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。この液体を[水相1]とする。
−低分子ポリエステルの合成−
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、アジピン酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。次いで、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた後、反応容器内に無水トリメリット酸44質量部を入れ、常圧下、180℃で2時間反応させ、[低分子ポリエステル1]を合成した。
得られた[低分子ポリエステル1]のガラス転移温度(Tg)は45℃であり、重量平均分子量(Mw)は5,800であり、数平均分子量は2,600であり、酸価は24mgKOH/gであった。
−ポリエステルプレポリマーの合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応させた。次いで、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ、[中間体ポリエステル1]を合成した。
得られた[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2,100、重量平均分子量9,500、ガラス転移温度(Tg)55℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価51mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器内に、[中間体ポリエステル1]410質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を入れ、100℃で5時間反応させ、[プレポリマー1]を得た。
得られた[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.74%であった。
−ケチミンの合成−
撹拌棒、及び温度計の付いた反応容器内に、イソホロンジアミン170質量部とメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を合成した。得られた[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
−マスターバッチ(MB)の調製−
水1200質量部、カーボンブラック(PBk−7:Printex60、デグサ社製、DBP吸油量=114ml/100mg、pH=10)540質量部、及びポリエステル樹脂(三洋化成工業社製、RS801)1200質量部を加えて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した。得られた混合物を、2本ロールを用いて150℃で30分間混練後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕してマスターバッチを得た。これを[マスターバッチ1]とした。
−油相の調製−
撹拌棒、及び温度計の付いた反応容器内に、[低分子ポリエステル1]300質量部、カルナウバワックス90質量部、ライスワックス10質量部、及び酢酸エチル1000質量部を仕込み、撹拌しながら79℃で溶解させた後に一気に4℃まで急冷した。次いで、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒で、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填し、3パスの条件で分散を行い、体積平均粒径0.6μmのワックス分散液を得た。
このワックス分散液に、「マスターバッチ1」500質量部と、「低分子ポリエステル1」の70質量%酢酸エチル溶液640質量部を加え、10時間混合した後に前記と同じビーズミルで5パスし、酢酸エチルを加えて固形分濃度50質量%に調整した「油相1」を作製した。
−重合トナーの作製−
[油相1]73.2質量部、[プレポリマー1]6.8質量部、及び[ケチミン化合物1]0.48質量部を容器内に入れ、充分混合した[乳化油相1]に[水相1]120質量部を加え、ホモミキサーで1分間混合した後、パドルで1時間ゆっくり攪拌しながら収斂させて、[乳化スラリー1]を得た。
得られた[乳化スラリー1]を、30℃で1時間脱溶剤し、更に60℃で5時間熟成して水洗浄、濾過、乾燥を行った後に、目開き75μmメッシュで篩い、重量平均粒径6.1μm、個数平均粒径5.4μm、平均円形度0.972のトナー母体粒子を作製した。
次に、得られたトナー母体粒子100質量部に、疎水性シリカ(シリカR972、日本アエロジル社製)0.7質量部と、疎水化酸化チタン(MT−150A、テイカ社製)0.3質量部を、ヘンシェルミキサーを用いて混合した。以上により、「トナーVI」を作製した。
(キャリア製造例1)
次に、サンプルのキャリアを製造した。シリコーン樹脂(SR2411 トーレダウコーニングシリコーン社製)にカーボン(樹脂固形分に対して10%)を分散させ、さらに固形分換算で5%に希釈し、シリコーン樹脂溶液を得た。キャリア芯材粒子は、図1のキャリア芯材粒子製造装置を用いて、CuZnフェライト、バインダー及び分散液、消泡剤を入れてスラリーとし、このスラリー液を、ノズルの振動周波数を104KHzで液滴化し一次造粒物を得た。粒子化は連続8時間実施したが、ノズル閉塞に起因する中断などは全く見られず、安定した粒子化が可能であった。このときの粒子形状は真球であり、重量基準平均粒径が22.7μm、D4/Dn=1.03であった。この一次造粒物をロータリーキルンによりバインダー等の添加物を700℃で分解除去した。さらに、電気炉を用いて、酸素濃度0.05%以下、焼成温度1300℃で5時間焼成し、重量基準平均粒径(D4)25.0μmのキャリア芯材粒子、CuZnフェライト(D4/Dn=1.01、嵩比重2.24g/cm、1,000Oeの磁化が58emu/g)を得た。次に流動床型コーティング装置を用いて、前記キャリア芯材粒子の表面に、上記のようにして作製したシリコーン樹脂溶液を、90℃の雰囲気下で30g/minの割合で塗布した。その後、230℃で2時間加熱してコートキャリアを形成し、電気抵抗LogR=12.3Ωcm、コートキャリアの膜厚0.21μm、真比重5.1g/cmのキャリアAを得た。膜厚はコート液量により調整した。
(キャリア製造例2)
キャリア芯材粒子の重量基準平均粒径を30.0μmにした以外は、上述したキャリア製造例1と同様の方法によりキャリアBを得た。この場合も、ノズル閉塞現象は全く見られず、連続8時間安定して造粒することが可能であった。
(キャリア製造例3)
キャリア芯材粒子の重量基準平均粒径を35.0μmにした以外は、上述したキャリア製造例1と同様の方法によりキャリアCを得た。この場合も、ノズル閉塞現象は全く見られず、連続8時間安定して造粒することが可能であった。
(キャリア製造例4)
ノズルの振動周波数を20KHzにし、キャリア芯材粒子の重量基準平均粒径を27.3μmにした以外は、上述したキャリア製造例1と同様の方法によりキャリアDを得た。この場合も、ノズル閉塞現象は全く見られず、連続8時間安定して造粒することが可能であった。
(キャリア製造例5)
ノズルの振動周波数を300KHzにし、キャリア芯材粒子の重量基準平均粒径を22.4μmにした以外は、上述したキャリア製造例1と同様の方法によりキャリアEを得た。この場合も、ノズル閉塞現象は全く見られず、連続8時間安定して造粒することが可能であった。
(キャリア製造例6)
キャリアの芯材組成をMnMgSrにした以外は、上述したキャリア製造例1と同様の方法によりキャリアFを得た。この場合も、ノズル閉塞現象は全く見られず、連続8時間安定して造粒することが可能であった。
(キャリア製造例7)
キャリアの芯材組成をMnフェライトにした以外、上述したキャリア製造例1と同様の方法によりキャリアGを得た。この場合も、ノズル閉塞現象は全く見られず、連続8時間安定して造粒することが可能であった。
(キャリア製造例8)
キャリアの芯材組成をマグネタイトにした以外、上述したキャリア製造例1と同様の方法によりキャリアHを得た。この場合も、ノズル閉塞現象は全く見られず、連続8時間安定して造粒することが可能であった。
(キャリア製造例9)
コートキャリア(キャリアの樹脂層)にアミノシランカップリング剤(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を含有させた以外、上述したキャリア製造例1と同様の方法によりキャリアIを得た。この場合も、ノズル閉塞現象は全く見られず、連続8時間安定して造粒することが可能であった。
(キャリア製造比較例1)
キャリア芯剤粒子として、CuZnフェライト、バインダー及び分散液、消泡剤を入れてスラリーとし、このスラリー液を液滴化し、図15に示す液滴化原理を利用した振動オリフィス造粒装置を用いて一次造粒物を得た。造粒物を得ることは可能ではあるものの、長くてもせいぜい1時間程度でノズル開口部に磁性粒子が凝集することとなり、ノズル閉塞の度に一度装置を止め、ノズル部を分解洗浄しなければ継続して造粒物を得ることが出来なかった。結局6時間の造粒を行うために、計11回の分解洗浄を必要とすることとなったため、作業開始から終了までに13時間かかった。ノズル部の分解洗浄を繰り返し実施してキャリアJを得た。得られた粒子形状は真球であり、重量基準平均粒径が33.0μm、D4/Dnは分級処理を実施した後で1.21であった。
上記のようにして作製したキャリアA〜Jのキャリア芯材特性及びコートキャリアの特性について、以下の表2に示す。
次に、上記トナー製造例1〜6で作製したトナーI〜VIと、上記キャリア製造例1〜9及び比較例として比較製造例1で作製したキャリアA〜Jを用いて、下記に示す実施例1〜14及び比較例1の現像剤を作製した。作製した現像剤を用いて画像形成を行い、画像品質の確認、及び信頼性の試験を行った。なお、画像はイマジオカラー4000(リコー製デジタルカラー複写機・プリンター複合機)を使用し、次の条件で作製した。
(現像条件)
現像ギャップ(感光体−現像スリーブ):0.35mm
ドクターギャップ(現像スリーブ−ドクター):0.65mm
感光体線速度:200mm/sec
現像スリーブ線速度/感光体線速度:1.80
書き込み密度:600dpi
帯電電位(Vd):−600V
画像部(べた原稿)にあたる部分の露光後の電位(Vl):−150V
現像バイアス:DC−500V/交流バイアス成分:2KHZ、−100V〜−900V、50%duty
画像品質の評価は、転写紙上で実施した。但し、キャリア付着は現像後転写前の状態を感光体上から粘着テープに転写して観察した。画像評価試験法を下記に示す。
(1)画像濃度
上記現像条件における、30mm×30mmのベタ部の中心を、X−Rite938分光測色濃度計で、5個所測定し、平均値を出した。
(2)画像の均一性(粒状性)
下記の式で定義された粒状度(明度範囲:50〜80)を測定し、その数値を下記のようにランクに置き換え、表示した(ランク10が最良)。
(上記式中の記号)
L:平均明度
f:空間周波数(cycle/mm)
WS(f):明度変動のパワースペクトラム
VTF(f):視覚の空間周波数特性
a、b:係数
(ランク)
ランク10:−0.10以上〜0未満
ランク9:0以上〜0.05未満
ランク8:0.05以上〜0.10未満
ランク7:0.10以上〜0.15未満
ランク6:0.15以上〜0.20未満
ランク5:0.20以上〜0.25未満
ランク4:0.25以上〜0.30未満
ランク3:0.30以上〜0.40未満
ランク2:0.40以上〜0.50未満
ランク1:0.50以上
(3)地汚れ
上記現像条件における地肌部のよごれを10段階で評価した。ランクが高いほど地汚れが少なく、ランク10が最良であるものとする。
(評価方法)
転写紙上の地肌部(非画像部)に付着しているトナーの個数を数え、1cm当たり付着個数に換算して、地汚れランクとした。各ランクとトナー付着数(個/1cm)は以下のとおりである。
ランク10:0〜36
ランク9:37〜72
ランク8:73〜108
ランク7:109〜144
ランク6:145〜180
ランク5:181〜216
ランク4:217〜252
ランク3:253〜288
ランク2:289〜324
ランク1:325以上
(4)キャリア付着
キャリア付着が発生すると、感光体ドラムや定着ローラの傷の原因となり、画像品質の低下を招く。キャリア付着しても一部のキャリアしか紙に転写してこないため、感光体ドラム上から粘着テープで転写して評価した。
(評価方法)
副走査方向に2ドットライン(100lpi/inch)の画像パターンを作製し、直流バイアス400Vを印加して現像し、2ドットラインのライン間に付着したキャリアの個数(面積100cm)を、以下のようにランクで置き換えて表示した。ランク10が最良であるものとする。
ランク10:0
ランク9:10個未満
ランク8:11〜20個
ランク7:21〜30個
ランク6:31〜50個
ランク5:51〜100個
ランク4:101〜300個
ランク3:301〜600個
ランク2:601〜1,000個
ランク1:1,000個以上
(5)クリーニング不良
クリーニング性は、温度/湿度=10℃/15%RHの試験室において、A4サイズの全面黒ベタ画像を10枚連続で出力し、11枚目に全面白の画像をとった時に、白紙画像を通紙中に停止させ、クリーニング工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
○:ブランクとの差がなく、クリーニング性が極めて良好である。
△:ブランクとの差が0.02未満でクリーニング性が良好である。
×:ブランクとの差が0.02を超えるものでクリーニング性が不良である。
(6)現像剤汲み上げ量
現像スリーブ上での1cm当りの現像剤汲み上げ量を測定した。
(7)現像剤帯電量
トナー10部とフェライトキャリア100部を温度28℃、湿度80%の環境で10分間混合し充分に帯電させ、これを吸引型ブローオフ帯電量測定法を用いてキャリアの帯電量を測定した。キャリアとトナーの分離には400メッシュのサスフィルターを使用した。
〔実施例1〕
キャリアA(100部)に対して、トナーI(6.55部)を加えて、ボールミルで20分攪拌して、6.54wt%の現像剤を作製した。キャリアに対するトナーの被覆率は50%であり、現像剤帯電量は、−32μc/gであった。次に、前記現像条件のリコー製イマジオカラー4000を使用し、上述した測定評価方法により、画像品質の確認を行ったところ、画像濃度は1.63、粒状性のランクは7、地汚れはランク8、キャリア付着はランク9であり、実用上優れた特性評価が得られた。続いて、上述したクリーニング試験を実施すると、クリーニング不良がわずかに見られた。さらに、画像面積率6%の文字画像チャートで10万枚のランニング評価を行った。10万枚ランニング後に、地汚れを確認したところ、地汚れはランク7と良好なレベルであり、粒状性もランク7と初期と同じ値であり、高画質が維持されていた。
〔実施例2〕〜〔実施例14〕、〔比較例1〕
実施例2は、トナーとキャリアの組み合わせを変えて、被覆率50%の現像剤を作製し、実施例1と全く同様にして測定及び評価を行った。また、実施例3〜14及び比較例1についても同様に作製し、測定及び評価を行った。
実施例1〜14及び比較例1の測定結果、評価結果について表3及び表4に示す。
この表3、表4に示すように、実施例1〜14においては、実用上十分な画像品質が得られ、クリーニング試験による結果も実用上良好であった。また、10万枚ランニング後も長時間高画質が維持されることが確認された。
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
本発明に係るキャリア芯材粒子の製造方法を適用した本発明に係るキャリア芯材粒子の製造装置の一実施形態を示す概略構成図である。 同キャリア芯材粒子の製造装置の具体的適用の説明に供する要部説明図である。 キャリア芯材粒子製造装置の液滴噴射ユニットの説明に供する拡大説明図である。 図3を下側から見た底面説明図である。 同液滴噴射ユニットの液滴化手段の拡大断面説明図である。 比較例構成に係る液滴化手段の拡大断面説明図である。 同液滴噴射ユニットの液滴化手段による液滴化の動作原理の説明に供する薄膜の模式的説明図である(その1)。 同液滴噴射ユニットの液滴化手段による液滴化の動作原理の説明に供する薄膜の模式的説明図である(その2)。 同じく基本振動モードの説明に供する説明図である。 同じく第2次振動モードの説明に供する説明図である。 同じく第3次振動モードの説明に供する説明図である。 同じく薄膜の中央部に凸部を形成した場合の説明図である。 同じく液滴化手段による液滴化の動作原理に供する模式的説明図である(その1)。 同じく液滴化手段による液滴化の動作原理に供する模式的説明図である(その2)。 同実施形態に係るキャリア芯材粒子の製造装置の他の例の説明に供する概略構成図である。 本発明の実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。 振動オリフィス法による液滴化装置の概略構成図である。
符号の説明
1 キャリア芯材粒子の製造装置
2 液滴噴射ユニット
3 粒子形成部(溶媒除去部)
4 キャリア芯材粒子捕集部
5 チューブ
6 キャリア芯材粒子捕集部
7 原料収容部
8 配管
10 キャリア組成液
11 液滴化手段
12 貯留部
13 流路部材
15 ノズル
16 薄膜
16A 変形可能領域
16D、16E 凸形状部
17 電気機械変換手段(振動発生手段)
31 液滴
35 乾燥気体
42 気流(渦流)
43 除電手段
P キャリア芯材粒子
130 プロセスカートリッジ
131 感光体
132 帯電手段
133 現像部
134 クリーニング手段

Claims (14)

  1. キャリア芯材を構成する原料をスラリーにし、前記スラリーを噴霧して一次造粒物とする電子写真現像剤用キャリアの製造方法であって、
    複数のノズルが形成された薄膜、前記薄膜の変形可能な領域内の周囲に配されて前記薄膜を振動させる円環状の振動発生手段で構成され、前記薄膜の周辺部が前記薄膜の振動の節となるように前記薄膜の周辺部が固定された液滴化手段を用いて、
    少なくともキャリア芯材を構成する材料を、前記振動を主たる液滴化のエネルギーとし、前記複数のノズルから周期的に液滴化して放出させる周期的液滴化工程と、
    前記放出されたキャリア芯材の液滴を固化させてキャリア芯材を形成する粒子化工程と、を行い、
    前記ノズルの振動周波数が、20KHzから300KHzの範囲であり、
    得られたキャリア芯材を樹脂層で被覆することを特徴とする電子写真現像剤用キャリアの製造方法。
  2. 請求項1に記載の電子写真現像剤用キャリアの製造方法において、前記液滴化手段は、前記薄膜が前記液滴を放出させる方向に凸形状に形成されて、凸形状に形成された部分に前記複数のノズルが形成されているものであることを特徴とする電子写真現像剤用キャリアの製造方法。
  3. 請求項2に記載の電子写真現像剤用キャリアの製造方法において、前記ノズルを形成している薄膜は厚み5μmから100μmの金属板であり、かつ、ノズル開口径が10μmから50μmの範囲にあることを特徴とする電子写真現像剤用キャリアの製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアの製造方法によって製造された電子写真現像用キャリアであって、
    嵩密度が、2.15g/cm 〜2.70g/cm の範囲内であり、1,000エルステッドの磁界を印加したときにおけるキャリア芯材粒子の磁化が40emu/g〜150emu/gの範囲内にあることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
  5. 請求項4に記載の電子写真現像剤用キャリアにおいて、前記キャリア芯材は、MnMgSrフェライトからなることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
  6. 請求項4に記載の電子写真現像剤用キャリアにおいて、前記キャリア芯材は、Mnフェライトからなることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
  7. 請求項4に記載の電子写真現像剤用キャリアにおいて、前記キャリア芯材は、マグネタイトからなることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
  8. 請求項4ないし7のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアにおいて、前記樹脂層は、シリコーン樹脂からなることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
  9. 請求項8に記載の電子写真現像剤用キャリアにおいて、前記樹脂層は、アミノシランカップリング剤を含有することを特徴とする電子写真現像剤用キャリア。
  10. トナーとキャリアとからなり、前記キャリアは、請求項4ないし9のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアであることを特徴とする電子写真用現像剤。
  11. 請求項10に記載の電子写真用現像剤において、前記トナーによる前記キャリアの被覆率が50%のときの前記トナーの帯電量は、絶対値で15μc/g〜50μc/gの範囲内にあることを特徴とする電子写真用現像剤。
  12. 請求項10又は11に記載の電子写真用現像剤において、前記トナーの重量平均粒径は、3.0μm〜6.0μmの範囲内にあることを特徴とする電子写真用現像剤。
  13. 請求項10ないし12のいずれかに記載の電子写真用現像剤を用いて現像を行うことを特徴とする電子写真現像方法。
  14. 像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電させる帯電手段と、
    請求項10ないし12のいずれかに記載の電子写真用現像剤を収容する現像部と、
    前記像担持体の表面に残存する前記現像剤を払拭するクリーニング手段と
    を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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