[0033] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
[0034] − 放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
[0035] − パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
[0036] − 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
[0037] − パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
[0038] 照明システムは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組み合わせなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[0039] 支持構造MTはパターニングデバイスを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0040] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特別な機能層に相当する。
[0041] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0042] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なされる。
[0043] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0044] リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイス支持構造)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブル及び/又は支持構造を並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブル及び/又は支持構造を露光に使用している間に1つ又は複数のテーブル及び/又は支持構造で予備工程を実行することができる。
[0045] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0046] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するアジャスタAMを備えていてもよい。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調整し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0047] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターンが与えられる。放射ビームBはパターニングデバイスMAを通り抜けて、投影システムPSを通過し、これは、基板Wのターゲット部分C上にビームを集束する。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば放射ビームBの経路において様々なターゲット部分Cに位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサ(図1には明示されていない)を使用して、例えばマスクライブラリから機械的に検索した後に、又はスキャン中に、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般的に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアラインメントマークM1、M2及び基板アラインメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アラインメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に配置してもよい(スクライブラインアラインメントマークとして知られる)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアラインメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0048] 図示のリソグラフィ装置は以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0049] ステップモードにおいては、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静止露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静止露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0050] スキャンモードにおいては、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する(つまり単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
[0051] 別のモードでは、マスクテーブルMTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0052] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0053] 投影システムPSの最終要素と基板との間に液体を供給する構成はいわゆる局所液浸システムIHである。このシステムでは、液体が基板の局所領域にのみ提供される液体ハンドリングシステムが使用される。液体によって充填された空間は、基板の上面よりも平面視で小さく、液体が充填した領域は、投影システムPSに対して実質的に静止しているが、基板Wはその領域の下を移動する。図2から図5には、4つの異なるタイプの局所液体供給システムが図示されている。図2から図4に開示した液体供給システムは、以上で説明されている。
[0054] 図5は、液体閉じ込め構造12がある局所液体供給システムを概略的に示す。液体閉じ込め構造12は投影システムの最終要素と基板テーブルWT又は基板Wとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在する。(以下の文章で基板Wの表面に言及する場合、それは他に明記しない限り、追加的又は代替的に基板テーブルの表面も指すことに留意されたい。)液体閉じ込め構造12は、投影システムに対してXY面では実質的に静止しているが、Z方向(光軸の方向)には多少の相対運動があってよい。実施形態では、液体閉じ込め構造と基板Wの表面との間にシールが形成され、流体シールのような非接触シール、望ましくはガスシールとすることができる。
[0055] 液体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の液浸空間11内に液体を少なくとも部分的に閉じ込める。液体が基板Wの表面と投影システムPSの最終要素との間の空間内に閉じ込められるように、基板Wへの非接触封止16を投影システムの画像フィールドの周囲に形成することができる。液浸空間は、下に位置し、投影システムPSの最終要素を取り囲む液体閉じ込め構造12によって少なくとも部分的に形成される。液体は、液体入口13によって、投影システムの下の空間、及び液体閉じ込め構造12内に運び込まれる。液体は、液体出口13によって除去することができる。液体閉じ込め構造12は、投影システムの最終要素の少し上に延在することができる。液面は、最終要素より上に上昇し、液体のバッファが提供される。ある実施形態では、液体閉じ込め構造12は、上端で投影システム又はその最終要素の形状に正確に一致し、例えば、円形であってもよい内周を有する。底部で、内周は、画像フィールドの形状に正確に一致し、例えば、矩形であってもよいが、そうでなくてもよい。
[0056] ある実施形態では、液体は、使用時にバリア部材12の底部と基板Wの表面の間に形成されるガスシール16によって液浸空間内に封じ込められる。封止がないその他のタイプも可能である(例えば、オールウェットの実施形態で)。ガスシールは、例えば空気又は合成空気などの気体によって形成されるが、ある実施形態ではN2又は他の不活性ガスによって形成される。ガスシール内のガスは、圧力下で入口15を介して液体閉じ込め構造12と基板Wとの間のギャップに提供される。ガスは、出口14を介して抽出される。気体入口15の過剰圧力、出口14の真空レベル、及びギャップの幾何構造は、液体を閉じ込める内側への高速のガスフロー16が存在するように入口出口アレンジされる。液体閉じ込め構造12と基板Wとの間の液体にかかるガスの力が、液体を液浸空間11に封じ込める。入口/出口は、空間11を取り囲む環状の溝であってもよい。環状溝は、連続的であっても断続的であってもよい。ガスフロー16は、液体を空間11に封じ込めるのに有効である。このようなシステムが、米国特許出願第US2004−0207824号に開示されている。
[0057] 他の構成も可能であり、以下の説明から明らかなように、本発明のある実施形態は、いかなるタイプの局所液体供給システムも液体供給システムとして使用することができる。
[0058] 1つ又は複数の局所液体供給システムは、液体供給システムの一部と基板Wとの間を封止する。封止は、液体供給システムの一部と基板Wとの間の液体のメニスカスによって画定されてもよい。液体供給システムのその部分と基板Wとの相対的な動きによって封止、例えばメニスカスが破壊され、液体が漏れることがある。この問題は、高速スキャンでより重要になる。スループットが増加するため、スキャン速度を上げることが望ましい。
[0059] 図6は、液体供給システムの一部である液体閉じ込め構造12を示す。液体閉じ込め構造12は、液体閉じ込め構造(バリア部材又は封止部材と呼ばれることもある)が例えば全体形状として実質的に環状になるように、投影システムPSの最終要素の周辺部(例えば、周縁)の周りに、基板テーブルの上面に平行な、及び/又は光軸に垂直な平面にて延在する。すなわち、バリア部材は、最終光学(例えばレンズ)要素を密閉する。バリア部材は、環状でもリング状であってもよい。投影システムPSは円形でなくてもよく、液体閉じ込め構造12の外縁部もリング状でなくてもよいため、バリア部材がリング状である必要はない。液体閉じ込め構造はまた、投影ビームを投影システムPSの最終要素から放射できる開口を有する限り、他の形状であってもよい。開口は、中央にあってもよい。従って、露光時に、投影ビームは、液体閉じ込め構造の開口に閉じ込められた液体を通過して基板W上に到達できる。液体閉じ込め構造12は、例えば、実質的に矩形でもよく、また投影システムPSの最終要素の液体閉じ込め構造12の高さの形状と同じ形状でなくてもよい。
[0060] 液体閉じ込め構造12の機能は、投影ビームが液体を通過できるように、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間内に液体を少なくとも部分的に保持するか閉じ込めることである。この空間は、液浸空間として周知である。液体の上面は、単に液体閉じ込め構造12の存在によって閉じ込められている。空間内の液面は、液体が液体閉じ込め構造12の最上部からあふれないように維持されている。
[0061] 液浸液は、液体閉じ込め構造12(従って、バリア部材は流体ハンドリング構造と考えられる)によって空間11に提供される。液浸液の通路又はフロー経路は、液体閉じ込め構造12を通過する。フロー経路の一部はチャンバ26を含む。チャンバ26は、2つの側壁28、22を含む。液体は、第1の側壁28を通してチャンバ24からチャンバ26へ流れ、次に、第2の側壁22を通して空間11へ流れる。複数の出口20が液体を空間11に提供する。液体は、それぞれ側壁28、22の貫通穴29、20を通過して空間11に流入する。貫通穴20、29の場所は不規則であってもよい。
[0062] 液体閉じ込め構造12の底部と基板Wとの間に封止が提供される(この特徴はバリア部材が流体ハンドリング構造であるということを示す)。図6で、封止デバイスは、非接触封止を提供するように構成され、いくつかのコンポーネントからなる。投影システムPSの光軸から半径方向外側に、出口20から空間を横切る液浸液の実質的に平行なフローを維持する助けとなる、空間内に(しかし投影ビームの経路内にではなく)延在する(オプションの)フロー板50が提供される。フロー制御板は、投影システムPS及び/又は基板Wに対するバリア部材12の光軸の方向の動きへの抵抗を低減させる貫通穴55を備える。
[0063] 液体閉じ込め構造12の底面のフロー制御板50から半径方向外側に入口180がある。入口180は、基板への方向に液体を提供することができる。結像の間、これは、基板Wと基板テーブルWTとの間のギャップを液体で充填することで液浸液内の気泡の形成を防止するのに役立つ。
[0064] 入口180から半径方向外側に、液体閉じ込め構造12並びに基板W及び/又は基板テーブルWTとの間から液体を抽出する抽出器アセンブリ70がある。抽出器70は、以下に詳述するが、液体閉じ込め構造12と基板Wとの間に形成された非接触封止の一部を形成する。抽出器は、単相又は二相抽出器として動作できる。
[0065] 抽出器アセンブリ70から半径方向外側にくぼみ80がある。くぼみは、入口82を通して大気に接続されている。くぼみは、出口84を通して低圧力源に接続されている。入口82は、出口84に対して半径方向外側に位置していてもよい。くぼみ80から半径方向外側にガスナイフ90がある。抽出器、くぼみ及びガスナイフのある構成が、米国特許出願第US2006/0158627号に詳細に開示されている。しかし、その文書では抽出器アセンブリの構成は異なる。
[0066] 抽出器アセンブリ70は、米国特許出願第US2006−0038968号に開示された抽出器アセンブリのような液体除去デバイス又は抽出器又は入口を含む。その内容は参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする。任意のタイプの液体抽出器を使用することができる。ある実施形態では、液体除去デバイス70は、単一液相の液体抽出を可能にするためにガスから液体を分離するための多孔質の材料110で覆われた入口を含む。多孔質の材料100の下流にあるチャンバ120は、わずかに圧力がかかった状態に保たれ、液体で満たされている。チャンバ120内の加圧は、多孔質の材料の穴に形成されたメニスカスによって周囲ガスが液体除去デバイス70のチャンバ120内に引き込まれない程度の大きさである。しかし、多孔質の表面110が液体に接触すると、フローを制限するメニスカスは存在せず、液体は、液体除去デバイス100のチャンバ120内に自由に流入できる。多孔質の表面110は、液体閉じ込め構造12に沿って(また空間の周囲に)半径方向内側に延在する。多孔質の表面110を通る抽出速度は、多孔質の材料110のうちどの程度が液体によって覆われているかによって変わる。
[0067] 多孔質の材料110は、各々が寸法、例えば5〜50μmの範囲の直径dholeなどといった幅、を持つ多数の小さい孔を有する。多孔質の材料は、液体が除去される表面、例えば基板Wの表面上の50〜300μmの範囲の高さに維持できる。ある実施形態では、多孔質の材料110は、少なくともわずかに親液性であり、すなわち例えば水などの液浸液に対して90°未満、望ましくは85°未満、又は望ましくは80°未満の接触角を有する。
[0068] ガスが液体除去デバイス内に引き込まれることを防止することは常には可能ではないかもしれないが、多孔質の材料110は、振動を引き起こす可能性がある大量の不均一なフローを防止する。電気鋳造、フォトエッチング、及び/又はレーザカッティングで形成されるマイクロふるい(micro-seive)を多孔質の材料110として使用することができる。適したふるいは、オランダ、EerbeekのStork Veco B.V.製である。孔のサイズが使用時に受ける圧力差をメニスカスに与えるのに適している限り、他の多孔質の板又は多孔質の材料の中実ブロックも使用することができる。
[0069] 基板Wのスキャン中(その間基板は液体閉じ込め構造12と投影システムPSの下で移動する)、基板Wと液体閉じ込め構造12との間に延在するメニスカス115は、移動する基板によって印加される抵抗力によって光軸に向かって、又は光軸と逆方向に引かれる。これは、上述したように液体の蒸発、基板の冷却、そして結果的な収縮及びオーバーレイエラーをもたらし得る、液体の損失を引き起こすことができる。液滴とレジストの光化学との相互作用によって、液体の汚れが追加的に又は代替的に残されることがある。
[0070] 図6には具体的には示されていないが、液体供給システムは、液面の変動を処理する構成を有する。これは、投影システムPSと液体閉じ込め構造12との間に蓄積する液体が処理され、こぼれないためである。このような液体の蓄積は、下記のバリア部材12と投影システムPSとの間の相対的な動きの最中に発生する恐れがある。この液体に対処する1つの方法は、それが極めて大きいために、液体閉じ込め構造12と投影システムPSとの間の相対的な動きの間に液体閉じ込め構造12の周辺部(例えば、周縁)上でほとんど圧力勾配がないような液体閉じ込め構造12を提供することである。代替又は追加の構成では、例えば、抽出器70のような単相抽出器などの抽出器を用いて、液体閉じ込め構造12の最上部から液体を除去することができる。代替的又は追加的フィーチャは、疎液性(例えば、疎水性)コーティングである。このコーティングは、開口を取り囲む液体閉じ込め構造12の最上部の周囲及び/又は投影システムPSの最終光学要素の周囲に帯を形成することがある。コーティングは、投影システムの光軸から半径方向外側であってよい。疎液性(例えば、疎水性)コーティングは液浸液を空間内に保持するのを助ける。
[0071] 上記構造を有する液体閉じ込め構造12に関連して本発明のある実施形態について以下に説明する。しかし、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の液浸空間に液体を提供する別のタイプの任意の液体閉じ込め構造又は液体ハンドリングシステムを本発明の実施形態で適用することができることは言うまでもない。局所液浸リソグラフィ装置及びオールウェット構成の両方の液体閉じ込め構造又は流体ハンドリングシステムを本発明の実施形態で適用することができる。
[0072] 本発明のある実施形態は、蒸発する液滴によって引き起こされる最終光学要素上に形成される冷点の問題を解決するのを助けるように企図されている。本発明のある実施形態は、不要な熱負荷をa)液体閉じ込め構造(最終光学要素ほどは重要な問題ではないが)、及び/又はb)最終光学要素に与える可能性がある湿りガス空間200内の液滴205の蒸発を防止することができる。解決策は、投影システムPSの最終要素、液体閉じ込め構造12、及び液浸空間11の間の湿りガス空間200内に湿り環境を持つことである。湿りガスは、幅が3mm未満、望ましくは10μm未満のくびれ又はガスフロー制限部230によって保持される。実用的な幅は0.2〜0.3mmである。このガスフロー制限部は、漏れがある封止と考えることができる。すなわち、これは完璧な封止ではない。漏れがある封止は、それ故、最終要素の表面と液体閉じ込め構造12と最終要素の間の液浸空間11のメニスカス210とによって画定された湿りガス空間200内に湿り環境を保持する非接触封止である。
[0073] ガスフロー制限部230は、光軸に対し、加湿された容積の恩恵を最大限にするように配置されるのが望ましい。空間内の加湿されたガスは、制限部の半径方向外側のガスに対して閉じ込められる。すなわち、制限部外側のガスはガスフローに乗せられ得る。従って、可能な限り半径方向外側に遠くに制限部を配置することが有利である。これによって、液体閉じ込め構造12と投影システムの最終要素との間の容積の半径方向外側の部分を最小限にすることができる。しかし、これは、湿りガス空間200が大きすぎる場合スループットにおいてあり得る損失とのバランスをとらねばならず、湿りガス空間200内の平衡を達成するには時間がかかり、空間が大きければ大きいほどスキャンが開始する前に達成すべき平衡を達成するのにより長い時間がかかる。すべての実施形態に共通して、少なくとも投影システムの最終光学要素の下向きの表面全体が高い熱負荷から確実に保護されることが望ましい。従って、図6に示すように、ガスフロー制限部230は、投影システムの最終光学要素の半径方向外側の縁部235から半径方向外側に提供される。別の方法としては、フロー制限部、又は投影システムPS上の液滴の蒸発若しくは形成を防止する他の手段を、例えば図9に示すように、さらに半径方向外側に提供してもよい。ガスフロー制限部230又は図6〜図11のすべての実施形態の封止は、液体閉じ込め構造12と投影システムPSとの間に力の伝達が(実質的に)ないように配置することができ、図6〜図10の実施形態では、液体閉じ込め構造12と投影システムPSとの間の接触が(実質的に)ないように配置することができる。封止/制限部は、半径方向内側の雰囲気を半径方向外側の雰囲気から分離する。
[0074] 液浸液と接触する投影システムPSの最終光学要素の場合、蒸発によって光学要素の温度が変化し、光収差が発生することがある。使用することができる他の解決策は、蒸発を防止する1つ又は複数の疎液性層及び/又はガス(N2)の過剰圧力である。蒸発は、蒸発が生じている全光学部品を湿り容積内に配置することで回避することができる。米国特許出願第2006/0017894号で提案されている漏れがある封止は、液体閉じ込め構造12の領域内に加湿されたガスを閉じ込めるガスフロー制限部230として使用することができる。
[0075] 相対湿度の一定のしきい値より低い湿度で液浸液は蒸発する。例えば液滴などの液体の蒸発は、液体がある表面に熱負荷を加える。相対湿度の一定のしきい値又はそれより高い湿度で、蒸発は、停止しないまでも大幅に低減する。ガスは、液浸液の蒸気で飽和する。従って、冷点が蒸発によってそのような上に形成されている場合に光学的性能を低減させる全領域を湿りガス(流体の蒸発を回避することができる高さの相対湿度)によって確実に取り囲むことで、蒸発は低減又は抑止することができる。この容積は、液体閉じ込め構造12と投影システムPSの最終要素との間に漏れがある封止を使用することで閉じ込めることができる。従って、最終要素と液体閉じ込め構造12との間のギャップは、mmの数分の1(通常、〜0.3mm)まで閉鎖される。蒸発が回避されると温度オフセットが回避され、光収差が回避される。
[0076] 湿りガスによって、例えば、投影システムPS上の液滴の蒸発が防止されるため、湿りガスは絶縁体と考えることができる。すなわち、湿りガスの存在によって気化熱負荷が投影システムPSなどの該当する表面に印加されることが防止される。従って、湿りガスは、投影システムPS上(及び特に(液浸液と接触する)投影システムPSの最終光学要素上)などの該当する表面への絶縁効果を有する。従って、湿りガスは、投影システムPSと液体閉じ込めシステムとの間に存在する絶縁体である。
[0077] 図6で、湿りガス空間200は、投影システムPSの下方、液体閉じ込め構造12の上方に位置する。湿りガスは、湿りガス空間200内に封じ込めるか又は閉じ込めることができる。半径方向外側にて湿りガス空間200は液体閉じ込め構造12の一部220によって囲まれている。ガスフロー制限部230が、それによって液体閉じ込め構造12の部分220と投影システムPSの表面240との間に形成される。液体閉じ込め構造12の部分220の垂直な表面245は、投影システムの表面240に対向し、その表面の近くに配置されてガスフロー制限部230を画定する。
[0078] フロー制限部を形成する表面245、240は、実質的に垂直な表面である。これによって、例えば、液体閉じ込め構造12は、投影システムPSに対して光軸の方向(z方向)に動くことができる。
[0079] 投影システムPS、特に表面240の幾何構造及び液体閉じ込め構造12及び液体閉じ込め構造の表面245の幾何構造は、フロー制限部230のサイズが3mm未満、望ましくは2mm未満、望ましくは1mm未満、望ましくは0.5mm未満、望ましくは0.3mm未満、望ましくは0.2mm未満又は望ましくは0.1mm未満であるように調整される。フロー制限部230のサイズは、投影システム及び液体閉じ込め構造12のそれぞれ2つの表面240、245が離れている距離である。2つの表面240、245の重なりは、通常の使用時に(すなわち、スキャン中に)望ましくは少なくとも1mm、望ましくは少なくとも2mm、又は望ましくは少なくとも5mmである。重なりが長いほど、封止容積は大きい。
[0080] ガスフロー制限部は、閉じ込め構造12と投影システムPSとの間の非接触封止でよい。従って、液体閉じ込め構造と投影システムとの間に力の伝達は(実質的に)ない。また、これら2つの物体の間に垂直の動きはない。望ましくは、ガスフロー制限部は、ガスフローがガス制限部をほとんど通過しないように構成されている。望ましくは、フローは、半径方向外側に制限される。望ましくは、ガスフローは半径方向内側に制限される。液体閉じ込め構造12と投影システムPSとは接触していない。望ましくは、非接触封止によってガスフローは、ガス制限部230を通過できない。特に、ガス制限部を通る(光軸に対して)半径方向外側のガスフローは、実質的に阻止され、2つの幾分分離した雰囲気が生まれる。
[0081] 一実施形態では、液体閉じ込め構造12のオリフィス255を通して湿りガス空間200へガスを供給する湿りガス源250を提供することができる。それによって、湿りガスを湿りガス空間200内に補充できる。例えば、液体閉じ込め構造12には、湿りガス空間200からガスを取り出す開口があってもよい。開口は、液浸空間11から液体を除去する役割も果たす。この1つの利点は、存在するガスはすべて加湿されるため、流体除去システム内の蒸発が防止されることである。また、抽出されたガスは、湿りガス源250から湿りガス空間200に再度供給することができる。別の方法としては、この開口をガス抽出専用にして、1つ又は複数の別の開口を液浸空間11からの液体の除去のために提供することができる。
[0082] 図から分かるように、フロー制限部230は、投影システムPSと液体閉じ込め構造12との間の空間を湿りガスのための半径方向内側の空間(すなわち、湿りガス空間200)と、液体閉じ込め構造12及び投影システムPSの半径方向外側の外気に流体連通する半径方向外側の部分とに区画する。
[0083] 図7は、フロー制限部230が、液体閉じ込め構造12の一部220の上面265と投影システムPSの下向きの表面260との間に提供される別の実施形態を示す。従って、フロー制限部230を画定する両方の表面260、265は水平な表面である。フロー制限部230が水平な場合、ギャップは1〜4mmとなり得る。これによって、液体閉じ込め構造12と投影システムPSとの間の投影システムPSの光軸に実質的に垂直な方向の相対的な動きが可能になる。
[0084] 図8の別の実施形態では、投影システムPSの下向きの表面上に突起300が提供される。しかし、突起は垂直な表面上にあってもよい。突起は、液体閉じ込め構造12の表面285と相互に作用してその間にガスフロー制限部230を形成する下向きの表面280を有する。投影システムの最終要素の別の表面を用いてもよく、突起300を設けなくてもよい。
[0085] 図8に示す水平な表面の代わりに、又はそれに加えて、投影システムPS及び液体閉じ込め構造12の垂直な表面がガスフロー制限部230を形成するように図8の実施形態を変形してもよい。これによって、投影システムPSと液体閉じ込め構造12との間の光軸の方向の相対的な動きが可能な図6の実施形態と同じ利点が得られる。
[0086] 上記の各実施形態のフロー制限部230は、湿りガス空間200から流出するガスのフローを低減させる。それによって、流体ガス空間200内の雰囲気を湿潤に保って、普通は液体に覆われていない投影システムPSの最終要素の各部の上の液滴205の蒸発を回避することができる。従って、本発明のある実施形態は、投影システムPSと液体閉じ込め構造(液浸フード)との間に位置する光学要素絶縁体と考えることができる。本発明のある実施形態の効果は、投影システムの最終要素の表面上の液滴の蒸発によって光学要素への局所熱負荷の印加を防止することである。液滴は、最終要素上に形成できず、また蒸発できないため、この実施形態では、実際に投影システムがこのような局所熱負荷から断熱される。
[0087] 米国特許出願第2006/0017894号は、非接触封止を開示している。このような封止は、本発明のある実施形態では、フロー制限部230として提供することができる。ガスフロー制限部は、湿りガス空間200の半径方向外側の周囲雰囲気ガスと湿りガス空間200内の湿りガスとの間に拡散バリアを提供すると考えられる。これに関して、拡散バリアは、湿りガス空間200の湿りガスを周囲雰囲気と連通させる細長いガス通路又は、フロー制限部230によって形成される。
[0088] ガスフロー制限部230の寸法は、湿りガス空間200から湿りガスが逃げるのを妨害又は防止するように特に設計されている。周囲雰囲気の汚染を防止するため、ガス抽出器350をガスフロー制限部230の流出開口の近くに搭載して漏れた湿りガスを抽出することができる。これは、任意の実施形態に適用可能である。周囲雰囲気のガス圧が湿りガス空間200内の湿りガスの圧力と実質的に同じ場合、湿りガス空間200から湿りガスを離す駆動力はほとんど存在しない。
[0089] 図9は、本発明の別の実施形態を示す。図9の実施形態は、以下の点を除いて図6の実施形態と同じである。
[0090] 図9の実施形態では、液体閉じ込め構造12の突起として形成された部分220を備える代わりに、突起220aが投影システムPS上に形成されている。突起220aは、液体閉じ込め構造12の方へ下向きに延在する。突起220aの垂直な表面と液体閉じ込め構造12の垂直な表面との間にガスフロー制限部230が形成されている。図9の例では、使用される液体閉じ込め構造12の垂直な表面は、液体閉じ込め構造12の半径方向外側の縁部である。しかし、そうでなくてもよく、液体閉じ込め構造12上に部分220と同様の部分を形成して(例えば、図6に示すように)投影システムPSの突起220aとの間にガスフロー制限部230を画定してもよい。上記のように、図6の構成では、湿りガス空間200が投影システムPSの最終要素の縁部235まで突き出している。光学要素は、ビームPBが通過する要素で、望ましくは、ビームの特性を変更する要素である(すなわち、ビームPBに垂直な面内の平らな板ではない)。図9の実施形態では、湿りガス空間200は、投影システムPSの最終光学要素の縁部235より先へ半径方向外側に延在していることが分かる(図6に示すように)。しかし、そうでなくてもよい。同様に、図6の構成で、湿りガス空間200が投影システムPSの最終光学要素の縁部235より先へ半径方向外側に延在していてもよい。
[0091] 図10に別の実施形態を示す。図10の実施形態は、以下の点を除いて図6の実施形態と同じである。図10の実施形態では、投影システムPSと液体閉じ込め構造12との間にラビリンスシール(labyrinth seal)又はマルチシール(multiple seal)が形成される。ラビリンスシールは、それを通過する流体のフローの蛇行性の経路を提示する封止である。すなわち、流体は、ラビリンスシールを通過するために少なくとも2つ、望ましくは少なくとも3つの方向転換をしなければならない。ラビリンスシールの1つの部分は、上記の実施形態と同様に、ガスフロー制限部230を形成していてよい。ガスフロー制限部は、実質的に垂直な、及び/又は水平な表面で形成することができる。またガスフロー制限部は、投影システムと液体閉じ込め構造との間の動きの方向に実質的に垂直又は平行な表面で形成することもできる。
[0092] 図10に示すように、一実施形態では、ラビリンスシールは、投影システムPSから下向きに延在する1つの突起221と、液体閉じ込め構造12から上方に延在する2つの突起222、223とを含む。突起221、222、223は、ラビリンスシール(例えば、それを通過する流体のフローの蛇行性の経路を提示する封止)を形成するように構成されている。この実施形態では(その他のすべての実施形態でも可能であるが)、最小限のガスフローの容積又は実質的に静止したガスフローの容積がメニスカス210に隣接して形成される。最小限のガスフローの容積では、低速のガス速度が存在する。これは、メニスカス210付近でのガス速度は、メニスカス210から離れた場所より低速であることを意味する。これは、メニスカスの隣に形成される平衡への影響がないか又は影響が低減するため、周囲から差し引く/減算する必要がある蒸発エネルギーの量が低減することを意味する。このことは、メニスカス210から離れた位置よりもメニスカス210の近くの方が蒸発の力が低減するという利点を有する。最小限のガスフローの容積は、ラビリンスシールの半径方向内側のガス容積のリフレッシュ量が低減するため、ガス容積の相対湿度が上がるというマイナスの結果が生じる。最小限のガスフローの容積がなければ、ガス容積は、ガスナイフからのガスによってリフレッシュされるであろう。
[0093] 図6、図9、及び図10の実施形態は、図7及び図8の実施形態と比べて、ガスフロー制限部230の幅が図6、図9、及び図10の実施形態の投影システムPSに対して液体閉じ込め構造12のZ位置に依存しないという利点を有する。図6、図9、及び図10の実施形態では、ガスフロー制限部230の長さだけがZ位置に依存する。液体閉じ込め構造12のX−Y平面内の位置は、投影システムに対して実質的に固定されているが、Z軸方向のある程度の相対的な動きは可能である。
[0094] 図11は、本発明の別の実施形態を示す。図11は、投影システムPSと液体閉じ込め構造12との概略断面図である。液体閉じ込め構造12は、図6に示すような任意のタイプの液体閉じ込め構造であってよい。図11の実施形態は、以下の点を除いて図6の実施形態と同じである。
[0095] 図11の実施形態では、ガス空間200は、少なくとも部分的に泡700で満たされている。泡700は、液体閉じ込め構造12と投影システムPSとの間に垂直に延在する。泡700は、望ましくは、非固体の泡である。この結果、泡700を通して、投影システムPSと液体閉じ込め構造12との間に力の伝達は、実質的にない。泡700の半径方向内側に、液体のメニスカス210又は、メニスカス210が泡700に接触する前に湿りガス空間200を配置してもよい。
[0096] ある実施形態では、泡700は、ガスと液体の気泡とからなる。望ましくは、液体は石鹸又は油である。望ましくは、液体は、気泡を形成する傾向がある石鹸、界面活性剤、又は他の任意の界面活性物質であるかそれを含む。適した液体は、泡が液浸液に持ち去られることを防止するため、液浸液(超純水、高NA液など)との混和性がないか又はほとんどない。さらに、低い混和性の効果として、液浸液の純度への悪影響がない。例としては、高分子量及び/又は無極有機流体がある。
[0097] 泡700は、泡送り出しデバイス710によって提供することができる。液体閉じ込め構造12の開口712が泡供給デバイス710をガス空間200に接続し、泡700は、ガス空間200内に提供される。
[0098] 図示のように、泡700は、液体閉じ込め構造12と投影システムPSとの間に延在する液浸空間11内の液体のメニスカス210の位置まで存在する。泡700には、図6の実施形態のような投影システムPSなどから液浸液が蒸発することを防止する効果がある。泡は、泡がない時とは対照的に、蒸発を防止し/大幅に低減させる。泡の半径方向内側のガス空間は間接的に加湿され、湿りガス空間が生まれ蒸発が減少する。泡の気泡は、湿りガスを含み、湿りガス空間を提供する。図示の泡700は、実質的に投影システムPSの縁部235aまで延在する。縁部235aは、投影システムPSの全体の縁部か、又は投影システムPSの最終光学要素の縁部のいずれかである。
[0099] 泡の存在によって泡の層の反対側のガスと液浸液との自由な相互作用が有効に低減されるため、泡の存在は有益である。これによって、液浸液の蒸発とそれに関連する冷却効果は、低減されるか解消される。実際、泡700の内部の流体は、望ましくは、ゆっくりとしか蒸発しないか、又は全く蒸発しない。液浸液は、泡700を通過せず、泡700自体の液体は、液浸液よりも蒸発量が少ない。この結果、投影システムに印加される熱負荷は低減する。泡はガスを通過させる。
[00100] 従って、泡700は、図6〜図10の実施形態の湿りガスと同じように、投影システムPSと液体閉じ込め構造12との間の絶縁体と考えられることが理解されよう。代替的に又は追加的に、泡は非接触封止と考えられる。すなわち、泡は、ガス及び/又は液体の半径方向外側に泡を通過するのを妨害又は防止し、それによって、封止の役割を果たす。封止は、投影システムPSと液体閉じ込め構造12との間にほとんど力を伝達しないという点で非接触である。
[00101] 図12は、別の実施形態を示す。図12の実施形態は、以下の点を除いて図11の実施形態と同じである。
[00102] 図12の実施形態では、液浸液のメニスカス210が半径方向外側の方向(ここで記載するすべての半径方向は原点として投影システムPSの光軸を指す)に強制される。この結果、メニスカス210は、実質的に投影システムPSの半径方向外側の縁部235aに位置するか、少なくとも投影システムPSの最終光学要素の半径方向外側の縁部235aに位置する。こうして、投影システムPSの最終光学要素の表面と下向きに対向する表面から液浸液が蒸発することは不可能である。液浸液を投影システムの最終光学要素のその下向きの表面に接触させておくことで、下向きの表面からの液浸液の蒸発は効果的に防止される。従って、特に液浸液の比較的高い熱容量と低い熱伝導係数のために、液浸液自体が液体閉じ込め構造12から投影システムPSを遮断していることが分かる。
[00103] 液浸液を半径方向外側に強いるために、毛管力及び/又は1つ又は複数の親液性表面を使用することができる。例えば、投影システムPS及び液体閉じ込め構造12は互いに近くに位置してよく、2つのコンポーネントの間の毛管ギャップ820が形成されるように協働するような形状の底面と上面とをそれぞれ有していてよい。これは、液体を毛管作用で半径方向外側に駆動する効果がある。代替的に又は追加的に、液体閉じ込め構造12の上向きの表面800及び/又は投影システムPSの下向きの表面810は、液浸液が90°未満、望ましくは80、70、60、50、40、30、20又は10°未満の後退接触角を有する(すなわち親液性である)材料からなるか、コーティングを有していてよい。このような手段は、また、それらの表面が液浸液に関してその特性がなかった場合の結果と比較して、半径方向外側に液浸液を強いる効果を有する。
[00104] 図12に示すように、液体閉じ込め構造12及び投影システムPSの水平な表面だけが液浸液に対して親液性である。しかし、他の構成も可能である。例えば、水平な表面の一部だけが液浸液に対して親液性であってもよい。代替的に又は追加的に、図示の水平な表面の半径方向内側の投影システムPSの水平でない下向きの表面及び/又は液体閉じ込め構造12の水平でない上向きの表面を液浸液に対して親液性にしてもよい。望ましくは、少なくとも投影システムPSの縁部235a又は投影システムPSの最終光学要素までの表面の部分を液浸液に対して親液性にしてもよい。
[00105] 望ましくは、リソグラフィ装置は、液浸空間を取り囲み液浸空間の境界を少なくとも部分的に画定する表面を有するバリア部材を含む。望ましくは、バリア部材は、投影システムに対して実質的に静止している。望ましくは、液体閉じ込め構造は、液体を基板の上面の局所領域に閉じ込める。
[00106] 図6〜図11の実施形態を図12のモードと同様のモードで使用してもよい。すなわち、液浸空間11の液浸液のメニスカス210は、フロー制限部230の付近まで、又はその位置まで半径方向外側に延在することができる。メニスカス210は、フロー制限部230に固定してもよい。フロー制限部230は、投影システムの半径方向外側でも半径方向内側でもよく、又は投影システムの表面の縁部(投影システムも最終要素など)と一致していてもよい。この構成は、蒸発する液浸液との相互作用の結果としての調整されていない温度の変動に悪影響を受けることがある。ある実施形態では、液浸液は、最終要素などの投影システムPSの表面全体、例えば最終要素の下面と接触する。液浸液は、液浸液と相互に作用し、及び/又は接触する投影システムの表面の温度を維持するのを助ける。望ましくは、液浸システム内の投影システムの表面温度がそれによって調整される。液浸システムに接触することがある投影システムの表面温度の変動は、防止できないとしても、低減することができる。
[00107] 本明細書では、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について特に言及してきたが、本明細書に記載するリソグラフィ装置は、集積光システム、磁気ドメインメモリの案内及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造を含む他の用途を有することができることを理解されたい。当業者には明らかなように、そのような別の用途においては、本明細書で使用する「ウェーハ」又は「ダイ」という用語は、いずれも、それぞれより一般的な「基板」又は「ターゲット部分」という用語と同義であると考えてよい。本明細書に記載する基板は、露光の前又は後に、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、及び/又はインスペクションツール内で処理されてもよい。本明細書中の開示内容を、適宜、上記の基板処理ツール及び他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、基板は、例えば、多層ICを作成するために、複数回処理できるので、本明細書で使用する基板という用語は、すでに多重処理層を含む基板を指すこともできる。
[00108] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を包含する。
[00109] 「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折及び反射光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか1つ又は組合せを指すことができる。
[00110] 以上、本発明の特定の実施形態について説明してきたが、本発明は上記とは異なる方法で実施することができることを理解されたい。例えば、本発明の各実施形態は、上記の方法を記述するマシン可読命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はそのようなコンピュータプログラムを記憶したデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。さらに、マシン可読命令は、複数のコンピュータプログラムに具体化することができる。複数のコンピュータプログラムは、1つ又は複数の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に記憶することができる。
[00111] 上記のコントローラは、信号を受信し、処理し、送信するのに適した任意の構成を有することができる。例えば、各コントローラは、上記の方法のためのマシン可読命令を含むコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。コントローラは、このようなコンピュータプログラムを記憶するデータ記憶媒体、及び/又はこのような媒体を収容するハードウェアを含むことができる。
[00112] 本発明の1つ又は複数の実施形態は、液浸液が浴槽の形態で提供されるか、基板の局所表面領域のみに提供されるか、又は基板及び/又は基板テーブル上に閉じ込められていないかに関わらず、任意の液浸リソグラフィ装置、特に、これに限定はされないが、上記のタイプに適用することができる。非閉じ込め構成では、液浸液は、基板及び/又は基板テーブル上を流れることができ、基板テーブル及び/又は基板の露出した表面の実質的に全体が湿っている。このような非閉じ込め液浸システムでは、液体供給システムは、液浸液を閉じ込めないか、又は液浸液を一部閉じ込めることはあるが、液浸液を実質的に完全に閉じ込めることはない。
[00113] 本明細書に記載する液体供給システムは、広義に解釈しなければならない。ある実施形態では、液体供給システムは、液体を投影システムと基板及び/又は基板テーブルとの間の空間に提供する機構又は構造の組み合わせである。液体供給システムは、1つ又は複数の構造の組み合わせ、1つ又は複数の液体入口、1つ又は複数のガス入口、1つ又は複数のガス出口、及び/又は液体を空間に提供する1つ又は複数の液体出口を含むことができる。ある実施形態では、空間の表面は基板及び/又は基板テーブルの一部であってよく、又は空間の表面は基板及び/又は基板テーブルの表面を完全に覆っていてよく、又は空間は基板及び/又は基板テーブルを覆っていてよい。液体供給システムは、オプションとして液体の位置、量、質、形状、流速又は他の任意の特徴部を制御する1つ又は複数の要素をさらに含んでいてもよい。
[00114] さらに、本発明を一定の実施形態及び実施例に関して開示してきたが、本発明は具体的な開示された実施形態を超えて本発明の他の代替実施形態及び/又は使用に適用することができ、当業者であれば、本発明の自明の変形形態及び等価物が可能であることは明らかであろう。さらに、本発明のいくつかの変形形態を図示し、詳述してきたが、当業者は、本開示に基づいて本発明の範囲内である他の変形形態を直ちに思い付くであろう。例えば、各実施形態の特定の特徴と態様の様々な組み合わせ又は下位の組み合わせが可能であり、本発明の範囲内である。従って、開示された実施形態の様々な特徴及び態様を互いに組み合わせ、又は代用して開示された発明の様々なモードを形成することができることを理解されたい。従って、本明細書に開示された本発明の範囲は、上記開示された特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲を正しく読むことで決定されなければならない。
[00115] 上記の説明は例示的であって限定的ではない。従って、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、本発明を様々に変更できることは当業者には明らかであろう。
[00116] ある実施形態では、リソグラフィ装置は、投影システムと、投影システム、液体閉じ込め構造並びに基板及び/又は基板テーブルによって画定された液浸空間に少なくとも部分的に液浸液を閉じ込めるように構成された液体閉じ込め構造とを含むことができる。投影システム、液体閉じ込め構造及び液浸空間内の液浸液の間に湿りガス空間を画定することができ、湿りガス空間は、湿りガスを閉じ込めるように構成されている。リソグラフィ装置は、湿りガス空間から半径方向外側に位置するガスフロー制限部をさらに含む。
[00117] ガス制限部は、外気及び湿りガス空間と流体連通する。ガスフロー制限部は、液体閉じ込め構造と投影システムとの間の非接触封止であってよく、ガス制限部を通るガスフローを実質的に妨害するように構成することができる。非接触封止は、ガスフローがガス制限部を通過することを防止する。ガスフロー制限部は、装置の光軸に対して、ガスフローがガス制限部を通して半径方向外側に流れることを妨害するように構成することができる。
[00118] ガスフロー制限部は、投影システムと液体閉じ込め構造との間の空間を半径方向内側の湿りガス空間と外気と流体連通する半径方向外側の部分とに区画する。ガスフロー制限部は、投影システムの実質的に水平な表面と液体閉じ込め構造の実質的に水平な表面との間に形成することができる。ガスフロー制限部は、投影システムの実質的に垂直な表面と液体閉じ込め構造の実質的に垂直な表面との間に形成することができる。
[00119] 投影システム上に突起を形成して投影システムの実質的に垂直な表面を画定することができる。液体閉じ込め構造上に突起を形成して液体閉じ込め構造の実質的に垂直な表面を画定することができる。
[00120] ガスフロー制限部は、投影システムと液体閉じ込め構造との間の3mm未満、2mm未満、1mm又は0.5mm又は0.3mm又は0.2mm又は0.1mm未満のギャップであってよい。ガスフロー制限部は、ラビリンスシール(labyrinth seal)を含むことができる。ラビリンスシールは、液体閉じ込め構造と投影システムとの間に延在するメニスカスに隣接するデッドボリューム(dead volume)を画定することができる。デッドボリュームがあることで、メニスカス付近のガス速度はメニスカスの半径方向外側の位置と比べて遅くなる。
[00121] ある実施形態では、リソグラフィ装置は、湿りガス空間に湿りガスを提供するように構成された湿りガス源を備えることができる。
[00122] 使用時に、液体閉じ込め構造によって、液体は、液浸空間から半径方向外側に基板上面を流れる。液体閉じ込め構造は、基板との非接触封止を形成して液体を液浸空間に閉じ込めるフィーチャを含む。液体閉じ込め構造と投影システムは、接触していなくてもよい。ある実施形態では、液体閉じ込め構造の表面と投影システムの表面との間に配置されたガスフロー制限部を画定する部材はない。
[00123] 湿りガス空間は、投影システムと液体閉じ込め構造との間に延在するメニスカスの半径方向外側の位置にあってもよい。
[00124] ある実施形態では、リソグラフィ装置は、湿りガスを閉じ込める非接触封止をさらに含むことができる。非接触封止は、泡を含むことができる。湿りガス空間は、少なくとも部分的に泡で満たされてよい。泡は、液体閉じ込め構造と投影システムとの間に延在することができ、液体の泡でもよい。泡は、気泡を形成する傾向がある石鹸、又は油、又は界面活性剤、又は他の任意の界面活性物質であるか、あるいはそれを含むことができる。
[00125] ある実施形態では、湿りガス空間は、投影システムの最終光学要素の実質的に半径方向外側の縁部まで延在することができる。
[00126] ある実施形態では、液浸リソグラフィ装置内の投影システムの最終要素上の液滴の蒸発負荷を低減させる方法が提供される。液体閉じ込め構造は、投影システム、液体閉じ込め構造並びに基板及び/又は基板テーブルによって画定された液浸空間に少なくとも部分的に液浸液を閉じ込めるように構成することができる。この方法は、投影システム、液体閉じ込め構造及び液浸空間内の液浸液の間に画定された湿りガス空間内に加湿されたガスを閉じ込めるステップを含むことができる。この方法は、外気及び湿りガス空間と流体連通するガスフロー制限部を用いて湿りガス空間から流出した湿りガスのフローを規制するステップをさらに含むことができる。
[00127] 湿りガスのフローを規制するステップは、ガスフロー制限部を通過するガスフローが実質的に妨害されるように、液体閉じ込め構造と投影システムとの間の非接触封止を用いて達成できる。ガスフロー制限部を通るガスフローは、非接触封止を用いて防止することができる。
[00128] この方法は、装置の光軸に対して半径方向外側のガスのフローをガスフロー制限部を用いて防止するステップをさらに含むことができる。ガスフロー制限部は、投影システムと液体閉じ込め構造との間の空間を湿りガスのための半径方向内側の空間と、外気と流体連通する半径方向外側の部分とに区画することができる。
[00129] ガスフロー制限部は、投影システムの実質的に水平な表面と液体閉じ込め構造の実質的に水平な表面との間に形成することができる。
[00130] ガスフロー制限部は、投影システムの実質的に垂直な表面と液体閉じ込め構造の実質的に垂直な表面との間に形成することができる。投影システム上に突起を形成して投影システムの実質的に垂直な表面を画定することができる。液体閉じ込め構造上に突起を形成して液体閉じ込め構造の実質的に垂直な表面を画定することができる。
[00131] ガスフロー制限部は、投影システムと液体閉じ込め構造との間の3mm未満、2mm未満、1mm又は0.5mm又は0.3mm又は0.2mm又は0.1mm未満のギャップでよい。ガスフロー制限部は、ラビリンスシールを含むことができる。ラビリンスシールは、液体閉じ込め構造と投影システムとの間に延在するメニスカスに隣接するデッドボリュームを画定することができる。デッドボリュームがあることで、メニスカス付近のガス速度は、メニスカスの半径方向外側の位置と比べて遅くなる。
[00132] この方法は、湿りガス源から湿りガス空間に湿りガスを提供するステップをさらに含むことができる。使用時に、液体閉じ込め構造によって液体は、液浸空間から半径方向外側に基板上面を流れる。
[00133] 液体閉じ込め構造は、基板との非接触封止を形成して液体を液浸空間に閉じ込めるフィーチャを含む。液体閉じ込め構造と投影システムは接触していなくてもよい。
[00134] 湿りガス空間は、投影システムと液体閉じ込め構造との間に延在するメニスカスの半径方向外側の位置にあってよい。湿りガスの閉じ込めは、非接触封止を用いて達成できる。非接触封止は、泡を含むことができる。
[00135] この方法は、湿りガス空間を泡で部分的に満たすステップをさらに含むことができる。泡は、液体閉じ込め構造と投影システムとの間に延在することができる。泡は、液体の泡でもよい。泡は、気泡を形成する傾向がある石鹸、又は油、又は界面活性剤、又は他の任意の界面活性物質であるか、あるいはそれを含むことができる。
[00136] ある実施形態では、リソグラフィ装置は、投影システムと、該投影システム、液体閉じ込め構造、並びに基板及び/又は基板テーブルによって画定された液浸空間に少なくとも部分的に液浸液を閉じ込める液体閉じ込め構造とを含むことができる。リソグラフィ装置は、液浸液を半径方向外側に且つ投影システムの最終光学要素の下向きの表面と接触するように強いる構造をさらに含むことができる。この構造は、液浸液が90°未満、望ましくは80、70、60、50、40、30、20又は10°未満の後退接触角を有する表面を含むことができる。表面は、投影システムの表面及び/又は液体閉じ込め構造の表面であってよい。表面は、少なくとも投影システムの最終光学要素の表面を含む。
[00137] この構造は、望ましくは、液体閉じ込め構造の上向きの表面と投影システムの最終光学要素の下向きの表面との間に発生する毛管作用によって液浸液を強制するように構成することができる。
[00138] ある実施形態では、液体閉じ込め構造により投影システム、液体閉じ込め構造、並びに基板及び/又は基板テーブルによって画定された液浸空間に少なくとも部分的に液浸液を閉じ込める液浸リソグラフィ装置における投影システム上の蒸発負荷を低減させる方法が提供される。この方法は、液浸液を半径方向外側に且つ投影システムの最終光学要素の下向きの表面と接触するように強いるステップをさらに含むことができる。
[00139] ある実施形態では、リソグラフィ装置は、投影システムと液体閉じ込め構造との間に配置された光学要素絶縁体を含む。絶縁体は、液浸液を含むことができる。絶縁体は、泡を含むことができる。絶縁体は、湿りガスを含むことができる。絶縁体は、実質的に投影システムの最終要素の半径方向外側の縁部まで延在することができる。