JP5432244B2 - 防音カバー及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、防音カバーとその製造方法とに係り、特に、カバー本体の裏面に、ウレタン発泡体からなる吸音層が一体形成されてなる防音カバーの改良と、そのような防音カバーを有利に製造する方法とに関する。
従来から、様々な騒音源の多くのものには、騒音の外部への漏れを防止するために、防音カバーが取り付けられている。例えば、自動車のエンジン等においては、シリンダヘッドカバーの上に、エンジン内で生ずる騒音の漏れ防止のための防音カバーが、更に取り付けられる場合がある。
このような防音カバーには、各種の構造を有するものがあり、その中の一種として、硬質の樹脂成形体からなるカバー本体の裏面に、ウレタン発泡体にて構成された吸音層が固着されてなるものがある(例えば、下記特許文献1参照)。この吸音層付き防音カバーを製造する際には、成形型の成形キャビティ内に、別途に成形されたカバー本体を収容した状態下で、カバー本体の裏側に位置する成形キャビティ部分内にウレタン樹脂組成物を充填して、発泡成形することにより、カバー本体の裏面に、ウレタン発泡体からなる吸音層を一体形成する手法が、好適に採用される。そうすれば、吸音層の形状自由度が有利に高められ得るからである。
ところで、自動車のエンジンのシリンダヘッドカバー上に取り付けられる防音カバー等の周囲には、エンジンに固定されるべき各種の部品や部材等が存在するが、これらの部品や部材は、一般に、ブラケット等を介して、シリンダヘッドカバーに取り付けられている。即ち、従来のシリンダヘッドカバーの多くのものには、筒状のボス部が一体形成されており、このボス部が、防音カバーに設けられた貫通孔を通じて、防音カバーの上方に突出して配置されている。そして、防音カバー上に位置する部品や部材が固定されたブラケットが、ボス部内に挿入されたボルトにて、シリンダヘッドカバーに取り付けられているのである。
ところが、そのように、防音カバーに対して、ボス部を挿通するための貫通孔が設けられていると、貫通孔の内周面とボス部の外周面との間に生ずる隙間から音が漏れ出すようになる。そのため、貫通孔を有する従来の防音カバーでは、貫通孔からの音漏れによる防音性能の低下が問題となっていた。
なお、防音カバーの貫通孔からの音の漏出を防止するには、ブラケット等をネジ止めやボルト止めするためのナット部材を、防音カバーのカバー本体に対して、座面がカバー本体の表面側に露呈されるように、換言すれば、ネジ孔がカバー本体の表面において開口するように埋設して、貫通孔を省略することが、考えられる。
しかしながら、上記の好適手法によって製造される防音カバー、つまり、ウレタン発泡体からなる吸音層が、カバー本体を収容した成形型内でのウレタン樹脂組成物の発泡成形により、カバー本体の裏面に一体形成されてなる防音カバーに対してナット部材を埋設する場合には、以下の如き問題を生ずる可能性があった。
すなわち、カバー部材のカバー本体に埋設されるナット部材には、通常、経済性等を考慮して、軸方向両側に開口するネジ孔を備えたナット部材が使用される。そのため、そのようなナット部材が埋設されたカバー本体を成形キャビティ内に収容して、ウレタン樹脂組成物の発泡成形を行う際に、成形キャビティ内を流動するウレタン樹脂組成物が、ナット部材のネジ孔内に、座面側とは反対側の端面の開口部から侵入する恐れがあった。そして、そうなったときには、ネジ孔内で固化したウレタン発泡体により、ナット部材に対するネジやボルト等の締結が困難となる事態が生ずることが懸念されるのである。
特開2003−50585号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、ウレタン発泡体からなる吸音層が、カバー本体を収容した成形型内でのウレタン樹脂組成物の発泡成形により、カバー本体の裏面に一体形成されてなる防音カバーにおいて、優れた防音性能を十分に維持しつつ、カバー本体に対して、他部材が、螺合構造により確実に取り付けられ得るように改良された構造を提供することにある。また、本発明にあっては、そのような改良構造を有する防音カバーを有利に製造する方法を提供することも、その解決課題とするところである。
本発明は、上記した課題、又は本明細書全体の記載や図面から把握される課題を解決するために、以下に列挙する各種の態様において、好適に実施され得るものである。また、以下に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいても、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載並びに図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
そして、本発明にあっては、防音カバーに係る課題の解決のために、カバー本体と、該カバー本体の裏面に固着された吸音層とを有しており、該カバー本体が、硬質の樹脂成形体からなる一方、該吸音層が、該カバー本体を収容した成形型内でのウレタン樹脂組成物の発泡成形により、該カバー本体の裏面側に一体形成されたウレタン発泡体からなる防音カバーにおいて、軸方向両側に開口するネジ孔を備えたナット部材が、軸方向一方側の座面を該カバー本体の表面に露呈させて、軸方向一方側のネジ孔開口部を前記カバー本体の表面において開口させた状態で、該カバー本体に埋設されていると共に、該ナット部材の軸方向他方側のネジ孔開口部が、該カバー本体に一体形成された閉塞部にて閉塞されていることを特徴とする防音カバーを、その要旨とするものである。
なお、カバー本体に埋設されるナット部材の全体形状は、特に限定されるものではない。また、ナット部材をカバー本体に埋設する方法としては、ナット部材をインサート品として用いたインサート成形を実施することにより、カバー本体の成形と同時に、ナット部材をカバー本体に埋設する方法が、有利に採用され得る。その他、カバー部材を熱可塑性樹脂材料を用いて成形した後、カバー部材を部分的に加熱し、可塑化状態と為し、その可塑化された部分にナット部材を押し込んで、埋め込む方法や、加熱したナット部材を、熱可塑性樹脂からなるカバー部材に押し付けて、カバー部材を部分的に可塑化させつつ、その可塑化部分に、ナット部材を埋め込む方法も、採用可能である。更には、カバー部材に、ナット部材が収容可能な凹部を設け、この凹部内にナット部材を収容して、固着することにより、ナット部材をカバー本体に埋め込む方法を採用することも出来る。
本発明に従う防音カバーの好ましい態様の一つによれば、前記ナット部材の前記座面を含む軸方向一端部が、前記カバー本体の表面から突出する構成が採用される。
本発明に従う防音カバーの有利な態様の一つによれば、前記カバー本体の表面に、該カバー本体への前記ナット部材の埋設部分の高さよりも大きな高さを有するボス部が一体的に突設されて、該ボス部に対して、該ナット部材が、前記座面を該ボス部の突出先端面側に露呈させた状態で埋設されていると共に、前記閉塞部が、該ボス部の基端部にて構成される。
本発明に従う防音カバーの望ましい態様の一つによれば、前記ナット部材の前記座面の周囲に位置する前記カバー本体の表面部分に、該ナット部材の座面の周方向に延びる環状凸部が一体形成される。
カバー本体の表面に形成される環状凸部は、ナット部材の座面の周囲を取り囲み得るものであれば、その全体形状が、何等限定されるものではない。カバー本体に埋設されるナット部材の個数は、何等限定されるものではないが、カバー本体に、複数のナット部材が埋設される場合には、環状凸部が、それら複数のナット部材の座面を、それぞれ別個に取り囲むように複数形成されていても良く、或いは、環状凸部が、複数のナット部材の座面の全てを取り囲むように、一つだけ形成されていても良い。また、環状凸部をカバー本体の表面に形成する場合には、カバー本体の表面側に露呈されるナット部材の座面の高さ位置が、環状凸部の突出先端部位よりも高い位置に設定されることが、望ましい。
本発明に従う防音カバーの別の好適な態様の一つによれば、前記ナット部材が、前記カバー本体よりも硬質で、且つ該ナット部材に締結される締結部材の軸力により軸方向に縮小しつつ、拡径する材料を用いて形成されると共に、該ナット部材の外周面に食い込み突起が形成されて、該ナット部材が該締結部材の軸力により拡径したときに、該食い込み突起が、該ナット部材を埋設する該カバー本体の穴部の内周面に食い込むように構成されることとなる。
このような構成を採用する場合にあっても、好ましくは、カバー本体の表面に露呈するナット部材の座面の高さ位置が、環状凸部の突出先端部位よりも高い位置に設定される。その際には、ナット部材の座面と環状凸部の突出先端部位との高さの差が、ボルト部材の軸力によるナット部材の縮小量よりも大なる大きさとされていることが、望ましい。
本発明に従う防音カバーにおいて、ナット部材の外周面に食い込み突起が形成される場合には、有利には、食い込み突起が、前記ナット部材の軸方向一端部側の外周面に、螺旋を描いて周方向に延びるように形成された第一の螺旋状食い込み凸条と、該ナット部材の軸方向他端部側の外周面に、該第一の螺旋状食い込み凸条とは逆方向の螺旋を描いて周方向に延びるように形成された第二の螺旋状食い込み凸条とにて構成される。
そして、本発明にあっては、防音カバーの製造方法に係る課題の解決のために、上記した防音カバーの製造方法であって、(a)前記カバー本体に対応した形状の第一の成形キャビティを有する第一の成形型と、前記ナット部材に締結可能で、且つ該第一の成形型とは別個の独立した部材からなるダミーボルトと、該ダミーボルトを吸着して、該第一の成形型に保持させる吸着手段とを準備する工程と、(b)前記ダミーボルトに前記ナット部材を締結すると共に、該ナット部材の全体又は前記座面を含む軸方向一端部以外の部位が、前記第一の成形キャビティを形成する第一のキャビティ面から該第一の成形キャビティ内に突出して配置されるように、該ダミーボルトを、該第一の成形型に対して、前記吸着手段により吸着させて、保持せしめた後、溶融樹脂を該第一の成形キャビティ内に射出充填して、固化させることにより、前記カバー本体を該第一の成形キャビティ内で形成すると共に、前記ナット部材を該カバー本体に埋設し、更に、前記閉塞部を該カバー本体に一体形成する工程と、(c)前記第一の成形キャビティ内で前記カバー本体が形成された前記第一の成形型を型開きすると共に、かかる型開き時に、前記吸着手段の吸着による前記ダミーボルトの該第一の成形型への保持状態が解除されることにより、該カバー本体と該ダミーボルトとを該第一の成形型から一緒に取り出した後、該カバー本体に埋設された前記ナット部材から該ダミーボルトを取り外す工程と、(d)前記吸音層に対応した形状の第二の成形キャビティを有する第二の成形型を用い、前記カバー本体を該第二の成形キャビティ内に収容した後、前記ウレタン樹脂組成物を、該第二の成形キャビティにおける該カバー本体の裏面側の部分に充填して、該ウレタン樹脂組成物の発泡成形を行うことにより、前記ウレタン発泡体からなる吸音層を該カバー本体の裏面側に一体形成する工程とを含むことを特徴とする防音カバーの製造方法をも、その要旨とするものである。
本発明に従う防音カバーの製造方法の有利な態様の一つによれば、前記ナット部材が、前記ダミーボルトのボルト脚部に対して、前記軸方向一方側の座面とは反対側の端面(軸方向他方側の座面)を該ボルト脚部の先端面と実質的に面一と為すように螺合されて、該ダミーボルトに該ナット部材が締結されると共に、該ナット部材が締結された該ダミーボルトが前記第一の成形型に保持された状態下で、前記成形キャビティ内における該ダミーボルトのボルト脚部の先端側に、前記閉塞部を成形するための閉塞部成形キャビティ部分が形成されるように構成される。
なお、ここで言う「ナット部材の座面とは反対側の端面と、ダミーボルトのボルト脚部の先端面とを面一と為す」とは、(A)ナット部材の端面とボルト脚部の先端面とを完全に面一と為したものと、(B)ボルト脚部の先端部位が、ナット部材のネジ孔の開口部からネジ孔内に僅かに引き込まれるか、又はボルト脚部の先端部位が、ナット部材のネジ孔の開口部から僅かに突出して、ボルト脚部の先端面とナット部材の端面との間に僅かな段差が存在するものの、それらを実質的に面一としたと判断し得る状態に為したものとを含むものとする。
本発明に従う防音カバーの製造方法の好ましい態様の一つによれば、前記ナット部材の全体又は前記座面を含む軸方向一端部以外の部位が前記第一の成形キャビティ内に突出する前記第一のキャビティ面部分に、該第一の成形キャビティ内への該ナット部材の突出高さよりも大きな深さを有する凹所が設けられて、前記ダミーボルトに締結された該ナット部材の全体又は軸方向一端部以外の部位が、該凹所の底面から該凹所内に突出して配置されると共に、該凹所の開口側部分にて、前記閉塞部を成形するための閉塞部成形キャビティ部分が形成されるように構成される。
本発明に従う防音カバーの製造方法の望ましい態様の一つによれば、前記ナット部材が前記第一の成形キャビティ内に配置された状態下で、該第一の成形キャビティ内への該ナット部材の突出部分の周囲に位置する該第一のキャビティ面部分に、該ナット部材の突出部分の周方向に延びる環状凹溝が形成されており、前記溶融樹脂が該第一の成形キャビティ内に射出充填されて、固化されることによって、該第一の成形キャビティ内で、前記カバー本体が、該ナット部材を埋設して形成されると共に、該ナット部材の前記座面の周囲に位置する該カバー本体の表面部分に、該ナット部材の座面の周方向に延びる環状凸部が一体形成され、その後、該カバー本体が、該環状凸部の先端部位を前記第二の成形型の第二の成形キャビティ面に接触させた状態で、前記第二の成形キャビティ内に収容された後、該第二の成形キャビティ内での前記ウレタン樹脂組成物の発泡成形が行われるように構成される。
本発明に従う防音カバーの製造方法の有利な態様の一つによれば、前記ダミーボルトが、強磁性体材料からなると共に、前記吸着手段が、前記第一の成形型に固定された永久磁石にて構成されて、該ダミーボルトが、該永久磁石の吸引力に基づいて、該吸着手段により吸着されることによって、該第一の成形型に保持される一方、該第一の成形型の型開き時に、前記カバー本体が、該永久磁石の該ダミーボルトに対する吸引力よりも大きな力で前記第一のキャビティ面から離型されることによって、該吸着手段の吸着による前記ダミーボルトの該第一の成形型への保持状態が解除されるように構成されることとなる。
吸着手段は、永久磁石以外に、電磁石にて構成されていても良く、或いは空気を吸引するバキューム装置(負圧発生装置)にて構成されていても良い。それら電磁石やバキューム装置にて吸着手段が構成される場合には、例えば、第一の成形型の型開き時に、電磁石への給電を停止したり、或いはバキューム装置の作動を停止したりすることによって、吸着手段の吸着によるダミーボルトの第一の成形型への保持状態が解除されることとなる。
本発明に従う防音カバーの製造方法の別の好適な態様の一つによれば、前記ナット部材の前記座面を含む軸方向一端部と、該ナット部材に締結された前記ダミーボルトの該座面からの突出部分とを収容する収容凹部が、前記第一のキャビティ面に設けられ、該ナット部材の座面が、該収容凹部内において、該環状凹溝の底面よりも深い位置に配置された状態で、該ダミーボルトが前記第一の成形型に保持されることとなる。
すなわち、本発明に従う防音カバーにおいては、防音カバーにて覆われる物品に取り付けられるべき部品や部材が、カバー本体に埋設されたナット部材へのねじ止めやボルト止め等によって、カバー本体に対して確実に取り付けられ得る。それ故、従来の防音カバーとは異なって、防音カバーにて覆われる物品に設けられるボス部を挿通させるための貫通孔が、有利に省略される。それにより、かかる貫通孔の内周面とボス部の外周面との間の隙間からの音の漏出が、効果的に解消され得る。しかも、カバー本体に埋設されるナット部材として、軸方向両側に開口するネジ孔を備えた安価なナット部材が使用されていることによる経済的メリットも確保され得る。
また、本発明に従う防音カバーでは、ナット部材の軸方向両側のネジ孔開口部のうち、カバー本体の裏面側に位置するネジ孔開口部が、カバー本体に一体形成された閉塞部にて閉塞されている。これにより、カバー本体裏面への吸音層の一体形成時において、ウレタン樹脂組成物が、ナット部材のネジ孔内に、カバー本体裏面側のネジ孔開口部から浸入することが効果的に阻止され得る。その結果、ネジ孔内で固化したウレタン発泡体により、ナット部材に対するネジやボルト等の締結が困難となる事態が生ずることが、未然に防止され得る。
従って、本発明に従う防音カバーにあっては、優れた防音性能が十分に確保され得ると共に、カバー本体に対して、他部材が、螺合構造により確実に取り付けられ得ることとなるのである。
そして、本発明に従う防音カバーの製造方法においては、ナット部材が、成形型とは別個の独立した部材からなるダミーボルトに締結されて、かかるダミーボルトを介して、第一の成形型に吸着、保持される。そして、その状態で、射出成形が実施されることにより、ナット部材を埋設するカバー本体が形成される。その後、カバー本体が、ダミーボルトと共に、第一の成形型から取り出された後、ダミーボルトが、カバー本体に埋設されたナット部材から取り外されるようになる。
それ故、このような本発明手法では、カバー本体の形成に際して、第一の成形型内に射出された溶融樹脂がナット部材のネジ孔内に浸入することが、ダミーボルトによって有利に阻止され得る。それによって、ナット部材の軸方向両側のネジ孔開口部のうち、カバー本体裏面側に位置するネジ孔開口部を閉塞する閉塞部が、カバー本体の形成と同時に、カバー本体に対して確実に一体形成される。しかも、ダミーボルトが第一の成形型に一体形成されている場合とは異なって、カバー本体の成形後に、第一の成形型の全体やカバー本体の全体をそれぞれ回転させることなく、単に、小型のダミーボルトだけを回転させれば、カバー本体に埋設されたナット部材から、ダミーボルトが、容易に且つ迅速に取り外され得る。そして、それによって、カバー本体の製造工程の簡略化と効率化とが、有利に実現され得る。
従って、かくの如き本発明に従う防音カバーの製造方法によれば、前述の如き優れた特徴を発揮する防音カバーが、極めて容易に且つ効率的に製造され得るのである。
本発明に従う防音カバーの一実施形態を示す上面説明図である。 図1のA矢視説明図である。 図2のB−B断面説明図である。 図3のC部拡大説明図である。 図4のD矢視説明図である。 図1に示された防音カバーのカバー本体に埋設されるナット部材を示す正面説明図である。 本発明手法に従って、図1に示された防音カバーを製造する際に用いられる成形型を示す縦断面説明図である。 図7のE部拡大説明図である。 本発明手法に従って、図1に示された防音カバーを製造する際に用いられるダミーボルトを、ナット部材に螺入して、組み付けた状態を示す縦断面説明図である。 本発明手法に従って、図1に示された防音カバーを製造する際に実施される一工程例を示す説明図であって、図7に示された成形型内に、ナット部材とダミーボルトの組付体をセットした状態を示している。 図10に示された工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、成形型の成形キャビティ内で、カバー本体を形成した状態を示している。 図11のF部拡大明図である。 図11に示された工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、(a)は、成形型から取り出されたカバー本体を示し、(b)は、カバー本体に埋設されたナット部材からダミーボルトを取り外した状態を示している。 図13に示された工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、吸音層を形成するのに用いられる成形型内に、カバー本体をセットした状態を示している。 図14のG部拡大説明図である。 図14に示された工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、カバー本体を収容した成形型内にウレタン樹脂組成物を充填した状態を示している。 本発明手法に従って、図1に示された防音カバーとは異なる構造を有する防音カバーを製造する際に実施される一工程例を示す説明図であって、図15に対応する図である。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う構造を有する防音カバーの一実施形態として、自動車のエンジンのシリンダヘッドカバーを覆う防音カバーが、その上面形態において示されている。図2には、そのような防音カバーの側面形態が示され、図3には、かかる防音カバーの縦断面形態が示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態の防音カバーは、カバー本体10と吸音層12とを有している。
より具体的には、カバー本体10は、全体として、長手矩形の筐体形状を呈し、薄肉平板状の天板部14と、薄肉枠板状の側壁部16とを一体的に有している。このカバー本体10は、硬質の樹脂材料、その中でも、耐熱性や強度に優れたポリアミドを用いて形成されている。なお、カバー本体10を形成する樹脂材料は、硬質のものであれば、その種類が特に限定されるものではなく、ポリアミドの他、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレン等、樹脂製の防音カバーの形成材料として従来から用いられるものが、適宜に採用され得る。
吸音層12は、カバー本体10よりも一周り小さな長手矩形の筐体形状を呈し、カバー本体10よりも十分に厚い厚さを有している。この吸音層12は、ウレタン樹脂組成物を発泡成形してなる軟質のウレタン発泡体にて構成されている。このような吸音層12が、その表面において、カバー本体10の裏面に対して、一体的に接合(固着)されている。
かくして、本実施形態の防音カバーが、カバー本体10と吸音層12との一体接合品として、構成されている。図示されてはいないものの、このような防音カバーが、自動車のエンジン上において、吸音層12の裏面をシリンダヘッドカバーの表面に密接させつつ、シリンダヘッドカバーの上部の全体を覆うように配置される。そして、そのような配置状態下で、防音カバーが、例えば、特開2003−50585号公報や特開平10−332076号公報等に開示される如く、ラバーマウント等を介して、シリンダヘッドカバーにボルト止めされる。これにより、エンジン内で生ずる騒音が、吸音層12にて吸収されると共に、エンジンの振動に伴うカバー本体10の振動も、吸音層12にて吸収されるようになっている。その結果として、優れた防音性能が確保され得るようになっているのである。なお、吸音層12は、十分な吸音作用が確保され得るように、見かけ密度が、好ましくは0.06〜0.12g/cm3 程度とされ、また、その厚さも、好適には5mm以上程度とされている。
ところで、このような本実施形態の防音カバーにあっては、シリンダヘッドカバーに取り付けられて、エンジンルーム内に配置されたときに、その周囲に位置する他部材を取り付けるための特別な構造が付与されている。
すなわち、本実施形態の防音カバーでは、天板部14の表面(上面)の幅方向(図1中、上下方向)中央部に、3個のボス部18,18,18が、天板部14の長さ方向(図1中、左右方向)に互いに等間隔をおいて、一体的に立設されている。それら3個のボス部18,18,18は、何れも、略円柱状の同一の全体形状を有している。そして、そのような各ボス部18には、ナット部材20が、それぞれ1個ずつ埋設されている。
このナット部材20は、図4乃至図6に示されるように、全体として、ボス部18よりも低い高さと小さな径を有する略円筒形状を呈し、内孔の全体が、軸方向両側に開口する雌ネジ孔22とされている。ここでは、ナット部材20が、真鍮等の比較的に柔らかい金属材料からなっている。これにより、後述のように、雌ネジ孔22に螺合されたボルト等が十分に締め付けられたときに、ボルト等の軸力に基づいてナット部材20に作用する軸方向への圧縮力にて、ナット部材20が、軸方向に縮小しつつ、拡径するようになっている。
ナット部材20は、その上端面が座面23とされており、そのような座面23を含む上端部が、それ以外の部位よりも径の大きな大径部24とされている。大径部24よりも下側の部位のうちの軸方向中間部には、2個の小径部26a,26bが、上下方向(軸方向)に離間して形成されている。これにより、2個の小径部26a,26bのうちの上側に位置する小径部26aよりも更に上側の部位と、2個の小径部26a,26bに挟まれた部位と、下側に位置する小径部26bよりも更に下側の部位とが、それぞれ、上側中径部28a、中間中径部28b、下側中径部28cとされている。
上側中径部28aと中間中径部28bの外周面には、多数の食い込み突起30が、それぞれ一体形成されている。それら各食い込み突起30は、台形状の縦断面形状を有して、上側及び中間中径部28a,28bの周方向に螺旋状に延びる凸条からなっている。そして、上側中径部28aに設けられる各食い込み突起30と中間中径部28bに設けられる各食い込み突起30は、螺旋状に延びる周方向への延出方向が、互いに逆の方向とされている。このことから明らかなように、本実施形態では、上側中径部28aに設けられる各食い込み突起30が、第一の螺旋状食い込み凸条とされている一方、中間中径部28bに設けられる各食い込み突起30が、第二の螺旋状食い込み凸条とされている。なお、それら各食い込み突起30は、例えば、上側及び中間中径部28a,28bの外周面に対してローレット加工等を行うことにより、容易に形成される。
そのような構造を有するナット部材20が、ボス部18に対して、その先端面から大径部24を突出させた状態で、同軸的に埋設されている。これにより、ナット部材20の座面23が、大径部24の高さに応じた寸法(図4にh1 にて示される寸法)だけ、ボス部18の先端面よりも高い高さ位置において、外部に露呈されている。以て、ボス部18に埋設されたナット部材20の雌ネジ孔22に対して、その上側開口部(表面側開口部)を通じて、ボルトやネジなどが締結され得るようになっている。
かくして、本実施形態の防音カバーにあっては、シリンダヘッドカバーに取り付けられて、エンジンルーム内に配置されたときに、その周囲に位置する他部材が、ボス部18に対して、ナット部材20へのネジ止めやボルト止め等による螺合構造により取り付けられ得るようになっているのである。
かかる防音カバーでは、ボス部18に埋設されたナット部材20の下側中径部28cが、ボス部18の高さ方向中間部に配置されている。これにより、ナット部材20の雌ネジ孔22の下側開口部(裏面側開口部)が、ボス部18のナット部材20よりも下側に位置する基部側部分にて、閉塞されている。そうして、そのようなボス部18の基部側部分が、ナット部材20の雌ネジ孔22の下側開口部を閉塞する閉塞部34とされているのである。
ナット部材20の上側及び中間中径部28a,28bの外周面にそれぞれ設けられた各食い込み突起30は、ボス部18のナット部材20を埋入させる穴部の内周面に食い込んだ状態とされている。なお、それら食い込み突起30は、金属製のナット部材20の外周面に一体形成されていることで、樹脂製のボス部18よりも硬度が十分に高くされている。
このように、ナット部材20が、ボス部18の前記穴部の内周面に各食い込み突起30を食い込ませて、各食い込み突起30によるアンカー効果を発揮させた状態で、ボス部18に埋設されている。しかも、ナット部材20のボス部18への埋設部分の外周面が、中径部28a,28b,28cと小径部26a,26bとを軸方向に交互に配置した段付形状とされている。これによって、ナット部材20のボス部18からの抜け出しが、より確実に防止され得るようになっている。また、上側中径部28aに設けられた各食い込み突起30の延出方向と、中間中径部28bに設けられた各食い込み突起30の延出方向とが互いに逆方向とされているため、雌ネジ孔22へのボルト等の締緩により、ナット部材20が連れ回りしてしまうようなことも、効果的に阻止され得るようになっている。
さらに、前述したように、ナット部材20が、ボルト等の十分な締付けにより軸方向に縮小しつつ、拡径するようになっている。それ故、ボス部18に埋設されたナット部材20に対して、ボルト等が十分に締め付けられたときに、ナット部材20の外周面に設けられた各食い込み突起30が、ナット部材20の拡径量に応じた量だけ、前記ボス部18の穴部の内周面に、更に深く食い込んで、食い込み突起30によるアンカー効果が、より有利に高められる。それによって、ナット部材20がボス部18に対して、より強固に固定されて、ナット部材20のボス部18からの抜け出しが、更に一段と効果的に防止され得ることとなる。
ところで、本実施形態の防音カバーにおいては、ナット部材20が埋設されたボス部18の先端面に、環状凸部36が、一体形成されている。この環状凸部36は、U字状乃至は半楕円状の断面形状を有する円環状の凸条からなっている。そして、環状凸部36は、ナット部材20の大径部24よりも所定寸法大きな内径を有して、かかる大径部24を外側から取り囲むように配置されている。換言すれば、環状凸部36が、ナット部材20の座面23の周囲に位置するボス部18の先端面部分に、座面23の周方向に延びるようにして、一体的に突設されているのである。
そのような環状凸部36は、図4に示される如く、ボス部18の先端面からの突出高さ:h2が、ナット部材20の座面23のボス部18先端面からの高さ:h1 (ナット部材20の大径部24の高さ)よりも小さくされている。これによって、ボス部18に埋設されたナット部材20の雌ネジ孔22にボルト等を螺合(締結)させたときに、ボルト等の頭部が、環状凸部36の先端部位に接触することが回避されて、かかる環状凸部36にて邪魔されることもなしに、ナット部材20の座面23に対して確実に密接され得るようになる。その結果、ナット部材20に対するボルト等の締付け時において、ボルト等の軸力が安定的に且つ確実に確保され得、以て、ボルト等の緩みが生ずることが、有利に防止され得る。
なお、ボス部18先端面からのナット部材20の座面23の高さ:h1 と、ボス部18先端面からの環状凸部36の突出高さ:h2 との差:h1−h2は、特に限定されるものでない。しかしながら、前述したように、ナット部材20が、ボルト等の締結により軸方向に縮小するようになっているため、それらの差:h1−h2が、ボルト締付時のナット部材20の縮小量よりも大きな値とされていることが、望ましい。従って、かかる差:h1−h2は、具体的には、0.2〜1.5mm程度とされていることが好ましいのである。
すなわち、ボス部18先端面からのナット部材20の座面23の高さ:h1 と、ボス部18先端面からの環状凸部36の突出高さ:h2 との差:h1−h2が0.2mmを下回る値とされている場合には、ナット部材20に対するボルト等の締付け時において、ボルト等を十分に締め付ける前に、ボルト等の頭部が環状凸部36に当接してしまい、それによって、ボルト等の締付けが不十分となってしまう恐れがある。また、かかる差:h1−h2が1.5mmを超える値とされている場合には、ナット部材20のボス部18への埋設部分の軸方向長さが短くなり、それによって、ナット部材20のボス部18に対する固定強度が低下するといった懸念が生ずることとなる。それ故、かかる差:h1−h2が、好適には、0.2〜1.5mm程度とされるのである。そのような差:h1−h2は、0.5〜1.0mm程度とされていることが、より好ましい。なお、図2乃至図4及び後述する各図面においては、ナット部材20の座面23の高さ位置と、環状凸部36の先端の高さ位置とが、誇張されて、実際よりも高い位置で示されていることが、理解されるべきである。
そして、かくの如き構造とされた本実施形態の防音カバーは、例えば、先ず、カバー本体10を射出成形した後、このカバー本体10を収容した成形型内で、ウレタン樹脂組成物を発泡成形して、カバー本体10の裏面に、ウレタン発泡体からなる吸音層12を一体形成することにより製造されることとなる。このような防音カバーの製造方法を実施する際には、好ましくは、カバー本体10を射出成形する射出成形用型として、図7に示されるような構造を有する第一の成形型38が、使用される。
図7から明らかなように、第一の成形型38は、位置固定の固定盤40に取り付けられた固定型42と、固定盤40に対して接近及び離隔移動可能とされた可動盤44に取り付けられて、固定型42と対向配置された可動型46とを有している。
かかる第一の成形型38における固定型42の可動型46との対向面には、キャビティ形成凹部48が、設けられている。このキャビティ形成凹部48の内面の全面が、第一のキャビティ面としての固定型側キャビティ面50とされている。かかる固定型側キャビティ面50は、カバー本体10の表面に対応した形状を有している。一方、可動型46の固定型42との対向面には、固定型42のキャビティ形成凹部48に突入可能なキャビティ形成凸部52が、一体的に設けられている。このキャビティ形成凸部52の外面の全面が、カバー本体10の裏面に対応した形状を有する可動型側キャビティ面54とされている。
そして、それら可動型46と固定型42とが型閉めされて、固定型42のキャビティ形成凹部48内に、可動型46のキャビティ形成凸部52が突入することにより、固定側キャビティ面50と可動型側キャビティ面54との間に、第一の成形キャビティ56が形成されるようになっている。この第一の成形キャビティ56は、カバー本体10の外形形状に対応した形状を有している。
第一の成形型38においては、固定盤40に、図示しない射出成形機のノズルが接触するスプルーブッシュ58が設けられている。そして、固定型42に対して、スプルーブッシュ58のスプルー60に連通して、成形キャビティ56内に開口するサブスプルー62とゲート63とが形成されている。これにより、ノズルから射出された溶融樹脂材料が、スプルー60とサブスプルー62とゲート63とを通じて、第一の成形キャビティ56内に導かれるようになっている。
固定型42には、固定型側キャビティ面50の略中央部に、カバー本体10に一体形成される3個のボス部18,18,18に対応した内面形状を有する、凹所としてのボス部形成凹所64が、3個、一列に並んで設けられている。また、図7及び図8に示されるように、それら各ボス部形成凹所64には、その底面の中央部において開口する収容凹部66が、更に設けられている。この収容凹部66は、その開口部側が底部側よりも小径とされた段付円筒状の内周面を有している。かかる収容凹部66の大径の底部側部位が、磁石収容部68とされている一方、小径の開口側部位が、ダミーボルト収容部70とされている。そして、そのような各収容凹部66の磁石収容部68内に、吸引手段としての永久磁石72が、それぞれ1個ずつ、離脱不能に収容配置されている。
また、各ボス部形成凹所64の底面の外周部には、円形の環状凹溝74が、収容凹部66の開口部の周方向に延びるように形成されている。この環状凹溝74は、内面形状が、ボス部18の先端面に一体形成される前記環状凸部36の外形形状に対応した形状とされている。
そして、このような構造とされた第一の成形型38を用いて、カバー本体10が形成されるのであるが、その際には、例えば、以下の手順に従って、作業が進められる。
すなわち、先ず、図6に示される如き構造を備えたナット部材20を3個準備する。その後、図9に示されるように、それら3個のナット部材20,20,20に対して、ダミーボルト76をそれぞれ1個ずつ組み付ける。
ここで用いられるダミーボルト76は、永久磁石72に吸着する強磁性体材料を用いて形成されており、略円柱状の大径の頭部78と、この頭部78の下端から一体的に突出する小径の雄ネジ部80とを有している。ダミーボルト76の頭部78は、第一の成形型38の固定型42に設けられた収容凹部66のダミーボルト収容部70に収容可能な外径と、かかるダミーボルト収容部70の軸方向長さ(深さ)よりも所定寸法短い軸方向長さとを有している。また、かかる頭部78の端面の中心部には、凹所が設けられて、端面の面積が小さくされている。これによって、後述するように、ダミーボルト76が永久磁石72に吸着されたときのダミーボルト76の被吸着面の面積が小さくされている。雄ネジ部80は、ナット部材20の雌ネジ孔22に螺合可能とされており、また、その軸方向長さが、ナット部材20の軸方向長さと略同じか又はそれよりも僅かに大きな寸法とされている(図12参照)。
このようなダミーボルト76の雄ネジ部80を、ナット部材20の雌ネジ孔22に対して、大径部24の座面23において開口する開口部から螺入する。このとき、頭部78の下端面がナット部材20の座面23に当接する位置まで、雄ネジ部80が雌ネジ孔22に螺入される。これによって、ナット部材20にダミーボルト76が組み付けられてなる組付体82を3個形成するのである。それら各組付体82においては、雄ネジ部80が雌ネジ孔22の座面23側とは反対側の先端開口部から極僅かに突出させられている。そうして、雄ネジ部80の先端面とナット部材20の座面23側とは反対側の先端面とが、実質的に面一とされている。
次に、図10に示されるように、3個の組付体82,82,82を第一の成形型38にセットする。その際には、先ず、第一の成形型38の型開き状態下で、固定型42の3個の収容凹部66,66,66の各ダミーボルト収容部70内に、各組付体82のダミーボルト76の頭部78を挿入して、頭部78の端面を、磁石収容部68内に収容された永久磁石72に吸着させる。このとき、各組付体82のナット部材20が、大径部24の下端面(ダミーボルト76の頭部と接触する座面23とは反対側の端面)を、ボス部形成凹所64の底面と略面一とする位置に配置される(図12参照)。
これにより、ナット部材20のうち、大径部24だけが、ダミーボルト収容部70内に収容配置される。また、座面23が、ダミーボルト収容部70内において、前記環状凹溝74の底面よりも深い位置に配置される(図12参照)。一方、ナット部材20の各中径部28a,28b,28cと各小径部26a,26bとが、ボス部形成凹所64内に、同軸的に収容配置される。また、そのような配置状態下において、雌ネジ孔22の下側中径部28c側の開口部が、ボス部形成凹所64の深さ方向中間に配置される。このことから明らかなように、ボス部形成凹所64は、ナット部材20とダミーボルト76の組付体82のボス部形成凹所64内への収容部分の高さよりも大きな深さを有している。そして、それにより、組付体82の先端側(ナット部材20の雌ネジ孔22に螺入されたダミーボルト76の雄ネジ部80の先端側)に位置するボス部形成凹所64の開口部側部分が、組付体82(ナット部材20とダミーボルト76)が存在しない閉塞部成形キャビティ部分83とされている。
かくして、各ナット部材20の座面23を含む大径部24以外の部位を、固定型側キャビティ面50から第一の成形キャビティ56(ボス部形成凹所64)内に突出して位置させるように、ダミーボルト76(組付体82)を、固定型42に対して、永久磁石72により吸着させて、保持させるのである。
その後、溶融樹脂材料を、射出成形機(図示せず)のノズル84から、固定型42のスプルー60とサブスプルー62とゲート63とを通じて、第一の成形キャビティ56内に射出充填した後、それを固化させる。
これによって、図11に示されるように、第一の成形キャビティ56内で、カバー本体10を形成すると共に、カバー本体10の表面に、3個のボス部18,18,18を一体的に突出形成する。また、それと同時に、カバー本体10の表面に設けられた各ボス部18に対して、ナット部材20を、ダミーボルト76が締結されて、組み付けられた状態において、それぞれ1個ずつ、同軸的に埋設する。
なお、図12に示されるように、各ボス部18に埋設されたナット部材20は、大径部24だけが、ボス部18の突出先端面から突出している一方、大径部24以外の部位(各中径部28a,28b,28cと各小径部26a,26b)が、ボス部18内に埋入されている。そして、雌ネジ孔22の大径部24側開口部が、カバー本体10の表面側において開口している一方、雌ネジ孔22の下側中径部28c側開口部が、ボス部18の基部側部分にて閉塞させられている。これにより、大径部24の端面からなる座面23が、ボス部18の先端面よりも高い位置において、カバー本体10の表面に露呈させられる(図13参照)。また、カバー本体10の裏面側に、ナット部材20の雌ネジ孔22の下側中径部28c側開口部を閉塞する閉塞部34が、閉塞部成形キャビティ部分83内で形成されたボス部18の基部側部位にて、一体形成される。
さらに、上記のようにして、3個のボス部18,18,18を一体的に有するカバー本体10を形成すると同時に、各ボス部形成凹所64の環状凹溝74内で、円環形状を呈する環状凸部36を、各ボス部18の先端面の外周部に一体形成する。この環状凸部36は、各ボス部18に埋設されたナット部材20の座面23を外側から取り囲むように設けられ、また、その先端部位の高さ位置が、かかる座面23の高さ位置よりも低い位置とされている。
そして、カバー本体10を形成したら、第一の成形型38を型開きする。ここでは、第一の成形型38の型開力が、各永久磁石72が各ダミーボルト76を吸着する吸着力よりも大なる大きさに設定されている。また、そのような吸着力よりも大きな力で、カバー本体10が、可動型46の可動型側キャビティ面54に密着されている。そのため、図示されてはいないものの、第一の成形型38の型開き時に、型開き以外の特別な操作を何等行うことなしに、各永久磁石72の各ダミーボルト76に対する吸着力が解除されて、カバー本体10が、可動型側キャビティ面54に密着した状態で、型開きされる。
その後、図13の(a)に示されるように、各ボス部18に埋設された各ナット部材20にダミーボルト76をそれぞれ螺合させたままの状態で、カバー本体10を第一の成形型38から取り出す。なお、前記したように、カバー本体10は、可動型46の可動型側キャビティ面54に密着されているが、例えば、エジェクタピンを用いたエジェクタ機構等を利用することで、カバー本体10が、可動型46から容易に離型される。
そして、それに引き続いて、図13の(b)に示されるように、カバー本体10の各ナット部材20から、ダミーボルト76をそれぞれ取り外す。このとき、ダミーボルト76が、第一の成形型38とは別個の独立した部材からなっている。それ故、ダミーボルト76が、例えば、固定型42に一体的に設けられている場合とは異なって、固定型42の全体を回転させる等の大がかりな作業を何等行うことなく、単に、ダミーボルト76を1個ずつ回転させるだけで、各ナット部材20からのダミーボルト76の取り外しが、容易に実施される。
次いで、図14に示されるように、吸音層12を成形する第二の成形型86に対して、カバー本体10をセットする。ここで用いられる第二の成形型86は、位置固定の固定盤92に取り付けられた固定型94と、固定盤92に対して接近及び離隔移動可能とされた可動盤88に取り付けられて、固定型94と対向配置された可動型90とを有している。
そのような第二の成形型86における可動型90の固定型94との対向面には、キャビティ形成凸部96が、一体的に設けられている。このキャビティ形成凸部96の外面には、後述するように、カバー本体10が第二の成形型86にセットされたときにカバー本体10を移動しないように押さえ付けるための押さえ突起95が、かかるカバー本体10のボス部18に対応する位置において、それぞれ一体的に突設されている。そして、このキャビティ形成凸部96の外面の全面が、吸音層12の裏面に対応した形状を有する、可動型側キャビティ面98とされている。一方、固定型94の可動型90との対向面には、可動型90のキャビティ形成凸部96が突入可能なキャビティ形成凹部100が設けられている。このキャビティ形成凹部100の内面の全面が、カバー本体10の表面に対応した形状を有する固定型側キャビティ面102とされている。
そして、それら固定型94と可動型90とが型閉めされて、固定型94のキャビティ形成凹部100内に、可動型90のキャビティ形成凸部96が突入することにより、可動型側キャビティ面98と固定型側キャビティ面102との間に、第二の成形キャビティ104が形成されるようになっている。この第二の成形キャビティ104は、目的とする防音カバーの外形形状に対応した形状を有している。
一方、固定型94には、固定型側キャビティ面102の略中央部に、カバー本体10に一体形成される3個のボス部18,18,18に対応した内面形状を有するボス部収容凹所112が、3個、一列に並んで設けられている。図15に示されるように、それら各ボス部収容凹所112には、その底面の中央部において開口する、円形の中央凹所114が、更に設けられている。この中央凹所114は、ボス部18に埋設されたナット部材20の大径部24の外径よりも大きく、且つボス部18の先端面の外周部に設けられた環状凸部36の内径よりも小さな径と、ナット部材20の大径部24の高さよりも深い深さとを有している。
そして、図14及び図15に示される如く、上記の如き構造を備えた第二の成形型86の型閉め状態下で、それの内部に形成される第二の成形キャビティ104内に収容されるように、カバー本体10を固定型94にセットするのである。なお、カバー本体10の固定型94へのセットは型開き状態で実施されるが、図14及び図15には、第二の成形キャビティ104内でのカバー本体10の収容位置を明確にするために、カバー本体10が固定型94にセットされた状態が型閉め状態で示されていることが、理解されるべきである。
カバー本体10が固定型94にセットされた状態下では、カバー本体10の表面が、固定型側キャビティ面102に密接して、カバー本体10の裏面が、第二の成形キャビティ104内に露出される。また、カバー本体10の表面に一体形成された3個のボス部18,18,18が、可動型側キャビティ面102に設けられた3個のボス部収容凹所112内に、それぞれ収容される。そして、そのような状態下において、各ボス部18の環状凸部36の先端部位が、各ボス部収容凹所112の底面の外周部に当接させられる。また、各ボス部18の先端面から突出するナット部材20の大径部24の先端側部分が、中央凹所114内に突入して、配置される。
次に、可動型90が固定型94から離間して、型開きされた状態において、固定型94のキャビティ形成凹部100内に、液状のウレタン樹脂組成物116を、ウレタン樹脂組成物発泡注入装置の注入ノズル(図示せず)から注型する。
その後、図16に示されるように、可動型90と固定型94とを型閉めして、第二の成形キャビティ104を形成すると共に、この第二の成形キャビティ104内におけるカバー本体10の裏面側部分で、液状のウレタン樹脂組成物116を発泡させる。これにより、カバー本体10の裏面に対して、吸音層12を一体発泡成形して、カバー本体10と吸音層12との一体成形品を得る。
なお、型閉めの際、カバー本体10の表面が、可動型90の押さえ突起95によって、可動型90の可動型側キャビティ面102に押し付けられると共に、各ボス部18の先端面に設けられた環状凸部36の先端部位が、ボス部収容凹所112の底面の外周部に押し当てられる。
液状のウレタン樹脂組成物116の注型時や発泡時等には、第二の成形キャビティ104内の液状のウレタン樹脂組成物116が、図示しないインジェクタの開口部等からカバー本体10の表面側に回り込むことがあるが、たとえ、そのようなウレタン樹脂組成物116の回り込みが生じたとしても、カバー本体10の表面が可動型側キャビティ面102に押し付けられているために、環状凸部36が、各ボス部18の先端面とボス部収容凹所112の底面との間をシールするシール部としての機能を有利に発揮する。その結果、ウレタン樹脂組成物116が、ボス部18の先端面において開口するナット部材20の雌ネジ孔22開口部から雌ネジ孔22内に浸入することが、有効に防止され得るようになる。一方、カバー本体10の裏面側でのナット部材20の雌ネジ孔22開口部は、ボス部18の基部部位からなる閉塞部34にて閉塞されているため、かかる開口部から雌ネジ孔22内に、ウレタン樹脂組成物116が浸入することもない。
その後、カバー本体10と吸音層12との一体成形品を、第二の成形型86から離型し、以て、図1乃至図3に示される如き構造を有する、目的とする防音カバーを得るのである。
このように、本実施形態の防音カバーにおいては、カバー本体10の表面に一体的に突設された3個のボス部18,18,18に、両側に開口するネジ孔を備えた安価なナット部材20が、それぞれ1個ずつ埋設されている。そして、かかる防音カバーが、シリンダヘッドカバーに取り付けられて、エンジンルーム内に配置されたときに、その周囲に位置する他部材が、ボス部18に対して、ナット部材20へのネジ止めやボルト止め等による螺合構造により取り付けられ得るようになっている。
それ故、本実施形態の防音カバーにあっては、シリンダヘッドカバーに突設されたボス部が挿通する貫通孔がカバー本体に設けられてなる従来の防音カバーとは異なって、かかる貫通孔が省略され得る。従って、そのような貫通孔を通じてのエンジン側からの音の漏れが有利に防止され得、その結果として、優れた防音性能が、より十分に発揮され得ることとなる。
そして、本実施形態の防音カバーでは、ナット部材20が埋設されたボス部18の先端面に、ナット部材20の座面23の周方向に延びる環状凸部36が一体形成されていると共に、カバー本体10の裏面側において開口するナット部材20の雌ネジ孔22開口部が、ボス部18の閉塞部34にて閉塞されている。そのため、カバー本体10の裏面に、ウレタン発泡体からなる吸音層12を、第二の成形キャビティ104内で一体形成する際に、前記したように、第二の成形キャビティ104内を流動するウレタン樹脂組成物116が、ナット部材20の雌ネジ孔22内に浸入することが防止され得るようになっている。
従って、本実施形態にあっては、ナット部材20の雌ネジ孔22内に浸入して、固化したウレタン発泡体により、ナット部材20に対するネジやボルト等の締結が困難となる事態が生ずることが、未然に防止され得る。そして、その結果として、他部材のボス部18に対する螺合構造による取付が、安定的に確保され得るのである。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
前記実施形態では、カバー本体10のボス部18の先端面に、ナット部材20の座面23の周方向に延びる環状凸部36が一体形成されていた。しかしながら、例えば、図17に示されるように、カバー本体10のボス部18を収容するボス部収容凹所112の底面に、ナット部材20の座面23を外側から取り囲むようにして、座面23の周方向に延びるシール突起122が設けられる場合には、ボス部18の先端面から、環状凸部(36)を省略することが出来る。なお、本実施形態の防音カバーとその製造に用いられる第二の成形型86に関しては、前記実施形態の防音カバーとその製造に用いられる第二の成形型と同様な部材や部位について、図15と同一の符号を付すことによって、その詳細な説明を省略した。
環状凸部36を設ける場合には、かかる環状凸部36が、ナット部材20の座面23の周方向に延びる閉鎖形状とされておれば、その具体的な全体形状は、特に限定されるものではない。環状凸部36の断面形状も、例示のものに、何等、限定されるものではなく、例えば、各種の多角形形状や、稜線が湾曲線とされた形状等が、適宜に採用され得る。
ボス部18を省略した上で、ナット部材20をカバー本体10に埋設することも、勿論可能である。この場合には、例えば、カバー本体10の厚さが、ナット部材20のカバー本体10への埋設部分の高さよりも大きくされて、ナット部材20が埋設されるカバー本体10部分のうちのナット部材20よりも裏面側部分が、閉塞部34とされる。
ナット部材20は、カバー本体10への埋設状態下において、座面23がカバー本体10の表面側に露呈されておれば、ナット部材20の座面23側の端部(前記実施形態では大径部24)が、必ずしも、カバー本体10の表面から突出している必要はない。例えば、座面23をカバー本体10の表面と面一とした状態で、ナット部材20をカバー本体10に埋設しても良いのである。この場合には、カバー本体10の成形に際して、ナット部材20の座面23が、第一の成形型38のボス部形成凹所64の底面と略面一となる位置に配置されるように、ナット部材20の全体が、ボス部形成凹所64内に収容されることとなる。
また、ナット部材20の外周面に形成される食い込み突起30も、本発明において必須のものではないものの、かかる食い込み突起30を形成する場合には、その全体形状や断面形状として、例示した以外の形状を採用することが出来る。即ち、食い込み突起30の全体形状として、ナット部材の周方向に延びる凸条形状の他、例えば、互いに独立した凸部形状等も、適宜に採用され得る。また、断面形状としては、各種の多角形形状や、稜線が湾曲線とされた形状等が、種々採用され得るのである。
加えて、本発明は、自動車のエンジンのシリンダヘッドカバーを覆う防音カバーとその製造方法の他、硬質の樹脂成形体からなるカバー本体の裏面に、ウレタン発泡体からなる吸音層が一体形成されてなる各種の防音カバーと、そのような防音カバーの製造方法に対しても、有利に適用可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
10 カバー本体 12 吸音層
18 ボス部 20 ナット部材
22 雌ネジ孔 23 座面
30 食い込み突起 34 閉塞部
36 環状凸部 38 第一の成形型
56 第一の成形キャビティ 72 永久磁石
76 ダミーボルト 83 閉塞部成形キャビティ部分
86 第二の成形型 104 第二の成形キャビティ
116 ウレタン樹脂組成物

Claims (10)

  1. カバー本体と、該カバー本体の裏面に固着された吸音層とを有しており、該カバー本体が、硬質の樹脂成形体からなる一方、該吸音層が、該カバー本体を収容した成形型内でのウレタン樹脂組成物の発泡成形により、該カバー本体の裏面側に一体形成されたウレタン発泡体からなる防音カバーにおいて、
    軸方向両側に開口するネジ孔を備えたナット部材が、軸方向一方側の座面を該カバー本体の表面に露呈させて、軸方向一方側のネジ孔開口部を前記カバー本体の表面において開口させた状態で、該カバー本体に埋設されていると共に、該ナット部材の軸方向他方側のネジ孔開口部が、該カバー本体に一体形成された閉塞部にて閉塞されていることを特徴とする防音カバー。
  2. 前記ナット部材の前記座面を含む軸方向一端部が、前記カバー本体の表面から突出している請求項1に記載の防音カバー。
  3. 前記カバー本体の表面に、該カバー本体への前記ナット部材の埋設部分の高さよりも大きな高さを有するボス部が一体的に突設されて、該ボス部に対して、該ナット部材が、前記座面を該ボス部の突出先端面側に露呈させた状態で埋設されていると共に、前記閉塞部が、該ボス部の基端部にて構成されている請求項1又は請求項2に記載の防音カバー。
  4. 前記ナット部材の前記座面の周囲に位置する前記カバー本体の表面部分に、該ナット部材の座面の周方向に延びる環状凸部が一体形成されている請求項1乃至請求項3のうちの何れか1項に記載の防音カバー。
  5. 前記ナット部材が、前記カバー本体よりも硬質で、且つ該ナット部材に締結される締結部材の軸力により軸方向に縮小しつつ、拡径する材料を用いて形成されていると共に、該ナット部材の外周面に食い込み突起が形成されて、該ナット部材が該締結部材の軸力により拡径したときに、該食い込み突起が、該ナット部材を埋設する該カバー本体の穴部の内周面に食い込むようになっている請求項1乃至請求項4のうちの何れか1項に記載の防音カバー。
  6. 前記食い込み突起が、前記ナット部材の軸方向一端部側の外周面に、螺旋を描いて周方向に延びるように形成された第一の螺旋状食い込み凸条と、該ナット部材の軸方向他端部側の外周面に、該第一の螺旋状食い込み凸条とは逆方向の螺旋を描いて周方向に延びるように形成された第二の螺旋状食い込み凸条とにて構成されている請求項5に記載の防音カバー。
  7. 請求項1に記載の防音カバーの製造方法であって、
    前記カバー本体に対応した形状の第一の成形キャビティを有する第一の成形型と、前記ナット部材に締結可能で、且つ該第一の成形型とは別個の独立した部材からなるダミーボルトと、該ダミーボルトを吸着して、該第一の成形型に保持させる吸着手段とを準備する工程と、
    前記ダミーボルトに前記ナット部材を締結すると共に、該ナット部材の全体又は前記座面を含む軸方向一端部以外の部位が、前記第一の成形キャビティを形成する第一のキャビティ面から該第一の成形キャビティ内に突出して配置されるように、該ダミーボルトを、該第一の成形型に対して、前記吸着手段により吸着させて、保持せしめた後、溶融樹脂を該第一の成形キャビティ内に射出充填して、固化させることにより、前記カバー本体を該第一の成形キャビティ内で形成すると共に、前記ナット部材を該カバー本体に埋設し、更に、前記閉塞部を該カバー本体に一体形成する工程と、
    前記第一の成形キャビティ内で前記カバー本体が形成された前記第一の成形型を型開きすると共に、かかる型開き時に、前記吸着手段の吸着による前記ダミーボルトの該第一の成形型への保持状態が解除されることにより、該カバー本体と該ダミーボルトとを該第一の成形型から一緒に取り出した後、該カバー本体に埋設された前記ナット部材から該ダミーボルトを取り外す工程と、
    前記吸音層に対応した形状の第二の成形キャビティを有する第二の成形型を用い、前記カバー本体を該第二の成形キャビティ内に収容した後、前記ウレタン樹脂組成物を、該第二の成形キャビティにおける該カバー本体の裏面側の部分に充填して、該ウレタン樹脂組成物の発泡成形を行うことにより、前記ウレタン発泡体からなる吸音層を該カバー本体の裏面側に一体形成する工程と、
    を含むことを特徴とする防音カバーの製造方法。
  8. 前記ナット部材が、前記ダミーボルトのボルト脚部に対して、前記軸方向一方側の座面とは反対側の端面を該ボルト脚部の先端面と面一と為すように螺合されて、該ダミーボルトに該ナット部材が締結されるようになっていると共に、該ナット部材が締結された該ダミーボルトが前記第一の成形型に保持された状態下で、前記第一の成形キャビティ内における該ダミーボルトのボルト脚部の先端側に、前記閉塞部を成形するための閉塞部成形キャビティ部分が形成されるようになっている請求項7に記載の防音カバーの製造方法。
  9. 前記ナット部材の全体又は前記座面を含む軸方向一端部以外の部位が前記第一の成形キャビティ内に突出する前記第一のキャビティ面部分に、該第一の成形キャビティ内への該ナット部材の突出高さよりも大きな深さを有する凹所が設けられて、前記ダミーボルトに締結された該ナット部材の全体又は軸方向一端部以外の部位が、該凹所の底面から該凹所内に突出して配置されると共に、該凹所の開口側部分にて、前記閉塞部を成形するための閉塞部成形キャビティ部分が形成されるようになっている請求項7又は請求項8に記載の防音カバーの製造方法。
  10. 前記ナット部材が前記第一の成形キャビティ内に配置された状態下で、該第一の成形キャビティ内への該ナット部材の突出部分の周囲に位置する該第一のキャビティ面部分に、該ナット部材の突出部分の周方向に延びる環状凹溝が形成されており、前記溶融樹脂が該第一の成形キャビティ内に射出充填されて、固化されることによって、該第一の成形キャビティ内で、前記カバー本体が、該ナット部材を埋設して形成されると共に、該ナット部材の前記座面の周囲に位置する該カバー本体の表面部分に、該ナット部材の座面の周方向に延びる環状凸部が一体形成され、その後、該カバー本体が、該環状凸部の先端部位を前記第二の成形型の第二の成形キャビティ面に接触させた状態で、前記第二の成形キャビティ内に収容された後、該第二の成形キャビティ内での前記ウレタン樹脂組成物の発泡成形が行われるようになっている請求項7乃至請求項9のうちの何れか1項に記載の防音カバーの製造方法。
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