JP5430393B2 - ベーン型圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、ベーン型圧縮機に関し、特にロータが回転可能に収容されるシリンダとこれを包囲するシェル部材との間の空間下部にオイルが溜まることを防止するベーン型圧縮機に関する。
シリンダの周囲を包囲するシェル部材を備えたベーン型圧縮機としては、たとえば、下記する特許文献1に示されるものが公知となっている。このベーン型圧縮機は、駆動軸に固定され、カムリング(シリンダ)内に回転可能に収容されるロータと、前記ロータに設けられた複数のベーン溝に挿入されるベーンと、前記カムリングの一方の端側に配置されるサイド部材と、前記カムリングの他方の端側及び外周面を包囲するシェル部材とを備え、前記サイド部材及び前記シェル部材に前記駆動軸を軸支すると共に、前記サイド部材及び前記シェル部材のいずれか一方に前記カムリングと対向する端面を凹ませて吐出口と連通する高圧室が設けられ、また、前記カムリングの外周面と前記シェル部材の内周面との間に前記ベーン間に形成される圧縮室と連通可能な吐出弁収容室が設けられ、前記吐出弁収容室と前記高圧室とが前記カムリングに設けられたフランジ部により分離されると共に前記フランジ部に形成される通孔を介して連通されている。
図5に示すように、カムリング51の外周面には、圧縮空間512に対応して吐出ポート514が設けられている。吐出ポート514は、カムリング51の外周面とシェル部材57の内周面との間に形成された吐出弁収容室515に開口し、前記ベーン間に形成される圧縮室513は、この吐出ポート514を介して吐出弁収容室515に連通可能となっている。そして、吐出ポート514は、吐出弁収容室515に収容される吐出弁516により開閉されるようになっている。
国際公開WO 2008/026496号(国際出願PCT/JP2007/066338号)明細書
しかしながら、圧縮された作動流体が吐出ポートを介して吐出弁収容室515へ吐出されると、作動流体に含まれたオイルが吐出弁収容室515の内面に付着し、その結果、吐出弁収容室515のシェル部材57の下部にオイルが滞留する。この滞留したオイルはもはや圧縮機の潤滑に使われることがないため、このようなシェル部材57の下部に滞留するオイルの量を予め予測し、その量に見合う余分なオイルを封入しなければならないため、コストが増大する不都合がある。
また、ベーン型圧縮機の脈動の低減を図るためには、圧縮機内の吐出経路において圧力脈動を低減させる工夫が要請されるが、これを別部材によって実現しようとすれば、部品点数の増加を招き、また、シール箇所の増加を招く。さらに、圧力脈動を調整するためには、吐出経路を調整し易い構造とすることが望ましい。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ベーン型圧縮機のシェル部材の下部にオイルが溜まることを防止するとともに、脈動の低減を図ったベーン型圧縮機を提供することを主たる目的とする。
本発明のベーン型圧縮機は、シリンダが形成された固定部材と、駆動軸に固定され、前記シリンダ内に回転可能に収容されるロータと、前記ロータに設けられた複数のベーン溝に挿入されるベーンと、前記シリンダの開口端側及び外周面を少なくとも包囲するシェル部材とを備え、前記シェル部材の外周面に作動流体を吐出する吐出口を設け、前記シリンダの内周面と前記ロータの外周面との間に前記ベーンによって画成させる圧縮室が設けられると共に、前記シリンダの外周面と前記シェル部材の内周面との間に吐出弁によって開閉される吐出ポートを介して前記圧縮室と連通可能な吐出空間が設けられるベーン型圧縮機において、前記吐出空間は、前記吐出ポートの近傍に突設された隔壁を境にして前記吐出弁が設けられている部位からシリンダのほぼ全周に亘って設けられ、前記吐出ポートから前記吐出空間に吐出される作動流体を前記吐出空間の前記シリンダの下側を通過させて前記吐出口に導くことを特徴としている。
これにより、圧縮室から吐出ポートを介して吐出空間へ吐出された作動流体は、シリンダの下側を通過して吐出口へ導かれるので、シェル部材の下部に溜まろうとするオイルは、作動流体と共に下流側へ送られる。このため、シェル部材の下部にオイルが溜まることを防ぐことが可能となる。
また、上述の構成において前記吐出空間は、前記シリンダの外周面と前記シェル部材の内周面との間の作動流体の通路面積を周方向で変化させることで作動流体の通路断面を周方向で複数回増減させるようにするとよい。
これにより、通路断面を周方向で複数回増減させた吐出空間がシリンダの周囲に形成されるので、マフラ室が直列に多数形成された状態となり、多段のマフラ効果により圧縮機の脈動を減少させることが可能となる。
さらに、前記固定部材にはシリンダのリア側端面を閉塞するサイドブロックが一体に形成されており、前記吐出空間に吐出された作動流体を前記シリンダに設けられたフランジ部に形成された通孔を介して前記サイドブロックに設けられたオイル分離器に導き、しかる後に前記吐出口に導くようにすることが望ましい。
これにより、ベーン型圧縮機を構成する部品点数を減らすことができ、作動流体と共に吐出空間から下流側に送られたオイルをオイル分離器により分離させることが可能となる。
ここで、前記吐出ポートは、前記フランジ部に形成された通孔の近傍において周方向の1箇所に設けられ、前記吐出ポートと前記通孔との間に前記吐出空間を仕切る隔壁を設けて前記吐出ポートから吐出された作動流体を前記シリンダの周囲を通過させて前記通孔へ導くようにしてもよい。
この構成によれば、吐出ポートから吐出した作動流体が、最短距離を流れずにシリンダの周囲のほぼ全周を移動するので、シリンダの下部を必ず通過させてシェル部材の下部に溜まろうとするオイルを下流側へ搬送すると共に通孔までの通路長を確保して脈動の減衰を促進させることが可能となる。
また、前記シリンダに設けられている吐出ポートは、周方向の2箇所に設けられると共に一方の前記吐出ポートと前記フランジ部に形成された通孔との間に前記吐出空間を仕切る隔壁を設け、それぞれの吐出ポートから吐出された作動流体を前記シリンダの周囲を同方向に流動させて前記通孔へ導くようにしてもよい。
シリンダの周方向の2箇所で吐出ポートが設けられる場合には、通常、吐出ポートは駆動軸に対して対称となるシリンダの位置に設けられるので、それぞれの吐出ポートから吐出された作動流体をシリンダの周囲の周方向に流動させることで、一方の吐出ポートから吐出された作動流体をシリンダの下側を通過させることが可能となる。このため、シェル部材の下部に溜まろうとするオイルを下流側へ搬送することが可能となる。
以上本発明によれば、吐出ポートから吐出空間に吐出された作動流体を吐出空間のシリンダの下側を通過させて吐出口に導くことにより、圧縮機のシェル部材の下部にオイルが溜まることを防止することができ、オイル不足による潤滑不良を防ぐとともにオイル補充量を減らすことが可能となる。
また、シリンダの外周面とシェル部材の内周面との間の作動流体の通路面積を周方向で変化させることで作動流体の通路断面を周方向で複数回増減させることによって多段のマフラ効果により圧縮機の脈動を減衰させることが可能となる。
さらに、固定部材にはシリンダのリア側端面を閉塞するサイドブロックが一体に形成されており、吐出空間に吐出された作動流体をシリンダに設けられたフランジ部に形成された通孔を介してサイドブロックに設けられたオイル分離器に導き、しかる後に吐出口に導くようにすることで、部品点数を減らすと共に、シェル部材の下部に溜まろうとするオイルを吐出空間から搬送してオイル分離器で効果的に分離させることが可能となる。
図1は、本発明に係るベーン型圧縮機の構成例を示す図であり、(a)は吐出経路やオイル分離器が現れるように切断された側断面を示す図であり、(b)は吸入経路やオイル貯留室が現れるように切断された側断面を示す図である。 図2は、図1に示すベーン型圧縮機の各所の断面を示す図であり、(a)は図1のA−A線で切断した断面図を示し、(b)は図1のB−B線で切断した断面図を示す。 図3は、本発明に係る圧縮機の一部切り欠きの斜視図であり、(a)はフロント側から見たシェル部材を一部切り欠いた状態を示す図であり、(b)はリア側から見たシェル部材の一部、及び、固定部材とこれに形成されたオイル分離器の一部を切り欠いた状態を示す図である。 図4は、実施例2におけるベーン型圧縮機の断面を示す図であり、図1のB−B線で切断した断面を示す図である。 図5は、従来のベーン型圧縮機の断面を示す図である。
以下、本発明のベーン型圧縮機について図面を参照して説明する。
図1乃至図3において、冷媒を作動流体とする冷凍サイクルに適したベーン型圧縮機が示されている。このベーン型圧縮機1は、圧縮室19を構成するシリンダ8aと、このシリンダ8a内に回転可能に収容され、駆動軸3に固定されたロータ4と、このロータ4に設けられた複数のベーン溝5に挿入されるベーン6と、シリンダ8aのリア側端面に固定されるリアサイドブロック8bと、シリンダ8aのフロント側端面及び外周面を包囲し、リアサイドブロック8bに嵌合するシェル部材9とを有して構成されている。
リアサイドブロック8bは、ロータ4を収容するシリンダ8aのリア側に続いて一体に形成されているもので、シリンダ8aと共に圧縮室19を形成する固定部材8を構成している。
シェル部材9は、シリンダ8aのフロント側端面に当接するフロントサイドブロック9aと、シリンダ及びリアサイドブロック8bの外周面を包囲するように形成された筒部9bとを一体化して構成されている。
また、固定部材8とシェル部材9とを締結ボルト50で固定することで、ベーン型圧縮機1のハウジングを構成している。
駆動軸3は、シェル部材9のフロントサイドブロック9aと固定部材8のリアサイドブロック8bにプレーンベアリングを介して回転可能に支持されている。シェル部材9には、作動流体(冷媒ガス)の吸入口12および吐出口11と、吸入口12に連通し、シリンダ8aに形成された凹部13と共に構成される吸入空間14が形成されている。また、シリンダ8aとシェル部材9の筒部9bとにより後述する吐出空間15が画成され、この吐出空間15は、固定部材8のリアサイドブロック8bに形成されたオイル分離器16を介して吐出口11に連通している。
シリンダ8aにより囲まれた空間とロータ4との断面は真円状に形成され、シリンダ8aの軸中心とロータ4の軸中心とは、ロータ4の外周面とシリンダ8aの内周面とが周方向の一箇所で当接するようにずらして設けられ(シリンダ8aの内径とロータ4の外径との差の1/2だけずらして設けられ)、シリンダ8aの内周面とロータ4の外周面との間には圧縮空間18が画成されている。この圧縮空間18はベーン6によって仕切られて複数の圧縮室19が形成され、各圧縮室19の容積はロータ4の回転によって変化するようになっている。
シェル部材9は、フロントサイドブロック9aに一体化されたボス部9cに、駆動軸3に回転動力を伝えるプーリ20が回転自在に外装され、このプーリ20から電磁クラッチ21を介して回転動力が駆動軸3に伝達されるようになっている。
また、シリンダ8aは、その両端部に径方向に突出するフランジ部8c,8dが形成されている。フロント側のフランジ部8cは、シェル部材9の内周形状に合わせた形状に形成されており、シェル部材9の内側に嵌入されてフロントサイドブロック9aの端面に当接され、また、リア側のフランジ部8dも、シェル部材9の内周形状に合わせた形状に形成されており、シェル部材9の内側に嵌入されてオーリング等のシール部材によりシェル部材との間が気密よくシールされている。
シリンダ8aの周面には、圧縮空間18に対応して吸入空間14に連通する吸入ポート22と、吐出空間15と連通する吐出ポート23が設けられている。したがってシリンダ8aをシェル部材9に嵌入させると、吸入空間14は、吸入ポート22を介して圧縮室19に連通し、シリンダ8aの外周面と筒部9bの内周面との間には、両側端がフランジ部8c,8dによって画成された吐出空間15が形成され、この吐出空間15が吐出ポート23を介して圧縮室19に連通可能となっている。そして、吐出ポート23は、吐出空間15に収容される吐出弁24により開閉されるようになっている。
この吐出空間15は、シリンダ8aの吐出ポート23の近傍に突設された隔壁25を境にして吐出弁24が設けられている部位からシリンダ8aのほぼ全周に亘って設けられ、隔壁25に対して吐出ポート23が設けられている側とは反対側において、フランジ部8dに形成された通孔26を介してオイル分離器16に連通し、このオイル分離器16を経て吐出口11に通じている。
また、吐出空間15は、シリンダ8aの外周面と、シェル部材9の内周面との間の作動流体の通路面積を周方向で変化させることで作動流体の通路断面を周方向で複数回増減させて構成されている。
具体的には、図2(b)および図3(a),(b)に示すように、シリンダ8aの外周面には間隔をあけて筒部9bの内面に当接する複数(この例では3つ)の凸部8aaが設けられており、さらにそれぞれの凸部8aaには、スリット8abが設けられて、作動流体は、このスリット8abを介してのみ吐出空間15を移動するようになっている。
オイル分離器16は、リアサイドブロック8bに一体に形成されているもので、フランジ部8dに形成された通孔26に連通する円柱状の空間に形成されたオイル分離室28を備え、このオイル分離室28にリアサイドブロック8bと一体に形成された略円筒状の分離筒(セパレータパイプ)29を同軸上に配設して構成されている。
オイル分離室28は、前記駆動軸3の軸方向に対して略直交する方向に延設されると共にその軸線が鉛直線に対して斜めに傾斜するように形成されており、上端部は、分離筒29を介して前記シェル部材9の吐出口11に連通し、下端部は、リアサイドブロック8bの側面に開口されている。そして、このオイル分離室28の下端部の開口部は、シェル部材9の筒部9bにより気密よく閉塞されている。この例において、筒部9bは、リアサイドブロック8bの全体が収容される程度に軸方向に延設されており、オイル分離室28は、圧縮機の軸方向の前後においてリアサイドブロック8bの周方向の設けられたオーリング等のシール部材によりシェル部材9の筒部9bとの間が気密よくシールされている。
したがって、オイル分離室28に流入した作動流体は、このオイル分離室28に収容された分離筒29の周りを旋回し、その過程で混在しているオイルが分離され、オイルが分離された吐出ガスを、分離筒29を介して吐出口11に送出するようにしている。また、分離されたオイルは、オイル分離室28の下端部に連通するように固定部材8とシェル部材9との間に形成されたオイル排出孔30を介して固定部材8の底部に形成されたオイル貯留室31に溜められ、その後、オイル供給通路40を介して圧縮機の潤滑部分に供給されるようになっている。
以上の構成において、図示しない動力源からの回転動力がプーリ20及び電磁クラッチ21を介して駆動軸3に伝達され、ロータ4が回転すると、吸入口12から吸入空間14に流入された作動流体が吸入ポート22を介して圧縮空間18に吸入される。圧縮空間18内のベーン6によって仕切られた圧縮室19の容積はロータ4の回転に伴って変化するので、ベーン6間に閉じ込められた作動流体は圧縮され、吐出ポート23から吐出弁24を介して吐出空間15に吐出される。吐出空間15に突出された作動流体は、シリンダ8aの外周面に沿って(シェル部材9の筒部9bの内周面に沿って)周方向に移動し、シリンダ8aの下側を通過するようにシリンダ8aの周囲をほぼ一周してフランジ部8dに形成された通孔26を介してリアサイドブロック8bに一体形成されたオイル分離器16のオイル分離室28に導入され、オイル分離された後に吐出口11から外部回路へ吐出される。
したがって、吐出ポート23から吐出された作動流体は、シリンダ8aとシェル部材9との間に形成された吐出空間15を、吐出ポート23が臨む部位から通孔26が臨む部位にかけて移動する過程において、シリンダ8aの下部を通過するため、シェル部材9の下部にオイルが溜まることを防止することができ、オイル補充量を減らすことが可能となる。
また、シリンダ8aと筒部9bとの間に形成される吐出空間15には、各凸部8aaの前後にシリンダ8aの外周壁と筒部9bの内周壁との面積が大きくなるマフラ室が構成され、これらのマフラ室が、凸部8aaに形成されたスリット8abで連通し、直列に接続されているので、作動流体は、シリンダ8aの外周面に沿って周方向に移動する際に、マフラ室とスリット8abを交互に複数回通過して通孔26へ移動する。このため、多段のマフラ効果が得られて脈動を低減することが可能となる。また、フランジ部8dの通孔26を介してのみオイル分離器16のオイル分離室28へ導かれるので、この通孔26を通過する過程で吐出ガスの圧力脈動が低減され、さらに、オイル分離器16を通過する過程においても圧力脈動が低減され、脈動の極めて少ない状態で吐出口11から送出される。
さらに、上述の圧縮機においては、リアサイドブロック8bが、ロータ4を収容するシリンダ8aのリア側に続いて一体に形成され、シリンダ8aと共に圧縮室19を形成する固定部材8を構成しており、この固定部材8をフロントサイドブロック9aと筒部9bとが一体に形成されたシェル部材9に収容する構成としているので、圧縮機の部品点数を削減することが可能となる。しかも、オイル分離器16を固定部材8のリアサイドブロック8bに一体に形成し、シェル部材9の筒部9bをリアサイドブロック8bのリア側端部まで覆うように延長させてオイル分離室28の下端開口部をこの筒部9bで気密よく閉塞するようにしたので、オイル分離室28を閉塞する閉塞部材が不要となり、オイル分離器16を設けたことによる部品点数の増加もなくなる。
また、実施例1においては、シリンダ8aの吐出ポート23を周方向に1箇所に設けたベーン型圧縮機に適用した例を示したが、吐出ポート23を周方向に2箇所設けた従来のベーン型圧縮機に適用してもよい。具体的には、図4に示されるように、シリンダ8aには、駆動軸3に対して対称となる位置に、吐出ポート23a,23bが設けられており、そのうちの一方の吐出ポート23aと通孔26との間に吐出空間15を仕切る隔壁25が設けられ、一方の吐出ポート23aと他方の吐出ポート23bとの間に筒部9bの内面に当接する2つの凸部8aaが設けられ、他方の吐出ポート23bと通孔26との間に筒部9bの内面に当接する1つの凸部8aaが設けられ、これら3つの凸部8aaには、作動流体を通過させるスリット8abが形成されている。
尚、他の構成は前記実施例と同様であるので、同一箇所に同一符号を付して説明を省略する。
このような構成のベーン型圧縮機1においては、一方の吐出ポート23aと通孔26の間に隔壁25が設けられているので、圧縮室19で圧縮された作動流体は、吐出ポート23a,23bから吐出され、シリンダ8aの周囲を通孔26に向かって同方向に流動する(図中、半時計回り)。このため、一方の吐出ポート23aから吐出された作動流体をシリンダの下側を通過させることができ、シェル部材9の下部に溜まろうとするオイルを下流側へ搬送させることが可能となり、前記構成例と同様の作用効果を奏することが可能となる。
尚、上述の構成においては、リアサイドブロック8bをシリンダ8aに一体に形成させたベーン型圧縮機の例を示したが、シリンダ8aとリアサイドブロック8bとを別体としているベーン型圧縮機に採用してもよい。また、上述の構成においては、シリンダ8aと一体をなすリアサイドブロック8bにオイル分離器16を設け、これをシェル部材9に収容する構成例について説明したが、シリンダと一体をなすフロントサイドブロックにオイル分離器を設け、これをシェル部材に収容する構成において、上述と同様の構成を採用してもよい。
また、上述の構成においては、凸部8aaにスリット8abを設けることで、吐出空間15の作動流体の通路断面を周方向に変化させるように形成するベーン型圧縮機の構造を示したが、固定部材8とシェル部材9とを締結するボルト締結部60の形状を利用して吐出経路15の通路断面を周方向に変化させるようにしてもよい。具体的には、図1に示されるように、シリンダ8aの外周面にボルト締結部60を、周方向で複数突出形成させて、その軸方向の長さをシリンダ8aの軸方向長さよりも短くすることで、通路断面を周方向で変化させるようにしている。
このような構成にすることにより、上記の構成のベーン型圧縮機と同様に多段マフラ効果を得ることができ脈動を低減することが可能となる。
さらに、上述の構成においては、吐出ポート23から吐出空間15に吐出される作動流体をシリンダ8aの下側を通過させた後、フランジ部8dに形成された通孔26へ通過させて吐出口11に導くように構成したが、これに限られるものではなく、吐出空間15に臨むようにシェル部材9の外周面に吐出口11を設け、作動流体を吐出空間15のシリンダ8aの下側を通過させた後に、吐出口11から直接的に吐出するように構成してもよい。
1 ベーン型圧縮機
3 駆動軸
4 ロータ
5 ベーン溝
6 ベーン
8 サイドブロック
8a シリンダ
8c,8d フランジ部
9 シェル部材
11 吐出口
15 吐出空間
16 オイル分離器
19 圧縮室
23 吐出ポート
26 通孔

Claims (5)

  1. シリンダが形成された固定部材と、
    駆動軸に固定され、前記シリンダ内に回転可能に収容されるロータと、
    前記ロータに設けられた複数のベーン溝に挿入されるベーンと、
    前記シリンダの開口端側及び外周面を少なくとも包囲するシェル部材とを備え、
    前記シェル部材の外周面に作動流体を吐出する吐出口を設け、
    前記シリンダの内周面と前記ロータの外周面との間に前記ベーンによって画成させる圧縮室が設けられると共に、
    前記シリンダの外周面と前記シェル部材の内周面との間に吐出弁によって開閉される吐出ポートを介して前記圧縮室と連通可能な吐出空間が設けられるベーン型圧縮機において、
    前記吐出空間は、前記吐出ポートの近傍に突設された隔壁を境にして前記吐出弁が設けられている部位からシリンダのほぼ全周に亘って設けられ、
    前記吐出ポートから前記吐出空間に吐出される作動流体を前記吐出空間の前記シリンダの下側を通過させて前記吐出口に導くことを特徴とするベーン型圧縮機。
  2. 前記吐出空間は、前記シリンダの外周面と前記シェル部材の内周面との間の作動流体の通路面積を周方向で変化させることで作動流体の通路断面を周方向で複数回増減させていることを特徴とする請求項1記載のベーン型圧縮機。
  3. 前記固定部材にはシリンダのリア側端面を閉塞するサイドブロックが一体に形成されており、前記吐出空間に吐出された作動流体を前記シリンダに設けられたフランジ部に形成された通孔を介して前記サイドブロックに設けられたオイル分離器に導き、しかる後に前記吐出口に導くようにしたことを特徴とする請求項1記載のベーン型圧縮機。
  4. 前記吐出ポートは、前記フランジ部に形成された通孔の近傍において周方向の1箇所に設けられ、前記吐出ポートと前記通孔との間に前記吐出空間を仕切る前記隔壁を設けて前記吐出ポートから吐出された作動流体を前記シリンダの周囲を通過させて前記通孔へ導くようにしたことを特徴とする請求項記載のベーン型圧縮機。
  5. 前記シリンダに設けられている吐出ポートは、周方向の2箇所に設けられると共に一方の前記吐出ポートと前記フランジ部に形成された通孔との間に前記吐出空間を仕切る前記隔壁を設け、それぞれの吐出ポートから吐出された作動流体を前記シリンダの周囲を同方向に流動させて前記通孔へ導くようにしたことを特徴とする請求項記載のベーン型圧縮機。
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