JP5428944B2 - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の燃焼制御装置に係り、特に、グロープラグを備える圧縮自着火式の内燃機関の燃焼制御装置に関する。
従来、例えば、特開2008−298048号公報に開示されているように、グロープラグを備える圧縮点火式エンジンにおいて、該グロープラグの通電時間を最適に制御してエンジン始動に要する時間を均一化するシステムが知られている。このシステムでは、より具体的には、グロープラグの基本通電時間を冷却水温や外気温によって設定する。そして、この基本通電時間による予熱後のスタータの駆動による前回のクランキング時間が期待値よりも長いか否かに応じて、最終的な通電時間を設定することとしている。これにより、グロープラグの通電時間が学習制御されて始動時間が均一化されるので、始動性の向上、バッテリの長寿命化を図ることができる。
特開2008−298048号公報 特開2004−100521号公報
グロープラグの通電時間は、筒内温度を早期に上昇させて失火を回避する観点からは、ある程度の余裕を持って設定することが求められる。しかしながら、グロープラグへの通電時間が長期化すると、燃費の悪化やシステムの耐久性が問題となってしまう。このように、始動時における筒内温度の上昇をグロープラグの通電制御のみに依存する従来のシステムでは、グロープラグの通電量の低減と筒内温度の早期上昇との両立を図ることができず、改善が望まれていた。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、グロープラグを備える圧縮自着火式の内燃機関において、グロープラグの通電量低減と筒内温度の早期上昇とを高い次元で両立することのできる内燃機関の燃焼制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の燃焼制御装置であって、
圧縮自着火式の内燃機関の燃焼制御装置であって、
前記内燃機関の筒内を加熱するためのグロープラグと、
吸気弁の閉じ時期を可変に設定するための動弁機構と、
前記内燃機関の筒内壁温を推定する推定手段と、
前記内燃機関の低温運転時に、前記グロープラグへの通電を行う制御手段と、
前記グロープラグへの通電中に、前記筒内壁温が第1の基準温度に達した場合に、前記吸気弁の閉じ時期を吸気BDCに向かって進角させる進角手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記制御手段は、前記筒内壁温が第2の基準温度に達した場合に、前記グロープラグへの通電量を制限する手段を含むことを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、
前記第2の基準温度は、前記進角手段によって前記吸気弁の閉じ時期が進角された状態、且つ前記グロープラグへの通電が停止された状態で自着火可能な限界温度であることを特徴とする。
第4の発明は、第1乃至第3の何れか1つの発明において、
前記進角手段によって進角された前記吸気弁の閉じ時期を、該筒内壁温の上昇に応じて遅角させる遅角手段を更に備えることを特徴とする。
第5の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明において、
前記推定手段は、
前記内燃機関の始動時の冷却水温を取得する手段と、
前記内燃機関の始動からの筒内への投入熱量積算値を取得する手段と、
前記内燃機関の始動からの排気熱量積算値を取得する手段と、
を含み、前記冷却水温、前記投入熱量積算値、および前記排気熱量積算値に基づいて、筒内壁温を推定することを特徴とする。
第6の発明は、第1乃至第5の何れか1つの発明において、
前記進角手段は、前記内燃機関の実圧縮比が最大となる閉じ時期に進角させることを特徴とする。
第1の発明によれば、内燃機関の低温運転時にグロープラグへの通電が実行される。そして、筒内壁温が第1の基準温度に達した場合に、吸気弁の閉じ時期が吸気BDCに向かって進角される。かかる進角動作が行われると、実圧縮比が高くなるため筒内温度が上昇する。このため、本発明によれば、筒内温度を早期に上昇させることができるので、グロープラグへの通電時間を有効に短縮させることができる。これにより、グロープラグの通電量低減と筒内温度の早期上昇とを高い次元で両立することができる。
第2の発明によれば、筒内壁温が第2の基準温度に達した場合にグロープラグへの通電量が制限される。このため、本発明によれば、進角動作によって筒内温度の早期上昇を図りつつ、グロープラグへの通電量を有効に低減することができる。
第3の発明によれば、筒内壁温が、進角手段によって吸気弁の閉じ時期が進角された状態、且つグロープラグへの通電が停止された状態で自着火可能な限界温度に達したときに、該グロープラグへの通電が制限される。このため、本発明によれば、確実に着火可能な範囲で、グロープラグへの通電量を最大限に低減することができる。
第4の発明によれば、進角手段によって吸気弁の閉じ時期が進角された場合に、筒内壁温の上昇に応じて吸気弁の閉じ時期が遅角される。このため、本発明によれば、筒内温度の早期上昇を図りつつ、吸気仕事の増加を最小限に抑制することができる。
第5の発明によれば、始動時の冷却水温は、始動時の筒内温度と相関を有している。また、始動からの投入熱量積算値は筒内温度を上昇させるパラメータとして機能し、始動からの排気熱量積算値は筒内温度を下降させるパラメータとして機能する。このため、本発明によれば、冷却水温、およびこれらのパラメータに基づいて、筒内壁温を精度よく推定することができる。
第6の発明によれば、進角手段における吸気弁の閉じ時期は、内燃機関の実圧縮比が最大となる閉じ時期に進角される。このため、本発明によれば、着火安定性を最大限に向上させることができる。
本発明の実施の形態のシステム構成を説明するための概略構成図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 低温始動時における各種タイミングチャートである。 IVCと圧縮端温度との関係を説明するための図である。 IVCと圧縮端温度との関係を説明するための図である。 IVCと圧縮端温度との関係を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1としてのシステム構成を説明するための概略構成図である。図1に示すとおり、本実施の形態のシステムは内燃機関10を備えている。内燃機関10は、軽油を燃料とする圧縮自着火式のディーゼルエンジンとして構成されている。内燃機関10の筒内には、その内部を往復運動するピストン12が設けられている。また、内燃機関10は、シリンダヘッド14を備えている。ピストン12とシリンダヘッド14との間には、燃焼室16が形成されている。燃焼室16には、吸気通路18および排気通路20の一端が連通している。吸気通路18および排気通路20には、それぞれ吸気弁22および排気弁24が配置されている。
吸気通路18の入口には、エアクリーナ26が取り付けられている。エアクリーナ26の下流には、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ28が配置されている。また、排気通路20の途中には、排気ガスを浄化するための後処理装置30が設けられている。後処理装置30としては、例えば、酸化触媒、NOx触媒、DPF(Diesel Particulate Filter)、DPNR(Diesel Particulate-NOx-Reduction system)等を用いることができる。また、排気通路20における後処理装置30の上流には、排気ガスの温度を検出するための排気温度センサ32が設けられている。
シリンダヘッド14には、燃焼室16の頂部から燃焼室16内に突出するようにグロープラグ34が取り付けられている。また、シリンダヘッド14には、燃料を筒内に噴射するための燃料噴射弁36が設けられている。
内燃機関10は吸気弁22および排気弁24のバルブタイミング(開閉時期)を連続的にまたは段階的に可変とする可変動弁装置38を備えている。可変動弁装置38は、クランク軸42に対するカム軸(図示せず)の位相角を変化させることでバルブタイミングの位相を可変制御する位相可変機構と、バルブのリフト量や作用角を可変制御する作用角可変機構とを備えている。
位相可変機構は、例えば、カム軸のクランク軸42に対する位相を油圧により進角或いは遅角させることで制御される。また、作用角可変機構は、カム軸の回転運動をバルブにリフト運動として伝達するための揺動部材を備えている。そして、当該揺動部材の揺動位置を変化させることにより、バルブの開弁時期を略一定に保ちながら作用角を拡大或いは縮小させることができる。揺動部材の揺動位置は、カム軸に平行に設けられた制御軸(図示せず)の回転角度により制御される。制御軸の回転制御には、例えば、モータ等のアクチュエータを使用することができる。尚、可変動弁装置38の構成および機能等に関しては、本発明の主要部ではなく、かつ、公知の技術であるため、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態のシステムは、図1に示すとおり、ECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40の入力部には、クランク軸の回転位置を検知するためのクランク角センサ44や、内燃機関10の冷却水温を検出するための水温センサ46等の各種センサが接続されている。また、ECU40の出力部には、上述した可変動弁装置38や、グロープラグ34等の各種アクチュエータが接続されている。ECU40は、入力された各種の情報に基づいて、内燃機関10の運転状態を制御する。
[実施の形態1の動作]
次に、本実施の形態1の動作について説明する。ディーゼルエンジンは空気の圧縮熱によって燃料の着火を行う。このため、低温始動時においては、圧縮端の筒内温度が低く、また熱損失も大きいため、着火が困難となる場合がある。そこで、本実施の形態1の内燃機関10はグロープラグ34を備えることとしている。グロープラグ34は、通電をONにすることで約1500℃程度に発熱するエレメントである。これにより、燃焼室16内に噴射された燃料を直接加熱することができるので、低温時の始動性を有効に高めることができる。
グロープラグ34への通電時間は、始動時の冷却水温等に基づいて設定される。より具体的には、先ず、イグニッションがONにされた時点で冷却水温が所定値よりも低い場合には、該グロープラグ34への通電が行われる(以下、「プレグロー」と称する)。これにより、該グロープラグ34の温度が上昇する。そしてスタータが駆動されてエンジンが始動すると、引き続き該グロープラグ34への通電が継続される(以下、「アフターグロー」と称する)。アフターグローの通電時間は、始動後の失火の発生を防止するために、余裕を持って設定される。
しかしながら、アフターグローの通電時間が長期化すると、電力消費増大による燃費の悪化や、耐久性の低下が問題となる。このため、アフターグローの通電時間は、失火が発生しない範囲で極力短時間であることが好ましい。
そこで、本実施の形態のシステムでは、内燃機関10の筒内温度としてボア壁温を推定し、かかるボア壁温に基づいて、アフターグローの通電時間を最適化することとする。より具体的には、推定されたボア壁温が、グロープラグ34への通電を行わずに着火安定性が確保できる温度に到達した時点で、該グロープラグ34への通電を終了することとする。これにより、着火安定性を確保しつつグロープラグ34への通電時間を短縮することができるので、信頼性の向上と燃費の大幅な向上を図ることができる。
尚、ボア壁温は、例えば以下の方法で推定することができる。すなわち、始動時のボア壁温の初期値は、始動時の冷却水温によって検出することができる。そして、内燃機関10の始動後にボア温度を上昇させるパラメータとしては、始動後に筒内へ投入された熱量の積算値を用いることができる。投入熱量積算値は、例えば、筒内へ噴射される燃料噴射量の積算値に基づいて算出することができる。また、内燃機関10の始動後にボア温度を下降させるパラメータとしては、内燃機関10が始動してからの排気熱量の積算値を用いることができる。排気熱量積算値は、例えば、排気温度および排気流量に基づいて算出することができる。そこで、始動時の冷却水温に、上述したパラメータの影響を反映させることで、ボア壁温を精度よく推定することができる。
[実施の形態1の具体的処理]
次に、図2を参照して、本実施の形態の具体的処理について説明する。図2は、上述した低温始動を実現するために本実施形態においてECU40が実行するルーチンのフローチャートである。尚、本ルーチンは、内燃機関10の低温始動時に繰り返し実行されるものとする。図2に示すルーチンでは、先ず、完爆の判定が実行される(ステップ100)。ここでは、具体的には、スタータが駆動されて内燃機関10が所定の安定始動状態に移行したか否かが判定される。その結果、未だ完爆状態に移行していないと判定された場合には、本ルーチンは速やかに終了される。
一方、上記ステップ100において、内燃機関10の完爆が判定された場合には、次のステップに移行し、アフターグローがONにされる(ステップ102)。ここでは、具体的には、グロープラグ34への通電がONに設定される。次に、ボア壁温が推定される(ステップ104)。ここでは、具体的には、エアフローメータ28、水温センサ46、および排気温度センサ32等の検出信号、および燃料噴射弁36の噴射量に基づいて、始動時の冷却水温、筒内への投入熱量積算値、排気熱量積算値が演算される。そして、始動時の冷却水温を初期値として、投入熱量積算値および排気熱量積算値の影響を反映させることにより、現時点でのボア壁温が推定される。
次に、ボア壁温が所定の基準温度Cよりも大きいか否かが判定される(ステップ106)。ここでは、具体的には、上記ステップ104において推定されたボア壁温と基準温度Cとが比較される。基準温度Cは、グロープラグ34への通電を停止した場合に着火安定性が確保できるボア壁温として、予め設定された値が読み込まれる。その結果、ボア壁温>基準温度Cの成立が認められない場合には、グロープラグ34への通電を終了すると着火安定性を確保できないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。一方、ボア壁温>基準温度Cの成立が認められた場合には、グロープラグ34への通電を終了した場合であっても、着火安定性を確保できると判断されて、次のステップに移行し、グロープラグ34への通電が停止されて、アフターグローが終了される(ステップ108)。
以上説明したとおり、本実施の形態のシステムによれば、低温始動時にアフターグローを実行している場合において、ボア壁温が精度よく推定される。これにより、着火安定性を確保できるか否かの判断を正確に行うことができるので、アフターグロー通電時間を有効に短縮することができる。
ところで、本実施の形態1では、始動時の冷却水温、投入熱量積算値、および排気熱量積算値を用いてボア壁温を推定することとしているが、かかる温度の推定方法はこれに限られない。すなわち、ボア壁温を上昇或いは下降させるパラメータを複数考慮してさらに推定精度を高めることとしてもよいし、また、他の公知な方法を用いてボア壁温を推定することとしてもよい。
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図3乃至図6を参照して、実施の形態2の特徴について説明する。本実施の形態2は、図1に示すハードウェア構成を用いて、後述する図7に示すルーチンを実行することにより実現することができる。
上述した実施の形態1のシステムでは、内燃機関10の低温始動時にアフターグローを実行する場合に、グロープラグ34への通電時間の最適化を図ることとしている。これにより、筒内の圧縮端温度が低い場合であっても、失火の発生を有効に防止することができる。ここで、筒内の圧縮端温度は、実圧縮比εを高めることで上昇させることができる。より具体的には、吸気弁22の閉じ時期(以下、「IVC」と称する)を吸気BDCに向かって進角させることで、実圧縮比εを高めて圧縮端温度を上昇させることができる。
そこで、本実施の形態2では、アフターグローの実行時に可変動弁装置38を補助的に用いることで、グロープラグ34への通電時間を更に短縮させることとする。以下、図3を用いて詳細に説明する。図3は、内燃機関10の低温始動時における各種情報のタイミングチャートである。尚、この図のリレー駆動信号、グロープラグ温度、IVC、および消費電力のタイミングチャートにおいて、実線は従来の制御を、点線は本実施の形態の発明に係る制御を、それぞれ示している。この図に示すとおり、先ず時間t1においてイグニッション(IG)がONにされると、グロープラグ34のリレー駆動信号がONにされて、該グロープラグ34への通電(プレグロー)が開始される。次に、時間t2においてスタータ(STA)が駆動されると、クランキングが開始されてエンジン回転数が上昇する。そして安定したエンジン回転数となる時間t3において完爆が判定される。
図4は、時間t3におけるIVCと圧縮端温度との関係を説明するための図である。この図に示すとおり、始動直後(時間t3)は、IVCをベース位置から吸気BDCに向かって進角させたとしても、圧縮端温度が着火限界に到達しない。そこで、時間t3においては、失火の発生を抑止することを目的として、アフターグローを開始することとする。これにより、内燃機関10の低温始動時においても、安定した着火性能を確保することができる。
ここで、時間t3においてアフターグローの開始と並行してIVCをベース位置から吸気BDCに向かって進角させることも考えられる。しかしながら、始動直後の吸気仕事の増加を勘案すると、ボア壁温が低い期間はIVCの進角制御を実行しないほうが好ましい。そこで、ボア壁温が所定の基準温度Aに到達する時間t4において、IVCの進角制御を実行することとする。進角量は、実圧縮比εが最大となるIVCとすることが好ましい。これにより、圧縮端温度を最大限に高めることができる。
また、図3に示すとおり、ボア壁温は時間の経過とともに徐々に上昇する。図5は、時間t4の経過後におけるIVCと圧縮端温度との関係を説明するための図である。図5に示すとおり、ボア壁温の上昇によって圧縮端温度が高くなると、IVCの進角制御のみ、すなわちアフターグローを終了しても着火性を確保できるようになる。そこで、ボア壁温が所定の基準温度Bに到達する時間t5において、アフターグローを終了することとする。基準温度Bは、当該アフターグローを終了しても圧縮端温度が着火限界よりも大きくなる温度の最低値に設定することが好ましい。これにより、着火性を確保しつつアフターグローの通電時間を最大限に短縮することができる。
更に、図3に示すとおり、ボア壁温は時間t5以降も上昇する。図6は、時間t5の経過後におけるIVCと圧縮端温度との関係を説明するための図である。図6に示すとおり、ボア壁温の上昇によって圧縮端温度が高くなると、圧縮端温度が着火限界を下回らない範囲でIVCを徐々にベース位置へ向かって遅角させることができるようになる。そこで、時間t5の経過後には、IVCを徐々にベース位置へ向かって遅角させる制御を実行することとする。遅角量は、圧縮端温度が着火限界を下回らない範囲で最大量となるように制御することが好ましい。これにより、着火性を確保しつつ吸気仕事の増加を最小限に抑えることができる。
[実施の形態2の具体的処理]
次に、図7を参照して、本実施の形態の具体的処理について説明する。図7は、上述した低温始動を実現するために本実施形態においてECU40が実行するルーチンのフローチャートである。尚、本ルーチンは、内燃機関10の低温始動時に繰り返し実行されるものとする。図7に示すルーチンでは、先ず、完爆の判定が実行される(ステップ200)。ここでは、具体的には、上記ステップ100と同様の処理が実行される。その結果、未だ完爆状態に移行していないと判定された場合には、本ルーチンは速やかに終了される。
一方、上記ステップ200において、内燃機関10の完爆が判定された場合には、次のステップに移行し、アフターグローがONにされる(ステップ202)。次に、ボア壁温が推定される(ステップ204)。ここでは、具体的には、上記ステップ102〜104と同様の処理が実行される。
次に、ボア壁温が所定の基準温度Aよりも大きいか否かが判定される(ステップ206)。ここでは、具体的には、上記ステップ204において推定されたボア壁温と基準温度Aとが比較される。基準温度Aは、IVCの進角制御の実行可否を判定するためのボア壁温のしきい値であって、IVCの進角制御を実行した場合の吸気仕事の増加影響と圧縮端温度の上昇効果とを考慮して設定された値が読み込まれる。その結果、ボア壁温>基準温度Aの成立が認められない場合には、IVCの進角制御を実行した場合の吸気仕事の増加影響が大きいと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。一方、ボア壁温>基準温度Aの成立が認められた場合には、IVCの進角制御を実行した場合の圧縮端温度の上昇効果が大きいと判断されて、次のステップに移行し、IVCの進角制御が実行される(ステップ208)。ここでは、具体的には、実圧縮比εが最大となるIVCとなるように、IVCがベース位置から吸気BDCに向かって進角される。
図7に示すルーチンでは、次に、ボア壁温が所定の基準温度Bよりも大きいか否かが判定される(ステップ210)。ここでは、具体的には、上記ステップ204において推定されたボア壁温と基準温度Bとが比較される。基準温度Bは、アフターグローを終了しても圧縮端温度が着火限界よりも大きくなる温度の最低値として、予め設定された値が読み込まれる。その結果、ボア壁温>基準温度Bの成立が認められない場合には、アフターグローを終了すると圧縮端温度が着火限界に到達しないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。一方、ボア壁温>基準温度Bの成立が認められた場合には、アフターグローを終了したとしても圧縮端温度が着火限界に到達すると判断されて、次のステップに移行し、グロープラグ34への通電が停止されて、アフターグローが終了される(ステップ212)。
次に、IVCの遅角制御が実行される(ステップ214)。ここでは、具体的には、上記ステップ204において推定されたボア壁温に基づいて、圧縮端温度が着火限界を下回らない範囲でのIVCの最遅角位置が演算される。そして、IVCが当該最遅角位置となるように、IVCをベース位置へ向かって遅角させる処理が実行される。
以上説明したとおり、本実施の形態のシステムによれば、低温始動時にアフターグローを実行している場合において、IVCの進角制御が補助的に実行される。これにより、圧縮端温度を有効に上昇させることができるので、アフターグローの通電時間を有効に短縮することができる。
また、本実施の形態のシステムによれば、ボア壁温が基準温度Aに到達した時点でIVCの進角制御が実行される。これにより、吸気仕事の増加影響が大きい領域においてIVCの進角制御が実行されることを回避することができるので、システムのエネルギ効率が低下する事態を有効に抑止することができる。
また、本実施の形態のシステムによれば、ボア壁温が基準温度Bに到達した時点でアフターグローが終了される。これにより、着火安定性を確保しつつグロープラグ34への通電時間を最大限に短縮することができる。
また、本実施の形態のシステムによれば、アフターグローを終了した後に、圧縮端温度が着火限界を下回らない範囲でIVCがベース位置に向かって遅角される。これにより、着火安定性を確保しつつ、吸気仕事の増加を最小限に抑えることができる。
ところで、上述した実施の形態2では、IVCの進角制御を実行する場合に、実圧縮比εが最大となる位置にIVCを進角させることとしているが、IVCの進角位置はこれに限られない。すなわち、実圧縮比εが高くなるように進角させるのであれば、必ずしも実圧縮比εが最大となる位置である必要はなく、吸気仕事の増加影響等を考慮して適宜進角量を設定することとしてもよい。
また、上述した実施の形態2では、アフターグローを終了した後に、圧縮端温度が着火限界を下回らない範囲でIVCを徐々にベース位置に向かって遅角することとしているが、IVCの遅角制御の方法はこれに限られない。すなわち、ボア壁温が、上述した実施の形態1における基準温度Cに到達した時点でIVCを進角位置からベース位置に遅角させることとしてもよい。
尚、上述した実施の形態2においては、可変動弁装置38が前記第1の発明における「動弁機構」に、基準温度Aが前記第1の発明における「第1の基準温度」に、ボア壁温が前記第1の発明における「筒内壁温」に、それぞれ相当している。また、ECU40が、上記ステップ202の処理を実行することにより、前記第1の発明における「制御手段」が、上記ステップ204の処理を実行することにより、前記第1の発明における「推定手段」が、上記ステップ206〜208の処理を実行することにより、前記第1の発明における「進角手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、基準温度Bが前記第2の発明における「第2の基準温度」に、相当しているとともに、ECU40が、上記ステップ210〜212の処理を実行することにより、前記第2の発明における「グロープラグへの通電を制限する手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU40が、上記ステップ214の処理を実行することにより、前記第4の発明における「遅角手段」が実現されている。
10 内燃機関(ディーゼルエンジン)
12 ピストン
14 シリンダヘッド
16 燃焼室
18 吸気通路
20 排気通路
22 吸気弁
24 排気弁
26 エアクリーナ
28 エアフローメータ
30 後処理装置
32 排気温度センサ
34 グロープラグ
36 燃料噴射弁
38 可変動弁装置
40 ECU(Electronic Control Unit)
42 クランク軸
44 クランク角センサ
46 水温センサ

Claims (6)

  1. 圧縮自着火式の内燃機関の燃焼制御装置であって、
    前記内燃機関の筒内を加熱するためのグロープラグと、
    吸気弁の閉じ時期を可変に設定するための動弁機構と、
    前記内燃機関の筒内壁温を推定する推定手段と、
    前記内燃機関の低温運転時に、前記グロープラグへの通電を行う制御手段と、
    前記グロープラグへの通電中に、前記筒内壁温が第1の基準温度に達した場合に、前記吸気弁の閉じ時期を吸気BDCに向かって進角させる進角手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記筒内壁温が第2の基準温度に達した場合に、前記グロープラグへの通電量を制限する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  3. 前記第2の基準温度は、前記進角手段によって前記吸気弁の閉じ時期が進角された状態、且つ前記グロープラグへの通電が停止された状態で自着火可能な限界温度であることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  4. 前記進角手段によって進角された前記吸気弁の閉じ時期を、該筒内壁温の上昇に応じて遅角させる遅角手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  5. 前記推定手段は、
    前記内燃機関の始動時の冷却水温を取得する手段と、
    前記内燃機関の始動からの筒内への投入熱量積算値を取得する手段と、
    前記内燃機関の始動からの排気熱量積算値を取得する手段と、
    を含み、前記冷却水温、前記投入熱量積算値、および前記排気熱量積算値に基づいて、筒内壁温を推定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  6. 前記進角手段は、前記内燃機関の実圧縮比が最大となる閉じ時期に進角させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関の燃焼制御装置。
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