JP5426942B2 - クリーン搬送車 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬品などの無菌充填システムにおいて、滅菌されたパーツをその滅菌状態を維持したまま無菌パーツフィーダ等の装置に供給する際に使用されるクリーン搬送車に関するものである。
医薬品などの製造段階においては、製造された医薬品を容器に充填する作業を行う作業環境に極めて高い空気清浄度が要求される。従って、これらの作業においては、作業員が極力介在しないようにした無菌充填システムが採用される。この無菌充填システムにおいては、医薬品の充填設備を無菌状態のチャンバー内に収容したアイソレーター装置やRABS(アクセス制限バリアシステム)が採用される。
これらのアイソレーター装置やRABSの内部の空気清浄度は、日本薬局方による「無菌医薬品製造区域の空気清浄度の規格」、所謂、J−GMP(Good Manufacturing Practice)において規定されており、高度な空気清浄度としては、J−GMPにおけるグレードAを維持することが要求される。
このような無菌充填システムにおいては、搬送コンベアによって送られてきた容器に医薬品を充填し、打栓機を用いてキャップで容器を密封する作業が行われる。これら一連の作業は、上記のアイソレーター装置やRABS内で行われ、キャップを一個ずつ打栓機に送り出す作業は、パーツフィーダといわれる装置で行われる。このパーツフィーダにも無菌状態が要求され、例えば、下記特許文献1において、無菌充填システムの清浄度を維持することのできる無菌パーツフィーダが提案されている。
特許第4207274号公報
ところで、上記特許文献1に記載の無菌パーツフィーダのような装置を採用する無菌充填システムにおいても、滅菌されたキャップなどのパーツを当該無菌パーツフィーダに供給する際に、それまで維持されていた高い清浄度、例えば、J−GMPにおけるグレードAが低下する恐れがある。
つまり、キャップなどのパーツを滅菌容器に封入してオートクレーブなどで滅菌し、このパーツを滅菌容器に入れたままオートクレーブの位置から空気清浄度の高いRABSなどの位置まで移動し、このRABSの中に収容されている無菌パーツフィーダのホッパーに投入する。
この一連の操作は、クリーンルーム内で行われるが、このようなクリーンルーム内においては、作業員が直接生産に関与しているので、人による汚染を完全に排除することは不可能である。従って、オートクレーブから無菌パーツフィーダに移動する間は、作業員による搬送が行われ、滅菌したパーツを収容した滅菌容器を高い清浄度のまま維持することが難しい。つまり、滅菌容器内のパーツは滅菌状態を維持しているが、滅菌容器の外周部は汚染される可能性が高く、特に滅菌容器の投入口の部分が汚染されることが問題となる。
ここで、例えば、J−GMPにおけるグレードAが維持されている無菌充填システムにおいて、投入口が汚染された滅菌容器を用いて無菌パーツフィーダのホッパーにパーツを供給すれば、供給時にパーツが汚染してしまい、無菌充填システムの高い清浄度を維持できないという問題があった。
そこで、本発明は、上記の諸問題に対処して、医薬品製造などの高度な無菌充填システムにおいて、高度な空気清浄度を維持したまま、当該システム中の無菌パーツフィーダなどの装置に滅菌されたパーツを供給することのできるクリーン搬送車を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明者らは、鋭意研究の結果、オートクレーブで滅菌したパーツを収容した滅菌容器をクリーンボックス内に装着した状態で無菌パーツフィーダまで搬送し、無菌パーツフィーダのホッパーに当該パーツを供給する際にも作業員が直接介在せず、滅菌容器を反転させることのできる機構を採用することで本発明の目的を達成できることを見出し本発明の完成に至った。
すなわち、本発明に係るクリーン搬送車は、請求項1の記載によれば、
壁部に設けられた給気ファンフィルタユニット(32)と、この給気ファンフィルタユニット(32)が設けられた壁部に対向する他の壁部に設けられた排気ユニット(33)と、上記給気ファンフィルタユニット(32)及び上記排気ユニット(33)が設けられた壁部以外の壁部に開口する開口部に開閉可能に設けられた搬出用扉(36)とを有するクリーンボックス(30)と、
このクリーンボックス(30)内に設けられた容器把持部(40a)を有する容器反転手段であって、反転により容器に収容された収容物を排出する容器反転手段(40)と、
上記クリーンボックス(30)を移動可能に搬送する搬送手段(21)とを備えている。
上記構成によるクリーン搬送車においては、クリーンボックス内に清浄空気を供給する給気ファンフィルタユニットと、クリーンボックス内に供給された空気をクリーンボックス外に排出する排気ユニットとが互いに対向する壁部に設けられている。このことにより、クリーンボックス内の空気の流れは、給気ファンフィルタユニット側から排気ユニット側に向かって流れる一方向流を形成し、空気の滞留が起こることなくクリーンボックス内の高い空気清浄度を維持することができる。
例えば、給気ファンフィルタユニット及び排気ユニットが共にクリーンボックスの周壁部の互いに対向する面に設けられた場合には、クリーンボックス内の空気の流れは、水平方向に流れる一方向流を形成する。一方、給気ファンフィルタユニットがクリーンボックスの上壁部に設けられ、排気ユニットがクリーンボックスの底壁部に設けられた場合には、クリーンボックス内の空気の流れは、垂直方向に上方から下方に流れる一方向流を形成する。
また、上記構成によるクリーン搬送車においては、パーツの入った滅菌容器をオートクレーブから無菌パーツフィーダまで移動する際に、当該滅菌容器を装着したクリーンボックスを搬送手段により直接移動することができる。従って、この移動の際に当該滅菌容器が汚染されることがない。なお、上記構成においては、クリーン搬送車の搬送手段は、特に限定するものではなく、作業員が手動により搬送するようにしてもよく、また、動力源により自動で搬送するようにしてもよい。
更に、クリーンボックス内に収容された滅菌容器から無菌パーツフィーダにパーツを供給する際にも、当該滅菌容器を容器反転手段で反転させることにより、直接作業員が介在することなく、高い空気清浄度を維持したままパーツの供給作業を行うことができる。なお、上記構成においては、クリーン搬送車の容器反転手段は、特に限定するものではなく、作業員がクリーンボックスの外部から間接的に容器を反転するようにしてもよく、また、動力源により自動で容器を反転するようにしてもよい。
よって、上記構成によるクリーン搬送車は、医薬品製造などの高度な無菌充填システムにおいて、高度な空気清浄度を維持したまま、当該システム中の無菌パーツフィーダなどに滅菌されたパーツを供給することができる。
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載のクリーン搬送車であって、
上記容器反転手段(40)は、駆動源(41)と、この駆動源(41)からの出力を受けて回動する回動軸(42)と、この回動軸(42)に上記駆動源(41)からの出力を伝達する駆動伝達部材(43a、43b)とを備えており、
上記容器把持部(40a)は、上記回動軸(42)に固着され、当該容器把持部(40a)は、上記回動軸(42)と共に当該回動軸(42)の周りを回動することを特徴とする。
上記構成によれば、請求項1に記載のクリーン搬送車において、容器反転手段を動力源により自動で動かすようにしたものであり、クリーンボックス内の高い空気清浄度を維持したままパーツの供給作業を容易なものとする。
よって、請求項2に記載の発明においても、請求項1に記載の発明と同様の作用効果をより一層達成し得る。
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項2に記載のクリーン搬送車であって、
上記容器把持部(40a)は、上記回動軸(42)に一体的に固着された回動板(44)と、この回動板(44)に一部が固着された1対の把持体(46a、46b)と、この把持体(46a、46b)の各端部に設けられた締付具(47)とを備えるようにしてもよい。
よって、請求項3に記載の発明においても、請求項2に記載の発明と同様の作用効果を達成し得る。
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項2又は3に記載のクリーン搬送車であって、
上記容器把持部(40a)は、上記給気ファンフィルタユニット(32)と上記排気ユニット(33)との間にて、上記駆動源(41)及び上記駆動伝達部材(43a、43b)の位置よりも上記給気ファンフィルタユニット(32)側の位置に設けられていることを特徴とする。
ここで、クリーン搬送車においては、容器反転手段のうち駆動源及び駆動伝達部材は、共に駆動、振動を伴い自らが汚染を発生する発塵体として考えられる。よって、クリーンボックス内の空気の流れが一方向流である場合には、これらの発塵体を滅菌容器の風上に置かないようにすることが必要である。そこで、上記構成によれば、請求項2又は3に記載のクリーン搬送車において、発塵体である駆動源及び駆動伝達部材をクリーンボックス内を流れる一方向流の風下側に配設するようにする。
よって、請求項4に記載の発明においても、請求項2又は3に記載の発明と同様の作用効果をより一層達成し得る。
また、本発明は、請求項5の記載によれば、請求項1〜4のいずれか1つに記載のクリーン搬送車であって、
上記給気ファンフィルタユニット(32)は、風速0.45m/秒以上の送風能力を有しており、
上記排気ユニット(33)は、整流板(33a)を備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、クリーンボックス内の空気の流れがより安定した一方向流を形成し、空気の滞留が起こることなくクリーンボックス内の高い空気清浄度を維持することができる。このことにより、J−GMPにおけるグレードAという高度の空気清浄度を維持することが可能となる。
よって、請求項5に記載の発明においても、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発明と同様の作用効果をより一層達成し得る。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する各実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明に係るクリーン搬送車の第1実施形態を示す正面図である。 上記第1実施形態におけるクリーン搬送車の平面図である。 上記第1実施形態におけるクリーン搬送車の右側面図である。 上記第1実施形態におけるクリーン搬送車の背面図である。 上記第1実施形態におけるクリーン搬送車を用いて無菌パーツフィーダにパーツを供給する状態を示す概要図である。 本発明に係るクリーン搬送車の第2実施形態を示す正面図である。
以下、本発明を各実施形態により説明する。
(第1実施形態)
本発明に係るクリーン搬送車の第1実施形態を図面に従って説明する。本第1実施形態によるクリーン搬送車は、クリーンルーム内に配設された医薬品の無菌充填システムにおいて使用される。特に、クリーンルーム内のオートクレーブで滅菌処理されたパーツ、ここではゴム栓をオートクレーブから離れた位置にある無菌パーツフィーダに供給する作業に使用される。この無菌パーツフィーダは、RABS(アクセス制限バリアシステム)によって高度の空気清浄度(J−GMPにおけるグレードA)が維持された環境に配設されている。
まず、図1に示すように、クリーン搬送車10は、床面上にキャスター21を介して載置される架台20と、この架台20の上に乗載されるクリーンボックス30と、このクリーンボックス30及び架台20の内部に装設された容器反転手段40とにより構成されている。
架台20は、周囲をステンレス製金属板からなる壁材で覆われ、その内部は電装及び機械室を兼ねており(図示せず)、この架台20の正面の壁部には、制御盤22が組み込まれている。また、架台20の底面の角部には、4個のキャスター21が設けられ、クリーン搬送車10をクリーンルーム内で移動する際に使用される。
クリーンボックス30は、チャンバー31と、給気ファン32a及び給気フィルタ32bからなる給気ファンフィルタユニット32と、排気ユニット33とにより構成されている。
チャンバー31は、ステンレス製の箱体からなり、このチャンバー31の内部は、上記給気ファンフィルタユニット32による給気により、作業者が作業を行うクリーンルーム内よりも高い空気清浄度に維持されている。本第1実施形態においては、チャンバー31内は、J−GMPにおけるグレードAに維持されている。
チャンバー31の正面の壁部には、気密的に遮蔽可能な扉34(図2参照)が設けられ、ゴム栓51を収容した滅菌容器50をチャンバー31内に装着する際、或いは、チャンバー31内を滅菌・除塵する際に支軸34aを介して開閉される。また、チャンバー31の正面の壁部には、その上下方向中央付近から外部に向けて水平方向に張り出したハンドル34が設けられている(図2、図3参照)。このハンドル34は、作業者がクリーン搬送車10をクリーンルーム内で移動する際に把持する部位として使用される。
チャンバー31の左側面の壁部には、クリーンルーム内の空気をチャンバー31の内部に供給するための給気ファン32aが設けられている。この給気ファン32aのチャンバー31内部側には、給気ファン32aがチャンバー31内に供給する空気を濾過するためのHEPAフィルタからなる給気フィルタ32bが設けられている。これらの給気ファン32a及び給気フィルタ32bは、クリーンボックス30における給気ファンフィルタユニット32を形成し、チャンバー31内の空気清浄度をJ−GMPにおけるグレードAに維持している。
また、チャンバー31の右側面の壁部には、排気ユニット33が設けられ、この排気ユニット33には、所定の間隔をあけて多数の小孔を形成した整流板33aが採用されている。この整流板33aは、チャンバー31の右側面の壁部全面に亘って形成され、この整流板33aによって、給気ファン32aからチャンバー31内に供給された空気の流れは、チャンバー31内を水平方向の一方向流として安定に維持されている。
また、この整流板33aは、チャンバー31の右側面の壁部において気密的に遮蔽可能な扉を兼ねており、この整流板33aからなる扉は、ゴム栓51を収容した滅菌容器50をチャンバー31内に装着する際、或いは、チャンバー31内を滅菌・除塵する際に支軸33bを介して開閉される。
チャンバー31の背面の壁部には、チャンバー31の左側面方向にスライドする開閉可能な横スライド式シャッター36が設けられている。このシャッター36は、チャンバー31内に装着した滅菌容器50からその内部に収容されたゴム栓51を無菌パーツフィーダ60に供給する際に開放される。
容器反転手段40は、駆動源としてのモータ41と、このモータ41からの駆動力を受けて回動する回動軸42と、モータ41の駆動力を回動軸42に伝達する傘歯車43a、43bと、回動軸42に固着されて当該回動軸42と共に回動する回動板44と、この回動板44がその一部を成す容器把持部40aとにより構成されている。
モータ41は、架台20の内部に設けられて、架台20の右側面寄り且つ背面寄りの部位に偏在して配設されている。このモータ41の駆動軸41aは、垂直方向上方に向けてチャンバー31の底壁部からチャンバー31内に突出して設けられている。この駆動軸41aの先端部位には、一方の傘歯車43aが嵌合されている。また、この駆動軸41aに直交してチャンバー31内の底壁部付近に配設された回動軸42の一端部には、他の傘歯車43bが嵌合されている。これらの傘歯車43a、43bは、互いに噛合してモータ41からの駆動力を回動軸42に伝達している。
回動軸42は、2つの軸受け42a、42bによってチャンバー31内の底壁部に回動可能に配設されている。一方、回動板44は、その一端部側から上面に突出した2つの突壁部44a、44bによって、回動軸42に一体的に固着されている。また、傘歯車44a、44bは、ギヤボックス45に収納されて、このギヤボックス45は、チャンバー31内の底壁部に配設されている。
容器把持部40aは、滅菌容器50の底部を支持する回動板44と、この滅菌容器50の胴部を把持する2片の弧状の把持体46a、46bと、これらの把持体46a、46bの各端部に設けられてこれらの把持体46a、46bを連結する締付具47とにより構成されている。一方の把持体46aは、3本の固定ネジ48によって回動板44の上面に固着されている。他方の把持体46bは、支軸46cを介して開閉可能に把持体46aの一端部に取り付けられている。
ここで、チャンバー31内の空気の流れについて説明する。上述のように、チャンバー31の左側面の壁部には、給気ファン32a及び給気フィルタ32bからなる給気ファンフィルタユニット32が設けられ、一方、チャンバー31の右側面の壁部には、所定の間隔をあけて多数の小孔を形成した整流板33aからなる排気ユニット33が設けられている。これらの給気ファンフィルタユニット32及び整流板33aは、互いに対向する周壁部の全面に亘って設けられており、このことにより、給気ファン32aからチャンバー31内に供給された空気の流れは、チャンバー31内を水平方向の一方向流として安定に維持されている。
この水平方向の一方向流を安定に維持するための構造は特に限定されるものではないが、例えば、壁面全面に亘って複数の小型ファンを並列に組み合わせた構成、HEPAフィルタからなる給気フィルタ32bの構造、パンチングボードなどからなる給気フィルタ32bの吹出口の構造及び所定の間隔をあけて多数の小孔を形成した整流板33aの構造などにより安定に維持することができる。
また、本第1実施形態においては、給気ファン32aには、給気フィルタ32bを通過した後の送風能力が0.45m/秒以上を維持できるファンが採用されている。このことにより、チャンバー31内の空気清浄度をJ−GMPにおけるグレードAに維持することができる。
一方、チャンバー31内においては、装着される滅菌容器50特に滅菌容器50の蓋52及び投入口付近が最も高い空気清浄度を要求されるクリティカルゾーンであり、この部分の汚染を防止することが最も重要である。クリーン搬送車10においては、上述のように、容器反転手段の駆動源及び駆動伝達部材は、共に駆動、振動を伴い自らが汚染を発生する発塵体として考えられる。よって、これらの発塵体をできるだけクリティカルゾーンから遠ざける必要がある。
そこで、本第1実施形態においては、大きな発塵体であるモータ41をチャンバー31の外部に設けている。また、傘歯車43a、43bは、モータ41に比べて発塵性が小さいのでチャンバー31内に設けているが、この場合には、傘歯車43a、43bの位置を滅菌容器50の収容される位置に対して一方向流の風下側に配設するようにしている。
更に、本第1実施形態においては、滅菌容器50内のゴム栓51を無菌パーツフィーダ60に供給する際に開放されるシャッター36は、チャンバー31内を流れる一方向流の流れ方向に平行な壁面に設けられている。このことにより、このシャッター36を開放してゴム栓51を無菌パーツフィーダ60に供給する際に、チャンバー31内の一方向流が無菌パーツフィーダ60の方向に流れないように構成されている。
以上のことにより、本第1実施形態のクリーン搬送車10においては、チャンバー31内の空気清浄度をJ−GMPにおけるグレードAに維持すると共に、このクリーン搬送車10からパーツの供給を受ける環境が維持している高い空気清浄度を汚染することがない。
次に、上述のように構成した本第1実施形態に係るクリーン搬送車の作動について説明する。オートクレーブで滅菌処理されたゴム栓51は、蓋52を備えた滅菌容器50内に収容され、この滅菌容器50は、クリーン搬送車10のチャンバー31内に装着される。このとき、滅菌容器50は、回動板44の上面に乗載されてその胴部を把持体46a、46bによって把持され、締付具47によって固定される。この滅菌容器50を内部に装着したクリーン搬送車10は、作業員によって無菌パーツフィーダ60の所へ搬送される(図5参照)。
無菌パーツフィーダ60は、図5に示すように、RABS(アクセス制限バリアシステム)70による高い空気清浄度の環境に配設されている。このRABS70においては、クリーンルームの内部に周囲から隔離された作業ボックス71が設けられている。また、クリーンルームの天井部位には、このクリーンルーム内に清浄空気を供給する給気装置72が設けられ、RABS70におけるサポートエリア73を形成している。このサポートエリア73においては、給気装置72からの下降空気流によって、空気清浄度がISO5に維持されている。
作業ボックス71は、クリーンルームと天井部を共有し、この天井部とこの天井部から下方に向けて延出する周壁部74とから構成されている。この作業ボックス71の周壁部74に開口した開口部75には、上下方向に開閉するスライド式ドア76が設けられている。
作業ボックス71は、その天井部位に給気装置77を設けて、この作業ボックス71の内部には、無菌パーツフィーダ60が配設されている。作業ボックス71の天井部位に設けられた給気装置77は、作業ボックス71内に清浄空気を供給しており、この清浄空気は、上方から下方に向けて一方向流となって流れている。この給気装置77から供給される一方向流の清浄空気は、作業ボックス71の周壁部74の下方に設けられた解放部78からクリーンルームに排気されている。このように、RABS70においては、作業ボックス71内を流れる一方向流の清浄空気によって、空気清浄度がJ−GMPにおけるグレードAに維持されている。
ここで、図5に示すように、RABS70の作業ボックス71の側面にクリーン搬送車10を設置する。このとき、クリーン搬送車10は、RABS70のサポートエリア73の清浄環境ISO5に収容されている。次に、RABS70における作業ボックス71のスライド式ドア76及びクリーン搬送車10におけるチャンバー31の横スライド式シャッター36を共に開放する。
次に、作業員がスイッチを押してクリーン搬送車10の容器反転手段40を操作して、滅菌容器50を反転させる。このことにより、滅菌容器50は、無菌パーツフィーダ60のホッパー61上に反転移動する。ここで、滅菌容器50の蓋52は、滅菌容器50の反転により支軸51aを介して自重で開放される構造を有しており、ホッパー61上で滅菌容器50の蓋52が開放される。このことにより、滅菌容器50内に収容されていた滅菌されたゴム栓51が無菌パーツフィーダ60のホッパー61内に供給される。
上述のように構成された本第1実施形態のクリーン搬送車10においては、ゴム栓51の入った滅菌容器50をオートクレーブから無菌パーツフィーダ60まで移動する際に、当該滅菌容器50を収容したクリーンボックス30を搬送手段21により直接移動することができる。従って、この移動の際に当該滅菌容器50が汚染されることがない。
更に、クリーンボックス30のチャンバー31内に装着された滅菌容器50から無菌パーツフィーダ60にゴム栓51を供給する際にも、当該滅菌容器50を容器反転手段40で反転させることにより、直接作業員が介在することなくRABS70内の空気清浄度であるJ−GMPにおけるグレードAを維持したままゴム栓51の供給作業を行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係るクリーン搬送車の第2実施形態を図面に基づいて説明する。本第2実施形態におけるクリーン搬送車は、その構成のほとんどの部分を上記第1実施形態と同様にしている。従って、上記第1実施形態と異なる構造を有する部分についてのみ説明する。
本第2実施形態のクリーン搬送車10aにおいて、図6に示すように、チャンバー31の上壁部には、クリーンルーム内の空気をチャンバー31の内部に供給するための給気ファン32aが設けられ、この給気ファン32aのチャンバー31内部側には、給気ファン32aがチャンバー31内に供給する空気を濾過するためのHEPAフィルタからなる給気フィルタ32bが設けられている。これらの給気ファン32a及び給気フィルタ32bは、クリーンボックス30における給気ファンフィルタユニット32を形成し、チャンバー31内の空気清浄度をJ−GMPにおけるグレードAに維持している。
また、チャンバー31の底壁部には、排気ユニット33設けられ、この排気ユニット33には、所定の間隔をあけて多数の小孔を形成した整流板33aが採用されている。この整流板33aは、チャンバー31の底壁部全面に亘って形成され、この整流板33aによって、給気ファン32aからチャンバー31内に供給された空気の流れは、チャンバー31内を垂直方向に上方から下方に向けて一方向流として安定に維持されている。
なお、本第2実施形態における給気ファンフィルタユニット32及び排気ユニット33の配設位置以外の構成においては、上記第1実施形態と同様である。
このように、本第2実施形態においては、給気ファン32aからチャンバー31内に供給された空気の流れは、チャンバー31内を垂直方向に上壁部から底壁部に向かって一方向流として安定に維持されている。
更に、本第2実施形態においては、滅菌容器50の蓋51部分を最も高い空気清浄度を要求されるクリティカルゾーンとして確保するために、大きな発塵体であるモータ41をチャンバー31の外部に設けている。また、傘歯車43a、43bは、チャンバー31内に設けているが、この場合には、傘歯車43a、43bの位置を滅菌容器50の蓋51部分の位置に対して一方向流の風下側に配設するようにしている。
なお、本第2実施形態におけるクリーン搬送車10aの作動については、上記第1実施形態で説明したことと同様であり、以上のことにより、本第2実施形態のクリーン搬送車10aにおいても、チャンバー31内の空気清浄度をJ−GMPにおけるグレードAに維持すると共に、このクリーン搬送車10aからパーツの供給を受ける装置を配設している環境が維持している高い空気清浄度を汚染することがない。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限らず、次のような種々の変形例が挙げられる。
1.上記各実施形態においては、容器反転手段40の反転操作をモータ41による駆動力で自動に行うものであるが、これに限定せず、作業員がクリーンボックス30の外部から間接的に反転作業をするようにしてもよい。
2.上記各実施形態においては、モータ41の駆動軸41aから直接傘歯車を介して回動軸42に駆動力が伝達されているが、これに限定せず、モータ41の駆動力を伝達する際に変速機構部を介して駆動速度の調節を行ってもよい。
3.上記各実施形態においては、クリーンルーム内のクリーン搬送車10、10aの移動は、作業員による手動走行で行うものであるが、これに限定せず、クリーン搬送車10、10aに動力源を採用して自動走行させるようにしてもよい。
4.上記各実施形態においては、排気ユニットにフィルタなどを採用していないが、排気フィルタにもHEPAフィルタなどのフィルタを装着するようにしてもよい。
5.上記各実施形態においては、搬出用扉の開閉は、横スライド方式を採用するものであるが、これに限定せず、上下左右いずれの方向に開閉するようにしてもよい。
6.上記各実施形態においては、駆動伝達部材として傘歯車を採用するものであるが、これに限定せず、その他の駆動伝達部材、例えば、ウォームギヤなどを採用するようにしてもよい。
7.上記各実施形態においては、クリーンボックス30内において、J−GMPにおけるグレードAの空気清浄度を維持するようにするものであるが、これに限定せず、グレードAよりもさらに軽度の空気清浄度の環境に使用するようにしてもよい。
10、10a…クリーン搬送車、20…架台、21…キャスター、22…制御板、30…クリーンボックス、31…チャンバー、32…給気ファンフィルタユニット、32a…給気ファン、32b…給気フィルタ、33…排気ユニット、33a…整流板、40…容器反転手段、40a…容器把持部、41…モータ、42…回動軸、43a、43b…傘歯車、44…回動板、45…ギヤボックス、46a、46b…把持体、47…締付具、50…滅菌容器、51…ゴム栓、52…蓋、60…無菌パーツフィーダ、61…ホッパー、70…RABS、71…作業ボックス。

Claims (5)

  1. 壁部に設けられた給気ファンフィルタユニットと、この給気ファンフィルタユニットが設けられた壁部に対向する他の壁部に設けられた排気ユニットと、前記給気ファンフィルタユニット及び前記排気ユニットが設けられた壁部以外の壁部に開口する開口部に開閉可能に設けられた搬出用扉とを有するクリーンボックスと、
    このクリーンボックス内に設けられた容器把持部を有する容器反転手段であって、反転により容器に収容された収容物を排出する容器反転手段と、
    前記クリーンボックスを移動可能に搬送する搬送手段とを備えたクリーン搬送車。
  2. 前記容器反転手段は、駆動源と、この駆動源からの出力を受けて回動する回動軸と、この回動軸に前記駆動源からの出力を伝達する駆動伝達部材とを備えており、
    前記容器把持部は、前記回動軸に固着され、当該容器把持部は、前記回動軸と共に当該回動軸の周りを回動することを特徴とする請求項1に記載のクリーン搬送車。
  3. 前記容器把持部は、前記回動軸に一体的に固着された回動板と、この回動板に一部が固着された1対の把持体と、この把持体の各端部に設けられた締付具とを備えていることを特徴とする請求項2に記載のクリーン搬送車。
  4. 前記容器把持部は、前記給気ファンフィルタユニットと前記排気ユニットとの間にて、前記駆動源及び前記駆動伝達部材の位置よりも前記給気ファンフィルタユニット側の位置に設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載のクリーン搬送車。
  5. 前記給気ファンフィルタユニットは、風速0.45m/秒以上の送風能力を有しており、
    前記排気ユニットは、整流板を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のクリーン搬送車。
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