JP5423554B2 - 溶銑の予備処理方法 - Google Patents

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本発明は、鉄鋼プロセスにおいて、高炉にて出銑された溶銑を、転炉にて精錬するまでの間に行う、溶銑中の脱珪処理、脱硫処理等の溶銑予備処理に関するものである。
鉄鋼製造プロセスにおいて、高炉で溶解された鉄(溶銑)は、高炉から取り出し(出銑)、転炉に輸送され、転炉にて所望の鋼成分になるよう精錬される。高炉で出銑された溶銑は、トーピードカーまたは溶銑鍋等の容器によって輸送され、その中で珪素(Si)を除去する脱珪処理、硫黄(S)を除去する脱硫処理、リン(P)を除去する脱リン処理等を行う場合がある。これらを総称して溶銑予備処理という。
通常出銑直後の銑鉄は、炭素飽和状態にあり、その後、トーピードカーや溶銑鍋に貯蔵し、脱珪、脱硫処理を行うため、溶銑温度が低下し、溶銑中の炭素がグラファイトとして析出する。そのため、脱珪処理後から転炉装入までの溶銑輸送中や脱硫処理中にグラフィアトが飛散し作業環境の悪化につながるだけでなく、析出したグラファイトが転炉スラグに混入し、外販上の品質にも影響を及ぼす。
そこで、溶銑からのグラファイト析出を抑える方法として、特許文献1には、脱硫効率を悪化させないように溶銑中のSi含有量が0.20%〜0.30%になるようトーピードカー内で脱珪処理を行い、次に溶銑を溶銑鍋に移し、適正量の酸素ガスを内管より吹込みながら、外管より脱硫剤を吹き込む脱硫処理方法が提案されている。この方法により、脱硫処理中に析出することが見込まれる炭素を燃焼させることができ、グラファイトの析出を抑えることができるとしている。
特開平7−197115号公報
特許文献1に記載の方法は、脱硫処理における適正な酸素ガス量を20〜30Nm/minとしている。これは、酸素量が増加するとグラファイト発生量が減少し、酸素量20Nm/min以上では、グラファイト発生率がほぼ0%となることと、一方で酸素量が30Nm/minを超えると脱硫処理中の脱珪(Si除去)量が増大し、転炉精錬時の熱源が低下するためである。
しかし、特許文献1で規定している酸素ガス量は、脱硫処理中におけるグラファイトの析出抑制のみを目的しており、出銑から転炉までの溶銑の状態変化や、脱珪、脱硫等の処理目的を考慮して総合的に判断されたものになっていない。そのため特許文献1の脱硫方法だけでは、実際上、溶銑の輸送中から転炉装入までのグラファイトの飛散防止効果を保証するものではない。
また、特許文献1の方法は脱硫処理のみを対象としており、脱珪処理にて投入する固体酸素としての酸化鉄粉を考慮していないため、実際は、温度低下が進み、脱珪処理後から脱硫処理開始までの間のグラファイト析出につながっている。
通常、出銑後の溶銑中珪素(Si)含有量が高い場合は、転炉での操業に支障が出ることを回避する目的や、あるいは、転炉での副材料削減の目的により、転炉処理を行うに先だってある程度Siを除去するための脱珪処理を行うことがある。
これは、溶銑中に酸素を混入させることにより、Siを酸化させて除去するものである。このとき、酸素ガスだけで処理を行うと、酸素ガスがランス近傍にとどまり、そのまま気泡となって表面に達するため、反応効率も低下するだけでなく、溶銑表面が大きく波立ち、溶銑飛散を引き起こす。また、溶銑内への吐出力が弱いためノズル上部が集中的に溶損するバックアタックも発生する。そのため、固体酸素分として酸化鉄粉を添加している。さらに、出銑タイミングによっては、溶銑量がまちまちであったり、鋼種によっては転炉挿入までの時間がまちまちであったりする。そのため、トーピードカーや溶銑鍋で貯蔵されている時間が異なり、脱珪処理後から転炉装入までの温度低下量も異なってくる。
そこで、本発明は、出銑から転炉装入までを総合的に捉えたグラファイト析出防止策を構築することを課題とし、最適な酸素量や時間経過をも考慮した溶銑予備処理方法の提供を目的とする。
本発明者らは、前記課題解決のために鋭意検討を重ねた結果、脱珪処理における酸素添加方法に着目し、脱珪処理に必要な溶銑1tあたりの酸素原単位(Nm/t)と、溶銑1tあたりのトータル酸素量に対する気体酸素の比である気酸比(以下の式で定義する)および転炉装入までの時間から、溶銑の温度低下と炭素量を予測できることを見出し、本発明をなすに至った。その要旨とするところは、以下のとおりである。
気酸比=気体酸素量/(気体酸素量+固体酸素量)
気体酸素量=脱珪処理のために溶銑1t当たりに投入する酸素ガス中の酸素量(kg /t)
固体酸素量=脱珪処理のために溶銑1t当たりに投入する酸化鉄等に含まれる酸素量 (kg/t)
(1)溶銑予備処理方法において、脱珪処理のために溶銑に投入する溶銑1t当たりの酸素量である酸素原単位および気酸比、さらに溶銑が転炉に装入されるまでの予定時間から、溶銑の転炉装入時における温度と炭素濃度を予測し、前記予測した転炉装入時の溶銑温度に基づく溶銑の飽和炭素濃度が、予測した転炉装入時の溶銑の炭素濃度より大きくなるよう気酸比を決定することを特徴とする溶銑予備処理方法。
(2)前記溶銑の転炉装入時におけるSi濃度を予測し、当該予測した転炉装入時の溶銑Si濃度が0.3%以上になるように気酸比を決定することを特徴とする請求項1に記載の溶銑予備処理方法。
(3)前記酸素原単位(V)と前記気酸比(R)との関係において
―0.02×R+3 ≦ V ≦ 0.01×R+2.5
(但し、25≦R≦80)
を満足することを特徴とする(1)または(2)に記載の溶銑予備処理方法。
本発明によると、高炉溶銑の溶銑予備処理において、適正な酸素量を確保しつつ、転炉装入までのグラファイトの析出が抑制されるため、グラファイト粉塵の発生が抑制され、作業環境が著しく改善されるだけでなく、副産物としてのスラグ品質も改善するという効果を奏する。
図1は、溶銑予備処理プロセスの概要を示す。 図2は、本発明の実施態様における、酸素原単位(V)と気酸比(R)の関係の一例を示す。
図1に従い、溶銑予備処理の概要を説明する。
溶銑予備処理は、転炉、二次精錬での精錬負荷を軽減するために行われ、一般に珪素(Si)を除去する脱珪(Si)処理、硫黄(S)を除去する脱硫処理、リン(P)を処理する脱リン処理がある。
脱珪処理は、通常酸素を投入しSiを酸化析出させ、鋼中から除去している。そのため、酸素源として気体酸素(酸素ガス)と固体酸素を用いている。図1は、脱珪処理をトーピードカー中で行う図を示している。トーピードカー中の溶銑にランスを浸漬させ、それを通して酸素ガスを投入し、鋼中のSiと反応させる。しかし、前述したように、酸素ガスがランス近傍にとどまり、そのまま気泡となって表面に達するため、反応効率も低下するだけでなく、溶銑表面が大きく波立ち、トーピードカー炉体振動や溶銑飛散を引き起こし、ランス耐火物の損傷(バックアッタク)の原因ともなる。そこで、気体酸素だけでなく、固体の酸素源として、焼結ダスト等の酸化鉄粉も投入する。酸化鉄粉は、トーピードカー中において、ランスを通し窒素(N2)ガスをキャリアガスとして投入できる。
また、高炉出銑樋において溶銑に混入し、そのままトーピードカーに投入する方法もできる。固体酸素源を使用することにより、反応性を高めることが可能となり、操業性を悪化させることなく酸素供給速度を向上させることが可能となる。
脱リン処理は、一般に酸化鉄や石灰等の造滓剤を主成分とする脱リン剤を、窒素(N2)をキャリアガスとして溶銑中に吹き込み、スラグとして除去する。
脱硫処理は、溶銑中にCaOやCaC等の脱硫剤をやはり、窒素(N2)ガスをキャリアガスとして投入し、S分をスラグとして除去する。
本来は、脱硫処理では酸素は反応効率を低下させるため、酸素ガスを併用することはしないが、前述したようにグラファイトの生成抑制のためわざわざ投入する場合もある。
次に図1に従い、本発明に係る溶銑予備処理方法を説明する。
本発明は、最終的に溶銑を転炉に装入する時点で、溶銑中の飽和炭素濃度が、溶銑中の炭素濃度より大きければ、炭素(グラファイト)の析出がなく、そのためグラファイトの飛散を抑制できるものである。
転炉装入時の溶銑温度は、通常の伝熱計算式や経験値等から予測することができる。例えば、転炉装入までの予定経過時間による温度降下、容器移し替えに伴う温度降下、溶銑予備処理の各処理におけるランス等の浸漬に伴う温度降下、さらに溶銑予備処理の各処理に伴う反応熱等の温度変動を考慮して、予測することができる。当業者であれば通常の操業において行っている方法により予測することができるので、ここでは予測方法の詳細については言及しない。
溶銑中の飽和炭素濃度は、以下に示すシェンクの式により算出することができる。
シェンクの式:
飽和炭素濃度=1.34+0.00254×温度(℃)−0.4×[Si]
−0.33×[Mn]−0.33[P]
ここで、[Si],[Mn],[P]の単位は(%)である。
つまり、溶銑温度とSi、Mn、Pの濃度が分かれば、溶銑中飽和炭素濃度を予測することができる。
本発明者らは、鋭意検討した結果、脱珪処理中におけるSi、Mn、Pの各元素における酸素利用効率が、気体酸素量とトータル酸素量との比である気酸比(以下、Rで示す場合がある。)との間に強い相関があることを見出した。ここで気酸比(R)とは、以下の式に示すように、気体酸素量をトータル酸素量(気体酸素量と固体酸素量の合計酸素量)で除したものをいう。
気酸比(R)=気体酸素量/(気体酸素量+固体酸素量)
前述したように、気体酸素(酸素ガス)と固体酸素(酸化鉄粉等)では、溶銑中での反応に差があるため、気酸比が各元素の酸化反応効率に強く影響すると考えられる。ここで発明者らは、各元素の反応量と気酸比の関係を実験により追及した。その結果、炭素(C)、珪素(Si)、マンガン(Mn)、リン(P)の酸化反応は気酸比と強い相関があり、酸化反応量は投入酸素量と気酸比で予測できることが分かった。そこで、実験により、各成分の酸化反応量を気酸比および投入酸素量の関数として導いた。
結果として、脱珪処理で投入した全酸素量が分かれば、各成分の酸素との反応による濃度変化が、気酸比と投入酸素量との関係で予測されることが分かった。
ここで脱珪処理での投入酸素量は、一般に溶銑1t当たりの酸素原単位(Nm3/t)(以下、Vとして示す場合がある。)として表すことができる。
酸素原単位(Nm3/t)を用いたときの炭素の濃度変化分(ΔC)は、例えば以下の式で表される。
ΔC=(0.000104×R+0.038)×V
同様に珪素(Si)の濃度変化分(ΔSi)は、
ΔSi=(−0.00013×R+0.064)×V
マンガン(Mn)の濃度変化分(ΔMn)は、
ΔMn=(−0.000079×R+0.010)×V
リン(P)の濃度変化分(ΔP)は、
ΔP=(−0.000013×R+0.0016)×V
で表される。
なお、炭素以外のSi,Mn,Pは、気酸比に対して負の相関が認められる。それは、これら元素の酸化は、吸熱反応であり、低温の方が反応が進むためと考えられ、気酸比が小さくなるとき、つまり固体酸素量が相対的に増えるときは、ミクロ的に固体酸素近傍の温度が低下するため、これら元素の酸化反応が進むのではないかと考えられる。
次に各元素濃度の初期値として、脱珪処理前の溶銑中の各元素濃度を用いる。これは、脱珪処理前にサンプリングをすることにより、温度と各元素の濃度を測定することにより求められる。このサンプリングは、通常の操業において行われていることであるので、このサンプリングデータを使うことで十分である。
以上のことから、溶銑の転炉装入時の温度と、各成分濃度を予測することができる。この予測した結果、溶銑の転炉装入時の飽和炭素濃度が、溶銑中の炭素濃度予測値とより大きければ、炭素(グラファイト)の析出がなく、そのためグラファイトの飛散が抑制できることになる。
もし、溶銑中の炭素濃度予測値が溶銑の転炉装入時の飽和炭素濃度より大きければ、その過剰となった分の炭素(グラファイト)が析出するため、グラファイトの飛散が発生することとなる。その場合、酸素原単位(V)や、気酸比(R)を変化させ、再度、溶銑中の各成分の濃度変化や溶銑の温度降下から溶銑の転炉装入時における飽和炭素濃度と溶銑中の炭素濃度を予測し、比較を行い、飽和炭素濃度の方が大きくなるまで、これを繰り返す。
これにより、脱珪処理での酸素量のコントロールだけで、溶銑予備処理に必要な酸素量を考慮しつつグラファイトの発生と飛散を抑制する溶銑予備処理を行うことが可能となる。
また、脱珪処理は、転炉における負荷軽減のために珪素(Si)を除去するが、過度に除去しすぎると、転炉における熱源が低下するため、Si濃度は0.2%、望ましくは0.3%程度にした方がよい。そのため、溶銑の転炉装入時の珪素(Si)濃度が0.2%未満にならないよう、望ましくは0.3%未満にならないよう、珪素処理での酸素量、気酸比を決定することが望ましい。
次に、実際の脱珪処理前の溶銑を用いて、本発明によりグラファイト発生を抑制できる酸素原単位および気酸比を求め、脱珪処理を行った実施例を示す。
実施例は、複数のトーピードカーに受けた同一出銑タイミングの溶銑を用いて行った。それぞれ、本発明に基づきグラファイトが発生せず、転炉装入時のSi濃度が0.3%未満とならないよう、珪素処理での酸素量と気酸比を決定して行った。グラファイトの飛散状況については、溶銑予備処理の各工程と、溶銑の転炉装入において、目視にて行った。
脱珪処理前の溶銑状況
溶銑温度:1450℃
溶銑成分:C :4.65%(シェンクの式から求めた飽和炭素濃度)
Si:0.60%
Mn:0.30%
P :0.10%
<実施例1>
本発明により求めた酸素原単位:3Nm/min
本発明により求めた気酸比 :80%
転炉装入時の溶銑温度(予測) :1420℃
転炉装入時の飽和炭素濃度 :4.64%
転炉装入時の炭素濃度(予測) :4.51%
転炉装入時のSi濃度(予測):0.44%
転炉装入時のSi濃度(実測):0.42%
グラファイト発生は非常に軽微であり粉塵も少なく、本発明の効果を確認した。
<実施例2>
本発明により求めた酸素原単位:3Nm/min
本発明により求めた気酸比 :25%
転炉装入時の溶銑温度(予測) :1385℃
転炉装入時の飽和炭素濃度 :4.57%
転炉装入時の炭素濃度(予測) :4.53%
転炉装入時のSi濃度(予測):0.42%
転炉装入時のSi濃度(実測):0.41%
グラファイト発生は非常に軽微であり粉塵も少なく、本発明の効果を確認した。
<実施例3>
本発明により求めた酸素原単位:1.5Nm/min
本発明により求めた気酸比 :80%
転炉装入時の溶銑温度(予測) :1410℃
転炉装入時の飽和炭素濃度 :4.58%
転炉装入時の炭素濃度(予測) :4.57%
転炉装入時のSi濃度(予測):0.52%
転炉装入時のSi濃度(実測):0.53%
グラファイト発生は非常に軽微であり粉塵も少なく、本発明の効果を確認した。
<実施例4>
本発明により求めた酸素原単位:2Nm/min
本発明により求めた気酸比 :50%
転炉装入時の溶銑温度(予測) :1400℃
転炉装入時の飽和炭素濃度 :4.58%
転炉装入時の炭素濃度(予測) :4.56%
転炉装入時のSi濃度(予測):0.48%
転炉装入時のSi濃度(実測):0.47%
グラファイト発生は非常に軽微であり粉塵も少なく、本発明の効果を確認した。
<実施例5>
本発明により求めた酸素原単位:3.5Nm/min
本発明により求めた気酸比 :80%
転炉装入時の溶銑温度(予測) :1423℃
転炉装入時の飽和炭素濃度 :4.66%
転炉装入時の炭素濃度(予測) :4.49%
転炉装入時のSi濃度(予測):0.41%
転炉装入時のSi濃度(実測):0.42%
グラファイト発生は非常に軽微であり粉塵も少なく、本発明の効果を確認した。
上記実施例1〜5の脱珪処理前の溶銑状況は、一般的な溶銑状況である。高炉の操業状態によって若干の変動はあるが、本実施例の溶銑状況を基にして、グラファイト発生を抑制でき、かつSi濃度が過少にならない酸素原単位(V)と気酸比(R)の関係をまとめたのが、表1である。
Figure 0005423554
図2に表1の結果をまとめた。図2は、表1と同様、×はグラファイト析出を、△はSi濃度過少(0.3%未満)を、○は予測上グラファイトの析出もなく、Si濃度も過少とならない条件を示す。
図2から、グラファイト析出を抑制するには、
−R/50+3 ≦ V
であり、Si濃度過少を回避するためには、
V ≦ R/100+2.5
である。従って、一般的な溶銑においては、
−R/50+3 ≦ V ≦ R/100+2.5
となるような酸素原単位(V)と気酸比(R)の関係であれば、グラファイトの析出を抑制した溶銑予備処理が可能となる。
以上、本発明について説明した。しかし、本発明の実施態様は、本発明の技術範囲に含まれるものであれば、いかなる態様をとることもでき、前記態様に限らないことは言うまでもない。
本発明は、製鉄プロセスのおける溶銑予備処理工程において利用することができる。

Claims (3)

  1. 溶銑予備処理方法において、脱珪処理のために溶銑に投入する溶銑1t当たりの酸素量である酸素原単位、および下記式で定義する気酸比、さらに溶銑が転炉に装入されるまでの予定時間から、溶銑の転炉装入時における温度と炭素濃度を予測し、前記予測した転炉装入時の溶銑温度に基づく溶銑の飽和炭素濃度が、予測した転炉装入時の溶銑の炭素濃度より大きくなるよう気酸比を決定することを特徴とする溶銑予備処理方法。

    気酸比=気体酸素量/(気体酸素量+固体酸素量)
    気体酸素量=脱珪処理のために溶銑1t当たりに投入する酸素ガス中の酸素量(kg)
    固体酸素量=脱珪処理のために溶銑1t当たりに投入する酸化鉄等に含まれる酸素量(kg)
  2. 前記溶銑の転炉装入時におけるSi濃度を予測し、当該予測した転炉装入時の溶銑Si濃度が0.3%以上になるように気酸比を決定することを特徴とする請求項1に記載の溶銑予備処理方法。
  3. 前記酸素原単位(V)と前記気酸比(R)との関係において
    ―0.02×R+3 ≦ V ≦ 0.01×R+2.5
    (但し、25≦R≦80)
    を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の溶銑予備処理方法。
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