JP5421568B2 - 物理量センサおよび物理量計測方法 - Google Patents

物理量センサおよび物理量計測方法 Download PDF

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本発明は、半導体レーザから放射したレーザ光と物体からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉の情報から、物体との距離や物体の速度等の物理量を計測する物理量センサおよび物理量計測方法に関するものである。
従来より、レーザによる光の干渉を利用した距離計として、レーザの出力光と測定対象からの戻り光との半導体レーザ内部での干渉(自己結合効果)を利用したレーザ計測器が提案されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3参照)。FP型(ファブリペロー型)半導体レーザの複合共振器モデルを図11に示す。図11において、101は半導体レーザ、102は半導体結晶の壁開面、103はフォトダイオード、104は測定対象である。
レーザの発振波長をλ、測定対象104に近い方の壁開面102から測定対象104までの距離をLとすると、以下の共振条件を満足するとき、測定対象104からの戻り光と共振器101内のレーザ光は強め合い、レーザ出力がわずかに増加する。
L=qλ/2 ・・・(1)
式(1)において、qは整数である。この現象は、測定対象104からの散乱光が極めて微弱であっても、半導体レーザの共振器101内の見かけの反射率が増加することにより、増幅作用が生じ、十分観測できる。
半導体レーザは、注入電流の大きさに応じて周波数の異なるレーザ光を放射するので、発振周波数を変調する際に、外部変調器を必要とせず、注入電流によって直接変調が可能である。図12は、半導体レーザの発振波長をある一定の割合で変化させたときの発振波長とフォトダイオード103の出力波形との関係を示す図である。式(1)に示したL=qλ/2を満足したときに、戻り光と共振器101内のレーザ光の位相差が0°(同位相)になって、戻り光と共振器101内のレーザ光とが最も強め合い、L=qλ/2+λ/4のときに、位相差が180°(逆位相)になって、戻り光と共振器101内のレーザ光とが最も弱め合う。そのため、半導体レーザの発振波長を変化させていくと、レーザ出力が強くなるところと弱くなるところとが交互に繰り返し現れ、このときのレーザ出力を共振器101に設けられたフォトダイオード103で検出すると、図12に示すように一定周期の階段状の波形が得られる。このような波形は一般的には干渉縞と呼ばれる。
この階段状の波形、すなわち干渉縞の1つ1つをモードポップパルス(以下、MHP)と呼ぶ。MHPはモードホッピング現象とは異なる現象である。例えば、測定対象104までの距離がL1のとき、MHPの数が10個であったとすれば、半分の距離L2では、MHPの数は5個になる。すなわち、ある一定時間において半導体レーザの発振波長を変化させた場合、測定距離に比例してMHPの数は変わる。したがって、MHPをフォトダイオード103で検出し、MHPの周波数を測定すれば、容易に距離計測が可能となる。
ただし、自己結合型を含め従来の干渉型計測器では、静止した測定対象との距離を計測することはできても、速度を持つ測定対象の距離を計測することはできないという問題点があった。
そこで、発明者は、静止した測定対象との距離だけでなく、測定対象の速度も計測することができる距離・速度計を提案した(特許文献1参照)。この距離・速度計の構成を図13に示す。図13の距離・速度計は、測定対象にレーザ光を放射する半導体レーザ201と、半導体レーザ201の光出力を電気信号に変換するフォトダイオード202と、半導体レーザ201からの光を集光して測定対象210に照射すると共に、測定対象210からの戻り光を集光して半導体レーザ201に入射させるレンズ203と、半導体レーザ201に発振波長が連続的に増加する第1の発振期間と発振波長が連続的に減少する第2の発振期間とを交互に繰り返させるレーザドライバ204と、フォトダイオード202の出力電流を電圧に変換して増幅する電流−電圧変換増幅器205と、電流−電圧変換増幅器205の出力電圧を2回微分する信号抽出回路206と、信号抽出回路206の出力電圧に含まれるMHPの数を数える計数回路207と、測定対象210との距離及び測定対象210の速度を算出する演算装置208と、演算装置208の算出結果を表示する表示装置209とを有する。
レーザドライバ204は、時間に関して一定の変化率で増減を繰り返す三角波駆動電流を注入電流として半導体レーザ201に供給する。これにより、半導体レーザ201は、発振波長が一定の変化率で連続的に増加する第1の発振期間と発振波長が一定の変化率で連続的に減少する第2の発振期間とを交互に繰り返すように駆動される。図14は、半導体レーザ201の発振波長の時間変化を示す図である。図14において、P1は第1の発振期間、P2は第2の発振期間、λaは各期間における発振波長の最小値、λbは各期間における発振波長の最大値、Ttは三角波の周期である。
半導体レーザ201から出射したレーザ光は、レンズ203によって集光され、測定対象210に入射する。測定対象210で反射された光は、レンズ203によって集光され、半導体レーザ201に入射する。フォトダイオード202は、半導体レーザ201の光出力を電流に変換する。電流−電圧変換増幅器205は、フォトダイオード202の出力電流を電圧に変換して増幅し、信号抽出回路206は、電流−電圧変換増幅器205の出力電圧を2回微分する。計数回路207は、信号抽出回路206の出力電圧に含まれるMHPの数を第1の発振期間P1と第2の発振期間P2の各々について数える。演算装置208は、半導体レーザ1の最小発振波長λaと最大発振波長λbと第1の発振期間P1におけるMHPの数と第2の発振期間P2におけるMHPの数に基づいて、測定対象210との距離及び測定対象210の速度を算出する。
特開2006−313080号公報 上田正,山田諄,紫藤進,「半導体レーザの自己結合効果を利用した距離計」,1994年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集,1994年 山田諄,紫藤進,津田紀生,上田正,「半導体レーザの自己結合効果を利用した小型距離計に関する研究」,愛知工業大学研究報告,第31号B,p.35−42,1996年 Guido Giuliani,Michele Norgia,Silvano Donati and Thierry Bosch,「Laser diode self-mixing technique for sensing applications」,JOURNAL OF OPTICS A:PURE AND APPLIED OPTICS,p.283−294,2002年
図11に示した自己結合型の距離計によれば測定対象との距離を計測することができ、図13に示した距離・速度計によれば、測定対象との距離と測定対象の速度を同時に計測することができる。
しかしながら、図11、図13に示した従来の自己結合型のレーザ計測器では、以下のような問題点があった。図15は従来の自己結合型のレーザ計測器の問題点を説明するための図であり、計数回路207の計数結果の時間変化を示す図である。図15において、Nuは第1の発振期間P1の計数結果、Ndは第2の発振期間P2の計数結果である。
測定対象の距離変化率が半導体レーザの発振波長変化率よりも大きい場合、計数結果Nuの時間変化は、図15の150で示す負側の波形が正側に折り返された形になり、同様に計数結果Ndの時間変化は、図15の151で示す負側の波形が正側に折り返された形になる。このような計数結果の折り返しが生じると、計数結果に誤りが生じる可能性があり、距離や速度等の物理量を誤算出する可能性があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、物理量の誤算出の可能性を低減することができる物理量センサおよび物理量計測方法を提供することを目的とする。
本発明の物理量センサは、測定対象にレーザ光を放射する半導体レーザと、発振波長が連続的に単調増加する期間を少なくとも含む第1の発振期間と発振波長が連続的に単調減少する期間を少なくとも含む第2の発振期間とが交互に存在するように前記半導体レーザを動作させる発振波長変調手段と、前記半導体レーザから放射されたレーザ光と前記測定対象からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形を含む電気信号を検出する検出手段と、この検出手段の出力信号に含まれる前記干渉波形の情報から、前記測定対象の物理量を計測する計測手段と、前記測定対象が静止しているときの前記干渉波形の周期または調整の直前に計測された所定数の干渉波形の周期の平均が、予め規定された周期になるように、前記半導体レーザの発振波長変調の搬送波の振幅または周波数を調整する調整手段とを備え、前記計測手段は、前記検出手段の出力信号に含まれる前記干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える信号抽出手段と、この信号抽出手段によって干渉波形の数を数える期間における最小発振波長と最大発振波長と前記信号抽出手段の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手段とからなることを特徴とするものである。
また、本発明の物理量センサの1構成例において、前記調整手段は、前記第1の発振期間における前記干渉波形の数と前記第2の発振期間における前記干渉波形の数とが略同一のとき、このときの干渉波形の周期が予め規定された周期になるように、前記搬送波の振幅または周波数を調整することを特徴とするものである。
また、本発明の物理量センサの1構成例において、前記調整手段は、前記干渉波形の数の平均値を算出することにより前記半導体レーザと前記測定対象との平均距離に比例した干渉波形の数である距離比例個数を求める距離比例個数算出手段と、前記距離比例個数から前記干渉波形の周期を算出する周期算出手段と、この周期算出手段が算出した周期が予め規定された周期になるように、前記搬送波の振幅または周波数を調整する搬送波調整手段とからなることを特徴とするものである。
また、本発明の物理量センサの1構成例において、前記予め規定された周期は、物理量センサが処理することの可能な干渉波形の最高周波数の1/2の値に対応する周期であることを特徴とするものである。
また、本発明の物理量計測方法は、発振波長が連続的に単調増加する期間を少なくとも含む第1の発振期間と発振波長が連続的に単調減少する期間を少なくとも含む第2の発振期間とが交互に存在するように半導体レーザを動作させる発振手順と、前記半導体レーザから放射されたレーザ光と測定対象からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形を含む電気信号を検出する検出手順と、この検出手順で得られた出力信号に含まれる前記干渉波形の情報から、前記測定対象の物理量を計測する計測手順と、前記測定対象が静止しているときの前記干渉波形の周期または調整の直前に計測された所定数の干渉波形の周期の平均が、予め規定された周期になるように、前記半導体レーザの発振波長変調の搬送波の振幅または周波数を調整する調整手順とを備え、前記計測手順は、前記検出手順で得られた出力信号に含まれる前記干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える信号抽出手順と、この信号抽出手順によって干渉波形の数を数える期間における最小発振波長と最大発振波長と前記信号抽出手順の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手順とからなることを特徴とするものである。
本発明によれば、半導体レーザの発振波長変調の搬送波の振幅または周波数を調整することが可能な調整手段を設けることにより、干渉波形の計数結果に折り返しが生じる可能性を低減することができ、距離や速度等の物理量を誤算出する可能性を低減することができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る物理量センサの構成を示すブロック図である。
図1の物理量センサは、測定対象の物体10にレーザ光を放射する半導体レーザ1と、半導体レーザ1の光出力を電気信号に変換するフォトダイオード2と、半導体レーザ1からの光を集光して放射すると共に、物体10からの戻り光を集光して半導体レーザ1に入射させるレンズ3と、半導体レーザ1を駆動する発振波長変調手段となるレーザドライバ4と、フォトダイオード2の出力電流を電圧に変換して増幅する電流−電圧変換増幅部5と、電流−電圧変換増幅部5の出力電圧から搬送波を除去するフィルタ部6と、フィルタ部6の出力電圧に含まれる自己結合信号であるモードホップパルス(以下、MHPとする)の数を数える信号抽出部7と、MHPの数から物体10との距離及び物体10の速度を算出する演算部8と、演算部8の算出結果を表示する表示部9と、半導体レーザ1の発振波長変調の搬送波の振幅または周波数を調整することが可能な調整部11とを有する。
フォトダイオード2と電流−電圧変換増幅部5とは検出手段を構成し、信号抽出部7と演算部8とは計測手段を構成している。以下、説明容易にするために、半導体レーザ1には、モードホッピング現象を持たない型(VCSEL型、DFBレーザ型)のものが用いられているものと想定する。
レーザドライバ4は、時間に関して一定の変化率で増減を繰り返す三角波駆動電流を注入電流として半導体レーザ1に供給する。これにより、半導体レーザ1は、注入電流の大きさに比例して発振波長が一定の変化率で連続的に増加する第1の発振期間P1と発振波長が一定の変化率で連続的に減少する第2の発振期間P2とを交互に繰り返すように駆動される。このときの半導体レーザ1の発振波長の時間変化は、図14に示したとおりである。本実施の形態では、発振波長の最大値λb及び発振波長の最小値λaはそれぞれ常に一定になされており、それらの差λb−λaも常に一定になされている。
半導体レーザ1から出射したレーザ光は、レンズ3によって集光され、物体10に入射する。物体10で反射された光は、レンズ3によって集光され、半導体レーザ1に入射する。ただし、レンズ3による集光は必須ではない。フォトダイオード2は、半導体レーザ1の内部又はその近傍に配置され、半導体レーザ1の光出力を電流に変換する。電流−電圧変換増幅部5は、フォトダイオード2の出力電流を電圧に変換して増幅する。
フィルタ部6は、変調波から重畳信号を抽出する機能を有するものである。図2(A)は電流−電圧変換増幅部5の出力電圧波形を模式的に示す図、図2(B)はフィルタ部6の出力電圧波形を模式的に示す図である。これらの図は、フォトダイオード2の出力に相当する図2(A)の波形(変調波)から、図2の半導体レーザ1の発振波形(搬送波)を除去して、図2(B)のMHP波形(干渉波形)を抽出する過程を表している。
信号抽出部7は、フィルタ部6の出力に含まれるMHPの数を第1の発振期間P1と第2の発振期間P2の各々について数える。信号抽出部7は、論理ゲートからなるカウンタを利用するものでもよいし、FFT(Fast Fourier Transform)を利用してMHPの周波数(すなわち単位時間あたりのMHPの数)を計測するものでもよい。
次に、演算部8は、半導体レーザ1の最小発振波長λaと最大発振波長λbと信号抽出部7が数えたMHPの数に基づいて、物体10との距離および物体10の速度を算出する。図3は演算部8の構成の1例を示すブロック図、図4は演算部8の動作を示すフローチャートである。演算部8は、半導体レーザ1の最小発振波長λaと最大発振波長λbとMHPの数に基づいて物体10との距離の候補値と物体10の速度の候補値とを算出する距離・速度算出部80と、距離・速度算出部80で算出された距離の候補値と直前に算出された距離の候補値との差である履歴変位を算出する履歴変位算出部81と、距離・速度算出部80と履歴変位算出部81の算出結果を記憶する記憶部82と、距離・速度算出部80と履歴変位算出部81の算出結果に基づいて物体10の状態を判定する状態判定部83と、状態判定部83の判定結果に基づいて物体10との距離及び物体10の速度を確定する距離・速度確定部84とから構成される。
本実施の形態では、物体10の状態を所定の条件を満たす微小変位状態、あるいは微小変位状態よりも動きが大きい変位状態のいずれかであるとする。発振期間P1と発振期間P2の1期間あたりの物体10の平均変位をVとしたとき、微小変位状態とは(λb−λa)/λb>V/Lbを満たす状態であり(ただし、Lbは時刻tのときの距離)、変位状態とは(λb−λa)/λb≦V/Lbを満たす状態である。
まず、演算部8の距離・速度算出部80は、現時刻tにおける距離の候補値Lα(t),Lβ(t)と速度の候補値Vα(t),Vβ(t)を次式のように算出して、記憶部82に格納する(図4ステップS10)。
Lα(t)=λa×λb×(MHP(t−1)+MHP(t))
/{4×(λb−λa)} ・・・(2)
Lβ(t)=λa×λb×(|MHP(t−1)−MHP(t)|)
/{4×(λb−λa)} ・・・(3)
Vα(t)=(MHP(t−1)−MHP(t))×λb/4 ・・・(4)
Vβ(t)=(MHP(t−1)+MHP(t))×λb/4 ・・・(5)
式(2)〜式(5)において、MHP(t)は現時刻tにおいて算出されたMHPの数、MHP(t−1)はMHP(t)の1回前に算出されたMHPの数である。例えば、MHP(t)が第1の発振期間P1の計数結果であるとすれば、MHP(t−1)は第2の発振期間P2の計数結果であり、逆にMHP(t)が第2の発振期間P2の計数結果であるとすれば、MHP(t−1)は第1の発振期間P1の計数結果である。
候補値Lα(t),Vα(t)は物体10が微小変位状態にあると仮定して計算した値であり、候補値Lβ(t),Vβ(t)は物体10が変位状態にあると仮定して計算した値である。演算部8は、式(2)〜式(5)の計算を信号抽出部7によってMHPの数が測定される時刻毎(発振期間毎)に行う。
続いて、演算部8の履歴変位算出部81は、微小変位状態と変位状態の各々について、現時刻tにおける距離の候補値と、記憶部82に格納された、直前の時刻における距離の候補値との差である履歴変位を次式のように算出して、記憶部82に格納する(図4ステップS11)。なお、式(6)、式(7)では、現時刻tの1回前に算出された距離の候補値をLα(t−1),Lβ(t−1)としている。
Vcalα(t)=Lα(t)−Lα(t−1) ・・・(6)
Vcalβ(t)=Lβ(t)−Lβ(t−1) ・・・(7)
履歴変位Vcalα(t)は物体10が微小変位状態にあると仮定して計算した値であり、履歴変位Vcalβ(t)は物体10が変位状態にあると仮定して計算した値である。演算部8は、式(6)〜式(7)の計算を信号抽出部7によってMHPの数が測定される時刻毎に行う。なお、式(4)〜式(7)においては、物体10が本実施の形態の距離・速度計に近づく方向を正の速度、遠ざかる方向を負の速度と定めている。
次に、演算部8の状態判定部83は、記憶部82に格納された式(2)〜式(7)の算出結果を用いて、物体10の状態を判定する(図4ステップS12)。
特許文献1に記載されているように、状態判定部83は、物体10が微小変位状態にあると仮定して計算した履歴変位Vcalα(t)の符号が一定で、かつ物体10が微小変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vα(t)と履歴変位Vcalα(t)の絶対値の平均値とが等しい場合、物体10が微小変位状態で等速度運動していると判定する。
また、特許文献1に記載されているように、状態判定部83は、物体10が変位状態にあると仮定して計算した履歴変位Vcalβ(t)の符号が一定で、かつ物体10が変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vβ(t)と履歴変位Vcalβ(t)の絶対値の平均値とが等しい場合、物体10が変位状態で等速度運動していると判定する。
また、特許文献1に記載されているように、状態判定部83は、物体10が微小変位状態にあると仮定して計算した履歴変位Vcalα(t)の符号がMHPの数が測定される時刻毎に反転し、かつ物体10が微小変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vα(t)と履歴変位Vcalα(t)の絶対値の平均値とが一致しない場合、物体10が微小変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定する。
なお、速度の候補値Vβ(t)に着目すると、Vβ(t)の絶対値は定数となり、この値は半導体レーザ1の波長変化率(λb−λa)/λbと等しい。そこで、状態判定部83は、物体10が変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vβ(t)の絶対値が波長変化率と等しく、かつ物体10が微小変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vα(t)と履歴変位Vcalα(t)の絶対値の平均値とが一致しない場合、物体10が微小変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定してもよい。
また、特許文献1に記載されているように、状態判定部83は、物体10が変位状態にあると仮定して計算した履歴変位Vcalβ(t)の符号がMHPの数が測定される時刻毎に反転し、かつ物体10が変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vβ(t)と履歴変位Vcalβ(t)の絶対値の平均値とが一致しない場合、物体10が変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定する。
なお、速度の候補値Vα(t)に着目すると、Vα(t)の絶対値は定数となり、この値は半導体レーザ1の波長変化率(λb−λa)/λbと等しい。したがって、状態判定部83は、物体10が微小変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vα(t)の絶対値が波長変化率と等しく、かつ物体10が変位状態にあると仮定して計算した速度の候補値Vβ(t)と履歴変位Vcalβ(t)の絶対値の平均値とが一致しない場合、物体10が変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定してもよい。
演算部8の距離・速度確定部84は、状態判定部83の判定結果に基づいて物体10の速度及び物体10との距離を確定する(図4ステップS13)。
すなわち、距離・速度確定部84は、物体10が微小変位状態で等速度運動していると判定された場合、速度の候補値Vα(t)を物体10の速度とし、距離の候補値Lα(t)を物体10との距離とし、物体10が変位状態で等速度運動していると判定された場合、速度の候補値Vβ(t)を物体10の速度とし、距離の候補値Lβ(t)を物体10との距離とする。
また、距離・速度確定部84は、物体10が微小変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定された場合、速度の候補値Vα(t)を物体10の速度とし、距離の候補値Lα(t)を物体10との距離とする。ただし、実際の距離は、距離の候補値Lα(t)の平均値となる。また、距離・速度確定部84は、物体10が変位状態で等速度運動以外の運動をしていると判定された場合、速度の候補値Vβ(t)を物体10の速度とし、距離の候補値Lβ(t)を物体10との距離とする。ただし、実際の距離は、距離の候補値Lβ(t)の平均値となる。
なお、MHP(t−1)とMHP(t)の大小関係によって、Vβ(t)は必ず正の値となり、Vα(t)は正又は負の値のいずれかとなるが、これらの符号は物体10の速度の向きを表現したものではない。発振波長が増加している方の半導体レーザのMHPの数が、発振波長が減少している方の半導体レーザのMHPの数よりも大きいとき、物体10の速度は正方向(レーザに接近する方向)となる。
演算部8は、ステップS10〜S13の処理を、信号抽出部7によってMHPの数が測定される時刻毎(発振期間毎)に行う。
表示部9は、演算部8によって算出された物体10との距離及び物体10の速度をリアルタイムで表示する。
次に、調整部11は、物体10が静止している初期設定時において、例えばオペレータによって搬送波調整指示信号が入力されたとき、レーザドライバ4を通じて三角波駆動電流の振幅(搬送波の振幅)を調整する。
図5は調整部11の構成例を示すブロック図である。調整部11は、2値化部110と、周期測定部111と、搬送波調整部112とから構成される。
図6(A)〜図6(D)は調整部11の動作を説明するための図であり、図6(A)はフィルタ部6の出力電圧の波形、すなわちMHPの波形を模式的に示す図、図6(B)は図6(A)に対応する2値化部110の出力を示す図、図6(C)は調整部11に入力されるサンプリングクロックCLKを示す図、図6(D)は図6(B)に対応する周期測定部111の測定結果を示す図である。
まず、調整部11の2値化部110は、図6(A)に示すフィルタ部6の出力電圧がハイレベル(H)かローレベル(L)かを判定して、図6(B)のような判定結果を出力する。このとき、2値化部110は、フィルタ部6の出力電圧が上昇してしきい値TH1以上になったときにハイレベルと判定し、フィルタ部6の出力電圧が下降してしきい値TH2(TH2<TH1)以下になったときにローレベルと判定することにより、フィルタ部6の出力を2値化する。
周期測定部111は、2値化部110の出力の立ち上がりエッジの周期(すなわち、MHPの周期)を立ち上がりエッジが発生する度に測定する。このとき、周期測定部111は、図6(C)に示すサンプリングクロックCLKの周期を1単位としてMHPの周期を測定する。図6(D)の例では、周期測定部111は、MHPの周期としてTα,Tβ,Tγを順次測定している。図6(C)、図6(D)から明らかなように、周期Tα,Tβ,Tγの大きさは、それぞれ5[samplings]、4[samplings]、2[samplings]である。サンプリングクロックCLKの周波数は、MHPの取り得る最高周波数に対して十分に高いものとする。
搬送波調整部112は、物体10が静止している初期設定時において、例えばオペレータから入力される搬送波調整指示信号に応じて、周期測定部111が計測したMHPの周期Tが予め規定された周期T0になるように、レーザドライバ4を通じて三角波駆動電流の振幅(搬送波の振幅)を調整する。ここで、予め規定された周期T0は、物理量センサが処理することのできるMHPの最高周波数fmaxの1/2の値に対応する周期である(T0=2/fmax)。物理量センサが処理することのできるMHPの最高周波数fmaxは、物理量センサの回路(例えば電流−電圧変換増幅部5に含まれるオペアンプ)によって決まる。
図7はレーザドライバ4から半導体レーザ1に供給される三角波駆動電流の振幅の調整方法を説明するための図である。搬送波調整部112からの指示に応じて、レーザドライバ4は、駆動電流の最大値を一定値(図7の例では半導体レーザ1によって規定される駆動電流の上限値CL)に固定したまま、駆動電流の最小値を大きくするか或いは小さくすることで、駆動電流の振幅AMPを調整する。こうして、駆動電流の振幅を調整することができる。
以上のように、本実施の形態では、計測したMHPの周期を予め規定された周期T0に設定することにより、物体10の速度に関する計測のダイナミックレンジを最大にすることができ、信号抽出部7の計数結果に折り返しが生じる可能性を低減することができ、距離や速度等の物理量を誤算出する可能性を低減することができる。
なお、搬送波調整部112は、周期測定部111が計測したMHPの周期Tが予め規定された周期T0になるように、レーザドライバ4を通じて三角波駆動電流の周波数(搬送波の周波数)を調整してもよい。
また、本実施の形態では、調整に用いるMHPの周期Tを物体10が静止している状態での周期としたが、これに限るものではなく、調整の直前に計測された所定数のMHPの周期の移動平均を周期Tとして、搬送波の振幅または周波数を調整してもよい。この方法によれば、静止させることができない物体10の場合であっても、搬送波の振幅または周波数を調整することができる。
また、調整部11は、信号抽出部7の計数結果に基づいて物体10が静止しているかどうかを判定するようにしてもよい。すなわち、搬送波調整部112は、半導体レーザ1の発振波長が増加する第1の発振期間P1におけるMHPの数と発振波長が減少する第2の発振期間P2におけるMHPの数とが略同一のとき、物体10が静止していると判定し、このとき周期測定部111が計測したMHPの周期Tが予め規定された周期T0になるように、レーザドライバ4を通じて三角波駆動電流の振幅または周波数を調整してもよい。
また、本実施の形態では、物体10との距離及び物体10の速度の両方を計測しているが、どちらか一方だけを計測してもよいことは言うまでもない。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図8は本実施の形態の調整部11の構成例を示すブロック図である。調整部11は、搬送波調整部112aと、信号抽出部7の計数結果等を記憶する記憶部113と、信号抽出部7の計数結果の平均値を算出することにより、半導体レーザ1と物体10との平均距離に比例したMHPの数(以下、距離比例個数とする)NLを求める距離比例個数算出部114と、信号抽出部7の1回前の計数結果とこの計数結果よりも過去の計数結果を用いて算出された距離比例個数NLの2倍数との大小関係に応じて信号抽出部7の最新の計数結果に正負の符号を付与する符号付与部115と、距離比例個数NLからMHPの周期を算出する周期算出部116とから構成される。
信号抽出部7の計数結果は、調整部11の記憶部113に格納される。調整部11の距離比例個数算出部114は、信号抽出部7の計数結果から距離比例個数NLを求める。図9は距離比例個数算出部114の動作を説明するための図であり、信号抽出部7の計数結果の時間変化を示す図である。図9において、Nuは第1の発振期間P1の計数結果、Ndは第2の発振期間P2の計数結果である。
物体10の距離変化率が半導体レーザ1の発振波長変化率よりも小さく、物体10が単振動している場合、計数結果Nuの時間変化と計数結果Ndの時間変化は、図9に示すように互いの位相差が180度の正弦波形となる。特許文献1では、このときの物体10の状態を微小変位状態としている。
図14から明らかなように、第1の発振期間P1と第2の発振期間P2は交互に訪れるので、計数結果Nuと計数結果Ndも交互に現れる。計数結果Nu,Ndは、距離比例個数NLと物体10の変位に比例したMHPの数(以下、変位比例個数とする)NVとの和もしくは差である。距離比例個数NLは、図9に示した正弦波形の平均値に相当する。また、計数結果NuまたはNdと距離比例個数NLとの差が、変位比例個数NVに相当する。
距離比例個数算出部114は、次式に示すように現時刻tの2回前までに計測された偶数回分の計数結果の平均値を算出することにより、距離比例個数NLを算出する。
NL={N(t−2)+N(t−3)}/2 ・・・(8)
式(8)において、N(t−2)は現時刻tの2回前に計測されたMHPの数Nであることを表し、N(t−3)は現時刻tの3回前に計測されたMHPの数Nであることを表している。現時刻tの計数結果N(t)が第1の発振期間P1の計数結果Nuであれば、2回前の計数結果N(t−2)も第1の発振期間P1の計数結果Nuであり、3回前の計数結果N(t−3)は第2の発振期間P2の計数結果Ndである。反対に、現時刻tの計数結果N(t)が第2の発振期間P2の計数結果Ndであれば、2回前の計数結果N(t−2)も第2の発振期間P2の計数結果Ndであり、3回前の計数結果N(t−3)は第1の発振期間P1の計数結果Nuである。
式(8)は2回分の計数結果で距離比例個数NLを求める場合の式であるが、2m(mは正の整数)回の計数結果を用いる場合、距離比例個数算出部114は、次式のように距離比例個数NLを算出する。
NL={N(t−2m−1)+N(t−2m)+・・・+N(t−2)}/2m
・・・(9)
ただし、式(8)、式(9)は物体10との距離及び物体10の速度の計測開始初期に用いる式で、途中からは式(8)の代わりに後述する符号付き計数結果を用いる次式により距離比例個数NLを算出する。
NL={N’(t−2)+N’(t−3)}/2 ・・・(10)
N’(t−2)は2回前の計数結果N(t−2)に後述する符号付与処理を施した後の符号付き計数結果、N’(t−3)は3回前の計数結果N(t−3)に符号付与処理を施した後の符号付き計数結果である。式(10)が使用されるのは、現時刻tの計数結果N(t)がMHPの数の計測開始から7回目の計数結果になったとき以降である。
また、計測開始初期に式(9)を用いる場合には、途中からは式(9)の代わりに符号付き計数結果を用いる次式により距離比例個数NLを算出する。
NL={N’(t−2m−1)+N’(t−2m)+・・・+N’(t−2)}/2m
・・・(11)
式(11)が使用されるのは、現時刻tの計数結果N(t)がMHPの数の計測開始から(2m×2+3)回目の計数結果になったとき以降である。
距離比例個数NLは、記憶部113に格納される。距離比例個数算出部114は、以上のような距離比例個数NLの算出処理を、信号抽出部7によってMHPの数が測定される時刻毎(発振期間毎)に行う。
なお、距離比例個数NLの算出に用いる計数結果が十分に多いときは、奇数回分の計数結果で距離比例個数NLを算出してもよい。
次に、符号付与部115は、現時刻tの1回前に計測された計数結果N(t−1)と距離比例個数NLの2倍数2NLとの大小関係に応じて信号抽出部7の計数結果N(t)に正負の符号を付与する。符号付与部115は、具体的には以下の式を実行する。
If N(t−1)≧2NL Then N’(t)→−N(t) ・・・(12)
If N(t−1)<2NL Then N’(t)→+N(t) ・・・(13)
図15に示したように、物体10の距離変化率が半導体レーザ1の発振波長変化率よりも大きい場合、計数結果Nuの時間変化は、図15の150で示す負側の波形が正側に折り返された形になり、同様に計数結果Ndの時間変化は、図15の151で示す負側の波形が正側に折り返された形になる。特許文献1では、この計数結果の折り返しが生じている部分における物体10の状態を変位状態としている。一方、計数結果の折り返しが生じていない部分における物体10の状態は、上記の微小変位状態である。
変位状態を含む振動における物体10の物理量を求めるためには、物体10が変位状態であるか微小変位状態であるかを判定し、物体10が変位状態である場合には、正側に折り返されている計数結果が図15の150,151で示した軌跡を描くように補正する必要がある。式(12)、式(13)は、物体10が変位状態であるか微小変位状態であるかを判定するための式である。図15において計数結果の折り返しが生じている変位状態では、N(t−1)≧2NLが成立する。したがって、式(12)に示すように、N(t−1)≧2NLが成立する場合には、信号抽出部7の現時刻tの計数結果N(t)に負の符号を与えたものを符号付き計数結果N’(t)とする。
一方、図9および図15において計数結果の折り返しが生じていない微小変位状態では、N(t−1)<2NLが成立する。したがって、式(13)に示すように、N(t−1)<2NLが成立する場合には、信号抽出部7の現時刻tの計数結果N(t)に正の符号を与えたものを符号付き計数結果N’(t)とする。
符号付き計数結果N’(t)は、記憶部113に格納される。符号付与部115は、以上のような符号付与処理を、信号抽出部7によってMHPの数が測定される時刻毎(発振期間毎)に行う。
なお、式(12)の成立条件をN(t−1)>2NLにして、式(13)の成立条件をN(t−1)≦2NLにしてもよい。
次に、周期算出部116は、距離比例個数NLからMHPの周期Tを次式のように算出する。
T=C/(2×f×NL) ・・・(14)
ここで、fは三角波の周波数、Cは光速である。
搬送波調整部112aは、周期算出部116が算出したMHPの周期Tが予め規定された周期T0になるように、レーザドライバ4を通じて三角波駆動電流の振幅または周波数を調整すればよい。
本実施の形態では、静止させることができない物体10の場合であっても、搬送波の振幅または周波数を調整することができる。ただし、本実施の形態の場合、振動している物体10の振動周期が搬送波の周波数と比較して十分に遅い場合(例えば1/10)に有効である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第1、第2の実施の形態では、MHP波形を含む電気信号を検出する検出手段としてフォトダイオード2と電流−電圧変換増幅部5とを用いたが、フォトダイオードを使用することなくMHP波形を抽出することも可能である。図10は本発明の第3の実施の形態に係る物理量センサの構成を示すブロック図であり、図1と同様の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態の物理量センサは、第1、第2の実施の形態のフォトダイオード2と電流−電圧変換増幅部5の代わりに、検出手段として電圧検出部12を用いるものである。
電圧検出部12は、半導体レーザ1の端子間電圧、すなわちアノード−カソード間電圧を検出して増幅する。半導体レーザ1から放射されたレーザ光と物体10からの戻り光とによって干渉が生じるとき、半導体レーザ1の端子間電圧には、MHP波形が現れる。したがって、半導体レーザ1の端子間電圧からMHP波形を抽出することが可能である。
フィルタ部6は、電圧検出部12の出力電圧から搬送波を除去する。物理量センサのその他の構成は、第1、第2の実施の形態と同じである。
こうして、本実施の形態では、フォトダイオードを使用することなくMHP波形を抽出することができ、第1、第2の実施の形態と比較して物理量センサの部品を削減することができ、物理量センサのコストを低減することができる。また、本実施の形態では、フォトダイオードを使用しないので、外乱光による影響を除去することができる。
なお、第1〜第3の実施の形態において少なくとも信号抽出部7と演算部8と調整部11とは、例えばCPU、メモリおよびインタフェースを備えたコンピュータとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、メモリに格納されたプログラムに従って第1〜第3の実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、半導体レーザから放射したレーザ光と物体からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉の情報から、物体の物理量を計測する技術に適用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る物理量センサの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における電流−電圧変換増幅部の出力電圧波形およびフィルタ部の出力電圧波形を模式的に示す波形図である。 本発明の第1の実施の形態における演算部の構成の1例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における演算部の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における調整部の構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における調整部の動作を説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態においてレーザドライバから半導体レーザに供給される三角波駆動電流の振幅の調整方法を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態における調整部の構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態における信号抽出部の計数結果の時間変化の1例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る物理量センサの構成を示すブロック図である。 従来のレーザ計測器における半導体レーザの複合共振器モデルを示す図である。 半導体レーザの発振波長と内蔵フォトダイオードの出力波形との関係を示す図である。 従来の距離・速度計の構成を示すブロック図である。 図13の距離・速度計における半導体レーザの発振波長の時間変化の1例を示す図である。 従来の自己結合型のレーザ計測器の問題点を説明するための図である。
符号の説明
1…半導体レーザ、2…フォトダイオード、3…レンズ、4…レーザドライバ、5…電流−電圧変換増幅部、6…フィルタ部、7…信号抽出部、8…演算部、9…表示部、10…物体、11…調整部、12…電圧検出部、80…距離・速度算出部、81…履歴変位算出部、82…記憶部、83…状態判定部、84…距離・速度確定部、110…2値化部、111…周期測定部、112,112a…搬送波調整部、113…記憶部、114…距離比例個数算出部、115…符号付与部、116…周期算出部。

Claims (8)

  1. 測定対象にレーザ光を放射する半導体レーザと、
    発振波長が連続的に単調増加する期間を少なくとも含む第1の発振期間と発振波長が連続的に単調減少する期間を少なくとも含む第2の発振期間とが交互に存在するように前記半導体レーザを動作させる発振波長変調手段と、
    前記半導体レーザから放射されたレーザ光と前記測定対象からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形を含む電気信号を検出する検出手段と、
    この検出手段の出力信号に含まれる前記干渉波形の情報から、前記測定対象の物理量を計測する計測手段と、
    前記測定対象が静止しているときの前記干渉波形の周期または調整の直前に計測された所定数の干渉波形の周期の平均が、予め規定された周期になるように、前記半導体レーザの発振波長変調の搬送波の振幅または周波数を調整する調整手段とを備え
    前記計測手段は、
    前記検出手段の出力信号に含まれる前記干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える信号抽出手段と、
    この信号抽出手段によって干渉波形の数を数える期間における最小発振波長と最大発振波長と前記信号抽出手段の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手段とからなることを特徴とする物理量センサ。
  2. 請求項記載の物理量センサにおいて、
    前記調整手段は、前記第1の発振期間における前記干渉波形の数と前記第2の発振期間における前記干渉波形の数とが略同一のとき、このときの干渉波形の周期が予め規定された周期になるように、前記搬送波の振幅または周波数を調整することを特徴とする物理量センサ。
  3. 請求項記載の物理量センサにおいて、
    前記調整手段は、
    前記干渉波形の数の平均値を算出することにより前記半導体レーザと前記測定対象との平均距離に比例した干渉波形の数である距離比例個数を求める距離比例個数算出手段と、
    前記距離比例個数から前記干渉波形の周期を算出する周期算出手段と、
    この周期算出手段が算出した周期が予め規定された周期になるように、前記搬送波の振幅または周波数を調整する搬送波調整手段とからなることを特徴とする物理量センサ。
  4. 請求項乃至のいずれか1項に記載の物理量センサにおいて、
    前記予め規定された周期は、物理量センサが処理することの可能な干渉波形の最高周波数の1/2の値に対応する周期であることを特徴とする物理量センサ。
  5. 発振波長が連続的に単調増加する期間を少なくとも含む第1の発振期間と発振波長が連続的に単調減少する期間を少なくとも含む第2の発振期間とが交互に存在するように半導体レーザを動作させる発振手順と、
    前記半導体レーザから放射されたレーザ光と測定対象からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形を含む電気信号を検出する検出手順と、
    この検出手順で得られた出力信号に含まれる前記干渉波形の情報から、前記測定対象の物理量を計測する計測手順と、
    前記測定対象が静止しているときの前記干渉波形の周期または調整の直前に計測された所定数の干渉波形の周期の平均が、予め規定された周期になるように、前記半導体レーザの発振波長変調の搬送波の振幅または周波数を調整する調整手順とを備え
    前記計測手順は、
    前記検出手順で得られた出力信号に含まれる前記干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える信号抽出手順と、
    この信号抽出手順によって干渉波形の数を数える期間における最小発振波長と最大発振波長と前記信号抽出手順の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手順とからなることを特徴とする物理量計測方法。
  6. 請求項記載の物理量計測方法において、
    前記調整手順は、前記第1の発振期間における前記干渉波形の数と前記第2の発振期間における前記干渉波形の数とが略同一のとき、このときの干渉波形の周期が予め規定された周期になるように、前記搬送波の振幅または周波数を調整することを特徴とする物理量計測方法。
  7. 請求項記載の物理量計測方法において、
    前記調整手順は、
    前記干渉波形の数の平均値を算出することにより前記半導体レーザと前記測定対象との平均距離に比例した干渉波形の数である距離比例個数を求める距離比例個数算出手順と、
    前記距離比例個数から前記干渉波形の周期を算出する周期算出手順と、
    この周期算出手順で算出した周期が予め規定された周期になるように、前記搬送波の振幅または周波数を調整する搬送波調整手順とからなることを特徴とする物理量計測方法。
  8. 請求項乃至のいずれか1項に記載の物理量計測方法において、
    前記予め規定された周期は、物理量計測方法が処理することの可能な干渉波形の最高周波数の1/2の値に対応する周期であることを特徴とする物理量計測方法。
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