JP5421568B2 - 物理量センサおよび物理量計測方法 - Google Patents
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Description
L=qλ/2 ・・・(1)
式(1)において、qは整数である。この現象は、測定対象104からの散乱光が極めて微弱であっても、半導体レーザの共振器101内の見かけの反射率が増加することにより、増幅作用が生じ、十分観測できる。
ただし、自己結合型を含め従来の干渉型計測器では、静止した測定対象との距離を計測することはできても、速度を持つ測定対象の距離を計測することはできないという問題点があった。
しかしながら、図11、図13に示した従来の自己結合型のレーザ計測器では、以下のような問題点があった。図15は従来の自己結合型のレーザ計測器の問題点を説明するための図であり、計数回路207の計数結果の時間変化を示す図である。図15において、Nuは第1の発振期間P1の計数結果、Ndは第2の発振期間P2の計数結果である。
また、本発明の物理量センサの1構成例において、前記調整手段は、前記干渉波形の数の平均値を算出することにより前記半導体レーザと前記測定対象との平均距離に比例した干渉波形の数である距離比例個数を求める距離比例個数算出手段と、前記距離比例個数から前記干渉波形の周期を算出する周期算出手段と、この周期算出手段が算出した周期が予め規定された周期になるように、前記搬送波の振幅または周波数を調整する搬送波調整手段とからなることを特徴とするものである。
また、本発明の物理量センサの1構成例において、前記予め規定された周期は、物理量センサが処理することの可能な干渉波形の最高周波数の1/2の値に対応する周期であることを特徴とするものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る物理量センサの構成を示すブロック図である。
図1の物理量センサは、測定対象の物体10にレーザ光を放射する半導体レーザ1と、半導体レーザ1の光出力を電気信号に変換するフォトダイオード2と、半導体レーザ1からの光を集光して放射すると共に、物体10からの戻り光を集光して半導体レーザ1に入射させるレンズ3と、半導体レーザ1を駆動する発振波長変調手段となるレーザドライバ4と、フォトダイオード2の出力電流を電圧に変換して増幅する電流−電圧変換増幅部5と、電流−電圧変換増幅部5の出力電圧から搬送波を除去するフィルタ部6と、フィルタ部6の出力電圧に含まれる自己結合信号であるモードホップパルス(以下、MHPとする)の数を数える信号抽出部7と、MHPの数から物体10との距離及び物体10の速度を算出する演算部8と、演算部8の算出結果を表示する表示部9と、半導体レーザ1の発振波長変調の搬送波の振幅または周波数を調整することが可能な調整部11とを有する。
Lα(t)=λa×λb×(MHP(t−1)+MHP(t))
/{4×(λb−λa)} ・・・(2)
Lβ(t)=λa×λb×(|MHP(t−1)−MHP(t)|)
/{4×(λb−λa)} ・・・(3)
Vα(t)=(MHP(t−1)−MHP(t))×λb/4 ・・・(4)
Vβ(t)=(MHP(t−1)+MHP(t))×λb/4 ・・・(5)
Vcalα(t)=Lα(t)−Lα(t−1) ・・・(6)
Vcalβ(t)=Lβ(t)−Lβ(t−1) ・・・(7)
次に、演算部8の状態判定部83は、記憶部82に格納された式(2)〜式(7)の算出結果を用いて、物体10の状態を判定する(図4ステップS12)。
すなわち、距離・速度確定部84は、物体10が微小変位状態で等速度運動していると判定された場合、速度の候補値Vα(t)を物体10の速度とし、距離の候補値Lα(t)を物体10との距離とし、物体10が変位状態で等速度運動していると判定された場合、速度の候補値Vβ(t)を物体10の速度とし、距離の候補値Lβ(t)を物体10との距離とする。
表示部9は、演算部8によって算出された物体10との距離及び物体10の速度をリアルタイムで表示する。
図5は調整部11の構成例を示すブロック図である。調整部11は、2値化部110と、周期測定部111と、搬送波調整部112とから構成される。
また、本実施の形態では、調整に用いるMHPの周期Tを物体10が静止している状態での周期としたが、これに限るものではなく、調整の直前に計測された所定数のMHPの周期の移動平均を周期Tとして、搬送波の振幅または周波数を調整してもよい。この方法によれば、静止させることができない物体10の場合であっても、搬送波の振幅または周波数を調整することができる。
また、本実施の形態では、物体10との距離及び物体10の速度の両方を計測しているが、どちらか一方だけを計測してもよいことは言うまでもない。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図8は本実施の形態の調整部11の構成例を示すブロック図である。調整部11は、搬送波調整部112aと、信号抽出部7の計数結果等を記憶する記憶部113と、信号抽出部7の計数結果の平均値を算出することにより、半導体レーザ1と物体10との平均距離に比例したMHPの数(以下、距離比例個数とする)NLを求める距離比例個数算出部114と、信号抽出部7の1回前の計数結果とこの計数結果よりも過去の計数結果を用いて算出された距離比例個数NLの2倍数との大小関係に応じて信号抽出部7の最新の計数結果に正負の符号を付与する符号付与部115と、距離比例個数NLからMHPの周期を算出する周期算出部116とから構成される。
NL={N(t−2)+N(t−3)}/2 ・・・(8)
NL={N(t−2m−1)+N(t−2m)+・・・+N(t−2)}/2m
・・・(9)
NL={N’(t−2)+N’(t−3)}/2 ・・・(10)
N’(t−2)は2回前の計数結果N(t−2)に後述する符号付与処理を施した後の符号付き計数結果、N’(t−3)は3回前の計数結果N(t−3)に符号付与処理を施した後の符号付き計数結果である。式(10)が使用されるのは、現時刻tの計数結果N(t)がMHPの数の計測開始から7回目の計数結果になったとき以降である。
NL={N’(t−2m−1)+N’(t−2m)+・・・+N’(t−2)}/2m
・・・(11)
式(11)が使用されるのは、現時刻tの計数結果N(t)がMHPの数の計測開始から(2m×2+3)回目の計数結果になったとき以降である。
なお、距離比例個数NLの算出に用いる計数結果が十分に多いときは、奇数回分の計数結果で距離比例個数NLを算出してもよい。
If N(t−1)≧2NL Then N’(t)→−N(t) ・・・(12)
If N(t−1)<2NL Then N’(t)→+N(t) ・・・(13)
なお、式(12)の成立条件をN(t−1)>2NLにして、式(13)の成立条件をN(t−1)≦2NLにしてもよい。
T=C/(2×f×NL) ・・・(14)
ここで、fは三角波の周波数、Cは光速である。
本実施の形態では、静止させることができない物体10の場合であっても、搬送波の振幅または周波数を調整することができる。ただし、本実施の形態の場合、振動している物体10の振動周期が搬送波の周波数と比較して十分に遅い場合(例えば1/10)に有効である。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第1、第2の実施の形態では、MHP波形を含む電気信号を検出する検出手段としてフォトダイオード2と電流−電圧変換増幅部5とを用いたが、フォトダイオードを使用することなくMHP波形を抽出することも可能である。図10は本発明の第3の実施の形態に係る物理量センサの構成を示すブロック図であり、図1と同様の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態の物理量センサは、第1、第2の実施の形態のフォトダイオード2と電流−電圧変換増幅部5の代わりに、検出手段として電圧検出部12を用いるものである。
こうして、本実施の形態では、フォトダイオードを使用することなくMHP波形を抽出することができ、第1、第2の実施の形態と比較して物理量センサの部品を削減することができ、物理量センサのコストを低減することができる。また、本実施の形態では、フォトダイオードを使用しないので、外乱光による影響を除去することができる。
Claims (8)
- 測定対象にレーザ光を放射する半導体レーザと、
発振波長が連続的に単調増加する期間を少なくとも含む第1の発振期間と発振波長が連続的に単調減少する期間を少なくとも含む第2の発振期間とが交互に存在するように前記半導体レーザを動作させる発振波長変調手段と、
前記半導体レーザから放射されたレーザ光と前記測定対象からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形を含む電気信号を検出する検出手段と、
この検出手段の出力信号に含まれる前記干渉波形の情報から、前記測定対象の物理量を計測する計測手段と、
前記測定対象が静止しているときの前記干渉波形の周期または調整の直前に計測された所定数の干渉波形の周期の平均が、予め規定された周期になるように、前記半導体レーザの発振波長変調の搬送波の振幅または周波数を調整する調整手段とを備え、
前記計測手段は、
前記検出手段の出力信号に含まれる前記干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える信号抽出手段と、
この信号抽出手段によって干渉波形の数を数える期間における最小発振波長と最大発振波長と前記信号抽出手段の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手段とからなることを特徴とする物理量センサ。 - 請求項1記載の物理量センサにおいて、
前記調整手段は、前記第1の発振期間における前記干渉波形の数と前記第2の発振期間における前記干渉波形の数とが略同一のとき、このときの干渉波形の周期が予め規定された周期になるように、前記搬送波の振幅または周波数を調整することを特徴とする物理量センサ。 - 請求項1記載の物理量センサにおいて、
前記調整手段は、
前記干渉波形の数の平均値を算出することにより前記半導体レーザと前記測定対象との平均距離に比例した干渉波形の数である距離比例個数を求める距離比例個数算出手段と、
前記距離比例個数から前記干渉波形の周期を算出する周期算出手段と、
この周期算出手段が算出した周期が予め規定された周期になるように、前記搬送波の振幅または周波数を調整する搬送波調整手段とからなることを特徴とする物理量センサ。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の物理量センサにおいて、
前記予め規定された周期は、物理量センサが処理することの可能な干渉波形の最高周波数の1/2の値に対応する周期であることを特徴とする物理量センサ。 - 発振波長が連続的に単調増加する期間を少なくとも含む第1の発振期間と発振波長が連続的に単調減少する期間を少なくとも含む第2の発振期間とが交互に存在するように半導体レーザを動作させる発振手順と、
前記半導体レーザから放射されたレーザ光と測定対象からの戻り光との自己結合効果によって生じる干渉波形を含む電気信号を検出する検出手順と、
この検出手順で得られた出力信号に含まれる前記干渉波形の情報から、前記測定対象の物理量を計測する計測手順と、
前記測定対象が静止しているときの前記干渉波形の周期または調整の直前に計測された所定数の干渉波形の周期の平均が、予め規定された周期になるように、前記半導体レーザの発振波長変調の搬送波の振幅または周波数を調整する調整手順とを備え、
前記計測手順は、
前記検出手順で得られた出力信号に含まれる前記干渉波形の数を、前記第1の発振期間と前記第2の発振期間の各々について数える信号抽出手順と、
この信号抽出手順によって干渉波形の数を数える期間における最小発振波長と最大発振波長と前記信号抽出手順の計数結果とから前記測定対象との距離及び前記測定対象の速度の少なくとも一方を算出する演算手順とからなることを特徴とする物理量計測方法。 - 請求項5記載の物理量計測方法において、
前記調整手順は、前記第1の発振期間における前記干渉波形の数と前記第2の発振期間における前記干渉波形の数とが略同一のとき、このときの干渉波形の周期が予め規定された周期になるように、前記搬送波の振幅または周波数を調整することを特徴とする物理量計測方法。 - 請求項5記載の物理量計測方法において、
前記調整手順は、
前記干渉波形の数の平均値を算出することにより前記半導体レーザと前記測定対象との平均距離に比例した干渉波形の数である距離比例個数を求める距離比例個数算出手順と、
前記距離比例個数から前記干渉波形の周期を算出する周期算出手順と、
この周期算出手順で算出した周期が予め規定された周期になるように、前記搬送波の振幅または周波数を調整する搬送波調整手順とからなることを特徴とする物理量計測方法。 - 請求項5乃至7のいずれか1項に記載の物理量計測方法において、
前記予め規定された周期は、物理量計測方法が処理することの可能な干渉波形の最高周波数の1/2の値に対応する周期であることを特徴とする物理量計測方法。
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