JP5421376B2 - 効率が最適化されたオーディオシステム - Google Patents

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Description

(1.優先権主張)
本願は、2009年5月18日に出願された、Ryan J. MihelichおよびSteve Hoshawによる「Efficency Optimized Autio System」という名称の米国仮特許出願第61/179,139号の優先権を主張するものであり、前記出願は本明細書において参照することにより組み込まれる。
(2.技術分野)
本発明は、オーディオシステム、および、より具体的には、オーディオシステムの効率を最適化するためのシステムおよび方法に関する。
(3.関連技術)
ホームシアターシステム、ホームオーディオシステム、車両オーディオ/ビデオシステムのようなマルチメディアシステムはよく知られている。そのようなシステムは典型的に、増幅オーディオ信号を用いた、サウンドプロセッサ駆動拡声器を含む複数の部品を含む。マルチメディアシステムは、多様な部品とともに、ほとんど無限の構成で設置され得る。加えて、そのようなマルチメディアシステムは、ほとんど無限のサイズ、形、および構成のリスニング空間に設置され得る。マルチメディアシステムの部品、部品の構成、およびシステムが設置されているリスニング空間はいずれも、生成されるオーディオサウンドに対して、著しいインパクトを与え得る。
リスニング空間へ一旦設置されると、システムは、その空間内において所望の音場を作り出すように調整され得る。調整(Tuning)は、機器および/またはリスニング空間を補完するための等化、遅延、および/またはフィルタリングの調整を含み得る。そのような調整は典型的に、拡声器から広がる音の主観的分析を用いて手動で行われる。
一旦調整されると、オーディオシステムは、特定のパワー消費の挙動を有する。フィルタリングを含む調整の解決策の詳細に依存して、調整されたオーディオシステムは、異なる方法でシステム内に存在しているさまざまなスピーカにエネルギーを分配することによって、異なる量のパワーを消費するように作られ得る。パワー消費結果は、システムおよび/または自動オーディオ調整システムに入力されたパラメータを調整した個別ユーザーの決定に依存し得る。
調整の設定を生成する際にパワー消費を要因として計算に入れる自動調整システムのためのニーズがある。ユーザーに、オーディオシステムの性能の代替構成に関連するパワー消費に関する情報を提供する方法のためのニーズもある。
(要約)
前述を考慮して、自動オーディオ調整システムは、パワー効率に対してオーディオシステムを最適化するために提供される。例示のシステムは、1つ以上のパワー効率モードで動作するように調整されるべきオーディオシステムのためのオーディオシステム固有構成設定を格納するように構成されるセットアップファイルを含む。プロセッサは、それぞれのモードの各々に関連付けられるパワー効率の重み係数に基づいて、パワー効率モードのうちの1つでオーディオシステムを動作するように構成される。システムに含まれる1つ以上のエンジンのうちの任意のエンジンは、パワー効率の重み係数の各々に関連付けられるオーディオシステムのための動作パラメータを生成し得る。例えば、クロスオーバエンジンは、パワー効率の重み係数の各々に対して増幅されたチャンネルの選択されたグループのための少なくとも1つの最適化されたクロスオーバ設定を生成するように構成される。パワー効率の重み係数によって示されるとき、クロスオーバ設定は、パワー効率モードでの動作する同時になおオーディオシステムの音響性能を最適化するとき、パワー消費を最小化するように最適化され得る。
自動オーディオ調整システムは、パワー効率の異なるレベルでの音響性能のための動作パラメータの異なるセットを含むようにオーディオシステムを調整し得る。異なるクロスオーバ設定を含むようにシステムを調整することの他に、等化エンジンとバス管理エンジンとを用いて動作パラメータを生成するように調整することは、パワー効率の重み係数の各々のためにも行われ得る。拡声器のインピーダンスデータを用いて、システムは、異なる動作パラメータが適用されるとき、オーディオシステムに含まれるオーディオ増幅器のパワー消費を決定し得る。従って、パワー効率の重み係数に依存して、システムは、パワー消費を最適化することへバイアスされるかまたは音響性能へバイアスされた動作パラメータを生成し得る。動作パラメータの任意数のセットは、多数のそれぞれのパワー効率の重み係数のために生成され得、オーディオシステムは、多数の異なるパワー効率モードを有し得る。
動作の間に、パワー効率の重み係数(パワー効率モード)の選択は、ユーザー選択、または動作要因に基づき得る。例えば、ハイブリッドの乗り物において、パワー効率の進歩的により高いレベルは、ハイブリッドの乗り物に含まれるバッテリーがなくなるとき、必要とされ得る。
当業者は、前述された特徴およびなお以下に説明されるそれらが、それぞれの示された組み合わせにも、他の組み合わせまたは単独にも使われ得る。本発明の他のデバイス、装置、システム、方法、特徴、および利点は、本明細書の図面および詳細な記述を検討することにより、当業者に対して明らかであるか、明らかになる。記述に含まれるすべての追加的システム、方法、特徴、および利点は本発明の範囲内にあり、添付の請求項により保護されることが意図される。
(項目1)
自動パワー効率オーディオ調整システムであって、該システムは、
プロセッサと、
少なくとも2つの拡声器のインピーダンスデータを得るように、該プロセッサを用いて実行可能な少なくとも1つのエンジンであって、該少なくとも2つの拡声器が可聴音を生成するために、オーディオシステムによって駆動されるように構成される、エンジンと
を含み、
該エンジンが、該プロセッサを用いて、可聴音を生成するために、該オーディオシステムにおける該少なくとも2つの拡声器の協調的な動作を表す性能に関したデータを得るようにさらに実行可能であり、
該エンジンが、該プロセッサを用いて、ターゲット音響応答と、該オーディオシステムのパワー効率の所望の程度を表すパワー効率の重み係数とを得るようにさらに実行可能であり、
該エンジンが、該プロセッサを用いて、該ターゲット音響応答、該性能に関したデータおよび該インピーダンスデータを基づいて動作パラメータを生成するようにさらに実行可能であり、
該動作パラメータが、該パワー効率の重み係数に基づいて、該少なくとも2つの拡声器の最適化された音響性能と最適化されたパワー効率とのバランスを保つように、該エンジンによって生成される、システム。
(項目2)
前記エンジンは、等化エンジンであり、前記動作パラメータは、フィルタ設計パラメータを含み、該フィルタ設計パラメータが、前記パワー効率の重み係数に基づいて、前記少なくとも2つの拡声器によって生成される可聴音の等化と該少なくとも2つの拡声器のパワー消費とのバランスを保つように該等化エンジンによって設定される、項目1に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
(項目3)
前記エンジンは、クロスオーバエンジンであり、前記動作パラメータは、フィルタ設計パラメータを含み、該フィルタ設計パラメータが、前記パワー効率の重み係数に基づいて、前記少なくとも2つの拡声器のうちの少なくとも1つの音響性能と該少なくとも2つの拡声器のうちの少なくとも1つのパワー消費とのバランスを保つクロスオーバ周波数に対する、該クロスオーバエンジンによって設定されるクロスオーバ設定である、項目1に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
(項目4)
前記エンジンは、バス最適化エンジンであり、前記動作パラメータは、前記少なくとも2つの拡声器を駆動するオーディオ信号の位相シフトを提供するフィルタ設計パラメータを含み、該位相シフトの程度が、前記パワー効率の重み係数に基づいて、該少なくとも2つの拡声器の協調的な音響性能と該少なくとも2つの拡声器のパワー消費とのバランスを保つように、該バス最適化エンジンによって設定される、項目1に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
(項目5)
前記エンジンは、前記少なくとも2つの拡声器に供給される電流の大きさ、電圧の大きさおよびパワーの大きさのうちの少なくとも2つに基づいて、該少なくとも2つの拡声器の各々の前記インピーダンスデータを計算するようにさらに実行可能である、項目1に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
(項目6)
前記エンジンは、前記インピーダンスデータを得るために、前記少なくとも2つの拡声器の各々に対する格納された所定のインピーダンス曲線にアクセスするようにさらに実行可能である、項目1に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
(項目7)
前記性能に関したデータは、リスニング空間に可聴音を生成するために、前記少なくとも2つの拡声器の実際の協調的な動作を表す現場データを含む、項目1に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
(項目8)
前記性能に関したデータは、リスニング空間に可聴音を生成するために、前記少なくとも2つの拡声器の協調的な動作のシミュレーションを表す現場データを含む、項目1に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
(項目9)
オーディオシステムの自動パワー効率調整を行う方法であって、該方法は、
プロセッサを用いて少なくとも2つの拡声器のインピーダンスデータを得ることであって、該少なくとも2つの拡声器が、可聴音を生成するために該オーディオシステムによって駆動されるように構成される、ことと
該プロセッサを用いて性能に関したデータを得ることであって、該性能に関したデータが、可聴音を生成するために該オーディオシステムの該少なくとも2つの拡声器の協調的な動作を表す、ことと、
該プロセッサを用いて、該オーディオシステムのためのターゲット音響応答と、該オーディオシステムの該少なくとも2つの拡声器に必要とされたパワー効率の程度を表すパワー効率の重み係数とを得ることと、
該ターゲット音響応答と該性能に関したデータとに基づいて、該少なくとも2つの拡声器の音響性能を最適化するためのエンジンを用いて、該オーディオシステムに使うための動作パラメータを生成することと、
該インピーダンスデータと該パワー効率の重み係数とに基づいた該動作パラメータの調整によって、該エンジンを用いて、該音響性能の最適化と該パワー効率の最適化とのバランスを保つことと
を含む、方法。
(項目10)
前記動作パラメータを生成することは、前記少なくとも2つの拡声器が駆動されるオーディオ信号をフィルタするために使われる全通過フィルタとノッチフィルタのうちの少なくとも1つに対するフィルタ設計パラメータを生成することを含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記最適化のバランスを保つことは、前記パワー効率の重み係数に従って、前記少なくとも2つの拡声器が、該少なくとも2つの拡声器の最適パワー消費および最適音響性能を識別するように駆動されるオーディオ信号のクロスオーバ設定を調整することを含む、項目9に記載の方法。
(項目12)
前記少なくとも2つの拡声器は、第1のオーディオ信号によって駆動されるとき、第1の音波を生成することが可能な第1の拡声器と、第2のオーディオ信号によって駆動されるとき、第2の音波を生成することが可能な第2の拡声器とを含み、前記最適化のバランスを保つことは、前記パワー効率の重み係数に従って、該第2のオーディオ信号に対して該第1のオーディオ信号の位相設定を調整することによってリスニング空間に対応する該第1および該第2の音波の強め合う足し算を最適化することによって、該第1のオーディオ信号および該第2のオーディオ信号の大きさを最小化することを含む、項目9に記載の方法。
(項目13)
前記最適化のバランスを保つことは、前記少なくとも2つの拡声器を駆動するそれぞれのオーディオ信号に対する適用のための等化設定を生成することと、該少なくとも2つの拡声器によるパワー消費を適切に制約するために、前記パワー効率の重み係数に従って該等化設定を調整することとを含む、項目9に記載の方法。
(項目14)
前記最適化のバランスを保つことは、前記音響性能を最適化するために、前記少なくとも2つの拡声器をそれぞれに駆動するオーディオ信号に対する適用のためのゲイン設定を生成することと、前記パワー効率の重み係数に従って該ゲイン設定を減衰することとを含む、項目9に記載の方法。
(項目15)
前記最適化のバランスを保つことは、前記少なくとも2つの拡声器を駆動するそれぞれのオーディオ信号に対する適用のための等化設定およびクロスオーバ設定を生成することと、該少なくとも2つの拡声器によるパワー消費を適切に制約するために、前記パワー効率の重み係数に従って等化設定を最初に調整し、クロスオーバ設定をその後調整することとを含む、項目9に記載の方法。
(項目16)
命令の形式で実行可能なコードを格納するためのコンピュータ読み取り可能ストレージ媒体であって、該コンピュータ読み取り可能ストレージ媒体は、
プロセッサによる実行可能な命令であって、該命令が少なくとも2つの拡声器のインピーダンスデータを得る命令であって、該少なくとも2つの拡声器がオーディオシステム内に含まれる、命令と、
該プロセッサによる実行可能な命令であって、可聴音を生成するために、該オーディオシステムの該少なくとも2つの拡声器の協調的な動作を表す性能に関したデータを得る、命令と、
該プロセッサによる実行可能な命令であって、該少なくとも2つの拡声器の音響性能を最適化するために、該性能に関したデータとターゲット音響応答との比較に基づいて、該オーディオシステムのための動作パラメータを生成するようにエンジンを開始する、命令と、
該プロセッサによる実行可能な命令であって、該命令が、該音響性能の最適化と該少なくとも2つの拡声器のパワー効率の最適化とのバランスを保つ命令であって、バランスを保たれた最適化が、パワー効率の重み係数に基づき、該パワー効率の重み係数が、該オーディオシステムのパワー効率の所望のレベルを表す、命令と
を含む、コンピュータ読み取り可能ストレージ媒体。
(項目17)
自動パワー効率オーディオ調整システムであって、該システムは、
プロセッサと、
該プロセッサによってアクセス可能なセットアップファイルであって、該セットアップファイルが、パワー効率モードで動作するために、調整されるべきオーディオシステムのオーディオシステム固有構成設定を格納するように構成され、該格納されたオーディオシステム固有構成設定が、該オーディオシステムによって生成された複数のそれぞれのオーディオチャンネルによって駆動される複数の拡声器の協調的な動作性能を示す動作データを含む、セットアップファイルと、
該プロセッサを用いて実行可能なエンジンであって、該エンジンが、該動作データと該オーディオチャンネルを調整するために該オーディオシステムに使われる動作パラメータの生成によるターゲット音響応答とに基づいて、該オーディオシステムの音響性能を最適化する、エンジンと
を含む、システムであって、
該エンジンが、該拡声器のパワー効率の重み係数とインピーダンスデータとに基づいて、該オーディオシステムの最適化された音響性能と最適化されたパワー効率とのバランスを保つための該動作パラメータの調整によって該パワー効率モードを展開するようにさらに実行可能であり、該パワー効率の重み係数が該音響性能に対してパワー効率の重要性を示す、システム。
(項目18)
前記エンジンは、増幅されたチャンネルの選択されたグループのための少なくとも1つの効率最適化されたクロスオーバ設定を生成するように構成されるクロスオーバエンジンを含み、該クロスオーバ設定が、前記パワー効率モードで前記オーディオシステムを動作するとき、パワー消費を最小化するように最適化される、項目17に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
(項目19)
前記クロスオーバエンジンは、前記プロセッサによる実行可能なクロスオーバ効率最適化モジュールを含み、該クロスオーバ効率最適化モジュールが、性能最適化されたクロスオーバ設定のリストを受信し、前記効率最適化されたクロスオーバ設定のリストを生成し、該性能最適化されたクロスオーバ設定リストまたは該効率最適化されたクロスオーバ設定からのクロスオーバ設定を含むクロスオーバ設定の加重されたリストを生成し、該クロスオーバ設定の加重されたリストが、前記パワー効率の重み係数に基づいて生成される、項目18に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
(項目20)
前記効率最適化されたクロスオーバ設定は、高域通過フィルタ、N個のノッチフィルタ、および低域通過フィルタを含むような少なくとも1つの効率が最適化されたフィルタバンクを構成するための複数のフィルタパラメータを含む、項目18に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
(項目21)
前記エンジンは、最適化された音響性能と最適化されたパワー効率とのバランスを保つための前記パワー効率の重み係数の関数として、前記2つのオーディオチャンネルの位相整列を最適化するように構成されるバス最適化エンジンをさらに含む、項目18に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
(項目22)
前記エンジンは、前記オーディオシステム内のパワー消費をモニターし、コントロールするように構成される非線形最適化エンジンをさらに含む、項目21に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
(項目23)
前記非線形最適化エンジンは、チャンネルまたはチャンネルのグループが所定の制限を越えたパワーレベルで動作するかどうかを決定し、該チャンネルまたは該チャンネルのグループのパワースペクトル、ゲインまたはダイナミックレンジを調整するように構成されるパワー制限器を含む、項目22に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
(項目24)
少なくとも1つのユーザー入力デバイスを有するユーザーインターフェースをさらに含み、該ユーザー入力デバイスが、ユーザーに前記パワー効率モードでの動作の選択と、効率レベルの選択とを可能にするように構成される、項目17に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
(項目25)
オーディオシステムの自動パワー効率調整を行う方法であって、該方法は、
パワー効率モードで動作するために、調整されるべきオーディオシステムのための構成設定を含むセットアップファイルを提供することと、
エンジンを用いて、該セットアップファイルに含まれる動作データを引き出すことであって、動作データが、該オーディオシステムに含まれ、複数のそれぞれのオーディオチャンネルによって駆動される複数の拡声器の協調的な動作性能を示す、ことと、
該エンジンを用いて、該動作データとターゲット音響応答とに基づいて、該オーディオチャンネルを調整するために該オーディオシステムに使われる動作パラメータを生成することによって、該オーディオシステムの音響性能を最適化することと、
該エンジンを用いて、パワー効率モードを展開することと、
該パワー効率モードの展開の間に、該エンジンを用いて、パワー効率の重み係数と、拡声器のインピーダンスデータとに基づいて、該動作パラメータを調整することによって、該オーディオシステムの最適化された音響性能と最適化されたパワー効率とのバランスを保つことであって、該パワー効率の重み係数が該音響性能に対してパワー効率の重要性を示す、ことと
を含む、方法。
(項目26)
前記動作パラメータを生成することは、前記エンジンを用いて、増幅されたオーディオチャンネルのうちの少なくとも2つの各々のために、少なくとも1つのクロスオーバ設定を生成するステップを含み、前記最適化された音響性能と最適化されたパワー効率とのバランスを保つことは、該エンジンを用いて、前記パワー効率の重み係数に従ってパワー消費を最適化するために、少なくとも2つのクロスオーバ設定の各々の周波数クロスオーバポイントを調整するステップを含む、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記動作パラメータを生成することは、前記エンジンを用いて、前記増幅されたオーディオチャンネルのうちの少なくとも1つのために、位相調整を生成するステップを含み、前記最適化された音響性能と最適化されたパワー効率とのバランスを保つことは、前記拡声器のうちの少なくとも2つによって生成される可聴音の強め合う組み合わせを最適化するために、該エンジンを用いて、前記パワー効率の重み係数に従って位相調整を調整するステップを含む、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記エンジンを用いて、前記パワー効率モードでの前記オーディオシステムの動作のために、パワー制限を設定することをさらに含み、該パワー制限が、該パワー制限に従って、パワー消費を制限するために選択されたオーディオチャンネルまたはオーディオチャンネルのグループのパワースペクトルを調整する、項目27に記載の方法。
本発明は、添付の図面および記載を参照することにより、より理解され得る。図中の構成要素は、必ずしも縮尺通りではなく、本発明の原理の説明が強調される。
図1は、オーディオシステムを含む例示的リスニング空間の概要図である。 図2は、オーディオソース、オーディオ信号プロセッサ、および拡声器を含む、図1のオーディオシステムの一部分のブロック図である。 図3は、リスニング空間、図1のオーディオシステム、および自動オーディオ調整システムの概要図である。 図4は、自動オーディオ調整システムのブロック図である。 図5は、空間平均化を説明した、インパルス応答の図である。 図6は、図4の自動オーディオ調整システムに含まれ得る、例示的増幅チャネル等化エンジンのブロック図である。 図7は、図4の自動オーディオ調整システムに含まれ得る、例示的遅延エンジンのブロック図である。 図8は、時間遅延を説明する、インパルス応答の図である。 図9は、図4の自動オーディオ調整システムに含まれ得る、例示的ゲインエンジンのブロック図である。 図10は、図4の自動オーディオ調整システムに含まれ得る、例示的クロスオーバエンジンのブロック図である。 図11は、図4の自動オーディオ調整システムを用いて生成され得る、一連のパラメトリッククロスオーバおよびノッチフィルタの例のブロック図である。 図12は、図4の自動オーディオ調整システムを用いて生成され得る、複数のパラメトリッククロスオーバフィルタ、およびノンパラメトリックの任意フィルタの例のブロック図である。 図13は、図4の自動オーディオ調整システムを用いて生成され得る、複数の任意フィルタの例のブロック図である。 図14は、図4の自動オーディオ調整システムに含まれ得る、例示的バス最適化エンジンのブロック図である。 図15は、図4の自動オーディオ調整システムに含まれ得る、例示的システム最適化エンジンのブロック図である。 図16は、ターゲット音響応答の例および現場データである。 図17は、図4の自動オーディオ調整システムに含まれ得る、例示的非線形最適化エンジンのブロック図である。 図18は、図4の自動オーディオ調整システムの例示的動作を説明する、プロセスフロー図である。 図19は、図18のプロセスフロー図の二番目の部分である。 図20は、図18のプロセスフロー図の三番目の部分である。 図21は、図18のプロセスフロー図の四番目の部分である。 図22は、拡声器の応答曲線の例である。 図23は、オーディオ調整システムに使われ得るユーザーインターフェースデバイスの例を示す概要図である。
(記述)
I.一般記述
自動オーディオ調整システムは、調整されるオーディオシステムに関する、オーディオシステム固有の構成情報を用いて構成され得る。加えて、自動オーディオ調整システムは、応答マトリックスを含み得る。オーディオシステムに含まれている複数の拡声器のオーディオ応答は、一つ以上のマイクロホンを用いて捉えられ得、かつ応答マトリックスに格納され得る。計測されたオーディオ応答は、車両内部からの応答のような、現場(in−situ)応答、および/または実験室のオーディオ応答であり得る。計測されたオーディオ応答は、小さい信号(線形)応答も大きい信号(非線形)応答も含み得る。
加えて、自動オーディオ調整システムは、電子インピーダンスマトリクスを含み得る。オーディオシステムに含まれた複数の拡声器の、メーカーのインピーダンス曲線または計測されたインピーダンス値のような電子インピーダンスは、インピーダンスマトリクスに格納され得る。
自動調整システムは、オーディオをシステムでの使用のために、動作パラメータを生成することができる一つ以上のエンジンを含み得る。ターゲット音響応答、現場データおよび/またはオーディオシステム固有の構成情報は、少なくともいくつかの動作パラメータを生成するのに使われ得る。フィルタパラメータおよび等化設定のような動作パラメータは、オーディオシステムの動作性能を構成するために、オーディオシステムにダウンロードされ得る。
自動オーディオ調整システムを用いた動作パラメータの生成は、等化エンジン、遅延エンジン、ゲインエンジン、クロスオーバエンジン、バス最適化エンジン、およびシステム最適化エンジンのうちの一つ以上を含み得る。動作パラメータのセットは、多数のパワー効率モードの各々に対して、それぞれのパワー効率の重み係数に基づいて、エンジンによって生成され得る。パワー効率の重み係数は、エネルギー消費を最小化することと、音響性能を最大化することとの間のバランスを提供し得る。従って、パワー効率の重み係数は、音響性能の考慮で行われたパワー消費の減少を考えられ得る。言い換えると、パワー効率は適用されたパワー効率の重み係数がなくても、音響性能が高すぎで達成されたパワーの減少のレベルで妥協しない限り、パワー消費は、パワー効率の重み係数の適用に基づいて、オーディオシステム内に減少され得る。パワー効率の重み係数に基づいて音響性能とパワー消費との間のバランスを行うことによって、パワー効率は、最適化され得る同時に、なお最適化された音響性能のレベルを維持する。従って、パワー消費の減少のための音響性能の犠牲が所定の閾値を超えるとき、自動オーディオ調整システムは、音響性能を有利にして、パワー消費の更なる減少を見送り得る。加えてまたは代替的に、自動オーディオ調整システムは、他の有害な効果または減少された音響性能を最小化する同時に、パワー消費の減少を達成する目的で、動作パラメータのさまざまな変化の多数の異なる反復を行い得る。
加えて、自動オーディオ調整システムは、設定適用シミュレータを含み得る。設定適用シミュレータは、計測されたオーディオ応答および電子インピーダンスに対して、動作パラメータの適用、および/またはオーディオシステムに特化した構成情報のうちの一つ以上の適用に基づいたシミュレーションを生成し得る。エンジンは、それぞれのパワー効率の重み係数の各々のための動作パラメータを生成するためにシミュレーションまたは計測されたオーディオ応答のうちの一つ以上、電子インピーダンス、およびシステムに特化した構成情報を使用し得る。
等化エンジンは、パワー効率の重み係数の各々のためのチャネル等化設定の形の動作パラメータを生成し得る。チャネル等化設定は、ダウンロードされ、オーディオシステムの増幅オーディオチャネルへ適用され得る。増幅オーディオチャネルは各々、一つ以上の拡声器を駆動し得る。チャネル等化設定は、それらの音響環境の拡声器の動作性能の異常または好ましくない特徴を補正し得る。パワー効率を最適化するために、チャンネル等化設定は、可聴出力を達成するのに大量のパワーが必要とされる周波数範囲で拡声器にオーディオ信号出力を減少し得る。加えて、または代替的に、チャンネル等化設定は、機械的または音響共鳴がそれぞれの拡声器に存在する周波数範囲で拡声器にオーディオ信号出力を増加し得る。遅延エンジンおよびゲインエンジンは、オーディオシステムが設置され、作動できるリスニング空間におけるリスニング位置に基づいて、増幅オーディオチャネルの各々のために、それぞれの遅延設定およびゲイン設定を生成し得る。
クロスオーバエンジンは、異なる周波数範囲で作動するそれぞれの拡声器を駆動するために構成された増幅オーディオチャネルのグループのためのクロスオーバ設定の形の動作パラメータを決定し得る。増幅オーディオチャネルのグループにより駆動されるそれぞれの拡声器の総和オーディオ出力は、クロスオーバ設定を使用して、クロスオーバエンジンにより最適化され得る。クロスオーバエンジンは、パワー消費を最小化するように、システム内のスピーカのうちの1つ以上のクロスオーバ周波数も変化または調整し得る。
バス最適化エンジンは、オーバラップする周波数範囲で動作する拡声器のグループ内の拡声器を駆動するそれぞれの増幅出力チャネルの各々のために、位相調整を提供する動作パラメータを生成することにより低周波数拡声器の決定されたグループの可聴出力を最適化し得る。バス最適化エンジンは、パワー消費を最小化するために、システムのスピーカのうちの1つ以上の位相応答の調整を変え得る。システム最適化エンジンは、増幅出力チャネルのグループのためにグループ最適化設定の形の動作パラメータを生成し得る。グループ最適化設定は、増幅出力チャネルのグループが等化するように、オーディオシステムの入力チャネルの一つ以上、またはオーディオシステムの空間のスチアード(steered)チャネルの一つ以上に適用され得る。グループ最適化設定は、効率の重み係数の関数としてパワー消費および音響性能を最適化するように生成され得る。
非線形最適化エンジンは、音響性能、保護、パワーの減少、ひずみの管理、および/または他の理由のために、オーディオシステムに適用される制限器、圧縮器、クリッピングおよび他の非線形処理を形成するように、非線形設定を含む動作パラメータを決定し得る。ボリュームが高いレベルであり、オーディオ信号の増幅が比較的に大きいときのようなオーディオシステムの大きなオーディオ信号の出力は、ひずみを最小化するように非線形最適化エンジンで最適化され得る。加えて、非線形設定は、効率の重み係数の関数として、最適化されたパワー効率および音響性能に基づいて生成され得る。
オーディオ調整システムの例において、高い音質を提供するオーディオ調整システムは生成され得、パワー消費によってランクされ得る。最適音質が、他の解決策よりかなり多くのパワーを消費する場合において、最後のユーザーにこれらの結果を聞くことのオプションを提供し続けることは望ましいであり得る。少ないパワーを消費し、ただしより低い性能を有する他の解決策も、パワー(燃料および/または電力)を節約する方法として、ユーザーに提供され得る。
システム内のデバイスの電子インピーダンスは、オーディオ調整システムに組み込まれる格納された実験室の音響データの一部として含まれ得る。オーディオシステムに含まれたオーディオ増幅器および拡声器の詳細は、パワー効率の異なるレベルでの音響性能に対して、消費結果を計算し、システムの動作パラメータを最適化するように使われ得る。代替的に、システム内のデバイスのインピーダンスは、計測されたパラメータに基づいて決定され得る。このような測定されたパラメータは、電圧および電流を含み得る。システムに組み込まれた他の入力パラメータは、増幅器からの利用可能なピーク電圧および電流も、増幅器が送出し得る長期のパワーも含み得る。
電子インピーダンス、電圧、電流およびパワーも、調整されるべきオーディオシステムの動作のシミュレーションの各反復のための電子音響のパワー効率メトリックを生成するように、オーディオシステム調整パラメータとともに自動調整システムによって使われ得る。反復の結果は、およその音質および効率でランクされ得、対応するパワー効率の重み係数に関連付けられ得る。メトリックは、パワー効率モードとして最後の結果で用いるために、適切な解決策を分類するように使われ得る。
自動オーディオ調整システムは、オーディオシステムの動作の前に、ダウンロードされてオーディオシステムに格納される動作パラメータを生成するように動作され得る。代替的、または加えて、自動オーディオ調整システムは、可聴音を生成するためのオーディオシステムの動作とともに動作し得る。従って、パワー効率モードは、動作の前にオーディオシステムに提供された静止の動作パラメータ、および/または動作の間にオーディオシステムに提供されたダイナミックな動作パラメータを含み得る。動作の間に自動的に提供されたダイナミックな動作パラメータに関して、自動オーディオ調整システムは、現在のオーディオシステムの作動する状態のようなオーディオシステムに存在する状態に基づいて、動作パラメータをダイナミックに調整することによって、パワー効率モードのパワー効率を最適化するように動作し得る。例えば、更新された動作パラメータは、(熱くなると冷たくなるためのような)拡声器のインピーダンスが変わるとき、(ボリュームのレベルのような)オーディオチャンネルの増幅のレベルが変わるまたはオーディオシステム内に他の変化可能の状態とき、自動オーディオ調整システムからオーディオシステムに提供され得る。加えて、オーディオシステムに供給するパワーのレベル、オーディオシステムによって処理されるオーディオコンテンツのジャンル、外部の背景ノイズ、またはオーディオシステムの動作に関する他の外部のパラメータのような外部の変化は、オーディオシステムのための静止またはダイナミックな動作パラメータを自動的に生成するために、自動オーディオ調整システムによって利用され得る。
動作の間に、リアルタイムパワー消費メーターは、オーディオシステムの瞬間のおよび長期のパワー消費に関して、ユーザーに情報を送出するようにユーザーインターフェースに加えられ得る。情報は、ワットで、または代替的に乗り物の燃料使用のメトリックで報告され得る。
ユーザーインターフェースは、ユーザーが、パワー効率モードのような多数の異なる調整解決策から選択することを可能にするように加えられ得る。パワー効率モードの各々は、1つのパワー効率の重み係数に対応し得る。各パワー効率の重み係数は、オーディオシステムの音響性能の関数として、パワー消費の異なるレベルを有し得る。
リアルタイムバッテリーレベルの情報は、バッテリー、燃料セル、またはオーディオシステムにパワーを供給する他のパワーソースが特定の劣化したパワーレベルに達するとき、より低いパワー消費のオーディオ調整の解決策(異なるパワー効率モード)を自動的に選択するように使われ得る。ユーザーは、このことを通知され得、および変更を無効にするような、またはこの起こることさえも防ぐようなオプションを有し得る。
II.例示のオーディオ調整システムの記述
図1は、例示的リスニング空間における例示的オーディオシステム100を示す。図1においては、例示的リスニング空間は、部屋として示される。他の例においては、リスニング空間は、車両内であり得るか、またはオーディオシステムが動作され得る任意の他の空間内であり得る。オーディオシステム100は、オーディオコンテンツを提供できる任意なシステムになり得る。図1においては、オーディオシステム100は、コンパクトディスク、ビデオディスクプレーヤ等のようなメディアプレーヤ102を含む。しかしながら、オーディオシステム100は、ビデオシステム、ラジオ、カセットテーププレーヤ、ワイヤレスまたはワイヤライン通信デバイス、ナビゲーションシステム、パーソナルコンピュータまたは任意の他の機能性のような任意の他の形態のオーディオ関連デバイス、または任意の形式のマルチメディアシステムにて存在し得るデバイスを含み得る。オーディオシステム100は、信号プロセッサ104および拡声器システムを形成する複数の拡声器106も含む。
信号プロセッサ104は、コンピュータプロセッサ、デジタル信号プロセッサ等のようなオーディオおよび/またはビデオ信号を処理できる任意の計算デバイスになり得る。信号プロセッサ104は、メモリに格納された命令を実行するためにメモリと共同して動作し得る。命令は、マルチメディアシステム100の機能性を提供し得る。メモリは、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、電子メモリ、磁気メモリ、光メモリ等のような任意の形式の1つ以上のデータストレージデバイスになり得る。拡声器106は、電子オーディオ信号を可聴音に変換できる任意の形式のデバイスになり得る。
動作の間、オーディオ信号は、メディアプレーヤ102によって生成され得、信号プロセッサ104によって処理され得、かつ1つ以上の拡声器106を駆動するために使用され得る。拡声器システムは、オーディオ変換器の異種の集合からなり得る。変換器の各々は、独立して、また場合によりユニークに増幅されたオーディオ出力信号を信号プロセッサ104から受信し得る。従って、オーディオシステム100は、任意の数の拡声器106を使用してモノサウンド、ステレオサウンドまたはサラウンドサウンドを生成するために動作し得る。
理想的オーディオ変換器は、均一の音の大きさおよび高いリスニングレベルにおける最小のひずみを有する、人間の聴覚範囲の全体に亘る音を再生する。あいにく、これら全ての基準に見合う単一の変換器は、生成するのが不可能ではないとしても、困難である。従って、典型的な拡声器106は、特定された周波数範囲において音を正確に再生するように各々が最適化されている2つ以上の変換器を使用し得る。変換器の動作範囲外のスペクトル周波数成分を有するオーディオ信号は、不快に聞こえ得、および/または変換器を損傷し得る。
信号プロセッサ104は、変換器の各々を駆動するオーディオ信号において提供されるスペクトルコンテンツを制限するように構成され得る。スペクトルコンテンツは、それぞれの増幅オーディオ出力信号によって駆動されている拡声器106の最適プレイバック範囲における周波数に制限され得る。時々、拡声器106の最適プレイバック範囲内においても、変換器は、所定の周波数における音を再生するその能力において、望まれない異常を有し得る。従って、信号プロセッサ104の他の機能は、特定の変換器設計におけるスペクトル異常の補償を提供することであり得る。
信号プロセッサ104は、変換器の各々を駆動するオーディオ信号において提供されるスペクトルコンテンツを制限するように構成され得る。スペクトルコンテンツは、固有の出力レベルおよび帯域幅に拡声器を駆動することを必要とされたパワーを最小化するように制限され得る。
信号プロセッサ104の他の機能は、変換器の各々に提供されるオーディオ信号の各々のプレイバックスペクトルを形作ることであり得る。プレイバックスペクトルは、変換器が動作されるリスニング空間における室内音響を担うために、スペクトルカラー化によって補償され得る。室内音響は、例えば、各変換器から出る音を反射および/または吸収する壁および他の部屋の表面によって影響され得る。壁は、異なる音響性質を備える材料から構成され得る。ドア、窓、または一部の壁における開口部はあり得るが、他はない。家具および植物も、音を反射および吸収し得る。従って、リスニング空間構成およびリスニング空間内の拡声器106の配置の両方は、オーディオシステム100によって生成される音のスペクトルおよび時間特性に影響し得る。更に、変換器からリスナへの音響経路は、各変換器およびリスニング空間における各設置位置に対して異なり得る。複数の音の到着時間は、音を正確にローカライズする、すなわち、音が生じた正確で単一の位置を視覚化するリスナの能力を抑止し得る。更に、音反射は、音ローカリゼーション処理に更なるあいまいさを追加できる。信号プロセッサ104は、リスニング空間内のリスナが音ローカリゼーションの劣化を最小で体験するように、各変換器に送信される信号の遅延を提供し得る。
図2は、オーディオソース202、1つ以上の拡声器204、およびオーディオ信号プロセッサ206を示す例示的ブロック図である。オーディオソース202は、コンパクトディスクプレーヤ、ラジオチューナ、ナビゲーションシステム、モバイル電話、ヘッドユニット、もしくはオーディオ音を表すデジタルまたはアナログ入力オーディオ信号を生成できる任意の他のデバイスも含み得る。一例においては、オーディオソース202は、左および右のオーディオ入力チャネル上の左および右のステレオオーディオ入力信号を表すデジタルオーディオ入力信号を提供し得る。他の例においては、オーディオ入力信号は、Dolby6.1TMサラウンド音における6つのオーディオチャネルのようなオーディオ入力信号の任意の数のチャネルになり得る。
拡声器204は、電子信号を可聴音に変換できる任意の形式の1つ以上の変換器になり得る。拡声器204は、個々または群において動作するように構成および配置され得、かつ任意の周波数範囲にあり得る。拡声器は、オーディオ信号プロセッサ206によって提供される増幅出力チャネル、または増幅オーディオチャネルによって集合的または個々に駆動され得る。
オーディオ信号プロセッサ206は、オーディオソース202からオーディオチャネル上に供給されるオーディオ信号を処理するためのロジックを実行できる1つ以上のデバイスになり得る。そのようなデバイスは、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または命令を実行できる任意の他のデバイスを含み得る。更に、オーディオ信号プロセッサ206は、フィルタ、アナログ−デジタルコンバータ(A/D)、デジタル−アナログ(D/A)コンバータ、信号増幅器、復号器、遅延、または任意の他のオーディオ処理メカニズムのような他の信号処理構成要素を含み得る。信号処理構成要素は、ハードウェアベース、ソフトウェアベース、またはそれらの何らかの組み合わせになり得る。更に、オーディオ信号プロセッサ206は、命令および/またはデータを格納するように構成される、1つ以上の揮発性および/または不揮発性メモリデバイスのようなメモリを含み得る。命令は、オーディオ信号を処理するためにオーディオ信号プロセッサ206内にて実行可能になり得る。データは、処理の間に使用され/更新されるパラメータ、処理の間に生成され/更新されるパラメータ、ユーザによって入力される変数、および/またはオーディオ信号を処理することに関連する任意の他の情報になり得る。
図2においては、オーディオ信号プロセッサ206は、グローバル等化ブロック210を含み得る。グローバル等化ブロック210は、それぞれの複数の入力オーディオチャネル上の入力オーディオ信号を等化するために使用され得る複数のフィルタ(EQ〜EQ)を含む。フィルタ(EQ〜EQ)の各々は、それぞれのフィルタの動作上の信号処理機能性を規定する設定を含む1つのフィルタまたはフィルタのバンクを含み得る。フィルタの数(J)は、入力オーディオチャネルの数に基づいて変化され得る。グローバル等化ブロック210は、入力オーディオ信号をオーディオ信号プロセッサ206を用いて処理することにおける最初のステップとして、入力オーディオ信号の異常または任意の他の性質を調節するために使用され得る。例えば、入力オーディオ信号に対するグローバルスペクトル変化は、グローバル等化ブロック210を用いて実行され得る。代替的に、入力オーディオ信号のそのような調節が好ましくない場所においては、グローバル等化ブロック210は省略され得る。
オーディオ信号プロセッサ206は、空間処理ブロック212も含み得る。空間処理ブロック212は、グローバルに等化された、または等化されていない入力オーディオ信号を受信し得る。空間処理ブロック212は、等化された入力オーディオ信号のマトリックス復号によってのように、指定拡声器配置を考慮して入力オーディオ信号の処理および/または伝搬を提供し得る。それぞれのステアードチャネル上の任意の数の空間オーディオ入力信号は、空間処理ブロック212によって生成され得る。従って、空間処理ブロック212は、2つのチャネルから7つのチャネルまでのようにアップミックスし得るか、または6つのチャネルから5つのチャネルまでのようにダウンミックスし得る。空間オーディオ入力信号は、オーディオ入力チャネルの任意の組み合わせ、バリエーション、減少、および/または複製によって空間処理ブロック212と混合され得る。例示的空間処理ブロック212は、LexiconTMによるLogic7TMシステムである。代替的に、入力オーディオ信号の空間処理が望まれないところにおいては、空間処理ブロック212は省略され得る。
空間処理ブロック212は、複数のステアードチャネルを生成するように構成され得る。Logic7信号処理の例においては、左前チャネル、右前チャネル、中心チャネル、左側チャネル、右側チャネル、左後チャネル、および右後チャネルは、各々がそれぞれの空間オーディオ入力信号を含む、ステアードチャネルを構成し得る。Dolby6.1信号処理のような他の例においては、左前チャネル、右前チャネル、中心チャネル、左後チャネル、および右後チャネルは、生成されたステアードチャネルを構成し得る。ステアードチャネルは、サブウーハのような低周波数拡声器のために指定された低周波数チャネルをも含み得る。ステアードチャネルは、増幅出力チャネルを形成するために混合され得るか、フィルタリングされ得るか、増幅され得る等のため、増幅出力チャネルではない可能性がある。代替的に、ステアードチャネルは、拡声器204を駆動するために使用される増幅出力チャネルになり得る。
入力オーディオ信号は、事前等化されていてもいなくても、空間的処理されていてもいなくても、ステアードチャネル等化ブロック214として言及され得る第2の等化モジュールによって受信され得る。ステアードチャネル等化ブロック214は、それぞれの複数のステアードチャネルにおける入力オーディオ信号を等化するために使用され得る複数のフィルタ(EQ〜EQ)を含み得る。フィルタ(EQ〜EQ)の各々は、それぞれのフィルタの動作上の信号処理機能性を規定する設定を含む1つのフィルタまたはフィルタのバンクを含み得る。フィルタの数(K)は、空間処理ブロック212が存在するか否かによって、入力オーディオチャネルの数または空間オーディオ入力チャネルの数に基づいて変化され得る。例えば、空間処理ブロック212がLogic7TM信号処理で動作している場合、7つのステアードチャネルにおいて動作可能である7つのフィルタ(K)があり得、オーディオ入力信号が左と右のステレオペアであり、かつ空間処理ブロック212が省略される場合、2つのチャネルにおいて動作可能である2つのフィルタ(K)があり得る。
オーディオ信号プロセッサ206は、バス管理ブロック216をも含み得る。バス管理ブロック216は、それぞれの増幅出力チャネルに提供される1つ以上のオーディオ出力信号の低周波数部を管理し得る。選択されたオーディオ出力信号の低周波数部は、他の増幅出力チャネルにリルーティングされ得る。オーディオ出力信号の低周波数部のリルーティングは、増幅出力チャネルによって駆動されるそれぞれの拡声器204に基づき得る。オーディオ出力信号に別の態様で含まれ得る低周波数エネルギーは、低周波数可聴エネルギーを再生するためには設計されていない、または非常に非効率的にエネルギーを再生する拡声器204を駆動するオーディオ出力信号を含む増幅出力チャネルからのバス管理ブロック216を用いてリルーティングされ得る。バス管理ブロック216は、そのような低周波数エネルギーを低周波数可聴エネルギーを再生できる増幅出力チャネルにおける出力オーディオ信号にリルーティングし得る。代替的に、そのようなバス管理が望まれないところにおいては、ステアードチャネル等化ブロック214およびバス管理ブロック216は、省略され得る。
オーディオ信号は、事前等化されていてもいなくても、空間的処理されていてもいなくても、空間的に等化されていてもいなくても、バス管理されていてもいなくても、オーディオ信号プロセッサ206に含まれるバス管理された等化ブロック218に提供され得る。バス管理された等化ブロック218は、それぞれの拡声器204によって可聴出力を最適化するために、それぞれの複数の増幅出力チャネルにおけるオーディオ信号を等化および/または位相調整するために使用され得る複数のフィルタ(EQ〜EQ)を含み得る。フィルタ(EQ〜EQ)の各々は、それぞれのフィルタの動作上の信号処理機能性を規定する設定を含む1つのフィルタまたはフィルタのバンクを含み得る。フィルタの数(M)は、バス管理された等化ブロック218によって受信されるオーディオチャネルの数に基づいて変化され得る。
増幅出力チャネルを用いて駆動される1つ以上の拡声器204が、他の増幅出力チャネルによって駆動される1つ以上の他の拡声器204と特定のリスニング環境において相互作用することを可能にするために位相を調節することは、バス管理された等化ブロック218を用いて実行され得る。例えば、左前ステアードチャネルを表す拡声器の群を駆動する増幅出力チャネルに対応するフィルタ(EQ〜EQ)およびサブウーハに対応するフィルタ(EQ〜EQ)は、ぞれぞれのオーディオ出力信号の低周波数成分の位相を調節するように調整され得る。それは、左前ステアードチャネル可聴出力およびサブウーハ可聴出力が、補完的および/または所望の可聴音という結果になるようにリスニング空間に導入され得るようにである。
オーディオ信号プロセッサ206は、クロスオーバブロック220も含み得る。可聴音の全帯域幅を作り上げるために結合する複数の拡声器204を有する増幅出力チャネルは、全帯域幅オーディオ出力信号を複数のより狭い帯域信号に分けるためにクロスオーバを含み得る。クロスオーバは、クロスオーバ周波数と呼ばれる分割周波数において、信号を高周波数成分および低周波数成分のような多数の離散周波数成分に分け得るフィルタのセットを含み得る。それぞれのクロスオーバ設定は、選択された1つ以上の増幅出力チャネルの各々が選択されたチャネル各々に対して1つ以上のクロスオーバ周波数を設定するように構成され得る。
クロスオーバ周波数は、拡声器204がそれぞれの増幅出力チャネル上のそれぞれの出力オーディオ信号と駆動された場合、クロスオーバ周波数の音響効果によって特徴づけされ得る。従って、クロスオーバ周波数は、典型的に、拡声器204の電子応答によって特徴づけされない。例えば、適切な1kHz音響クロスオーバは、結果が帯域幅を通じてフラット応答であるアプリケーションにおいて、900Hz低域フィルタおよび1200Hz高域フィルタを必要とし得る。従って、クロスオーバブロック220は、所望のクロスオーバ設定を得るためにフィルタパラメータで構成可能である複数のフィルタを含む。それとして、クロスオーバブロック220の出力は、それぞれのオーディオ出力信号と駆動される拡声器204によって、2つ以上の周波数範囲に選択的に分けられた増幅出力チャネル上のオーディオ出力信号である。
クロスオーバ周波数は、最適音響の結果のためにだけでなくまた最小化されたパワーの結果のために最適化され得る。重み係数は、音響応答およびパワー消費の相対的な重要度上のアルゴリズムに命令するように導入され得る。
チャネル等化ブロック222も、オーディオ信号処理モジュール206に含まれ得る。チャネル等化ブロック222は、増幅オーディオチャネルとしてクロスオーバブロック220から受信されるオーディオ出力信号を等化するために使用され得る複数のフィルタ(EQ〜EQ)を含み得る。フィルタ(EQ〜EQ)の各々は、それぞれのフィルタの動作上の信号処理機能性を規定する設定を含む1つのフィルタまたはフィルタのバンクを含み得る。フィルタの数(N)は、増幅出力チャネルの数に基づいて変化され得る。
フィルタ(EQ〜EQ)は、望ましくない変換器応答特性を調節するために、オーディオ信号を調節するようにチャネル等化ブロック222内にて構成され得る。従って、増幅出力チャネルによって駆動される1つ以上の拡声器204の動作特性および/または動作パラメータの考察は、チャネル等化ブロック222内のフィルタとともに考慮され得る。拡声器204の動作特性および/または動作パラメータに対する補償が望まれないところにおいては、チャネル等化ブロック222が省略され得る。
図2における信号の流れは、オーディオシステムに見出され得る一例である。より単純またはより複雑なバリエーションも可能である。この一般的な例においては、(J)入力チャネルソース、(K)処理されたステアードチャネル、(M)バス管理出力および(N)トータルの増幅出力チャネルがあり得る。従って、オーディオ信号の等化の調節は、信号チェーン内の各ステップにおいて実行され得る。これは、一般的にはN>M>K>Jのため、システム全体において使用されるフィルタの数を最小化するのに役立ち得る。周波数スペクトル全体に対するグローバルスペクトル変化は、グローバル等化ブロック210を用いて適用され得る。更に、等化は、ステアードチャネル等化ブロック214を用いてステアードチャネルに適用され得る。従って、グローバル等化ブロック210およびステアードチャネル等化ブロック214内の等化は、増幅オーディオチャネルの群に適用され得る。その一方、バス管理等化ブロック218およびチャネル等化ブロック222を用いる等化は、個々の増幅オーディオチャネルに適用される。
異なる等化がオーディオ入力チャネルのどれか1つまたは増幅出力チャネルのどれかの群に適用された場合、空間プロセッサブロック212およびバスマネージャブロック216の前に生じる等化は、線形位相フィルタリングを構成し得る。線形位相フィルタリングは、空間プロセッサブロック212およびバスマネージャブロック216によって処理されるオーディオ信号の位相を保存するために使用され得る。代替的に、空間プロセッサブロック212および/またはバスマネージャブロック216は、それぞれのモジュール内の処理中に生じ得る位相補正を含み得る。
オーディオ信号プロセッサ206は、遅延ブロック224も含み得る。遅延ブロック224は、オーディオ信号がオーディオ信号プロセッサ206を介して処理され、拡声器204を駆動するのに要する時間量を延ばすために使用され得る。遅延ブロック224は、遅延の可変量をそれぞれの増幅出力チャネル上のオーディオ出力信号の各々に適用するように構成され得る。遅延ブロック224は、増幅出力チャネルの数に対応する複数の遅延ブロック(T〜T)を含み得る。遅延ブロック(T〜T)の各々は、それぞれの増幅出力チャネルに適用される遅延の量を選択するために構成可能パラメータを含み得る。
一例においては、遅延ブロックの各々は、以下の式に基づく単純なデジタルタップ遅延ブロックになり得る。
y[t]=x[t−n] 式1
ここにおいて、xは時間tにおける遅延ブロックへの入力であり、yは時間tにおける遅延ブロックの出力であり、nは遅延のサンプル数である。パラメータnは、設計パラメータであり、増幅出力チャネル上の拡声器204の各々、または拡声器204の群に対して一意であり得る。増幅出力チャネルの待ち時間は、nとサンプル周期との積になり得る。フィルタブロックは、1つ以上の無限インパルス応答(IIR)フィルタ、有限インパルス応答フィルタ(FIR)、またはその両方の組み合わせになり得る。遅延ブロック224によるフィルタ処理は、異なるサンプルレートにて処理される複数のフィルタバンクをも組み入れ得る。遅延が望まれないところにおいては、遅延ブロック224は省略され得る。
ゲイン最適化ブロック226も、オーディオ信号プロセッサ206に含まれ得る。ゲイン最適化ブロック226は、それぞれの増幅出力チャネルの各々に対して複数のゲインブロック(G〜G)をも含み得る。ゲインブロック(G〜G)は、それぞれのチャネルによって駆動される1つ以上の拡声器204の可聴出力を調節するために、それぞれの増幅出力チャネル(量N)の各々に適用されるゲイン設定を用いて構成され得る。例えば、異なる増幅出力チャネル上のリスニング空間内の拡声器204の平均出力レベルは、拡声器204から出る可聴音レベルがリスニング空間内のリスニング位置において大体同じであると知覚されるように、ゲイン最適化ブロック226を用いて調節され得る。リスニング位置における音レベルが、増幅出力チャネルの個々のゲイン調節無しに大体同じであると知覚される状況のような、ゲイン最適化が望まれないところにおいては、ゲイン最適化ブロック226は省略され得る。
オーディオ信号プロセッサ206は、非線形処理ブロック228をも含み得る。非線形処理ブロック228は、増幅出力チャネルの量(N)に対応する複数の非線形処理ブロック(NL〜NL)を含み得る。非線形処理ブロック(NL〜NL)は、歪みレベル、パワー消費、または増幅出力チャネル上のオーディオ出力信号の大きさを制限することを請け合う任意の他のシステム制限を管理するために、拡声器204の動作範囲に基づく制限設定を用いて構成され得る。非線形処理ブロック228の一機能は、オーディオ出力信号の出力電圧を制約するためであり得る。例えば、非線形処理ブロック228は、オーディオ出力信号があるユーザ規定レベルを超えることが不可能であるハード制限を提供し得る。非線形処理ブロック228も、オーディオ出力信号の出力をあるユーザ規定レベルに制約し得る。更に、非線形処理ブロック228は、オーディオ出力信号レベルをダイナミックに管理するための所定のルールを使用し得る。オーディオ出力信号を制限する要求がない場合においては、非線形処理ブロック228は省略され得る。
パワー消費がモニターされるべきとき、オーディオ調整システムは効率モードで動作し得、またはパワー消費が重要な点ではないとき、オーディオ調整システムは非効率モードで動作し得る。例示のインプリメンテーションにおいて、オーディオシステムは、ユーザーがシステムの性能内に所望の効率のレベルを設定することを許可し得る。効率は、高い優先度、または所望のパワー消費レベルに設定され得る。システムは、ユーザーに相対的な効率の必要条件、またはより直接の必要条件を設定するためのオプションを提供し得る。相対的な効率の必要条件は、環境に対してパワー消費を制限するようにオーディオシステムに命令する。例えば、オーディオシステムは自動車内に作動し得、およびそのパワー消費は、同じパワーソースから引く他のシステムに対して制限され得る。より直接の必要条件はパワー制限を取り込み得、そしてオーディオシステムは、最適構成の設定を決定するとき、性能最適化のチェックの一部としてインプリメントする。他の例において、効率の最適化は自動的に決定され、パワー制限はオーディオシステム上に自動的に課せられ得る。
図2において、モジュールは動作し得、多数の異なるパワー効率モード内の対応する動作パラメータを有し得る。オーディオ信号プロセッサ206内のモジュールは、グローバル等化ブロック210、ステアードチャネル等化ブロック214、バス管理ブロック216、バス管理等化ブロック218、クロスオーバブロック220、チャネル等化ブロック222、およびゲイン最適化ブロック226を含む異なる効率モードで動作され得る。これらのブロックの各々が、1つ以上のオーディオチャンネル上にパワー出力の量に影響する動作設定を有するゆえに、これらのブロックのそれぞれの動作パラメータの調整は、オーディオシステムの全部のパワーの必要条件を変え得る。従って、これらのブロックのうちの1つ以上は、所望のパワー効率および所望の音響性能の異なるレベルと一致するような動作パラメータの異なる設定を含み得る。いくつかの場合において、音響性能はパワー消費の調整によって影響され得ない(またはわずかに影響され得る)が、他の場合において、トレードオフは、パワー消費のために最適化することと、音響性能またはオーディオ音質のために最適化することとの間に存在する。このように、オーディオシステムは、パワー効率と音響性能との間の異なるバランスを提供する任意の数のパワー効率モードを備えられ得る。
図2においては、オーディオ信号プロセッサ206のモジュールは、特定の構成において示される。しかしながら、任意の他の構成も他の例において使用され得る。例えば、チャネル等化ブロック222、遅延ブロック224、ゲインブロック226および非線形処理ブロック228のいずれかは、クロスオーバブロック220から出力を受信するように構成され得る。示されていないが、オーディオ信号プロセッサ206は、各変換器を駆動するための十分なパワーを用いて、処理中にオーディオ信号の増幅もし得る。更に、様々なブロックは別々のブロックとして示されるが、示されたブロックの機能性は、他の例において複数のブロックに組み合わされ得るか、または拡大され得る。
等化ブロック、すなわち、グローバル等化ブロック210、ステアリングチャネル等化ブロック214、バス管理等化ブロック218およびチャネル等化ブロック222、を用いる等化は、パラメトリック等化、またはノンパラメトリック等化を使用して展開され得る。
パラメトリック等化は、等化ブロックに含まれる、結果として生じるフィルタのパラメータを人間が直観的に調節できるようにパラメータ化される。しかしながら、パラメータ化のため、フィルタの構成における柔軟性は減少される。パラメトリック等化は、フィルタの係数の特定関係を使用し得る等化の形式である。例えば、バイクワッドフィルタは、2つの二次多項式の比率としてインプリメントされるフィルタになり得る。係数間の特定関係は、所定のパラメータの数をインプリメントするために、バイクワッドフィルタの6つ係数のような、利用可能な係数の数を使用し得る。中心周波数、帯域幅およびフィルタゲインのような所定のパラメータは、1の帯域外ゲインのような所定の帯域外ゲインを維持する一方、インプリメントされ得る。
ノンパラメトリック等化は、デジタルフィルタ係数を直接使用する、コンピュータ生成されたフィルタパラメータである。ノンパラメトリック等化は、少なくとも2つの方法、有限インパルス応答(FIR)および無限インパルス応答(IIR)フィルタにおいてインプリメントされ得る。そのようなデジタル係数は、人間によって直観的に調節可能ではない可能性はあるが、フィルタの構成における柔軟性は、より複雑なフィルタの形が効率的にインプリメントされることを可能にして増加される。
ノンパラメトリック等化は、所定の周波数応答の大きさまたは位相の異常を補正するために必要である応答の形と最も整合するフィルタを引き出すために、バイクワッドフィルタの6つの係数のようなフィルタの係数の柔軟性をフルに使用し得る。より複雑なフィルタの形が望まれた場合、多項式の高次のレシオが使用され得る。一例においては、多項式の高次のレシオは、後でバイクワッドフィルタに分け(因数分解)られる場合もある。これらのフィルタのノンパラメトリック設計は、Prony方法、Steiglitz−McBride反復、固有フィルタ方法、または任意の周波数応答(伝達関数)に対して最も良く合うフィルタ係数を与える任意の他の方法を含むいくつかの方法によって達成され得る。これらのフィルタは、位相のみが修正され、大きさが全ての周波数において均一な全通過特性を含み得る。
図3は、リスニング空間306に含まれる例示オーディオシステム302および自動オーディオ調整システム304を示す。示されるリスニング空間は部屋であるが、リスニング空間は、車両、屋外領域、またはオーディオシステムが設置および動作され得る任意の他の場所になり得る。自動オーディオ調整システム304は、オーディオシステムの特定インプリメンテーションを調整するために設計パラメータの自動決定のために使用され得る。従って、自動オーディオ調整システム304は、オーディオシステム302内の設計パラメータを設定するために自動メカニズムを含む。
自動オーディオ調整システム304は、動作の状況に従って動作するために、システム304を調整、または構成する動作のモードも含み得る。動作の状況は、リスニング領域の異なる位置のリスナのためのリスニング環境、またはユーザーがコントロールを有したいかもしれない動作の他の側面に関し得る。例示のインプリメンテーションにおいて、自動オーディオ調整システム304は、オーディオシステム302によってパワー消費がモニターされる少なくとも1つの効率モードを含み、パワー消費を最小化するようにも調整され得る。自動オーディオ調整システム304は、信号プロセッサ312を用いて、異なるモードで動作をインプリメントし得る。自動オーディオ調整システム304は、システムモードを設定することとモードに従って動作をコントロールすることとを含む信号処理を具体的に要求しない機能を行うように構成される一般の目的のプロセッサを含み得る。
オーディオシステム302は、オーディオ、ビデオ、または可聴音を生成する任意の他の種類のマルチメディアシステムの任意の形式を生成するために、任意の数の拡声器、信号プロセッサ、オーディオソース等を含み得る。更に、オーディオシステム302は、任意の所望の構成においてセットアップされ得るか、または設置され得る。図3における構成は、多数の可能な構成のうちの単に1つである。図3において、例示の目的のため、オーディオシステム302は一般に、信号生成器310、信号プロセッサ312、および拡声器314を含むように示される。しかしながら、任意の数の信号生成デバイスおよび信号処理デバイスとともに任意の他の関連デバイスは、オーディオシステム302に含まれ得、および/またはそのオーディオシステム302とインターフェースされ得る。
自動オーディオ調整システム304は、独立したスタンドアローンシステムになり得るか、またはオーディオシステム302の一部として含まれ得る。自動オーディオ調整システム304は、命令を実行し、入力を受信し、かつユーザインターフェースを提供することが可能である、プロセッサのような、任意の形式のロジックデバイスを含み得る。一例において、自動オーディオ調整システム304は、オーディオシステム302と通信するように構成されている、パーソナルコンピュータのようなコンピュータとしてインプリメントされ得る。自動オーディオ調整システム304は、命令および/またはデータを格納するように構成される、1つ以上の揮発性および/または不揮発性メモリデバイスのようなメモリを含み得る。命令は、オーディオシステムの自動調整を実行するために、自動オーディオ調整システム304内にて実行され得る。実行可能コードは、更に、自動オーディオ調整システム304の機能性、ユーザインターフェース等を提供し得る。データは、処理中に使用/更新されるパラメータ、処理中に生成/更新されるパラメータ、ユーザ入力された変数、および/またはオーディオ信号を処理することに関連する任意の他の情報になり得る。
自動オーディオ調整システム304は、オーディオシステム302のカスタマイゼーションにおいて使用される設計パラメータの自動生成、操作および格納を可能にし得る。更に、オーディオシステム302のカスタマイズされた構成は、自動調整システム304を用いて自動様式において生成、操作および格納され得る。更に、設計パラメータの手動操作およびオーディオシステム302の構成も、自動オーディオ調整システム304のユーザによって実行され得る。
自動オーディオ調整システム304は、入力/出力(I/O)能力をも含み得る。I/O能力は、任意の形式のアナログまたはデジタル通信プロトコルに対して直列または並列であるワイヤラインおよび/またはワイヤレスデータ通信を含み得る。I/O能力は、設計パラメータの通信および自動オーディオ調整システム304と信号プロセッサ312との間の構成のために、パラメータ通信インターフェース316を含み得る。パラメータ通信インターフェース316は、設計パラメータおよび構成の信号プロセッサ312へのダウンロードを可能にし得る。更に、信号プロセッサによって現在使用されている設計パラメータおよび構成の自動オーディオ調整システム304へのアップロードは、パラメータ通信インターフェース316を通じて生じ得る。
自動オーディオ調整システム304のI/O能力は、マイクロホンのようなオーディオセンサ320に各々が結合される、少なくとも1つのオーディオセンサインターフェース318をも含み得る。更に、自動調整システム304のI/O能力は、波形生成データインターフェース322および基準信号インターフェース324を含み得る。オーディオセンサインターフェース318は、リスニング空間306内にて感知される1つ以上のオーディオ入力信号を入力信号として受信するために、自動オーディオ調整システム304の能力を提供し得る。図3において、自動オーディオ調整システム304は、リスニング空間内の5つの異なるリスニング位置から5つのオーディオ信号を受信する。他の例においては、より小さいまたは大きい数のオーディオ信号および/またはリスニング位置が使用され得る。例えば、車両の場合においては、4つのリスニング位置があり得、4つのオーディオセンサ320は、各リスニング位置において使用され得る。代替的に、単一のオーディオセンサ320は使用され得、かつ全てのリスニング位置の中で移動され得る。自動オーディオ調整システム304は、リスニング位置の各々にて体験される実際の、または現場音を計測するためにオーディオ信号を使用し得る。
自動オーディオ調整システム304は、テスト信号を直接生成し得、ストレージデバイスからテスト信号を抽出し得、またはテスト波形を生成するために外部信号生成器を制御し得る。図3においては、自動オーディオ調整システム304は、波形制御信号を波形生成データインターフェース322を通じて信号生成器310に送信し得る。波形制御信号に基づいて、信号生成器310は、テスト波形をオーディオ入力信号として信号プロセッサ312に出力し得る。信号生成器310によって生成されるテスト波形基準信号も、基準信号インターフェース324を介して自動オーディオ調整システム304に出力され得る。テスト波形は、オーディオシステム302の動作を完全に遂行および/またはテストするための大きさおよび帯域幅を有する1つ以上の周波数になり得る。他の例においては、オーディオシステム302は、コンパクトディスク、メモリ、または任意の他のストレージ媒体からテスト波形を生成し得る。これらの例において、テスト波形は、波形生成インターフェース322を通じて自動オーディオ調整システム304に提供され得る。
一例においては、自動オーディオ調整システム304は、基準波形を開始し得るか、またはその開始を命令し得る。基準波形はオーディオ入力信号として信号プロセッサ312によって処理され得、増幅出力チャネル上にオーディオ出力信号として、拡声器314を駆動するために出力され得る。拡声器314は、基準波形を表す可聴音を出力し得る。可聴音は、オーディオセンサ320によって感知され得、オーディオセンサインターフェース318上の入力オーディオ信号として自動オーディオ調整システム304に提供され得る。拡声器314を駆動する増幅出力チャネルの各々は、駆動され得る。そして駆動されている拡声器314によって生成される可聴音は、オーディオセンサ320によって感知され得る。
一例においては、自動オーディオ調整システム304は、サウンドカードを含むパーソナルコンピュータ(PC)においてインプリメントされる。サウンドカードは、入力オーディオ信号をオーディオセンサインターフェース318上のオーディオセンサ320から受信するために、自動オーディオ調整システム304のI/O能力の一部として使用され得る。更に、サウンドカードは、波形生成インターフェース322上のオーディオ入力信号として信号プロセッサ312に送信されるテスト波形を生成するために、信号生成器として動作し得る。従って、信号生成器310は省略され得る。サウンドカードは、テスト波形を基準信号インターフェース324上の基準信号として受信もし得る。サウンドカードは、PCによって制御され得、かつ全ての入力情報を自動オーディオ調整システム304に提供し得る。サウンドカードから受信/送信されるI/Oに基づいて、自動オーディオ調整システム304は、パラメータインターフェース316を通じて信号プロセッサ312に/から設計パラメータをダウンロード/アップロードし得る。
オーディオ入力信号および基準信号を使用して、自動オーディオ調整システム304は、信号プロセッサ312にインプリメントされる設計パラメータを自動的に決定し得る。自動オーディオ調整システム304は、設計パラメータの表示、操作および編集を可能にするユーザインターフェースをも含み得る。ユーザインターフェースは、ディスプレイ、キーボードのような入力デバイス、マウスまたはタッチスクリーンを含み得る。更に、ロジックベースのルールおよび他の設計制御は、自動オーディオ調整システム304のユーザインターフェースを用いてインプリメントおよび/または変化され得る。自動オーディオ調整システム304は、1つ以上のグラフィカルユーザインターフェーススクリーン、または設計パラメータおよび構成の表示、操作および変化を可能にする何らかの他の形式のディスプレイを含み得る。
一般に、リスニング空間に設置される特定オーディオシステムに対する設計パラメータを決定するための自動オーディオ調整システム304による例示的自動動作は、対象のオーディオシステムの構成および設計パラメータを自動オーディオ調整システム304に入力することによって始められ得る。構成情報および設計パラメータの入力に続いて、自動オーディオ調整システム304は、構成情報を信号プロセッサ312にダウンロードし得る。自動オーディオ調整システム304は、設計パラメータを決定するために、下述されるような一連の自動ステップにおける自動調整を実行し得る。
図4は、例示的自動オーディオ調整システム400のブロック図である。自動オーディオ調整システム400は、セットアップファイル402、計測インターフェース404、伝達関数マトリックス406、空間平均化エンジン408、増幅チャネル等化エンジン410、遅延エンジン412、ゲインエンジン414、クロスオーバエンジン416、バス最適化エンジン418、システム最適化エンジン420、設定アプリケーションシミュレータ422、ラボデータ424、および非線形最適化エンジン430を含み得る。他の例においては、より少ないまたは更なるブロックが、自動オーディオ調整システム400の機能性を説明するために使用され得る。
セットアップファイル402は、メモリに格納されるファイルになり得る。代替的に、または更に、セットアップファイル402は、オーディオシステムデザイナによって入力される情報のレシーバとして、グラフィカルユーザインターフェースにおいてインプリメントされ得る。セットアップファイル402は、調整される特定のオーディオシステムを特定するための構成情報および自動調整処理に関連する設計パラメータを用いて、オーディオシステムデザイナによって構成され得る。
リスニング空間に設置される特定オーディオシステムに対する設計パラメータを決定するための自動オーディオ調整システム400の自動動作は、対象のオーディオシステムの構成をセットアップファイル402に入力することによって始められ得る。構成情報および設定は、例えば、変換器の数、変換器のインピーダンス曲線、リスニング位置の数、入力オーディオ信号の数、出力オーディオ信号の数、入力オーディオ信号から出力オーディオ信号を得るための処理(ステレオ信号からサラウンド信号までのように)、および/または設計パラメータの自動構成を実行するために有用である任意の他のオーディオシステム特定情報を含み得る。更に、セットアップファイル402内の構成情報は、オーディオシステムデザイナによって決定される、制約、重み係数、自動調整パラメータ、決定された変数等の設計パラメータを含み得る。例示のインプリメンテーションにおいて、セットアップファイル402は、効率モードの動作のために構成されたパラメータの他に、非効率モードのために構成されたパラメータのいくつかまたは全部の値を含む効率モードのパラメータの値を含む。
例えば、重み係数は、設置されたオーディオシステムに対する各リスニング位置のために決定され得る。重み係数は、各リスニング位置の相対的な重要度に基づいて、オーディオシステムデザイナによって決定され得る。例えば、車両においては、ドライバリスニング位置は、最高の重み係数を有し得る。前の乗客のリスニング位置は、次に高い重み係数を有し得、後ろの乗客は、より低い重み係数を有し得る。重み係数は、ユーザインターフェースを使用して、セットアップファイル402に含まれる重みマトリックスに入力され得る。更に、例示的構成情報は、制限器およびゲインブロックに対する情報の入力、またはオーディオシステムの自動調整の任意の局面に関連する任意の他の情報を含み得る。例示的セットアップファイルに対する構成情報の例示的リスティングは、付録Aとして含まれる。他の例においては、セットアップファイルは、更なるまたはより少ない構成情報を含み得る。
オーディオシステムアーキテクチャの定義および設計パラメータの構成に加えて、入力チャネルのチャネルマッピング、ステアードチャネル、および増幅出力チャネルがセットアップファイル402を用いて実行され得る。更に、任意の他の構成情報は、前述および下述されるように、セットアップファイル402において提供され得る。パラメータインターフェース316(図3)を通じて調整されるための、オーディオシステムへのセットアップ情報のダウンロードに続いて、調整されるオーディオシステムによる可聴音出力のオーディオセンサ320(図3)を用いるセットアップ、較正および計測が実行され得る。
計測インターフェース404は、調整されているオーディオシステムから提供される入力オーディオ信号を受信および/または処理し得る。計測インターフェース404は、図3を参照して前述された、オーディオセンサからの信号、基準信号および波形生成データを受信し得る。拡声器の応答データを表す受信信号は、伝達関数マトリックス406に格納され得る。
伝達関数マトリックス406は、応答関連情報を含む多次元応答マトリックスになり得る。一例において、伝達関数マトリックス406または応答マトリックスは、オーディオセンサの数、増幅出力チャネルの数、およびオーディオセンサの各々によって受信されるオーディオシステムの出力を表す伝達関数を含む三次元応答マトリックスになり得る。伝達関数は、オーディオセンサによって計測されるインパルス応答または複合周波数応答になり得る。ラボデータ424は、調整されるオーディオシステム内の拡声器のための計測された拡声器伝達関数(拡声器応答データ)になり得る。拡声器応答データは、無響室のようなラボ環境であるリスニング空間にて計測および収集され得た。ラボデータ424は、応答関連情報を含む多次元応答マトリックスの形式において格納され得る。一例において、ラボデータ424は、伝達関数マトリックス406と類似する三次元応答マトリックスになり得る。
空間平均化エンジン408は、伝達関数マトリックス406内の1つ以上の次元を平均することによって、伝達関数マトリックス406を圧縮するために実行され得る。例えば、説明された三次元応答マトリックスにおいては、空間平均化エンジン408は、オーディオセンサを平均し、かつ応答マトリックスを二次元応答マトリックスに圧縮するために実行され得る。図5は、インパルス応答を周波数の範囲に亘って、6つのオーディオセンサ信号502から単一の空間平均応答504に減少させるための空間平均化の例を示す。空間平均化エンジン408による空間平均化は、重み係数を適用することをも含み得る。重み係数は、その重み係数に基づいて空間平均されているインパルス応答の識別されたものを重み付けまたは強調するために、空間平均応答の生成中に適用され得る。圧縮伝達関数マトリックスは、空間平均化エンジン408によって生成され得、かつ設定アプリケーションシミュレータ422のメモリ432に格納され得る。
図4において、増幅チャネル等化エンジン410は、図2のチャネル等化ブロック222のためのチャネル等化を生成するために実行され得る。増幅チャネル等化エンジン410によって生成されるチャネル等化設定は、ターゲット音響応答を達する目的で同じ増幅出力チャネル上にある拡声器または拡声器の群の応答を補正し得る。これらの拡声器は、個別的であるか、受動的にクロスオーバされているか、または別々に能動的にクロスオーバされているかであり得る。これらの拡声器の応答は、リスニング空間にかまわず、最適ではない場合があり、応答補正を必要とし得る。
図6は、例示的な増幅チャネル等化エンジン410、現場データ602、およびラボデータ424のブロック図である。増幅チャネル等化エンジン410は、予測現場モジュール606、統計補正モジュール608、パラメトリックエンジン610、およびノンパラメトリックエンジン612を含み得る。他の例においては、増幅チャネル等化エンジン410の機能性は、より少ないまたは更なるブロックを用いて説明され得る。
現場データ602は、調整されるオーディオシステムの増幅オーディオチャネルの各々に対する複合周波数応答またはインパルス応答の形式における実際に計測された拡声器伝達関数を表し得る。オーディオシステムが所望の構成においてリスニング空間に設置された場合、現場データ602は、オーディオシステムからの計測された可聴出力を含み得る。オーディオセンサを使用して、現場データは、キャプチャされ得、かつ伝達関数マトリックス406(図4)に格納され得る。一例において、現場データ602は、メモリ430に格納された圧縮伝達関数マトリックスである。代替的に、後で述べされるように、現場データ602は、オーディオシステムに適用される生成および/または決定された設定を有する応答データを表すデータを含むシミュレーションになり得る。ラボデータ424は、調整されるオーディオシステム内の拡声器のためのラボ環境において計測される拡声器伝達関数(拡声器応答データ)になり得る。
ターゲット音響応答を達する目的で増幅出力チャネルの各々の増幅チャネル等化エンジン410を用いる自動補正は、現場データ602および/またはラボデータ424に基づき得る。従って、現場データ602、ラボデータ424、または現場データ602とラボデータ424の両方における何らかの組み合わせの増幅チャネル等化エンジン410による使用は、セットアップファイル402(図4)におけるオーディオシステムデザイナによって構成可能である。
ターゲット音響応答に対して拡声器の応答を補正するためのチャネル等化設定の生成は、パラメトリックエンジン610またはノンパラメトリックエンジン612、あるいはパラメトリックエンジン610とノンパラメトリックエンジン612の両方による組み合わせを用いて実行され得る。セットアップファイル402(図4)は、チャネル等化設定がパラメトリックエンジン610、ノンパラメトリックエンジン612、またはパラメトリックエンジン610とノンパラメトリックエンジン612との組み合わせを用いて生成されるべきであるか否かを指定するように使われ得る。例えば、セットアップファイル402(図2)は、チャネル等化ブロック222(図2)に含まれるパラメトリックフィルタの数およびノンパラメトリックフィルタの数を指定し得る。
拡声器を含むシステムは、システムを構成する拡声器と同じくらいだけ実行できる。増幅チャネル等化エンジン410は、ターゲット音響応答を考慮して拡声器の応答における不規則性の効果を補正または最小化するために、現場またはラボ環境における拡声器の性能についての情報を使用し得る。
ラボデータ424に基づく生成されたチャネル等化設定は、予測現場モジュール606を用いる処理を含み得る。ラボベースの拡声器性能が、拡声器が動作される現場リスニング空間からではないため、予測現場モジュール606は、予測現場応答を生成し得る。予測現場応答は、セットアップファイル402内の前の規定パラメータに基づき得る。例えば、ユーザーまたはデザイナは、意図された環境またはリスニング空間における拡声器のコンピュータモデルを生成し得る。コンピュータモデルは、各センサ位置にて計測される周波数応答を予測するために使用され得る。このコンピュータモデルは、オーディオシステムの設計に対する重要な局面を含み得る。一例において、重要ではないと考えられたそれらの局面は、省略され得る。拡声器の各々の予測周波数応答情報は、リスニング環境内にて期待される応答の近似として、予測現場モジュール606内のセンサに亘って空間平均され得る。コンピュータモデルは、有限要素方法、境界要素方法、レイトレーシングあるいは環境における拡声器または拡声器のセットの音響性能をシミュレートする任意の他の方法を使用し得る。
予測現場応答に基づいて、パラメトリックエンジン610および/またはノンパラメトリックエンジン612は、ターゲット音響応答に基づいて、拡声器における補正可能な不規則性を補償するためにチャネル等化設定を生成し得る。実際に計測される現場応答は、現場応答が拡声器の実際の応答を不明瞭し得るため、使用されない場合がある。予測現場応答は、音響放射インピーダンスにおける変化を導入することによって、スピーカの性能を修正する要素のみを含み得る。例えば、要素は、拡声器が境界の近くに配置される場合における現場応答に含まれ得る。
パラメトリックエンジン610および/またはノンパラメトリックエンジン612によって生成される予測現場応答に対して満足な結果を得るために、拡声器は、リスニング空間の下に置かれる前に、最適無響室性能を与えるように設計されなければならない。一部のリスニング空間においては、補償は、拡声器の最適性能に対して不必要であり得、チャネル等化設定の生成は、必要ではない場合がある。パラメトリックエンジン610および/またはノンパラメトリックエンジン612によって生成されるチャネル等化設定は、チャネル等化ブロック222(図2)において適用され得る。従って、チャネル等化設定による信号修正は、単一の拡声器または拡声器の(受動的または能動的)フィルタリングされたアレイに影響し得る。
更に、統計補正は、ラボデータ424(図4)および/またはセットアップファイル402(図4)に含まれる任意の他の情報に基づいて、統計補正モジュール608による予測現場応答に適用され得る。統計補正モジュール608は、オーディオシステムにて使用される拡声器に関連するセットアップファイル402に格納されるデータを使用して、統計ベースにおいて予測現場応答の補正を生成し得る。例えば、拡声器におけるダイアフラム崩壊による共鳴は、ダイアフラムの材料性質の詳細およびそのような材料性質におけるバリエーションにより得る。更に、拡声器における他の構成要素および接着剤の製造バリエーション、ならびに製造時の設計および処理公差によるバリエーションは、性能に影響し得る。個々の拡声器の品質テスト/チェックから得られる統計情報は、ラボデータ424(図4)に格納され得る。そのような情報は、構成要素および製造処理におけるこれらの知られたバリエーションに基づいて、拡声器の応答を更に補正するために統計補正モジュール608によって使用され得る。目標の応答補正は、拡声器の設計および/または製造処理に対して行われる変化を補うために拡声器の応答の補正を可能にし得る。
他の例においては、拡声器の予測現場応答の統計補正は、拡声器のアセンブリラインの最後のテストに基づいて、統計補正モジュール608によって実行もし得る。一部の場合においては、車両のようなリスニング空間におけるオーディオシステムは、最適スピーカの所定のセット、または調整時にリスニング空間にある拡声器の知られていないセットを用いて調整され得る。拡声器における統計バリエーションによって、そのような調整は、特定のリスニング空間に対して最適化され得るが、同じリスニング空間内の同じモデルの他の拡声器に対しては最適化されない場合もある。例えば、車両内のスピーカの特定セットにおいて、共鳴は、3のフィルタ帯域幅(Q)および大きさならびに6dBのピークを備えて、1kHzにおいて生じ得る。同じモデルの他の拡声器においては、共鳴の発生は1/3オクターブに亘って変化し得、Qは2.5から3.5に亘って変化し得、かつ大きさのピークは4から8dBに亘って変化し得る。共鳴の発生におけるそのようなバリエーションは、拡声器の予測現場応答を統計補正するために、増幅チャネル等化エンジン410による使用に対するラボデータ424(図4)における情報として提供され得る。
予測現場データ応答データまたは現場データ602は、パラメトリックエンジン610またはノンパラメトリックエンジン612のどちらかによって使用され得る。パラメトリックエンジン610は、伝達関数マトリックス406(図4)に格納される応答データから対象の帯域幅を得るために実行され得る。対象の帯域幅内にて、パラメトリックエンジン610は、ピークに対する周波数応答の大きさをスキャンし得る。パラメトリックエンジン610は、最高の大きさを備えるピークを識別し得、かつパラメトリック等化の最も適合するパラメータ(例えば、中心周波数、大きさおよびQ)をこのピークに対して算出し得る。最も適合するフィルタは、シミュレーションにおける応答に適用され得、処理は、2dBのような特定された最小のピークの大きさより大きいピークがないところまで、または2のような特定されたフィルタの最大数が使用されるまでパラメトリックエンジン610によって繰り返され得る。最小のピークの大きさおよびフィルタの最大数は、セットアップファイル402(図4)においてシステムデザイナによって特定され得る。
パラメトリックエンジン610は、パラメトリックノッチフィルタのようなフィルタに対する共鳴および/または他の応答異常を扱うために、特定拡声器または拡声器のセットのオーディオセンサに亘って重み付け平均を使用し得る。例えば、パラメトリックノッチフィルタの中心周波数、大きさおよびフィルタ帯域幅(Q)は、生成され得る。ノッチフィルタは、拡声器が駆動された場合に生成され得る周波数応答異常を扱うことによって、リスニング空間における最適応答を与えるように設計される最小位相フィルタになり得る。
ノンパラメトリックエンジン612は、バイクワッドフィルタのようなフィルタに対する共鳴および他の応答異常を扱うために、特定拡声器または拡声器のセットのオーディオセンサに亘って重み付け平均を使用し得る。バイクワッドフィルタの係数は、周波数応答異常に最適の適合度を提供するために計算され得る。ノンパラメトリックフィルタが、従来のパラメトリックノッチフィルタより多くの複合周波数応答の形を含み得るため、ノンパラメトリックに引き出されたフィルタは、パラメトリックフィルタと比較した場合、よりぴったりと合った適合度を提供できる。これらのフィルタに対する不利益は、フィルタが中心周波数、Qおよび大きさのようなパラメータを有しないので、フィルタは直観的に調節可能ではないことである。
パラメトリックエンジン610および/またはノンパラメトリックエンジン612は、同じ周波数範囲を生成する複数の拡声器の間の複雑な相互作用ではなく、各拡声器が現場またはラボ応答において再生することである影響を解析し得る。多数の場合においては、パラメトリックエンジン610および/またはノンパラメトリックエンジン612は、拡声器が動作する帯域幅のやや外の応答をフィルタリングすることが望ましいことを決定し得る。これは、例えば、共鳴が所定の拡声器の特定低域通過周波数の1つ半オクターブ上において生じた場合である。ここにおいて、この共鳴は、可聴であり得、かつクロスオーバ合計に対する困難を発生し得る。他の例においては、増幅チャネル等化エンジン410は、拡声器の特定高域通過周波数の1オクターブ下、および拡声器の特定低域通過周波数の1オクターブ上をフィルタリングすることは、帯端のみにフィルタリングするより良い結果を提供し得ることを決定し得る。
パラメトリックエンジン610および/またはノンパラメトリックエンジン612によるフィルタリングの選択は、セットアップファイル402に含まれ、またはパワー効率の重み係数に基づいた情報によって制約され得る。フィルタ最適化のパラメータの制約(周波数のみではない)は、パワー消費、供給の割り当て、およびシステム性能の最適化に関して、増幅チャネル等化エンジン410の性能に対して重要であり得る。パラメトリックエンジン610および/またはノンパラメトリックエンジン612が任意の制約されていない値を選択することを可能にすることは、増幅チャネル等化エンジン410が非常に高い正のゲイン値を備えるフィルタのように望まれていないフィルタを生成することを引き起こし、その結果として著しいパワー消費も、ひずみまたは安定性の問題の可能性もたらす。一例において、セットアップファイル402は、−12dBから+6dBの間のような決定された範囲に、パラメトリックエンジン610を用いて生成されるゲインを制約するための情報を含み得る。他の例において、ゲイン制限のスライディングスケールは、パワー効率の重み係数に基づいて課せられ得る。代替的に、または加えて、セットアップファイル402は、例えば、約0.5から約5の間の範囲内のように、大きさおよびフィルタ帯域幅(Q)の生成を制約するための決定された範囲を含み得、またはパワー効率の重み係数はその範囲をもたらすようにインプリメントされ得る。
フィルタの最小ゲインも、セットアップファイル402内の追加のパラメータとして設定され得る。最小ゲインは、2dBのような決定された値において設定され得る。従って、2dBより少ないゲインを備えるパラメトリックエンジン610および/またはノンパラメトリックエンジン612によって算出された任意のフィルタは、取り除かれ得、かつ調整されるオーディオシステムにダウンロードされなくあり得る。更に、パラメトリックエンジン610および/またはノンパラメトリックエンジン612によるフィルタの最大数の生成は、システム性能を最適化するためにセットアップファイル402において特定され得る。最小ゲイン設定は、パラメトリックエンジン610および/またはノンパラメトリックエンジン612がセットアップファイル402内にて特定されるフィルタの最大数を生成し、次いで最小ゲイン設定に基づいて生成されたフィルタの一部を取り除いた場合、システム性能における更なる進歩を可能にし得る。フィルタの除去を考慮した場合、パラメトリックおよび/またはノンパラメトリックエンジン610および612は、オーディオシステム内のフィルタの心理音響重要性を決定するために、フィルタのQと組み合わせてフィルタの最小ゲイン設定を考慮し得る。フィルタのそのような除去考慮は、フィルタの最小ゲイン設定とQとの比率、フィルタの所定のゲイン設定に対するQの許容可能値の範囲、および/またはフィルタの所定のQに対する許容可能ゲインの範囲のような、所定のしきい値に基づき得る。例えば、フィルタのQが1のように非常に低い場合、フィルタ内のゲインの2dBの大きさは、オーディオシステムのティンバにかなりの影響を与え得、かつフィルタは削除されるべきではない。所定のしきい値は、セットアップファイル402(図4)に含まれ得る。
異なるパワー効率の重み係数は、ターゲット音響応答に基づいて、チャンネル等化設定の形の動作パラメータの1つ以上のセットを生成するように使われ得る。チャンネル等化設定は、フィルタ設計パラメータを有するフィルタの形であり得る。増幅されたチャンネル等化エンジン410は、それぞれの拡声器の動作パワー消費にチャンネル等化設定の効果を決定するために、セットアップファイル402からの拡声器のインピーダンスデータを使い得る。チャンネル等化設定を生成するように使われているそれぞれの効率の重み係数に基づいて、増幅されたチャンネル等化エンジン410は、1つ以上のチャンネルのための等化設定を調整し得る。このように、パワー効率の重み係数が、パワー消費の最小化を有利にするように使われている場合、ゲイン値のようなチャンネル等化設定は、パワー消費を最小化するために、いくつかの周波数で減少され得、および他の周波数で増加され得、その一方で、なおオーディオシステムからのターゲット音響応答を達成する。他の例において、Q、等化されている周波数範囲、または等化に関する他の動作パラメータは、パワー効率の重み係数の関数として、増幅されたチャンネル等化エンジン410によって調整され得る。増幅されたチャンネル等化エンジン410は、パワー効率の重み係数に基づいて、ターゲット音響応答を達成するためのオーディオシステムの所望の音響性能を、拡声器を駆動するための増幅器によって消費されるパワーの所望の制限とのバランスを保ち得る。
例えば、パワー効率の重み係数が1と10の間の値である(10が最大のパワー消費である)場合、1の値で、増幅されたチャンネル等化エンジン410は、パワー消費を無視し得、拡声器の音響性能を最適化するようにチャンネル等化設定を生成し得る。10のパワー効率の重み係数で、これに反して、パワー消費を最小化するために、音響性能を最適化するチャンネル等化設定に対する著しい変化が生じ得、その一方で、なおオーディオシステムの性能の許容可能レベルを提供する。同様に、5のパワー効率の重み係数で、増幅されたチャンネル等化エンジンは、パワー消費と音響性能との間で妥協し得る。
拡声器を駆動するのに増幅器によるエネルギー消費のレベル、およびそれによるパワー効率は、拡声器のインピーダンスに基づいて、増幅されたチャンネル等化エンジン410によって決定され得る。他の例において、オーディオシステムのパワーの他の損失が考えられ得る。拡声器のインピーダンスデータは、増幅されたチャンネル等化エンジン410によって、それぞれの拡声器の各々のためのインピーダンス曲線から得られ得る。インピーダンス曲線は、セットアップファイル402内に格納され得る。代替的に、または加えて、増幅されたチャンネル等化エンジン410は、拡声器のためのインピーダンスデータを計算し得る。インピーダンスデータの計算は、供給され、または拡声器に供給されるように計画されている電流および電圧の大きさのような実際に計測された値に基づき得る(V=R*I)。1つ以上のそれぞれの拡声器を駆動するオーディオ信号に含まれた電圧および電流、および1つ以上の拡声器のインピーダンスデータに基づいて、増幅されたチャンネル等化エンジン410は、等化設定を調整し得、1つ以上の拡声器によるパワー消費の対応する変化を決定し得る。これらの技術を用いて、増幅されたチャンネル等化エンジン410は、パワー消費の所望のレベル内に合うように等化設定を反復に調整し得、その一方で、なおターゲット音響応答を考慮して、パワー効率の重み係数によって課せられた制約内に音響性能を最適化する。
図4においては、増幅チャネル等化エンジン410を用いて生成されるチャネル等化設定は、設定アプリケーションシミュレータ422に提供され得る。設定アプリケーションシミュレータ422は、等化設定が格納され得るメモリ432を含み得る。設定アプリケーションシミュレータ422は、チャネル等化設定を伝達関数マトリックス406に含まれる応答データに適用するために実行可能にもなり得る。チャネル等化設定を用いて等化された応答データも、等化チャネル応答データのシミュレーションとしてメモリ432に格納され得る。更に、自動オーディオ調整システム400を用いて生成される任意の他の設定は、適用される、生成されたチャネル等化設定を用いてオーディオシステムの動作をシミュレートするために応答データに適用され得る。更に、セットアップファイル402に含まれる設定は、チャネル等化シミュレーションを生成するためにシミュレーションスケジュールに基づいて応答データに適用され得る。
シミュレーションスケジュールは、セットアップファイル402に含まれ得る。シミュレーションスケジュールは、設定アプリケーションシミュレータ422を用いて特定シミュレーションを生成するために使用される、生成および所定設定を指定し得る。設定が自動オーディオ調整システム400におけるエンジンによって生成される一方、設定アプリケーションシミュレータ422は、シミュレーションスケジュールにおいて識別されるシミュレーションを生成し得る。例えば、シミュレーションスケジュールは、応答データに適用される等化設定が望まれた場合、伝達関数マトリックス406からの応答データのシミュレーションを表示し得る。従って、等化設定の受信によって、設定アプリケーションシミュレータ422は、等化設定を応答データに適用し得、かつメモリ430に結果として生じるシミュレーションを格納し得る。
等化応答データのシミュレーションは、自動オーディオ調整システム400内の他の設定の生成における使用に対して利用可能であり得る。等化された応答データのこのようなシミュレーションも、効率の重み係数の各々に関連付けられる動作パラメータのために行なわれ得る。そうした場合、セットアップファイル402は、様々な設定が自動オーディオ調整システム400によって生成される順序またはシーケンスを指定する順序表をも含み得る。生成シーケンスは、順序表内に指定され得る。シーケンスは、生成される設定の他の群の生成を基づかせることが望まれる、シミュレーションに使用される、生成される設定が生成され得、かつ設定アプリケーションシミュレータ422によって格納され得るように指定され得る。言い換えると、順序表は、他の生成された設定を用いるシミュレーションに基づいて生成された設定が利用可能になるように、設定および対応するシミュレーションの生成の順序を指定し得る。例えば、等化チャネル応答データのシミュレーションは、遅延エンジン412に提供され得る。代替的に、チャネル等化設定が望まれていないところにおいては、応答データは、遅延エンジン412に対する調節なしに適用され得る。更なる他の例においては、生成された設定および/またはオーディオシステムデザイナによって命令されるような決定された設定を含む任意の他のシミュレーションは、遅延エンジン412に提供され得る。
遅延エンジン412は、選択された拡声器に対する最適遅延を決定および生成するために実行され得る。遅延エンジン412は、設定アプリケーションシミュレータ422のメモリ432に格納されるシミュレーションから各オーディオ入力チャネルのシミュレートされた応答を取得し得るか、または伝達関数マトリックス406から応答データを取得し得る。各オーディオ入力信号の基準波形に対する比較によって、遅延エンジン412は、遅延設定を決定および生成し得る。代替的に、遅延設定が望まれないところにおいては、遅延エンジン412は、省略され得る。
図7は、例示的な遅延エンジン412および現場データ702のブロック図である。遅延エンジン412は、遅延計算器モジュール704を含む。遅延値は、現場データ702に基づいて、遅延計算器モジュール704によって計算および生成され得る。現場データ702は、伝達関数マトリックス406に含まれる応答データになり得る。代替的に、現場データ702は、メモリ432(図4)に格納されるシミュレーションデータになり得る。
遅延値は、増幅出力チャネルのうちの選択されたものに対して、遅延計算器モジュール704によって生成され得る。遅延計算器モジュール704は、計測オーディオ入力信号のリーディングエッジおよび基準波形のリーディングエッジを位置付けし得る。計測オーディオ入力信号のリーディングエッジは、応答がノイズフロアから浮上する地点になり得る。基準波形のリーディングエッジと計測オーディオ入力信号のリーディングエッジとの間の違いに基づいて、遅延計算器モジュール704は実際の遅延を算出し得る。
図8は、可聴音がマイクロホン等の音響検出装置に到着する時間の計測試験を図示したインパルス応答の一例である。時点(t1)802(0秒に相当)において、可聴信号は音響システムに提供され、スピーカーによって出力される。遅延期間804の間、音響検出装置によって受信された可聴信号はノイズフロアー806以下である。このノイズフロアー806はセットアップファイル402(図4)に含まれている決定値であり得る。受信された可聴音は、時点(t2)808においてノイズフロアー806を脱する。時点(t1)802と時点(t2)808の間の時間は遅延計算モジュール704によって実遅延としてされる。図8では、当システムのノイズフロアー806はインパルス最大値マイナス60dB、遅延時間は約4.2msである。
実遅延とは可聴信号が全ての電子機器、スピーカー、大気を通過して観測地点に到るまでにかかる時間である。実遅延時間はクロスオーバの適切なアライメントや調整音響システムによって生み出される可聴音の最適な空間イメージングなどに利用され得る。同一のリスニング空間においても、音響検出装置で計測するリスニング位置によって実遅延時間が異なる場合がある。遅延計算モジュール704では、単一の検出装置を使って実遅延時間を計算し得る。あるいは、遅延計算モジュール704は、例えばリスナの頭の周囲等、あるリスニング空間の異なる場所に位置する2個以上の音響検出装置の実遅延時間を平均化し得る。
計算された実遅延に基づき、遅延計算モジュール704は、セットアップファイル402(図4)に含まれる重み係数に基づいて、増幅出力チャンネルのうち特定のチャンネルの遅延値に荷重を付与し得る。遅延計算モジュール704によって生成される結果の遅延設定は、各音響検出装置の遅延値の加重平均であり得る。こうして、遅延計算モジュール704は各々の増幅音響チャンネルについて、それぞれが1か所以上のリスニング位置に到達するための、音響出力信号の到着遅延を計算および生成し得る。適切な空間印象を提供するため、増幅出力チャンネルの一部をさらに遅延させることが望ましれ得る。例えば、リヤサラウンドスピーカーからの直接可聴音が、フロントスピーカーの方に近いリスナにも同時に届くように、リヤサラウンドスピーカー付きの多チャンネル音響システムにおいて、フロントスピーカーを駆動する増幅出力チャンネルにさらに遅延が加えられ得る。
図4では、遅延エンジン412を用いて生成された遅延設定は、設定アプリケーションシミュレータ422へ提供される。設定アプリケーションシミュレータ422は、その遅延設定をメモリー432保存し得る。さらに設定アプリケーションシミュレータ422はその遅延設定を使い、セットアップファイル402に含まれるシミュレーション表に従って、シミュレーションを生成し得る。例えば、シミュレーション表に、遅延設定を等化応答データに適用する遅延シミュレーションが望ましいと指示されていてもよい。この場合、等化応答データシミュレーションがメモリー432から抽出され得、それに遅延設定が適用され得る。あるいは、等化設定が生成されてメモリー432に保存されていない場合、シミュレーション表に示される遅延シミュレーションに従って、遅延設定が伝達関数マトリックス406に含まれる応答データに適用され得る。この遅延シミュレーションもまたメモリー432に保存され得、自動音響調整システムの他のエンジンの利用に供される。例えば、遅延シミュレーションはゲインエンジン414に提供され得る。
ゲインエンジン414は増幅出力チャンネルのためのゲイン設定を生成するために実行可能であり得る。ゲインエンジン414は、セットアップファイル402にあるとおり、メモリー430からシミュレーションを取得し得、それに基づいてゲイン設定を生成する。あるいは、ゲイン設定を生成するために、セットアップファイル402により、ゲインエンジン414は伝達関数マトリックス406から応答を取得し得る。ゲインエンジン414は各増幅出力チャンネルについて、出力を個々に最適化し得る。増幅出力チャンネルの出力は、ゲインエンジン414により、セットアップファイル402に規定される荷重に従って選択的に調整され得る。
図9は、ゲインエンジン414と現場データ902の例を示すブロック図である。現場データ902は空間平均化エンジン408によって空間的に平均化された、伝達関数マトリックス406からの応答データであり得る。あるいは、現場データ902は、空間的に平均化された応答データに、生成または決定された設定を適用したもの含む、メモリー432に保存されたシミュレーションであり得る。一例を挙げると、現場データ902は、メモリー432に保存されたチャンネル等化設定に基づき、設定アプリケーションシミュレータ422によって生成されたチャンネル等化シミュレーションである。
ゲインエンジン414にはレベル最適化モジュール904が含まれている。レベル最適化モジュール904は、各増幅出力チャンネルの一定の帯域幅について、現場データ902に基づき平均出力レベルを決定および保存するために実行可能であり得る。保存された平均出力レベルは、各増幅音響チャンネルにおいて望ましいレベルの音響出力信号を実現するために、互いに比較され、調節され得る。
レベル最適化器モジュール904は、所定の増幅出力チャネルが他の増幅出力チャネルより多いまたは少ないゲインを有するように、オフセット値を生成し得る。これらの値は、ゲインエンジンが計算されたゲイン値を直接補償できるように、セットアップファイル402に含まれる表に入力され得る。例えば、オーディオシステムデザイナは、道路上を移動中にて、車両のノイズレベルによる前方スピーカと比較された場合、サラウンドサウンドを備えた車両内の後方スピーカが増強された信号レベルを必要とすることを望み得る。従って、オーディオシステムデザイナは、+3dBのような決定された値を、ぞれぞれの増幅出力チャネルに対する表に入力し得る。それに応答して、レベル最適化モジュール904は、それらの増幅出力チャネルに対するゲイン設定が生成された場合、更なる3dBのゲインを生成された値に追加し得る。
ゲインエンジン414も、異なるパワー効率の重み係数の適用に基づいて、異なるゲイン値を引き出し得る。例えば、ゲインエンジン414によって生成および適用されたゲインは、パワー消費を最小化することに増加された重点を表示するパワー効率の重み係数に対して、対応して減少され得る。ゲインエンジン414は、ターゲット音響応答およびパワー消費に基づいて音響性能のバランスを保つために、増幅された出力チャンネルに適用されるゲインのパワー消費の減少へのインパクトを確かめるように、拡声器の拡声器インピーダンスデータを利用し得る。従って、生成およびセットアップファイル402に含まれる表に入力されたゲイン値のセットのような動作パラメータは、異なるパワー効率の重み係数に関連付けられ得る。
図4において、ゲインエンジン414を用いて生成されるゲイン設定は、設定アプリケーションシミュレータ422に提供され得る。設定アプリケーションシミュレータ422は、ゲイン設定をメモリ432に格納し得る。更に、設定アプリケーションシミュレータ422は、例えば、ゲインシミュレーションを生成するためにゲイン設定を、等化されているまたはされていない、遅延されているまたはされていない応答データに適用し得る。他の例示的ゲインシミュレーションにおいては、自動オーディオ調整システム400を用いて生成される、またはセットアップファイル402に存在する任意の他の設定は、オーディオシステムの動作をシミュレートするために応答データに適用され得、ゲイン設定は応答データに適用される。等化されたおよび/または遅延された応答データ(存在した場合)を備える応答データを表すシミュレーション、またはそこに適用される任意の他の設定は、メモリ432から引き出され得、ゲイン設定は適用され得る。このようなシミュレーションも、効率の重み係数の各々に関連付けられる動作パラメータのために行われ得る。代替的に、等化設定が生成されず、メモリ432に格納されなかったところにおいては、ゲイン設定は、ゲインシミュレーションを生成するために伝達関数マトリックス406に含まれる応答データに適用され得る。ゲインシミュレーションも、メモリ432に格納され得る。
クロスオーバエンジン416は、自動オーディオ調整システム10内の1つ以上の他のエンジンと協同的に動作可能になり得る。代替的に、クロスオーバエンジン416は、スタンドアローン自動調整システムになり得るか、または増幅チャネル等化エンジン410および/または遅延エンジン412のような他のエンジンのうちの選択されたもののみと動作可能になり得る。クロスオーバエンジン416は、選択された増幅出力チャネルに対するクロスオーバ設定を選択的に生成するように実行可能になり得る。クロスオーバ設定は、増幅出力チャネルのうちの少なくとも2つに選択的に適用される、高域通過および低域通過フィルタに対する最適スロープおよびクロスオーバ周波数を含み得る。クロスオーバエンジン416は、増幅出力チャネルの群におけるそれぞれの増幅出力チャネル上にて動作可能である拡声器の組み合わされた出力によって生成される全エネルギーを最大化するその群に対するクロスオーバ設定を生成し得る。拡声器は、少なくとも部分的に異なる周波数範囲において動作可能になり得る。クロスオーバエンジン416も、拡声器の組み合わされた出力による全エネルギー出力を最大化するクロスオーバ設定を生成し得、その一方で、オーディオ増幅器がターゲット音響応答を達成するために必ず送出する電子パワーを最小化する。クロスオーバエンジン416は、パワー消費のレベルに関する制限によって制約されるようなターゲット音響応答に基づいて、音響性能の最高レベルを達成するクロスオーバパラメータの形の動作パラメータの任意数のセットを決定するクロスオーバ最適化器を含む。パワー効率の重み係数の効果に依存して、動作パラメータのセットは、最適化された音響性能を提供するクロスオーバパラメータのセット(合計拡声器からの最大全エネルギーを無視する)であり得、またはターゲット音響応答を達成するための増幅器から必要とされる最低全パワーを提供するクロスオーバパラメータのセットであり得る。
例えば、クロスオーバ設定は、ツイータのような比較的高い周波数拡声器を駆動する第1の増幅出力チャネル、およびウーハのような比較的低い周波数拡声器を駆動する第2の増幅出力チャネルのためにクロスオーバエンジン416を用いて生成され得る。この例において、クロスオーバエンジン416は、2つの拡声器の組み合わされた全応答を最大化するクロスオーバポイントを決定し得る。従って、クロスオーバエンジン416は、両方の拡声器の組み合わせから生成される全エネルギーの最適化に基づいて、最適高域通過フィルタの第1の増幅出力チャネルへのアプリケーションおよび最適低域通過フィルタの第2の増幅出力チャネルへのアプリケーションという結果になるクロスオーバ設定を生成し得る。クロスオーバ設定は、効率を最適化することが望まれるとき、全パワー入力を制限するように最適高域通過フィルタおよび最適低域通過フィルタを調整し得る。他の例において、様々な周波数範囲の任意の数の増幅出力チャネルおよび対応する拡声器に対するクロスオーバは、クロスオーバエンジン416によって生成され得る。
他の例においては、クロスオーバエンジン416がスタンドアローンオーディオ調整システムとして動作可能であった場合、現場およびラボ応答マトリックスのような応答マトリックスは省略され得る。代わりに、クロスオーバエンジン416は、セットアップファイル402、信号生成器310(図3)およびオーディオセンサ320(図3)を用いて動作し得る。この例においては、ツイータのような比較的高い周波数拡声器を駆動する第1の増幅出力チャネル、およびウーハのような比較的低い周波数拡声器を駆動する第2の増幅出力チャネルを駆動するために、信号生成器310を用いて基準波形が生成され得る。拡声器の動作している組み合わせの応答は、オーディオセンサ320によって受信され得る。クロスオーバエンジン416は、感知された応答に基づいてクロスオーバ設定を生成し得る。クロスオーバ設定は、第1のおよび第2の増幅出力チャネルに適用され得る。この処理は繰り返され得、両方の拡声器からの最大の全エネルギーがオーディオセンサ320によって感知されるまで、クロスオーバポイント(クロスオーバ設定)は移動され得る。
クロスオーバエンジン416は、セットアップファイル402に入力された初期値に基づいてクロスオーバ設定を決定し得る。1つの増幅出力チャネルに対するツイータ高域通過フィルタ値および他の増幅出力チャネルに対するサブウーハ低域通過フィルタ値のように、帯域制限フィルタに対する初期値は、拡声器保護を提供する概算値になり得る。更に、制限を超えないために、例えば、クロスオーバエンジン416によって自動最適化中に使用される周波数およびスロープの数(例えば、5つの周波数および3つのスロープ)は、セットアップファイル402に特定され得る。更に、所定の設計パラメータに対して許される変化量における制限は、セットアップファイル402において特定され得る。セットアップファイル402からの応答データおよび情報を使用して、クロスオーバエンジン416は、クロスオーバ設定を生成するために実行され得る。
図10は、クロスオーバエンジン416、ラボデータ424(図4)および現場データ1004の例のブロック図である。ラボデータ424は、調整されるオーディオシステム内の拡声器に対するラボ環境において計測および収集された、計測拡声器伝達関数(拡声器応答データ)になり得る。他の例においては、ラボデータ424は省略され得る。現場データ1004は、伝達関数マトリックス406(図4)に格納される応答データのような計測応答データになり得る。代替的に、現場データ1004は、設定アプリケーションシミュレータ422によって生成され、かつメモリ432に格納されるシミュレーションになり得る。一例においては、遅延設定が適用されるシミュレーションは、現場データ1004として使用される。応答データの位相がクロスオーバ設定を決定するために使用され得るため、応答データは、空間平均されない場合がある。
クロスオーバエンジン416は、パラメトリックエンジン1008およびノンパラメトリックエンジン1010を含み得る。従って、クロスオーバエンジン416は、パラメトリックエンジン1008またはノンパラメトリックエンジン1010、あるいはパラメトリックエンジン1008とノンパラメトリックエンジン1010の両方の組み合わせを用いて、増幅出力チャネルに対するクロスオーバ設定を選択的に生成し得る。他の例において、クロスオーバエンジン416は、パラメトリックエンジン1008またはノンパラメトリックエンジン1010のみを含み得る。オーディオシステムデザイナは、セットアップファイル402(図4)において、クロスオーバ設定がパラメトリックエンジン1008を用いて生成されるべきか、ノンパラメトリックエンジン1010を用いて生成されるべきか、またはその何らかの組み合わせを用いて生成されるべきかを指定し得る。例えば、オーディオシステムデザイナは、セットアップファイル402(図4)において、クロスオーバブロック220(図2)に含まれるパラメトリックフィルタの数およびノンパラメトリックフィルタの数を指定し得る。
パラメトリックエンジン1008またはノンパラメトリックエンジン1010は、クロスオーバ設定を生成するために、ラボデータ424および/または現場データ1004のいずれかを使用し得る。ラボデータ424または現場データ1004の使用は、セットアップファイル402(図4)におけるオーディオシステムデザイナによって指定され得る。帯域制限フィルタに対する初期値(必要なところにおいて)およびユーザ特定制限の入力に続き、クロスオーバエンジン416は、自動処理のために実行され得る。初期値および制限は、セットアップファイル402に入力され得、かつ応答データを収集する前に信号プロセッサにダウンロードされ得る。
クロスオーバエンジン416は、反復最適化エンジン1012および直接最適化エンジン1014をも含み得る。他の例において、クロスオーバエンジン416は、反復最適化エンジン1012のみ、または直接最適化エンジン1014のみを含み得る。反復最適化エンジン1012または直接最適化エンジン1014は、少なくとも2つの増幅出力チャネルに対して1つ以上の最適クロスオーバを決定および生成するために実行され得る。どの最適化エンジンが使用されるかの指定は、セットアップファイル内の最適化エンジン設定を用いてオーディオシステムデザイナによって設定され得る。最適クロスオーバは、クロスオーバの対象になる2つ以上の増幅出力チャネル上の拡声器の組み合わされた応答が、クロスオーバ周波数において約−6dBであり、各スピーカの位相がその周波数においてほぼ均等であるものになり得る。この種類のクロスオーバは、Linkwitz−Rileyフィルタと呼ばれ得る。クロスオーバの最適化は、含まれる拡声器の各々の位相応答が特定位相特性を有することを必要とし得る。言い換えると、低域通過した拡声器の位相および高域通過した拡声器の位相は、合計を提供するために十分に均等になり得る。
クロスオーバを使用する2つ以上の異なる増幅オーディオチャネル上の異なる拡声器の位相アラインメントは、複数の方法においてクロスオーバエンジン416を用いて達成され得る。所望のクロスオーバを生成するための例示的方法は、反復クロスオーバ最適化および直接クロスオーバ最適化を含み得る。
反復最適化エンジン1012を用いる反復クロスオーバ最適化は、セットアップファイル402内のオーディオシステムデザイナによって特定される制約の範囲に亘って、シミュレーションにおいて重み付けされた音響計測に適用されるような特定高域通過および低域通過フィルタを操作するために数値最適化器の使用を含み得る。最適応答は、最も良い合計を有する応答として反復最適化エンジン1012によって決定されたものになり得る。最適応答は、少なくとも2つの異なる増幅出力チャネル上にて動作する少なくとも2つの拡声器を駆動する入力オーディオ信号の大きさの合計(時間ドメイン)が、拡声器応答の位相がクロスオーバ範囲に亘って十分に最適であることを示して、複合合計(周波数ドメイン)に対して均等である解決策によって特徴付けられる。
複合結果は、クロスオーバを形成する相補的高域通過/低域通過フィルタを有する任意の数の増幅オーディオチャネルの合計のために、反復最適化エンジン1012によって計算され得る。反復最適化エンジン1012は、全出力によって、かつオーディオ感知デバイスのバリエーションとともに、増幅器出力チャネルがどれくらい適切に合計するかによって、結果をスコアし得る。「パーフェクト」なスコアは、クロスオーバ周波数における応答の合計の6dBを与え得る一方、全てのオーディオ感知場所におけるオーバラップ領域外の個々のチャネルの出力レベルを維持する。スコアの完全なセットは、セットアップファイル402(図4)に含まれる重み係数によって重み付けされ得る。更に、スコアのセットは、出力、合計およびバリエーションの線形結合によってランクされ得る。
反復解析を実行するために、反復最適化エンジン1012は、フィルタパラメータの第1のセットまたはクロスオーバ設定を生成し得る。生成されるクロスオーバ設定は、設定アプリケーションシミュレータ422に提供され得る。設定アプリケーションシミュレータ422は、設定を生成するために反復最適化エンジン1012によって前に使用されたシミュレーションの2つ以上のそれぞれのオーディオ出力チャネル上の2つ以上の拡声器への、クロスオーバ設定の適用をシミュレートし得る。クロスオーバ設定が適用される、対応する拡声器の組み合わされたトータルの応答のシミュレーションは、次のクロスオーバ設定の反復を生成するために反復最適化エンジン1012に提供し戻され得る。この処理は、複合合計に最も近い入力オーディオ信号の大きさの合計が見出されるまで、反復的に繰り返され得る。
反復最適化エンジン1012は、更に、フィルタパラメータのランクされたリストを戻し得る。デフォルトでは、クロスオーバ設定の最高ランキングセットは、2つ以上のそれぞれの増幅オーディオチャネルの各々のために使用され得る。ランクされたリストは、保持され得、かつセットアップファイル402(図4)に格納され得る。最高ランキングクロスオーバ設定が主観的リスニングテストに基づいて最適ではない場合においては、より低くランクされたクロスオーバ設定が置換され得る。フィルタリングされたパラメータのランクされたリストが、個々の増幅出力チャネルの各々の応答を平滑にするためのクロスオーバ設定なしに完成された場合、フィルタのための追加の設計パラメータは、位相関係を保存するために、含まれる増幅出力チャネルの全てに適用され得る。代替的に、反復最適化エンジン1012によって決定されるクロスオーバ設定の後のクロスオーバ設定を更に最適化する反復処理は、フィルタを更に能率化するために反復最適化エンジン1012によって適用され得る。
反復クロスオーバ最適化を使用して、反復最適化エンジン1012は、パラメトリックエンジン1008を用いて生成される高域通過および低域通過フィルタに対するカットオフ周波数、スロープおよびQを操作し得る。更に、反復最適化エンジン1012は、最適位相アラインメントを得るために、必要な場合、交差された1つ以上の拡声器の遅延をわずかに修正するために遅延修正器を使用し得る。前述されたように、パラメトリックエンジン1008を用いて提供されるフィルタパラメータは、反復最適化エンジン1012が特定範囲内にて値を操作するように、セットアップファイル402(図4)における決定された値によって制約され得る。
そのような制約は、機械的損傷から拡声器を保護するように高域通過周波数およびスロープが生成されるべきである、小さいスピーカのような一部の拡声器の保護を保証するために必要になり得る。例えば、1kHzの所望のクロスオーバに対して、制約は、この点の1/3オクターブ上および下になり得る。スロープは、1オクターブに対して12dBから1オクターブに対して24dBまでに制約され得、Qは0.5から1.0までに制約され得る。他の制約パラメータおよび/または範囲も、調整されるオーディオシステムによって特定され得る。他の例においては、Q=0.7で1kHzにおいて24dB/オクターブのフィルタは、ツイータ拡声器を十分に保護することを必要とし得る。更に、拡声器が保護されていることを保証するために、パラメトリックエンジン1008を用いて生成される値から周波数を増加させるか、スロープを増加させるか、またはQを減少させるかに対する制約のように、制約は、反復最適化エンジン1012がパラメータを増加または減少のみをさせることを可能にするようにオーディオシステムデザイナによって特定され得る。
クロスオーバ最適化のより直接的な方法は、直接最適化エンジン1014との「理想的」クロスオーバに対して拡声器を最適にフィルタリングするために、2つ以上の増幅出力チャネルの各々に対するフィルタの伝達関数を直接的に算出することである。直接最適化エンジン1014を用いて生成される伝達関数は、前述された増幅チャネル等化エンジン410(図4)のノンパラメトリックエンジン612(図6)と類似して動作するノンパラメトリックエンジン1010を使用して合成され得る。代替的に、直接最適化エンジン1014は、最適の伝達関数を生成するためにパラメトリックエンジン1008を使用し得る。結果として生じる伝達関数は、Linkwitz−Riley、Butterworthまたは他の所望のフィルタの種類の応答に最適に一致させるために、正確な大きさおよび位相応答を含み得る。
クロスオーバエンジン416は、クロスオーバ効率最適化モジュール1015も含み得る。クロスオーバ効率最適化モジュール1015は、パワー効率の重み係数に従って、結果として生じるクロスオーバ設定が、例えば任意のパワー制限セットのような任意のパワー制限を越えまたは適合するかどうかを決定し得る。クロスオーバ効率最適化モジュール1015は、直接最適化エンジン1014からかまたは反復最適化エンジン1012からかの性能の最適化されたクロスオーバ設定を受信し得る。加えて、クロスオーバ効率最適化モジュール1015は、格納された所定のインピーダンス曲線のような拡声器のためのインピーダンスデータ、または実際の電圧の大きさおよび電流の大きさの情報を得または決定し得る。拡声器のパワー消費が共鳴で最小化されるゆえに、クロスオーバ設定を生成するために使われる動作パラメータの調整は、消費されたパワーの量を変え得る。クロスオーバ効率最適化モジュール1015は、異なるクロスオーバ周波数位置でのパワー消費を識別するために、拡声器のインピーダンスデータに基づいて、動作パラメータ、または高域通過および低域通過フィルタのフィルタ設計パラメータを調整することによってクロスオーバ周波数を調整し得る。一部の拡声器が他の拡声器より効率であり、例えば、サブウーハがミッドレンジの拡声器より効率であるゆえに、クロスオーバ周波数を簡単に調整することによって、増幅器によるパワー消費が最小化され得る。
識別されたクロスオーバ周波数とターゲット音響応答に基づいて、クロスオーバ効率最適化モジュール1015は、ターゲット音響性能を達成するためのパワー効率の重み係数の関数として、異なるクロスオーバ周波数の設定ポイントを選択し得る。従って、クロスオーバ設定のセットは生成され得、パワー消費と音響性能との間のバランスのスライディングスケールを得るために、各々にパワー効率の重み係数に関連付けられる。
加えて、または代替的に、クロスオーバ効率最適化モジュール1015は、使われたパラメータに制約を加え得、または数個の生成されたクロスオーバ設定のためのパワー消費の推定を決定し得る。例えば、クロスオーバ効率最適化モジュール1015は、ランクされたフィルタパラメータの各々にパワーメトリックを提供し得、ユーザーがランクされたフィルタパラメータのセットを選択することを可能にするように、ランクされたリストをユーザーに知らせ得る。パワーメトリックは、効率の最適化されたクロスオーバ設定のセットが効率および/または性能の順にランクされ得るように、パワー効率の重み係数のうちの1つに対応し得る。
図11は、オーディオシステムにおけるインプリメンテーションのために自動オーディオ調整システムによって生成され得るフィルタブロックの例である。フィルタブロックは、高域通過フィルタ1102a、N個のノッチフィルタ1104a、および低域通過フィルタ1106aを含む処理連鎖を用いて第1のフィルタバンク1100aとしてインプリメントされる。フィルタブロックは、第2の高域通過フィルタ1102b、N個のノッチフィルタ1104b、および低域通過フィルタ1106bを含む処理連鎖を用いて第2のフィルタバンク1100bも含み得る。第2のフィルタバンク1100bは、所定のパワー制限内にオーディオシステムを最適化するように生成され得る。第2のフィルタバンク1100bは、パワー効率の設定から選択するように、ユーザーに変わるパワー効率の設定(効率の重み係数)を有する異なる構成を提供するために、生成された効率の最適化されたフィルタバンクのセットのうちの1つであり得る。フィルタは、現場データまたはラボデータ424(図4)のいずれかに基づいて自動オーディオ調整システムを用いて生成され得る。例示のインプリメンテーションにおいては、高域および低域通過フィルタ1102および1106のみが生成され得る。
図11において、高域通過および低域通過フィルタ1102a、bおよび1106a、bのためのフィルタ設計パラメータは、各フィルタのカットオフ周波数(fc)および順序(またはスロープ)を含む。高域通過フィルタ1102a、bおよび低域通過フィルタ1106a、bは、クロスオーバエンジン416に含まれるパラメトリックエンジン1008および反復最適化エンジン1012(図10)を用いて生成され得る。オーディオシステムがパワー効率モードで動作しているとき、高域通過フィルタおよび低域通過フィルタは、図10を参照することとともに前述されたクロスオーバ効率最適化モジュール1015を用いて、パワー効率モードによって設定されたパワーの制限に従って修正され得る。高域通過フィルタ1102a、bおよび低域通過フィルタ1106a、bは、調整されるオーディオシステムの第1のおよび第2のオーディオ出力チャネル上のクロスオーバブロック220(図2)においてインプリメントされ得る。高域通過および低域通過フィルタ1102a、bおよび1106a、bは、第1のおよび第2の出力チャネル上のそれぞれのオーディオ信号を、前述されたような、ぞれぞれの増幅出力チャネルによって駆動されるそれぞれの拡声器の最適の周波数範囲のような決定された周波数範囲に制限し得る。
ノッチフィルタ1104a、bは、決定された周波数範囲に亘ってオーディオ入力信号を減衰し得る。ノッチフィルタ1104a、bのためのフィルタ設計パラメータの各々は、減衰ゲイン(ゲイン)、中心周波数(f0)、および線質係数(Q)を含み得る。N個のノッチフィルタ1104a、bは、増幅チャネル等化エンジン410のパラメトリックエンジン610(図6)を用いて生成されるチャネル等化フィルタになり得る。ノッチフィルタ1104は、オーディオシステムのチャネル等化ブロック222(図2)においてインプリメントされ得る。ノッチフィルタ1104a、bは、前述されたような、拡声器における不完全性を補償し、かつ室内音響を補償するために使用され得る。
図11の全てのフィルタは、セットアップファイル402(図4)内のオーディオシステムデザイナによって要求されるように、自動パラメトリック等化を用いて生成され得る。従って、図11に示されるフィルタは、完全にパラメトリックに最適に配置されたフィルタの信号連鎖を表す。従って、フィルタ設計パラメータは、生成に続いて、オーディオシステムデザイナによって直観的に調節され得る。加えて、任意の数の異なるフィルタのセットは、異なる効率の重み係数に対応するように生成され得る。
図12は、オーディオシステムにおけるインプリメンテーションのために、自動オーディオ調整システムによって生成され得る他の例示的フィルタブロックである。図12のフィルタブロックは、より柔軟に設計された処理連鎖を提供し得る。図12において、フィルタブロックは、高域通過フィルタ1202a、低域通過フィルタ1204aおよび高域通過フィルタと低域通過フィルタと(1202a、1204a)の間の複数(N)個の任意のフィルタ1206aを含む第1のフィルタ連鎖1200aを含む。フィルタブロックは、高域通過フィルタ1202b、低域通過フィルタ1204bおよび高域通過フィルタと低域通過フィルタと(1202b、1204b)の間の複数(N)個の任意のフィルタ1206bを含む第2のフィルタ連鎖1200bも含む。第2のフィルタ連鎖1200bは、所定のパワー制限内にオーディオシステムを最適化するように生成され得る。高域通過フィルタ1202a、bおよび低域通過フィルタ1204a、bは、それぞれの増幅出力チャネル上のオーディオ信号を、それぞれのオーディオ信号が提供される、それぞれの増幅オーディオチャネルによって駆動されるそれぞれの拡声器に対する最適の範囲に制限するために、クロスオーバとして構成され得る。この例においては、高域通過フィルタ1202a、bおよび低域通過フィルタ1204a、bは、カットオフ周波数(fc)のフィルタ設計パラメータおよび順序(またはスロープ)を含むためにパラメトリックエンジン1008(図10)を用いて生成される。従って、クロスオーバ設定に対するフィルタ設計パラメータは、オーディオシステムデザイナによって直感的に調節可能である。
任意のフィルタ1206a、bは、バイクワッドまたは二次デジタルIIRフィルタのような任意の形式のフィルタになり得る。二次IIRフィルタのカスケードは、前述されたような、拡声器における不完全性を補償し、かつ室内音響を補償するために使用され得る。任意のフィルタ1206a、bのフィルタ設計パラメータは、現場データ602またはラボデータ424(図4)のいずれかを任意の値として使用して、ノンパラメトリックエンジン612を用いて生成され得る。ここにおいて、任意の値は、フィルタを形作るにおいて、かなりの更なる柔軟性を可能にするが、オーディオシステムデザイナによって程、直観的に調節可能ではない。
図13は、オーディオシステムにおけるインプリメンテーションのために自動オーディオ調整システムによって生成され得る他の例示的フィルタブロックである。図13において、高域通過フィルタ1302、低域通過フィルタ1304および複数のチャネル等化フィルタ1306を含む任意のフィルタのカスケードが示される。高域通過フィルタ1302および低域通過フィルタ1304は、ノンパラメトリックエンジン1010(図10)を用いて生成され得、かつオーディオシステムのクロスオーバブロック220(図2)において使用され得る。チャネル等化フィルタ1306は、ノンパラメトリックエンジン612(図6)を用いて生成され得、かつオーディオシステムのチャネル等化ブロック222(図2)において使用され得る。フィルタ設計パラメータが任意のため、オーディオシステムデザイナによるフィルタの調節は直観的ではないが、フィルタの形は、ターゲット音響応答に合うように調整される特定オーディオシステムのためにより良くカスタマイズされ得、その一方で、なおパワー効率の重み係数によって規定されたパワー効率の必要条件内に入る。
図4において、バス最適化エンジン418は、リスニング空間内の可聴低周波数音波の合計を最適化するために実行され得る。「バス生成」低周波数スピーカとしてセットアップファイル402に指定される拡声器を含む全ての増幅出力チャネルは、バス最適化エンジン418と同じ時間に調整され得る。それは、それらが互いに最適の相対位相において動作することを保証するためである。低周波数を生成する拡声器は、400Hz未満で動作する拡声器になり得る。代替的に、低周波数を生成する拡声器は、150Hz未満、すなわち0Hzと150Hzとの間で動作する拡声器になり得る。バス最適化エンジン418は、セットアップファイル402および伝達関数マトリックス406および/またはラボデータ424のような応答マトリックスを含むスタンドアローン自動オーディオシステム調整システムになり得る。代替的に、バス最適化エンジン418は、遅延エンジン412および/またはクロスオーバエンジン416のような他のエンジンのうちの1つ以上と共同して動作し得る。
バス最適化エンジン418は、それぞれの位相修正フィルタという結果となる、少なくとも2つの選択された増幅オーディオチャネルに対してフィルタ設計パラメータを生成する。位相修正フィルタは、同じ周波数範囲内にて動作している拡声器間の位相差に等しい量の位相シフトを提供するように設計され得る。位相修正フィルタは、バス管理等化ブロック218(図2)において、2つ以上の異なる選択された増幅出力チャネル上にて別々にインプリメントされ得る。位相修正フィルタは、望まれる位相修正の大きさによって、選択された異なる増幅出力チャネルに対して異なり得る。従って、選択された増幅出力チャネルのうちの1つにインプリメントされる位相修正フィルタは、他の選択された増幅出力チャネルにインプリメントされる位相修正フィルタに対して有意に大きい位相修正を提供し得る。
バス最適化エンジン418も、位相修正フィルタのための最適化処理の間にパワー消費を計算し得る。パワー消費の計算は、位相修正フィルタを用いた位相修正を条件としたオーディオ信号によって駆動されるべき拡声器のインピーダンスデータと、拡声器の実際のまたはシミュレーションされた複雑な応答曲線のような性能の関連データとに基づき得る。最適化は、位相修正フィルタの任意数の異なるセットのためのフィルタ設計パラメータのような動作パラメータを展開するように、パワー効率の重み係数に基づいて加重され得る。例えば、位相修正フィルタの第1のセットは、最低パワー消費の解決策を有利にするフィルタ設計パラメータを有し得、位相修正フィルタの第2のセットは、1つ以上のリスニング位置での可聴バス音の最適位相総和を有利にするフィルタ設計パラメータを有し得、および位相修正フィルタの任意数の他のセットは、中間のポイントを有利にするフィルタ設計パラメータを有し得る。
全通過フィルタを用いた位相シフトは、例えば、直接にパワーを消費しないが、複数の拡声器から発された可聴音の強め合う(constructive)組み合わせは、結果としてリスニング空間に増加された音圧力レベル(SPL)をもたらす。異なるそれぞれの拡声器からの位相不一致の可聴音は、これに反して、結果として複数の拡声器から発された可聴音のある量の破壊的な組み合わせ(打消し)をもたらし得る。従って、オーディオ信号の相対的な位相を依存して、リスニング位置でのSPLは高くまたは低くなり得る。打消しが最小化される場合、拡声器を駆動するための増幅器によるパワー出力は、SPLの所望のレベルを達成するために低くなり得る。しかし、打消しの最小化は、結果としてターゲット音響応答にする最適化された音響性能をもたらさない場合もある。従って、バス最適化エンジン418は、ターゲット音響応答に合うための音響性能とパワー消費との間のバランスを生成するために、それぞれのパワー効率の重み係数に関連付けられる位相修正フィルタのセットを生成し得る。
図14は、バス最適化エンジン418および現場データ1402を含む、ブロック図である。現場データ1402は、伝達関数マトリックス406からの応答データを含み得る。代替として、現場データ1402は、生成または決定された設定が適用される、伝達関数マトリックス406からの応答データを含み得る、シミュレーションであり得る。前述のように、シミュレーションは、シミュレーションスケジュールに基づいて、設定適用シミュレータ422を用いて生成され得、かつメモリ432(図4)に格納され得る。
バス最適化エンジン418は、パラメトリックエンジン1404およびノンパラメトリックエンジン1406を含み得る。他の例において、バス最適化エンジンは、パラメトリックエンジン1404のみ、またはノンパラメトリックエンジン1406のみを含み得る。バス最適化設定は、パラメトリックエンジン1404、またはノンパラメトリックエンジン1406、もしくはパラメトリックエンジン1404およびノンパラメトリックエンジン1406の両方を組み合わせて、増幅出力チャネルのために選択的に生成され得る。パラメトリックエンジン1404を用いて生成されたバス最適化設定は、選択された増幅出力チャネルの各々のためのパラメトリック全通過フィルタを合成するフィルタ設計パラメータの形態であり得る。一方、ノンパラメトリックエンジン1406を用いて生成したバス最適化設定は、選択された増幅出力チャネルの各々のためのIIR全通過フィルタまたはFIR全通過フィルタなどの任意の全通過フィルタを合成するフィルタ設計パラメータの形態であり得る。
バス最適化エンジン418はまた、反復バス最適化エンジン1408、直接バス最適化エンジン1410、およびバス効率最適化器1412を含み得る。他の例において、バス最適化エンジンは、反復バス最適化エンジン1408のみ、または直接バス最適化エンジン1410、およびバス効率最適化器1412を含み得る。反復バス最適化エンジン1408は、指定されたバスデバイスの総和のオーディオ感知デバイスの全体にわたる加重空間平均を各々の反復において計算するように実行可能であり得る。パラメータは反復して変更されるので、選択されたそれぞれの増幅出力チャネルの各々の、個々の拡声器または対の拡声器の相対的大きさおよび位相応答は、変更され得、結果として複合総和の変更となる。
バス最適化エンジン418の最適化のターゲットは、異なる拡声器からの音響信号が重なる周波数範囲内の、異なる拡声器からの低周波数音響信号の最大総和を達成することであり得る。ターゲットは、最適化にかかわる拡声器各々の大きさ(時間領域)の総和であり得る。テスト関数は、伝達関数マトリックス406(図4)からの応答データを含むシミュレーションに基づく同じ拡声器からの音響信号の複合総和であり得る。よって、バス最適化設定は、増幅オーディオ出力チャネルおよびそれぞれの拡声器の選択されたグループに対する、反復的シミュレーションの適用のために、設定適用シミュレータ422(図4)へ反復的に提供され得る。バス最適化設定が適用された、結果として生じるシミュレーションは、バス最適化設定の次回反復を決定するために、バス最適化エンジン418により使用され得る。加重因子もまた、リスニング空間における一つ以上のリスニング位置に優先度を適用するために、直接バス最適化エンジン1410によりシミュレーションに適用され得る。シミュレートされたテストデータがターゲットに近づくにしたがい、総和は最適なものとなり得る。バス最適化は、セットアップファイル402(図4)に特定された制約内における最上の解とともに終了し得る。
代替として、直接バス最適化エンジン1410は、バス最適化設定を計算および生成すために実行され得る。直接バス最適化エンジン1410は、セットアップファイル402に示されるオーディオシステムの、多様なバス生成デバイスからの可聴低周波数信号の最適総和を提供する、フィルタの伝達関数を直接計算および生成し得る。生成したフィルタは、全通過大きさ応答特性を有するように設計され得、かつオーディオセンサ位置すべてにわたり、平均して、最大のエネルギーを提供し得る、それぞれの増幅出力チャネル上のオーディオ信号に位相シフトを提供し得る。加重因子もまた、リスニング空間における一つ以上のリスニング位置に対して優先度を適用するために、直接バス最適化エンジン1410により、オーディオセンサ位置に対して適用され得る。
オーディオシステムが効率モードで動作しているとき、システムによる最適化設定は、最適音響性能に対するより低いパワー消費を有する解決策に向かって加重され得る。構成はなお、パラメトリックおよび/またはノンパラメトリック全通過フィルタ(位相修正フィルタ)を含み得る。しかし、それらのフィルタの特定の設計は、最適化されることが考えられるときと、効率が考えられるときとに異なり得る。バス効率最適化器1412は、オーディオシステムに含まれる1つ以上のバス生成デバイス(ウーハ)における効率と音響性能との最適バランスを生成するために、現場データ1402から音響および電子の応答を取り、パラメトリックエンジン1404およびノンパラメトリックエンジン1406を用いて、生成されたフォルタ設計パラメータに調整を適用する。最高音響性能を生成するフィルタは、最低パワー消費を有しない場合もあり、解決策は存在し得、わずかにより悪い音響性能だけ、しかし著しくより低いパワー消費(より高い効率)を有する。
加えてまたは代替的に、バス効率最適化器1412は、最適化のターゲットが、異なる拡声器からの低周波数可聴信号の最大総和を達成することと、パワー消費を最適化することとの間のバランスであるように、反復最適化エンジン1408を調整し得る。バス効率最適化器1412は、パワー消費とオーディオシステム内の多様なバス生成デバイスからの可聴低周波数信号の最適総和との間のバランスを提供するために、フィルタの伝達関数の直接最適化エンジンの生成の調整も提供し得る。
図4において、バス最適化エンジン418を用いて生成された最適なバス最適化設定は、設定適用シミュレータ422に対して同定され得る。設定適用シミュレータ422は、メモリ432にバス最適化設定のすべての反復を格納し得るので、最適設定は、メモリ432において示され得る。加えて、設定適用シミュレータ422は、セットアップファイル402に格納されたシミュレーションスケジュールが指示するように、応答データ、他の生成された設定、および/または決定された設定に対してバス最適化設定を適用することを含む一つ以上のシミュレーションを生成し得る。バス最適化シミュレーションは、メモリ432に格納され得、かつ例えば、システム最適化エンジン420へ提供され得る。
システム最適化エンジン420は、増幅出力チャネルのグループを最適化するための、グループ等化設定を生成するために、応答データ、一つ以上の生成された設定、および/またはセットアップフィル402内の決定された設定を含む、シミュレーションを使用し得る。システム最適化エンジン420により生成されたグループ最適化設定は、グローバル等化ブロック210および/またはスチアードチャネル等化ブロック214(図2)のフィルタを構成するために使用され得る。
図15は、例示的システム最適化エンジン420、現場データ1502、およびターゲットデータ1504のブロック図である。現場データ1502は、伝達関数マトリックス406からの応答データであり得る。代替として、現場データ1502は、生成または決定された設定が適用される、伝達関数マトリックス406からの応答データを含む、一つ以上のシミュレーションであり得る。前述のように、シミュレーションは、シミュレーションスケジュールに基づいて、設定適用シミュレータ422を用いて生成され得、かつメモリ432(図4)に格納され得る。
ターゲットデータ1504は、加重空間平均化されたという意味で、特定のチャネルまたチャネルのグループが有することを目的とする、周波数応答大きさであり得る。例えば、オーディオシステムの左前増幅出力チャネルは、左前増幅出力チャネルで提供される共通のオーディオ出力信号を用いて駆動される三つ以上の増幅出力チャネルを含み得る。共通オーディオ出力信号は、周波数帯域制限オーディオ出力信号であり得る。入力オーディオ信号がオーディオシステムに付与されると(左前増幅出力チャネルに電圧を印加するために)、ある音響出力が生成される。音響出力に基づき、伝達関数は、リスニング環境における一つ以上の位置で、マイクロホンなどのオーディオセンサを用いて計測され得る。計測された伝達関数は、空間的に平均化、および加重され得る。
ターゲットデータ1504またはこの計測された伝達関数に対する所望の応答は、ターゲット曲線またはターゲット関数を含み得る。オーディオシステムは、ターゲット曲線を一つ、または多数(例えば、システムの主要なスピーカグループ各々に対して一つ)、有し得る。例えば、車両オーディオサラウンドシステムにおいて、ターゲット関数を有し得るチャネルグループは、左前、中央、右前、左側、右側、左サラウンドおよび右サラウンドを含み得る。オーディオシステムが、例えば後中央スピーカなどの特別な目的の拡声器を含む場合、ターゲット関数を有し得る。代替として、オーディオシステムのすべてのターゲット関数が同じであり得る。
ターゲット関数は、ターゲットデータ1504としてセットアップファイル402に格納される所定の曲線であり得る。ターゲット関数は、ラボ情報、現場情報、統計学的分析、マニュアル描画、あるいは複数の増幅オーディオチャネルの所望する応答を提供するための他の機構に基づいて生成され得る。ターゲット関数曲線をなすパラメータは、多数の要因により異なり得る。例えば、オーディオシステムのデザイナは、異なるリスニング環境におけるバスの量的追加を望み得、または期待し得る。あるアプリケーションにおいて、ターゲット関数は、一オクターブの部分ごとで等圧でないことがあり得、また他の曲線形態を有し得る。
実際の現場応答曲線1604に対するターゲット関数曲線1602の形の例示的ターゲット音響応答が図16に示される。ターゲット関数曲線1602は、リスニング位置での所望の応答である。実際の現場応答曲線1604は、実際に計測された応答、またはリスニング位置でシミュレートされた応答を表し得る。言い換えると、ターゲット関数曲線1602は、リスニング位置にいるリスナに受け取られた所望の可聴音を表し、実際の現場応答は、リスニング位置にいるリスナに受け取られた実際の可聴音を表す。所望のおよび実際の可聴音の間の違いは、音質およびパワー消費を最適化するために、システムによって調整され得る。
例えば、図16において、増幅されたチャネル等化エンジン410は、前に議論されたようなフィルタをも用いて、オーディオ信号を減衰またはブーストし得る。減衰またはブースの調整は、実際の現場応答曲線1604に基づき得、ターゲット関数曲線1602とよりよく整合するために、個別の周波数または周波数の範囲に適用され得る。例えば、図16において、矢印1606は、ターゲット関数曲線1604に向かってブーストされ得る周波数の範囲を表す。他の例において、矢印1608は、ターゲット関数曲線1604に向かって減衰され得る周波数の範囲を表す。同様に、ゲインエンジン414は、ターゲット関数曲線1602とより近く一直線にするように、実際の現場応答曲線1604の全部のゲインを増加し得る。ターゲット関数の曲線をなすパラメータは、パラメータにより、またはパラメータによらずに生成され得る。パラメータによるインプリメンテーションは、オーディオシステムのデザイナまたは自動ツールが、周波数および勾配などのパラメータを調整することを可能にする。パラメータによらないインプリメンテーションは、オーディオシステムのデザイナまたは自動ツールが、任意の曲線形状を「描く」ことを可能にする。
システム最適化エンジン420は、セットアップファイル402(図4)に示されるシミュレーションの部分を一つ以上のターゲット関数と比較し得る。システム最適化エンジン420は、それぞれのターゲット関数との比較のため、シミュレーションから増幅出力チャネルを代表するグループを識別し得る。シミュレーションとターゲット関数との間の複合周波数応答、または大きさの相違点に基づき、システム最適化エンジンは、グローバル等化設定、および/またはスチアードチャネル等化設定となり得る、グループ等化設定を生成し得る。
図15において、システム最適化エンジン420は、パラメトリックエンジン1506およびノンパラメトリックエンジン1508を含み得る。グローバル等化設定、および/またはスチアードチャネル等化設定は、パラメトリックエンジン1506またはノンパラメトリックエンジン1058、もしくはパラメトリックエンジン1506およびノンパラメトリックエンジン1508の組み合わせを用いて、入力オーディオ信号またはスチアードチャネルのためにそれぞれ選択的に生成され得る。パラメトリックエンジン1506を用いて生成されたグローバル等化設定、および/またはスチアードチャネル等化設定は、ノッチ、バンドパスおよび/または全通過フィルタなどのパラメトリックフィルタを合成する、フィルタ設計パラメータの形態であり得る。一方、ノンパラメトリックエンジン1508を用いて生成されるグローバル等化設定、および/またはスチアードチャネル等化設定は、例えばノッチ、バンドパスまたは全通過フィルタなどの任意のIIRフィルタまたはFIRフィルタを合成する、フィルタ設計パラメータの形態であり得る。
システム最適化エンジン420はまた、反復等化エンジン1510、および直接等化エンジン1512を含み得る。反復等化エンジン1510は、パラメトリックエンジン1506を用いて生成された、フィルタ設計パラメータを反復的に評価およびランク付けするために、パラメトリックエンジン1506と共同して実行可能であり得る。各反復からのフィルタ設計パラメータは、システム最適化エンジン420へあらかじめ提供されたシミュレーションへの適用のために設定適用シミュレータ422へ提供され得る。ターゲットデータ1504に含まれる一つ以上のターゲット曲線に対する、フィルタ設計パラメータを用いて変更されたシミュレーションの比較に基づいて、追加的なフィルタ設計パラメータが生成され得る。反復は、設定適用シミュレータ422により生成されたシミュレーションが、ターゲット曲線と最も接近して一致するシステム反復等化エンジン1510と同定されるまで継続し得る。
直接等化エンジン1512は、ターゲット曲線をもたらすために、シミュレーションをフィルタリングする伝達関数を計算し得る。計算された伝達関数に基づいて、パラメトリックエンジン1506またはノンパラメトリックエンジン1508のいずれかは、このようなフィルタリングを提供するため、フィルタ設計パラメータを用いて、フィルタを合成するために実行され得る。反復等化エンジン1510または直接等化エンジン1512の使用は、オーディオシステムデザイナによりセットアップファイル402(図4)において指定され得る。
図4において、システム最適化エンジン420は、オーディオシステムの低周波数応答を考慮するために現場データとともに提供されるターゲット曲線、および総和応答を使用し得る。たとえば400Hz未満などの低周波数において、リスニング空間のモードは、同じオーディオ出力信号を受ける、一つの拡声器によるときと二つ以上の拡声器によるときで、異なったように励起され得る。結果として生じる応答は、例えば左前応答および右前応答の平均などの、平均応答に比較して総和応答を考慮するとき、大きく異なり得る。システム最適化エンジン420は、二つ以上のオーディオ入力信号の和に基づいてフィルタ設計パラメータを生成するためのベースとして、シミュレーションからの複数のオーディオ入力信号を同時に使用することにより、これらの状況に対処し得る。システム最適化エンジン420は、すべてのリスニング位置にわたり生じ得るモードの不規則性に等化設定が適用され得る、オーディオ入力信号の低周波数域に分析を制限し得る。
システム最適化エンジン420はまた、空間変動フィルタを代表する、フィルタ設計パラメータの自動決定を提供し得る。空間変動フィルタを代表するフィルタ設計パラメータは、スチアードチャネル等化ブロック214(図2)にインプリメントされ得る。システム最適化エンジン420は、適用された設定を生成、および決定し得たシミュレーションからフィルタ設計パラメータを決定し得る。例えば、シミュレーションは、遅延設定、チャネル等化設定、クロスオーバ設定、および/またはセットアップファイル402に格納されている高空間変動周波数設定の適用を含む。
システム最適化エンジン420は、有効にされると、シミュレーションを分析し得、オーディオ感知デバイスのすべてにわたる、各オーディオ入力チャネルの周波数応答の変動を計算し得る。変動が高い周波数域において、システム最適化エンジン420は、性能を最大限にするために、図16を参照することとともに記述されたそれらに類似して、全部のチャンネルにわたって変動等化設定を生成し得る。計算された変動に基づき、システム最適化エンジン420は、一つ以上のパラメトリックフィルタ、および/またはノンパラメトリックフィルタを代表するフィルタ設計パラメータを決定し得る。パラメトリックフィルタの決定された設計パラメータは、周波数、およびセットアップファイル402に示された、高空間変動周波数の数のQに最もよく一致し得る。決定されたパラメトリックフィルタの大きさは、システム最適化エンジン420により、その周波数においてオーディオ感知デバイスのすべてにわたる平均値を持たせられ得る。パラメトリックノッチフィルタの大きさに対する更なる調整は、主観的リスニングテストの際に生じ得る。システム最適化エンジン420はまた、フィルタ効率最適化を行い得る。シミュレーションにおいてすべてのフィルタを適用、および最適化した後、フィルタの全体的な数は多くあり得、またフィルタが非効率的に、および/または冗長的に使用され得る。システム最適化エンジン420は、全体的なフィルタ数を削減するために、フィルタ最適化技術を使用し得る。これは、二つ以上のフィルタを低次フィルタへ取り付け、二つ以上のフィルタ対低次フィルタの特性の差を比較することを伴い得る。その差が、所定の量より小さい場合は、低次フィルタは受け入れられ得、二つ以上のフィルタの代わりに使用され得る。
最適化はまた、システムの全般的な性能に対する影響が少ないフィルタを探すこと、およびそれらのフィルタを削除することを伴い得る。例えば、最小位相バイクワッドフィルタのカスケードが含まれる場合、フィルタのカスケードもまた、最小位相であり得る。結果的に、フィルタ最適化手法は、配置されるフィルタの数を最小限にするために使用され得る。他の例において、システム最適化エンジンは420は、各増幅出力チャネルに適用される一連のフィルタの全体の複合周波数応答をコンピュータ計算または計算し得る。システム最適化エンジン420はその後、計算された複合周波数応答を、適切な周波数分解能で、FIRフィルタ設計ソフトウェアのようなフィルタ設計ソフトウェアへ渡し得る。全体的なフィルタ数は、複数の増幅出力チャネルへ低次フィルタを適合させることで、削減され得る。FIRフィルタは、フィルタ数を削減するために、IIRフィルタへ自動的に変換され得る。低次フィルタはまた、グローバ等化ブロック210、および/またはスチアーリングチャネル等化ブロック214に、システム最適化エンジン420の指示により適用され得る。
システム最適化エンジン420はまた、オーディオシステムの最大ゲインを生成し得る。最大ゲインは、ひずみのレベルなど、セットアップファイル402に指定されるパラメータに基づいて設定され得る。指定されたパラメータがひずみのレベルである場合、ひずみレベルは、オーディオ増幅器のシミュレーションされた最大出力レベル、またはシミュレーションされた低いレベルで計測され得る。ひずみは、すべてのフィルタが適用されゲインが調整されたシミュレーションにおいて、計測され得る。ひずみは、ひずみが計測された各周波数において記録されたレベルにより、例えば10%THDなど、ある値に調整され得る。最大システムゲインは、この情報から導き出され得る。システム最適化モジュール420はまた、ひずみ情報に基づいて、非線形処理ブロック228(図2)のリミッタ設定を設定または調整し得る。
システム最適化エンジン420はまた、任意数の異なるパワー効率の重み係数の各々のための動作パラメータのセットを生成し得る。拡声器のインピーダンスデータ、現場データのような性能の関連データ、1つ以上の他のエンジンによって生成された動作パラメータおよびターゲット音響応答を用いて、システム最適化エンジン420は、パワー効率の重み係数の各々の関数として動作パラメータを生成し得る。動作パラメータのセットの生成はフィルタの除去も含み得る。
図4において、非線形最適化エンジン430は、音響性能、保護、パワー減少、ひずみ管理および/または他の理由のためにオーディオシステムに適用される制限器、コンプレッサー、クリッピングおよび他の非線形処理のようなシステムの非線形特性上の制限の非線形設定の形の動作パラメータを設定するために、現場計測およびデバイス特性を使い得る。ターゲット音響応答、現場応答、オーディオシステム固有の構成情報を用いて、非線形最適化エンジンは非線形設定を生成し得る。加えて、インピーダンスデータを用いて、非線形最適化エンジン430は、パワー消費を最適化するために非線形設定を調整し得る。例えば、制限器のアタックタイムは、エネルギー効率を最適化するために、拡声器からの可聴音の大量短期間のエネルギー集中出力を避けるように増加され得る。他の例において、コンプレッサーは、エネルギー効率を最適化することを無効にし得る。
非線形最適化エンジン430の動作は、各エンジンがパワー効率モードの各々のための動作パラメータを生成する後に生じ得る。代替的に、または加えて、非線形最適化エンジン430の動作は、全部のエンジンによるパワー効率モードの生成の完了の後に生じ得る。どちらかの場合において、非線形最適化エンジン430は、パワー効率モードのための展開された動作パラメータが、非線形処理を用いて対処され得るひずみまたは他の有害な効果を結果としてもたらさないことを確認するように動作する。このような状況が、パワー効率モードのための展開された動作パラメータを用いた現場データの解析および/またはシミュレーションによるように識別される場合、非線形最適化エンジン430は、このような状況から保護するように適切な設定を展開し得る。加えて、または代替的に、非線形最適化エンジン430は、音響性能とパワー効率との間の所望のバランスを提供する同時になお識別された状況を最小化する追加のおよび/または修正された動作パラメータが生成され得るように、このような情報を他のエンジンに提供し得る。
非線形最適化エンジン430は、パワー効率の重み係数とともに示されたようなパワー効率考慮の優先度のレベルに基づいて非線形設定を変え得る。非線形設定は、パワー消費の考慮に基づいて、非線形最適化エンジン430を用いてセット内に生成され得る。パワー消費は、拡声器のインピーダンスデータ、1つ以上の他のエンジンによって生成された動作パラメータ、および現場データのような性能に関連データに基づいて、非線形最適化エンジン430によって、多様な動作状況の下で決定され得る。それぞれのパワー効率の重み係数のための非線形最適化エンジン430による非線形設定は、全部のオーディオシステムパワー消費制限に基づき得る。加えて、または代替的に、このような制限は、外部の要因に基づいて設定され得る。ハイブリッド乗り物の例において、外部の要因は、利用可能なバッテリパワー、ナビゲーションシステムに入力された目的地に基づいて計画された利用可能なバッテリパワー、ヒーター、ライトまたはフロントガラスワイパーのような動作中の補助システム、または他のパワー消費の関連考慮を含み得る。非乗り物の応用において、外部の要因は同様に、利用可能なパワーソース、パワー供給質量、わずかな電圧レベル等を含み得る。
図17は、非線形最適化エンジン430の動作を説明するブロック図である。非線形最適化エンジン430は、パラメトリックエンジン1704とパワー制限器1706とを含む。非線形最適化エンジン430は、現場データ1702から現場計測情報を受信し得る。パラメトリックエンジン1704は、オーディオシステムのオーディオデバイスまたはオーディオデバイスのグループのパワー消費を含む多様な性能パラメータを計算するために、計測データを使い得る。一例において、オーディオデバイスのグループは、増幅器および1つ以上の拡声器であり得る。パワー消費に関する計算された性能パラメータは、チャンネルまたはチャンネルのグループが所定の制限を越えるパワーレベルで動作しているかどうかを決定するパワー制限器1706に提供される。パワー制限器1706は、所定の制限で、またはそれの以下でそれぞれのチャンネルまたはチャンネルのグループのパワー消費を維持するためにチャンネルまたはチャンネルのグループのパワースペクトルを調整するために、フィルタを構成するように重み係数を決定し得、またはいくつかの他の技術を使い得る。
図18は、自動オーディオ調整システムの例示の動作を記述するフロー図である。以下の例において、パラメータを調整し、図2の信号フロー図に含まれるブロックにおいて使用されるべきフィルタの種類を判定する自動化ステップは、特定の順序で記述される。しかしながら、前に指示されたように、任意の特定のオーディオシステムについて、図2に記述されたブロックのいくつかは、インプリメントされない場合もある。従って、インプリメントされないブロックに対応する自動オーディオ調整システム400の部分は、省略され得る。さらに、前に検討したように、ステップの順序は、設定アプリケーションシミュレータ422に関する順序表およびシミュレーションスケジュールに基づき、その他のステップにおける使用のためのシミュレーションを生成するために、修正され得る。このように、自動オーディオ調整システムの正確な構成は、所定のオーディオシステムに必要なインプリメンテーションによって変動し得る。さらに、自動オーディオ調整によって実行される自動ステップは、シーケンス順で記述されてはいるが、他に指示されない限り、記述された順序または任意の他の特定の順序で実行される必要はない。さらに、自動ステップのいくつかは、パラレルに、異なるシーケンスにおいて実行され得、または、調整される特定のオーディオシステムに完全に依存して省略され得る。
図18のブロック1802において、オーディオシステム設計者は、テストされるべきオーディオシステムに関係したデータを有するセットアップファイルのポピュレーション(population)を可能にし得る。データは、オーディオシステムアーキテクチャ、チャネルマッピング、重み付け係数、ラボデータ、制約、順序表、シミュレーションスケジュール、インピーダンスデータ等を含み得る。ブロック1804において、セットアップファイルからの情報は、オーディオシステムを初期構成するためにテストされるべきオーディオシステムにダウンロードされ得る。ブロック1806において、オーディオシステムからの応答データは、収集され得、現場データのような伝達関数マトリクスに格納され得る。応答データの収集および格納は、オーディオシステムにおけるスピーカによって生成される可聴音波の音センサに関するセットアップ、キャリブレーションおよび計測を含み得る。可聴音は、オーディオシステムを介して処理され、スピーカを駆動するために増幅出力チャネルのオーディオ出力信号として供給される波形生成データなどの入力オーディオ信号に基づきオーディオシステムによって生成され得る。
応答データは、ブロック1808において、空間的に平均され、格納され得る。ブロック1810において、増幅されたチャネル等化は、セットアップファイルで指示されているかどうか判定される。増幅されたチャネル等化は、必要に応じ、ゲイン設定またはクロスオーバ設定の生成の前に実行される必要があり得る。増幅されたチャネル等化が指示された場合、ブロック1812において、増幅されたチャネル等化エンジンは、チャネル等化設定を生成するために、セットアップファイルおよび空間的に平均した応答データを使用し得る。チャネル等化設定は、現場データまたはラボデータに基づき生成され得る。ラボデータが使用される場合、現場予測および統計上の補正がラボデータに適用され得る。フィルタパラメータデータは、パラメトリックエンジン、ノンパラメトリックエンジン、またはそれらのある組み合わせに基づき生成され得る。
チャネル等化設定は、設定アプリケーションシミュレータに提供され得、ブロック1814において、チャネル等化シミュレーションは、生成され、メモリに格納され得る。チャネル等化シミュレーションは、シミュレーションスケジュールおよびセットアップファイルにおけるその他の任意の決定されたパラメータに基づき、チャネル等化設定を応答データに適用することによって、生成され得る。ブロック1816で効率パワーモードが等化設定ためにオーディオシステムに使われるか否かが決定される。使わない場合、動作はブロック1818へ進む。ブロック1816で効率パワーモードが使われることが決定された場合、パワー効率の重み係数は、ブロック1817で取り出され、動作は、取り出されたパワー効率の重み係数に基づいて等化設定のセットを生成するように1812に戻る。ブロック1812、1814、1816および1817における動作は、オーディオシステムに使われるべき各パワー効率の重み係数および生成された対応するシミュレーションのために繰り返され得る。一旦等化設定および対応するシミュレーションが、オーディオシステムに使われるべき全部のパワー効率の重み係数のために生成されれば、動作はブロック1810へ進む。
ブロック1814におけるチャネル等化シミュレーションの生成に続いて、または、ブロック1810において、増幅されたチャネル等化がセットアップファイルにおいて指示されない場合、ブロック1818において、遅延設定の自動生成がセットアップファイルにおいて指示されるかどうか判定される。遅延設定は、必要に応じ、クロスオーバ設定および/またはバス最適化設定の生成の前に、必要であり得る。遅延設定が指示された場合、ブロック1820において、シミュレーションはメモリから得られる。シミュレーションは、セットアップファイルにおけるシミュレーションスケジュールにおいて指示され得る。一例において、得られたシミュレーションは、チャネル等化シミュレーションであり得る。遅延エンジンは、ブロック1822において遅延設定を生成するためにシミュレーションを使用するように実行され得る。遅延設定は、オーディオシステムがパワー効率の重み係数を含むとき、等化設定のセットに対応するシミュレーションの各々のために生成され得る。
遅延設定は、セットアップファイルに格納され得る増幅された出力チャネル用のシミュレーションおよび重み付けマトリクスに基づき生成され得る。リスニング空間における一つのリスニング位置が重み付けマトリクスにおいて優先され、セットアップファイルにおいて増幅された出力チャネルのさらなる遅延が特定されない場合、すべての音がその一つのリスニング位置に実質的に同時に到達するように遅延設定は生成され得る。ブロック1824において、遅延設定は、設定アプリケーションシミュレータに提供され得、遅延設定が適用されたシミュレーションが生成され得る。遅延シミュレーションは、遅延設定が適用されたチャネル等化シミュレーションであり得る。
図19において、ブロック1824における遅延シミュレーションの生成に続いて、または、ブロック1818において遅延設定がセットアップファイルにおいて指示されない場合、ブロック1826においてゲイン設定の自動生成がセットアップファイルにおいて指示されるかどうか判定される。指示される場合、ブロック1828において、シミュレーションは、メモリから得られる。シミュレーションは、セットアップファイルにおけるシミュレーションスケジュールにおいて指示され得る。一例において、得られたシミュレーションは、遅延シミュレーションであり得る。ゲインエンジンは、シミュレーションを使用してブロック1830においてゲイン設定を生成するよう実行され得る。
ゲイン設定は、増幅された出力チャネルの各々用の重み付けマトリクスおよびシミュレーションに基づき生成され得る。リスニング空間における一つのリスニング位置が重み付けマトリクスにおいて優先され、さらなる増幅された出力チャネルゲインが特定されない場合、優先されたリスニング位置において知覚される音の大きさが実質的に均一となるように、ゲイン設定は生成され得る。ブロック1832において、ゲイン設定は、設定アプリケーションシミュレータに提供され、ゲイン設定が適用されたシミュレーションが生成され得る。ゲインシミュレーションは、ゲイン設定が適用された遅延シミュレーションであり得る。ブロック1834において効率パワーモードがゲイン設定ためにオーディオシステムに使われるか否かが決定される。使わない場合、動作はブロック1836へ進む。ブロック1834において効率パワーモードが使われることが決定された場合、パワー効率の重み係数は、ブロック1835において取り出され、動作は、取り出されたパワー効率の重み係数に対応する等化設定を含む遅延シミュレーションを取り出すように1828に戻る。ブロック1828、1830、1832、1834および1835における動作は、オーディオシステムに使われるべき各パワー効率の重み係数および生成されたゲインを含む対応するシミュレーションのために繰り返され得る。一旦等化設定および対応するシミュレーションが、オーディオシステムに使われるべき全部のパワー効率の重み係数のために生成されれば、動作はブロック1836へ進む。
ゲインシミュレーションがブロック1834おいて生成された後か、またはブロック1828においてゲイン設定がセットアップファイルにおいて指示されない場合、ブロック1836において、クロスオーバ設定の自動生成が、セットアップファイルにおいて指示されるかどうか判定される。指示される場合、ブロック1838において、シミュレーションはメモリから得られる。応答データの位相はシミュレーションに含まれ得るので、シミュレーションは、空間的に平均されない場合もある。ブロック1840において、セットアップファイルにおける情報に基づき、増幅された出力チャネルのどれがクロスオーバ設定に適格であるかが判定される。
クロスオーバ設定は、ブロック1842において、適格な増幅された出力チャネルの各々用に選択的に生成される。増幅されたチャネル等化と同様に、現場またはラボデータは使用され得、パラメトリックまたはノンパラメトリックのフィルタ設計パラメータは生成され得る。さらに、セットアップファイルからの重み付けマトリクスは生成時に使用され得る。ブロック1846において、最適化されたクロスオーバ設定は、ノンパラメトリックエンジンのみで動作可能な直接の最適化エンジンか、またはパラメトリックまたはノンパラメトリックエンジンのいずれかで動作可能であり得る反復の最適化エンジンによって決定され得る。
決定ブロック1847において、システムが1つ以上のパワー効率の重み係数を有する効率モードで動作されるか否かが決定される。動作される場合、パワー効率の重み係数は、ステップ1849において取り出され得、かつ適用され得る。取り出されたパワー効率の重み係数に対応するクロスオーバ設定のセットは、ステップ1851においてクロスオーバ設定のリストに追加され得る。決定ブロック1853は、リストが完全であるかどうかを決定するためにチェックする。完全ではない場合、もう1つのパワー効率の重み係数は、ステップ1855において得られ、対応するシミュレーションは、減少されたパワー出力に対して加重されたクロスオーバ設定のもう1つのセットを計算するために、ステップ1838から1846までにおいて使われる。例えば、性能に基づいて生成されたクロスオーバ設定リストは、効率の重み係数を用いて、ユーザーがより高いパワー効率を有利にし、より低い性能を許し得ることに対する程度の指示として、パワー効率設定に基づいて生成された第2のクロスオーバ設定リストと比較され得る。結果リストは、効率の重み係数に基づく性能とパワーとの間の妥協として生成され得る。効率の重み係数は、他の方法でなお使われ得る。決定ブロック1853において、リストが完全である場合、異なるパワー出力を有するクロスオーバ設定、または効率パワー定格のリストは生成され得る。リストは、任意数の構成、または簡単に、高い音質の構成および高い効率の構成を含み得る。1つ以上のクロスオーバシミュレーションは、ステップ1848において生成され得る。
図22は、ウーハおよびミッドレンジの拡声器のための例示の性能曲線のセットである。図22aにおいて、例示の推定インピーダンス曲線は、約400Hzでおよび約48オームのインピーダンスの大きさで生じるような共鳴を識別するウーハ拡声器の第1のインピーダンス曲線2202と、約3KHzでおよび約45オームのインピーダンスの大きさで生じるような共鳴を識別するミッドレンジの拡声器の第2のインピーダンス曲線2204とを含む。図22bにおいて、ウーハ拡声器のための現場応答曲線2210の第1のセットと、ミッドレンジの拡声器のための現場応答曲線2212の第2のセットとは、周波数の範囲にわたってワットの平均パワーを説明する。図22cにおいて、クロスオーバ周波数が変わるようにパワー消費への効果のグラフが説明される。
図22b、ウーハの第1の現場応答曲線2214と、ミッドレンジの第1の現場応答曲線2216とは、280Hzの第1の例示のクロスオーバ周波数で示される。ウーハの第2の現場応答曲線2218と、ミッドレンジの第2の現場応答曲線2220とは、560Hzの第2の例示のクロスオーバ周波数で示される。ウーハの第3の現場応答曲線2222と、ミッドレンジの第3の現場応答曲線2224とは、840Hzの第3の例示のクロスオーバ周波数で示される。図22aと22bを図22cと比較すると、最適パワー消費は、ウーハ拡声器の共鳴2204に比較的に近いである約315Hzで生じる。さらに図22cで説明されるように、約200Hz以下および約400Hz以上のクロスオーバ周波数設定は、この例において、結果としてより高いパワー消費をもたらす。しかし、より高いパワー消費を有するクロスオーバ設定は、ターゲット音響応答に基づいて、最適音響性能を表し得る。クロスオーバエンジン416が、音響性能のために最適化することと、パワー効率のために最適化することとの間のバランスを保つことを行うゆえに、クロスオーバ設定は、効率の重み係数の関数として、クロスオーバエンジン416によって生成され得る。例えば、最適音響性能のためのクロスオーバ設定が500Hzであった場合、クロスオーバエンジン416は、効率の重み係数が音響性能に向かって重く加重されるとき、この設定を生成し得、ところが、エネルギー効率が重く加重されるとき、315Hzは選択され得る。同様に、音響性能およびエネルギー効率がおおむね同様に加重されるとき、400Hzは選択され得る。
図20において、クロスオーバシミュレーションがブロック1848において生成された後か、またはブロック1836においてクロスオーバ設定がセットアップファイルに指示されない場合、バス最適化設定の自動生成がブロック1852においてセットアップファイルに指示されるか否かが決定される。指示される場合、ブロック1854において、シミュレーションはメモリから得られる。シミュレーションは、応答データの位相がシミュレーションに含まれ得るので、クロスオーバエンジンと同様に、空間的に平均されない場合もある。ブロック1856において、セットアップファイルにおける情報に基づき、どの増幅された出力チャネルがより低い周波数で動作可能なスピーカを駆動するか判定される。
バス最適化設定は、ブロック1858において、増幅され識別された出力チャネルの各々に対して選択的に生成され得る。バス最適化設定は、すべてのバス生成のスピーカが最適に合計するように、重み付けマトリクスに従って重み付けの意味において位相を補正するために生成され得る。現場データは使用され得、パラメトリックおよび/またはノンパラメトリックフィルタ設計パラメータは生成され得る。さらに、セットアップファイルからの重み付けマトリックスは、生成時に使用され得る。ブロック1860において、最適化したバス設定は、ノンパラメトリックエンジンのみで動作可能な直接の最適化エンジンか、またはパラメトリックまたはノンパラメトリックエンジンのいずれかで動作可能な反復の最適化エンジンによって決定され得る。
決定ブロック1859において、システムが効率モードで動作されるか否かが決定される。動作される場合、パワー効率の重み係数は、ステップ1861において取り出され得、かつ適用され得る。バス設定と対応する取り出されたパワー効率の重み係数は、ステップ1863においてバス設定追加され得る。決定ブロック1865は、リストが、それが完全であるかどうかを決定するためにチェックされる。リストが完全ではない場合、もう1つのパワー効率の重み係数および対応するシミュレーションは、ステップ1867において得られ、パワー効率のために加重されたバス設定のもう1つのセットは、ステップ1858において決定される。決定ブロック1865においてリストが完全である場合、1つ以上のバスシミュレーションは、ステップ1862において生成される。
行われるように特定されるバス最適化がない場合(決定ブロック1852における「NO」パス)か、またはバスシミュレーション設定がステップ1862において生成される場合か、現場データはステップ1872において計測される。現場計測は、他のシステム機能のための処理の始まりで一旦行われる。しかし、結果としてバス最適化のような非線形データをもたらす大量信号の動作は、変化が反復処理で動作パラメータに加えられるとき、再計測され得る。現場非線形データの計測は、最大オーディオ出力レベルで音響計測を取り込み得、システムは、パワー効率の重み係数の各々のために生成し得る(存在する場合)。ブロック1873において、ひずみ、エクスカーション、パワー出力および電流出力は決定され、パワー効率の重み係数の各々のための閾値レベルに対してチェックされる(存在する場合)。レベルが閾値より高い場合(決定ブロック1873の外の「NO」パス)、次に、ステップ1875において、非線形パラメータは、パワー効率の重み係数の各々のための最適性能のために反復に調整される(存在する場合)。このような非線形チェックは、エンジンの各々が、パワー効率の重み係数に基づいて、音響性能とパワー効率とのバランスを保たれた最適化を完了する後に生じ得る。加えて、または代替的に、このような非線形チェックは、全部のエンジンがバランスを保たれた最適化を完了するとき、行われ得る。
ブロック1862におけるバス最適化の生成に続いて、または、ブロック1852においてバス最適化設定がセットアップファイルにおいて指示されない場合、自動システム最適化が図21のブロック1866におけるセットアップファイルにおいて指示されるかどうか判定される。指示される場合、ブロック1868において、シミュレーションはメモリから得られる。シミュレーションは、空間的に平均され得る。ブロック1870において、セットアップファイルにおける情報に基づき、増幅された出力チャネルのどのグループがさらに等化が必要かどうか決定される。
グループ等化設定は、ブロック1872において、決定された増幅出力チャネル用のグループ用に選択的に生成され得る。システム最適化は、システムゲインおよびリミッタを設置すること、および/またはフィルタ数を減らすことを含み得る。グループ等化設定もまた、必要に応じ、チャネルのグループに対するクロスオーバ合計およびバス最適化による応答異常を補正し得る。ブロック1874において、データを追跡することは、フィルタ内の不一致を調査することにように得られ得、かつ事前に議論され得る。グループ等化設定の最適化は、前に議論されるように、ブロック1876において生じ得る。ブロック1878において、グループ等化シミュレーションが生成され得る。ブロック1880において、効率モードがグループ等化設定のために、オーディオシステム内に使われるか否かが決定される。使われない場合、動作はブロック1884へ進む。ブロック1880において、効率モードが使われることが決定される場合、パワー効率の重み係数は、ステップ1882において取り出され、動作は、取り出されたパワー効率の重み係数に対応するシミュレーションを取り出すように1868に戻る。ブロック1868から1882までにおける動作は、オーディオシステムに使われるべき各パワー効率の重み係数および対応するシミュレーションのために繰り返され得る。一旦グループ等化設定および対応するシミュレーションが、オーディオシステムに使われるべき全パワー効率の重み係数のために生成されれば、オーディオシステムに動作パラメータをアップロードするようにブロック1884へ進み、動作はブロック1886において終了する。
上記動作の完了後、最適化されたオーディオシステムにおける各チャネルおよび/またはチャネルのグループは、重み付けマトリクスに従った最適な応答特性を含み得る。最大の調整周波数は、現場等化が所定の周波数以下でのみ実行されるように特定され得る。この周波数は、遷移周波数として選択し得、計測された現場応答は予測された現場応答と実質的に同じである場合の周波数であり得る。この周波数以上では、予測された現場応答補正のみを使用して、応答は補正され得る。加えて、チャンネルまたはチャンネルのグループは、パワー効率の重み係数の各々の関数として、よりパワー効率の動作を提供することに関して最適化され得る。
いくつかのインプリメンテーションにおいて、ユーザーは、ユーザーがより少ないパワーを消費することに優先度を置く動作のモードを選択することを可能にするオプションを提供され得る。例示のオーディオ調整システムは、パワー効率の動作を提供するようにランクされるかまたは生成されるか、前述されたような動作パラメータの1つ以上のセットを生成し得る。
図23は、オーディオ調整システムに使われ得るユーザーインターフェースデバイスの例を示す概略図である。図23は、図1−20に参照することともに、前述されたような自動調整を提供するオーディオシステム2300の例を示す。オーディオシステム2300は、オーディオシステム2300の効率の最適化された動作のための設定を含む1つ以上のパラメータセット2302を生成し得る。最適パワー効率で動作する1つのセットは、効率モードでの動作のために生成され得、異なるセットは、非効率モードの動作のための最適オーディオ品質での動作のために生成され得る。複数のパラメータセット2302は、パワー効率に従って生成かつランクされ得る。例えば、図23の例示のパラメータセット2302は、オーディオ品質の順にランクされる構成パラメータを含む。最高品質オーディオパラメータは、多分最もパワーを消費する。品質の次のレベル、「QTY1」は、少なくともパワー効率の低いレベルを提供する。オーディオ品質の次のレベル、「QTY2」は、パワー効率の次のレベルを提供する。オーディオ品質の次のレベル、「QTY3」は、パワー効率の最高レベルを提供する。より効率的に作られるオーディオシステムの程度は、効率モードに従って調整され得る。効率モードは、最適性能に必要とされるパワー消費に対して、高い効率、中間効率または低い効率のための設定を提供し得る。パワー効率のレベルは、ターゲットパワーアレイ設定で示され得、その例が添付Aで記述される。ターゲットパワーアレイは、選択の選択肢として、ユーザーに提供されたパラメータセットを決定するように使われ得る。
ランクされたパラメータセット2302は、オーディオシステムによって生成される音の選択品質においてパワー効率の考慮を含むようなオプションをユーザーに提供する。ユーザーの選択は、ユーザーインターフェースデバイスを用いてもたらされ得、その例は図23に描かれる。ユーザーインターフェースは、入力/出力パネル2304、少なくとも1つのボタン2306、およびパワーメーター2308を含み得る。
入力/出力パネル2304は、例えば、LED、LCD、またはテキストまたはイメージの視覚ディスプレイを提供する他のタイプのデバイスのようなディスプレイ2304aを含み得る。入力/出力パネル2304は、ユーザーが機能を選択するように押し得るイメージボタンを有するタッチスクリーンも含み得る。入力/出力パネル2304は、ユーザーがユーザーに対する可能な異なる選択を通してスクロールすることを可能にするように、スクロール入力2304bも含む。例えば、スクロール入力2304bは、ユーザーが選択肢のリストを通して上および下へ行くように押し得る上および下の矢印ボタンであり得る。もう1つの例において、回転ボタン、スライドボタン、または他の適切な入力デバイスは、タッチスクリーン上のイメージとして、またはユーザーインターフェース上のハードウェアボタンとして、使われ得る。タッチスクリーンで、スクロール入力2304bは、ユーザーがタッチで移動し得るスクリーン上の選択肢のリストでもあり得る。選択はスクリーン上の選択肢のタッチによって作られ得る。選択肢のリストはディスプレイ2304aに現れ得る。ディスプレイ2304aは、ユーザーが選択し得るパラメーターのうちの1つのセット、またはスクロール入力2304bを用いて、カーソルを置くことによって選択可能な数個の選択肢を示し得る。ユーザーは、選択器ボタン2304Cを押すことによって選択を作り得る。
少なくとも1つのボタン2306は、パワー効率モードで動作するシステムを選択するように使われ得る。オーディオシステム2300は、次に、システムを自動的に調整し、ただし制限されたパワー消費を有する構成をインプリメントし得る。
パワーメーター2308は、オーディオシステムによるパワーの使用を示し得る。パワーメーター2308は、消費表示器2312によって示されたパワー消費レベルを示すパワースケール2310を含み得る。パワーメーター2308は、他のタイプのメーターを用いてインプリメントされ得る。パワーメーター2308は、より大きいシステム内に異なる部品のパワー消費を示すメーターのリストの一部でもあり得る。例えば、オーディオシステム2300が乗り物内にインプリメントされ得るとき、メーターのリストは、オーディオシステムによるパワー消費を示すこと、エアー状況、ライト、および乗り物の部品を用いた他の著しいパワーを含み得る。
図1−23に関連して記述された1つ以上の処理、サブ処理、または処理ステップはハードウェアおよび/またはソフトウェアによって行われ得ることは理解され、かつ当業者に分かられる。加えて、本明細書で使われるように、用語「1つのエンジン」または「複数のエンジン」、「1つのモジュール」または「複数のモジュール」、または「1つのブロック」または「複数のモジュール」は、ソフトウェア、ハードウェア、および/またはハードウェアとソフトウェアとのいくつかの組み合わせを含む1つの以上部品を含み得る。本明細書に記述されるように、エンジン、モジュールおよびブロックは、ソフトウェアモジュール、ハードウェアモジュールまたはコントローラまたは処理器による実行可能なそれらのいくつかの組み合わせを含むように規定される。ソフトウェアモジュールは、コントローラまたは処理器による実行可能であるメモリーに格納された命令の形のソフトウェアを含み得る。ハードウェアモジュールは、コントローラまたは処理器による性能のために実行可能、命令され、および/またはコントロールされる多様なデバイス、部品、回路、ゲート、回路ボード等を含み得る。
処理がソフトウェアによって行われる場合、ソフトウェアは、図1−23に概略に描かれる機能部品またはモジュールのうちの1つ以上のような適切な電子処理部品またはシステム内のソフトウェアメモリーに駐在し得る。ソフトウェアメモリーのソフトウェアは、ロジカル機能(デジタル回路要素またはソースコードのようなデジタル方式か、またはアナログ構成要素またはアナログ電子音またはビデオ信号のようなアナログソースのようなアナログ方式かでインプリメントされ得る「ロジカ」である)をインプリメントするための実行可能な命令のオーダーされたリストを含み得、コンピューターベースのシステム、処理器を含むシステム、または命令実行システム、装置、またはデバイスから命令を選択的に引き出し得、かつ命令を実行し得る他のシステムのような命令実行システム、装置、またはデバイスによる使用のための、または連結している任意のコンピュータ読み取り可能媒体内に選択的に実施され得る。この明細書のコンテンツにおいて、「コンピュータ読み取り可能媒体」は、命令実行システム、装置、またはデバイスによる使用のための、または連結しているプログラムを含み得、格納し得または通信し得る任意の手段である。コンピュータ読み取り可能媒体は、選択的であり得、例えば、ただし電子の、磁気の、光学の、電磁気の、赤外線の、または半導体のシステム、装置またはデバイスに制限されない。より具体的例、しかしそれでもなお、コンピュータ読み取り可能媒体の非徹底的なリストは以下のように、ポータブルコンピューターフロッピー(登録商標)ディスク(磁気の)、RAM(電子の)、読み出し専用メモリー「ROM」(電子の)、消し可能なプログラム化できる読み出し専用メモリー(EPROMまたはフラッシュメモリー)(電子の)およびポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリー「CDROM」(光学)を含み得る。コンピュータ読み取り可能媒体がペーパーまたはプログラムがプリントされる他の適切な媒体でもあり得ることは注意し、従って、プログラムは、例えばペーパーまたは他の媒体の光学スキャンを介して電子的に捉えられ得、次にコンパイルされ得、解釈され得または必要の場合に適切な方法で他の状態に処理され得、および次にコンピューターメモリー内に格納され得る。しかし、コンピュータ読み取り可能媒体はワイヤまたは他の信号転送媒体を含まなく、命令は信号転送媒体上の信号を含まない。
本発明の種々の例示のインプリメンテーションが記述されているが、本発明の範囲内でより多くの例示のインプリメンテーションが可能であることは当業者にとって明らかであろう。従って、発明は、添付の請求項およびその同等物の観点を除いて制限されない。
(添付A:セットアップファイル構成情報の例)
(システムセットアップファイルパラメータ)
・計測サンプルレート:計測マトリクスにおけるデータのサンプルレートを規定する。
・DSPサンプルレート:DSPが動作するサンプルレートを規定する。
・入力チャネルカウント(J):システムへの入力チャネル数を規定する。(例、ステレオに関して、J=2)
・空間的に処理されたチャネルカウント(K):空間プロセッサKからの出力数を規定する。(例、Logic7に関して、K=7)
・空間的に処理されたチャネルラベル:各空間的に処理された出力用のラベルを規定する。(例、左前、中央、右前)
・バス管理されたチャネルカウント(M):バスマネージャからの出力数を規定する。
・バスマネージャチャネルラベル:各バス管理された出力チャネル用のラベルを規定する。(例、左前、中央、右前、サブウーファ1、サブウーファ2、・・・)
・増幅されたチャネルカウント(N):システムにおける増幅されたチャネル数を規定する。
・増幅されたチャネルラベル:増幅されたチャネルの各々用のラベルを規定する。(例、左前高、左前中、左前低、中央高、中央中・・・)
・システムチャネルマッピングマトリクス:物理的空間プロセッサ出力チャネルに対応した増幅されたチャネルを規定する。(例、物理的中央チャネルに関係した、増幅された2つのチャネル、3および4チャネルを有する物理的中央チャネルに関して中央=[3,4])
・マイクロフォン重み付けマトリクス:個々のマイクロフォンまたはマイクロフォンのグループの各々の重み付け優先順位を規定する。
・増幅されたチャネルグルーピングマトリクス:同じフィルタおよびフィルタパラメータを受信する増幅されたチャネルを規定する。(例、左前および右前)
・計測マトリクスマッピング:応答マトリクスに関係したチャネルを規定する。
(増幅されたチャネルEQセットアップパラメータ)
・パラメトリックEQカウント:各増幅されたチャネルに適用されるパラメトリックEQの最大数を規定する。パラメトリックEQが特定のチャネルに適用されない場合、値は0である。
・パラメトリックEQ閾値:フィルタQおよび/またはフィルタゲインに基づきパラメトリックEQ用の許容パラメータ範囲を規定する。
・パラメトリックEQ周波数分解能:増幅されたチャネルEQエンジンがパラメトリックEQ計算用に使用する周波数分解能を規定する(オクターブ当たりのポイント単位で)。
・パラメトリックEQ周波数平滑化:増幅されたチャネルEQエンジンがパラメトリックEQ計算用に使用する平滑化ウィンドウを規定する(ポイント単位で)。
・ノンパラメトリックEQ周波数分解能:増幅されたチャネルEQエンジンがノンパラメトリックEQ計算用に使用する周波数分解能を規定する(オクターブ当たりのポイント単位で)。
・ノンパラメトリックEQ周波数平滑化:増幅されたチャネルEQエンジンがノンパラメトリックEQ計算用に使用する平滑化ウィンドウを規定する(ポイント単位で)。
・ノンパラメトリックEQカウント:増幅されたチャネルEQエンジンが使用し得るノンパラメトリックバイクワッド数を規定する。ノンパラメトリックEQが特定のチャネルに適用されない場合、値は0である。
・増幅されたチャネルEQ帯域幅:各増幅されたチャネルに関して、低および高周波数カットオフを特定することによって、フィルタリングされるべき帯域幅を規定する。
・パラメトリックEQ制約:パラメトリックEQフィルタに関する最大および最小許容設定を規定する(例、最大および最小Q、周波数および振幅)
・ノンパラメトリックEQ制約:特定の周波数におけるトータルのノンパラメトリックEQチェーンに関する最大および最小許容ゲインを規定する。(計算時に制約が違反された場合、フィルタは制約に適合するように再計算される)。
(クロスオーバ最適化パラメータ)
・クロスオーバマトリクス:どのチャネルがチャネルに適用されるハイパスフィルタおよび/またはローパスフィルタを有するか、および、相補的音響応答を有するチャネルを規定する。(例、左前高、左前低)
・パラメトリッククロスオーバロジックマトリクス:特定のチャネル上でパラメトリッククロスオーバフィルタが使用されるかどうか判定される。
・ノンパラメトリッククロスオーバロジックマトリクス:特定のチャネル上でノンパラメトリックのクロスオーバフィルタが使用されるかどうか判定される。
・ノンパラメトリッククロスオーバ最大バイクワッドカウント:所定のチャネル用の最適なクロスオーバフィルタを計算するためにシステムが使用し得るバイクワッドの最大数を規定する。
・初期クロスオーバパラメータマトリクス:クロスオーバとして使用されるハイパスフィルタおよびローパスフィルタの周波数およびスロープの初期パラメータを規定する。
・クロスオーバ最適化周波数分解能:増幅されたチャネル等化エンジンが、クロスオーバ最適化計算のために使用する周波数分解能を規定する(オクターブ当たりのポイント単位で)。
・クロスオーバ最適化周波数平滑化:増幅されたチャネル等化エンジンが、クロスオーバ最適化計算のために使用する平滑化ウィンドウを規定する(ポイント単位で)。
・クロスオーバ最適化マイクロフォンマトリクス:どのマイクロフォンが、クロスオーバが適用されるチャネルの各グループに対するクロスオーバ最適化計算のために使用されるべきか規定する。
・パラメトリッククロスオーバ最適化制約:フィルタ周波数、Qおよびスロープの最小値および最大値を規定する。
・極性ロジックベクトル:クロスオーバ最適化器が、所定のチャネルの極性を変更する許可を有するかどうかを規定する(例、0は許可されない場合、1は許可される場合)
・遅延ロジックベクトル:クロスオーバ最適化器が、最適なクロスオーバパラメータの計算時に所定のチャネルの遅延を変更する許可を有するかどうかを規定する。
・遅延制約マトリクス:クロスオーバ最適化器が、クロスオーバパラメータの最適なセットを計算するために使用し得る遅延の変更を規定する。遅延ロジックベクトルが許可した場合のみ使用可能である。
(遅延最適化パラメータ)
・増幅チャネル超過遅延:特定の増幅されたチャネルに追加するための任意の追加(非コヒーレント)遅延を規定する(秒単位で)。
・重み付けマトリクス。
(ゲイン最適化パラメータ)
・増幅されたチャネル超過ゲイン:特定の増幅されたチャネルに追加するための任意の追加ゲインを規定する。
・重み付けマトリクス。
(バス最適化パラメータ)
・バス生成チャネルマトリクス:どのチャネルが、バス生成として規定され、従って適用されるバス最適化を適用すべきかを規定する。
・位相フィルタロジックベクトル:バスマネージャからの各チャネル用のバイナリ変数であって、位相補償が、当該チャネルに適用され得るかどうかを規定する、バスマネージャからの各チャネル用のバイナリ変数。
・位相フィルタバイクワッドカウント:位相フィルタロジックベクトルによって許可された場合、各チャネルに適用されるべき位相フィルタの最大数を規定する。
・バス最適化マイクロフォンマトリクス:どのマイクロフォンが、バス生成チャネルの各グループに関するバス最適化計算のために使用されるべきかを規定する。
・重み付けマトリクス。
(非線形最適化パラメータ)
・ターゲットパワーアレイ:システム内の各増幅されたチャンネルのためのターゲット最大パワー値を規定する。
・ターゲットひずみアレイ:システム内の各増幅されたチャンネルのための最大許されるひずみを規定する。
(ターゲット関数パラメータ)
・ターゲット関数:空間プロセッサから各チャネルに適用されるターゲット関数のパラメータまたはデータポイントを規定する。(例、左前、中央、右前、左後、右後)。
(設定アプリケーションシミュレータ)
・シミュレーションスケジュール:選択可能情報を各シミュレーションに含めるために供給する。
・順序表:設定が生成される順序またはシーケンスを指定する。

Claims (28)

  1. 自動パワー効率オーディオ調整システムであって、該システムは、
    プロセッサと、
    少なくとも2つの拡声器のインピーダンスデータを得るように、該プロセッサを用いて実行可能な少なくとも1つのエンジンであって、該少なくとも2つの拡声器が可聴音を生成するために、オーディオシステムによって駆動されるように構成されている、少なくとも1つのエンジンと
    を含み、
    該エンジンが、該プロセッサを用いて、可聴音を生成するために、該オーディオシステムにおける該少なくとも2つの拡声器の協調的な動作を表す音響性能データを得るようにさらに実行可能であり、
    該エンジンが、該プロセッサを用いて、ターゲット音響応答を得るようにさらに実行可能であり、
    該エンジンが、該プロセッサを用いて、該オーディオシステムのパワー効率の所望の程度と所望の音響性能とのバランスを表すパワー効率の重み係数得るようにさらに実行可能であり、
    該エンジンが、該プロセッサを用いて、該ターゲット音響応答音響性能データと該インピーダンスデータとに基づいて動作パラメータを生成するようにさらに実行可能であり、該動作パラメータが、該少なくとも2つの拡声器の音響性能を最適化するように該オーディオシステムに適用され、
    該エンジンが、該プロセッサを用いて、該動作パラメータを調整することにより、該パワー効率の重み係数に基づいて、該少なくとも2つの拡声器の最適化された音響性能と最適化されたパワー効率とのバランスを保つようにさらに実行可能である、システム。
  2. 前記エンジンは、等化エンジンであり、前記動作パラメータは、フィルタ設計パラメータを含み、該フィルタ設計パラメータが、前記パワー効率の重み係数に基づいて、前記少なくとも2つの拡声器によって生成される可聴音の等化と該少なくとも2つの拡声器のパワー消費とのバランスを保つように該等化エンジンによって設定される、請求項1に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
  3. 前記エンジンは、クロスオーバエンジンであり、前記動作パラメータは、フィルタ設計パラメータを含み、該フィルタ設計パラメータが、前記パワー効率の重み係数に基づいて、前記少なくとも2つの拡声器のうちの少なくとも1つの音響性能と該少なくとも2つの拡声器のうちの少なくとも1つのパワー消費とのバランスを保つクロスオーバ周波数に対する、該クロスオーバエンジンによって設定されるクロスオーバ設定である、請求項1に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
  4. 前記エンジンは、バス最適化エンジンであり、前記動作パラメータは、前記少なくとも2つの拡声器を駆動するオーディオ信号の位相シフトを提供するフィルタ設計パラメータを含み、該位相シフトの程度が、前記パワー効率の重み係数に基づいて、該少なくとも2つの拡声器の協調的な音響性能と該少なくとも2つの拡声器のパワー消費とのバランスを保つように、該バス最適化エンジンによって設定される、請求項1に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
  5. 前記エンジンは、前記少なくとも2つの拡声器に供給される電流の大きさ、電圧の大きさおよびパワーの大きさのうちの少なくとも2つに基づいて、該少なくとも2つの拡声器の各々の前記インピーダンスデータを計算するようにさらに実行可能である、請求項1に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
  6. 前記エンジンは、前記インピーダンスデータを得るために、前記少なくとも2つの拡声器の各々に対する格納された所定のインピーダンス曲線にアクセスするようにさらに実行可能である、請求項に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
  7. 前記音響性能データは、リスニング空間に可聴音を生成するために、前記少なくとも2つの拡声器の実際の協調的な動作を表す現場データを含む、請求項1に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
  8. 前記音響性能データは、リスニング空間に可聴音を生成するために、前記少なくとも2つの拡声器の協調的な動作のシミュレーションを表す現場データを含む、請求項1に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
  9. オーディオシステムの自動パワー効率調整を行う方法であって、該方法は、
    プロセッサを用いて少なくとも2つの拡声器のインピーダンスデータを得ることであって、該少なくとも2つの拡声器が、可聴音を生成するために該オーディオシステムによって駆動されるように構成されている、ことと
    該プロセッサを用いて音響性能データを得ることであって、該音響性能データが、可聴音を生成するために該オーディオシステムの該少なくとも2つの拡声器の協調的な動作を表す、ことと、
    該プロセッサを用いて、該オーディオシステムのためのターゲット音響応答を得ることと、
    該プロセッサを用いて、該オーディオシステムの該少なくとも2つの拡声器に必要とされたパワー効率と該オーディオシステムの該少なくとも2つの拡声器の音響性能とのバランスを表すパワー効率の重み係数をさらに得ることと、
    該ターゲット音響応答と該音響性能データとに基づいて、該少なくとも2つの拡声器の音響性能を最適化するためのエンジンを用いて、該オーディオシステムに使うための動作パラメータを生成することと、
    該インピーダンスデータと該パワー効率の重み係数とに基づいた該動作パラメータの調整によって、該エンジンを用いて、該音響性能の最適化と該パワー効率の最適化とのバランスを保つことと
    を含む、方法。
  10. 前記動作パラメータを生成することは、前記少なくとも2つの拡声器が駆動されるオーディオ信号をフィルタするために使われる全通過フィルタとノッチフィルタのうちの少なくとも1つに対するフィルタ設計パラメータを生成することを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記最適化のバランスを保つことは、前記パワー効率の重み係数に従って、前記少なくとも2つの拡声器が、該少なくとも2つの拡声器の最適パワー消費および最適音響性能を識別するように駆動されるオーディオ信号のクロスオーバ設定を調整することを含む、請求項9に記載の方法。
  12. 前記少なくとも2つの拡声器は、第1のオーディオ信号によって駆動されるとき、第1の音波を生成することが可能な第1の拡声器と、第2のオーディオ信号によって駆動されるとき、第2の音波を生成することが可能な第2の拡声器とを含み、前記最適化のバランスを保つことは、前記パワー効率の重み係数に従って、該第2のオーディオ信号に対して該第1のオーディオ信号の位相設定を調整することによってリスニング空間において対応する該第1および該第2の音波の強め合う足し算を最適化することによって、該第1のオーディオ信号および該第2のオーディオ信号の大きさを最小化することを含む、請求項9に記載の方法。
  13. 前記最適化のバランスを保つことは、前記少なくとも2つの拡声器を駆動するそれぞれのオーディオ信号に対する適用のための等化設定を生成することと、該少なくとも2つの拡声器によるパワー消費を適切に制約するために、前記パワー効率の重み係数に従って該等化設定を調整することとを含む、請求項9に記載の方法。
  14. 前記最適化のバランスを保つことは、前記音響性能を最適化するために、前記少なくとも2つの拡声器をそれぞれに駆動するオーディオ信号に対する適用のためのゲイン設定を生成することと、前記パワー効率の重み係数に従って該ゲイン設定を減衰することとを含む、請求項9に記載の方法。
  15. 前記最適化のバランスを保つことは、前記少なくとも2つの拡声器を駆動するそれぞれのオーディオ信号に対する適用のための等化設定およびクロスオーバ設定を生成することと、該少なくとも2つの拡声器によるパワー消費を適切に制約するために、前記パワー効率の重み係数に従って等化設定を最初に調整し、クロスオーバ設定をその後調整することとを含む、請求項9に記載の方法。
  16. 命令の形式で実行可能なコードを格納するためのコンピュータ読み取り可能な非一時的ストレージ媒体であって、該コンピュータ読み取り可能ストレージ媒体は、
    プロセッサによって実行可能な命令であって、可聴音を生成するために、該オーディオシステムによって駆動される該少なくとも2つの拡声器の協調的な動作を表す音響性能データを得るための命令と、
    該プロセッサによって実行可能な命令であって、該少なくとも2つの拡声器のターゲット音響応答を表すターゲット音響応答データを得るための命令と、
    該プロセッサによって実行可能な命令であって、該命令は、該少なくとも2つの拡声器の音響性能を最適化するために、該オーディオシステムのオーディオチャンネルを変更する動作パラメータを生成するようにエンジンを開始するための命令であり、該動作パラメータは、該音響性能データと該ターゲット音響応答データとの差異に基づいて生成される、命令と、
    該プロセッサによって実行可能な命令であって、該命令は、パワー効率の重み係数を用いて、該動作パラメータを調整することによって、該音響性能を最適化を制約するための命令であり、該パワー効率の重み係数は、該オーディオシステムのパワー効率の所望のレベルと該少なくとも2つの拡声器の該音響性能の最適化とのバランスを表す、命令と
    を含む、コンピュータ読み取り可能な非一時的ストレージ媒体。
  17. 自動パワー効率オーディオ調整システムであって、該システムは、
    プロセッサと、
    該プロセッサによってアクセス可能なセットアップファイルであって、該セットアップファイルが、パワー効率モードで動作するために、調整されるべきオーディオシステムのオーディオシステム固有構成設定を格納するように構成されており、該格納されたオーディオシステム固有構成設定が、該オーディオシステムによって生成された複数のそれぞれのオーディオチャンネルによって駆動される複数の拡声器の協調的な動作性能を示す動作データを含む、セットアップファイルと、
    該プロセッサを用いて実行可能なエンジンであって、該エンジンは、該オーディオチャンネルを調整するために該オーディオシステムに使われる動作パラメータの生成によって、該オーディオシステムの音響性能を最適化し、該動作パラメータは、該動作データとターゲット音響応答との比較に基づいて生成される、エンジンと
    を含み、
    該エンジンが、パワー効率の重み係数を用いて、該動作パラメータを調整することによって、該オーディオシステムの最適化された音響性能と最適化された電力効率とのバランスを保つことによって、該パワー効率モードを展開するようにさらに実行可能であり、該パワー効率の重み係数が該音響性能に対してパワー効率の重要性を示す、システム。
  18. 前記エンジンは、増幅されたチャンネルの選択されたグループのための少なくとも1つの効率最適化されたクロスオーバ設定を生成するように構成されているクロスオーバエンジンを含み、該クロスオーバ設定が、前記パワー効率モードで前記オーディオシステムを動作するとき、パワー消費を最小化するように最適化される、請求項17に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
  19. 前記クロスオーバエンジンは、前記プロセッサによって実行可能なクロスオーバ効率最適化モジュールを含み、該クロスオーバ効率最適化モジュールが、性能最適化されたクロスオーバ設定のリストを受信し、前記効率最適化されたクロスオーバ設定のリストを生成し、該性能最適化されたクロスオーバ設定リストまたは該効率最適化されたクロスオーバ設定リストからのクロスオーバ設定を含むクロスオーバ設定の加重されたリストを生成し、該クロスオーバ設定の加重されたリストが、前記パワー効率の重み係数に基づいて生成される、請求項18に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
  20. 前記効率最適化されたクロスオーバ設定は、高域通過フィルタ、N個のノッチフィルタ、および低域通過フィルタを含むような少なくとも1つの効率が最適化されたフィルタバンクを構成するための複数のフィルタパラメータを含む、請求項18に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
  21. 前記エンジンは、最適化された音響性能と最適化されたパワー効率とのバランスを保つための前記パワー効率の重み係数の関数として、前記2つのオーディオチャンネルの位相整列を最適化するように構成されているバス最適化エンジンをさらに含む、請求項18に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
  22. 前記エンジンは、前記オーディオシステム内のパワー消費をモニターし、コントロールするように構成されている非線形最適化エンジンをさらに含む、請求項21に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
  23. 前記非線形最適化エンジンは、チャンネルまたはチャンネルのグループが所定の制限を越えたパワーレベルで動作するかどうかを決定し、該チャンネルまたは該チャンネルのグループのパワースペクトル、ゲインまたはダイナミックレンジを調整するように構成されているパワー制限器を含む、請求項22に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
  24. 少なくとも1つのユーザー入力デバイスを有するユーザーインターフェースをさらに含み、該ユーザー入力デバイスが、ユーザーに前記パワー効率モードでの動作の選択と、効率レベルの選択とを可能にするように構成されている、請求項17に記載の自動パワー効率オーディオ調整システム。
  25. オーディオシステムの自動パワー効率調整を行う方法であって、該方法は、
    パワー効率モードで動作するために、調整されるべきオーディオシステムのための構成設定を含むセットアップファイルを提供することと、
    エンジンを用いて、該セットアップファイルに含まれる動作データを引き出すことであって、動作データが、該オーディオシステムに含まれ、複数のそれぞれのオーディオチャンネルによって駆動される複数の拡声器の協調的な動作音響性能を示す、ことと、
    該動作データとターゲット音響応答とを比較することと、
    該エンジンを用いて、該動作データとターゲット音響応答との比較に基づいて、該動作データが該ターゲット音響応答に実質的に対応するように、該オーディオチャンネルを調整するために該オーディオシステムに使われる動作パラメータを生成することによって、該オーディオシステムの音響性能を最適化することと、
    パワー効率の重み係数に基づいて、該エンジンを用いて該オーディオシステムの音響性能の最適化と該オーディオシステムのパワー効率の最適化とのバランスを保つことによって、該エンジンを用いて該パワー効率モードを展開することであって、該パワー効率の重み係数が該音響性能に対してパワー効率の重要性を示し、該バランスを保つことは、該オーディオチャンネルを調整するために該オーディオシステムにおいて用いられる該動作パラメータを調整することによって実行される、ことと
    を含む、方法。
  26. 前記動作パラメータを生成することは、前記エンジンを用いて、増幅されたオーディオチャンネルのうちの少なくとも2つの各々のために、少なくとも1つのクロスオーバ設定を生成するステップを含み、前記最適化された音響性能と最適化されたパワー効率とのバランスを保つことは、該エンジンを用いて、前記パワー効率の重み係数に従ってパワー消費を最適化するために、少なくとも2つのクロスオーバ設定の各々の周波数クロスオーバポイントを調整するステップを含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記動作パラメータを生成することは、前記エンジンを用いて、前記増幅されたオーディオチャンネルのうちの少なくとも1つのために、位相調整を生成するステップを含み、前記最適化された音響性能と最適化されたパワー効率とのバランスを保つことは、前記拡声器のうちの少なくとも2つによって生成される可聴音の強め合う組み合わせを最適化するために、該エンジンを用いて、前記パワー効率の重み係数に従って位相調整を調整するステップを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記エンジンを用いて、前記パワー効率モードでの前記オーディオシステムの動作のために、パワー制限を設定することをさらに含み、該パワー制限が、該パワー制限に従って、パワー消費を制限するために選択されたオーディオチャンネルまたはオーディオチャンネルのグループのパワースペクトルを調整する、請求項27に記載の方法。
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