JP5420519B2 - 偏光子の製造方法、偏光子、偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

偏光子の製造方法、偏光子、偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、偏光子の製造方法および当該製造方法により得られた偏光子に関する。また本発明は当該偏光子を用いた偏光板、光学フィルム、さらには当該偏光子、偏光板、光学フィルムを用いた液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP等の画像表示装置に関する。
液晶表示装置は、パソコン、TV、モニター、携帯電話、PDA等に使用されている。従来、液晶表示装置等に用いる偏光子としては高透過率と高偏光度を兼ね備えていることから、染色処理されたポリビニルアルコール系フィルムが用いられている。当該偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムに、浴中にて、例えば、膨潤、染色、架橋、延伸等の各処理を施した後に、洗浄処理を施してから、乾燥することにより製造される。また前記偏光子は、通常、その片面または両面にトリアセチルセルロース等の保護フィルムが接着剤を用いて貼合された偏光板として用いられている。
近年では、液晶表示装置の高性能化が進み、高い視認性を得るために液晶パネルにはコントラストの向上が求められている。すなわち、黒はより黒く、白はより白く明るいことが望まれており、それに伴い、偏光子の偏光性能の更なる向上が求められている。したがって、偏光性能としては、高い偏光度を持ちながら、高い透過率を有することが非常に重要となっている。
このような偏光子を得るために、これまでに多くの方法が提案されている。例えば、偏光子の製造方法として、未配向のポリビニルアルコール系フィルムを膨潤浴中で膨潤した後、ヨウ素または二色性染料を吸着させ、さらにホウ酸を含有する水溶液中で、架橋、延伸等の処理を施すことが提案されている(特許文献1、2)。
特開平10‐153709号公報 特開2004‐341515号公報
しかし、特許文献1、2に記載のように、ポリビニルアルコール系フィルムに対して、ホウ酸等のホウ素化合物を含有する水溶液中での処理工程を含む製造方法により得られる偏光子は、短波長側において光漏れが生じ、光学特性を十分に満足することができていないことが分かった。また、前記製造方法により得られる偏光子は、高温下での耐久性を満足できるものではなかった。
本発明は、ホウ素化合物を含有する水溶液中での処理工程を有する偏光子の製造方法であって、短波長側における光漏れを抑制することができ、かつ耐久性を満足することができる偏光子の製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、当該製造方法によって得られた偏光子を提供すること、当該偏光子を用いた偏光板、光学フィルムを提供することを目的とする。さらに本発明は、当該偏光子、偏光板、光学フィルムを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す偏光子の製造方法等により前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ポリビニルアルコール系フィルムに、染色浴中での染色工程、架橋浴中での架橋工程および延伸浴中での延伸工程を少なくとも施す偏光子の製造方法において、
前記染色工程、架橋工程および延伸工程のいずれか少なくとも1つの工程に係る処理浴は、ヨウ化化合物およびホウ素化合物を含有する混合水溶液を有し、かつ、
前記染色工程、架橋工程および延伸工程のなかで、前記混合水溶液が用いられる最後の工程に係る最終処理浴の混合水溶液は、ヨウ化化合物およびホウ素化合物の他に、0.00002〜0.015重量%の水溶性酸化防止剤を含有することを特徴とする偏光子の製造方法、に関する。
前記偏光子の製造方法において、前記最後の工程に係る最終処理浴の混合水溶液は、波長350nm近傍における吸光度が3以下であることが好ましい。
前記偏光子の製造方法は、前記染色工程、架橋工程および延伸工程が、染色工程を施した後に、架橋工程および延伸工程が施される場合に好適に適用できる。
前記偏光子の製造方法は、前記混合水溶液が用いられる最後の工程が、架橋工程または延伸工程である場合に好適に適用できる。
前記偏光子の製造方法において、前記水溶性酸化防止剤としては、アスコルビン酸、エリソルビン酸、クロロゲン酸、クエン酸、ロスマリン酸およびこれらの塩のいずれか少なくとも1種を含むことが好ましい。
また本発明は、前記製造方法により得られた偏光子、に関する。
また本発明は、前記偏光子の少なくとも片面に、透明保護フィルムを有することを特徴とする偏光板、に関する。
また本発明は、前記偏光子または偏光板を有すことを特徴とする光学フィルム、に関する。
また本発明は、前記偏光子、偏光板または光学フィルムを有することを特徴とする画像表示装置、に関する。
一般的な偏光子は、染色したポリビニルアルコール系フィルムに、ホウ酸等のホウ素化合物を含有する水溶液中で所定倍率に一軸延伸することにより得られる。また当該ホウ素化合物を含有する水溶液は、ヨウ化カリウム等のヨウ化化合物を含む混合水溶液として用いられることが多い。偏光子の製造方法に際して、ホウ素化合物とヨウ化化合物を含む混合水溶液を用いた場合には、ヨウ化化合物がホウ素化合物により酸化されて、I イオンが発生することが分かった。特に、偏光子の製造方法が長時間に及ぶ連続生産の場合には、生産時間の増加に従ってI イオンが増加する。このI イオンは偏光子表面に付着され、ポリビニルアルコールと錯体を形成するが、高度に配向されたポリビニルアルコール分子鎖間に浸透できない。そのため、I イオンとポリビニルアルコールの錯体は偏光子の配向乱れを引き起こし、これにより、偏光子の短波長側の光漏れが生じて、光学特性(透過率)を低下させることが分かった。
上記本発明の偏光子の製造方法では、染色工程、架橋工程および延伸工程のなかのいずれか少なくとも1つの工程に係る処理浴がヨウ化化合物およびホウ素化合物を含有する混合水溶液を有する場合であっても、当該混合水溶液が用いられる最後の工程に係る最終処理浴には、前記ホウ素化合物とヨウ化化合物の他に、所定量の水溶性酸化防止剤を含有する混合水溶液を用いる。かかる水溶性酸化防止剤を含有する混合水溶液により、前記最終処理浴において、混合溶液中に生じるI イオンの増加を抑制することができ、偏光子の短波長側の光漏れを抑えて、光学特性の劣化を改善できたものと推定される。また、かかる本発明の偏光子の製造方法は、光学特性の低下が防止されることから、生産安定性が大幅に改善される。また、かかる本発明の製造方法によれば、耐久性を満足する偏光子を得ることができる。
本発明の偏光子に適用されるポリビニルアルコール系フィルムとしては、可視光領域において透光性を有し、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を分散吸着するものを特に制限なく使用できる。通常、ポリビニルアルコール系フィルムは厚さ10〜300μm程度のものが用いられる。好ましくは20〜100μmである。
ポリビニルアルコール系フィルムとしては、例えば、従来、偏光子に用いられているポリビニルアルコール系フィルムが好適に用いられる。ポリビニルアルコール系フィルムの材料としては、ポリビニルアルコールまたはその誘導体があげられる。ポリビニルアルコールの誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール等があげられる他、エチレン、プロピレン等のオレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸及びそのアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したものがあげられる。ポリビニルアルコールの重合度は、100〜10000程度が好ましく、1000〜10000がより好ましい。ケン化度は80〜100モル%程度のものが一般に用いられる。
上記の他、ポリビニルアルコール系フィルムとしては、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルム、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等があげられる。
前記ポリビニルアルコール系フィルム中には、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を含有することもできる。可塑剤としては、ポリオールおよびその縮合物等があげられ、たとえばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等があげられる。可塑剤等の使用量は、特に制限されないがポリビニルアルコール系フィルム中20重量%以下とするのが好適である。
本発明の偏光子の製造方法では、ポリビニルアルコール系フィルムに、染色工程、架橋工程および延伸工程が少なくとも施される。染色工程、架橋工程および延伸工程には、それぞれ、染色浴、架橋浴および延伸浴の各処理浴が用いられ、これら各処理浴は各工程に応じた処理液(水溶液等)が用いられる。
染色工程は、上記ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素または二色性染料を吸着・配向させることにより行う。染色工程は、延伸工程とともに行うことができる。染色は、通常、上記フィルムを染色溶液に浸漬することにより一般に行われる。染色溶液としてはヨウ素溶液が一般的である。ヨウ素溶液として用いられるヨウ素水溶液は、ヨウ素および溶解助剤であるヨウ化化合物によりヨウ素イオンを含有させた水溶液などが用いられる。ヨウ化化合物としては、例えばヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が用いられる。ヨウ化化合物としては、ヨウ化カリウムが好適である。本発明で用いるヨウ化化合物は、他の工程で用いる場合についても、上記同様である。
ヨウ素溶液中のヨウ素濃度は0.01〜10重量%程度、好ましくは0.02〜5重量%、さらに好ましくは0.02〜0.5重量%である。ヨウ化化合物濃度は0.1〜10重量%程度、さらには0.2〜8重量%で用いるのが好ましい。ヨウ素染色にあたり、ヨウ素溶液の温度は、通常20〜50℃程度、好ましくは25〜40℃である。浸漬時間は通常10〜300秒間程度、好ましくは20〜240秒間の範囲である。
架橋工程は、架橋剤として、ホウ素化合物を用いて行う。架橋工程の順序は特に制限されない。架橋工程は、染色工程、延伸工程とともに行うことができる。架橋工程は複数回行うことができる。ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ砂等があげられる。ホウ素化合物は、水溶液または水−有機溶媒混合溶液の形態で一般に用いられる。通常は、ホウ酸水溶液が用いられる。ホウ酸水溶液のホウ酸濃度は、1〜10重量%程度、好ましくは2〜7重量%である。架橋度により耐熱性を付与するには、前記ホウ酸濃度とするのが好ましい。ホウ酸水溶液等には、ヨウ化カリウム等のヨウ化化合物を含有させることができる。ホウ酸水溶液にヨウ化化合物を含有させる場合、ヨウ化化合物濃度は0.1〜10重量%程度、さらには0.5〜8重量%で用いるのが好ましい。
架橋工程は、前記ポリビニルアルコール系フィルムをホウ酸水溶液等へ浸漬することにより行うことができる。架橋工程における処理温度は、通常、25℃以上、好ましくは30〜85℃、さらには30〜60℃の範囲である。処理時間は、通常、5〜800秒間、好ましくは8〜500秒間程度である。
延伸工程は、通常、一軸延伸を施すことにより行う。この延伸方法は、染色工程、架橋工程とともに施すことができる。延伸方法は、湿潤式延伸が用いられる。湿潤式延伸方法は、例えば、染色工程を施した後、延伸を行うことが一般的である。また架橋工程とともに延伸を行うことができる。延伸工程は多段で行うこともできる。
湿潤式延伸方法に用いる処理液にヨウ化化合物を含有させることができる。当該処理液にヨウ化化合物を含有させる場合、ヨウ化化合物濃度は0.1〜10重量%程度、さらには0.2〜5重量%で用いるのが好ましい。湿潤式延伸方法における処理温度は、通常、25℃以上、好ましくは30〜85℃、さらには50〜70℃の範囲である。浸漬時間は、通常、10〜800秒間、好ましくは30〜500秒間程度である。
延伸工程では、総延伸倍率が、ポリビニルアルコール系フィルムの元長に対して、総延伸倍率で3〜10倍の範囲になるように行う。好ましくは4〜8倍、さらに好ましくは5〜7倍である。すなわち、前記総延伸倍率は、延伸工程以外の、後述の膨潤工程等において延伸を伴う場合には、それらの工程における延伸を含めた累積の延伸倍率をいう。総延伸倍率は、膨潤工程等における延伸倍率を考慮して適宜に決定される。総延伸倍率が低いと、配向が不足して、高い光学特性(偏光度)の偏光子が得られにくい。一方、総延伸倍率が高すぎると延伸切れが生じ易くなり、また偏光子が薄くなりすぎて、続く工程での加工性が低下するおそれがある。
本発明の偏光子の製造方法は、前記染色工程、架橋工程および延伸工程のいずれか少なくとも1つの工程に係る処理浴が、ヨウ化化合物およびホウ素化合物を含有する混合水溶液が用いられる場合に適用される。そして、前記染色工程、架橋工程および延伸工程のなかで前記混合水溶液が用いられる最後の工程に係る最終処理浴には、ヨウ化化合物およびホウ素化合物に加えて、0.00002〜0.015重量%の水溶性酸化防止剤を含有する混合水溶液が用いられる。即ち、前記染色工程、架橋工程および延伸工程のいずれかの工程でヨウ化化合物およびホウ素化合物を含有する混合水溶液が用いられたとしても、前記混合水溶液が用いられる、最後の工程に係る最終処理浴中に、水溶性酸化防止剤を含有させることで、混合水溶液の酸化によって、I イオンが発生を抑制して、光学特性の低下を抑えることができる。なお、前記最後の工程に係る最終処理浴に用いる混合水溶液の温度は、最後の工程の種類に応じて適宜に設定されるが、前記混合水溶液の酸化に発生する、I イオンは、温度が高いほど発生しやすい。本発明の偏光子の製造方法は、前記最後の工程に係る最終処理浴に用いる混合水溶液の温度が60℃以上の高温の場合にも好適に用いられる。
前記染色工程、架橋工程および延伸工程の処理順序は特に制限はないが、染色工程を施した後に、架橋工程および延伸工程が施される場合に好適に適用できる。また、前記混合水溶液は、前記染色工程、架橋工程および延伸工程のいずれにおいても適用することができるが、前記混合水溶液は架橋工程または延伸工程での適用が好ましい。従って、前記混合水溶液が用いられる最後の工程が、架橋工程または延伸工程になるように適用することが好ましい。
なお、前記染色工程、架橋工程および延伸工程は、複数の工程を同時に行なう一括工程により行うことができる。複数の工程が同時に行なわれる一括工程が行なわれていた場合において、当該一括工程が前記最後の工程となる場合には、当該一括工程において用いる混合水溶液が、水溶性酸化防止剤を含有する。また、前記染色工程、架橋工程および延伸工程の各工程が多段工程である場合においては、当該多段工程に係る工程が前記最後の工程となる場合には、当該多段工程の最終の工程において用いる混合水溶液が、水溶性酸化防止剤を含有する。
前記最後の工程に係る最終処理浴の混合水溶液に用いられる水溶性酸化防止剤は、水溶性を示しかつ、ホウ素化合物によるヨウ化化合物の酸化防止機能を有するものを用いることができる。前記水溶性酸化防止剤としては、例えば、アスコルビン酸(ビタミンC)、エリソルビン酸、クロロゲン酸、クエン酸、ロスマリン酸およびこれらの塩等があげられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩等があげられる。これら水溶性酸化防止剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記最後の工程に係る最終処理浴の混合水溶液における、前記水溶性酸化防止剤の濃度は、0.00002〜0.015重量%である。前記濃度は0.0001〜0.01重量%であるのが好ましい、さらには0.0005〜0.01重量%であるのが好ましい。前記濃度が0.00002重量%未満の場合には、前記混合水溶液中での水溶性酸化防止剤の割合が少なくなり、I イオンの発生を十分に抑制することができず、偏光子の短波長側の光漏れを十分に抑えることができず、また耐久性の点でも好ましくない。前記濃度が0.015重量%を超える場合には、前記混合水溶液中での水溶性酸化防止剤の割合が多くなるため、得られる偏光子が十分に染色されず、偏光子が脱色した状態になり、偏光子としての光学特性を満足できなくなる。
また、前記最後の工程に係る最終処理浴の混合水溶液は、波長350nm近傍における吸光度が0.1以下であることが好ましい。上記のように、前記最後の工程に係る最終処理浴の混合水溶液は、ヨウ化化合物およびホウ素化合物の他に、所定割合の水溶性酸化防止剤を含有する。ヨウ化化合物およびホウ素化合物の割合は、前記染色工程、架橋工程および延伸工程の各工程のいずれが前記最後の工程になるかによって、前記各工程に記載のヨウ化化合物およびホウ素化合物の割合に応じて適宜に決定されるが、前記混合水溶液が、波長350nm近傍における吸光度が3以下となるように、前記混合水溶液の各成分の割合を設計することで、ホウ素化合物とヨウ化化合物を含む混合水溶液の酸化によって、I イオンの発生を抑制することができる。前記混合水溶液の波長350nm近傍における吸光度は3以下であるのが好ましく、さらには2以下であるのが好ましい。
本発明の偏光子の製造方法では、上記染色工程、架橋工程および延伸工程を少なくとも施すが、前記染色工程を施す前に、膨潤工程を施すことができる。膨潤工程により、ポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。
膨潤工程において用いられる処理液としては、通常、水、蒸留水、純水が用いられる。当該処理液は、主成分が水であれば、ヨウ化化合物、界面活性剤等の添加物、アルコール等が少量入っていてもよい。また、当該処理液にはヨウ化化合物を含有させる場合、ヨウ化化合物濃度は0.1〜10重量%程度、さらには0.2〜5重量%で用いるのが好ましい。
膨潤工程における処理温度は、通常、20〜45℃程度に調整するのが好ましい。さらには、25〜40℃であるのが好ましい。なお、膨潤ムラがあるとその部分が染色工程において染色のムラになるため膨潤ムラは発生させないようにする。浸漬時間は通常10〜300秒間程度、好ましくは20〜240秒間の範囲である。
膨潤工程では、適宜に延伸することができる。前記延伸倍率は、ポリビニルアルコール系フィルムの元長に対して、通常、6.5倍以下とされる。好ましくは、光学特性の点から、前記延伸倍率は、1.2〜6.5倍、さらには2〜4倍、さらには2〜3倍にするのが好ましい。膨潤工程において、延伸を施すことにより、膨潤工程後に施される延伸工程での延伸を小さく制御することができ、フィルムの延伸破断が生じないように制御できる。一方、膨潤工程での、延伸倍率が大きくなると、延伸工程での延伸倍率が小さくなり、特に、架橋工程の後に延伸工程を施す場合には光学特性の点で好ましくない。
本発明の偏光子の製造方法では、上記染色工程、架橋工程および延伸工程を少なくとも施すが、これら工程の他に、金属イオン処理を施すことができる。金属イオン処理は、金属塩を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系フィルムを浸漬することにより行う。金属イオン処理により、種々の金属イオンをポリビニルアルコール系フィルム中に含有させることができる。
金属イオンとしては、特に色調調整や耐久性付与の点からコバルト、ニッケル、亜鉛、クロム、アルミニウム、銅、マンガン、鉄などの遷移金属の金属イオンが好ましく用いられる。これら金属イオンのなかでも、色調調整や耐熱性付与などの点から亜鉛イオンが好ましい。亜鉛塩としては、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛などのハロゲン化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛などがあげられる。
本発明の偏光子の製造方法では、前記のように、染色工程、架橋工程および延伸工程を少なくとも施した後に、洗浄工程を施すことができる。
洗浄工程は、ヨウ化カリウム溶液により行うことができる。前記ヨウ化カリウム溶液におけるヨウ化カリウム濃度は、通常、0.5〜10重量%程度、さらには0.5〜8重量%、さらには1〜6重量%の範囲である。
ヨウ化カリウム溶液による洗浄工程にあたり、その処理温度は、通常15〜60℃程度、好ましくは25〜40℃である。浸漬時間は通常1〜120秒程度、好ましくは3〜90秒間の範囲である。ヨウ化カリウム溶液による洗浄工程の段階は、乾燥工程前であれば特に制限はない。
また、洗浄工程としては、水洗浄工程を施すことができる。水洗浄工程は、通常、イオン交換水、蒸留水などの純水にポリビニルアルコール系フィルムを浸漬することにより行う。水洗浄温度は、通常、5〜50℃、好ましくは10〜45℃、さらに好ましくは15〜40℃の範囲である。浸漬時間は、通常、5〜300秒間、好ましくは10〜240秒間程度である。
前記水洗浄工程は、ヨウ化カリウム溶液による洗浄工程と水洗浄工程を組み合わせてもよく、適宜にメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、プロパノール等の液体アルコールを配合した溶液を用いることもできる。
前記各工程を施した後には、最終的に、乾燥工程を施して、偏光子を製造する。乾燥工程は、得られる偏光子(フィルム)に必要とされる水分率に応じて、適宜に、乾燥時間と乾燥温度が設定される。乾燥温度は、通常、20〜150℃、好ましくは40〜100℃の範囲で制御される。乾燥温度が低すぎると、乾燥時間が長くなり、効率的な製造ができないため好ましくない。乾燥温度が高すぎると得られる偏光子が劣化し、光学特性および色相の点で悪化する。加熱乾燥時間は、通常、1〜5分間程度である。
得られた偏光子は、常法に従って、その少なくとも片面に透明保護フィルムを設けた偏光板とすることができる。透明保護フィルムを構成する材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロール等のセルロール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物があげられる。なお、偏光子の片側には、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされるが、他の片側には、透明保護フィルムとして、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂を用いることができる。
透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。透明保護フィルムは、5〜150μmの場合に特に好適である。
なお、偏光子の両側に透明保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる保護フィルムを用いてもよい。
前記透明保護フィルムとして、正面位相差が40nm以上および/または、厚み方向位相差が80nm以上の位相差を有する位相差板を用いることができる。正面位相差は、通常、40〜200nmの範囲に、厚み方向位相差は、通常、80〜300nmの範囲に制御される。透明保護フィルムとして位相差板を用いる場合には、当該位相差板が透明保護フィルムとしても機能するため、薄型化を図ることができる。
位相差板としては、高分子素材を一軸または二軸延伸処理してなる複屈折性フィルム、液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポリマーの配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。位相差板の厚さも特に制限されないが、20〜150μm程度が一般的である。
なお、前記位相差を有するフィルムは、位相差を有しない透明保護フィルムに、別途、貼り合せて上記機能を付与することができる。
前記透明保護フィルムは、接着剤を塗工する前に、表面改質処理を行ってもよい。具体的な処理としてば、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理、ケン化処理などがあげられる。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。
前記偏光子と透明保護フィルムとの接着処理には、接着剤が用いられる。接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリエステル等を例示できる。前記接着剤は、通常、水溶液からなる接着剤として用いられ、通常、0.5〜60重量%の固形分を含有してなる。上記の他、偏光子と透明保護フィルムとの接着剤としては、紫外硬化型接着剤、電子線硬化型接着剤等があげられる。電子線硬化型偏光板用接着剤は、上記各種の透明保護フィルムに対して、好適な接着性を示す。特に、接着性を満足することが困難であったアクリル樹脂に対しても良好な接着性を示す。また本発明で用いる接着剤には、金属化合物フィラーを含有させることができる。
本発明の偏光板は、前記透明保護フィルムと偏光子を、前記接着剤を用いて貼り合わせることにより製造する。接着剤の塗布は、透明保護フィルム、偏光子のいずれに行ってもよく、両者に行ってもよい。貼り合わせ後には、乾燥工程を施し、塗布乾燥層からなる接着層を形成する。偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせは、ロールラミネーター等により行うことができる。接着層の厚さは、特に制限されないが、通常30〜1000nm程度である。
本発明の偏光板は、実用に際して他の光学層と積層した光学フィルムとして用いることができる。その光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、視角補償フィルムなどの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、本発明の偏光板に更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板、偏光板に更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板、偏光板に更に視角補償フィルムが積層されてなる広視野角偏光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板が好ましい。
偏光板に前記光学層を積層した光学フィルムは、液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式にても形成することができるが、予め積層して光学フィルムとしたものは、品質の安定性や組立作業等に優れていて液晶表示装置などの製造工程を向上させうる利点がある。積層には粘着層等の適宜な接着手段を用いうる。前記の偏光板やその他の光学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
前述した偏光板や、偏光板を少なくとも1層積層されている光学フィルムには、液晶セル等の他部材と接着するための粘着層を設けることもできる。粘着層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
偏光板や光学フィルムの片面又は両面への粘着層の付設は、適宜な方式で行いうる。その例としては、例えばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を溶解又は分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方式で偏光板上または光学フィルム上に直接付設する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着層を形成してそれを偏光板上または光学フィルム上に移着する方式などがあげられる。
粘着層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層として偏光板や光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光板や光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚さ等の粘着層とすることもできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
粘着層の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
なお本発明において、上記した偏光板を形成する偏光子や透明保護フィルムや光学フィルム等、また粘着層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やベンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
本発明の偏光板または光学フィルムは液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと偏光板または光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による偏光板または光学フィルムを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプのものを用いうる。
液晶セルの片側又は両側に偏光板または光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による偏光板または光学フィルムは液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に偏光板または光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
以下に本発明を実施例および比較例をあげて具体的に説明する。
実施例1
原反フィルムとして、平均重合度2400、厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム((株)クラレ製のVF−PS7500)を用いた。当該ポリビニルアルコールフィルムに、下記の順番にて、下記各工程を施した。
(膨潤工程)
膨潤浴の処理液としては、純水を用いた。上記ポリビニルアルコールフィルムを膨潤浴に搬送し、30℃に調整した純水中に1分間浸漬しながら2.2倍に延伸し、膨潤させた。
(染色工程)
染色浴の処理液としては、ヨウ素:ヨウ化カリウム(重量比=1:7)の濃度6重量%のヨウ素染色溶液を用いた。上記膨潤処理されたポリビニルアルコールフィルムを染色浴に搬送し、30℃に調整した前記ヨウ素染色溶液に、30秒間浸漬しながら、元長に対して延伸倍率3.3倍まで、一軸延伸しながら、染色した。
(架橋工程)
架橋浴の処理液としては、ホウ酸を3重量%、ヨウ化カリウムを3重量%含有する混合水溶液(1)を用いた。上記処理されたポリビニルアルコールフィルムを架橋浴に搬送し、30℃に調整した前記混合水溶液(1)に、28秒間浸漬しながら、元長に対して総延伸倍率3.6倍まで、一軸延伸した。
(延伸工程)
延伸浴の処理液としては、ホウ酸を4重量%、ヨウ化カリウムを5重量%、水溶性酸化防止剤としてアスコルビン酸を0.0017重量%含有する混合水溶液(2)を用いた。上記処理されたポリビニルアルコールフィルムを延伸浴に搬送し、60℃に調整した混合水溶液(2)に、60秒間浸漬しながら、元長に対して総延伸倍率6倍まで、一軸延伸した。混合水溶液(2)が、本発明の最後の工程に係る最終処理浴の混合水溶液に該当する。上記各例において用いた混合水溶液(2)を分光光度計((株)島津製作所製のUV‐3150)を用いて吸光スペクトルを測定し、I イオンに由来する波長350nm近傍の吸光度を測定したところ0であった。
(洗浄工程)
洗浄浴の処理液としては、ヨウ化カリウムを3重量%含有する水溶液を用いた。上記処理されたポリビニルアルコールフィルムを洗浄浴に搬送し、30℃に調整した当該水溶液に、10秒間浸漬した。
(乾燥工程)
次いで、上記処理されたポリビニルアルコール系フィルムを、60℃のオーブンで4分間乾燥して、偏光子を得た。
実施例2〜5、比較例1〜3
実施例1において、延伸工程の処理液に用いた混合水溶液(2)に配合した水溶性酸化防止剤の種類および濃度を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同条件で偏光子を作製した。比較例1では、水溶性酸化防止剤を混合水溶液(2)に配合していない。また実施例1と同様にして、各例で用いた混合水溶液(2)の波長350nm近傍の吸光度を測定した。結果を表1示す。
(評価)
実施例および比較例で得られた偏光子の光学特性を以下の方法により測定した。結果を表1に示す。
<光学特性測定方法>
偏光子の光学特性を、積分球付き分光光度計(日本分光(株)製のV7100)にて測定した。各直線偏光に対する透過率はグランテラ‐プリズム偏光子を通して得られた完全偏光を100%として測定した。
単体透過率は、波長550nmで測定した値である。
波長410nmのコントラスト(Cr410nm)は、波長410nmの平行透過率(Tp410nm)と波長410nmの直交透過率(Tc410nm)下記式の計算式によって求めた。
コントラスト(Cr410nm)=平行透過率(Tp410nm)/直交透過率(Tc410nm
なお、これらの透過率は、JlSZ 8701の2度視野(C光源)により、視感度補正を行ったY値である。
Figure 0005420519
<耐久性>
実施例1および比較例1で得られた偏光子について耐久性を以下の方法で評価した。
積分球付き分光光度計(日本分光(株)製のV7100)により各偏光子の直交色相a、bを測定した(初期値)。次に、この偏光子を80℃の乾燥雰囲気に2時間放置して耐久性試験を行った。そして、耐久性試験後の偏光子について改めて、直交色相a、bを測定した(試験後の値)。耐久性試験前の直交色相aとb(初期値)から、耐久性試験後の直交色相aとb(試験後の値)を引いた値を、それぞれΔaとΔbとした。
Δa=(直交色相aの初期値)‐(直交色相aの試験後の値)
Δb=(直交色相bの初期値)‐(直交色相bの試験後の値)
さらに、ΔaとΔbから、式: Δab=Δa×Δb、により前記全体の色差Δabを求めた。
Δabの値が大きいほど、加熱時における変色の度合いが大きいものと判断することができる。
実施例1で得られた偏光子はΔab=0.0067であった。
比較例1で得られた偏光子はΔab=1.014であった。

Claims (9)

  1. ポリビニルアルコール系フィルムに、染色浴中での染色工程、架橋浴中での架橋工程および延伸浴中での延伸工程を少なくとも施す偏光子の製造方法において、
    前記染色工程、架橋工程および延伸工程のいずれか少なくとも1つの工程に係る処理浴は、ヨウ化化合物およびホウ素化合物を含有する混合水溶液を有し、かつ、
    前記染色工程、架橋工程および延伸工程のなかで、前記混合水溶液が用いられる最後の工程に係る最終処理浴の混合水溶液は、ヨウ化化合物およびホウ素化合物の他に、0.00002〜0.015重量%の水溶性酸化防止剤(但し、クエン酸を除く)を含有することを特徴とする偏光子の製造方法。
  2. 前記最後の工程に係る最終処理浴の混合水溶液は、波長350nm近傍における吸光度が3以下であることを特徴とする請求項1記載の偏光子の製造方法。
  3. 前記染色工程、架橋工程および延伸工程は、染色工程を施した後に、架橋工程および延伸工程が施されることを特徴とする請求項1または2記載の偏光子の製造方法。
  4. 前記混合水溶液が用いられる最後の工程が、架橋工程または延伸工程であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の偏光子の製造方法。
  5. 前記水溶性酸化防止剤が、アスコルビン酸、エリソルビン酸、クロロゲン酸、ロスマリン酸およびこれらの塩のいずれか少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏光子の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られた偏光子。
  7. 請求項6記載の偏光子の少なくとも片面に、透明保護フィルムを有することを特徴とする偏光板。
  8. 請求項6記載の偏光子または請求項7記載の偏光板を有すことを特徴とする光学フィルム。
  9. 請求項6記載の偏光子、請求項7記載の偏光板または請求項8記載の光学フィルムを有することを特徴とする画像表示装置。
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