JP5419049B2 - 微小構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、微小構造体及びその製造方法に関し、例えばTi3+を含む酸化物(以下、これを単に酸化チタンと呼ぶ)を有する微小構造体に適用して好適なものである。
例えば、酸化チタンの代表であるTiは、種々の興味深い物性を有する相転移材料であり、例えば金属―絶縁体転移や、常磁性―反強磁性転移が起こることが知られている。また、Tiは、赤外線吸収や、熱電効果、磁気電気(ME)効果等も知られており、加えて、近年、磁気抵抗(MR)効果も見出されている。このような、様々な物性は、バルク体(〜μmサイズ)でのみ研究されており(例えば、非特許文献1参照)、そのメカニズムは未だ不明な部分も多い。
Hitoshi SATO,他,JORNALOF THE PHYSICAL SOCIETY OF JAPAN Vol.75,No.5,May,2006,pp.053702/1-4
ところで、このような酸化チタンの従来における合成方法は、真空中において、約1600℃で焼成したり、約700℃でTiOを炭素還元したり、約1000℃でTiO,H,TiClを焼成することでバルク体として合成されてきた。そして、これまでにTi3+を含むTiOのナノ微粒子(nmサイズ)の報告例はなく、ナノ微粒子化することにより新規物性の発現が期待される。
そこで、本発明は上記の問題点に鑑み、従来にない新規な物性を発現し得る微小構造体及びその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、非イオン性ポリマー界面活性剤を含有した界面活性溶液と、ペルオキソチタン酸水溶液との混合溶液に沈殿した沈殿物を基に前駆体粉末が生成され、この前駆体粉末が焼成されることにより生成されたTiからなるナノサイズの微小構造を有することを特徴とするものである。
また、請求項2に係る発明は、前記界面活性溶液にはシラン化合物が添加され、前記微小構造がナノロッド構造であることを特徴とするものである。
また、請求項3に係る発明は、非イオン性ポリマー界面活性剤を含有した界面活性溶液と、ペルオキソチタン酸水溶液とを混合することにより混合溶液を作製する溶液作製工程と、前記混合溶液内に沈殿した沈殿物を前記混合溶液から分離して前駆体粉末を生成する生成工程と、前記前駆体粉末を所定の水素雰囲気下で所定時間焼成することにより、Tiからなる微小構造体を生成する焼成工程とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項4に係る発明は、前記溶液作製工程で用いる前記界面活性溶液にはシラン化合物を添加し、前記生成工程により生成される前記微小構造体がナノロッド構造を有することを特徴とするものである。
本発明の請求項1及び3によれば、Tiからなり、従来にない微小な構造に形成された新規な物性を発現し得る微小構造体及びその製造方法を提供できる。
また、本発明の請求項2及び4によれば、Tiからなり、従来にない微小なナノロッド状に形成された新規な物性を発現し得る微小構造体及びその製造方法を提供できる。
本発明の第1の実施の形態による焼成粉末の写真と、微小構造体を示す概略図である。 第1の実施の形態による前駆体粉末の製造工程を示す概略図である。 前駆体粉末を示すTEM像である。 前駆体粉末と焼成粉末とを示す写真である。 第1の実施の形態による前駆体粉末を800℃、850℃及び900℃で焼成することで生成された各焼成粉末のTEM像である。 第1の実施の形態による前駆体粉末を800℃、850℃及び900℃で焼成することで生成された各焼成粉末のXRDパターンを示すグラフである。 第1の実施の形態による各焼成粉末の可視光吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態による微小構造体を示すSEM像である。 第2の実施の形態による前駆体粉末の製造工程を示す概略図である。 第2の実施の形態による前駆体のSEM像である。 第2の実施の形態による前駆体のTEM像である。 第2の実施の形態による前駆体粉末を800℃、850℃及び900℃で焼成することで生成された各微小構造体のTEM像である。 第2の実施の形態による前駆体粉末を800℃、850℃及び900℃で焼成することで生成された各焼成粉末のXRDパターンを示すグラフである。 第2の実施の形態による各焼成粉末の可視光吸収スペクトルを示すグラフである。
2,21 微小構造体
3 ペルオキソチタン酸錯体
4 トリブロックコポリマー
22 シラン化合物
以下本発明の好適な実施形態について説明する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)第1の実施の形態による微小構造体の構成
図1は、複数の微小構造体2からなる暗青色の焼成粉末1の写真を示す。第1の実施の形態による微小構造体2は、球状の粒子であり、その粒子径が約25〜100nm程度のナノサイズに形成され、マグネリ構造のTiの組成を有する。本発明による微小構造体2は、従来から知られている酸化物のバルク体(以下、これを従来結晶と呼ぶ)と異なり、ナノサイズにまでナノ微粒子化できた点に特徴を有している。
(1−2)第1の実施の形態による微小構造体の製造方法
具体的には、先ず始めに、Ti粉末にHとアンモニア水とを加え、黄色透明な(NH)[Ti(O)(OH)]の溶液(以下、これをペルオキソチタン酸水溶液と呼ぶ)が得られるまで撹拌する。このペルオキソチタン酸水溶液内には、図2に示すようなペルオキソチタン酸錯体([Ti(O)(OH))3が生成され得る。
また、これとは別に、非イオン性ポリマー界面活性剤であるトリブロックコポリマー4を水に溶解した溶液(以下、これを界面活性溶液と呼ぶ)を作製する。因みにこのトリブロックコポリマー4は、親水性のポリ(エチレンオキシド)鎖間に疎水性のポリ(プロピレンオキシド)鎖が配置された構造(ポリ(エチレンオキシド)-ポリ(プロピレンオキシド)-ポリ(エチレンオキシド))を有し、例えば商品名プロニックF68(MP Biochemicals社)[(PEO80−PPO30−PEO80)]([HO(CHCHO)80(CHCHCHO)30(CHCHO)80H])が用いられる。
次いで、ペルオキソチタン酸水溶液に界面活性溶液を加えて混合し、室温で所定時間撹拌することにより混合溶液を作製する(ステップSP1)。続いて、混合溶液を室温で所定時間静置する(ステップSP2)。そして、溶液を70℃温浴で加熱をし、過酸化水素を溶液中から追い出す(ステップSP2)。その後、この混合溶液にエタノールを加えることにより、混合溶液内に黄色の沈殿物を生成する(ステップSP3)。
次いで、遠心分離によって混合溶液から沈殿物を採取してエタノールで洗浄した後、乾燥させることにより(ステップSP4)、黄色の前駆体粉末5を生成する。最後に、所定の水素雰囲気下、所定の温度で数時間この前駆体粉末5を焼成することにより、Tiからなるナノ微粒子状の微小構造体2を作製できる。
(1−3)第1の実施の形態による実施例
上述した製造方法に従って具体的に作製した本発明による微小構造体2について、種々の検証試験を行った。先ず始めに、この検証試験に用いる微小構造体2の具体的な製造方法を説明した後、各検証結果について説明する。
(1−3−1)第1の実施の形態による微小構造体の作製
先ず始めに下記の数1に示すように、2.0g(42(mmol)のTi粉末に、160mLの30%Hと、40mLの28%アンモニア水(NH水溶液)とを加えた後、氷浴中(0〜5℃)で約2時間撹拌することにより、ペルオキソチタン酸錯体([Ti(O)(OH))3を含有した黄色透明なペルオキソチタン酸水溶液を作製した。
Figure 0005419049
また、これとは別に、非イオン性ポリマー界面活性剤であるトリブロックコポリマー4(商品名プロニックF68(MP Biochemicals社)[(PEO80−PPO30−PEO80)])を、80mLの水に2g(0.24mmol)溶解して界面活性溶液を作製した。
次いで、ペルオキソチタン酸水溶液に界面活性溶液を加えて、室温で約2〜4時間撹拌することにより混合し、混合溶液を作製した(図2のステップSP1)。続いて、この混合溶液を室温で約18時間静置した(ステップSP2)。そして、溶液を70℃温浴で加熱をし、過酸化水素を溶液中から追い出した(ステップSP2)。その後、60〜70mlのエタノールを混合溶液に加えた(ステップSP3)。これにより混合溶液内には黄色の沈殿物が生成された。
次いで、約5分間、4000回転/分の回転速度でこの混合溶液を3〜4回遠心分離することにより沈殿物を分離して採取した。続いてこの採取した沈殿物を3〜4回エタノールで洗浄した後、60℃で12分間乾燥させて黄色の前駆体粉末5を生成した。この前駆体粉末5については、図3に示すような透過型顕微鏡(TEM(Transmission Electron Microscope))像を得た。この前駆体粉末5は、TEM像から、ペルオキソチタン酸錯体3がトリブロックコポリマー4のフレームワーク中に均等に分散していることが確認できた。
次に、この製造方法に従って3つの前駆体粉末5を生成し、水素流量3L/minの水素雰囲気下で約5時間、800℃、850℃、900℃とそれぞれ異なる温度にて当該前駆体粉末5を焼成し、3つの焼成粉末1を作製した。ここで、図4(A)は、焼成前である黄色の前駆体粉末5を撮像した写真であり、図4(B)は、前駆体粉末を焼成した後である暗青色の焼成粉末1を撮像した写真である。
(1−3−2)検証結果
次に、これら3つの焼成粉末1についてTEM像を確認した。図5(A)は、前駆体粉末5を800℃で焼成したときに得られた焼成粉末1のTEM像である。図5(B)は、前駆体粉末5を850℃で焼成したときに得られた焼成粉末1のTEM像である。図5(C)は、前駆体粉末5を900℃で焼成したときに得られた焼成粉末1のTEM像である。
図5(A)、(B)及び(C)のTEM像から、800℃の焼成で得られた微小構造体2では粒子径が約25nmとなり、850℃の焼成で得られた微小構造体2では粒子径が約50nmとなり、900℃で焼成した微小構造体2では粒子径が約100nmとなることが確認できた。このように、微小構造体2は、焼成する温度を上げてゆくと、粒子径が大きくなることが確認できた。従って、粒径が小さい微小構造体2を作製する場合には、前駆体粉末5を焼成する温度を下げることが好ましいことが分かった。
次に800℃、850℃及び900℃で前駆体粉末5を焼成することで生成された各焼成粉末1のXRD(X-ray diffraction)パターンについてそれぞれ調べた。その結果、図6に示すような結果が得られた。なお、図6では800℃、850℃及び900℃の各温度表示の下に、該当するXRDパターンが記載されている。
図6に示すように、800℃で前駆体粉末5を焼成することにより生成された焼成粉末1は、三斜晶系のTiに帰属することが確認できた。このことから前駆体粉末を800℃の低い温度で焼成しても、Tiが形成できることが確認できた。
また、850℃又は900℃で前駆体粉末5を焼成して得られた焼成粉末1も、図6に示すような各XRDパターンから、Tiに帰属することが確認できた。このことから本発明による微小構造体2は、前駆体粉末5を焼成する際の温度として、800〜900℃の広い温度範囲で生成できることが確認できた。
(1−3−3)各焼成粉末の可視光吸収スペクトル
次に、上述した800℃、850℃及び900℃で前駆体粉末5を焼成することで生成された3つの焼成粉末1の可視光吸収スペクトルをそれぞれ測定したところ、図7に示すような結果が得られた。なお、ここでは、各焼成粉末1の反射率Rを分光測色計で測定し、その測定結果である反射率Rを用いてクベルカ・ムンク(Kubelka-Munk)式により算出値を求め、その算出値を図7の縦軸に示した。なお、クベルカ・ムンク式は、Kubelka-Munk function/au=(1-R)2/2Rで表され、試料の光吸収を拡散反射光より求める式である。この図7の結果から、各焼成粉末1では、650nm付近にTiIIIのd-d遷移(2B2g 2A1g,2B1g)が確認された。
(1−4)動作及び効果
以上の構成において、本発明による製造方法では、ペルオキソチタン酸水溶液に界面活性溶液を加えて作製した混合溶液にエタノールを加えて沈殿物を生成して、混合溶液から採取した沈殿物を乾燥させることにより前駆体粉末5を生成し、この前駆体粉末5を所定温度で焼成処理する。
これにより、この製造方法では、単相のTiからなり、ナノサイズに形成された微小構造体2を作製できる。このようにして製造された単相のTiからなる微小構造体2は、従来結晶と異なり、ナノサイズにまで微粒子化させることができると共に、従来にない微小構造を有する。
(2)第2の実施の形態
(2−1)第2の実施の形態による微小構造体の構成
図8は第2の実施の形態による微小構造体21のSEM(Scanning Electron Microscope)像である。この微小構造体21は、円筒状のナノロッドからなる点で第1の実施の形態とは相違しており、長さが約数μm、直径が約100〜500nmに形成され、マグネリ構造のTiの組成を有する。本発明による微小構造体21は、従来から知られている従来結晶と異なり、ナノサイズにまで微小化したナノロッド状に形成されている点に特徴を有している。
この微小構造体21は、第1の実施の形態における製造過程において、テトラエトキシシラン(TEOS((CO)Si))等のシラン化合物が界面活性溶液に添加されることにより製造され得る。そして、このような単相のTiからなるナノロッド構造の微小構造体21は以下のような製造方法により作製できる。
(2−2)第2の実施の形態による微小構造体の製造方法
先ず始めに、Ti粉末にHとアンモニア水とを加え、黄色透明な(NH)[Ti(O)(OH)]の溶液(すなわち、ペルオキソチタン酸水溶液)が得られるまで撹拌する。このペルオキソチタン酸水溶液内には、図9に示すようなペルオキソチタン酸錯体([Ti(O)(OH))3が生成され得る。
また、これとは別に第2の実施の形態では、非イオン性ポリマー界面活性剤であるトリブロックコポリマー4を水に溶解した溶液(すなわち、界面活性溶液)に、テトラエトキシシラン(TEOS)等のシラン化合物22を添加する。
その後の製造工程は上述した第1の実施の形態と同様であり、図9に示すように、ペルオキソチタン酸水溶液に界面活性溶液を加えて混合し、室温で所定時間撹拌することにより混合溶液を作製する(ステップSP11)。続いて、混合溶液を室温で所定時間静置する(ステップSP12)。その後、この混合溶液にエタノールを加えることにより、混合溶液内に黄色の沈殿物を生成する(ステップSP13)。
また、遠心分離によって混合溶液から沈殿物を採取してエタノールで洗浄した後、乾燥させることにより(ステップSP14)、ナノロッド状に形成された複数の前駆体23からなる黄色の前駆体粉末を生成する。最後に、所定の水素雰囲気下、所定の温度で数時間この前駆体粉末を焼成することにより、Tiからなるナノロッド構造の微小構造体21を作製できる。
(2−3)第2の実施の形態による実施例
上述した製造方法に従って具体的に作製した第2の実施の形態による微小構造体21について、種々の検証試験を行った。先ず始めに、この検証試験に用いる微小構造体1の具体的な製造方法を説明した後、各検証結果について説明する。
(2−3−1)第2の実施の形態による微小構造体の作製
この場合、先ず始めに上述した数1に示すように、2.0g(42(mmol)のTi粉末に、160mLの30%Hと、40mLの28%アンモニア水とを加えた後、氷浴中(0〜5℃)で約2時間撹拌することにより、ペルオキソチタン酸錯体([Ti(O)(OH))3を含有した黄色透明なペルオキソチタン酸水溶液を作製した。
また、これとは別に、非イオン性ポリマー界面活性剤であるトリブロックコポリマー4(商品名プロニックF68(MP Biochemicals社)[(PEO80−PPO30−PEO80)])を2g(0.24mmol)、テトラエトキシシラン(TEOS)を0.23mol、80mLの水に溶解して界面活性溶液を作製した。
次いで、ペルオキソチタン酸水溶液に界面活性溶液を加えて、室温で約4時間撹拌することにより混合し、混合溶液を作製した(図9のステップSP11)。続いて、この混合溶液を室温で約18時間静置した(ステップSP12)。その後、60〜70mlのエタノールを混合溶液に加えた(ステップSP13)。これにより混合溶液内には黄色の沈殿物が生成された。
次いで、約5分間、4000回転/分の回転速度でこの混合溶液を3〜4回遠心分離することにより沈殿物を分離して採取した。続いてこの採取した沈殿物を3〜4回エタノールで洗浄した後、60℃で12分間乾燥させて黄色の前駆体粉末を生成した。ここで、図10は、前駆体粉末における前駆体23のSEM像であり、図11(A)及び(B)は、前駆体23のTEM像である。図10のSEM像と、図11(A)及び(B)のTEM像から、この前駆体粉末の各前駆体23は、ナノサイズからなり、ロッド状(円筒形状)に形成されていることが確認できた。
次に、この製造方法に従って3つの前駆体粉末を生成し、水素流量3L/minの水素雰囲気下で約5時間、800℃、850℃、900℃とそれぞれ異なる温度にて当該前駆体粉末を焼成し、3つの焼成粉末を作製した。
(2−3−2)検証結果
次に、これら3つの焼成粉末についてTEM像を確認した。図12(A)は、前駆体粉末を800℃で焼成したときに得られた微小構造体21のTEM像である。図12(B)は、前駆体粉末を850℃で焼成したときに得られた微小構造体21のTEM像である。図12(C)は、前駆体粉末を900℃で焼成したときに得られた微小構造体21のTEM像である。これら図12(A)、(B)及び(C)のTEM像から、800℃、850℃又は900℃で前駆体粉末を焼成しても、前駆体23のロッド状の形状が保たれることが確認できた。また、この微小構造体21は、長さが約数μm、直径が約100〜500nmに形成されており、ナノロッド構造を有することが確認できた。因みに、上述した図8は前駆体粉末を850℃で焼成したときに得られた微小構造体21のSEM像である。
次に800℃、850℃及び900℃で前駆体粉末を焼成することで生成された各焼成粉末のXRDパターンについてそれぞれ調べた。その結果、図13に示すような結果が得られた。なお、図13では800℃、850℃及び900℃の各温度表示の下に、該当するXRDパターンが記載されている。
図13に示すように、800℃で前駆体粉末を焼成することにより生成された焼成粉末は、三斜晶系のTiに帰属することが確認できた。このことから前駆体粉末を800℃の低い温度で焼成しても、Tiからなる微小構造体21を形成できることが確認できた。
また、850℃又は900℃で前駆体粉末を焼成して得られた焼成粉末についても、図13に示すような各XRDパターンから、Tiに帰属することが確認できた。また、このことから本発明による微小構造体21は、前駆体粉末を焼成する際の温度として、800〜900℃の広い温度範囲で生成できることが確認できた。
なお、結晶相として、SiOのピークは観測されなかった。各焼成粉末についてICP−MS(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometer)測定を行った結果、Ti:SiOの質量比は、94:6wt%であった。
(2−3−3)各焼成粉末の可視光吸収スペクトル
次に、上述した850℃及び900℃で前駆体粉末5を焼成することで生成された3つの焼成粉末の可視光吸収スペクトルをそれぞれ測定したところ、図14に示すような結果が得られた。なお、ここでは、上述した第1の実施の形態と同様に、各焼成粉末の反射率Rを分光測色計で測定し、その測定結果である反射率Rを用いてクベルカ・ムンク(Kubelka-Munk)式により算出値を求め、その算出値を図14の縦軸に示した。この図14の結果から、各焼成粉末では、650nm付近にTiIIIのd-d遷移(2B2g 2A1g,2B1g)が確認された。
(2−4)動作及び効果
以上の構成において、本発明による第2の実施の形態における製造方法では、テトラエトキシシラン(TEOS)等のシラン化合物22を添加した界面活性溶液を、ペルオキソチタン酸水溶液に加えて作製した混合溶液に、エタノールを加えて沈殿物を生成して、混合溶液から採取した沈殿物を乾燥させることにより前駆体23を生成し、この前駆体23を所定温度で焼成処理する。
これにより、この製造方法では、単相のTiからなり、ナノサイズでロッド状に形成された微小構造体21を作製できる。このようにして製造された単相のTiからなる微小構造体21は、従来結晶と異なり、ナノサイズにまで微小化させたナノロッド構造を有すると共に、従来にない微小構造を有する。
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、例えばステップSP2及びステップSP12における混合溶液の静置時間や、前駆体粉末を焼成する温度、焼成時間等について本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。

Claims (4)

  1. 非イオン性ポリマー界面活性剤を含有した界面活性溶液と、ペルオキソチタン酸水溶液との混合溶液に沈殿した沈殿物を基に前駆体粉末が生成され、この前駆体粉末が焼成されることにより生成されたTiからなるナノサイズの微小構造を有する
    ことを特徴とする微小構造体。
  2. 前記界面活性溶液にはシラン化合物が添加され、
    前記微小構造がナノロッド構造である
    ことを特徴とする請求項1記載の微小構造体。
  3. 非イオン性ポリマー界面活性剤を含有した界面活性溶液と、ペルオキソチタン酸水溶液とを混合することにより混合溶液を作製する溶液作製工程と、
    前記混合溶液内に沈殿した沈殿物を前記混合溶液から分離して前駆体粉末を生成する生成工程と、
    前記前駆体粉末を所定の水素雰囲気下で所定時間焼成することにより、Tiからなる微小構造体を生成する焼成工程と
    を備えることを特徴とする微小構造体の製造方法。
  4. 前記溶液作製工程で用いる前記界面活性溶液にはシラン化合物を添加し、
    前記生成工程により生成される前記微小構造体がナノロッド構造を有する
    ことを特徴とする請求項3記載の微小構造体の製造方法。
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