JP5418128B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
センサ出力の校正は、正確な付着量を検出するために必要であり、幾つかの校正方法が開示されている。例えば、センサ内部に白色基準板を有し、定期的にこの白色基準板を用いてセンサ出力の校正を行う方法(特許文献5参照)や、正反射光と拡散反射光を検出する機構を有し、濃度の異なる複数のパッチを検出し、これらのセンサ出力の配列から内部の演算によって自己校正を行う方法(特許文献6参照)がある。
センサ出力のトナー付着量への変換としては、事前に実験的に求めてあるトナー付着量とセンサ出力(校正後)の関係式を用いて変換を行う方法が一般的である。
通常、画像形成装置は着脱可能なトナーカートリッジが備え付けられており、トナーカートリッジ内のトナーがなくなった場合、ユーザーがトナーカートリッジを交換する。しかし、トナー特性値は、トナーカートリッジの製造した時期や意図しない製造条件の変化などに依存するため、全く同じトナーを作成することはできず、トナー特性値が公差の範囲内でばらつくことがある。そして、大きくトナー特性値が変動したトナーを画像形成装置に供給すると、画像濃度制御が狙い通りに制御できなくなってしまう。つまり、光学センサによりトナー像を検知する画像形成装置では、検出出力がトナーの特性値によって変動してしまい、制御部がずれた画像濃度に合わせこんでしまうことがある。これにより、1000枚連続印刷中にトナーカートリッジを交換した場合には、1枚目と1000枚目で画像濃度が変動してしまう。特にPP市場では、一般オフィス市場と比較して、より高品質な画質が要望されており、このようなリピート濃度変動や1枚の中での左右の濃度差などが問題となり得る。特に新旧のトナーが混合している場合の検出出力のずれに関しては、解決策が開示されていないのが実情である。
以上を鑑みて、本発明は、トナー特性値がトナーボトルまたはプロセスカートリッジの交換により変動した場合であっても、新旧トナーの混在状態を勘案して画像形成装置の制御処理を行うことで、交換前後においても画像濃度を一定とし、高品質な画質を提供することを目的とする。
また、トナー特性値が大きく変動しても、画像形成装置側で画像濃度を一定に保つような制御が実行されるため、逆にトナー特性値の公差を広げることができ、トナーの歩留まりが向上してコストダウンが期待でき、さらには製造過程における廃棄トナーも減少する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例であるフルカラープリンタの概略を示す断面構成図である。
図1に示すフルカラープリンタの装置本体内の中央部には像担持体である4つのドラム状の感光体(感光体ドラムと言う)1Y,1M,1C,1Bkが等間隔で並列に配設されている。なお、Y,M,C,Bkは各々イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色を示す。ここではイエロー画像用の感光体ドラム1Yに着目して以下説明を行う。感光体ドラム1Yは図中時計回り方向に駆動モータ(図示せず)により回転駆動される。感光体1Yの下方側周囲には電子写真プロセスに従い画像形成を行うための帯電装置(図示の例では帯電ローラ)2、現像ローラ3を有する現像装置4、クリーニング装置7等の作像手段が順に配設されている。また、マゼンタ、シアン、ブラックの作像手段についても同様である。
トナー補給制御を行うトナー制御装置は、トナー濃度センサ5の出力値Vtをトナー濃度制御目標値Vtrefと比較し、その差分に応じてトナー補給量を演算式から算出し、トナー補給容器(トナーボトル)9に収納されているトナーを、トナー補給手段であるトナー補給装置17により現像装置4にトナー補給を行う。また、トナーボトル9には不揮発メモリ16が具備されている。不揮発メモリ16には、トナーボトル9内のトナーの特性値としてのトナー粒径、着色度、トナーボトルID情報としての製造番号、新品情報、リフィル情報、トナーボトル内のトナー残量情報である累積トナー補給量やトナー残量などが記憶されている。このように、トナーボトルにトナー特性値情報を記憶しておくことで、トナー特性値情報に応じて電位制御フロー内で処理を変更できるので、高品質な画質を提供することができる。
電位制御装置は、先ずトナー特性値の更新を行う。これについては後に詳細に説明する。次に、光学センサ10のLED光量の調整等を実行する。調整終了後、濃度の異なる複数のトナーパッチを感光体ドラム上に作像し、各トナーパッチの潜像電位を電位センサ30で検出し、検出した電位センサ出力から現像ポテンシャル(現像バイアスVbと潜像電位Vlの差)を求める。同時に、中間転写ベルト上において各トナーパッチの出力を光学センサ10で検知し、正確なトナー付着量を算出するために光学センサ10の感度を校正し、各トナーパッチの出力からトナー付着量を算出する。また、このときの画像形成装置本体内の温湿度を図示しない温湿度センサで検知し、現像装置4内のトナー濃度をトナー濃度センサ5で検知する。
(1)ベルト地肌部とBkトナーの階調パターンの正反射光出力をサンプリングし、
(2)正規化値を算出し、
正規化値 = (階調パターンの正反射出力)/(ベルト地肌部の正反射出力)×100
=Vsp_reg/Vsg_reg×100
Vsp・・・各階調パターンの出力電圧
Vsg・・・中間転写ベルト8の地肌部の出力電圧
_reg.・・・正反射光出力(Regular Reflectionの略)
(3)予め求めた「付着量」と「正規化値」の関係から、付着量変換処理を行う。
ここで、本発明は、(3)の付着量と正規化値の関係をトナー特性値に応じて変更することに特徴を有する。
(1)階調パターンの正反射光出力および拡散反射光出力をサンプリングし、
(2)正反射光出力を「正反射光成分」と「拡散反射光成分」とに成分分解することにより、「正反射光成分」のみを抽出し、
(3)拡散反射光出力から「ベルト地肌部からの拡散反射光成分」を除去することにより、「トナーからの拡散光成分」を抽出し、
(4)(2)、(3)により求めた互いに独立する(交差する)2つの出力変換値の付着量に対する1次線形関係を利用し、正反射光による付着量検知が可能な付着量範囲(低付着量域)において、ある正反射光出力変換値(または付着量)の拡散反射光出力変換値がある値となるように、拡散反射光出力変換値を感度補正することにより、付着量に対する拡散反射光出力(補正値)を一義的に定め、
(5)拡散反射光出力補正値に20を乗じて正規化値に変換し、
(6)予め求めた「付着量」と「正規化値」の関係から、付着量変換処理を行う。
以上のような一連の電位制御フローでは図示しないが、検出値全てに対して適正な出力範囲が予め決定されており、適正な出力範囲外であればマシン動作を異常停止する異常停止手段を備える。出力異常の場合には、通知手段によって異常をユーザーやサービスマンに通知できるようになっている。
さて、本実施例では、図7,8に示すような予め実験により取得したトナー粒径Dvに依存した正規化値とトナー付着量の関係を、図示しない装置本体の不揮発メモリに保存してある。正規化値は、0から100までの整数であって、トナー付着量と一対一の関係になる値である。トナー粒径Dvの水準は、中心値と公差上下限値のトナー粒径を含むものであり、図7,8では、中心値はDv=5.0μm、上限値はDv=6.5μm、下限値はDv=4.3μmで表わされている。そして、装置本体の不揮発メモリ内に格納されたこのトナー粒径Dvの情報と、このトナー濃度センサ5に付随した不揮発メモリ(図示せず)またはトナーボトル9に付随した不揮発メモリ16内のトナー粒径情報を基に、新旧トナーの混在状態における現像装置4内のトナーの正規化値と付着量の関係の算出を行う。
粒径が中心値5.0μmより大きい場合
MAdev[n] = (MAup[n]−MAc[n])×(Gdev−Gc)/(Gup−Gc) + MAc[n]
粒径が中心値5.0μm以下の場合
MAdev[n] = (MAlow[n]−MAc[n])×(Gdev−Gc)/(Glow−Gc) + MAc[n]
粒径が中心値5.0μmより大きい場合
MAbot[n] = (MAup[n]−MAc[n])×(Gdev−Gc)/(Gup−Gc) + MAc[n]
粒径が中心値5.0[μm]以下の場合
MAbot[n] = (MAlow[n]−MAc[n])×(Gdev−Gc)/(Glow−Gc) + MAc[n]
ここで、添え字botはトナーボトルを示す。算出されたMAbot[n]は、同様に画像形成装置内の不揮発メモリに格納する。
印刷毎に更新されるトナー補給量累積値Ts(mg)と初期トナー重量Mt(mg)を用いて現像装置内におけるボトルトナー割合R(%)は以下のようになる。
R(%) = Ts/(Mt+Ts)×100
Mt=(初期トナー重量)
プロセスカートリッジを交換、またはプロセスカートリッジおよびトナーボトルを同時に交換したとき:
Mt=(初期トナー重量)
トナーボトル交換したとき:
Mt=(Mt−S×M/A)+Ts
ここで、M/Aは、装置本体に保存してある目標トナー付着量M/A(mg/cm2)、Sは、印刷ごとに更新される書き込み画像面積累積値S(cm2)である。現像装置4内のボトルトナー割合R(%)の算出後には100(%)で上限処理を行う。
MAnow[n] = MAbot[n]×R/100+(1−R/100)×MAdev[n]
つまり、トナーを消費するに従ってボトルトナー割合Rが増えていくので、右辺第一項が大きくなり、ボトルトナーの新トナーの寄与が増えていく。一方、現像装置内の旧トナーは減少していくので、それに伴い右辺第2項が小さくなり、現像装置内の旧トナーの寄与が減っていく。現在の正規化値と付着量の関係式MAnow[n]についても、装置本体の不揮発メモリに保存する。
画像形成の際同一のトナー付着量に制御できたとしても、トナーボトル毎にトナーの着色度が異なっている場合があるため、新旧トナーの混在状態においてはトナーの着色度の変化によって画像濃度が変動してしまうことがある。そこで、本実施例では、トナー濃度センサ5の不揮発メモリ(図示せず)とトナーボトル9の不揮発メモリ16に着色度情報が格納されており、これらを用いて新旧トナーの混在状態における現在の着色度を算出し、これを用いて目標トナー付着量を補正する。ここで、着色度とは、所定のトナー付着量を印刷した場合の紙上の画像濃度である。本実施例での所定の付着量は0.45(mg/cm2)である。
Cnow = Cbot×R/100+(1−R/100)×Cdev
ここで、Cは着色度を示し、添え字botはトナーボトルを示し、devは現像装置を示す。したがって、Cbotはトナーボトル内トナーの着色度を示し、Cdevは現像装置内トナーの着色度を示す。着色度Cnowも同様に、トナーを消費するに従ってボトルトナーの割合Rが増えていくので、ボトルトナーの新トナーの寄与が増えていく(第一項が大きくなる)。一方、現像装置内の旧トナーは減少しているので、それに伴い第2項の寄与が小さくなっていく。現在の着色度Cnowについても、装置本体の不揮発メモリに保存する。Cdevはトナー濃度センサ5の不揮発メモリ内の値を用いる。
図中右半分の直線は、電位制御装置100の制御フロー内で求められた現像ポテンシャルとトナー付着量の関係を示す。■は、ブラック(Bk)のトナーパッチに対するプロットであり、▲は、シアン(C)のトナーパッチに対するプロットである。
図中左半分の曲線は、装置本体の不揮発メモリに記憶してある着色度に応じた目標付着量の関係を示す。例えば、一番右上のプロットは、着色度1.2の場合に所定の画像濃度を得るためには付着量が0.5375(mg/cm2)必要であることを意味する。上記関係から、本実施例での所定の目標付着量の補正を行う。具体的には、目標付着量を0.45(mg/cm2)から、着色度Cnowが1.2の場合には0.5375(mg/cm2)に変更する。このように、先ほど算出した着色度Cnowを用いて、目標トナー付着量を算出(補正)し、電位制御装置100の制御フロー内で求めてある現像能力(現像ポテンシャルとトナー付着量の関係)から、最適な現像ポテンシャルを求める(図中右半分)。
このように、最適な現像ポテンシャルを求め、これからそのときのトナー特性値に応じた現像バイアス、帯電バイアス、露光光量といった最適な作像条件を求めることができるので、画像濃度のより一層安定した画像形成が実現される。
トナーボトルが交換された場合、図11に示すように、トナーボトル内のトナー情報を更新する必要があるので、MAbot[n]を更新する。一方、着色度Cnowについては不揮発メモリから値を参照するので何もしない。また、図11に示すように、現在のMAnow[n]、Cnowを現像装置内のMAdev[n]、Cdevに代入しておく。この操作は、トナーボトルなどの交換後に、現像装置に入っている混合状態のトナーを1種類のトナーとみなしていることに対応する。ここで、Cdevは現像装置4内の不揮発メモリに保存する。
尚、何らかの交換を行ったフローの最後には必ず、新旧トナー割合R、書き込み画像面積累積値S、トナー補給量累積値Tsをクリアし、同時に旧トナー重量Mtを計算する。
また、このような画像形成装置においては、従来の画像濃度安定性を維持したまま、トナー特性値の公差を広げることができる。これにより、トナーの歩留まりが向上し、トナー製法または素材選定の幅が広がるためトナーや装置のコストダウンが期待できる。
トナーボトルの交換時は、本実施例におけるトナー情報の更新フローは、図15に示すフローとなり、これは実施例1における図11のフローと同じである。交換時に入っているトナーの特性値に更新を行うので、安定した画像濃度を提供することが可能である。通常、プロセスカートリッジよりもトナーボトルの交換が多いので、本実施例2のみでも画像濃度が安定する。
そしてフローの最後に、新旧トナー割合R、画像面積累積値S、トナー補給量累積値Tsをクリアし、同時に旧トナー重量Mtを計算する。
2 帯電装置
3 現像ローラ
4 現像装置
6 1次転写装置
8 中間転写ベルト(転写搬送部材)
9 トナーボトル(トナー収容手段)
10 光学センサ(トナー像検知手段)
16 不揮発メモリ(記憶手段)
17 トナー補給装置(トナー搬送手段)
Claims (7)
- 像担持体と、現像剤収容部を備え該像担持体にトナー像を形成する現像装置と、トナー像を検知するトナー像検知手段と、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたトナー収容手段と、該トナー収容手段に付随する第1の記憶手段と、前記現像剤収容部に付随する第2の記憶手段と、前記トナー像検知手段が検出したトナー像の検出値に基づいて画像濃度を適正に制御する制御手段とを有する画像形成装置において、
前記トナー収容手段のトナーは、トナー搬送手段を介して前記現像装置の前記現像剤収容部に供給され、
前記第1の記憶手段は、前記トナー収容手段におけるトナー粒径に関するデータを有し、
前記第2の記憶手段は、前記現像剤収容部における初期のトナー粒径に関するデータを有し、
前記第1の記憶手段および前記第2の記憶手段におけるトナー粒径に関するデータを考慮して、前記制御手段は、前記トナー像検知手段が検出したトナー像の検出値を現在のトナー付着量に変換することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記トナー像検知手段が検出したトナー像の検出値を現在のトナー付着量と正規化値の関係に変換する第1のアルゴリズムを有し、該第1のアルゴリズムにおいて、変換の際に前記記憶手段のデータの1つであるトナー粒径を用い、このトナー付着量と正規化値の関係を用いてトナー像の検出値をトナー付着量に変換することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2に記載の画像形成装置において、
前記トナー収容手段が交換された後、前記制御手段は、前記第1のアルゴリズムにおいて、前記現像剤収容部の現像剤全体における新たなトナーの割合を表す新旧トナー入れ替わり割合をさらに算出し、
前記制御手段は、算出された該新旧トナー入替わり割合と前記トナー粒径とに基づいて、前記トナー像検知手段が検出したトナー像の検出値をトナー付着量と正規化値の関係に変換することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記トナー検知手段が検知したトナー像の検出値から、前記現像装置に印加する現像バイアスと前記像担持体へ露光する露光装置の露光光量とを制御する第2のアルゴリズムを有し、該第2のアルゴリズムにおいて、前記記憶手段のデータの1つである、所定の付着量のトナーを転写紙上に形成した場合の画像濃度である着色度を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記トナー像検知手段は、光学的にトナー像を検知する、発光素子と受光素子を有する光学センサであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記トナー像検知手段は、定着装置を通過する前の未定着のトナー像を検知することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の像形成装置において、
前記トナー像検知手段は、転写紙を搬送する転写搬送部材上に転写されたトナー像であるトナーパッチを検知することを特徴とする画像形成装置。
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