JP5417873B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン及びモータを有する駆動源と、ベルトプーリ式の無段変速機とを備えると共に、モータのクランキングによってエンジン始動するハイブリッド車両の制御装置に関するものである。
従来、エンジンとモータ/ジェネレータとを有する駆動源の下流位置に変速機を配置し、このモータ/ジェネレータのクランキングによってエンジン始動するハイブリッド車両において、エンジン停止時のクランク角度からエンジンの再始動に必要な時間を求め、その時間内で変速機に必要な油圧を確保できるようにエンジン停止中の保持油圧を設定するハイブリッド車両の制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001-27138号公報
ところで、従来のハイブリッド車両の制御装置において、変速機としてベルトプーリ式の無段変速機を適用し、低温下においてPレンジでエンジン始動を行う場合、低温のためにCVTオイル(作動油)の粘度が高くなり、無段変速機の変速機入力軸に入力されるトルクが大きくなって、プライマリプーリに入力されるトルクも大きくなる。
また、CVTオイル粘度が高いことにより、エンジン始動後にエンジン回転数が上昇する時間よりも、無段変速機の油圧が規定値に達するまでの時間の方が長くなる。この状態では、プライマリプーリ油圧及びセカンダリプーリ油圧を十分に確保することができず、変速機入力トルクがベルト狭圧トルクよりも大きくなり、プーリとプーリベルトとの間に大きな滑りが生じる。そして、この滑りによって発生した摩擦熱によりプーリベルトが凝着するという問題が生じていた。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、プーリベルトの滑りを抑制し、プーリベルトのプーリへの凝着を防ぎながらエンジン始動を行うことができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、エンジンとその下流側に配置されたモータとを有する駆動源の下流側に配置されると共に、一対のプーリと該一対のプーリ間に掛け渡されたプーリベルトとを有し、作動油圧力により制御される無段変速機と、エンジンとモータとの間の動力伝達を断接する第1クラッチを締結し、モータによるクランキングでエンジン始動を行うエンジン始動制御手段と、を備えたハイブリッド車両の制御装置であって、無段変速機におけるベルト狭圧トルクを演算する狭圧トルク演算手段と、無段変速機に入力する変速機入力トルクを演算する入力トルク演算手段と、を備えている。そして、エンジン始動制御手段は、ベルト狭圧トルクと変速機入力トルクとに基づいてモータの回転数制御を実行し、モータ回転数がエンジン始動可能回転数に達したらエンジン始動を行う。
よって、本発明のハイブリッド車両の制御装置にあっては、エンジン始動制御手段において、ベルト狭圧トルクと変速機入力トルクとに基づいてモータの回転数制御を実行しつつ、モータ回転数がエンジン始動可能回転数に達したらエンジン始動がなされる。
これにより、例えば低温下において作動油粘度が高くなっている場合等、エンジン始動時における作動油によって確保できるベルト狭圧トルクに対応して変速機入力トルクを調整することができ、プーリベルトの滑りを抑制し、プーリベルトのプーリへの凝着を防ぎながらエンジン始動を行うことができる。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置が適用された前輪駆動によるFFハイブリッド車両(車両の一例)を示す全体システム図である。 実施例1のハイブリッド車両の制御装置が適用されたFFハイブリッド車両のオイルコントローラにて実行される演算処理を示す制御ブロック図である。 オイルコントローラにおいて設定されるプライマリプーリ入力トルク特性と、プライマリ狭圧トルク特性と、ベルト凝着限界パワー特性との関係を示すマップである。 実施例1のオイルコントローラにて実行されるエンジン始動制御処理のステップS1〜ステップS8までの流れを示すフローチャートである。 実施例1のオイルコントローラにて実行されるエンジン始動制御処理のステップS9〜ステップS19までの流れを示すフローチャートである。 実施例1のオイルコントローラにて実行されるエンジン始動制御処理のステップS20〜ステップS28までの流れを示すフローチャートである。 実施例1のオイルコントローラにて実行されるエンジン始動制御処理のステップS29〜ステップS35までの流れを示すフローチャートである。 実施例1のオイルコントローラにて実行されるエンジン始動制御処理のステップS36〜ステップS42までの流れを示すフローチャートである。
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1のハイブリッド車両の制御装置が適用されたFFハイブリッド車両(ハイブリッド車両の一例)を示す全体システム図である。以下、図1に基づいて、駆動系および制御系の構成を説明する。
実施例1のFFハイブリッド車両の駆動系は、図1に示すように、エンジンEngと、第1クラッチCL1と、モータ/ジェネレータMGと、機械式オイルポンプO/Pと、第2クラッチCL2と、無段変速機CVTと、ファイナルギアFGと、ディファレンシャルDFと、左ホイールシャフトWSLと、右ホイールシャフトWSRと、左前輪FL(駆動輪)と、右前輪FR(駆動輪)と、を有する。なお、M/O/Pは電動オイルポンプであり、S/Mは電動オイルポンプM/O/Pを駆動するサブモータである。
実施例1のFFハイブリッド車両の駆動系は、電気自動車走行モード(以下、「EVモード」という。)と、ハイブリッド車走行モード(以下、「HEVモード」という。)と、準電気自動車走行モード(以下、「準EVモード」という。)と、駆動トルクコントロール発進モード(以下、「WSCモード」という。)等の走行モードを有する。
前記「EVモード」は、第1クラッチCL1を開放状態とし、モータ/ジェネレータMGの動力のみで走行するモードである。前記「HEVモード」は、第1クラッチCL1を締結状態とし、モータアシスト走行モード・走行発電モード・エンジン走行モードの何れかにより走行するモードである。前記「準EVモード」は、第1クラッチCL1が締結状態であるがエンジンEngをOFFとし、モータ/ジェネレータMGの動力のみで走行するモードである。前記「WSCモード」は、「HEVモード」からのP,N→Dセレクト発進時、または、「EVモード」や「HEVモード」からのDレンジ発進時等において、モータ/ジェネレータMGを回転数制御させることで第2クラッチCL2のスリップ締結状態を維持し、第2クラッチCL2を経過するクラッチ伝達トルクが、車両状態やドライバー操作に応じて決まる要求駆動トルクとなるようにクラッチトルク容量をコントロールしながら発進するモードである。なお、「WSC」とは「Wet Start clutch」の略である。
前記エンジンEngは、希薄燃焼可能であり、スロットルアクチュエータによる吸入空気量とインジェクタによる燃料噴射量と、点火プラグによる点火時期の制御により、エンジントルクが指令値と一致するように制御される。
前記第1クラッチCL1は、エンジンEngとモータ/ジェネレータMGとの間の位置に介装される。この第1クラッチCL1としては、例えば、ダイアフラムスプリングによる付勢力にて常時締結(ノーマルクローズ)の乾式クラッチが用いられ、エンジンEng〜モータ/ジェネレータMG間の締結/半締結/開放を行なう。この第1クラッチCL1が完全締結状態ならモータトルク+エンジントルクが第2クラッチCL2へと伝達され、開放状態ならモータトルクのみが、第2クラッチCL2へと伝達される。なお、半締結/開放の制御は、油圧アクチュエータに対するストローク制御にて行われる。
前記モータ/ジェネレータMGは、交流同期モータ構造であり、発進時や走行時に駆動トルク制御や回転数制御を行うと共に、制動時や減速時に回生ブレーキ制御による車両運動エネルギーのバッテリー(図示せず)への回収を行なうものである。
前記第2クラッチCL2は、モータ/ジェネレータMGと無段変速機CVTとの間の位置に介装される。この第2クラッチCL2としては、ノーマルオープンの湿式多板クラッチが用いられ、クラッチ油圧(押付力)に応じて伝達トルク(クラッチトルク容量)が発生する。この第2クラッチCL2は、エンジンEngおよびモータ/ジェネレータMG(第1クラッチCL1が締結されている場合)から出力されたトルクを、無段変速機CVTおよびファイナルギアFGを介して左右前動輪(左右駆動輪)FL,FRへと伝達する。
なお、第2クラッチCL2としては、図1に示すように、モータ/ジェネレータMGと無段変速機CVTの間の位置に設定する以外に、無段変速機CVTと左右前動輪FL,FRの間の位置に設定しても良い。
前記無段変速機CVTは、変速機入力軸inputに接続したプライマリプーリPrPと、変速機出力軸outputに接続したセカンダリプーリSePと、プライマリプーリPrPとセカンダリプーリSePとの間に架け渡されたプーリベルトBEと、を有するベルト式無段変速機である。
プライマリプーリPrPは、変速機入力軸inputに固定された固定シーブと、変速機入力軸inputに摺動自在に支持された可動シーブと、を有している。セカンダリプーリSePは、変速機出力軸outputに固定された固定シーブと、変速機出力軸outputに摺動自在に支持された可動シーブと、を有している。
プーリベルトBEは、プライマリプーリPrPとセカンダリプーリSePとの間に巻き掛けられた金属ベルトであり、それぞれの固定シーブと可動シーブとの間に狭持される。ここでは、固定シーブと可動シーブとのそれぞれに接する傾斜面を両側にもった多数のエレメントを重ね、薄板を層状に重ねると共に円環状に形成したリング2組を、エレメントの両側に挟み込ませることで構成された、いわゆるVDT型ベルトを使用している。
そして、プライマリプーリPrPの可動シーブの背面、及びセカンダリプーリSePの可動シーブの背面には油圧アクチュエータがそれぞれ配置されており、オイルコントローラ10からの油圧指令値を受けた油圧調整回路11から作動油が供給されて各可動シーブを摺動させることにより両プーリPrP,SePのプーリ幅を変更し、プーリベルトBEの挟持面の径を変更して変速比(プーリ比)を自在に制御する。
ここで、プライマリプーリPrPのプーリ幅が広くなると共に、セカンダリプーリSePのプーリ幅が狭くなると変速比がLow側に変化する。また、プライマリプーリPrPのプーリ幅が狭くなると共に、セカンダリプーリSePのプーリ幅が広くなると変速比がHigh側に変化する。
前記機械式オイルポンプO/Pは、前記モータ/ジェネレータMGの出力軸の回転駆動力により作動するポンプであり、例えば、ギアポンプやベーンポンプ等が用いられる。ここでは、モータ/ジェネレータMGの出力軸に取り付けられたポンプギアPGにチェーンChを介してポンプ入力ギアPGinが接続している。また、オイルポンプとしては、機械式オイルポンプO/P以外にサブモータS/Mの回転駆動力によって作動する電動オイルポンプM/O/Pが設けられている。
そして、この機械式オイルポンプO/Pと電動オイルポンプM/O/Pは、第1,第2クラッチCL1,CL2への制御圧及び無段変速機CVTへの制御圧を作り出す油圧源となっている。この油圧源では、機械式オイルポンプO/Pからの吐出油量が十分であるときはサブモータS/Mを停止して電動オイルポンプM/O/Pを停止させ、機械式オイルポンプO/Pからの吐出油圧が低下すると、サブモータS/Mを駆動して電動オイルポンプM/O/Pのモータを作動させて電動オイルポンプM/O/Pからも作動油吐出するように切り替えられる。 実施例1のFFハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、モータ回転数センサ(第2クラッチ入力回転数センサ)1と、プライマリ回転数センサ(第2クラッチ出力回転数センサ=変速機入力軸回転数センサ)2と、セカンダリ回転数センサ(変速機出力軸回転数センサ)3と、プーリストロークセンサ4と、CVT油温センサ5と、機械式オイルポンプ油圧センサ6と、電動オイルポンプ油圧センサ7と、プライマリ油圧センサ8と、セカンダリ油圧センサ9と、オイルコントローラ10と、油圧調整回路11と、を備えている。
なお、実施例1のFFハイブリッド車両の制御系は、図示しないが、直流/交流の変換を行い、モータ/ジェネレータMGの駆動電流を生成する高電圧インバータ、モータ/ジェネレータMGからの回生エネルギーを、上記高電圧インバータを介して蓄積する高電圧バッテリ、車両全体の消費エネルギーを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担う統合コントローラ等、をも備えている。
前記モータ回転数センサ1は、モータ/ジェネレータMGの出力回転数(以下、モータ回転数という)Nmを検出する回転数センサである。前記プライマリ回転数センサ2は、第2クラッチCL2を介して出力されて無段変速機CVTのプライマリプーリPrPに入力する変速機入力軸inputの回転数(以下、プライマリ回転数という)Nminを検出する回転数センサである。前記セカンダリ回転数センサ3は、無段変速機CVTのセカンダリプーリSePから出力する変速機出力軸outputの回転数(以下、セカンダリ回転数という)Nmoutを検出する回転数センサである。
前記プーリストロークセンサ4は、プライマリプーリPrPの可動シーブの位置(以下、プーリストロークという)を検出するセンサである。前記CVT油温センサ5は、無段変速機CVTに供給される油温、すなわちプライマリプーリPrPの可動シーブの背面、及びセカンダリプーリSePの可動シーブの背面に配置された油圧アクチュエータに供給される作動油温度(以下、CVT油温という)を検出する温度センサである。
前記機械式オイルポンプ油圧センサ6は、機械式オイルポンプO/Pから出力される作動油圧力(以下、機械式オイルポンプ油圧という)を検出する油圧センサである。前記電動オイルポンプ油圧センサ7は、電動オイルポンプM/O/Pから出力される作動油圧力(以下、電動オイルポンプ油圧という)を検出する油圧センサである。前記プライマリ油圧センサ8は、プライマリプーリPrPに供給される作動油圧力(以下、プライマリ油圧という)を検出する油圧センサである。前記セカンダリ油圧センサ9は、セカンダリプーリSePに供給される作動油圧力(以下、セカンダリ油圧という)を検出する油圧センサである。
そして、前記オイルコントローラ10は、上記各センサ1〜9からの情報を入力すると共に、油圧調整回路11へ第1クラッチ油圧指令値、第2クラッチ油圧指令値、プライマリ油圧指令値、セカンダリ油圧指令値を出力し、モータ/ジェネレータMGへモータ/ジェネレータ回転数指令値を出力し、サブモータS/Mへサブモータ回転数指令値を出力する。
油圧調整回路11は、機械式オイルポンプO/P又は電動オイルポンプM/O/Pから高圧の作動油が供給されると共に、供給された作動油の圧力を元圧(ライン圧)としてオイルコントローラ10からの油圧指令値に基づいて、第1クラッチCL1、第2クラッチCL2、プライマリプーリPrP、セカンダリプーリSePのそれぞれに適切な油圧と油量のオイルを供給する。
図2は、実施例1の制御装置が適用されたFFハイブリッド車両のオイルコントローラにおいて、エンジン始動時に実行されるエンジン始動時演算処理を示す制御ブロック図である。図3は、オイルコントローラにおいて設定されるプライマリプーリ入力トルク特性と、プライマリ狭圧トルク特性と、ベルト凝着限界パワー特性との関係を示すマップである。以下、図2及び図3に基づき、実施例1のオイルコントローラ10にて実行されるエンジン始動時演算処理を説明する。
前記オイルコントローラ10は、図2に示すように、狭圧トルク演算部(狭圧トルク演算手段)100と、プーリ入力トルク演算部(変速機入力トルク演算手段)200と、実狭圧トルク演算部(狭圧トルク演算手段)300と、動作点指令部(エンジン始動制御手段)400とを有する。
前記狭圧トルク演算部100では、以下の演算を実行する。
・プライマリ回転数Nminとセカンダリ回転数Nmoutとから、プーリベルトBEの巻付半径比を算出する。
・上記巻付半径比からプライマリプーリ巻付半径を算出し、このプライマリプーリ巻付半径及びモータ回転数Nmから、プライマリ狭圧トルク特性を設定する。なお、このプライマリ狭圧トルク特性は、例えば、図3においてIで示す特性図となる。
・上記巻付半径比からセカンダリプーリ巻付半径を算出し、このセカンダリプーリ巻付半径及びモータ回転数Nmから、セカンダリ狭圧トルク特性を設定する。
前記プーリ入力トルク演算部200では、以下の演算を実行する。
・第2クラッチから出力されたトルクとCVT油温との相関を予め計測し、記憶しておき、現在のCVT油温に応じた第2クラッチCL2を介して出力されたトルク特性(以下、第2クラッチせん断トルク特性という)を設定する。
・無段変速機CVTの変速機入力軸inputのフリクショントルクとCVT油温との相関を予め計測し、記憶しておき、現在のCVT油温に応じた無段変速機CVTの変速機入力軸inputのフリクショントルク特性(以下、入力軸フリクショントルク特性という)を設定する。
・第2クラッチせん断トルク特性から入力軸フリクショントルク特性を減算してプライマリプーリ入力トルク(変速機入力トルク)特性を設定する。なお、このプライマリプーリ入力トルク特性は、例えば、図3においIIで示す特性図となる。また、このプライマリプーリ入力トルク特性は、CVT油温が高い場合には図3においてIVで示す特性図となる。
・プーリベルトBEの巻付半径比から演算した無段変速機CVTの実変速比と、上記プライマリプーリ入力トルク特性とを乗算して、セカンダリプーリ入力トルク特性を設定する。
前記実狭圧トルク演算部300では、以下の演算を実行する。
・プライマリ油圧から、プライマリプーリPrPにおける実狭圧トルク(以下、プライマリ実狭圧トルクという)を算出する。
・セカンダリ油圧から、セカンダリプーリSePにおける実狭圧トルク(以下、セカンダリ実狭圧トルクという)を算出する。
前記動作点指令部400では、以下の演算を実行し、第1クラッチ油圧指令値、モータ/ジェネレータ回転数指令値、プライマリ油圧指令値、セカンダリ油圧指令値、サブモータ回転数指令値、第2クラッチ油圧指令値をそれぞれ出力する。
(1)第1クラッチ油圧指令値
・プライマリプーリ入力トルク特性(図3におけるII)と、プライマリ狭圧トルク特性(図3におけるI)との交点Pにおけるモータ/ジェネレータ回転数Nmを演算し、これをプーリベルトBEが滑らないプライマリプーリPrPにおけるモータ回転数上限値NmPmax1として設定する。
・セカンダリプーリ入力トルク特性と、セカンダリ狭圧トルク特性との交点におけるモータ/ジェネレータ回転数Nmを演算し、これをプーリベルトBEが滑らないセカンダリプーリSePにおけるモータ回転数上限値NmSmax1として設定する。
・上記プライマリプーリPrPにおけるモータ回転数上限値NmPmax1と、上記セカンダリプーリSePにおけるモータ回転数上限値NmSmax1とのうち小さい方を選択して、クランキング回転数Aとする。
・プーリベルトBEの潤滑等による放熱パワー又は熱容量に応じて、プーリベルトBEが凝着しないモータ回転数上限値を示すベルト凝着限界パワー特性を設定する。なお、このベルト凝着限界パワー特性は、例えば、図3においてIIIで示す特性図となる。
・プライマリ狭圧トルク特性(図3におけるI)と、上記ベルト凝着限界パワー特性(図3におけるIII)との交点Qにおけるモータ/ジェネレータ回転数Nmを演算し、これをプーリベルトBEの凝着限界まで滑りを許容できるプライマリプーリPrPにおけるモータ回転数上限値NmPmax2として設定する。
・上記プライマリプーリPrPにおけるモータ回転数上限値NmPmax2に、プーリベルトBEの巻付半径比から演算した無段変速機CVTの実変速比を乗算し、これをプーリベルトBEの凝着限界まで滑りを許容できるセカンダリプーリSePにおけるモータ回転数上限値NmPmax2として設定する。
・上記プライマリプーリPrPにおけるモータ回転数上限値NmPmax2と、上記セカンダリプーリSePにおけるモータ回転数上限値NmPmax2のうち小さい方を選択して、クランキング回転数Bとする。
・エンジン始動に必要なモータ/ジェネレータMGの回転数Nm(以下、エンジン始動可能下限回転数NmEngという)を演算し、通常時目標クランキング回転数Cとする。
・クランキングモードを次の手順により設定する。
1)上記エンジン始動可能下限回転数NmEng≦クランキング回転数Aの場合は、クランキングモードAとする。
2)クランキング回転数A<上記エンジン始動可能下限回転数NmEng≦クランキング回転数Bの場合は、クランキングモードBとする。
3)クランキング回転数B<上記エンジン始動可能下限回転数NmEngの場合は、クランニングモードCとする。
・クランキング開始指令を次の手順により出力する。
1)クランキングモードAのときは、モータ/ジェネレータ回転数Nm≧クランキング回転数Aになったらクランキング開始指令を出力する。
2)クランキングモードBのときは、モータ/ジェネレータ回転数Nm≧クランキング回転数Bになったらクランキング開始指令を出力する。
3)クランキングモードCのときは、モータ/ジェネレータ回転数Nm≧通常時目標クランキング回転数Cになったらクランキング開始指令を出力する。
・クランキング開始指令が出力されたら、クランキング時における第1クラッチCL1の締結油圧を演算し、第1クラッチ油圧指令値を出力する。
(2)モータ/ジェネレータ回転数指令値
・クランキング時におけるモータ/ジェネレータ回転数Nmを次の手順により設定する。
1)クランキングモードAのときは、クランキング回転数Aに設定する。
2)クランキングモードBのときは、クランキング回転数Bに設定する。
3)クランキングモードCのときは、通常時目標クランキング回転数Cに設定する。
・プライマリプーリ入力トルク特性と、プライマリ実狭圧トルクとから、プライマリプーリPrPの現在の狭圧トルクで、プーリベルトBEが滑らないプライマリプーリPrPにおけるモータ回転数上限値NmPmax3を設定する。
・セカンダリプーリ入力トルク特性と、セカンダリ実狭圧トルクとから、セカンダリプーリSePの現在の狭圧トルクで、プーリベルトBEが滑らないセカンダリプーリSePにおけるモータ回転数上限値NmSmax3を設定する。
・上記プライマリプーリPrPにおけるモータ回転数上限値NmPmax3と、上記セカンダリプーリSePにおけるモータ回転数上限値NmSmax3とのうち小さい方を選択して、クランキング回転数Dとする。
・モータ/ジェネレータ回転数指令値を次の手順により設定して出力する。
1)クランキングモードAのときは、クランキング回転数A又はクランキング回転数Dのうち小さい方をモータ/ジェネレータ回転数指令値として出力する。これにより、クランキング回転数が、プライマリ実狭圧トルク及びセカンダリ実狭圧トルクにより制限される。
2)クランキングモードBのときは、クランキング回転数Bをモータ/ジェネレータ回転数指令値として出力する。なお、クランキングモードBでは、プライマリ実狭圧トルク及びセカンダリ実狭圧トルクが低くてもベルト凝着が発生しないので、クランキング回転数を制限する必要がない。
3)クランキングモードCのときは、通常時目標クランキング回転数C又はクランキング回転数Dのうち小さい方をモータ/ジェネレータ回転数指令値として出力する。これにより、クランキング回転数が、プライマリ実狭圧トルク及びセカンダリ実狭圧トルクにより制限される。
(3)プライマリ油圧指令値
・モータ/ジェネレータ回転数指令値として出力されたクランキング回転数でモータ/ジェネレータMGが回転制御されたときのプライマリプーリ入力トルクを算出する。
・上記プライマリプーリ入力トルクがプライマリプーリPrPに入力された際に、プーリベルトBEが滑らないようにするために必要なプライマリ狭圧トルクを算出する。
・上記プライマリ狭圧トルクを実現するためのプライマリ油圧(以下、目標プライマリ油圧という)を算出し、プライマリ油圧指令として出力する。
(4)セカンダリ油圧指令
・モータ/ジェネレータ回転数指令値として出力されたクランキング回転数でモータ/ジェネレータMGが回転制御されたときのセカンダリプーリ入力トルクを算出する。
・上記セカンダリプーリ入力トルクがセカンダリプーリSePに入力された際に、プーリベルトBEが滑らないようにするために必要なセカンダリ狭圧トルクを算出する。
・上記セカンダリ狭圧トルクを実現するためのセカンダリ油圧(以下、目標セカンダリ油圧という)を算出し、セカンダリ油圧指令として出力する。
(5)サブモータ回転数指令値
・上記目標プライマリ油圧及び上記目標セカンダリ油圧を得るために必要なサブモータS/Mの必要回転数を算出する。
・クランキングモードCのときは、上記サブモータS/Mの必要回転数をサブモータ回転数指令値として出力する。
・機械式オイルポンプ油圧>電動オイルポンプ油圧となったら、サブモータS/Mを停止して電動オイルポンプM/O/Pを停止する。
・クランキングモードA及びクランキングモードBのときは、サブモータS/Mを停止しておき、電動オイルポンプM/O/Pを作動させない。
(6)第2クラッチ油圧指令値
モータ/ジェネレータMGから無段変速機CVTへのトルク伝達を十分に行うために必要な第2クラッチCL2の締結油圧を演算し、第2クラッチ油圧指令値を出力する。
図4A〜図4Dは、実施例1のオイルコントローラにて実行されるエンジン始動制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、図4A〜図4Dに示すフローチャートの各ステップについて説明する。
ステップS1では、プライマリ回転数Nminとセカンダリ回転数Nmoutとの回転数比(=変速比)からプーリベルトBEの巻付半径比を算出し、ステップS2へ進む。なお、無段変速機CVTが停止している場合には、停止直前の回転数比を保持して巻付半径比を算出する。
ステップS2では、プライマリ狭圧トルク特性を設定し、ステップS3へ進む。ここで、プライマリ狭圧トルク特性は、以下の手順により設定する。
1)プーリベルト巻付半径比からプライマリプーリ巻付半径を算出する。
2)モータ回転数Nmから機械式オイルポンプO/Pにて発生可能な油圧を演算する。
3)機械式オイルポンプO/Pにて発生可能な油圧から、プライマリ油圧の最大値を算出する。
4)プライマリ最大油圧値とプライマリプーリPrPのシリンダ面積とを乗算し、プライマリ狭圧力を算出する。
5)プライマリ狭圧力とプライマリプーリ巻付半径とを乗算し、プライマリ狭圧トルク特性を設定する。
ステップS3では、セカンダリ狭圧トルク特性を設定し、ステップS4へ進む。ここで、セカンダリ狭圧トルク特性は、以下の手順により設定する。
1)プーリベルト巻付半径比からセカンダリプーリ巻付半径を算出する。
2)モータ回転数Nmから機械式オイルポンプO/Pにて発生可能な油圧を演算する。
3)機械式オイルポンプO/Pにて発生可能な油圧から、セカンダリ油圧の最大値を算出する。
4)セカンダリ最大油圧値とセカンダリプーリSePのシリンダ面積とを乗算し、セカンダリ狭圧力を算出する。
5)セカンダリ狭圧力とセカンダリプーリ巻付半径とを乗算し、セカンダリ狭圧トルク特性を設定する。
ステップS4では、プライマリプーリ入力トルク特性を設定し、ステップS5へ進む。ここで、プライマリプーリ入力トルク特性は、以下の手順により設定する。
1)CVT油温に応じて変化する第2クラッチせん断トルク特性及び入力軸フリクショントルク特性を事前に計測し、オイルコントローラ10に記憶する。
2)現在のCVT油温に応じた第2クラッチせん断トルク特性及び入力軸フリクショントルク特性を設定する。
3)第2クラッチせん断トルク特性から入力軸フリクショントルク特性を減算し、プライマリプーリ入力トルク特性を設定する。
ステップS5では、セカンダリプーリ入力トルク特性を設定し、ステップS6へ進む。ここで、セカンダリプーリ入力トルク特性は、プーリベルトBEの巻付半径比から演算した無段変速機CVTの実変速比と、ステップS4にて設定したプライマリプーリ入力トルク特性とを乗算することで設定する。
ステップS6では、プライマリプーリPrPにおいて、プーリベルトBEが滑らないモータ回転数上限値NmPmax1を設定し、ステップS7へ進む。ここで、モータ回転数上限値NmPmax1は、プライマリプーリ入力トルク特性と、プライマリ狭圧トルク特性との交点におけるモータ/ジェネレータ回転数Nmとする。なお、CVT油温が高く、プライマリプーリ入力トルク特性とプライマリ狭圧トルク特性との交点が生じない場合には、モータ回転数Nmに拘らずプーリベルトBEの滑りが発生しないことを意味する。この場合、モータ回転数上限値NmPmax1として、エンジン始動可能下限回転数NmEngを設定する。
ステップS7では、セカンダリプーリSePにおいて、プーリベルトBEが滑らないモータ回転数上限値NmSmax1を設定し、ステップS8へ進む。ここで、モータ回転数上限値NmSmax1は、セカンダリプーリ入力トルク特性と、セカンダリ狭圧トルク特性との交点におけるモータ/ジェネレータ回転数Nmとする。なお、CVT油温が高く、セカンダリプーリ入力トルク特性とセカンダリ狭圧トルク特性との交点が生じない場合には、モータ回転数Nmに拘らずプーリベルトBEの滑りが発生しないことを意味する。この場合、モータ回転数上限値NmSmax1として、エンジン始動可能下限回転数NmEngを設定する。
ステップS8では、プライマリプーリPrP及びセカンダリプーリSePのいずれにおいても、プーリベルトBEが滑らないモータ回転数Nmを設定し、設定されたモータ回転数Nmをクランキング回転数Aとし、ステップS9へ進む。このクランキング回転数Aは、ステップS6で設定したモータ回転数上限値NmPmax1と、ステップS7で設定したモータ回転数上限値NmSmax1とのうち、小さい方を選択することで設定する。
ステップS9では、プライマリプーリPrPにおいて、プーリベルトBEの凝着限界まで滑りを許容できるモータ回転数上限値NmPmax2を設定し、ステップS10へ進む。ここで、モータ回転数上限値NmPmax2は、以下の手順により設定する。
1)プーリベルトBEの放熱パワー又は熱容量に応じてプーリベルトBEが凝着しない凝着限界パワーを算出する。
2)凝着限界パワーをプライマリ狭圧トルクにより除算してベルト凝着限界パワー特性を設定する。
3)プライマリ狭圧トルク特性と、ベルト凝着限界パワー特性との交点におけるモータ/ジェネレータ回転数Nmをモータ回転数上限値NmPmax2とする。
ステップS10では、セカンダリプーリSePにおいて、プーリベルトBEの凝着限界まで滑りを許容できるモータ回転数上限値NmSmax2を設定し、ステップS11へ進む。ここで、モータ回転数上限値NmSmax2は、モータ回転数上限値NmPmax2に、プーリベルトBEの巻付半径比から演算した無段変速機CVTの実変速比を乗算して設定する。
ステップS11では、プライマリプーリPrP及びセカンダリプーリSePのいずれにおいても、プーリベルトBEの凝着限界まで滑りを許容できるモータ回転数Nmを設定し、設定されたモータ回転数Nmをクランキング回転数Bとし、ステップS12へ進む。このクランキング回転数Bは、ステップS9で設定したモータ回転数上限値NmPmax2と、ステップS10で設定したモータ回転数上限値NmSmax2とのうち、小さい方を選択することで設定する。
ステップS12では、エンジン始動可能下限回転数NmEngがクランキング回転数A以下であるか否かを判断し、YES(クランキング回転数A以下)の場合はステップS13へ進み、NO(クランキング回転数Aより大きい)の場合はステップS15へ進む。
ステップS13では、クランキングモードAを設定し、ステップS14へ進む。なお、クランキングモードAは、プーリベルトBEを滑らせることなくエンジン始動できるモードである。設定されたクランキングモードはオイルコントローラ10にて記憶される。
ステップS14では、クランキング回転数としてクランキング回転数Aを設定し、ステップS20へ進む。
ステップS15では、エンジン始動可能下限回転数NmEngがクランキング回転数B以下であるか否かを判断し、YES(クランキング回転数B以下)の場合はステップS16へ進み、NO(クランキング回転数Bより大きい)の場合はステップS18へ進む。
ステップS16では、クランキングモードBを設定し、ステップS17へ進む。なお、クランキングモードBは、プーリベルトBEの凝着限界まで滑りを許容することでエンジン始動できるモードである。設定されたクランキングモードはオイルコントローラ10にて記憶される。
ステップS17では、クランキング回転数としてクランキング回転数Bを設定し、ステップS20へ進む。
ステップS18では、クランキングモードCを設定し、ステップS19へ進む。なお、クランニングモードCは、電動オイルポンプM/O/Pにより油圧を確保しなければ、エンジン始動することができないモードである。設定されたクランキングモードはオイルコントローラ10にて記憶される。
ステップS19では、クランキング回転数として通常目標クランキング回転数Cを設定し、ステップS20へ進む。なお、通常目標クランキング回転数Cは、エンジン始動可能下限回転数NmEngである。
ステップS20では、モータ/ジェネレータMGの回転数(モータ回転数Nm)がステップS14、ステップS17、ステップS19のいずれかで設定されたクランキング回転数に達したか否かを判断し、YES(クランキング回転数に達した)の場合はステップS21へ進み、NO(クランキング回転数に達しない)の場合はステップS24へ進む。
ステップS21では、第1クラッチCL1の締結に必要な油圧を算出し、ステップS22へ進む。
ステップS22では、ステップS21にて算出した必要油圧を満足する第1クラッチ油圧指令値を出力し、ステップS23へ進む。
ステップS23では、第1クラッチ油圧指令値が入力した油圧調整回路11より第1クラッチCL1を締結する油圧を供給し、第1クラッチCL1を締結してステップS24へ進む。なお、第1クラッチCL1が締結することでモータ/ジェネレータMGのトルクがエンジンEngへ伝達され、エンジンEngをモータ/ジェネレータMGを用いてクランキングする。ステップS20〜ステップS23により、モータ回転数Nmがクランキング可能な回転数に到達してから第1クラッチCL1を締結してクランキングすることとなる。
ステップS24では、プライマリ実狭圧トルクを算出し、ステップS25へ進む。ここで、プライマリ実狭圧トルクは、現在のプライマリ油圧をもとに算出する。
ステップS25では、セカンダリ実狭圧トルクを算出し、ステップS26へ進む。ここで、セカンダリ実狭圧トルクは、現在のセカンダリ油圧をもとに算出する。
ステップS26では、プライマリプーリPrPにおいて、現在の狭圧トルクでプーリベルトBEが滑らないモータ回転数上限値NmPmax3を設定し、ステップS27へ進む。なお、現在の狭圧トルクとは、ステップS24にて算出したプライマリ実狭圧トルクである。
ステップS27では、セカンダリプーリSePにおいて、現在の狭圧トルクでプーリベルトBEが滑らないモータ回転数上限値NmSmax3を設定し、ステップS28へ進む。なお、現在の狭圧トルクとは、ステップS25にて算出したプライマリ実狭圧トルクである。
ステップS28では、現在の狭圧トルクで、プライマリプーリPrP及びセカンダリプーリSePのいずれにおいても、プーリベルトBEが滑らないモータ回転数Nmを設定し、設定されたモータ回転数Nmをクランキング回転数Dとし、ステップS29へ進む。このクランキング回転数Dは、ステップS26で設定したモータ回転数上限値NmPmax3と、ステップS27で設定したモータ回転数上限値NmSmax3とのうち、小さい方を選択することで設定する。
ステップS29では、ステップS13、ステップS16、ステップS18のいずれかで設定されたクランキングモードに応じたモータ/ジェネレータ回転数指令値を出力し、ステップS30へ進む。ここで、モータ/ジェネレータ回転数指令値は以下の手順により設定する。
1)クランキングモードAの場合:クランキング回転数A又はクランキング回転数Dのうち小さい方をモータ/ジェネレータ回転数指令値とする。
2)クランキングモードBの場合:クランキング回転数Bをモータ/ジェネレータ回転数指令値とする。
3)クランキングモードCの場合:クランキング回転数C又はクランキング回転数Dのうち小さい方をモータ/ジェネレータ回転数指令値とする。
ステップS30では、ステップS29において指令されたクランキング回転数におけるプライマリプーリ入力トルクを算出し、ステップS31へ進む。
ステップS31では、ステップS30において算出されたプライマリプーリ入力トルクが、プライマリプーリPrPに入力した時に、プーリベルトBEを滑らせないために必要なプライマリ狭圧トルクを算出し、ステップS32へ進む。
ステップS32では、ステップS31において算出されたプライマリ狭圧トルクを実現するための目標プライマリ油圧を算出してプライマリ油圧指令として出力し、ステップS33へ進む。
ステップS33では、ステップS29において指令されたクランキング回転数におけるセカンダリプーリ入力トルクを算出し、ステップS34へ進む。ここで、セカンダリプーリ入力トルクは、ステップS30にて算出されたプライマリプーリ入力トルクにプーリベルトBEの巻付半径比から算出した無段変速機CVTの実変速比を乗算することで算出できる。
ステップS34では、ステップS33において算出されたセカンダリプーリ入力トルクが、セカンダリプーリSePに入力した時に、プーリベルトBEを滑らせないために必要なセカンダリ狭圧トルクを算出し、ステップS35へ進む。
ステップS35では、ステップS34において算出されたセカンダリ狭圧トルクを実現するための目標セカンダリ油圧を算出してセカンダリ油圧指令として出力し、ステップS36へ進む。
ステップS36では、クランキングモードCであるか否かを判断し、YES(クランキングモードC)の場合にはステップS37へ進み、NO(クランキングモードC以外)の場合にはステップS42へ進む。
ステップS37では、ステップS32にて算出した目標プライマリ油圧及びステップS35にて算出した目標セカンダリ油圧を得られるサブモータS/Mの必要回転数を算出し、ステップS38へ進む。
ステップS38では、ステップS37にて算出したサブモータS/Mの必要回転数をサブモータ回転数指令値として出力し、ステップS39へ進む。
ステップS39では、ステップS38にて出力されたサブモータ回転数指令値に基づいてサブモータS/Mを回転させ、電動オイルポンプM/O/Pを作動してステップS40へ進む。
ステップS40では、機械式オイルポンプO/Pの吐出油圧の方が電動オイルポンプM/O/Pの吐出油圧よりも大きいか否かを判断し、YES(機械式オイルポンプ油圧の方が大きい)の場合にはステップS41へ進み、NO(電動オイルポンプ油圧の方が大きい)の場合にはステップS39を繰り返す。
ステップS41では、機械式オイルポンプ油圧が十分上昇したと判断し、電動オイルポンプM/O/Pを停止してステップS42へ進む。
ステップS42では、エンジンEngが始動したか否かを判断し、YES(エンジン始動)の場合には、エンドへ進んでエンジン始動制御処理を終了し、NO(エンジン未始動)の場合には、1(ステップS20)へ進む。
次に、作用を説明する。
実施例1のFFハイブリッド車両の制御装置における作用を、「ベルト滑り防止時エンジン始動制御作用」、「ベルト凝着防止時エンジン始動制御作用」、「油圧確保時エンジン始動制御作用」に分けて説明する。
[ベルト滑り防止時エンジン始動制御作用]
図1に示すFFハイブリッド車両においてエンジン始動するには、まず、図4A〜図4Dに示すフローチャートにおいて(以下同様)、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進み、プーリベルトBEの狭圧トルク特性を設定する。
次に、ステップS4→ステップS5へと進み、第2クラッチCL2を介して無段変速機CVTに入力されるプーリ入力トルク特性を設定する。このとき、プライマリプーリ入力トルク特性は、第2クラッチせん断トルク特性から入力軸フリクショントルク特性を減算して設定する。
そして、ステップS6→ステップS7→ステップS8へと進み、無段変速機CVTにおいてプーリベルトBEが滑らないモータ回転数(クランキング回転数A)を設定し、エンジン始動に必要なモータ/ジェネレータMGの回転数が、クランキング回転数Aよりも小さければ、すなわちステップS12においてYESであれば、ステップS13→ステップS14→ステップS20→ステップS21→ステップS22→ステップS23へと進む。
これにより、第2クラッチCL2を介して無段変速機CVTに入力されるプーリ入力トルクよりも、無段変速機CVTにおける狭圧トルクが大きい状態を維持するようにモータ/ジェネレータMGの回転数制御を実行した状態でクランキングし、エンジン始動することができる。そのため、プーリベルトBEの滑りを抑制し、プーリベルトBEのプライマリプーリPrP及びセカンダリプーリSePへの凝着を防ぎながらエンジン始動を行うことができる。
なお、実施例1のFFハイブリッド車両の制御装置では、プーリ入力トルク演算部において、プライマリプーリ入力トルクは、CVT油温及びモータ/ジェネレータ回転数Nmに基づいて演算される。そのため、CVT油温に応じた適切なプライマリプーリ入力トルクの演算を行うことができ、エンジン始動制御を精度良く実行することができる。
また、実施例1のFFハイブリッド車両の制御装置では、第2クラッチせん断トルク特性から入力軸フリクショントルク特性を減算することにより、プライマリプーリ入力トルク特性を設定し、このプライマリプーリ入力トルク特性に実変速比を乗算してセカンダリプーリ入力トルク特性を設定している。すなわち、入力軸フリクションを加味してプーリ入力トルクを設定することとなる。一方、入力軸フリクションを加味しないでプーリ入力トルクを設定する場合では、実入力トルク(実際に無段変速機CVTに入力されるトルク)よりも高いトルクが入力されたとし、そのときにプーリベルトBEが滑るモータ回転数が演算される。そのため、プーリベルトBEが滑らないモータ回転数上限値が低く設定されることになる。
これにより、エンジン始動に必要なクランキング回転数が得られない場合や、エンジン始動に時間がかかることが懸念されるが、入力軸フリクションを加味してプーリ入力トルクを設定することで、モータ/ジェネレータMGの回転数制御の目標値を高め、エンジンEngのクランキング回転数を高くして、エンジン始動時間の短縮を図ることができる。
[ベルト凝着防止時エンジン始動作用]
図1に示すFFハイブリッド車両において、プーリベルトBEが凝着しない程度にプーリベルトBEの滑りを許容した状態でエンジン始動するには、まず、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進み、プーリベルトBEの狭圧トルク特性を設定する。
次に、ステップS4→ステップS5へと進み、第2クラッチCL2を介して無段変速機CVTに入力されるプーリ入力トルク特性を設定する。このとき、プライマリプーリ入力トルク特性は、第2クラッチせん断トルク特性から入力軸フリクショントルク特性を減算して設定する。
そして、ステップS9→ステップS10→ステップS11へと進み、無段変速機CVTにおいてプーリベルトBEの凝着限界まで滑りを許容できるモータ回転数(クランキング回転数B)を設定し、エンジン始動に必要なモータ/ジェネレータMGの回転数が、クランキング回転数Bよりも小さければ、すなわちステップS15においてYESであれば、ステップS16→ステップS17→ステップS20→ステップS21→ステップS22→ステップS23へと進む。
これにより、無段変速機CVTにおけるベルト凝着パワーよりも、無段変速機CVTにおける狭圧トルクが大きい状態を維持するようにモータ/ジェネレータMGの回転数制御を実行した状態でクランキングし、エンジン始動することができる。そのため、プーリベルトBEの滑りを許容しつつ、ベルト凝着を防止するので、プーリベルトBEのプライマリプーリPrP及びセカンダリプーリSePへの凝着を防ぎながら、エンジン始動時間の短縮を図りつつエンジン始動することができる。
[油圧確保時エンジン始動制御作用]
図1に示すFFハイブリッド車両において、プーリベルトBEの滑りを防止できる油圧を確実に確保した状態でエンジン始動するには、モータ/ジェネレータMGのクランキング回転数がエンジン始動可能下限回転数NmEngのとき(ステップS36においてYESのとき)、ステップS37→ステップS38→ステップS39へと進む。
これにより、エンジン始動に必要な回転数でモータ/ジェネレータMGを回転制御したときに生じるプーリ入力トルクと、その時にプーリベルトBEが滑らないための必要狭圧トルクとから、必要な油圧を求め、その必要油圧を確保するためにサブモータS/Mを回転制御することで、プーリベルトBEが滑らないベルト狭圧力を確保した状態でエンジン始動することができる。そのため、プーリベルトBEの凝着を防止しながら、エンジン始動時間の短縮を図りつつエンジン始動することができる。
また、図1に示すFFハイブリッド車両の制御装置のエンジン始動制御では、ステップS40において、機械式オイルポンプO/Pの吐出油圧と電動オイルポンプM/O/Pと吐出油圧との大きさを比較し、機械式オイルポンプ油圧が大きければステップS41へと進んで、サブモータS/Mの駆動を停止して電動オイルポンプM/O/Pを停止する。
そのため、機械式オイルポンプO/Pにより必要油圧を確保できる状態になれば、速やかに電動オイルポンプM/O/Pを停止することができ、消費電力の低減を図ることができる。
さらに、図1に示すFFハイブリッド車両の制御装置のエンジン始動制御では、ステップS24→ステップS25→ステップS26→ステップS27→ステップS28→ステップS29へと進み、実際に無段変速機CVTに供給されている油圧から実狭圧トルクを算出し、この実狭圧トルクに応じてプーリベルトBEが滑らないモータ回転数を求め、最終的に出力されるモータ/ジェネレータ回転数指令値を上記実狭圧トルクに応じて求められたモータ回転数によって制限して出力する。
この結果、CVT油温が低くて実油圧の応答性が悪い場合であっても、実際に発生した油圧に応じてモータ回転数を制限することで、プーリ入力トルクが制限され、プーリベルトBEの滑りを抑制しつつ、エンジン始動することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) エンジンEngとその下流側に配置されたモータ(モータ/ジェネレータ)MGとを有する駆動源と、前記エンジンEngと前記モータMGとの間の動力伝達を断接する第1クラッチCL1と、前記駆動源の下流側に配置されると共に、一対のプーリ(プライマリプーリPrP,セカンダリプーリSeP)と該一対のプーリPrP,SeP間に掛け渡されたプーリベルトBEとを有し、作動油圧力により制御される無段変速機CVTと、前記駆動源と前記無段変速機CVTとの間の動力伝達を断接する第2クラッチCL2と、前記第1クラッチCL1を締結し、前記モータMGによるクランキングでエンジン始動を行うエンジン始動制御手段(動作点指令部)400と、を備えたハイブリッド車両の制御装置において、前記無段変速機CVTにおけるベルト狭圧トルクを演算する狭圧トルク演算手段(狭圧トルク演算部,実狭圧トルク演算部)100,300と、前記無段変速機CVTに入力する変速機入力トルクを演算する入力トルク演算手段(プーリ入力トルク演算部)200と、を備え、前記エンジン始動制御手段400は、前記ベルト狭圧トルクと前記変速機入力トルクとに基づいて前記モータMGの回転数制御を実行し、モータ回転数がエンジン始動可能回転数に達したら、前記モータMGによるクランキングでエンジン始動を行う構成とした。このため、プーリベルトBEの滑りを抑制し、プーリベルトBEのプライマリプーリPrP及びセカンダリプーリSePへの凝着を防ぎながらエンジン始動を行うことができる。
(2) 前記入力トルク演算手段200は、作動油温度(CVT油温)及び前記モータMGの回転数に基づいて前記変速機入力トルクを演算する構成とした。このため、作動油温に応じた適切な変速機入力トルクの演算を行うことができ、エンジン始動制御を精度良く実行することができる。
(3) 前記入力トルク演算手段200は、前記第2クラッチCL2を介して出力されたトルクから前記無段変速機CVTの入力軸フリクショントルクを減算することにより、前記変速機入力トルクを演算する構成とした。このため、モータMGの回転数制御の目標値を高め、エンジンEngのクランキング回数を高くして、エンジン始動時間の短縮を図ることができる。
(4) 前記狭圧トルク演算手段100は、前記モータMGの回転数及び前記一対のプーリPrP,SePの回転数に基づいて前記ベルト狭圧トルクを演算し、前記エンジン始動制御手段400は、前記変速機入力トルクよりも前記ベルト狭圧トルクが大きい状態を維持するように前記モータMGの回転数制御を実行する構成とした。このため、プーリベルトBEが滑らないようにし、このプーリベルトBEのプライマリプーリPrP及びセカンダリプーリSePへの凝着を防ぎながらエンジン始動を行うことができる。
(5) 前記狭圧トルク演算手段100は、前記モータMGの回転数及び前記一対のプーリPrP,SePの回転数に基づいて前記ベルト狭圧トルクを演算し、前記エンジン始動制御手段400は、前記変速機入力トルクよりも前記ベルト狭圧トルクが小さい状態であって、前記プーリベルトBEが凝着限界になるときのモータMGの回転数を維持するように前記モータMGの回転数制御を実行する構成とした。このため、ベルト凝着限界までプーリベルトBEの滑りを許容しつつ、エンジン始動を行うことができ、プーリベルトBEの滑りを抑制して、プーリベルトBEのプライマリプーリPrP及びセカンダリプーリSePへの凝着を防ぎながらエンジン始動を行うことができる。また、エンジン始動時間の短縮を図ることができる。
(6) 前記モータMGによって作動されて油圧供給を行う機械式オイルポンプO/Pと、サブモータS/Mによって作動されて油圧供給を行う電動オイルポンプM/O/Pと、を備え、前記狭圧トルク演算手段100は、前記モータMGの回転数及び前記一対のプーリPrP,SePの回転数に基づいて前記ベルト狭圧トルクを演算し、前記エンジン始動制御手段400は、前記サブモータS/Mによって前記電動オイルポンプM/O/Pを駆動して前記ベルト狭圧トルクを上げると共に、前記プーリ入力トルクよりも前記狭圧トルクが大きい状態を維持するように前記モータの回転数制御を実行する構成とした。このため、プーリベルトがBEが滑らないベルト狭圧力を確保した状態でエンジン始動することができ、プーリベルトBEの凝着を防止しながら、エンジン始動時間の短縮を図ることができる。
(7) 前記エンジン始動制御手段400は、前記機械式オイルポンプO/Pの吐出油圧が前記電動オイルポンプM/O/Pの吐出油圧よりも大きくなったら、前記サブモータS/Mの駆動を停止して前記電動オイルポンプM/O/Pを停止する構成とした。このため、機械式オイルポンプO/Pにより必要油圧を確保できる状態になれば、速やかに電動オイルポンプM/O/Pを停止することができ、消費電力の低減を図ることができる。
(8) 前記狭圧トルク演算手段300は、前記一対のプーリPrP,SePへの供給油圧に基づいて前記ベルト狭圧トルク(実狭圧トルク)を演算し、前記エンジン始動制御手段400は、前記変速機入力トルクよりも前記ベルト狭圧トルク(実狭圧トルク)が大きい状態を維持するように前記モータMGの回転数制御を実行する構成とした。このため、作動油温度が低くて実油圧の応答性が低い場合であっても、実際に発生した油圧に応じてモータ回転数の制限を行うことで変速機入力トルクを制限でき、プーリベルトBEの滑りを抑制して凝着を防止しながらエンジン始動することができる。
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、無段変速機CVTとしていわゆるVDT型ベルトを使用しているが、チェーン式ベルトやゴムベルトであってもよい。
また、モータとして発電をも行うことができるモータ/ジェネレータMGとしたが、発電機(ジェネレータ)と電動機(モータ)とを別々に搭載してもよい。
実施例1では、本発明のハイブリッド車両の制御装置を、FFハイブリッド車両用に適用する例を示したが、FRハイブリッド車両や四輪駆動ハイブリッド車両に適用することもできる。要するに、モータ及びエンジンを有する駆動源の下流位置にベルト式無段変速機を搭載し、モータによるクランキングでエンジン始動するハイブリッド車両であれば適用することができる。
Eng エンジン
MG モータ/ジェネレータ(モータ)
CL1 第1クラッチ
CL2 第2クラッチ
CVT 無段変速機
PrP プライマリプーリ
SeP セカンダリプーリ
100 狭圧トルク演算部(狭圧トルク演算手段)
200 プーリ入力トルク演算部(入力トルク演算手段)
300 実狭圧トルク演算部(狭圧トルク演算手段)
400 動作点指令部(エンジン始動制御手段)

Claims (8)

  1. エンジンとその下流側に配置されたモータとを有する駆動源と、
    前記エンジンと前記モータとの間の動力伝達を断接する第1クラッチと、
    前記駆動源の下流側に配置されると共に、一対のプーリと該一対のプーリ間に掛け渡されたプーリベルトとを有し、作動油圧力により制御される無段変速機と、
    前記駆動源と前記無段変速機との間の動力伝達を、前記無段変速機を制御する作動油圧力と同一油圧源からの作動油圧力により断接する湿式の第2クラッチと、
    前記第1クラッチを締結し、前記モータによるクランキングでエンジン始動を行うエンジン始動制御手段と、
    を備えたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記無段変速機に供給される作動油温度を検出する温度センサと、
    前記無段変速機におけるベルト挟圧トルクを演算する挟圧トルク演算手段と、
    前記無段変速機に入力する変速機入力トルク特性を、前記温度センサによって検出された前記無段変速機に供給される作動油温度に応じて演算する入力トルク演算手段と、
    を備え、
    前記エンジン始動制御手段は、前記ベルト挟圧トルクと前記変速機入力トルク特性とに基づいて前記モータの回転数制御を実行し、モータ回転数がエンジン始動可能回転数に達したら、前記モータによるクランキングでエンジン始動を行う
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記入力トルク演算手段は、作動油温度及び前記モータの回転数に基づいて前記変速機入力トルクを演算することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記入力トルク演算手段は、前記第2クラッチを介して出力されたトルクから前記無段変速機の入力軸フリクショントルクを減算することにより、前記変速機入力トルクを演算することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記狭圧トルク演算手段は、前記モータの回転数及び前記一対のプーリの回転数に基づいて前記ベルト狭圧トルクを演算し、
    前記エンジン始動制御手段は、前記変速機入力トルクよりも前記ベルト狭圧トルクが大きい状態を維持するように前記モータの回転数制御を実行することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記狭圧トルク演算手段は、前記モータの回転数及び前記一対のプーリの回転数に基づいて前記ベルト狭圧トルクを演算し、
    前記エンジン始動制御手段は、前記変速機入力トルクよりも前記ベルト狭圧トルクが小さい状態であって、前記プーリベルトが凝着限界になるときのモータの回転数を維持するように前記モータの回転数制御を実行することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記モータによって作動されて油圧供給を行う機械式オイルポンプと、サブモータによって作動されて油圧供給を行う電動オイルポンプと、を備え、
    前記狭圧トルク演算手段は、前記モータの回転数及び前記一対のプーリの回転数に基づいて前記ベルト狭圧トルクを演算し、
    前記エンジン始動制御手段は、前記サブモータによって前記電動オイルポンプを駆動して前記ベルト狭圧トルクを上げると共に、前記プーリ入力トルクよりも前記狭圧トルクが大きい状態を維持するように前記モータの回転数制御を実行することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  7. 請求項6に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記エンジン始動制御手段は、前記機械式オイルポンプの吐出油圧が前記電動オイルポンプの吐出油圧よりも大きくなったら、前記サブモータの駆動を停止して前記電動オイルポンプを停止することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  8. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記狭圧トルク演算手段は、前記一対のプーリへの供給油圧に基づいて前記ベルト狭圧トルクを演算し、
    前記エンジン始動制御手段は、前記変速機入力トルクよりも前記ベルト狭圧トルクが大きい状態を維持するように前記モータの回転数制御を実行することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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