JP5415685B2 - 植物由来成分を有するポリカーボネートおよびその製造法 - Google Patents

植物由来成分を有するポリカーボネートおよびその製造法 Download PDF

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Description

本発明は重合度が高く色相が良好な植物由来成分を有するポリカーボネート、およびその製造法に関するものである。
ポリカーボネート樹脂は透明性、耐熱性、耐衝撃性に優れており、現在、光メディア分野、電気・電子・OA分野、自動車・産業機器分野、医療分野、その他の工業分野で広く使用されている。しかしながら、現在一般に用いられている芳香族ポリカーボネートは石油資源から得られる原料より製造されている。そのため、石油資源の枯渇や、廃棄物の焼却処理に伴い発生する二酸化炭素による地球温暖化が懸念されている昨今において、芳香族ポリカーボネートと同様の物性を有しながら、より環境負荷が小さい材料の登場が待たれている。
このような状況の中、無水糖アルコールであるジアンハイドロヘキシトール類(イソマンニド、イソイディド及びイソソルビドなど。以下、エーテルジオールと称することもある。)は、マンニトール、イジドール及びソルビトールといった植物由来の原料から誘導することができ、ポリマー特にポリエステルおよびポリカーボネート製造用の再生可能資源(石油や石炭のような枯渇性のあるような天然資源とは異なり、森林資源、バイオマス、風力、小規模水力などのようにそれ自身が再生能力を持つような資源)として検討されている。なかでも、安価なデンプンを出発原料として作られ、医薬品原料としても用途があり商業的に入手しやすいイソソルビドを用いたポリマーの検討が盛んに行われている(例えば特許文献1〜3等)。
更に、イソソルビドとともに、ポリエステル原料に使用されるグリコール類などをジオール成分として共重合したカルボネートの検討も行われている(例えば特許文献4〜5等)。これは、ジオール成分がイソソルビドのみのポリカーボネートは、その剛直な構造のため、溶融粘度が非常に高く成形加工が難しい等の問題があるためである。また、ジアンハイドロヘキシトール類はポリマー原料としてはかなり高価でありコスト面の課題もある。つまり、必要なポリマー物性を維持できる範囲で、安価なグリコール類を共重合させることは、原料のコストダウンという利点もある。
前記のような植物由来成分を有するポリカーボネート樹脂の製造法としては、ジオール化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応(溶融重縮合法)が、ジヒドロキシ化合物にホスゲンを直接反応させる方法(界面重縮合)に比べ、有毒なホスゲンや、メチレンクロリド等のハロゲン化合物を溶媒として使用する問題が無いという点で優れている。
しかしながらこれまでは無水糖アルコールをポリカーボネートの原料として用いた場合、ポリマーの着色が起こり易く、また実用に耐えるに十分な値まで重合度が上昇しない場合もあり、実用化や用途展開の障害となる場合があった。ポリカーボネート製造における重合度改善については特に触媒の検討が数多くなされているが(例えば特許文献6〜8等)、これらはいずれも芳香族ポリカーボネートに関する検討であり脂肪族および脂環族、さらには植物由来成分を有するポリカーボネートに関してはそのような検討はなされていない。
英国特許第1079686号明細書 国際公開第1999/054119号パンフレット 国際公開第2007/013463号パンフレット 国際公開第2004/111106号パンフレット 特開2003−292603号公報 特開1991−203928号公報 特開1995−165904号公報 特開1995−228681号公報
本発明の目的は、上記従来技術のこれらの問題点を解決し、高重合度で色相が良好な植物由来成分を有するポリカーボネートの製造法を提供することにある。
すなわち本発明は、以下を要旨とするものである。
1.下記式(1)
Figure 0005415685
(R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基から選ばれる基であり、Rは炭素数が2から12である脂肪族炭化水素基であり、またnは0.4≦n≦1.0である)
で表されるポリカーボネートを製造するにおいて、
Na、Ca、Fe含有量合計が2質量ppm以下である、下記式(2)で表されるジオールと、
Figure 0005415685
(R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基から選ばれる基である)、
Na、Ca、Fe含有量合計が2質量ppm以下である、下記式(3)で表されるジオールとをジオール成分として用い、
Figure 0005415685
(Rは炭素数が2から12である脂肪族炭化水素基)
Na、Ca、Fe含有量合計が2質量ppm以下である、下記式(4)
Figure 0005415685
(RおよびRは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基から選ばれる基であり、RとRは同じ基であっても異なる基であってもよい)
で表される炭酸ジエステルを炭酸成分として用い、重縮合触媒としてバリウム化合物の存在下に溶融重縮合させることを特徴とするポリカーボネートの製造法。
2.前記1項記載の製造法によって得られる、ポリマー中のNa、Ca、Fe含量が10質量ppm以下であり、かつCol−b値が5以下であるポリカーボネート。
本発明によれば、重合度が高く色相が良好な植物由来成分を有するポリカーボネート、当該ポリカーボネートの製造法を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための形態につき詳細に説明する。
本発明の製造法によって得られるポリカーボネートは前記の式(1)で表され、その全ジオール残基中の、前記式(2)の原料に由来するエーテルジオール残基のモル比(前記式(1)中のn)が0.4以上1以下の範囲である。エーテルジオール残基のモル比がこの範囲よりも小さくなると、得られる樹脂のガラス転移温度が低くなるため耐熱性が悪化し好ましくない。また、n=1つまり、ジオール残基が全てエーテルジオール残基の場合は、溶融粘度が高いため、高い重合度のポリマーを生産や成形加工が困難になることもありうる。全ジオール残基中のエーテルジオール残基のモル比nのより好ましい範囲は0.6以上0.9以下であり、特に好ましい範囲は0.65以上0.85以下である。
本発明で使用される植物由来であるエーテルジオール成分は前記式(2)で表され、具体的にはジアンハイドロヘキシトール類である。ジアンハイドロヘキシトール類としては、1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(本明細書では以下、イソマンニドと略称することがある)、1,4:3,6−ジアンヒドロ−L−イジトール(本明細書では以下、イソイディドと略称することがある)および1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−ソルビトール(本明細書では以下、イソソルビドと略称することがある)が挙げられる(それぞれ下記式(5)、(6)、(7))。
Figure 0005415685
Figure 0005415685
Figure 0005415685
これらジアンハイドロヘキシトール類は、自然界のバイオマスからも得られる物質で、再生可能資源と呼ばれるものの1つである。イソソルビドはでんぷんから得られるD-グルコースに水添した後、脱水を受けさせることにより得られる。その他のジアンハイドロヘキシトール類についても、出発物質を除いて同様の反応により得られる。イソソルビドはでんぷんなどから簡単に作ることがジオールであり資源として豊富に入手することができる上、イソマンニドやイソイディッドと比べても製造の容易さにおいて優れている。
共重合されるジオール成分は前記式(3)で表され(以下、式(3)のジオールをグリコール類と略称することがある)、エチレングリコール、プロプレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。この中でもポリマーの合成において重合性が高く、またポリマーの物性においても高いガラス転移点を示すといった点で1,3−プロパンジオール(以下、1,3−PDOと略することもある)、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましく、更には、植物原料からも得ることができ、かつ共重合による溶融流動性の向上効果が大きいという点で1,3−プロパンジオールが特に好ましい。また、これら式(3)のジオール成分を少なくとも2種類以上組み合わせても良い。
本発明に用いるジオールの精製方法については特に限定されない。好ましくは、単蒸留、精留または再結晶のいずれか、もしくはこれらの手法の組み合わせにより精製してもよい。ただし、該ジオールの市販品には安定剤や、保管中に生成した劣化物が含まれていることがあり、これらがポリマー品質に悪影響を与える可能性がある。これは特に式(2)の植物由来のジオールにおいて顕著である。該ジオールを用いてポリマーを得る際には、再度精製を行い直ちに重合反応に使用するのが好ましい。やむを得ず精製後、暫く保管してから使用する際は、乾燥、40℃以下の低温、遮光および不活性雰囲気下で保管しておいて使用することが好ましい。
本発明で使用される式(2)、式(3)のジオール成分は、Na、Fe、Caの含有量合計が2質量ppm以下であり、好ましくは1質量ppm以下である。
本発明で使用される炭酸ジエステルとしては前記式(4)で表され、たとえばジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ジキシリルカーボネート、ビス(エチルフェニル)カーボネート、ビス(メトキシフェニル)カーボネート、ビス(エトキシフェニル)カーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ビフェニル)カーボネートなどの芳香族系炭酸ジエステルや、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等の脂肪族系炭酸ジエステルが挙げられる。このような化合物のうち反応性、コスト面から芳香族系炭酸ジエステルを用いることが好ましく、ジフェニルカーボネートを用いることが更に好ましい。
本発明に用いる炭酸ジエステルの精製方法については特に限定されない。好ましくは、単蒸留、精留または再結晶のいずれか、もしくはこれらの手法の組み合わせにより精製してもよい。
本発明で使用される炭酸ジエステルは、Na、Fe、Caの含有量合計が2質量ppm以下であり、好ましくは1質量ppm以下である。
ポリカーボネート樹脂の公知の製造法としては、主としてジヒドロキシ化合物のアルカリ水溶液とホスゲンを有機溶媒の存在下反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルをエステル交換触媒の存在下高温・高真空下で溶融重縮合反応させる溶融重縮合法が挙げられる。このうち溶融重縮合法は、エステル交換触媒と高温・高真空を必要とするプロセスであるが、ホスゲン法に比較して経済的であり、更に塩素原子を実質的に含まないポリカーボネート樹脂が得られる利点がある。本発明においては溶融重縮合法により上記ポリカーボネートを製造する。
更に、本発明の製造法では、前記式(2)および好ましくは(3)で表されるジオールと、前記式(4)で表される炭酸ジエステルを原料とする溶融重縮合法により前記式(1)のポリカーボネートを製造する。
本発明のポリカーボネートの製造法の溶融重縮合法においては、炭酸ジエステルをジオール成分1モルに対して、0.90〜1.30モルの量を用いるのが好ましく、0.98〜1.05モルの量で用いるとより好ましい。
本発明では、触媒としてバリウム化合物を用いる。バリウム化合物を触媒として用いると、最も一般的なナトリウム化合物を用いた場合に比べ、同じ重縮合条件での到達還元粘度、つまり重合速度が際立って大きい、触媒活性を低下させるような不純物や添加剤があっても影響を受けにくいといった特徴がある。
バリウム化合物としては水酸化バリウム、炭酸バリウム、炭酸水素バリウム、酢酸バリウム、ステアリン酸バリウムなどが挙げられる。その中でも、反応性やコストの面で水酸化バリウム、炭酸バリウム、酢酸バリウムのような塩基性バリウム化合物を用いることが好ましく、更には安定性や、弱塩基であり万が一身体接触した際も比較的安全であるという点で、炭酸バリウムと酢酸バリウムが特に好ましい。
これらのバリウム化合物は単独で用いても複数の種類を用いてもよく、また、これらバリウム化合物と、(i)含窒素塩基性化合物、(ii)バリウム以外の金属化合物とを併用してもよい。この中でも特に(i)と併用するのが好ましく、(i)についてはテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いるのがより好ましい。また、(ii)の触媒として使用できるものとしては、アルカリ金属のアルコキシド類またはフェノキシド類、バリウム以外のアルカリ土類金属のアルコキシド類またはフェノキシド類、含窒素塩基性化合物類、第4級アンモニウム塩類、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の有機酸塩類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合物類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、珪素化合物類、チタン化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスニウム化合物類、アンチモン化合物類、ジルコニウム化合物類、マンガン化合物などのエステル交換反応またはエステル化反応への触媒能を有する化合物が挙げられる。
上記(i)の窒素塩基性化合物は、塩基性窒素原子が、全ジオール化合物合計もしくは炭酸エステルのいずれか1モルあたり、1×10−5〜1×10−3モルとなる割合で用いるのが好ましく、より好ましくは2×10−5〜8×10−4モルとなる割合である。
上記の触媒(ii)については、バリウム化合物との添加量合計が、全ジオール化合物合計もしくは炭酸エステルのいずれか1モルあたり、1×10−7から1×10−5モルの範囲にあるのが好ましく、1×10−7〜5×10−6モルの範囲にあるとより好ましい。
本発明の製造法では、好ましくは重縮合触媒の存在下、原料であるジオールと炭酸ジエステルとを常圧で加熱し、予備反応させた後、減圧下で280℃以下の温度で加熱しながら撹拌して、生成するフェノール類またはアルコール類を留出させる。反応系は窒素などの原料、反応混合物に対し不活性なガスの雰囲気に保つことが好ましい。窒素以外の不活性ガスとしては、アルゴンなどを挙げることができる。
反応初期に常圧で加熱反応させることが好ましい。これはオリゴマー化反応を進行させ、反応後期に減圧してフェノール類またはアルコール類を留去する際、未反応のモノマーが留出してモルバランスが崩れ、重合度が低下することを防ぐためである。本発明にかかる製造法においてはフェノール類またはアルコール類を適宜系(反応器)から除去することにより反応を進めることができる。そのためには、減圧することが効果的であり、好ましい。
本発明の製造法において、ジオールの分解を抑え、着色が少なく高粘度の樹脂を得るためにはできるだけ低温の条件が好ましいが、重合反応を適切に進めるためには重合温度は180℃以上280℃以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは230〜260℃の範囲に最高の重合温度がある条件である。
本発明によって製造されるポリカーボネートは、Na、Ca,Feの含有量合計が10質量ppm以下、より好ましくは7質量ppm以下、特に好ましくは3質量ppm以下である。Na、Ca,Feの含有量合計がこの範囲を超えると着色が顕著になり、溶融安定性や耐加水分解性が悪化するなどの問題があり好ましくない。なお、Na、Ca,Feは、生産設備等の材質や外気などからコンタミしやすい、前記式(2)のジオールの市販品に含有される量が多めであるなどの理由から、ポリマー中の無機不純物の大部分を占める。Na、Ca,Feの含有量合計を上記の範囲とするためには、含有量が少ない原料を使用する、成分が溶出しにくい材質からなる装置で製造を行うなど方法がある。ポリマー中のNa、Ca,Feの含有量合計は少なければ少ないほど好ましいが、0質量ppmにしようとすると、コンタミの防止等のために著しいコストアップや生産効率の低下を伴う恐れがある。生産性を維持して到達できるポリマー中のNa、Ca,Feの含有量合計の下限は3質量ppm程度である。なお、ポリマー中のNa、Ca,Feの含有量合計は、ICP(誘導結合プラズマ)発光分析装置やICP質量分析装置により定量するのが精度や簡便さから好ましい。
本発明のポリカーボネートはCol−b値が5以下、好ましくは3以下であるポリカーボネートである。
また、本発明によって製造されるポリカーボネートは、還元粘度が0.5〜1.0dL/gの範囲にあるものであることが好ましく、より好ましくは0.6〜0.8dL/gの範囲にあるものである。
本発明によって製造されたポリカーボネートは単独で成形加工等に用いてもよく、また本発明の目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂(例えば、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂など)、充填剤(ガラス繊維、炭素繊維、天然繊維、有機繊維、セラミックスファイバー、セラミックビーズ、タルク、クレーおよびマイカなど)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系化合物、イオウ系酸化防止剤など)、難燃添加剤(リン系、ブロモ系など)、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系など)、流動改質剤、着色剤、光拡散剤、赤外線吸収剤、有機顔料、無機顔料、離形剤、可塑剤などを添加することができる。
また、本発明によって製造されたポリカーボネートは、射出成形、圧縮成形、射出圧縮成形、押し出し成形、ブロー成形、溶剤キャスト法、溶融押し出し法、カレンダー法などの種々の成形、製膜法によって加工された後、光メディア用途、電気・電子・OA用途、自動車・産業機器用途、医療・保安用途、シート・フィルム・包装用途、雑貨用途をはじめとする様々な用途に幅広く用いることができる。具体的には、光メディア用途としてDVD、CD−ROM、CD−R、ミニディスク、電気・電子・OA用途として携帯電話、パソコンハウジング、電池のパックケース、液晶用部品、コネクタ、自動車・産業機器用途としてヘッドランプ、インナーレンズ、ドアハンドル、バンパ、フェンダ、ルーフレール、インバネ、クラスタ、コンソールボックス、カメラ、電動工具、医療・保安用途として銘板、カーポート、液晶用拡散・反射フィルム、飲料水タンク、雑貨としてパチンコ部品、消火器ケースなどが挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ポリカーボネート樹脂組成物および成形品の還元粘度はフェノール/テトラクロロエタン(体積比50/50)の混合溶媒10mLに対してポリカーボネート樹脂組成物120mgを溶解して得た溶液の35℃における粘度をウデローベ粘度計で測定した(dL/g単位)。
ガラス転移温度の測定はTA Instruments社製DSC2920を用いて測定した。
原料のイソソルビドや、ポリカーボネート樹脂組成物中のNa、Ca、Fe含有量は、試料を白金皿に精秤し、濃硫酸を加えて灰化した後、その灰分を硫酸水素カリウムで融解し、希硝酸に溶解してICP発光分析(バリアン社製 VISTA MP−X(マルチ型))を行うことにより評価した。
ポリマーの色相についてはJIS Z 8722に従い、UV−VIS RECORDING SPECTROPHOTOMETER(島津製作所製)を用いてCol−b値の測定を行った。測定は、ポリマー0.935gに塩化メチレン4mlを加え溶解し、波長780〜380nm、照明:C、視野:2°の条件のもと行いCol−b値を測定した。
[実施例1]
単蒸留を1回施したイソソルビド(ロケット社製)(61.38g、0.42mol)、1,3-プロパンジオール(14.38g、0.19mol)およびジフェニルカーボネート(128.53g、0.6mol)を三ツ口フラスコに入れ、重縮合触媒として炭酸バリウム(0.0592mg、3×10-7mol)およびテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(5.47mg、6.0×10-5 mol)を加え窒素雰囲気下180℃で溶融した。攪拌下、反応槽内を100mmHg(13.33kPa)に減圧し、生成するフェノールを溜去しながら約20分間反応させた。次に200℃に昇温した後、フェノールを留去しながら30mmHg(4.00kPa)まで減圧した。さらに減圧・昇温して、最終的に250℃、0.8mmHg(0.11kPa)の条件下で反応させた。250℃、0.8mmHg(0.11kPa)に到達した時点を時間0分とし10分後にサンプリングして、還元粘度、無機不純物含有量、Col−b値を測定した。
[実施例2]
重縮合触媒の炭酸バリウムの代わりに、水酸化バリウム八水和物(0.0946mg、3×10-7mol)を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
重縮合触媒の炭酸バリウムの代わりに、水酸化ナトリウム(0.012mg、3×10-7mol)を用いた以外は実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
ロケット社製イソソルビドの蒸留精製を行わなかったことと、重縮合触媒の炭酸バリウムの代わりに、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン二ナトリウム塩(0.04mg、1.5×10-7mol、表1においてBPA・2Naと略記する)を用いたこと以外は実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
単蒸留を1回施したイソソルビド(ロケット社製)の代わりに、三光化学社製イソソルビドを蒸留精製等の前処理無しで使用したことと、重縮合触媒の炭酸バリウムの代わりに、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン二ナトリウム塩(0.04mg、1.5×10-7mol、表1においてBPA・2Naと略記する)を用いたこと以外は実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
[比較例4]
単蒸留を1回施したイソソルビド(ロケット社製)の代わりに、三光化学社製イソソルビドを蒸留精製等の前処理無しで使用したことと、重縮合触媒の炭酸バリウムの代わりに、水酸化バリウム八水和物(0.0946mg、3×10-7mol)を用いたこと以外は、実施例1と同様に操作を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005415685

Claims (2)

  1. 下記式(1)
    Figure 0005415685
    (R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基から選ばれる基であり、Rは炭素数が2から12である脂肪族炭化水素基であり、またnは0.4≦n≦1.0である)
    で表されるポリカーボネートを製造するにおいて、
    Na、Ca、Fe含有量合計が2質量ppm以下である、下記式(2)で表されるジオールと、
    Figure 0005415685
    (R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基から選ばれる基である)、
    Na、Ca、Fe含有量合計が2質量ppm以下である、下記式(3)で表されるジオールとをジオール成分として用い、
    Figure 0005415685
    (Rは炭素数が2から12である脂肪族炭化水素基)
    Na、Ca、Fe含有量合計が2質量ppm以下である、下記式(4)
    Figure 0005415685
    (RおよびRは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基から選ばれる基であり、RとRは同じ基であっても異なる基であってもよい)
    で表される炭酸ジエステルを炭酸成分として用い、重縮合触媒としてバリウム化合物の存在下に溶融重縮合させることを特徴とするポリカーボネートの製造法。
  2. 請求項1記載の製造法によって得られる、ポリマー中のNa、Ca、Fe含量が10質量ppm以下であり、かつCol−b値が5以下であるポリカーボネート。
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