JP5414060B2 - レベルコンバータ回路を備えたmosトランジスタ回路 - Google Patents

レベルコンバータ回路を備えたmosトランジスタ回路 Download PDF

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Description

本発明は絶縁ゲート電界効果トランジスタを用いたレベルコンバータ回路の改良技術に関する。特に、CMOS回路において低電源電圧回路からの低論理信号振幅が高電源電圧回路の論理しきい値電圧より小さい場合に低論理信号振幅の信号を高電源電圧回路の高論理信号振幅の信号に変換可能な静的動作のレベルコンバータ(Level Converter、 LC)回路に関する。なお、静的動作とは、MOSトランジスタを用いた論理回路が、時間的に変化しない入力論理信号が入力ノードに印加されたとき、その出力ノードにはやはり時間的に変化しない論理信号であって、その論理回路の論理作用を入力論理信号に施した結果の論理信号が出力される動作を言う。
まず、本願明細書で使用する用語、記号の定義をする。図3はCMOSインバータの回路図とそれを表す記号を示している。
図3のMPはP形の絶縁ゲート電界効果トランジスタ(PMOST)であり、
MNはN形の絶縁ゲート電界効果トランジスタ(NMOST)である。
INはその入力ノード、
OUTはその出力ノードを示す。
VDDは高電位側電源線の電位であり、
VSSは低電位側電源線の電位である。
VDD−VSSを電源電圧と称する。
なお、VSS<VDDである。また電源線については、その電位を表す記号と同じ記号で示す。例えば、電源線VDDと述べるときは、電位がVDDである電源線を表す。
さらに、VDDとVSSとの差、すなわち電源電圧の値が大きい回路を高電源電圧回路、小さい場合を低電源電圧回路と称する。
図4は、図3に示すような、一般的なCMOSインバータの入出力特性曲線(非特許文献1参照)を模式的に示している。図4の横軸は入力電圧VIN(ノードINに印加される電圧)、縦軸は出力電圧VOUT(出力ノードOUTで観測される電圧)である。
遷移領域(TR)とは出力電圧がVDDからVSSに、あるいはこの逆の場合に変化する途中の段階にある入力電圧範囲を言い、通常次のように定義される。すなわち、この入出力特性曲線には接線(直線で表示)の傾きが−1となる入力電圧値が通常2カ所あるが、この入力電圧値のうち、入力電圧値の低い方を遷移領域下限(TRL)とし、入力電圧の高い方を遷移領域上限(TRH)とし、これらの電圧で挟まれた入力電圧範囲を遷移領域(TR)とする。
また、出力電圧が(VDD+VSS)/2に等しくなる入力電圧をそのインバータの論理しきい値電圧(VTL)と称する。VTLはTR内に位置する。VTLはVDDとVSSの平均値であることが望ましい。
さらに、VDDとVSSの差を論理振幅(LS)と言う。一般に、CMOSインバータが確実に動作するためにはこの遷移領域を渡りきるように入力電圧を変化させねばならない。なお、横軸の入力電圧VINのVDDは、出力電圧VDDと同じ電圧値を表す。
さて、絶縁ゲート電界効果トランジスタ(MOST)を用いた論理集積回路では動作速度を損なうことなく消費電力の低減化を図ることが望まれる。
そのための方法の一つとして、動作速度が遅くてよい部分回路の電源電圧を、他の高速動作しなければならない部分の電源電圧より小さくすることがある。この場合、電源電圧の小さい低電源電圧回路からの低論理信号振幅の論理信号で、高論理信号振幅の信号で動作している電源電圧の大きい高電源電圧回路を論理的に誤ることなく駆動しなければならない。
しかし、図5はそれぞれ低電位側電源電圧をGNDと共通にした従来回路において、低電源電圧で動作するCMOSインバータを高電源電圧で動作するCMOSインバータに直接接続した回路図であるが、例えばこの図5のように、共に共通の低電位側電源線GND(接地、電位は0V)に接続され、低電源電圧(VDDL)で動作しているCMOSインバータ(LPS_INVERTER)の出力を高電源電圧(VDDH)で動作しているCMOSインバータ(HPS_INVERTER)の入力に直接接続すると具合の悪いことが起る。ここで、0<VDDL<VDDHである。なお、低電源電圧で動作している論理回路からの出力信号は、一般にはゲート回路とかインバータ以外の論理回路からの論理信号もあり得るが、通常バッファ回路としてインバータを用いることが多いのでCMOSインバータからの出力信号で説明する。
さて、図5のHPS_INVERTERの入出力特性を模式図で示したものが図6である。図6は前記図4の特性に対応する。
原点は、GND(この記号が電位を示す場合は0Vを意味する)とする。入力電圧VINを0Vから増加していくとき、入力電圧VINがHPS_INVERTERの論理しきい値電圧(VTLH)を越えると、出力電圧は論理信号のハイレベル(VDDH)からローレベル(GND=0V)に遷移する。
逆に、入力電圧VINをハイレベルから減少していくときは、入力電圧VINがHPS_INVERTERの論理しきい値電圧VTLHより小さくなると、出力電圧は論理信号のローレベルからハイレベルへ遷移する。
LSH(高電源電圧回路側の論理振幅)は、HPS_INVERTERの論理信号振幅であり、TRHはHPS_INVERTERの遷移領域を示している。TRHの下限値はTRHL、上限値はTRHHで示した。TRHの幅、すなわちTRHHとTRHLの差はインバータに用いるNMOST(MN)のしきい値電圧VthnとPMOST(MP)のしきい値電圧Vthp(<0)やそれぞれの電流駆動力(具体的には絶対値の等しいゲート電圧と絶対値の等しいドレイン電圧を印加した時のそれぞれのドレイン電流の絶対値の大きさで評価され、この値が大きいものほど電流駆動力が大きいとする)の大きさに依存する。また、TRHの幅は、Vthnと|Vthp|が共に大きいとき、小さくなる傾向になる。
なお、図6にはLPS_INVERTERの入出力特性曲線も図示している。その特性曲線は、入力電位がVDDLからGNDに変化するとき、出力ノードN1、すなわちHPS_INVERTERの入力ノードで見られる電位変化を模式的に示している。VTLLはLPS_INVERTERの論理しきい値電圧を示す。
なお、図6の横軸の入力電圧VINのVTLL、VDDLおよびVDDHは、出力電圧VTLL、VDDLおよびVDDHと同じ電圧値を表す。
一般にインバータの確実な動作のためには入力電圧をTRHの下限値TRHLより低くするか、上限値TRHHより高くすることが必要である。
しかし、図6の場合、HPS_INVERTERの入力はノードN1の電位であり、そのハイレベルの値は低論理信号振幅のLPS_INVERTERの出力のハイレベル、VDDLであるので、もしVDDL(この場合は低論理信号振幅、LSLに等しい)がTRHLより小さいと図6に示されたように当然ながらTRHを越えることができず、HPS_INVERTERの出力はローレベルに反転しない。すなわち、VDDLがVDDHより著しく小さい場合は、図5の回路では正しく動作しない場合がある。
そこで、この間の信号レベル変換を行う回路として、図7に示されるレベルコンバータ(LC)回路がLPS_INVERTERとHPS_INVERTERとの間に必要とされる。
図7は、LPS_INVERTERとHPS_INVERTERの間にレベルコンバータ(LC)回路を介在させた回路構成図である。
すなわち、LC回路は入力ノードには低い論理信号振幅の信号が印加されるが出力ノードには高い論理信号振幅の論理信号が出力される回路である。もちろん必要な動作速度を満足すること、消費電力が少ないこと、用いる素子数が少ないことなどが要求される。
従来のLC回路は、例えば、下記非特許文献2に示されていて、図8に示す回路構成を有する。
図8において、MP1およびMP2はPMOSTであり、MN1およびMN2はNMOSTである。QおよびQBは出力ノードであり、互いに相補であって、定常状態においてどちらか一方が確実に高電源電圧回路のハイレベル、すなわちVDDHとなるように、MP1およびMP2とで正帰還回路が構成されている。また、これによって定常的な電流を極めて少なくなるようにしてある。また、灰色(△記号内が白地ではない意味)のインバータ記号は低電源電圧回路で用いられるインバータ(LPS_INVERTER)であり、その出力のハイレベルはVDDLである。また、このLC回路の入力、ノードLC_INのハイレベルはVDDLで、ローレベルはGND(0V)である。すなわち、低電源電圧回路の論理レベルで駆動され、したがって、MN1とMN2およびLPS_INVERTERも同じ論理レベルで駆動される。
上記従来のLCはVDDLがMN1のしきい値電圧以下のとき動作に支障があることが下記参考文献3などで指摘されている。
すなわち、定常状態において、LC_INがローレベル(0V)で、ノードQがローレベル、ノードQBがハイレベルであったとする時、LC_INをハイレベル(VDDL)としてQをローレベルからハイレベルに遷移させようとする場合に、MN1はサブしきい値で動作するのに対し、MP1はゲートの電位はQの電位で0Vであって、スーパーしきい値で動作しているため、MN1の電流駆動力よりもMP1の電流駆動力の方が桁違いに大きくノードQBの電位をMP2が導通するようになるまで下げられない。そのためQはハイレベルのままでLCの目的を達成できないことである。
上記の欠点を改良した図9に示すLC回路が参考文献3で提案されている。
図8との違いは、
(1)PMOSTのMP1とNMOSTのMN1との間にPMOSTのMP3によるMOSダイオードが挿入されており、同様に、PMOSTのMP2とNMOSTのMN2との間にPMOSTのMP4によるMOSダイオードが挿入されていること、
(2)出力ノードQはMP2とMP4との接続点に設けられ、その相補出力ノードQBはMP1とMP3との接続点に設けられていること、
(3)MP1のゲートはMP4とMN2との接続点であるノードN3に接続され、MP2のゲートはMP3とMN1との接続点であるノードN2に接続されていること、
(4)出力ノードQBはNMOSTのMN3を通してGNDに接続され、そのゲートはLC_INに接続されており、同様に出力ノードQはNMOSTのMN4を通してGNDに接続され、そのゲートはLC_INの反転LC_INB(LPS_INVERTERの出力)に接続されていることである。
MOSダイオードMP3およびMP4の働きはそれぞれMP1およびMP2の電流駆動力を弱めることであり、それによってサブしきい値で動作するMN1またはMN2によってもノードN2またはN3の電位を、MP2またはMP1が導通する状態まで低下できることにこのLC回路の特徴がある。MN3およびMN4の働きは、定常状態においてMP3またはMP4からなるダイオードによる電圧降下分だけGNDレベル(0V)よりQBまたはQのローレベルが上昇し、次段に悪影響を及ぼすことを避けるためMN3またはMN4で放電し確実にGNDレベルとすることである。
しかし、定常状態においてQがローレベル、QBがハイレベルのとき、LC_INにハイレベル(VDDL)を入力して状態を反転しようとすると、確かにMP2は導通状態となり、Qはハイレベル(VDDH)へと上昇を開始し、やがてMP2は非導通状態になるものの、QBの電位はサブしきい値で動作するMN1とMN3で放電されるからQがハイレベルになる時間よりもQBがローレベルになる時間の方が長くなるのが欠点である。
上記各従来例のLC回路は用いるトランジスタ数が多いことも欠点でもある。第8図では、6個(LC_INBを生成するためのLPS_INVERTERも必要なため)、第9図(LC_INBを生成するためのLPS_INVERTERも必要なため)では10個である。そのため、回路の性能をきめ細かに設計するために、局所的に論理レベルを変化させたい小さな部分回路に用いるのは素子面積の増加が顕著になり不利である。
特許第3543117号公報 米国特許第7061055号公報
「Modern VLSI Design(A Systems Approach)」、著者Wayne (Hendrix) Wolf、PTR Prentice Hall Englewood Cliffs,New Jersey 07632発行、P.101、fig3-15参照 K. Usami and M. Horowitz:"Clustered Voltage Scaling Technique for Low-Power Design", Proc. of the 1995 International symposium on Low Power Design, pp.3-7. H. Shao and C-Y. Tsui:"A Robust Voltage Adaptive and Low Energy Consumption Level Converter for Sub-threshold Logic", ESSCIRC’07 pp.312-315.
本発明の目的は、上記動作上の欠点を除去し、また、用いるトランジスタ数が少ない静的動作のレベルコンバータ回路を備えたMOSトランジスタ回路を提供することにある。
本発明では上記目的を達成するため以下の発明特定事項からなる構成を採用する。
構成1:レベルコンバータ回路を備えたMOSトランジスタ回路は、高電源電圧回路の高電位側電源線と低電位側電源線に接続されてレベルコンバータ回路として動作する第一のCMOSインバータと、入力ノードに低電源電圧回路の論理振幅の第一の論理信号が供給され、出力ノードが第一のCMOSインバータの入力ノードに接続され、低電源電圧回路の高電位側電源線と低電位側電源線に接続されて動作する第二のCMOCインバータと、入力ノードが第一のCMOSインバータの出力ノードに接続され、高電源電圧回路の高電位側電源線と低電位側電源線に接続されて動作し、出力ノードに高電源電圧回路の論理振幅の第二の論理信号を出力する第三のCMOCインバータとを備え、低電源電圧回路の高電位側電源線の電位と低電位側電源線の電位とが、高電源電圧回路の高電位側電源線の電位と低電位側電源線の電位との間に挟まれ、かつ、第二のCMOSインバータの出力論理信号の電圧変化範囲内に第一のCMOSインバータの遷移領域が含まれるように高電源電圧回路の高電位側電源線の電位と低電位側電源線の電位とが設定され、第一のCMOSインバータを第二のCMOSインバータの出力論理信号で駆動し、第三のCMOSインバータを第一のCMOSインバータの出力論理信号で駆動するように構成する。
構成2:構成1において、第一のCMOSインバータに用いるNMOSTのしきい値電圧を、低電源電圧回路の低電位側電源線の電位から高電源電圧回路の低電位側電源線の電位を差し引いた値より大とし、第一のCMOSインバータに用いるPMOSTのしきい値電圧の絶対値を、高電源電圧回路の高電位側電源線の電位から低電源電圧回路の高電位側電源線の電位を差し引いた値より大とした
構成3:構成1または構成2において、第一のCMOSインバータに用いるNMOSTのしきい値電圧を、低電源電圧回路の高電位側電源線の電位から高電源電圧回路の低電位側電源線の電位を差し引いた値より小とし、第一のCMOSインバータに用いるPMOSTのしきい値電圧の絶対値を、高電源電圧回路の高電位側電源線の電位から低電源電圧回路の低電位側電源線の電位を差し引いた値より小とした
構成4:構成1乃至構成3のいずれかにおいて、第一のCMOSインバータの論理しきい値電圧が、低電源電圧回路の高電位側電源線の電位と低電位側電源線の電位との和の平均値に等しくなるように、高電源電圧回路の高電位側電源線の電位と低電位側電源線の電位とを設定した。
上記課題を解決するための手段の各構成における、LC回路は、高電源電圧回路側の第一のCMOSインバータ一個であるからトランジスタ数は2個と少なく、従来例と比較して素子面積の低減や消費電力の低減ができる。また、局所部分回路に用いても、それによる素子面積増加割合と消費電力の増加割合を従来よりも小さくできる。
本発明のLPS_INVERTERとHPS_INVERTERの間にレベルコンバータ(LC)回路を介在させた回路構成図である。 図1の本発明の回路構成の動作原理の説明図である。 CMOSインバータの回路図とその回路記号を示す。 CMOSインバータの入出力特性曲線における用語の定義を示す。 それぞれ低電位側電源電圧をGNDと共通にした従来回路において、低電源電圧で動作するCMOSインバータを高電源電圧で動作するCMOSインバータに直接接続した回路図である。 図5のHPS_INVERTERの入出力特性の模式図である。 LPS_INVERTERとHPS_INVERTERの間にレベルコンバータ(LC)回路を介在させた回路構成図である。 従来のLC回路の回路構成である。 図8の例より改良された従来のLC回路の回路構成である。
本発明のレベルコンバータ回路を備えたMOSトランジスタ回路の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のLPS_INVERTERとHPS_INVERTERの間にレベルコンバータ(LC)回路を介在させた回路構成図である。
図1において、
・高電位側電源線VDDLおよび低電位側電源線VSSLに接続して動作させる低電源電圧回路側のCMOSインバータLPS_INVERTER(灰色(△記号内が白地ではない意味)に塗られた記号で示す)の出力ノードN1に、
・高電位側電源線VDDHおよび低電位側電源線VSSHに接続して動作させる高電源電圧回路側のCMOSインバータHPS_INVERTER_1(△記号内が白地の意味)の入力ノードを接続し、これをLC回路として用い、
・さらに必要なら、その出力ノード、OUTに高電源電圧回路側の他のCMOSインバータHPS_INVERTER_2の入力ノードを接続し、その出力ノードOUTBからノードOUTの反転出力を取り出せるようにする。
LPS_INVERTERの入力ノードINには低電源電圧回路側からの論理信号が入力される。ここで、LC回路のHPS_INVERTER_1の動作は、遷移領域下限値をTRHL、上限値をTRHHとするとき以下の条件1を満たすように設定する。
条件1:
すなわち、低電源電圧回路側および高電源電圧回路側における論理振幅を保ちながら低電源電圧回路側の論理信号、具体的にはLPS_INVERTERの出力論理信号の変化範囲内に高電源電圧回路側のCMOSインバータの遷移領域が含まれるように、各MOSトランジスタの素子パラメータとともに、VSSL、VDDL、VSSH、VDDHを設定してLPS_INVERTERとHPS_INVERTER_1の動作を規定する。実際にはどちらか一方の電源電圧は規定されている場合が多いが、その場合には他方を、条件1を満たすように設定する。
ただし、TRH=TRHH−TRHL>LSLであると上記条件1を満足する解はないが、HPS_INVERTER_1のNMOSTのしきい値電圧VthnとPMOSTの負のしきい値電圧Vthpの絶対値|Vthp|をそれぞれ大きくすることによって、TRH<LSLとすることができる。なお、LPS_INVERTERにおいても遷移領域があるが、これは定常状態での漏洩電流が過剰に大きくならないようにするなど、動作に支障が起らないようにLSLより十分に小さく設計されているものとする。必要であればTRHをLPS_INVERTERの遷移領域幅より小さくすることも可能である。
特別な場合としてLPS_INVERTERの論理しきい値をVTLL、HPS_INVERTER_1の論理しきい値をVTLHとするとき、上記条件1を満たし、かつVTLH=VTLLとなるように各MOSトランジスタの素子パラメータや電源電圧を設定できる。しかし、実際にはVTLLとVTLHは素子の製造工程におけるバラツキなどで必ずしも正確に一致しない場合があるが、その差が後述する動作原理を逸脱しない範囲内であれば一致していると見なして差し支えない。
雑音余裕をハイレベル側およびローレベル側に均等に配分するために、VTLH=(VDDH+VSSH)/2、VTLL=(VDDL+VSSL)/2に設定するのが望ましい。さらに、HPS_INVERTER_2の論理しきい値電圧もLC回路に用いたHPS_INVERTER_1の論理しきい値電圧と一致させるのが望ましい。なお、高電源電圧側の回路の電源電圧はさらにレベル変換しない限りこのHPS_INVERTER_1やHPS_INVERTER_2に用いたものと同じにする。
図2で本発明の動作原理を説明する。図2はHPS_INVERTER_1の入出力特性曲線(実線)とLPS_INVERTERの入出力特性曲線(点線)を模式的に示している。横軸はHPS_INVERTER_1の入力電圧(VIN)、縦軸は出力電圧(VOUT)である。なお、図2の横軸の入力電圧VINのVSSL、VDDLおよびVDDHは、出力電圧VSSL、VDDLおよびVDDHと同じ電圧値を表す。
LPS_INVERTERについてはその出力電圧がHPS_INVERTER_1の入力電圧になるように入力電圧軸と出力電圧軸とを逆転して描いている。特別な場合としてVTLH=VTLLとした場合を示した。HPS_INVERTER_1の入力電圧VINをLPS_INVERTERの出力論理信号電圧の変化範囲で変化させる。すなわち、VSSL≦VIN≦VDDLとする。また、LPS_INVERTERの出力論理信号電圧の変化範囲はHPS_INVERTER_1の遷移領域TRHを含むようにしてある。したがって、VIN=VSSLのときHPS_INVERTER_1の出力電圧VOUTはハイレベルVDDHに厳密には等しくはないが、論理信号としてみたときにハイレベルとみなしてよいVDDHに近い値となり、VIN=VDDLのときVOUTはローレベルVSSHに厳密には等しくはないが、論理信号としてみたときローレベルとみなしてよいVSSHに近い値となる。よって、低論理信号振幅LSLの入力で高論理信号振幅LSHと見なしてよい出力を得ることができる。上記記載は下記の場合を想定されるからである。
図2において、Vthn<VSSLであったり、|Vthp|<VDDH−VDDLであったりすると、例えばVIN=VSSLのときPMOSTは十分にオン状態になるがNMOSTはまだオフ状態にならず定常状態での漏洩電流が大きくなるし、また、VIN=VDDLのときNMOSTは十分にオン状態になるがPMOSTはまだオフ状態にならず、やはり定常状態での漏洩電流が大きくなる懸念がある。この場合でも、十分にハイレベルと見なせる電位としたり、十分にローレベルと見なせる電位としたりすることはできるが、確実にこれを解決するためには、Vthnと|Vthp|を以下の条件2を満たすようにすると良い。
条件2:
このようにすると、LPS_INVERTERからの論理信号で確実にHPS_INVERTER_1NのMOSTとPMOSTのどちらか一方がオン状態のとき、他方はオフ状態にすることができ、漏洩電流の低減が図れる。HPS_INVERTER_1の動作速度は遅くなるが、負荷を一個のインバータ程度と小さくすれば良く、またそのようにできるので欠点とはならない。
さらに、
条件3:
なる条件を付け加えれば、NMOSTもPMOSTもオン状態ではスーパーしきい値で動作するので動作速度の低下を抑制することができる。
動作速度を重視し、あえて
条件4:
とすることもあり得る。なお、HPS_INVERTER_1の次段のHPS_INVERTER_2についてはその入力信号レベルは既に変換されているので上記の限りではなく、高電源電圧で動作する通常のCMOSインバータの設定でよい
VTLHとVTLLが一致しなくても、
条件5:
を満たしていればレベル変換は可能である。
実際にはどちらかの電源電圧が定まっている場合が多いであろう。例えば低電源電圧回路側のVSSLとVDDLが決められたとする。この場合、HPS_INVERTER_1のVTHLはVDDHとVSSHを設定したとき決められるようになっているはずであるから、簡便には条件1と、
条件6:
とが成り立つようにVDDHとVSSHを調整すれば良い。高電源電圧回路側のVSSHとVDDHが決められている場合は、VTLHは既知であるので、上記数6と
条件7:
からVSSLおよびVDDLを設定できる。
上で説明したLC回路はバルク形MOSTだけでなく、例えば、特許文献1、2に開示されているような基板上の絶縁層上の結晶シリコンに構成され、電流が基板に平行に流れる、いわゆる、フィン型の二重絶縁ゲートゲート電界効果トランジスタ(二つのゲート電極がチャネルを挟んで一体となって形成されているものと、それぞれ電気的に分離されているものとがある)においても適用できる。
MP、MP1、MP2、MP3 : P形MOSトランジスタ
MN、MN1、MN2、 MN3、MN4 : N形MOSトランジスタ
VDD、VDDL、VDDH : 高電位側の電源電圧
VSS、VSSL、VSSH : 低電位側の電源電圧
GND : 接地
VTL、VTLL、VTLH : CMOSインバータの論理しきい値電圧
LS、LSL、LSH : CMOSインバータの論理信号振幅
TR、TRH : CMOSインバータの遷移領域
TRHL、TRHH : 遷移領域の境界値
IN、OUT、OUTB、N1、N2、N3、Q、QB、LC_IN、LC_INB : ノード
VIN : CMOSインバータの入力電圧
VOUT : CMOSインバータの出力電圧
LPS_INVERTER : 低電源電圧側回路のCMOSインバータ
HPS_INVERTER : 高電源電圧側回路のCMOSインバータ
LC : レベル変換回路

Claims (4)

  1. 高電源電圧回路の高電位側電源線と低電位側電源線に接続されてレベルコンバータ回路として動作する第一のCMOSインバータと、
    入力ノードに低電源電圧回路の論理振幅の第一の論理信号が供給され、出力ノードが前記第一のCMOSインバータの入力ノードに接続され、前記低電源電圧回路の高電位側電源線と低電位側電源線に接続されて動作する第二のCMOCインバータと、
    入力ノードが前記第一のCMOSインバータの出力ノードに接続され、前記高電源電圧回路の高電位側電源線と低電位側電源線に接続されて動作し、出力ノードに前記高電源電圧回路の論理振幅の第二の論理信号を出力する第三のCMOCインバータと
    を備え、前記低電源電圧回路の高電位側電源線の電位と低電位側電源線の電位とが、前記高電源電圧回路の高電位側電源線の電位と低電位側電源線の電位との間に挟まれ、かつ、前記第二のCMOSインバータの出力論理信号の電圧変化範囲内に前記第一のCMOSインバータの遷移領域が含まれるように前記高電源電圧回路の高電位側電源線の電位と低電位側電源線の電位とが設定され、前記第一のCMOSインバータを前記第二のCMOSインバータの出力論理信号で駆動し、前記第三のCMOSインバータを前記第一のCMOSインバータの出力論理信号で駆動するように構成したことを特徴とするレベルコンバータ回路を備えたMOSトランジスタ回路。
  2. 前記第一のCMOSインバータに用いるNMOSTのしきい値電圧を、前記低電源電圧回路の低電位側電源線の電位から前記高電源電圧回路の低電位側電源線の電位を差し引いた値より大とし、前記第一のCMOSインバータに用いるPMOSTのしきい値電圧の絶対値を、前記高電源電圧回路の高電位側電源線の電位から前記低電源電圧回路の高電位側電源線の電位を差し引いた値より大としたことを特徴とする請求項1記載のレベルコンバータ回路を備えたMOSトランジスタ回路。
  3. 前記第一のCMOSインバータに用いるNMOSTのしきい値電圧を、前記低電源電圧回路の高電位側電源線の電位から前記高電源電圧回路の低電位側電源線の電位を差し引いた値より小とし、前記第一のCMOSインバータに用いるPMOSTのしきい値電圧の絶対値を、前記高電源電圧回路の高電位側電源線の電位から前記低電源電圧回路の低電位側電源線の電位を差し引いた値より小としたことを特徴とする請求項1又は2記載のレベルコンバータ回路を備えたMOSトランジスタ回路。
  4. 前記第一のCMOSインバータの論理しきい値電圧が、前記低電源電圧回路の高電位側電源線の電位と低電位側電源線の電位との和の平均値に等しくなるように、前記高電源電圧回路の高電位側電源線の電位と低電位側電源線の電位とが設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか項記載のレベルコンバータ回路を備えたMOSトランジスタ回路。
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