JP5413772B2 - Co基金属ガラス合金、磁心、電磁変換機および時計 - Google Patents
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Description
このような金属ガラスは、その特性を示す指標として、結晶化し始める温度である結晶化開始温度Txと、ガラス転移を生じる温度であるガラス転移温度Tgという相転移温度と、加熱したときに合金全体が完全な液体状態になる温度である液相線温度Tlを有している。そして、これらの温度の差Tx−Tgは、一般に、過冷却液体温度域△Txとして定義され、Tg/Tlは、換算ガラス化温度として定義されている。これら△Tx,Tg/Tlは、金属ガラスのなり易さ(ガラス形成能)を示す指標であり、過冷却液体温度域△Txが広く、換算ガラス化温度Tg/Tlが大きい金属ガラスほど安定的に存在することができる。
例えば、特許文献1には、Feを主成分とした金属ガラス合金で構成された磁心、特許文献2には、Coを主成分とした金属ガラス合金が開示されている。
また、特許文献1のCoを主成分とした金属ガラス合金は、過冷却液体温度域△Txが20K以上と高く、軟磁気特性を示すものの、比透磁率が20,000以上と高い値を示す周波数領域が1KHzであり、特許文献1と同様に、電子制御式機械時計の磁心などは、十分な磁気特性を発揮することができない。
また、この発明によると、Co基金属ガラス合金は、十分なガラス形成能を示すものとなる。したがって、特殊な冷却手段を用いて、大きな冷却速度で冷却することなく、容易に金属ガラスを得ることができる。
また、この発明によると、例えば、低周波数帯で使用されるモータや発電機の磁心材料として、本発明のCo基金属ガラス合金が特に好適に用いられる。すなわち、このような磁心においては、比透磁率が大きいほど磁心の内部を通過する磁束密度が大きくなり、モータや発電機の性能を高めることができる。したがって、低周波数帯において高い性能を示す磁心を得ることができる。
この発明によると、Co基金属ガラス合金の比透磁率を高め、例えば磁気特性に優れた磁心を得ることができる。
また、本発明のCo基金属ガラス合金は、Siの含有率が10原子%以上かつ11原子%以下であることが好ましい。
この発明によると、過冷却液体温度域△Txを広く、換算ガラス化温度Tg/Tlを大きくしてCo基金属ガラス合金のガラス形成能を高めることができる。
この発明によると、過冷却液体温度域△Txを広く、換算ガラス化温度Tg/Tlを大きくしてCo基金属ガラス合金のガラス形成能を高めることができるとともに、比透磁率をさらに高めることができる。
この発明によると、低い周波数帯において内部を透過する磁束密度が大きくなり、高性能の磁心を得ることができる。
また、本発明の磁心は、前記Co基金属ガラス合金で構成された粉末を成形してなる成形体、または、該成形体を焼結してなる焼結体で構成されることが好ましい。
また、本発明の磁心は、前記焼結が、放電プラズマ焼結により行われることが好ましい。
また、本発明の磁心は、当該磁心が、前記Co基金属ガラス合金の溶融物を鋳造成形してなるものであることが好ましい。
また、本発明の電磁変換機は、本発明の磁心と、該磁心の外周に巻き回されるコイルとを有することを特徴とする。
この発明によると、低い周波数帯において内部を透過する磁束密度が大きくなり、電磁変換機として高い性能を示すものとなる。
この発明によると、巻線部の外周と、この巻線部に巻き付けられたコイルとの間に、隙間が生じ難くなり、コイルに電圧を印加した場合、磁心に対してより大きな磁束密度をもたらすことができる。
この発明によると、磁心とコイルとの絶縁を図る絶縁層を、容易に形成することができる。
さらに、本発明の時計は、本発明の電磁変換機を備えることが好ましい。この発明によると、高性能の時計を得ることができる。
[Co基金属ガラス合金]
まず、本発明のCo基金属ガラス合金について説明する。
本発明のCo基金属ガラス合金は、Co(コバルト)を主成分とし、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、B(ホウ素)、Si(ケイ素)、Nb(ニオブ)、Mo(モリブデン)およびCr(クロム)を含むものである。そして、Feの含有率が2原子%以上かつ6原子%以下、Niの含有率が0原子%以上かつ4原子%以下、Bの含有率が15原子%以上かつ20原子%以下、Siの含有率が8原子%以上かつ13原子%以下、Nbの含有率が0原子%以上かつ3原子%以下、Moの含有率が0.1原子%以上かつ1原子%以下,残部がCoとされている。
ここで、過冷却液体温度域△Txは、金属ガラス合金が結晶化し始める温度である結晶化開始温度Txとガラス転移を生じる温度であるガラス転移温度Tgとの差Tx−Tgで定義される指標である。この指標は、金属ガラスのなり易さ(ガラス形成能)を示す指標であり、過冷却液体温度域△Txが広い金属ガラスほど安定的に存在することができる。
以下、本発明のCo基金属ガラス合金を構成する各構成元素の含有率について、図1から図9を参照して順次説明する。
Feは、主に、Co基金属ガラス合金の飽和磁束密度に大きく影響し、比透磁率を高める等の性質を有する成分である。
図1及び図2は、前記含有比率としたCoおよびFeを合わせた含有率の変化に対する、最大透磁率μm及び磁束密度Bmの特性を示したものである。これら図1、2から明らかなように、CoおよびFeの含有率を68原子%以上かつ71原子%にすると、最大透磁率μm、磁束密度Bmが最大値を示す。これにより、Co基金属ガラス合金の比透磁率を高め、例えば、磁気特性に優れた磁心を得ることができる。
Bは、主成分のCoに対して原子サイズが異なる元素であるため、主に、ガラス形成能、すなわち過冷却液体温度域ΔTxに影響を及ぼす等の性質を有する成分である。Bの含有率は、前述した15原子%以上かつ20原子%以下とすることにより、十分な過冷却液体温度域ΔTxを確保することができる。Bの含有率が下限値(15原子%)を下回ると、過冷却液体温度域ΔTxが著しく狭くなり、Co基金属ガラス合金のガラス形成能が著しく低下する。一方、Bの含有率が上限値(20原子%)を上回ると、比透磁率が著しく低下する。
図3、図4は、Siの含有率の変化に対する液相線温度Tl、換算ガラス化温度Tg/Tlの特性を示したものである。これら図3、4から、Siの含有率が8〜13原子%の範囲で変化すると、液相線温度Tlが低くなり、換算ガラス化温度Tg/Tlが大きくなることがわかる。
図7から図9は、Moの含有率変化に対応した換算ガラス化温度Tg/Tl、液相線温度Tl、磁束密度Bm及び保磁力の変化を示すものである。
そして、図7、図8からMoの含有率が0.2〜0.35原子%の範囲で変化すると、液相線温度Tlが低くなり、換算ガラス化温度Tg/Tlが大きくなることがわかる。また、図9からMoの含有率が0.2〜0.35原子%の範囲で変化すると、磁束密度Bmが500mTを確保され、保持力が1.7A/mと極小値を示すことがわかる。
ここで、金属ガラス合金は、溶融状態の原材料を冷却することにより得ることができる。冷却することにより、溶融状態にある原材料の原子配列を固定し、ランダムな原子配列の合金を得ることができる。過冷却液体温度域ΔTxが広く、換算ガラス化温度Tg/Tlが大きいと、十分な冷却速度を確保できない場合にも、金属ガラス合金を確実に得ることができるようになる。
また、本発明のCo基金属ガラス合金は、前述したように、軟磁気特性を示すとともに、高い比透磁率を示す。
本発明のCo基金属ガラス合金は、測定周波数10Hzにおける最大比透磁率が80,000以上であるのが好ましい。10Hz程度の比較的低周波数における最大比透磁率が前記範囲内にあると、例えば、低周波数帯で使用されるモータや発電機の磁心材料として、本発明のCo基金属ガラス合金が特に好適に用いられる。すなわち、このような磁心においては、比透磁率が大きいほど磁心の内部を通過する磁束密度が大きくなり、モータや発電機の性能を高めることができる。したがって、低周波数帯において高い性能を示す磁心を得ることができる。
<第1実施形態>
次に、本発明の磁心および電磁変換機の第1実施形態について説明する。
図10は、本発明の磁心の第1実施形態を示す模式図(斜視図)である。
図10に示す磁心1は、円柱状(横断面形状が円形状)の巻線部40と、巻線部40の両端部に設けられた2つのコイル枠41,41と、各コイル枠41,41の巻線部40と反対側に、それぞれ各接続部42,42が設けられている。2つのコイル枠41,41の巻線部40を向く面は、外周側から内周側に向かうに従い互いに近接するテーパ面41a,41aが形成されている。このように、2つのコイル枠41,41の巻線部40を向く面をテーパ面41a,41aとした磁心1は、射出成形による成形性が良好となる。
この磁心1は、前述した本発明のCo基金属ガラス合金で構成されている。前述したように、本発明のCo基金属ガラス合金は、過冷却液体温度域ΔTxが広く、かつ換算ガラス化温度Tg/Tlが大く、安定して存在し得るものであり、さらに、低い周波数で高い透磁率を示すものである。したがって、このようなCo基金属ガラス合金で構成された磁心1は、低い周波数帯において内部を透過する磁束密度が大きくなり、磁心および後述する電磁変換機として高い性能を示すものとなる。
このうち、例えば、磁心1をモータの磁心に適用した場合、磁心の磁気特性が向上したことにより、モータの消費電力を低減することができる。その結果、このモータを備えた時計の電池寿命を延長することができる。
図11に示す電磁変換機2は、磁心1と、磁心1の巻線部40の周囲に複数層にわたって巻き付けられた導線(コイル)43とを有している。そして、巻き付けられた導線43の外径は、各コイル枠41の外径とほぼ等しくなっている。
前述したように、巻線部40は円柱状(横断面形状が円形状)をなしているため、導線43は、円弧を描くように巻線部40の周囲に巻き付けられている。このような構成では、導線43と接触する巻線部40の外周が曲面になっているため、角柱状の巻線部を備えた従来の磁心と比較して、導線43が屈曲するのを防止することができる。
また、導線43は、表面に絶縁被膜を備えている。本実施形態の巻線部40は、前述のように円柱状をなしているため、絶縁被膜の損傷を確実に防止することができる。これにより、導線43同士の絶縁をより確実に確保することができる。
さらに、巻線部40が円柱状をなしているため、その周囲に巻き付けられた導線43と巻線部40の外周面との間に、隙間が生じ難いという利点がある。これにより、例えば、導線43に電圧を印加した場合、磁心1に対して、より大きな磁束密度をもたらすことができる。
図10に示す磁心1は、前述したように、巻線部40、各コイル枠41、41、および各接続部42、42が一体に形成されているため、これらの各部の間において磁界が通過し易くなる。このため、接続部42における磁束密度が高くなり、磁心1の性能をより高めることができる。
図12に示す射出成形装置100は、装置本体101と、装置本体101内に設けられた円筒状のスリーブ102と、スリーブ102の外周に巻き付けられた誘導コイル103と、スリーブ102内を上下方向に移動可能なピストン104と、装置本体101の上部に配置した成形型110とを備えている。成形型110内には、キャビティ111が設けられており、前述のスリーブ102の内部とキャビティ111とが流路(ゲート)112を介して連通している。また、射出成形装置100は、図示しない減圧手段を有しており、スリーブ102の内部、キャビティ111および流路112を減圧することができる。
[1]まず、本発明のCo基金属ガラス合金を得るための構成元素材料を、前述の各構成元素の含有率にしたがって秤量し、原材料を得る。
[2]次に、この原材料を、射出成形装置100のスリーブ102内のピストン104上に載置する。そして、減圧手段により、スリーブ102の内部、キャビティ111および流路112を減圧する。続いて、誘導コイル103に高周波電圧を印加して、スリーブ102内の原材料を所定の温度に加熱する。これにより、原材料を溶解し、溶湯(溶融物)を得る。
[3]次に、成形型110を冷却する。続いて、ピストン104を上方に移動させる。これにより、ピストン104上の溶湯を、流路112を介してキャビティ111内に射出する。キャビティ111内に射出された溶湯は、キャビティ111の内壁に接触することにより急速に冷却される。これにより、溶湯中にランダムに存在していた各原子は、そのランダムな配置を保存した状態で固化に至る。その結果、溶湯は、原子がランダムに配置した金属ガラス合金となる。そして、キャビティ111の形状を忠実に再現して、目的とする形状の磁心を高い寸法精度で得ることができる。
[4]次に、成形型110を開いて、磁心を取り出す。
このような方法で得られた磁心1は、実質的に、その全体が金属ガラス合金で構成されたものとなる。このため、磁心1中において金属ガラス合金が占める割合(占積率)が極めて高くなり、それに伴って、磁心1の磁束密度が向上する。その結果、より高性能な磁心1が得られる。
次に、本発明の磁心および電磁変換機の第2実施形態について説明する。
図13は、本発明の磁心の第2実施形態を示す模式図(斜視図)である。
以下、第2実施形態について説明するが、図10で示した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態の磁心および電磁変換機は、磁心の構成材料および製造方法が異なる以外は、前記第1実施形態と同様である。
図13に示す磁心1aは、前述した本発明のCo基金属ガラス合金の粉末と、この粉末中の粒子同士を絶縁する樹脂材料とで構成されている。
図14に示す射出成形装置200は、成形型201と、成形型201内に設けられたキャビティ202と、キャビティ202内に溶湯を射出するノズル203と、このノズル203とキャビティ202とを接続する流路(ゲート)204とを有している。
[1]まず、本発明のCo基金属ガラス合金を得るための構成元素材料を、前述の各構成元素の含有率にしたがって秤量し、原材料を得る。
[2]次に、この原材料を加熱して溶解し、溶湯(溶融物)を得る。
[3]次に、得られた溶湯を、粉末化するとともに急速に冷却して固化し、Co基金属ガラス合金で構成された粉末を得る。粉末化するとともに冷却する方法としては、例えば、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、高速回転水流アトマイズ法のような各種アトマイズ法を用いることができる。アトマイズ法によれば、極めて微小な粉末を効率よく製造することができる。また、アトマイズ法で製造された粉末中の粒子は、真球に近い球形状をなしているため、分散性や流動性に優れており、例えば、このような粉末を含む組成物を成形型に充填する際には、その充填性が高まるという利点がある。
さらに、混練物中には、粉末、樹脂材料、可塑剤の他に、例えば、酸化防止剤、脱脂促進剤、界面活性剤等の各種添加物を必要に応じ添加することができる。なお、混練物は、必要に応じて、ペレット(小塊)化してもよい。
[6]次に、得られた成形体に熱処理を施す。これにより、成形体が硬化し、Co基金属ガラス合金の粉末および樹脂材料で構成された磁心1aが得られる。
以上のような電磁変換機は、例えば、時計に組み込むことができる。以下、本発明の電磁変換機を備える本発明の時計について説明する。
≪第1実施形態≫
図15は、本発明の時計の第1実施形態を模式的に示す平面図であり、電子制御式機械時計を一例とした時計500を示している。
この時計500は、香箱車501、二番車506、三番車507、秒針車508、四十四番車(中間車)509、四番車510、五番車511、六番車512、およびロータ513の各歯車等の機械部品を有している。
ステータ521は、発電機520の磁気回路の一部を形成するものであり、ロータ磁石が配置される配置穴521aを有することで、ロータ513の磁束を鎖交させるようになっている。
発電機520からの交流出力は、昇圧整流、全波整流、半波整流、トランジスタ整流等で構成された整流回路を介して昇圧、整流されて平滑用コンデンサに充電される。そして、このコンデンサからの電力で発電機20の回転を制御する図示しない制御回路を作動させている。なお、制御回路は、発振回路、分周回路、回転検出回路、回転数比較回路、電磁ブレーキ制御手段等を含む集積回路(IC)を有している。また、発振回路は、水晶振動子を有している。
この角穴車504を回転させる方法は、図示しない竜頭に接続された巻真530を操作することにより、キチ車531、丸穴車532、角穴中間車533を介して行われるが、この際、角穴車504の回転方向は、コハゼ504aによって規制されている。また、分針および時針を合わせる方法は、同様に、巻真530を操作し、つづみ車534、小鉄車535、日の裏中間車536、日の裏車537を介して行われるが、この際、駆動系は、制御レバー538を五番車511に当接させることにより停止するようになっている。なお、これらの機構は、一般的な機械時計の自動巻または手巻機構と同様であるため、さらなる詳細な説明を省略する。
次に、図16は、本発明の時計の第2実施形態を模式的に示す平面図であり、時刻情報が重畳された標準電波を受信して表示時刻を修正する機能を有する電波修正時計の一例とした時計600である。なお、以下の説明では、図16中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」という。また、図16は、時計のムーブメントを収納するケースを省略して描いている。
回路ブロック685は、基準クロックを発振する計時用の水晶振動子6851と、前述のCPU684と、標準電波の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタ用水晶振動子(図示せず)と、電波受信用アンテナ690で受信した標準電波を処理する受信用IC(受信用回路)687等とを備えている。このような回路ブロック685は、回路押さえと地板681との間に挟持され、ねじ等の固定手段を用いて地板681に固定されている。
受信用IC687は、電波受信用アンテナ690で受信した標準電波を復調する復調回路や、受信信号を増幅する増幅回路などを備えて構成されている。
以上、本発明のCo基金属ガラス合金、磁心、電磁交換機、および時計について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、本発明の磁心および電磁交換機を時計に用いた場合を代表に説明したが、このような場合に限定されない。また、本発明の磁心、電磁交換機および時計の各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、本発明の磁心、電磁交換機および時計の各部は、前記各実施形態で説明した複数の構成を組み合わせたものでもよい。
1.Co基金属ガラス合金の磁心の製造および評価
Feの含有率が2原子%以上かつ6原子%以下、Niの含有率が4原子%以下、Bの含有率が15原子%以上かつ20原子%以下、Siの含有率が8原子%以上かつ13原子%以下、Nbの含有率が3原子%以下、Moの含有率が0.1原子%以上かつ1原子%以下、Crの含有率が2原子%以下、残部がCoの組成範囲となるように、(Co0.6594Fe0.0406Si0.11B0.17Nb0.02)99.7Mo0.3の組成からなるCo基金属ガラス合金製の図10で示す磁心1(以下、本実施形態の磁心1と称する)を、図12の射出成形装置100を用いて成形した。
次に、本実施形態の磁心1に対して、測定周波数10Hzにおける最大比透磁率を測定した。また、本実施形態の磁心1を、長手方向に直交するよう切断し、その切断面を走査電子顕微鏡で観察した。そして、切断面において、Co基金属ガラス合金が占める面積の割合を占積率として算出した。
2.時計の製造および評価
本実施形態の磁心1を用いて、図11で示す電磁変換機2を製造した。この際、磁心1の巻線部40の外周には、Co基金属ガラス合金中の元素を含む絶縁層(不働態被膜)を形成した。また、電磁変換機2を、図15の発電機520の第1コイルブロック522及び第2コイルブロック523として図15の電子制御式機械時計500(以下、本実施形態の時計500と称する)を製作した。
Claims (12)
- Feの含有率が2原子%以上かつ6原子%以下、
Niの含有率が0原子%以上かつ4原子%以下、
Bの含有率が15原子%以上かつ20原子%以下、
Siの含有率が8原子%以上かつ13原子%以下、
Nbの含有率が0原子%以上かつ3原子%以下、
Moの含有率が0.1原子%以上かつ1原子%以下、
Crの含有率が0原子%以上かつ2原子%以下、
残部がCoであることを特徴とするCo基金属ガラス合金であって、
当該Co基金属ガラス合金の結晶化開始温度をTx[K]とし、ガラス転移温度をTg[K]とし、合金の液相線温度をTl[K]としたとき、Tx−Tgで定義される過冷却液体温度域△Txが30K以上であり、換算ガラス化温度Tg/Tlが0.58以上であり、測定周波数10Hzにおける最大透磁率が80,000以上であることを特徴とするCo基金属ガラス合金。 - CoおよびFeを合わせた含有率が68原子%以上かつ71原子%以下であることを特徴とする請求項1記載のCo基金属ガラス合金。
- Siの含有率が10原子%以上かつ11原子%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のCo基金属ガラス合金。
- Moの含有率が0.2原子%以上かつ0.35原子%以下であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のCo基金属ガラス合金。
- 請求項1乃至4の何れか1項に記載のCo基金属ガラス合金で構成されていることを特徴とする磁心。
- 前記Co基金属ガラス合金で構成された粉末を成形してなる成形体、または、該成形体を焼結してなる焼結体で構成されることを特徴とする請求項5に記載の磁心。
- 前記焼結は、放電プラズマ焼結により行われることを特徴とする請求項6に記載の磁心。
- 前記Co基金属ガラス合金の溶融物を鋳造成形してなることを特徴とする請求項5に記載の磁心。
- 請求項5乃至8の何れか1項に記載の磁心と、当該磁心の外周に巻き回されるコイルとを有することを特徴とする電磁変換機。
- 前記コイルと接触する前記磁心の巻線部の断面形状を円形状とすることを特徴とする請求項9記載の電磁変換機。
- 前記磁心の前記コイルと接触する表面に、不働態被膜を形成することを特徴とする請求項9又は10に記載の電磁変換機。
- 請求項9乃至11の何れか1項に記載の電磁変換機を備えたことを特徴とする時計。
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