JP5411526B2 - 表面処理のための軸バイト - Google Patents

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本発明は、表面処理のための軸バイトに関するもので、より具体的には、対象物との狭間に磁気ペーストを存在させて微細な削り作用の表面処理を行うに際し、軸バイトの運動動作に連動する磁気ペーストの分散の改良に関する。
この種の表面処理の技術として、いわゆる磁気研磨法と呼ばれる技術がよく知られている。これは、磁性流体(MF:Magnetic Fluid)や磁気粘性流体(MRF:Magneto Rheological Fluid)を研磨粒子と混合させ、磁界により混合液を運動させることで研磨を行っている。
例えば特許文献1などには、磁気研磨のための研磨バイトについて改良技術の提案がある。これは図1に示すように、研磨バイト(軸バイト)の先端に永久磁石1を備えて磁場の発生源とするものである。永久磁石1は、球体形状あるいは適宜な曲面を有した曲面体形状に形成し、円柱形状の支持体2の端面に埋め込み設けて略半分が露出する状態としている。そして、その支持体2から一体に延びる軸部3を駆動手段へ連係して回転等の運動動作を行わせている。
軸バイトの周りに磁気研磨液(磁気ペースト6)を付着させると、磁気吸引力によりMFやMRF中の強磁性粒子(例えば鉄粒子),マグネタイト粒子が、多数凝集して磁気クラスタを形成する。この磁気クラスタは、磁束に沿うので対象物5に対立して針状に多数が立ち並ぶ態様を採る。これにより、磁気ペースト6が軸バイト(永久磁石1)に付着して磁気ブラシとなる。そして、磁気ブラシあるいは対象物5が回転動作することにより、両者間の相対運動のため磁気ブラシが対象物5の表面を接触した状態で移動する。その結果、対象物5の表面の凹凸は研磨粒子を伴う磁気ブラシが研磨し、より平滑な表面を得ることができ、非接触の流体研磨が行える。
特開2007−313634号公報
しかしながら、図1に示すような研磨バイト(軸バイト)により表面処理を行う従来技術では、研磨力の低下が予想以上に早く進み、表面処理を安定に行えない問題が起きている。これは問題現象を検討したところ、対象物5に対して針状に多数が立ち並ぶはずの磁気クラスタが表面処理中に次第に永久磁石の露出側の磁極から押し出され、その一部が永久磁石の反対極側(非露出側)へ引き寄せられることにより、対象物5との狭間で磁気研磨ペーストが予想以上に早く不足してしまう現象が生じているようでもあると見ている。よって、従来技術は、対象物との狭間に必要十分な磁気ペーストを比較的長時間に渡り安定して存在し続けることが困難であるという課題がある。
上記の課題を解決するため、本発明に係る表面処理のための軸バイトは、対象物に対して非接触の状態を保ち、周辺に存在させた磁気ペーストを連動することにより微細な削り作用の表面処理を行う軸バイトであって、(1)球体形状あるいは先端側が適宜な曲面形状をなす永久磁石と、円柱形状であり永久磁石の取り付け部位を端部へ接合状態に保持する支持体と、支持体から一体に延びていて回転軸や振動軸等の駆動手段へ連係させる軸部と、支持体に嵌め合う環状形状であり非磁性体材料から形成するカバーリングとを備え、そのカバーリングは支持体へ嵌め合わせて永久磁石における磁極間の略中央よりも上側を少なくとも覆う位置に固定し、前記永久磁石の先端は前記カバーリングよりも外に突出するとともに、その突出した前記永久磁石の先端から出力される磁束のうち前記先端と対極側へ向かうものを前記カバーリングが遮るように構成する。
(2)カバーリングは、樹脂材料あるいはアルミ材料などの非磁性体材料から形成する構成にするとよい。(3)カバーリングは、下側周縁を角のない傾斜部位に形成する構成にするとよい。(4)カバーリングの周面にラジアル方向にねじ孔を設け、支持体に対してねじ止めにより連係させる構成にするとよい。(5)カバーリングは環状形状の一所を分断した略C字形状に形成するとともに、当該分断部位を貫く向きにねじ孔を設けてねじ止め連結し、支持体に対してねじ止め連結の締め付け力により連係させる構成にするとよい。(6)カバーリングは、支持体と一体に形成する構成にするとよい。
係る構成にすることにより本発明では、カバーリングが永久磁石を覆い、永久磁石の露出部分は、その磁極間の略中央よりも下側だけになる。磁気ペーストにおいて磁気クラスタは磁束に沿って立ち並ぶことから、永久磁石の反対極(非露出側)へ向かうものはカバーリングが遮り阻止する作用を行う。つまり、永久磁石の反対極(非露出側)へ向かう磁気クラスタは対象物の表面処理には寄与しない無駄になる成分であり、カバーリングが遮り阻止するので無駄になる磁気クラスタを低減できる。このため磁場の力(磁束密度)を、対象物の表面へ向かう磁気クラスタにだけ集中させることができ、磁気クラスタの分布状況を良好に改善できる。また、永久磁石の反対極(非露出側)へ向かう磁気クラスタをカバーリングが遮り阻止するので、磁気ペーストは散逸を抑えられて対象物との狭間に長く留まることになる。
本発明に係る表面処理のための軸バイトでは、磁気ペーストにおいて、永久磁石の反対極(非露出側)へ向かう磁気クラスタはカバーリングが遮り阻止する作用を行い、無駄になる磁気クラスタを低減できる。そして、磁場の力(磁束密度)を、対象物の表面へ向かう磁気クラスタにだけ集中させることができ、磁気クラスタの分布状況を良好に改善できる。また、無駄になる成分の磁気クラスタをカバーリングが遮り阻止するので、磁気ペーストは散逸を抑えられて対象物との狭間に長く留まり、対象物との狭間に磁気ペーストを必要十分に分散,確保することができる。その結果、表面処理を高い研磨力で安定に行うことができる。
軸バイトの従来の一例を示す側面図である。 本発明に係る軸バイトの第1の実施形態を示す側面図であり、カバーリングを分離して示している。 カバーリングを装着した状態を示し、(a)は側面図および(b)は上から見た平面図である。 図2,3の軸バイトによる表面処理を説明する側面図であり、カバーリングの固定を、(a)は永久磁石における磁極間の略中央よりも上側を覆う位置とした装着状態を示し、(b)は永久磁石における磁極間の略中央よりも下側で当該以上を覆う位置とした装着状態を示している。 本発明に係る軸バイトの第2の実施形態を示す側面図であり、カバーリングを分離して示している。 図5のカバーリングの装着状態を示し、(a)は側面図および(b)は上から見た平面図である。 永久磁石と支持体との接合部位の他例であり、両者を分離して示す側面図である。 カバーリングの他例を適用した軸バイトの側面図である。 評価試験に使用した軸バイトを示す側面図であり、(a)は図6の本発明に係る軸バイト、(b)は(a)からカバーリングを取り外した比較例1の軸バイト、(c)は永久磁石の露出量が相違した比較例2の軸バイトである。 評価試験の条件を説明する平面図である。 評価試験の結果を示す表面粗さのグラフであり、(a)は図6の本発明に係る軸バイトの研磨結果、(b)は(a)からカバーリングを取り外した比較例1の軸バイトの研磨結果、(c)は永久磁石の露出量が相違した比較例2の軸バイトの研磨結果である。
図2,図3は本発明の第1の実施形態を示している。本形態において軸バイトは、永久磁石1と、その永久磁石1を接合状態に保持する支持体2と、支持体2から一体に延びる軸部3と、支持体2に嵌め合うカバーリング4とを備えてている。そして、先端の永久磁石1を磁場の発生源とし、対象物に対して非接触の状態を保ち、周辺に存在させた磁気研磨液(磁気ペースト)を連動することにより微細な削り作用の表面処理を行う構成になっている。
永久磁石1は、球体形状に形成している。そして、支持体2は非磁性体材料から円柱形状に形成し、端部を所定曲率の凹所20に成形してあって、永久磁石1の取り付け部位をその凹所20へ嵌め合わせて固着させ、所定に埋め込ませた接合状態に保持している。本形態では、永久磁石1は側面から見て直径の略60%が露出する設定とし、略40%を端部へ埋め込ませるようにしている。永久磁石1は磁化の向きを軸心sに略一致させる設定で固着し、これはズレ位置で略平行となる関係にすることもよい。
カバーリング4は、樹脂材料あるいはアルミ材料などの非磁性体材料から環状形状に形成し、支持体2へ嵌め合わせて永久磁石1における磁極間の略中央よりも上側を少なくとも覆う位置に固定する。このカバーリング4は、本形態では図3(b)に示すように、環状形状の一所を分断した略C字形状に形成するとともに、当該分断部位を貫く向きにねじ孔を設けてねじ止め連結し、支持体2に対してねじ止め連結の締め付け力により連係させる構成にしている。そして後述するように、カバーリング4の固定位置は、表面処理の仕上げレベル等に応じて適宜に調整することができる。
図4は、図2,図3の軸バイトによる表面処理を説明する側面図であり、カバーリング4の固定を、(a)は永久磁石1における磁極間の略中央よりも上側を覆う位置とした装着状態を示し、(b)は永久磁石1における磁極間の略中央よりもさらに下側で当該以上を覆う位置とした装着状態を示している。
表面処理において、軸部3は回転軸や振動軸等の駆動手段へ連係させる。そして、その駆動手段の駆動により所定の運動動作を行わせる。例えば駆動手段の駆動により回転動作を行わせるとともに、対象物5と対面した姿勢で移動動作を行わせることにより、対象物5の表面に対して走査動作が行える。軸バイトには単に回転動作を行わせるのではなく、例えば正転,逆転の動作を繰り返す反転動作や、当該軸方向に振動動作を行わせるなど、適宜な運動動作を行うようにしてもよい。駆動手段には例えばNC工作機を用いればよく、ボール盤,旋盤,NC旋盤,フライス盤などの回転軸(チャック部)に軸バイトの軸部3を取り付け、着脱を行うようにする。
対象物5に対して軸バイト(永久磁石1)の間隔は、例えば0.1mmから2.0mmの範囲とし、永久磁石1を所定に回転動作させる。軸バイトの回転動作では、先端の永久磁石1をむやみと高速回転させることは研磨が過剰になりムラに仕上がる等の不良を起こす問題があるため、平滑面を良好に得るには、当該回転における周速を所定範囲内とすることがよい。つまり、周速は磁気ペースト6が飛散を起こさない程度に上限値を設定し、所定の下限値から上限値の範囲内となる表面処理を行うことが好ましい。
磁気ペースト6は、磁性粒子および溶媒との2成分を含む組成とし、溶媒には植物油脂などを用いる。この磁気ペースト6は対象物5と軸バイトとの狭間へ供給手段により供給する。
磁性粒子には、フェライト粒子などの軟磁性焼結体や鉄粉等の金属粒子などを用いることができる。フェライト粒子は酸化鉄を主成分とするセラミックスであり大半が強磁性を示し、磁化を持つため磁界をかけることで当該粒子は磁気クラスタを形成する。鉄粉等の磁化し得る金属粒子でも同様であり、磁界をかけることで当該粒子は磁気クラスタを形成する。そして、フェライト粒子や鉄粉等の金属粒子は、対象物5に対しては十分に硬く、したがって研磨のための砥粒として機能させることができ、磁気クラスタそのものが、微細な削り作用による表面処理を行うための磁気ブラシとなる。
磁気ペースト6には樹脂粒子をさらに混在させることもよい。この場合、樹脂粒子は溶媒に溶解しない不溶解性で低融点の樹脂材料から形成する。また、樹脂粒子の形状は、例えば球形状とすればよく、あるいは繊維状等の非球形状に形成することでもよい。植物油脂に溶解しない樹脂材料では、例えばポリエチレン(PE),ポリスチレン(PS),ポリメチルメタクリレート(PMMA),ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリ塩化ビニル(PVC)などが利用できる。この樹脂粒子の形状は、球形の他に繊維状等の非球形粒子でもよい。
軸バイトの運動動作は上述したように、単なる回転動作や正転,逆転を繰り返す反転動作など、所定の運動動作を行わせ、そして、対面する対象物5に対しては表面を順次になぞっていく移動動作を行わせ、通常の一般的な走査動作を行う。このとき、軸バイト(永久磁石1)の近辺には磁気ペースト6を供給しておく。
軸バイトと対象物5との間には磁気ペースト6が存在し、当該磁気ペースト6はフェライト粒子や鉄粉など磁性粒子を含み、永久磁石1により磁気ペースト6に時間的に定常的あるいは変動的な磁界が加わると磁気クラスタが生成する。つまり、磁気研磨液中のフェライト粒子や鉄粉など磁性粒子が、磁気吸引力により多数凝集して磁気クラス夕となる。そして、フェライト粒子や鉄粉など磁性粒子は研磨のための砥粒として機能し、磁気クラスタそのものが、微細な削りを行う磁気ブラシとなる。磁気ブラシは、磁束に沿って対象物5に対立して針状に多数が立ち並び、砥粒作用を行うフェライト粒子が対象物5の表面に抑えつけられる。このとき、軸バイトは走査動作することから、フェライト粒子は対象物5の表面上を接触しつつ運動して微細な削りを行う。これにより、非接触の微細な削り作用による表面処理を行うことができる。
この場合、カバーリング4が永久磁石1を覆い、永久磁石1の露出部分は、図4(a)に示すように、その磁極間の略中央よりも下側だけになる。あるいは図4(b)に示すように、磁極間の略中央よりもさらに下側だけに調整することもでき、例えば側面から見て直径の略25%程度だけが露出する設定もできる。
ここで、磁気ペースト6において磁気クラスタは磁束に沿って立ち並ぶことから、永久磁石1の反対極(非露出側)へ向かうものはカバーリング4が遮り阻止する作用を行う。つまり、永久磁石1の反対極(非露出側)へ向かう磁気クラスタは対象物5の表面処理には寄与しない無駄になる成分であり、カバーリング4が遮り阻止するので無駄になる磁気クラスタを低減できる。このため磁場の力(磁束密度)を、対象物5の表面へ向かう磁気クラスタにだけ集中させることができ、磁気クラスタの分布状況を良好に改善できる。また、永久磁石1の反対極(非露出側)へ向かう磁気クラスタをカバーリング4が遮り阻止するので、磁気ペースト6は散逸を抑えられて対象物5との狭間に長く留まることになる。したがって、対象物5との狭間に磁気ペースト6を必要十分に分散,確保することができ、その結果、表面処理を高い研磨力で安定に行うことができる。
図4(b)に示すように、カバーリング4をさらに下側に装着する設定では、カバーリング4が対象物5側へより接近するので、磁気ペースト6は高さが低くより狭い領域に高密度に留めることができる。したがって、磁場の力(磁束密度)を対象物5の表面へ向かう磁気クラスタにだけ集中させる作用をより強力に得ることができる。そして、磁気ペースト6の散逸を抑えて対象物5との狭間に長く留める作用もより強力に得ることができる。その結果、表面処理をより高い研磨力でより安定に行うことができる。
図5,図6は、本発明の第2の実施形態を示している。本形態において軸バイトは、基本的には第1の実施形態と同様であり、球体形状の永久磁石1を支持体2に保持させて磁場の発生源とする構成を採る。第1の実施形態と同様な構成には同一符号を付してあり、その説明を省略する。
本形態では、永久磁石1の取り付け状態および支持体2に嵌め合うカバーリング4の形状等を変更した構成にしている。つまり、永久磁石1の直径に対して支持体2の外径をやや細く設定し、そして支持体2の端部の凹所20も浅く成形している。これにより、永久磁石1は側面から見て直径の略86%が露出する設定とし、略14%を端部へ埋め込ませるようにしている。
カバーリング4は環状形状に形成するが、下側周縁を角のない傾斜部位40に形成し、周面にはラジアル方向にねじ孔を設け、支持体2に対してねじ止めにより連係させる構成にしている。このカバーリング4は、下側端面を所定曲率の凹所41に成形してあって永久磁石1の対応部位と適合し、支持体2へ嵌め合わせた際は、永久磁石1における磁極間の略中央よりも上側を少なくとも覆う位置で固定できるようになっている。
永久磁石1の形状は球体形状に限らず適宜であるが、先端側が適宜な曲面形状をなす曲面体が好ましい。例えば図7に示すように、永久磁石1は、球体形状の一部を平坦にカットして当該平坦面を支持体2との取り付け部位10に形成することもできる。この場合、支持体2の端部は凹所に成形する必要がなく、平坦に仕上げた端部へ取り付け部位10を固着させる構成になり、永久磁石1を接合状態に保持できる。また、カバーリング4は図8に示すように、支持体2と一体に形成する構成にすることもよい。
このように、カバーリング4について傾斜部位40を設ける構成であっても、作用は第1の実施形態と同様であり、磁気ペースト6において、永久磁石1の反対極(非露出側)へ向かう磁気クラスタはカバーリング4が遮り阻止する作用を行い、無駄になる磁気クラスタを低減できる。そして、磁場の力(磁束密度)を、対象物5の表面へ向かう磁気クラスタにだけ集中でき、磁気クラスタの分布状況を良好に改善できる。また、無駄になる成分の磁気クラスタをカバーリング4が遮り阻止するので、磁気ペースト6は散逸を抑えられて対象物5との狭間に長く留まり、対象物5との狭間に磁気ペースト6を必要十分に分散,確保することができる。その結果、表面処理を高い研磨力で安定に行うことができる。
本発明の効果を実証するため、図9に示す3種類の軸バイトを用いて試料の表面処理(研磨)を行った。評価試験に使用した軸バイトは、図9(a)の本発明に係る軸バイト、図9(b)の比較例1の軸バイト、図9(c)の比較例2の軸バイトである。そして、これらの軸バイトにより試料の表面処理(研磨)を行い、それら試料について表面粗さ(算術平均粗さRa,十点平均粗さRz)を評価した。
図9(a)の本発明に係る軸バイトは図6に示す構成であって、球体形状の永久磁石1は直径30mmとし、円柱形状の支持体2は直径20mmとし、傾斜部位40を設けたカバーリング4は永久磁石1における磁極間の略中央よりも上側を覆う位置に固定した。図9(b)の比較例1の軸バイトは、図9(a)からカバーリング4を取り外した構成であって、球体形状の永久磁石1は直径30mmとし、円柱形状の支持体2は直径20mmとし、永久磁石1は側面から見て直径の略86%が露出する設定とし、略14%を支持体2の端部へ埋め込ませた。図9(c)の比較例2の軸バイトは、永久磁石1の露出量が相違した構成であって、球体形状の永久磁石1は直径30mmとし、円柱形状の支持体2も直径30mmとし、永久磁石1は側面から見て直径の略60%が露出する設定とし、略40%を支持体2の端部へ埋め込ませた。
試料は厚さ5mmの銅板片(サイズ50×50mm)であり、図10に示すように6枚を並べて使用した。磁気ペースト6は磁性粉末75%,潤滑油(植物油脂)25%に調製したものとし、1回の表面処理につき30gを使用した。表面処理の条件は、軸バイト(永久磁石1)と対象物5との非接触の隙間を0.5mmとし、軸バイトの回転数は500rpmとし、走査動作は移動速度400mm/minで移動ピッチ0.2mmとし、研磨時間は試料の銅板片1枚につき0.5時間とし、図10に示すように6枚を連続して処理したので全体では3時間になった。
上述した条件により表面処理を行い、それら試料について表面粗さを測定したところ、図11に示すグラフを得た。図11(a)は図6の本発明に係る軸バイトの研磨結果、図11(b)は図11(a)からカバーリングを取り外した比較例1の軸バイトの研磨結果、図11(c)は永久磁石1の露出量が相違した比較例2の軸バイトの研磨結果である。
同図から明らかなように、(a)では良好な仕上げ面を得ることができており、(b)では研磨時間が20分程度から研磨力の低下があり、(c)でも研磨時間が60分程度から研磨力の低下があった。そして、本発明に係る軸バイト(a)にあっては、表面処理を高い研磨力で長時間安定に行えて適正な表面が得られることを確認した。これは、磁気クラスタの分布状況を良好に改善できており、対象物5との狭間に磁気ペースト6を必要十分に分散,確保できていることの結果であると言える。
1 永久磁石
2 支持体
3 軸部
4 カバーリング
5 対象物
6 磁気ペースト
20,41 凹所
40 傾斜部位
s 軸心

Claims (5)

  1. 対象物に対して非接触の状態を保ち、周辺に存在させた磁気ペーストを連動することにより微細な削り作用の表面処理を行う軸バイトであって、
    球体形状あるいは先端側が適宜な曲面形状をなす永久磁石と、円柱形状であり前記永久磁石の取り付け部位を端部へ接合状態に保持する支持体と、前記支持体から一体に延びていて回転軸や振動軸等の駆動手段へ連係させる軸部と、前記支持体に嵌め合う環状形状であり非磁性体材料から形成するカバーリングとを備え、
    前記カバーリングは前記支持体へ嵌め合わせて前記永久磁石における磁極間の略中央よりも上側を少なくとも覆う位置に固定し、前記永久磁石の先端は前記カバーリングよりも外に突出するとともに、その突出した前記永久磁石の先端から出力される磁束のうち前記先端と対極側へ向かうものを前記カバーリングが遮るように構成したことを特徴とする表面処理のための軸バイト。
  2. 前記カバーリングは、樹脂材料あるいはアルミ材料などの非磁性体材料から形成することを特徴とする請求項1に記載の表面処理のための軸バイト。
  3. 前記カバーリングは、下側周縁を角のない傾斜部位に形成することを特徴とする請求項1または2に記載の表面処理のための軸バイト。
  4. 前記カバーリングの周面にラジアル方向にねじ孔を設け、前記支持体に対してねじ止めにより連係させることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の表面処理のための軸バイト。
  5. 前記カバーリングは環状形状の一所を分断した略C字形状に形成するとともに、当該分断部位を貫く向きにねじ孔を設けてねじ止め連結し、前記支持体に対して前記ねじ止め連結の締め付け力により連係させることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の表面処理のための軸バイト。
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