JP2007021660A - 複雑形状体の鏡面研磨方法および鏡面研磨装置 - Google Patents

複雑形状体の鏡面研磨方法および鏡面研磨装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 研磨対象に非接触とする流体研磨を行ない、研磨対象が溝など凹凸を有する複雑形状体であっても研磨液に浸漬した表面全域について応力なく研磨が行なわれて、鏡面に仕上げることができる複雑形状体の鏡面研磨方法および鏡面研磨装置を提供すること
【解決手段】 磁場を発生する磁場発生源7を流動槽2の外周および底裏に設けて当該槽には磁気研磨液1を満たし、試料3(研磨対象)は支持部6に取り付けて吊り下げ、液中に浸漬させる。磁気研磨液1には非磁性の砥粒を混合し、増粘剤としてαセルロースなどを混合する。支持部6に連係した駆動モータ5により試料3を回転させ、流動槽2はこれと連係した振動台8により適宜に振動させて槽内の研磨液をかき混ぜる。試料3は取り付け面を除く表面全域が磁気研磨液1に浸漬し、それら表面全域に対して磁場が作用し、研磨液中に生成した磁気クラスタが砥粒を押さえつけ、相対運動によって研磨が行なえる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、精密機械部品や金型などの複雑な凹凸形状を有する複雑形状体の鏡面研磨方法および鏡面研磨装置に関するもので、より具体的には、複雑形状体である研磨対象を運動可能に支持するともに、その周辺に磁気研磨液を存在させて流体研磨を行なうことの改良に関する。
研磨対象の表面を鏡面に仕上げる技術としては、一般に、遊離砥粒を分散させた研磨剤を研磨対象とラップ定盤との間に介在させた状態で両者を擦り合わせる動作を行なうラッピングや、ラッピングよりも微細な砥粒を用い、ポリッシングパッドと呼ばれる柔らかい工具により研磨対象との擦り合わせ動作を行なうポリシングなどが行なわれている。
非接触の研磨技術にはフロートポリシングがあり、これは錫定盤と研磨対象を、微細な研磨剤を混濁したポリシング液中で同時に回転させることにより両者間に介在するポリシング液の流動圧で研磨対象をわずかに浮上させ、そのポリシング液中の研磨剤により加工を進めるような技術である。
また、磁界を作用させることで研磨を行なう磁気研磨の技術もよく知られており、例えば特許文献1,2に開示された発明がある。特許文献1には、磁気研磨液における分散粒子を調整することにより研磨液の性能を改善し、精密な研磨、仕上げ加工に適用し得るような技術が提案されている。特許文献2には、磁性砥粒からなる粒子ブラシと研磨対象との間で適正に相対運動を行なわせること、および磁性砥粒に非磁性層を被覆することにより研磨の挙動を改善し、精密な研磨、仕上げ加工に適用し得るような技術が提案されている。このような磁気研磨を用いた方式は、いわゆる非接触の研磨が行なえるため強度が弱い研磨対象でも応力なく研磨が行なえるメリットがあり、精密仕上げの用途に好まれている。
特開2002−170791号公報 特開2002−283216号公報
しかしながら、従来の鏡面研磨の技術では以下に示すような問題がある。磁気研磨の技術の場合、磁性砥粒(粒子ブラシ)つまり研削工具は磁界により活性化するため、研磨対象の研磨は磁場発生源の磁極が向き合う対面部位については良好に進み、磁極と対面しない外周部位などは研磨が比較的に進まない特性を持つ。このため、研磨対象の表面全域を均一に仕上げることが難しく、部分的にムラができてしまう問題がある。
特に、研磨対象が溝などの凹凸を有する複雑形状(複雑形状体)である場合には、ワーク装着の都合から、その溝などの凹凸部位が磁極と対面しない姿勢で支持部に装着することが多く、このため、磁極と対面しない外周部位にある溝の底部など複雑な凹凸部位を適正に研磨できない問題が起きている。
この発明は上記した課題を解決するもので、その目的は、研磨対象に非接触とする流体研磨を行ない、研磨対象が溝など凹凸を有する複雑形状体であっても研磨液に浸漬した表面全域について応力なく研磨が行なわれて、鏡面に仕上げることができる複雑形状体の鏡面研磨方法および鏡面研磨装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明に係る鏡面研磨方法は、複雑形状体である研磨対象を運動可能に支持するともに、その周辺に磁気研磨液を存在させて流体研磨を行なう方法であって、磁場を発生する磁場発生源を流動槽の外周および底裏に設け、当該流動槽には磁気研磨液を満たし、研磨対象は支持部に取り付け、吊り下げ状態で流動槽内に位置させて、少なくとも当該取り付け面を除く表面全域を磁気研磨液に浸漬させる。そして、磁気研磨液には非磁性の砥粒を混合しておき、前記支持部に連係した回転手段を起動することにより研磨対象を回転動作するともに、磁場発生源により磁気研磨液に時間的に定常的あるいは変動的な磁場を加え、そして当該磁気研磨液を攪拌手段によりかき混ぜて非接触の状態で流体研磨を行なう。
また、本発明に係る鏡面研磨装置は、磁気研磨液を満たす流動槽と、当該流動槽の外周および底裏に組み付き磁場を発生する磁場発生源と、研磨対象を吊り下げ状態に支持する支持部と、当該支持部に連係してこれを回転する回転手段と、流動槽内の磁気研磨液をかき混ぜる攪拌手段とを備える。そして、研磨対象は流動槽内に位置させるとともに、少なくとも前記支持部との取り付け面を除く表面全域を磁気研磨液に浸漬させ、磁気研磨液には非磁性の砥粒を混合しておき、回転手段を起動することにより研磨対象を回転動作するともに、磁場発生源により磁気研磨液に時間的に定常的あるいは変動的な磁場を加え、そして攪拌手段を起動することにより磁気研磨液をかき混ぜる構成にする。
また、各発明に用いる磁気研磨液は、動粘度0.01〜100mm/s程度の水やケロシン等の分散媒中に、粒子径1〜80μmの強磁性粒子を10〜95wt%分散させた流体に対して、粒子径10〜50nmの球形マグネタイト粒子が電気絶縁性を有する水やケロシン等の分散媒に一様に分散した流体を5〜90wt%混合した複合流体に、粒子径0.01〜100μmの非磁性の砥粒を混合し、さらに増粘剤としてαセルロースなどの繊維状物質あるいはホリビニルアルコール等の樹脂を5〜90wt%混合する構成のものが好ましい。
したがって本発明では、流動槽は外周および底裏に磁場発生源を有し、このため、流動槽内に位置させた研磨対象との間に磁場が作用し、磁気研磨液において磁気クラスタが生成する。具体的には請求項2,4に示す組成において、強磁性粒子(例えば鉄粒子),マグネタイト粒子が磁気吸引力により多数が凝集して磁気クラスタとなる。磁気クラスタは、磁束に沿うので研磨対象に対立して針状に多数が立ち並び、これにより磁気研磨液中に存在する砥粒が研磨対象の表面に抑えつけられる。また、磁気クラスタに絡み込まれた砥粒もあるので、それらも研磨対象の表面に抑えつけられる。
こうした状態で回転手段により研磨対象が回転動作することから、相対運動によって低粒は研磨対象の表面を接触しつつ運動する。このため、研磨対象の表面の凸部を砥粒が研削し、より平滑な表面が得られる。
また、攪拌手段により磁気研磨液をかき混ぜることから、研磨対象の凹部でも磁気研磨液が入れ替わり、磁気研磨液中で砥粒が動き回るため研削の作用をし、研磨が進むことになる。
さらに、磁気クラスタは、磁場発生源(永久磁石)の磁場から飛び外れてしまうものもある。これらは磁気研磨液中に分散してやがて消失してしまうが、少しの間は形状を保持することから、磁気研磨液の流動運動のため研磨対象の側部など各部位に回り込むことになり、回り込んだ磁気クラスタが当該部位に当たり研削の作用をし、あるいは当該部位で近辺に存在した砥粒を動かす作用となり、その結果、回転軸と対面しない側部でも研磨が進むことになる。もちろん、この浮遊した磁気クラスタは、研磨対象の凹部でも動き回り研削の作用をし、研磨が進むことになる。
また、磁気研磨液にはαセルロース等の増粘剤を含むので、添加した増粘剤は磁気クラスタを保持するように作用し、その結果、多数の砥粒が研磨対象の表面に接触する状況を促進でき、研磨を高効率に行なえる。
この場合、流動槽内に位置させた研磨対象は、支持部との取り付け面を除く表面全域が磁気研磨液に浸漬し、各表面に磁場発生源がそれぞれ対面するので、それら表面全域に対して磁場が作用し、したがって、研磨対象の取り付け面を除く表面全域を研磨することができる。
本発明に係る複雑形状体の鏡面研磨では、流動槽内に位置させた研磨対象は、支持部との取り付け面を除く表面全域が磁気研磨液に浸漬し、各表面に磁場発生源がそれぞれ対面するので、それら表面全域に対して磁場が作用し、したがって、研磨対象の取り付け面を除く表面全域を、磁気クラスタにより研磨することができる。
これは、研磨対象に対しては非接触の流体研磨であり、このため強度が弱い研磨対象でも応力なく研磨が行なわれて、磁気研磨液を攪拌手段によりかき混ぜるので研磨の作用を促進できる。したがって、研磨対象が溝など凹凸を有する複雑形状体であっても研磨液に浸漬した表面全域について応力なく研磨が行なわれて、鏡面に仕上げることができる。
図1は、本発明の好適な一実施の形態を示している。本形態において、鏡面研磨装置は、磁気研磨液1を満たした流動槽2を有し、その流動槽2内に研磨対象(試料3)を位置させて回転するともに、流動槽2には磁場を作用させて適宜な振動を行なわせ、磁気研磨液1に生成した磁気クラスタにより流体研磨を行なう構成になっている。
磁気研磨液1は非磁性の砥粒を混合してあり、具体的には、動粘度0.01〜100mm/s程度の水やケロシン等の分散媒中に、粒子径1〜80μmの強磁性粒子を10〜95wt%分散させた流体に対して、粒子径10〜50nmの球形マグネタイト粒子が電気絶縁性を有する水やケロシン等の分散媒に一様に分散した流体を5〜90wt%混合した複合流体に、粒子径0.01〜100μmの非磁性の砥粒を混合し、さらに増粘剤としてαセルロースなどの繊維状物質あるいはホリビニルアルコール等の樹脂を5〜90wt%混合している。
流動槽2に対しては上方から回転軸4を突き向けてあり、回転軸4の先端に試料3を取り付けて支持し、当該軸の他端に連結した駆動モータ5により回転させる。駆動モータ5には、例えばボール盤,旋盤,NC旋盤,フライス盤などの回転駆動機構を用いることができ、回転軸4の先端に連結した支持部6に試料3を取り付けし、その着脱が行なえる構成になっている。
流動槽2は、その外側に例えば永久磁石などの磁場発生源7を取り付けてあり、これと連係した振動台8により適宜な動作の振動を行なわせるようになっている。磁場発生源7は複数を流動槽2の外側全域に配置してあり、流動槽2の内側に対して磁場を一様に作用し得るようになっている。磁場発生源7としては永久磁石に限らず、例えば電磁石なども好ましく適用できる。要は、磁気研磨液1に対して磁場を作用し得るものであればよい。
試料3の研磨においては、まず流動槽2に対して試料3の位置関係を初期設定し、試料3が磁気研磨液1中に浸漬する状態にする。そして、駆動モータ5および振動台8を起動して、試料3を回転動作させるともに流動槽2は振動動作させ、磁気研磨液1には磁場発生源7により磁場を作用させる。
振動台8は図示しない駆動源を有し、回転軸4との対立面において運動動作(振動)する構成であり、その運動動作には複数の振動モードを設定してある。つまり、振動台8による振動動作は、例えば、回転軸4との対立面において、定点を中心とする単純な回転動作、あるいは8の字を描く回動動作、または定方向で往復する振動動作など、複数の振動モードがあり、研磨作業の際はこれらを適宜に選択あるいは組み合わせることになる。なお、振動台8は、回転軸4の軸方向に向かう縦振動を含む運動動作を行なうように構成することもよい。
このような構成によれば、流動槽2内にある試料3に対しては、図2に示すように、磁束が生じて磁気研磨液1において磁気クラスタ9が生成する。つまり、流動槽2の外側には磁場発生源7を取り付けてあるので磁場が作用し、磁場発生源7と試料3との間で磁束が生じ、強磁性粒子(例えば鉄粒子),マグネタイト粒子が磁気吸引力により多数が凝集して磁気クラスタ9となる。磁気クラスタ9は、磁束に沿うので試料3に対立して針状に多数が立ち並ぶことになる。
このとき、磁気研磨液1においては、増粘剤として加えたαセルロース10が磁気クラスタ9の相互間に織り込み状態に位置を占め、さらに非磁性の砥粒11を加えてあるので、これは磁気クラスタ9に絡み込まれるものもあるが、当該液が攪拌状態にあるため多くは試料3の表面に存在することになる。したがって、針状に立ち並ぶ磁気クラスタ9および織り込み状態のαセルロース10とによって、磁気研磨液1の中に存在する砥粒11が試料3の表面に押さえつけられる。また、磁気クラスタ9およびαセルロース10に絡み込まれた砥粒11もあるので、それらも試料3の表面に抑えつけられる。
こうした状態で回転軸4が回転し、すなわち試料3が回転動作することから、相対運動によって低粒11は試料3の表面を接触しつつ運動する。このため、試料3の表面の凸部を砥粒11が研削し、より平滑な表面が得られる。つまり、鏡面研磨が行なえる。
磁場が定常的では、磁気クラスタ9は磁束に沿って整列して立ち並び、磁力により整列状態が保持されるので砥粒11が試料3の表面(研磨面)に適度に当たって研磨が行なえる。また、磁場が変動的では磁気クラスタ9は動揺し、このときも砥粒11が研磨面に適度に当たり研磨が行なえる。このように、試料3に対して非接触の状態であっても、磁気クラスタ9およびαセルロース10の押さえ作用により研磨することができ、流体研磨が行なえる。
この場合、流動槽2内に位置させた試料3は、支持部6との取り付け面を除く表面全域が磁気研磨液1に浸漬し、各表面に磁場発生源7がそれぞれ対面するので、それら表面全域に対して磁場が作用し、したがって、試料3の取り付け面を除く表面全域を研磨することができる。
また、流動槽2を動かすことで磁気研磨液1をかき混ぜることから、試料3の凹部でも磁気研磨液1が入れ替わり、磁気研磨液1の中で砥粒11が動き回るため研削の作用をし、研磨が進むことになる。
ところで、磁気クラスタ9は磁場発生源7の磁場から飛び外れてしまうものもある。これらは磁気研磨液1の中に分散してやがて消失してしまうが、少しの間は形状を保持することから、磁気研磨液1の流動運動のため試料3の凹部など各部位に入り込むことになり、入り込んだ磁気クラスタ9が当該部位に当たり研削の作用をし、あるいは当該部位で近辺に存在した砥粒11を動かす作用となる。その結果、試料3の表面全域はもちろん研磨が進み、複雑形状をなす凹部の奥底でも研磨が進むことになる。
また、磁気研磨液1には増粘剤としてαセルロース10を含むので、添加した増粘剤は磁気クラスタ9を保持するように作用し、その結果、多数の砥粒11が試料3の表面に接触する状況を促進でき、研磨を高効率に行なえる。
したがって、本発明に係る鏡面研磨によれば、磁気研磨液1において生成した磁気クラスタ9により、試料3(研磨対象)に対しては非接触の流体研磨を行なうことができ、磁気研磨液1を攪拌手段によりかき混ぜるので研磨の作用を促進できる。そして、試料3は支持部6との取り付け面を除く表面全域が磁気研磨液1に浸漬し、各表面に磁場発生源7がそれぞれ対面するので、それら表面全域に対して磁場が作用し、そのため、研磨対象が溝など凹凸を有する複雑形状体であっても表面全域をムラなく鏡面に仕上げることができる。そして、非接触の流体研磨であるため、強度が弱い研磨対象でも応力なく研磨が行なえる。
研磨対象としては、図3に示すように溝を環状に持つ部品や、図4に示すように円柱の外周側面にカム溝を有するカム部品などがある。本実施の形態の研磨装置を用いることで、そうした複雑形状を有する部品を研磨でき、鏡面仕上げを行なえる。もちろん、研磨対象の形状・種類は図示したものに限るものではない。
図1に示す鏡面研磨装置を用いて試料の研磨を行った。つまり、本発明の効果を実証するため、研磨の条件を替えて所定の試料を研磨し、その試料について表面粗さRa(算術平均粗さ)を評価した。磁気研磨液としては表1に示す組成とし、評価試験には図3(a),(b)に示す形状寸法の試料を用いた。
Figure 2007021660
つまり、磁気研磨液はその組成に、非磁性の砥粒として粒子径0.05μmのアルミナを含み、さらに増粘剤としてαセルロースを含むものとする。そして、評価試験では、試料は図3(a),(b)に示すように、外径12mm,厚さ5mmの円板形状で同心に環状の溝部を有し、表2に示す諸条件により研磨を行っており、その結果、同表に合わせて示すような表面粗さRaが得られた。
Figure 2007021660
試料は真鍮からなり、図1には模式的に示しているが、試料3を流動槽2内に位置させたとき、当該槽内面との隙間が1mm程度になる取り合い関係に設定した。そして、回転軸4(試料3)の回転数は800rpm、研磨時間は1時間、振動台8は回転軸4との対立面において逆方向に回転動作を行ない、その回転数は30rpmとした。
その結果、表面粗さRaは、環状の溝部(凹部)では11nm、そして中央表面(凸部)でも同等に10nmを得ており、さらに外周側部でも8nmを得ることができた。試料3にあっては、外周側部を含めた全表面について表面仕上げが同程度に行なえることを確認した。
すなわち、本発明に係る鏡面研磨によれば、充分な表面粗さに鏡面研磨が行なえるものであり、これは支持部6に固定した底面を除く表面全域、つまり磁気研磨液に浸漬した表面全域を研磨することができ、もちろん複雑形状についてその凹部の奥底も適正に研磨でき、本発明の有用性が確認できた。
本発明に係る鏡面研磨装置の好適な一実施の形態を示す構成図である。 磁気クラスタによる流体研磨を示す説明図である。 研磨試験の試料とした複雑形状体の形状寸法を示す斜視図(a)および断面図(b)である。 複雑形状体の他例を示す斜視図である。
符号の説明
1 磁気研磨液
2 流動槽
3 試料(研磨対象)
4 回転軸
5 駆動モータ
6 支持部
7 磁場発生源
8 振動台
9 磁気クラスタ
10 αセルロース
11 砥粒

Claims (4)

  1. 複雑形状体である研磨対象を運動可能に支持するともに、その周辺に磁気研磨液を存在させて流体研磨を行なう複雑形状体の鏡面研磨方法あって、
    磁場を発生する磁場発生源を流動槽の外周および底裏に設け、
    当該流動槽には前記磁気研磨液を満たし、
    前記研磨対象は支持部に取り付け、吊り下げ状態で前記流動槽内に位置させて、少なくとも当該取り付け面を除く表面全域を前記磁気研磨液に浸漬させ、
    前記磁気研磨液には非磁性の砥粒を混合しておき、
    前記支持部に連係した回転手段を起動することにより前記研磨対象を回転動作するともに、前記磁場発生源により前記磁気研磨液に時間的に定常的あるいは変動的な磁場を加え、当該磁気研磨液を攪拌手段によりかき混ぜて非接触の状態で流体研磨を行なうことを特徴とする複雑形状体の鏡面研磨方法。
  2. 前記磁気研磨液は、
    動粘度0.01〜100mm/s程度の水やケロシン等の分散媒中に、粒子径1〜80μmの強磁性粒子を10〜95wt%分散させた流体に対して、粒子径10〜50nmの球形マグネタイト粒子が電気絶縁性を有する水やケロシン等の分散媒に一様に分散した流体を5〜90wt%混合した複合流体に、粒子径0.01〜100μmの非磁性の砥粒を混合し、さらに増粘剤としてαセルロースなどの繊維状物質あるいはホリビニルアルコール等の樹脂を5〜90wt%混合してなるものであることを特徴とする請求項1に記載の複雑形状体の鏡面研磨方法。
  3. 磁気研磨液を満たす流動槽と、当該流動槽の外周および底裏に組み付き磁場を発生する磁場発生源と、研磨対象を吊り下げ状態に支持する支持部と、当該支持部に連係してこれを回転する回転手段と、前記流動槽内の磁気研磨液をかき混ぜる攪拌手段とを備え、
    前記研磨対象は、前記流動槽内に位置させるとともに、少なくとも前記支持部との取り付け面を除く表面全域を前記磁気研磨液に浸漬させるように設定し、
    前記磁気研磨液には非磁性の砥粒を混合しておき、前記回転手段を起動することにより前記研磨対象を回転動作するともに、前記磁場発生源により前記磁気研磨液に時間的に定常的あるいは変動的な磁場を加え、前記攪拌手段を起動することにより前記磁気研磨液をかき混ぜるように構成したことを特徴とする複雑形状体の鏡面研磨装置。
  4. 前記磁気研磨液は、
    動粘度0.01〜100mm/s程度の水やケロシン等の分散媒中に、粒子径1〜80μmの強磁性粒子を10〜95wt%分散させた流体に対して、粒子径10〜50nmの球形マグネタイト粒子が電気絶縁性を有する水やケロシン等の分散媒に一様に分散した流体を5〜90wt%混合した複合流体に、粒子径0.01〜100μmの非磁性の砥粒を混合し、さらに増粘剤としてαセルロースなどの繊維状物質あるいはホリビニルアルコール等の樹脂を5〜90wt%混合してなるものであることを特徴とする請求項3に記載の複雑形状体の鏡面研磨装置。
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