以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1及び図2に示すACF貼着装置1は、上流工程側に設置された図示しない電極洗浄装置、下流工程側に設置された図示しない仮圧着装置や本圧着装置等とともに液晶パネル製造ラインを構成しており、上流工程側の電極洗浄装置から液晶パネル基板としての基板2を受け取った後、その基板2の上面の縁部に一列に並んで設けられた複数の電極部3B(各電極部3Bは複数の電極3から成る)のそれぞれにACFテープ4を切断して成る短冊形状(長尺状)の切片(以下、ACFテープ切片4sと称する)を貼着してその基板2を下流工程側の仮圧着装置に受け渡す。ACFテープ4は片面に保護テープであるセパレータSpが貼り付けられたテープ部材Tpとして供給される(図1中の拡大図参照)。
図1及び図2において、ACF貼着装置1は、基台10と、基台10上に設けられた基板保持部移動機構11によって移動自在な基板保持部12、基台10の上方を水平方向に延びた横フレーム13aを有する門型フレーム13、門型フレーム13の横フレーム13aに沿って移動自在に設けられた貼着ヘッド14及び貼着ヘッド14の下方に設けられたバックアップステージ15を備えている。以下、説明の便宜上、横フレーム13aの延びる方向であって貼着ヘッド14が移動する水平方向をACF貼着装置1のX軸方向(左右方向)とし、X軸方向と直交する水平方向をACF貼着装置1のY軸方向(前後方向)とする。また、上下方向をZ軸方向とする。更に、左右方向(X軸方向)のうち、図1の紙面左側を左方、図1の紙面右側を右方とし、前後方向(Y軸方向)のうち、図1の紙面手前側(図2の紙面左方)を前方、図1の紙面奥側(図2の紙面右方)を後方とする。
図1、図2及び図3において、基板保持部移動機構11はXテーブル11a、Yテーブル11b及びθテーブル11cの相互の相対移動によって基板保持部12を水平面内で移動させる。図3に示すように、基板には一の長辺と一の短辺のそれぞれに複数の電極部3Bが一列に並んで設けられており、基板保持部移動機構11は、基板保持部12に保持した基板2の長辺又は短辺に並んだ電極部3BがX軸方向に延びる姿勢になるように基板2の位置決めを行う。
図1及び図2において、貼着ヘッド14は門型フレーム13の横フレーム13aに沿って基板保持部12の上方を移動自在に設けられた平板状のベース部20に、テープ搬送部21、ツール昇降シリンダ22によってベース部20に対して昇降自在に設けられた押し付けツール23、テープ切断部24及び撮像カメラ25を備えている。
図1において、テープ搬送部21は、巻き掛けられたテープ部材Tpを繰り出して供給するテープ供給リール31、テープ供給リール31より供給されるテープ部材Tpを真空吸引により回収するテープ回収部32及びテープ供給リール31からテープ回収部32までの間のテープ部材Tpを案内する複数の案内ローラ(第1案内ローラ33a、第2案内ローラ33b、第3案内ローラ33c及び一対の第4案内ローラ33d)から成る。
図1において、第1案内ローラ33aはベース部20の左方上部に上下方向に延びて形成されたローラ移動溝20a内を移動自在であり、図示しない付勢部材によって上方に付勢されている。第2案内ローラ33bは第1案内ローラ33aの下方のベース部20の左側下部に設けられており、第3案内ローラ33cは第2案内ローラ33bの右方のベース部20の右側下部に設けられている。一対の第4案内ローラ33dは第3案内ローラ33cの上方のベース部20の右側中央部に左右方向に並んで設けられている。
図1において、テープ供給リール31から供給されるテープ部材Tpは、第1案内ローラ33a、第2案内ローラ33b、第3案内ローラ33c及び一対の第4案内ローラ33dによってこの順で案内され(一対の第4案内ローラ33dではテープ部材Tpは両面が左右方向から挟まれた状態となる)、テープ回収部32に送られる。
テープ部材Tpは、第1案内ローラ33aがローラ移動溝20a内で上方に付勢されることによって適度なテンションが与えられ、第1案内ローラ33aと第2案内ローラ33bの間ではベース部20の左側領域を垂直方向に延びた姿勢に保持され、第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cの間では、ベース部20の下側領域を左右方向(X軸方向)に延びた水平方向に延びた姿勢に保持される。またテープ部材Tpは、第3案内ローラ33cと一対の第4案内ローラ33dの間及び一対の第4案内ローラ33dとテープ回収部32との間では、ベース部20の右側領域を垂直方向に延びた姿勢に保持される。
テープ搬送部21は、テープ回収部32によってテープ部材Tpを吸引しながらテープ供給リール31からテープ部材Tpを繰り出すことによってテープ部材Tpを順方向(第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cとの間の水平搬送領域を左から右に流れる方向。図1中に示す矢印A1)に搬送することができ、テープ回収部32によってテープ部材Tpを吸引するとともに一対の第4案内ローラ33dでテープ部材Tpの流れの上流側へ送りながらテープ供給リール31によりテープ部材Tpを巻き取ることによってテープ部材Tpを逆方向(上記水平搬送領域を右から左に流れる方向)に搬送することができる。
図1において、押し付けツール23はツール昇降シリンダ22により所定の初期位置(図1に示す位置)とその下方のテープ押し付け位置との間で移動され、押し付けツール23は、初期位置にあるときには第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cによって水平方向に案内されるテープ部材Tpよりも上方の位置に位置し(図1参照)、テープ押し付け位置にあるときには、第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cによって水平方向に案内されるテープ部材Tpよりも下方の位置に位置する。
このように本実施の形態において、テープ搬送部21は、ベース部20に設けられ、ACFテープ4の片面にセパレータSpが取り付けられたテープ部材Tpを押し付けツール23の下方において水平方向に搬送するテープ搬送手段として機能する。
図1において、押し付けツール23にはヒータ23hが内蔵されており、このヒータ23hを作動させることによって押し付けツール23の全体を加熱することができる。
図1において、撮像カメラ25はベース部20の右側下方に撮像視野を下方に向けて設けられており、ベース部20の水平方向への移動に応じて移動し、基板保持部12に保持された基板2の左右両端部に設けられた位置決め用のマーク(図示せず)の撮像を行う。
貼着ヘッド14の門型フレーム13の横フレーム13aに対する左右方向(X軸方向)への移動は、ACF貼着装置1が備える制御装置40(図4)が図示しないアクチュエータ等から成るベース部移動機構41(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
基板保持部12に保持された基板2の移動(位置決め)動作は、制御装置40が図示しないアクチュエータ等から成る基板保持部移動機構42(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
テープ搬送部21によるテープ部材Tpの搬送動作は、制御装置40がテープ供給リール31を駆動する供給リール駆動モータ43(図2及び図4)とテープ回収部32を駆動するテープ回収部駆動機構44(図2及び図4)及び一対の第4案内ローラ33dを駆動するローラ駆動機構45(図2及び図4)の作動制御を行うことによってなされる。
テープ部材TpにおけるACFテープ4の先頭部の位置は、回転数検出センサ46(図4)によって検出される一対の第4案内ローラ33dのうちの一方の回転数の情報と、この一方の第4案内ローラ33dの半径のデータ等から制御装置40において算出される。
押し付けツール23の昇降動作は、制御装置40がツール昇降シリンダ22の作動制御を行うことによってなされる(図4)。また、押し付けツール23に内蔵されたヒータ23hによる押し付けツール23の加熱動作は、制御装置40がヒータ作動機構47(図4)の作動制御を行うことによってなされる。
撮像カメラ25による撮像動作制御は制御装置40によってなされる(図4)。撮像カメラ25によって撮像された画像データは制御装置40に送られ、制御装置40の画像認識部40a(図4)において画像認識される。
図5、図6(a),(b)、図7(a),(b)及び図8において、テープ切断部24は第3案内ローラ33cと一対の第4案内ローラ33dの間の位置に取り付けられた基体50(図1も参照)に当接部材51、刃体52及びテープ押圧部材53を備えて成る。テープ押圧部材53の下端にはパッド部材54が取り付けられている。
図5、図6(a),(b)及び図8において、当接部材51は基体50の中央部に押さえ螺子55によって取り付けられている。当接部材51は、テープ搬送部21によって搬送されるテープ部材Tpのうち、押し付けツール23の一部、すなわち押し付けツール23の側方(ここでは右方)を垂直方向に搬送される垂直搬送領域VAのACFテープ4の側の面(ここでは右側の面)と対向して垂直に延びる当接面51sを有し、その当接面51sには、テープ部材Tpの幅W(図6(b)中に示す拡大図参照)以上の幅寸法を有して延びる(ここでは上下方向に延びる)窪み部51aが設けられている。
図5、図6(a),(b)、図7(a),(b)及び図8において、当接部材51の下端には刃体押さえ56が取り付けられており、刃体52は当接部材51に、刃体押さえ56によって押さえ付けられた(当接部材51と刃体押さえ56によって挟まれた)状態で取り付けられている。刃体52は、刃面52aが当接部材51の窪み部51a内をテープ部材Tpに対向して延びる(ここでは水平に延びる)ように設けられている。
ここで、図7(a),(b)に示すように、刃体52は、当接部材51の下端に設けられた段差部の垂直壁面51bに刃面52aを当接させることにより、当接部材51に対する刃体52の位置決めがなされるようになっている。これにより当接部材51の当接面51sと刃体52の刃面52aの平行度が確保される。
図5、図6(a),(b)及び図8において、テープ押圧部材53は、基体50の左上部に設けられた揺動ピン57によって揺動自在に支持されている。テープ押圧部材53は、揺動ピン57に挿通して設けられた弦巻ばねからなる第1リターンスプリング58(図8)によって下端が左動する方向に付勢されている。
図5、図6(a),(b)及び図8において、パッド部材54はテープ押圧部材53の下端に設けられたパッド部材収容部53aに収容された状態で、テープ押圧部材53の下方から挿入されるパッド部材首振り軸59によって首振り自在に取り付けられている。
テープ押圧部材53は、揺動ピン57を支点として下端を右動させる方向に揺動したとき、テープ部材Tpの垂直搬送領域VAを挟んで当接部材51の当接面51sと対向する位置(テープ部材Tpの左側)からパッド部材54の押圧面54sを当接部材51の当接面51sに当接させ、テープ部材Tpを当接部材51の窪み部51a内に押し込んで、刃体52の刃面52aに左方から押圧する(図9(a)→図9(b))。以下、テープ部材Tpを刃体52に押圧するテープ押圧部材53の位置(図9(b)に示す位置)を「押圧位置」と称する。
ここで、図9(a)に示すように、当接部材51の当接面51sと刃体52の刃面52aとの間の水平距離T(図6(b)の拡大図も参照)はセパレータSpの厚さtと等しいか若干小さくなるように設定されており、テープ押圧部材53が押圧位置に位置してパッド部材54が当接部材51に当接し、テープ部材Tpが刃体52に押圧されると、テープ部材Tpのうち刃体52の刃面52a側に位置するACFテープ4のみが刃体52によって切断される(図9(c))。
すなわち本実施の形態において、当接部材51は、テープ搬送部21によって搬送されるテープ部材Tpのうちの一部(押し付けツール23の側方を垂直方向に搬送される垂直搬送領域VA)のACFテープ4側の面と対向して延びる(ここでは垂直に延びる)当接面51sにテープ部材Tpの幅W以上の幅寸法を有して上下方向に延びる窪み部51aが設けられたものとなっている。また、テープ押圧部材53は、押圧面54s(パッド部材54の押圧面54s)を当接部材51の当接面51sに当接させ、その押圧面54sによりテープ部材Tpを刃体52の刃面52aに押圧することによってテープ部材TpのうちACFテープ4のみを切断するものとなっている。
図5、図6(a),(b)及び図8において、テープ押圧部材53の中間部には揺動部材枢支ピン60が設けられており、その揺動部材枢支ピン60には揺動部材61の上端部が枢支されてテープ押圧部材53に対して揺動自在になっている。揺動部材61は、揺動部材枢支ピン60に挿通して設けられた弦巻ばねからなる第2リターンスプリング62(図8)によって下端が左動する方向に付勢されている。
揺動部材61の下端部には引き剥がしピン63が取り付けられている。引き剥がしピン63は、テープ部材Tpの刃体52側(ここではテープ部材Tpの垂直搬送領域VAの右側)に位置されており、揺動部材61が揺動部材枢支ピン60を支点として下端を左動させる方向に揺動することで、引き剥がしピン63をテープ部材Tpの右方から接触させてテープ部材Tpを左方(テープ押圧部材53の側)に引き寄せることができる。
図5、図6(a),(b)及び図8において、基体50の左方の領域(テープ部材Tpの垂直搬送領域VAよりも左側の領域)には第1規制ピン64が揺動部材61の側(ここでは前方)に突出して設けられており、テープ押圧部材53の揺動部材枢支ピン60より下方の箇所には第2規制ピン65が揺動部材61の側(ここでは後方)に突出して設けられている。第1規制ピン64及び第2規制ピン65はそれぞれ揺動部材61の左方への揺動を規制する部材である。
押し付けツール23が初期位置に位置した状態(図10(a))では、揺動部材61は左面を第1規制ピン64に当接させている。図1及び図5において、押し付けツール23の側方(ここでは右方)にはローラ部材23aが設けられており、押し付けツール23が初期位置から所定の上動位置(図10(c)に示す位置)まで上動すると(図10(a)→図10(b)→図10(c)。図10(b)及び図10(c)中に示す矢印B1)、ローラ部材23aがテープ押圧部材53の下部に設けられて押し付けツール23の側(左側)に凸となる形状を有するカム面53bに下方から当接してテープ押圧部材53の下部を右方に押圧する。
押し付けツール23が初期位置から上動すると、ローラ部材23aによって押圧されたテープ押圧部材53は第1リターンスプリング58の付勢力に抗して下端を右動させる方向に揺動する(図10(b)中に示す矢印C1)。これにより揺動部材枢支ピン60が右動し、揺動部材61は第1規制ピン64に左面を当接させた状態を維持しつつ(第1規制ピン64との当接部を支点にして)、下端を左動させる方向に揺動する(図10(b)中に示す矢印D1)。
押し付けツール23が更に上動すると、揺動部材61の左面には第2規制ピン65が当接するようになり、テープ押圧部材53が下端を右動させる方向に揺動するのに従って(図10(c)中に示す矢印C1)、揺動部材61は左面を第2規制ピン65に当接させた状態を維持したまま(揺動部材61は第1規制ピン64からは離間する)、テープ押圧部材53と一体となって、下端を右動させる方向に揺動する(図10(c)中に示す矢印E1)。
押し付けツール23が上動位置に位置し、テープ押圧部材53が押圧位置に位置してパッド部材54が当接部材51に押し付けられた状態では、揺動部材61は左面が第2規制ピン65に当接し、引き剥がしピン63はテープ部材Tpから刃体52側(右方に)に離間した位置に位置する(図10(c))。
このように押し付けツール23が上動して上動位置に位置する際、テープ押圧部材53が押圧位置に位置してパッド部材54は当接部材51に当接する。これによりテープ部材Tpはテープ押圧部材53によって当接部材51の窪み部51a内に押し込まれ、テープ部材TpのうちACFテープ4だけが刃体52によって切断される(図9(a)→図9(b))。
ここで、テープ押圧部材53に取り付けられるパッド部材首振り軸59は、パッド部材54の押圧面54sが当接部材51の当接面51sに当接した状態で当接部材51の当接面51sに平行かつ刃体52の刃面52aに垂直な方向(ここでは鉛直方向であり、Z軸方向)に延びるように設けられており、パッド部材54はそのパッド部材首振り軸59に首振り自在に取り付けられているので、テープ押圧部材53がパッド部材54によりテープ部材Tpを刃体52に押し付けてテープ部材Tp(ACFテープ4)の切断を行う際には、パッド部材54の押圧面54sは当接部材51の当接面51sに倣うように首振りを行う。
例えば、図11(a)に示すように、パッド部材54の押圧面54sと当接部材51の当接面51sとが平行でない場合であっても、パッド部材54の押圧面54sが当接部材51の当接面51sに当接する際には(図11(a)→図11(b))、押圧面54sが当接部材51の当接面51sに倣うようにパッド部材54がパッド部材首振り軸59回りに首振りする(図11(b)中に示す矢印R)。
このように本実施の形態では、テープ押圧部材53は、パッド部材54の押圧面54sが当接部材51の当接面51sに当接した状態で当接部材51の当接面51sに平行かつ刃面52aに垂直な方向に延びるパッド部材首振り軸59を有し、パッド部材54はパッド部材首振り軸59に首振り自在に設けられたものとなっている。
一方、パッド部材54が当接部材51に押し付けられた状態から押し付けツール23が下動すると(図12(a)→図12(b)。図12(b)中に示す矢印B2)、テープ押圧部材53はカム面53bをローラ部材23aの外周に倣わせて下端を左動させる方向に揺動する(図12(b)中に示す矢印C2)。これによりパッド部材54は当接部材51から離間し、テープ部材Tpは当接部材51の窪み部51aからテープ押圧部材53の側(ここでは左方)に離脱するが、ACFテープ4の切断の際に刃体52がACFテープ4にくっついてしまっている場合には、パッド部材54が当接部材51から離間しても、テープ部材Tpが当接部材51の窪み部51a内に残留してしまうところである(図13(a)及び図14(a))。
しかしながら、押し付けツール23が上動位置に位置した状態から下動し、テープ押圧部材53が下端を左動させる方向に揺動するとき、揺動部材61は左面を第2規制ピン65に当接させた状態を維持したままテープ押圧部材53と一体となって下端を左動させる方向に揺動し(図12(b)及び図13(b)中に示す矢印C2)、引き剥がしピン63が左方に移動してテープ部材Tpをテープ押圧部材53の側(左方)に引き寄せるので(図12(b)、図13(b)及び図14(b)中に示す矢印D2)、テープ部材Tpは刃体52から引き剥がされる(図13(b)及び図14(b))。
その後、更に押し付けツール23が下動すると(図12(c)中に示す矢印B2)、テープ押圧部材53は下端を左動させる方向への揺動を継続するが(図12(c)及び図13(c)中に示す矢印C2)、その後、揺動部材61の左面には第1規制ピン64が当接するので、揺動部材61は左面を第1規制ピン64に当接せた状態を維持しつつ(第1規制ピン64との当接部を支点にして)、下端を右動させる方向に揺動する(図12(c)、図13(c)及び図14(c)中に示す矢印E2)。これにより引き剥がしピン63は右動し、テープ部材Tpの刃体52側(テープ部材Tpの右方)に離間する(図12(c)、図13(c)及び図14(c))。
このように第1規制ピン64及び第2規制ピン65は、テープ押圧部材53がテープ部材Tpを刃体52に押圧する押圧位置に位置している状態では引き剥がしピン63がテープ部材Tpより離間した位置(図12(a))に位置し、テープ押圧部材53が押圧位置よりテープ部材Tpから離間する方向に移動した場合に、引き剥がしピン63がテープ部材Tpの側に移動してテープ部材Tpを刃体52から引き剥がした後(図12(b))、テープ部材Tpより離間する方向に移動する(図12(c))ように揺動部材61を揺動させる揺動制御部材として機能する。
制御装置40は、基板2上の各電極部3BにACFテープ切片4sを貼着する場合には、先ず、上流工程側の電極洗浄装置から搬入された基板2を図示しない基板搬入機構によって搬入し、基板保持部12の上面に保持させる。そして、基板2上で一列に並んだ複数の電極部3Bがバックアップステージ15の直上に位置するように(図2中に一点鎖線で示す基板2参照)、基板保持部移動機構11を作動させて基板保持部12を移動させ、基板2の位置決めを行う。この基板2の位置決めの際、制御装置40は貼着ヘッド14をX軸方向に移動させ、貼着ヘッド14に備えられた撮像カメラ25によって、基板2の左右両端部に設けられた位置決め用のマーク(図示せず)を撮像する。そして、得られた位置決め用のマークの画像データを画像認識部40aにおいて画像認識することによって、基板2のバックアップステージ15に対する位置ずれを求め、位置ずれが起きている場合には基板2の位置決めを改めて行う。
制御装置40は、上記のようにして基板2の位置決めを行ったら、貼着ヘッド14をX軸方向に移動させて(図15(a)中に示す矢印F1)、押し付けツール23の左端がACFテープ切片4sを貼着しようとする電極部3Bの左端の直上に位置するように貼着ヘッド14の位置決めを行う(図15(a))。
制御装置40は、貼着ヘッド14の位置決めと並行して、テープ搬送部21によってテープ部材Tpを順方向に搬送し(図15(a)中に示す矢印A1)、ACFテープ4の先頭部がテープ切断部24によるACFテープ4の切断位置Mを通り過ぎて電極部3BのX軸方向の長さに相当する長さLs(図15(a)及び図1)だけ上方の位置に位置した状態になるようにACFテープ4の先頭部の位置決めを行う(図15(a))。そして、制御装置40は、ツール昇降シリンダ22の作動制御を行って押し付けツール23を初期位置から上動位置まで上動させ(図15(b)中に示す矢印B1)、これによってACFテープ4の切断を行い、セパレータSp上に長さLsのACFテープ切片4sを形成させる(図15(b))。
制御装置40は、セパレータSp上に長さLsのACFテープ切片4sを形成させたらツール昇降シリンダ22の作動制御を行って押し付けツール23を上動位置から初期位置まで下動させる(図15(c)中に示す矢印B2)。このとき前述のようにして刃体52からテープ部材Tpが引き剥がされる(図15(c))。
制御装置40は、押し付けツール23を初期位置まで下動させたら、テープ搬送部21によってテープ部材Tpを逆方向に搬送し(図16(a)中に示す矢印A2)、セパレータSp上に形成させたACFテープ切片4sを押し付けツール23の下方(これからACFテープ切片4sを貼着しようとする電極部3Bの直上)に位置決めする(図16(a))。
制御装置40は、ACFテープ切片4sの位置決めを行ったら、ツール昇降シリンダ22の作動制御を行って押し付けツール23をテープ押し付け位置まで下降させ(図16(b)中に示す矢印G1)、ヒータ23hで予め加熱しておいた押し付けツール23によってACFテープ切片4sをセパレータSpごと基板2の縁部に押し付けて(基板2の縁部の下面はバックアップステージ15によって支持されている)、ACFテープ切片4sを電極部3Bに貼着させる(図16(b))。
このように本実施の形態において、ツール昇降シリンダ22は、テープ押圧部材53によるACFテープ4の切断動作によってセパレータSp上に形成されたACFテープ切片4sが押し付けツール23の直下に位置するようにテープ搬送部21によってテープ部材Tpが搬送された後、押し付けツール23を下降させてACFテープ切片4sを基板2に押し付けることによってACFテープ切片4sを基板2に貼着する押し付けツール駆動手段として機能する。
制御装置40は電極部3BにACFテープ切片4sを貼着させたら、押し付けツール23を初期位置まで上昇させる(図16(c)。図中に示す矢印G2)。図16(c)に示すように、押し付けツール23を初期位置まで上昇させても、ACFテープ切片4sが電極部3Bに貼着されていることから、第2案内ローラ33bと第3案内ローラ33cの間のテープ部材Tpは下方に引っ張られた状態が維持される。
制御装置40は押し付けツール23を初期位置まで上昇させたら、貼着ヘッド14を左方に移動させつつ(図17(a)中に示す矢印F2)、テープ搬送部21によってテープ部材Tpを順方向に搬送する(図17(a)中に示す矢印A1)。これにより、基板2上に貼着されたACFテープ切片4sの上面に貼り付いているセパレータSpは、上方に引っ張り上げられながら、電極部3Bに貼着されたACFテープ切片4sから剥離される(図17(b))。
制御装置40は、電極部3Bに貼着したACFテープ切片4sからセパレータSpを剥離したら、テープ搬送部21を作動させてテープ部材Tpを順方向に搬送し(図17(c)中に示す矢印A1)、次の電極部3Bに貼着するACFテープ切片4sを形成するためのACFテープ4の先頭部の位置決めを行う(図17(c))。
以上説明したように、本実施の形態におけるACF貼着装置1では、テープ押圧部材53がテープ部材Tpを刃体52に押圧する押圧位置よりテープ部材Tpから離間する方向に移動すると、引き剥がしピン63は、テープ部材Tpの刃体52側の位置からテープ押圧部材53の側に移動してテープ部材Tpを刃体52から引き剥がした後、テープ部材Tpから離間する方向に移動するようになっている。このため、テープ部材Tpを刃体52に押し付けてテープ部材Tpの切断を行った後のテープ部材Tpの刃体52からの引き剥がしを確実に行うことができ、テープ部材Tpの切断後、テープ部材Tpが刃体52に引っ掛かった状態となることを防止することができる。
また、引き剥がしピン63はテープ押圧部材53が押圧位置に位置してテープ部材Tpから離間している第1の位置(図12(a))から一旦テープ部材Tpに接触して更にテープ押圧部材53の側に移動した後(図12(b))、これとは反対の方向のテープ部材Tpから離間する第2の位置(図12(c))に位置するようになっており、第1の位置から第2の位置に直接移動するようになっている場合よりも大きなストロークでテープ部材Tpを刃体52から引き剥がすことができるので、テープ部材Tpの刃体52からの引き剥がしをより確実に行うことができる。
本実施の形態では、当接部材51は、テープ搬送手段(テープ搬送部21)によって搬送されるテープ部材Tpのうち押し付けツール23の側方を垂直方向に搬送される垂直搬送領域VAのACFテープ4側の面と対向して垂直に延びる当接面51sにテープ部材Tpの幅W以上の幅寸法を有して上下方向に延びる窪み部51aが設けられたものとなっていたが、当接部材51は、テープ搬送手段によって搬送されるテープ部材Tpの一部のACFテープ4側の面と対向して延びる当接面51sにテープ部材Tpの幅W以上の幅寸法を有して延びる窪み部51aが設けられた構成となっていればよい。なお、テープ押圧部材53は、この当接部材51の配置に応じ、押圧面54sを当接部材51の当接面51sに当接させ、押圧面54sによりテープ部材Tpを刃体52の刃面52aに押圧することによってテープ部材TpのうちACFテープ4のみを切断する構成とすることは勿論である。