従来、パワーエレクトロニクス分野における電源機器の小型化や高性能化のため、電力用半導体装置では、高耐圧化や大電流化とともに、低損失化、高破壊耐量化、高速化が求められている。このために、半導体装置の基板構造としては、超接合型基板が提案されており、表面構造としては、縦型MOSパワーデバイス構造が提案されている。
超接合型基板とは、第1導電型の半導体基板と、第2導電型の半導体層と、の間に、半導体基板と垂直な方向に第1導電型と第2導電型の半導体領域が交互に繰り返し接合された超接合層を有したものである(例えば、下記特許文献1、下記特許文献2参照。)。この超接合型基板は、超接合層を形成することによって、第1導電型と第2導電型の半導体領域の濃度がそれぞれ高い場合でも、オフ時に超接合層全体に空間電荷領域を広げることができる。したがって、特に高耐圧の半導体装置において、単一の導電型を有する半導体基板を用いるよりも、オン抵抗を小さくすることができる。
なお、本明細書において、nまたはpを冠した半導体は、それぞれ電子、正孔が多数キャリアであることを意味する。また、n+やn-などのように、nやpに付す「+」または「-」は、それぞれそれらが付されていない半導体の不純物濃度よりも比較的高濃度または比較的低濃度であることを表す。
このような縦型MOSデバイスの一例について説明する。図71は、第1従来例の超接合型MOSデバイスの構成について示す断面図である。図72は、図71に示す超接合型MOSデバイスの超接合層について示す平面図である。図73は、図71に示す超接合型MOSデバイスに耐圧がかかったときの、超接合層に生じる等電位線分布を示す平面図である。図73に示す等電位線分布は、半導体基板の幅方向の断面図および奥行き方向の断面図の2次元シミュレーションによって得られた等電位線分布の、大まかな分布である(以下、他図の等電位線分布の記載されている図においても同じ)。図71に示すように、n+ドレイン領域である抵抗率の低いn+基板1の第1主面に、n型ドリフト領域(第1導電型半導体領域)2およびp型仕切領域(第2導電型半導体領域)3からなる並列pn層(超接合層)が設けられている。その接合面は、n+基板1の第1主面に垂直である。並列pn層の表面には、半導体装置がオン状態のときに電流が流れる活性領域18と、接合表面の電界強度を緩和するための非活性領域17(高耐圧接合終端構造ともいう)が活性領域18の外側に設けられている。また、n型ドリフト領域2の幅Wn1とp型仕切領域3の幅Wp1は等しく(Wn1=Wp1)、n型ドリフト領域2の不純物濃度とp型仕切領域3の不純物濃度は等しい。このように、n型ドリフト領域2と、p型仕切領域3とが交互に配置された並列pn層と、n+基板1と、からなる並列pn構造の半導体基板(超接合型基板)が形成されている。
並列pn構造の半導体基板の第1主面には、プレーナ型のMOS構造が形成されている。活性領域18において、p型仕切領域3の表面層には、pベース領域9が設けられている。そして、pベース領域9は、n型ドリフト領域2とp型仕切領域3との接合部分において、n型ドリフト領域2に張り出している。pベース領域9には、2つのn+ソース領域11が互いに離れて設けられている。また、pベース領域9には、それぞれのn+ソース領域11と接するように、p+コンタクト領域10が設けられている。p+コンタクト領域10は、それぞれのn+ソース領域11の下側の一部を占めている。
また、n型ドリフト領域2と、pベース領域9の、n型ドリフト領域2とn+ソース領域11とに挟まれた領域上に、ゲート絶縁膜13を介してゲート電極4が設けられている。n型ドリフト領域2の表面の、pベース領域9以外の部分は、ゲート絶縁膜13と接している。ソース電極15は、ゲート絶縁膜13から絶縁されており、p+コンタクト領域10と、n+ソース領域11とに接している。したがって、ソース電極15は、p型仕切領域3と電気的に接続されている。
非活性領域17において、活性領域18との境界近傍および基板終端部を除く、並列pn構造の半導体基板の第1主面には、層間絶縁膜12が形成されている。ここで、基板終端部とは、並列pn構造の半導体基板の第1主面の、非活性領域17が形成されている側の端部(以下、X基板終端部とする)をいう。層間絶縁膜12は、ソース電極15と接している。基板終端部の、p型仕切領域3の表面層には、n+ストッパー領域5が設けられている。n+ストッパー領域5の表面には、ストッパー電極6が形成されている。このストッパー電極6は、層間絶縁膜12の表面の一部にまで伸び、層間絶縁膜12を覆うように形成されている。ドレイン電極16は、並列pn構造の半導体基板の第2主面、すなわちn+基板1の第2主面の表面に形成されている。
非活性領域17と活性領域18との境界近傍において、p型仕切領域3の表面層には、p型半導体領域7が設けられている。そして、p型半導体領域7は、n型ドリフト領域2とp型仕切領域3との接合部分において、n型ドリフト領域2に張り出している。p型半導体領域7には、p+高濃度半導体領域8が設けられている。p+高濃度半導体領域8は、ソース電極15と接している。また、層間絶縁膜12の表面には、フィールドプレート電極14が形成されている。このフィールドプレート電極14は、非活性領域17から活性領域18にかけて形成され、ソース電極15の表面の一部を覆い、ソース電極15と同電位に短絡されている。
また、図72に示すように、並列pn構造の半導体基板の平面構造は、n型ドリフト領域2とp型仕切領域3とが、その接合面を、並列pn構造の半導体基板の奥行き方向Y(以下、Y奥行き方向とする)に平行に、ストライプ状に設けられている。Y奥行き方向において、活性領域18を囲むように、非活性領域17が設けられている。また、半導体基板の幅方向X(以下、X幅方向とする)における活性領域18の最外周(以下、Xソース最外周とする)は、Y奥行き方向に平行な直線形状となっている。一方、Y奥行き方向における活性領域18の最外周(以下、Yソース最外周とする)は、X幅方向に平行な直線形状となっている。そして、このXソース最外周とYソース最外周とを、半径RX1(=RY1)および中心角90度の曲率を有する円弧(以下、Rソース最外周とする)でつないで、円弧形状のコーナー部を有する活性領域18を形成している。
このような並列pn構造の縦型MOSデバイスは、活性領域18のみに目を向けた場合、n型ドリフト領域2の不純物濃度とp型仕切領域3の不純物濃度とのチャージバランスが取れているときに、その半導体基板の持つ最大の耐圧を得ることができる。しかしながら、半導体基板全体で見た場合は、n型ドリフト領域2の不純物濃度とp型仕切領域3の不純物濃度とのチャージバランスが崩れてしまう。半導体基板に耐圧電圧がかかったとき、図73に示すように、Yソース最外周近傍の非活性領域17(以下、第1の領域Aとする)において、半導体基板の表面に集中する電界の等電位線の間隔は広くなる(以下、疎な等電位線分布とする)。一方、Xソース最外周近傍の非活性領域17(以下、第2の領域Bとする)において、半導体基板の表面に集中する電界の等電位線の間隔は狭くなる(以下、密な等電位線分布とする)。その理由は、半導体基板に並列pn層が形成されていることで、非活性領域17において、半導体基板の表面付近の空乏層がY奥行き方向の基板終端部(以下、Y基盤終端部とする)に向かって広がるからである。そのため、Rソース最外周近傍における非活性領域17の領域(以下、第3の領域Cとする)では、第1の領域Aに近づくほど疎な等電位線分布になり、第2の領域Bに近づくほど密な等電位線分布となる。これにより、非活性領域17における半導体基板の耐圧が、活性領域18における半導体基板の耐圧よりも低下してしまう。つまり、非活性領域17の耐圧が全体の耐圧を決める要因となってしまうため、半導体基板全体の耐圧は低くなってしまう。このとき、非活性領域耐圧BVeの活性領域耐圧BVに対する比η≡BVe/BVとしたとき、第1従来例の半導体装置では、η=0.83〜0.85程度になる。
このような問題を解決する方法として、次のような方法が提案されている。図74は、第2従来例の超接合型MOSデバイスの構成について示す平面図である。第2従来例の超接合型MOSデバイスでは、図74に示すように、第1従来例の超接合型MOSデバイスの構成において、非活性領域17のn型ドリフト領域2の不純物濃度を、活性領域18のn型ドリフト領域2の不純物濃度よりも低くしている。非活性領域17のp型仕切領域3の不純物濃度も同様に、活性領域18のp型仕切領域3の不純物濃度よりも低くしている(例えば、下記特許文献3参照。)。特許文献3の技術により、非活性領域17では、活性領域18の最外周近傍に限らず、活性領域18の最外周からX幅方向およびY奥行き方向に向かって、さらに半導体基板の第1主面から第2主面方向に向かって空乏層が広がる。そのため、電界を緩和するためのガードリングやフィールドプレート電極14を設けなくても、非活性領域17における半導体基板の耐圧を、活性領域18における半導体基板の耐圧よりも高くすることができる。
しかしながら、上述した特許文献3では、半導体基板の作製に、エピタキシャル層を幾重にも積み増してエピタキシャル成長層を形成する多段エピタキシャル方式が用いられており、製造工程と製造コストが増大してしまう。そのため、半導体基板にトレンチを形成し、そのトレンチをエピタキシャル層で埋め込む方式(以下、トレンチ埋め込み方式とする)を採用することが好ましい。トレンチ埋め込み方式を採用する場合、n型ドリフト領域2およびp型仕切領域3に、部分的に不純物濃度の低い領域を形成するためには、すでに形成された並列pn層に、再度、不純物濃度の異なる並列pn層を形成しなおす必要があり、製造工程が複雑になり、製造が困難である。
そこで、特許文献3の技術では、次のような方法も提案されている。図75は、第3従来例の超接合型MOSデバイスの構成について示す断面図である。図76は、図75に示す超接合型MOSデバイスの超接合層について示す平面図である。図77は、図75に示す超接合型MOSデバイスに耐圧がかかったときの、超接合層に生じる等電位線分布を示す平面図である。第3従来例の超接合型MOSデバイスでは、図75に示すように、第1従来例の超接合型MOSデバイスの構成において、非活性領域17のn型ドリフト領域2の幅Wn2を、活性領域18のn型ドリフト領域2の幅Wn1よりも狭くしている(Wn2<Wn1)。また、非活性領域17のp型仕切領域3の幅Wp2も同様に、活性領域18のp型仕切領域3の幅Wp1よりも狭くしている(Wp2<Wp1)。このとき、非活性領域17(以下、第1の非活性領域17bとする)の、n型ドリフト領域2およびp型仕切領域3のそれぞれの幅(以下、並列pn層の各幅とする)は等しい(Wn2=Wp2)。また、図76に示すように、活性領域18が形成されている並列pn層上の、非活性領域17(以下、第2の非活性領域17aとする)の並列pn層の各幅は、活性領域18と同様である。
第3従来例に示す技術により、第2従来例と同様に非活性領域17において空乏層が広がる。そのため、図73において密な等電位線分布となっていた第2の領域Bにおいて、図77に示すように、疎な等電位線分布とすることができる。これにより、第1従来例の問題が解消される。さらに、半導体基板を1回のトレンチ埋め込み方式で作製できるため、第2従来例の問題も解消される。しかしながら、上述した技術では、図77に示すように、第3の領域Cにおいて、Rソース最外周に近づくほど、半導体基板の表面に電界が集中しやすく、密な等電位線分布となってしまう。
このような問題を解決する方法として、次のような方法が提案されている。図78は、第4従来例の超接合型MOSデバイスの構成について示す断面図である。図79は、図78に示す超接合型MOSデバイスの超接合層について示す平面図である。第4従来例の超接合型MOSデバイスでは、図78および図79に示すように、第3従来例の超接合型MOSデバイスの構成において、第1の非活性領域17bのp型仕切領域3の幅Wp2を、活性領域18のp型仕切領域3の幅Wp1よりも広くしている(Wp2>Wp1)。そして、第1の非活性領域17bにおいて、p型仕切領域3の総不純物濃度を、n型ドリフト領域2の総不純物濃度よりも大きくしている(例えば、下記特許文献4参照。)。これにより、図77において、Rソース最外周に近づくほど密な等電位線分布となっていた第3の領域Cの電界を緩和できるため、第3従来例の問題が解消される。
また、半導体基板の表面に集中する電界を緩和するための別の方法として、p型ベース層と、このp型ベース層の表面に選択的に形成されたn型ソース層と、p型活性層の表面にp型ベース層とは離れて選択的に形成されたn型ドレイン層と、n型ソース層とp型活性層とで挟まれた領域のp型ベース層上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを備え、p型ベース層とn型ドレイン層とで挟まれた領域のp型活性層の表面に、p型ベース層からn型ドレイン層に向かってn型半導体層とp型半導体層とが形成されるとともに、これらの半導体層は交互に繰り返して配列され、かつn型ドレイン層側のn型半導体層はp型半導体層よりドーズ量が多い電力用半導体装置が提案されている(例えば、下記特許文献5参照。)。
また、別の方法として、次のような方法が提案されている。半導体基板の表面にPベース層が選択的に形成され、ソース領域のPベース層の表面にパワーMOSFETのソースとしてのN+ソース層及びP+コンタクト層が選択的に形成されている。半導体基板の表面にPベース層と離間して概略平行にN+コンタクト層が形成されている。Pベース層とN+コンタクト層との間には、これらを結ぶ方向に耐圧を保持するストライプ状のNリサーフ層、Pリサーフ層、Nリサーフ層、及びN-リサーフ層が形成され、マルチリサーフ構造を構成している。Nリサーフ層とPリサーフ層は、Pベース層とN+コンタクト層とを結ぶ方向と概略垂直方向に交互に繰り返し形成されている(例えば、下記特許文献6参照。)。
また、活性領域における耐圧よりも、非活性領域における耐圧をさらに向上させる方法として、次のような方法が提案されている。素子領域と終端部とに分けられ、素子領域の素子中央領域と終端部との間には、高抵抗半導体層に隣接する第1の半導体ピラー領域及び第2の半導体ピラー領域の深さが、終端部に向かうにしたがって段階的に浅くなる境界領域が設けられたスーパージャンクション構造部があり、境界領域は、制御電極よりも終端部側に位置している。終端部における、半導体層(n+ドレイン層)上には、高抵抗半導体層 が設けられ、その表面上にはフィールド絶縁膜が設けられている。そのフィールド絶縁膜上にソース電極が接して設けられることで、フィールドプレート効果により終端部での耐圧低下を抑制できる(例えば、下記特許文献7参照。)。
また、別の方法として、次のような方法が提案されている。n型低抵抗基板の上にn型半導体をエピタキシャル成長させ、そのn型半導体にトレンチを形成する。p型半導体をエピタキシャル成長させて、トレンチをp型半導体で埋める。n型半導体よりなるn型領域およびp型半導体よりなるp型領域の表面を研磨して平坦にした後、非活性領域となる領域のp型領域にボロンを選択的にイオン注入する。非酸化性雰囲気で熱処理して、注入されたボロンを活性化させる。熱酸化を行って、フィールド酸化膜を形成する。MOSFETの表面側の素子構造、ソース電極およびチャネルストッパ電極を形成し、基板の裏面にドレイン電極を形成する。ソース電極は、活性領域から非活性領域側へ伸び、フィールドプレート電極として非活性領域のフィールド酸化膜の一部を覆っている(例えば、下記特許文献8参照。)。
さらに、別の方法として、次のような方法が提案されている。第1導電型の半導体層と、前記半導体層の主面上に設けられた第1導電型の第1の半導体ピラー領域と、前記第1の半導体ピラー領域に隣接して、前記半導体層の前記主面上に設けられた第2導電型の第2の半導体ピラー領域と、前記半導体層の前記主面の反対側に設けられた第1の主電極と、前記第2の半導体ピラー領域の上に設けられた第2導電型の第1の半導体領域と、前記第1の半導体領域の表面に選択的に設けられた第1導電型の第2の半導体領域と、前記第1の半導体領域及び前記第2の半導体領域の上に設けられた第2の主電極と、前記第1の半導体ピラー領域、前記第1の半導体領域及び前記第2の半導体領域の上に設けられた第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜の上に設けられた制御電極と、前記制御電極の上に設けられた第2の絶縁膜と、前記制御電極が設けられる素子部に対して隣接した終端部において、前記半導体層の前記主面側に設けられた第3の絶縁膜と、を備え、前記第2の絶縁膜の厚さが、前記第3の絶縁膜の厚さの1/3以下である(例えば、下記特許文献9参照。)。
特開平9−266311号公報
特開2004−119611号公報
特開2001−298190号公報
特開2005−260199号公報
特開2000−286417号公報
特開2006−302961号公報
特開2007−335844号公報
特開2006−210861号公報
特開2007−207784号公報
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下、実施の形態の説明およびすべての添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる半導体装置について示す平面図である。実施の形態1にかかる半導体装置は、並列pn構造の半導体基板を用いて作製されている。並列pn構造の半導体基板は、n+ドレイン領域である抵抗率の低いn+基板の第1主面の表面に、n型ドリフト領域(第1導電型半導体領域)2およびp型仕切領域(第2導電型半導体領域)3からなる並列pn層が設けられている。並列pn層の表面には、図70に示すように、縦型MOS構造が形成されている。なお、実施の形態1では、フィールドプレート電極(図70におけるフィールドプレート電極14)は、活性領域18の最外周に設けられている。
また、図1に示すように、並列pn層の、n型ドリフト領域2とp型仕切領域3とを、n型ドリフト領域2とp型仕切領域3との境界線が、半導体基板の奥行き方向Y(Y奥行き方向)に平行になるように設けられている。半導体基板の第1主面には、活性領域18が設けられている。活性領域18は、X幅方向における活性領域18の最外周(Xソース最外周)のY奥行き方向に平行な直線と、Y奥行き方向における活性領域18の最外周(Yソース最外周)のX幅方向に平行な直線と、Xソース最外周の直線とYソース最外周の直線とを、X幅方向に平行な半径(以下、第1のX距離とする)RX1と中心角90度からなる円弧(Rソース最外周)でつないだ形状を有している。Rソース最外周のY奥行き方向の半径(以下、第1のY距離とする)RY1は、第1のX距離RX1と等しい(RX1=RY1)。半導体基板の第1主面の、活性領域18の外側には、非活性領域(高耐圧接合終端構造)が設けられている。
非活性領域には、第1の非活性領域17bと第2の非活性領域17aとが設けられている。第2の非活性領域17aは、活性領域18を囲むように形成される。そして、第2の非活性領域17aの外側に、X基板最端部に沿って第1の非活性領域17bが設けられている。第2の非活性領域17aと第1の非活性領域17bとは、Xソース最外周から距離(以下、第2のX距離とする)RX2の位置で、Y奥行き方向と平行な直線で分けられている。ここで、第1の非活性領域17bは、n型ドリフト領域2の総不純物濃度とp型仕切領域3の総不純物濃度とが等しいチャージバランス領域である。一方、第2の非活性領域17aは、n型ドリフト領域2の総不純物濃度に比べてp型仕切領域3の総不純物濃度が高いチャージアンバランス領域である。
活性領域18において、n型ドリフト領域2の幅(以下、第1のn幅とする)Wn11とp型仕切領域3の幅(以下、第1のp幅とする)Wp11は等しい(Wn11=Wp11)。活性領域18が設けられている並列pn層上の第2の非活性領域17a(以下、第1のチャージアンバランス領域Sa1とする)において、Yソース最外周(以下、第1の幅変化点とする)から、Y奥行き方向と平行にY基板終端部に向かってある点(以下、第2の幅変化点とする)までの距離(以下、第1のY間隔とする)LY1の間の、並列pn層の各幅は、Y基板終端部に向かうにつれて徐々に変化している。第2の幅変化点でのn型ドリフト領域2の幅(以下、第2のn幅とする)Wn12は、第1のn幅Wn11よりも狭くなっている(Wn12<Wn11)。反対に、第2の幅変化点でのp型仕切領域3の幅(以下、第2のp幅とする)Wp12は、広くなっている(Wp12>Wp11)。そして、第2の幅変化点からY基板終端部までの並列pn層の各幅は変化せず、Y基板終端部での並列pn層の各幅は、それぞれ第2のn幅Wn12および第2のp幅Wp12である。このとき、並列pn層の各幅は、次の(1)式を満たす値となっている。
Wn11+Wp11=Wn12+Wp12 ・・・(1)
第2の非活性領域17aの、第1のチャージアンバランス領域Sa1以外の領域(以下、第2のチャージアンバランス領域Sa2とする)において、活性領域18に隣接するn型ドリフト領域2の幅(以下、第4のn幅とする)Wn14と、第1のチャージアンバランス領域Sa1に隣接するn型ドリフト領域2の幅(以下、第5のn幅とする)Wn15と、それ以外のn型ドリフト領域2の幅(以下、第3のn幅とする)Wn13と、p型仕切領域3の幅(以下、第3のp幅とする)Wp13は、次の(2)式および(3)式を同時に満たす値となっている。
Wn15<Wn14<Wp13 ・・・(2)
Wn13<Wp13 ・・・(3)
また、第1の非活性領域17bにおいて、n型ドリフト領域2の幅(以下、第6のn幅とする)Wn16と、p型仕切領域3の幅(以下、第6のp幅とする)Wp16とは等しい(Wn16=Wp16)。
第1のY間隔LY1は、次の(4)式および(5)式を満たす値にするのが好ましい。
tan-1((Wn11−Wn12)/(2・LY1))≦2度 ・・・(4)
tan-1((Wp12−Wp11)/(2・LY1))≦2度 ・・・(5)
その理由は、半導体基板に形成したトレンチの幅の変化が大きい場合、トレンチの側面が(100)面から大きくずれてしまい、埋め込み性が悪くなってしまうからである。ここで、(100)面は、半導体基板の表面、トレンチの側面および底面の面方位である。Y奥行き方向にトレンチの幅を広げた場合、トレンチ幅が広がっている部分の側壁は、(100)面からの傾きαだけ(1α0)面(0<α<1)にずれる。傾きαは、次の(6)式を満たす値である。
α=(Wp12−Wp11)/(2・LY1) ・・・(6)
この傾きαには上限がある。第1のY間隔LY1が(4)式および(5)式を満たす値にない場合、傾きαが大きくなり、(100)面から大きくずれてしまうことになる。
第1の非活性領域17b(以下、第1のチャージバランス領域Sb1とする)において、次の(7)式または(8)式のいずれか一つの式を満たす値にするのが好ましい。このとき、半導体基板の表面での電界集中を回避するためには、式(8)を満たす値にするほうがより好ましい。
Wn16=Wp16=Wn11=Wp11 ・・・(7)
Wn16=Wp16<Wn11=Wp11 ・・・(8)
第2の非活性領域17aにおいて、(1)式および次の(9)式〜(12)式を満たす値にするのが好ましい。
Wn14=Wn15+(Wp12−Wp11)/2 ・・・(9)
1.05≦Wp12/Wn12≦1.2 ・・・(10)
1.05≦Wp13/Wn13≦1.3 ・・・(11)
1.05≦Wp13/Wn15≦1.3 ・・・(12)
その理由は、(10)式〜(12)式の値が下限値よりも小さい場合、第1の非活性領域17bとの差が小さくなり、第2の非活性領域17aにおいて、p型仕切領域3の相対的な総不純物濃度を高めたこと(以下、pリッチとする)による効果が薄れてしまうからである。一方、(10)式〜(12)式の値が上限値よりも大きい場合、第1のチャージアンバランス領域Sa1における半導体基板の耐圧が、第2のn幅Wn12および第2のp幅Wp12に左右されてしまうからである。また、第2のチャージアンバランス領域Sa2と第1のチャージバランス領域Sb1との境界において、半導体基板の表面に電界が集中し、密な等電位線分布となってしまうからである。
また、Rソース最外周において、次の(13)式を満たす値にするのが好ましい。
0.05≦RX2/RX1≦1 ・・・(13)
その理由は、(13)式の値が下限値よりも小さい場合、第2のチャージアンバランス領域Sa2におけるpリッチな領域が狭くなりすぎて、半導体基板の表面に集中する電界を緩和する効果が薄れてしまうからである。一方、(13)式の値が上限値よりも大きい場合、非活性領域17において、空乏層が広がりすぎて基板終端部に到達してしまう恐れがあるからである。これを回避するには、活性領域18において、X幅方向における半導体基板の幅およびY奥行き方向における半導体基板の幅を1.5・RX1以上にする必要がある。
第1の幅変化点をY基板最端部側にずらして、第1のチャージアンバランス領域Sa1内から並列pn層の各幅を変化させてもよい。このとき、第1の幅変化点をY奥行き方向にずらす距離(以下、幅変化点移動距離とする)LY11と、半導体基板に形成するトレンチの深さDtとは、次の(14)式を満たす値にするのが好ましい。
0≦LY11≦Dt ・・・(14)
その理由は、幅変化点移動距離LY11がゼロよりも小さい場合、第1の幅変化点が活性領域18内に形成されてしまうからである。一方、幅変化点移動距離LY11がDtよりも大きい場合、第1のチャージアンバランス領域Sa1において、第2の幅変化点がRソース最外周に対して離れすぎてしまうため、半導体基板の表面に集中する電界を緩和する効果が薄れてしまうからである。
つぎに、実施の形態1にかかる半導体装置の等電位線分布について説明する。図2は、実施の形態1にかかる半導体装置に耐圧がかかったときの、超接合層に生じる等電位線分布を示す平面図である。図2に示すように、Xソース最外周近傍の非活性領域17(第2の領域B)では、従来の半導体基板における第2の領域Bの等電位線分布(図73参照)に比べて疎な等電位線分布となっている。そのため、Rソース最外周近傍における非活性領域17の領域(第3の領域C)においても、従来の半導体基板における第3の領域Cの等電位線分布(図73参照)に比べて緩やかな曲線をもつ等電位線分布となっている。つまり、第2の領域Bおよび第3の領域Cにおいて、電界集中が緩和されるため、非活性領域17における半導体基板の耐圧が向上していることがわかる。
つぎに、実施の形態1にかかる半導体装置の特性について説明する。図3は、実施の形態1にかかる半導体装置の非活性領域耐圧と活性領域耐圧との関係を示す特性図である。図3に示すように、Wp12/Wn12=1.1〜1.2、Wp13/Wn13=1.1〜1.2、およびWp13/Wn15=1.1〜1.2のときに、非活性領域耐圧BVeの活性領域耐圧BVに対する比η(η≡BVe/BV:以下、対耐圧比とする)が、最大値またはほぼ最大値まで回復することがわかる。このときの対耐圧比ηは、η=1.05程度である。
以上、説明したように、実施の形態1によれば、第2の非活性領域17aにおいて、並列pn層の各幅を変化させることで、n型ドリフト領域2の総不純物濃度よりもp型仕切領域3の総不純物濃度を高くすることができる。そのため、第2の領域Bおよび第3の領域Cにおいて、従来の半導体基板に比べて、半導体基板の表面付近の空乏層を広げることができ、ソース最外周近傍における半導体基板の表面への電界集中を緩和することができる。これにより、非活性領域17における半導体基板の耐圧を向上させることができ、活性領域18の耐圧よりも非活性領域17の耐圧を高くすることができる。
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2にかかる半導体装置について説明する。図4は、実施の形態2にかかる半導体装置について示す平面図である。図4に示すように、実施の形態2にかかる半導体装置の平面構造では、実施の形態1における第1のチャージアンバランス領域Sa1の一部に、チャージバランス領域である第1の非活性領域17b(以下、第2のチャージバランス領域Sb2とする)を設けている。第1のチャージアンバランス領域Sa1と第2のチャージバランス領域Sb2との境界は、Rソース最外周の円弧上の、Rソース最外周の中心からX幅方向に平行な点(以下、第1の位置とする)P1としたときに、Rソース最外周の円弧上の、第1の位置P1からY奥行き方向に角度(以下、境界角度とする)θだけ移動した位置にある点(以下、第2の位置とする)P2の位置から、Y基板最端部までY奥行き方向と平行な直線である。第2のチャージバランス領域Sb2において、並列pn層の各幅は、活性領域18と同様である。それ以外の構造は、実施の形態1と同様である。
第2の非活性領域17aにおいて、実施の形態1と同様に、(1)式、(9)式、(11)式および(12)式を満たし、かつ次の(15)式および(16)式を満たす値にするのが好ましい。
1.05≦Wp12/Wn12≦1.3 ・・・(15)
30度≦θ≦90度 ・・・(16)
(1)式、(9)式、(11)式、(12)式および(15)式を満たすのが好ましい理由は、実施の形態1と同様である。また、θの値が30度よりも小さい場合、Rソース最外周の円弧の中心からY奥行き方向に平行な、Rソース最外周の円弧上の点(以下、第3の位置とする)P3としたときに、第2の位置P2と第3の位置P3とが離れすぎてしまい、半導体基板の表面に集中する電界を緩和する効果が薄れてしまうからである。
それ以外のそれぞれの幅および距離における好適な条件は、実施の形態1と同様である。
つぎに、実施の形態2にかかる半導体装置の等電位線分布について説明する。図5は、実施の形態2にかかる半導体装置に耐圧がかかったときの、超接合層に生じる等電位線分布を示す平面図である。実施の形態2では、図5に示すように、第1の領域Aと第3の領域Cとの間の領域(以下、第4の領域とする)Dにおいて、第1の領域Aよりもさらに疎な等電位線分布となる。そのため、第4の領域Dと隣接する第1の領域Aおよび第3の領域Cにおいても、実施の形態1の等電位線分布(図2参照)に比べて緩やかな曲線をもつ等電位線分布となる。これにより、実施の形態1よりも電界集中が緩和されていることがわかる。
つぎに、一例として、実施の形態2にかかる半導体装置の、境界角度θ=45度のときの特性について説明する。図6は、実施の形態2にかかる半導体装置の非活性領域耐圧と活性領域耐圧との関係を示す特性図である。図6に示すように、実施の形態1と同様に、Wp12/Wn12=1.1〜1.2、Wp13/Wn13=1.1〜1.2、およびWp13/Wn15=1.1〜1.2のときに、対耐圧比ηが最大値またはほぼ最大値まで回復することがわかる。このときの対耐圧比ηは、η=1.15程度である。
以上、説明したように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。また、第2のチャージバランス領域Sb2を設けたことで、実施の形態1よりもRソース最外周において、半導体基板の表面付近の空乏層を広げることができ、ソース最外周の近傍における半導体基板の表面への電界集中を緩和することができる。これにより、実施の形態1よりもさらに、非活性領域17における半導体基板の耐圧を向上させることができる。
(実施の形態3)
つぎに、実施の形態3にかかる半導体装置について説明する。図7は、実施の形態3にかかる半導体装置について示す平面図である。図7に示すように、実施の形態3にかかる半導体装置の平面構造では、実施の形態1における第1のチャージアンバランス領域Sa1のY基板周端部側に、第1の非活性領域17b(以下、第3のチャージバランス領域Sb3とする)が設けられている。また、実施の形態1における第2のチャージアンバランス領域Sa2のY基板周端部側にも、第1の非活性領域17b(以下、第4のチャージバランス領域Sb4とする)が設けられている。つまり、X基板周端部側およびY基板周端部側に、第1の非活性領域17bが第2の非活性領域17aを囲むように形成される。
第1のチャージアンバランス領域Sa1と第3のチャージバランス領域Sb3との境界は、Yソース最外周から距離(以下、第2のY距離とする)RY2の位置にある。第3のチャージバランス領域Sb3において、並列pn層の各幅は、活性領域18と同様である。
第1のチャージアンバランス領域Sa1において、第1の幅変化点および第1の幅変化点における並列pn層の各幅は、実施の形態1と同様である。また、第1のチャージアンバランス領域Sa1と第3のチャージバランス領域Sb3との境界(以下、第3の幅変化点とする)から、Y奥行き方向と平行に活性領域18に向かって距離(以下、第2のY間隔とする)LY2の点(以下、第4の幅変化点とする)の間の、並列pn層の各幅を、Y基板終端部に向かうにつれて徐々に変化させている。第3の幅変化点における並列pn層の各幅は、第3のチャージバランス領域Sb3と同様である。第4の幅変化点における並列pn層の各幅は、それぞれ第2のn幅Wn12および第2のp幅Wp12である。
また、第2のチャージアンバランス領域Sa2における並列pn層の各幅は、第1のチャージアンバランス領域Sa1の並列pn層の各幅によって変わってくる。そのため、第4のチャージバランス領域Sb4のn型ドリフト領域2の幅(以下、第7のn幅とする)Wn17は、第2のチャージアンバランス領域Sa2のn型ドリフト領域2の幅に対応した幅となる。第4のチャージバランス領域Sb4のp型仕切領域3の幅(以下、第7のp幅とする)Wp17も同様である。
それ以外の構造は、実施の形態1と同様である。
第2のY間隔LY2は、次の(17)式を満たす値にするのが好ましい。
tan-1((Wp12−Wp11)/(2・LY2))≦2度 ・・・(17)
その理由は、実施の形態1と同様である。
第1の非活性領域17bにおいて、実施の形態1と同様に(7)式または(8)式のいずれか一つの式を満たす値にするのが好ましい。その理由は、実施の形態1と同様である。また、次の(18)式を満たす値にするのが好ましい。
Wn16=Wp16≦Wn17=Wp17≦Wn11=Wp11 ・・・(18)
その理由は、活性領域18の最外周から離れるにつれて、並列pn層の各幅を狭くすると、非活性領域17の耐圧が向上するからである。
第2の非活性領域17aにおいて、実施の形態1と同様に(1)式および(9)式を満たし、かつ次の(19)式〜(21)式を満たす値にするのが好ましい。
1.05≦Wp12/Wn12≦2.0 ・・・(19)
1.05≦Wp13/Wn13≦2.0 ・・・(20)
1.05≦Wp13/Wn15≦2.0 ・・・(21)
その理由は、実施の形態1と同様である。
また、Rソース最外周において、実施の形態1と同様に、(13)式を満たし、かつ次の(22)式を満たす値にするのが好ましい。
0.05≦RY2/RX1≦1 ・・・(22)
その理由は、実施の形態1と同様である。
さらに、Rソース最外周において、次の(23)式を満たす値にするのが好ましい。
{Wp12・(Wp13+Wn13)}/{Wp13・(Wp12+Wn12)}≦RY2/RX1≦1 ・・・(23)
その理由は、第2のY距離RY2の第1のX距離RX1に対する比(RY2/RX1)が左辺の値よりも小さい場合、第3の領域Cにおいて空乏層が広がりにくく、密な等電位線分布となってしまうからである。一方、第2のY距離RY2の第1のX距離RX1に対する比(RY2/RX1)が右辺の値よりも大きい場合、第3の領域Cにおいて空乏層が広がりすぎて、基板終端部に到達してしまう恐れがあるからである。これを回避するための手段は、実施の形態1と同様である。
それ以外のそれぞれの幅および距離における好適な条件は、実施の形態1と同様である。
つぎに、実施の形態3にかかる半導体装置の等電位線分布について説明する。図8は、実施の形態3にかかる半導体装置に耐圧がかかったときの、超接合層に生じる等電位線分布を示す平面図である。実施の形態3では、図8に示すように、第1の領域Aおよび第2の領域Bにおいて、疎な等電位線分布となることがわかる。そのため、ソース最外周において、全体的に電界集中が緩和されていることがわかる。
つぎに、実施の形態3にかかる半導体装置の特性について説明する。図9は、実施の形態3にかかる半導体装置の非活性領域耐圧と活性領域耐圧との関係を示す特性図である。図9に示すように、Wp12/Wn12=1.1〜1.5、Wp13/Wn13=1.2〜1.5、およびWp13/Wn15=1.2〜1.5のときに、対耐圧比ηが最大値またはほぼ最大値まで回復することがわかる。このときの対耐圧比ηは、η=1.1程度である。
以上、説明したように、実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。また、第2の非活性領域17aが、ガードリングと同様の効果を発揮する。そのため、実施の形態1および実施の形態2よりも、ソース最外周の近傍における半導体基板の表面への電界集中を緩和することができる。また、ガードリング形成のための追加工程を必要とせず、製造工程および製造コストを減少させることができる。また、第1のチャージバランス領域Sb1および第4のチャージバランス領域Sb4を形成することにより、第2の非活性領域17aを、実施の形態1および実施の形態2よりもpリッチにしたとしても非活性領域17の高耐圧を維持できるため、半導体基板の設計の自由度が広がる。
(実施の形態4)
つぎに、実施の形態4にかかる半導体装置について説明する。図10は、実施の形態4にかかる半導体装置について示す平面図である。図10に示すように、実施の形態4にかかる半導体装置の平面構造では、実施の形態3における第1のチャージアンバランス領域Sa1の一部を、第3のチャージバランス領域Sb3としている。第3のチャージバランス領域Sb3は、Yソース最外周と、第2の位置P2と第3の位置P3をつなぐRソース最外周と接するように設けられている。このとき、第3のチャージバランス領域Sb3は、活性領域18に接するとともに、第2の非活性領域17aに回り込むように形成されている。それ以外の構造は、実施の形態1と同様である。
第1のY間隔LY1は、実施の形態1と同様に(5)式を満たす値にするのが好ましい。第2のY間隔LY2は、実施の形態3と同様に(17)式を満たす値にするのが好ましい。第1の非活性領域17bにおいて、実施の形態1と同様に(7)式または(8)式のいずれか一つの式を満たす値にするのが好ましい。第2の非活性領域17aにおいて、実施の形態1と同様に(1)式および(9)式を満たし、かつ実施の形態2と同様に(16)式を満たし、かつ実施の形態3と同様に(19)式〜(21)式を満たす値にするのが好ましい。Rソース最外周において、実施の形態1と同様に(13)式を満たし、かつ実施の形態3と同様に(22)式および(23)式を満たす値にするのが好ましい。幅変化点移動距離LY11は、実施の形態1と同様に(14)式を満たす値にするのが好ましい。その理由は、実施の形態1〜実施の形態3と同様である。
つぎに、実施の形態4にかかる半導体装置の等電位線分布について説明する。図11は、実施の形態4にかかる半導体装置に耐圧がかかったときの、超接合層に生じる等電位線分布を示す平面図である。実施の形態4では、図11に示すように、第1の領域Cにおいて、実施の形態3(図8参照)と同様に、疎な等電位線分布となることがわかる。また、第4の領域Dの等電位線分布が、第1の領域Aに比べて疎な等電位線分布となることがわかる。そのため、実施の形態3に比べて、全体的に電界集中が緩和されていることがわかる。
つぎに、実施の形態4にかかる半導体装置の特性について説明する。図12は、実施の形態4にかかる半導体装置の非活性領域耐圧と活性領域耐圧との関係を示す特性図である。図12に示すように、実施の形態3と同様に、Wp12/Wn12=1.1〜1.5、Wp13/Wn13=1.2〜1.5、およびWp13/Wn15=1.2〜1.5のときに、対耐圧比ηが最大値またはほぼ最大値まで回復することがわかる。このときの対耐圧比ηが、η=1.2程度である。
以上、説明したように、実施の形態4によれば、実施の形態3と同様の効果が得られる。また、第3のチャージバランス領域Sb3を、実施の形態3に比べて広く形成していることで、第4の領域Dの等電位線分布を、第1の領域Aに比べて疎な等電位線分布とすることができる。そのため、実施の形態3よりもさらに、全体的に電界集中を緩和させることができる。
つぎに、実施の形態1における半導体装置の変形例について説明する。図13は、実施の形態1にかかる半導体装置の変形例の平面構造について示す平面図である。図13に示すように、実施の形態1における第1のチャージアンバランス領域Sa1に、実施の形態2のように第2のチャージバランス領域Sb2を形成してもよい。このとき、第1のチャージアンバランス領域Sa1と第2のチャージバランス領域Sb2の境界は、Yソース最外周上(直線範囲18a)の途中に存在してもよい。このような半導体装置によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。
つぎに、実施の形態3における半導体装置の変形例について説明する。図14は、実施の形態3にかかる半導体装置の変形例の平面構造について示す平面図である。図14に示すように、実施の形態3における第1のチャージアンバランス領域Sa1に、実施の形態4のように第3のチャージバランス領域Sb3を形成してもよい。このとき、第1のチャージアンバランス領域Sa1と第3のチャージバランス領域Sb3の境界は、Yソース最外周の途中に存在してもよい。このような半導体装置によれば、実施の形態3と同様の効果が得られる。
つぎに、実施の形態1〜実施の形態4における半導体装置の変形例について説明する。図15〜図46は、実施の形態1〜実施の形態4にかかる半導体装置の変形例の平面構造について示す平面図である。実施の形態1〜実施の形態4における半導体装置において、第1の非活性領域17bおよび第2の非活性領域17aを、さらに複数形成してもよい。図15に示すように、実施の形態1の第1の非活性領域17bに第2の非活性領域17aを形成してもよい。また、形成された第2の非活性領域17aと、この第2の非活性領域17aに隣接する第1の非活性領域17bとを、第1の非活性領域17bおよび第2の非活性領域17aを交互に繰り返し形成してなるストライプ状の並列層Hとしてもよい。このとき、基板終端部は、第1の非活性領域17bおよび第2の非活性領域17aのどちらでもかまわない。また、図16に示すように、図15に示す半導体装置の活性領域18側の第2の非活性領域17aに、第1の非活性領域17bを形成してもよい。
また、図17に示すように、実施の形態1の第1の非活性領域17bと第2の非活性領域17aと形成領域を反転し、さらに第1の非活性領域17bに、活性領域18を囲むように矩形状の第2の非活性領域17aを形成してもよい。また、図18に示すように、図17に示す半導体装置の、活性領域18と接していない第2の非活性領域17aに、第1の非活性領域17bを形成してもよい。このとき、図15に示す半導体装置と同様に並列層Hとしてもよい。また、図19に示すように、図17に示す半導体装置の第1の非活性領域17bに、さらに第2の非活性領域17aを形成してもよい。このとき、図15に示す半導体装置と同様に並列層Hとしてもよい。また、図20に示すように、図18および図19に示す半導体装置を合わせた構造としてもよい。
また、図21に示すように、図17に示す半導体装置の、活性領域18に接する第2の非活性領域17aの領域を狭くしてもよい。また、図22に示すように、図21に示す半導体装置の活性領域18と接していない第2の非活性領域17aに、第1の非活性領域17bを形成してもよい。このとき、図15に示す半導体装置と同様に並列層Hとしてもよい。また、図23に示すように、図21に示す半導体装置の、第1の非活性領域17bのY基板最端部に、活性領域18に接する第2の非活性領域17aと離して、非活性領域17aと同程度の幅をもつ第2の非活性領域17aを形成してもよい。このとき、図15に示す半導体装置と同様に並列層Hとしてもよい。また、図24に示すように、図22および図23に示す半導体装置を合わせた構造としてもよい。
また、図25に示すように、図17に示す半導体装置の第1の非活性領域17bを囲むように、第2の非活性領域17aの領域を形成してもよい。また、図26に示すように、実施の形態3の第1の非活性領域17bに、第2の非活性領域17aを形成してもよい。また、図27に示すように、図26に示す半導体装置の、X基板終端部に形成された第2の非活性領域17aに、第1の非活性領域17bを形成してもよい。このとき、図15に示す半導体装置と同様に並列層Hとしてもよい。また、図28に示すように、図26に示す半導体装置の第1の非活性領域17bに、第2の非活性領域17aの領域を形成してもよい。このとき、図15に示す半導体装置と同様に並列層Hとしてもよい。また、図29に示すように、図27および図28に示す半導体装置を合わせた構造としてもよい。
また、図30に示すように、実施の形態4の第1の非活性領域17bに、第2の非活性領域17aを形成してもよい。また、図31に示すように、図30に示す半導体装置の、X基板終端部に形成された第2の非活性領域17aに、第1の非活性領域17bを形成してもよい。このとき、図15に示す半導体装置と同様に並列層Hとしてもよい。また、図32に示すように、図30に示す半導体装置の、第1の非活性領域17bのY基板最端部に、活性領域18に接する第2の非活性領域17aと離して、非活性領域17aと同程度の幅をもつ第2の非活性領域17aを形成してもよい。このとき、図15に示す半導体装置と同様に並列層Hとしてもよい。また、図33に示すように、図31および図32に示す半導体装置を合わせた構造としてもよい。また、図34に示すように、図19に示す半導体装置の、活性領域18に接する第2の非活性領域17aの領域を狭くしてもよい。このとき、活性領域18に隣接する第1の非活性領域17bと、Y基板終端部に形成されている第2の非活性領域17aとを、第1の非活性領域17bおよび第2の非活性領域17aを交互に繰り返し形成してなるストライプ状の並列層Hとしてもよい。このとき、Y基板終端部は、第1の非活性領域17bおよび第2の非活性領域17aのどちらでもかまわない。
また、図35に示すように、図34に示す半導体装置の、X基板終端部に形成されている第2の非活性領域17aに、第1の非活性領域17bを形成してもよい。このとき、図15に示す半導体装置と同様に並列層Hとしてもよい。また、図36に示すように、図19に示す半導体装置の、Y基板終端部に形成されている第2の非活性領域17aの領域を狭くしてもよい。また、図37に示すように、図36に示す半導体装置の、X基板終端部に形成された第2の非活性領域17aに、第1の非活性領域17bを形成してもよい。このとき、図15に示す半導体装置と同様に並列層Hとしてもよい。また、図38に示すように、図32に示す半導体装置の、Y基板終端部に形成された第2の非活性領域17aの領域を広げてもよい。また、図39に示すように、図38に示す半導体装置の、X基板終端部に形成された第2の非活性領域17aに、第1の非活性領域17bを形成してもよい。このとき、図15に示す半導体装置と同様に並列層Hとしてもよい。
また、図40に示すように、図28に示す半導体装置の、Y基板終端部に形成されている第2の非活性領域17aの領域を狭くしてもよい。また、図41に示すように、図29に示す半導体装置の、Y基板終端部に形成されている第2の非活性領域17aの領域を狭くしてもよい。また、図42に示すように、図25に示す半導体装置の、基板終端部に形成されている第2の非活性領域17aのY基盤終端部の領域を狭くしてもよい。また、図43に示すように、図25に示す半導体装置の、活性領域18に接して形成されている第2の非活性領域17aの領域を狭くしてもよい。このとき、図34に示す半導体装置と同様に並列層Hとしてもよい。そして、並列層Hは、活性領域18に接しない範囲で形成される。
また、図44に示すように、図25に示す半導体装置の、基板終端部に形成されている第2の非活性領域17aのY基盤終端部の領域、および活性領域18に接して形成されている第2の非活性領域17aの領域を狭くしてもよい。また、図45に示すように、Rソース最外周を第1のX距離RX1より第2のY距離RY1を小さく(RX1>RY1)して、楕円形状としてもよい。また、図46に示すように、活性領域18の外周部を直線(直線範囲18a)および円弧(円弧範囲18b)を少なくとも1つずつ含む形状であってもよい。ただし、電界集中を避けるためには折れ線形状は避け、1階微分可能な滑らかな形状であるほうがよい。以上、図15〜図46に示す半導体装置によれば、実施の形態1〜実施の形態4のいずれか一つまたは複数の実施の形態と同様の効果が得られる。
(実施の形態5)
つぎに、実施の形態5にかかる半導体装置について説明する。図47は、実施の形態5にかかる半導体装置について示す平面図である。また、図48は、図47の切断線XA−XA'の断面構造について示す断面図である。図47に示すように、実施の形態5にかかる半導体装置の平面構造では、実施の形態1における活性領域18の最外周(ソース最外周)に設けられたフィールドプレート電極14の、Xソース最外周およびRソース最外周のフィールドプレート電極14の形状が、第2の非活性領域17aに張り出した形状となっている。つまり、図48に示すように、フィールドプレート電極14は、層間絶縁膜12の表面まで張り出して形成されている。このとき、フィールドプレート電極14の、Xソース最外周からX幅方向に張り出した部分の長さ(以下、第1のX間隔とする)LX1は、フィールドプレート電極14のX幅方向の最外周が第2の非活性領域17aの最外周より内側となるような長さとなっている。また、層間絶縁膜12の厚さは、ゲート絶縁膜13よりも厚く、層間絶縁膜12全体で例えばほぼ均一である。それ以外の構造は、実施の形態1と同様である。
第1のX間隔LX1は、次の(24)式を満たす値にするのが好ましい。
0.2≦LX1/RX2≦1 ・・・(24)
(24)式について、図49〜図52を参照しながら説明する。図49および図51は、フィールドプレート電極が形成された半導体装置の一例について示す平面図である。また、図50は、図49にかかる半導体装置に耐圧がかかったときの、超接合層に生じる等電位線分布を示す断面図である。また、図52は、図51にかかる半導体装置に耐圧がかかったときの、超接合層に生じる等電位線分布を示す断面図である。図49に示す半導体装置は、フィールドプレート電極14を活性領域18の最外周に設けている(LX1=0)。また、図51に示す半導体装置は、Xソース最外周およびRソース最外周近傍のフィールドプレート電極14の最外周を、第1の非活性領域17bまで張り出して形成している。第1のX間隔LX1が(24)式を満たすときに好適である理由は、(24)式の値が0.2よりも小さい場合、図50に示すように、活性領域18よりも外側から、半導体基板の第1主面の上(以下、第5の領域とする)Eに抜ける等電位線が、密な等電位線分布となってしまうからである。一方、(24)式の値が1よりも大きい場合、図52に示すように、活性領域18よりも外側の、フィールドプレート電極14の最外周の近傍から、半導体基板の第1主面の上(以下、第6の領域とする)Fに抜ける等電位線が、密な等電位線分布となってしまうからである。また、半導体基板の第1主面の、第1の非活性領域17bと第2の非活性領域17aの境界近傍で、電界が集中し、耐圧が低下してしまうからである。
それ以外のそれぞれの幅および距離における好適な条件は、実施の形態1と同様である。
つぎに、実施の形態5にかかる半導体装置の等電位線分布について説明する。図53は、実施の形態5にかかる半導体装置に耐圧がかかったときの、超接合層に生じる等電位線分布を示す平面図である。また、図54は、実施の形態5にかかる半導体装置に耐圧がかかったときの、超接合層に生じる等電位線分布を示す断面図である。図53に示すように、実施の形態1(図2参照)と同様に、疎な等電位線分布になっていることがわかる。さらに、図54に示すように、第5の領域Eおよび第6の領域Fにおいて、疎な等電位線分布になっていることがわかる。
つぎに、実施の形態5にかかる半導体装置のLX1/RX2=0.5・RX2のときの特性について説明する。図55は、実施の形態5にかかる半導体装置の非活性領域耐圧と活性領域耐圧との関係を示す特性図である。図55に示すように、Wp12/Wn12=1.1〜1.2、Wp13/Wn13=1.1〜1.2、およびWp13/Wn15=1.1〜1.2のときに、対耐圧比ηが、最大値またはほぼ最大値まで回復することがわかる。このときの対耐圧比ηは、η=1.10程度である。
図56は、実施の形態5にかかる半導体装置の変形例の平面構造について示す平面図である。また、図57は、図56の切断線XB−XB'の断面構造について示す断面図である。図56および図57に示すように、Xソース最外周およびRソース最外周近傍のフィールドプレート電極14の最外周を、第1の非活性領域17bと第2の非活性領域17aの境界まで張り出して形成してもよい(LX1=1)。
以上、説明したように、実施の形態5によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる。また、フィールドプレート電極14をXソース最外周およびRソース最外周から張り出して第2の非活性領域17aの上にまで伸ばして形成するため、第5の領域Eに抜ける等電位線の間隔を広げることができる。また、第2の非活性領域17aの上までに伸ばしたフィールドプレート電極14の最外周が、第1の非活性領域17aの外側まで張り出さないように形成することで、第6の領域Fに抜ける等電位線の間隔を広げることができる。これにより、実施の形態1よりもさらに、非活性領域17の耐圧を向上させることができる。
(実施の形態6)
つぎに、実施の形態6にかかる半導体装置について説明する。図58は、実施の形態6にかかる半導体装置について示す平面図である。図58に示すように、実施の形態6にかかる半導体装置の平面構造では、実施の形態5におけるフィールドプレート電極14のY奥行き方向の最外周が、Y奥行き方向のソース最外周から第2の非活性領域17aの表面に張り出して形成されている。それ以外の構造は、実施の形態5と同様である。
このとき、フィールドプレート電極14の、Yソース最外周からY奥行き方向に張り出した部分の長さ(以下、第3のY間隔とする)LY3は、次の(25)式を満たす値にするのが好ましい。
LY3≦LX1 ・・・(25)
その理由は、半導体基板表面の等電位線分布はY奥行き方向よりもX幅方向に密になりやすく、第3のY間隔LY3がLX1の値よりも大きい場合、Rソース最外周近傍の、フィールドプレート電極14のコーナー部の湾曲が大きくなり、Rソース最外周において電界が集中してしまうからである。
以上、説明したように、実施の形態6によれば、実施の形態5と同様の効果が得られる。
(実施の形態7)
つぎに、実施の形態7にかかる半導体装置について説明する。図59は、実施の形態7にかかる半導体装置について示す断面図である。図59に示すように、実施の形態7にかかる半導体装置では、実施の形態5における層間絶縁膜12が、フィールドプレート電極14のX幅方向の最終端から活性領域18にかけて徐々に薄い形状となっている。つまり、層間絶縁膜12の表面に張り出しているフィールドプレート電極14の底面の形状が、活性領域18側がX終端部側よりも厚くなっている。このとき、フィールドプレート電極14と層間絶縁膜12との境界は直線状となっている。それ以外の構造は、実施の形態5と同様である。
つぎに、実施の形態7にかかる半導体装置の等電位線分布について説明する。図60は、実施の形態7にかかる半導体装置に耐圧がかかったときの、超接合層に生じる等電位線分布を示す断面図である。図60に示すように、フィールドプレート電極14のX幅方向の最外周の下(以下、第7の領域とする)Gにおいて、実施の形態5(図54の第6の領域近傍)と比べて、疎な等電位線分布になっていることがわかる。実施の形態7にかかる技術を採用した場合、同じ構成の半導体装置において、非活性領域17の耐圧が5〜10%程度改善する。
図61は、実施の形態7にかかる半導体装置の変形例の平面構造について示す断面図である。図61に示すように、フィールドプレート電極14と層間絶縁膜12との境界線を、2段またはそれ以上の段差を有する形状としてもよい。
以上、説明したように、実施の形態7によれば、実施の形態5と同様の効果が得られる。また、実施の形態5よりもさらに、非活性領域17の耐圧を向上させることができる。
(実施の形態8)
つぎに、実施の形態8にかかる半導体装置について説明する。図62は、実施の形態8にかかる半導体装置について示す平面図である。また、図63は、図62の切断線XC−XC'の断面構造について示す断面図である。図62および図63に示すように、実施の形態8にかかる半導体装置の平面構造では、実施の形態5におけるフィールドプレート電極14とソース電極15とを分離して設けた構造となっている。それ以外の構造は、実施の形態5と同様である。
つぎに、実施の形態8にかかる半導体装置の等電位線分布について説明する。図64は、実施の形態8にかかる半導体装置に耐圧がかかったときの、超接合層に生じる等電位線分布を示す断面図である。図64に示すように、第7の領域Gにおいて、実施の形態5と比べて、疎な等電位線分布になっていることがわかる。実施の形態8にかかる技術を採用した場合、実施の形態5と比べて、非活性領域17の耐圧が5%程度改善する。
また、フィールドプレート電極14を、ソース電極15またはゲート電極4のどちらか一つに電気的に接続して、同電位にしてもよい。
図65は、実施の形態8にかかる半導体装置の変形例の平面構造について示す平面図である。図65に示すように、実施の形態8の技術に実施の形態6の技術を追加して、フィールドプレート電極14の、Y奥行き方向に張り出したフィールドプレート電極14とソース電極15も分離して、ソース電極15の最外周を囲むようにフィールドプレート電極14を設けてもよい。
以上、説明したように、実施の形態8によれば、実施の形態5と同様の効果が得られる。また、フィールドプレート電極14を電気的に絶縁されるように層間絶縁膜12の表面に設けた場合は、実施の形態5よりもさらに、非活性領域17の耐圧を向上させることができる。
(実施の形態9)
つぎに、実施の形態9にかかる半導体装置について説明する。図66は、実施の形態9にかかる半導体装置について示す平面図である。また、図67は、図66の切断線XD−XD'の断面構造について示す断面図である。図66および図67に示すように、実施の形態9にかかる半導体装置の平面構造では、実施の形態5における活性領域18と第2の非活性領域17aとの間に、活性領域18を囲むように第3の非活性領域17cを設けている。それ以外の構造は、実施の形態5と同様である。
第1のX間隔LX1は、第3の非活性領域17cのX幅方向の幅(以下、第2のX間隔とする)LX2に対して、次の(26)式を満たす値にするのが好ましい。
LX2≦LX1≦RX2 ・・・(26)
その理由は、第1のX間隔LX1がLX2の値よりも小さい場合、第7の領域Gにおいて、半導体基板表面に電界が集中しやすくなるからである。一方、第1のX間隔LX1がRX2の値よりも大きい場合、半導体基板の第1主面の、第1の非活性領域17bと第2の非活性領域17aの境界近傍で、電界が集中し、耐圧が低下してしまうからである。
また、第1のX間隔LX1は、第3の非活性領域17cのY奥行き方向の幅(以下、第4のY間隔とする)LY4に対して、次の(27)式の等号を満たす値、(27)式の不等号を満たし、かつ(29)式およびLY4=0を満たす値、(28)式を満たす値、または、(28)式および(29)式を満たす値にするのが好ましい。
LY4≦LY3 ・・・(27)
LY4>LY3 ・・・(28)
LY3=0 ・・・(29)
図68は、実施の形態9にかかる半導体装置の変形例の平面構造について示す平面図である。(27)式の等号を満たす場合、図66に示すように、第3の非活性領域17cの最外周にフィールドプレート電極14が設けられた構造となっている。また、(27)式の不等号を満たし、かつ(29)式およびLY4=0を満たす場合、図68に示すように、第3の非活性領域17cが、Xソース最外周およびRソース最外周を囲み、フィールドプレート電極14が、第3の非活性領域17cの最外周およびYソース最外周を囲むように設けられた構造となっている。このような半導体装置によれば、実施の形態5と同様の効果が得られる。
図69および図70は、実施の形態9にかかる半導体装置の変形例の平面構造について示す平面図である。図69に示すように、フィールドプレート電極14のY奥行き方向の最外周が、第3の非活性領域17cの内部に位置する構造としてもよい。この例は、(28)式を満たす場合の例である。また、図70に示すように、図68に示す半導体装置における第3の非活性領域17cが、活性領域18の最外周を囲むように形成された構造としてもよい。この例は、(28)式および(29)式を満たす場合の例である。また、層間絶縁膜12の表面に、電気的に絶縁されるようにフィールドプレート電極14を複数設けてもよい。また、実施の形態3と同様に、第2の非活性領域17aを囲むように、第1の非活性領域17bを形成してもよい。
以上、説明したように、実施の形態9によれば、実施の形態5と同様の効果が得られる。
なお、実施の形態5〜実施の形態9に示す半導体装置は、ゲート電極4の配置によらず、非活性領域17の耐圧を向上させることができる。例えば、並列pn層の上にストライプ状に配置されたゲート電極4の長手方向が、半導体基板のY奥行き方向と平行でも、垂直でもよい。また、ゲート電極4が、列pn層の上に格子状に配置されていてもよい。また、フィールドプレート電極14は、フローティング電位でもよい。
なお、上述の半導体装置の説明においては、n+ドレイン領域である抵抗率の低いn+基板の第1主面側の表面に、並列pn層を形成した、MOSFETについて示したが、抵抗率の低いp+基板の第1主面側の表面に、並列pn層を形成した、IGBT等の構造にも適用可能である。
なお、上述の半導体装置の説明においては第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としたが、本発明は第1導電型をp型とし、第2導電型をn型としても同様に成り立つ。