JP5407041B2 - ポリマー粒子製造方法及びその重合装置 - Google Patents
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Description
このように、ポリマー粒子の粒径を小さくすべく乳化剤濃度を高くした場合には、乳化剤に起因して後々の不純物が含有されることとなり、この結果、製品ポリマーの特性に悪影響を及ぼす虞がある。
即ち、本発明は前記従来技術の問題点を解消するためになされたものであり、モノマーの重合率が40%に至る前に重合速度を制御してポリマー粒子の粒径を所望粒径に調整し、モノマーの重合率が40%を超えた後にポリマー粒子の粒径を所定粒径に維持しつつ、乳化剤濃度を高くすることなく重合速度を自在に変更してモノマーの重合完了時間を制御することが可能なポリマー粒子製造方法を提供することを目的とする。
本実施形態にて使用される乳化重合系は、水、乳化剤、重合開始剤及びモノマーを混合してなる反応液から構成される。
ここに、乳化剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムやラウリル硫酸アンモニウムが使用される。また、重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、カリウム、過酸化水素等の水溶性過酸化物、アミンの塩酸塩を水溶性セグメントとして有する水溶性アゾ化合物が使用される。
時間に対する重合率の上昇率は、最も重合温度が高く重合速度が大きいグラフG3で最も大きく、次いで、重合温度に基づく重合速度の大きい順に、グラフG4、グラフG5の順となっている。
各グラフG6、G7、G8は、いずれにおいてもポリマー粒径が略同様の分散状態を示し、その値も略一定値になることを示している。このことは、モノマーの重合率が40%を超えた後においては、重合速度を変化させた場合においても、ポリマー粒子のポリマー粒径は、略一定の値になることを意味している。従って、モノマーの重合率が40%に至る前までに、重合温度、重合開始剤濃度等に基づく重合速度を調整してポリマー粒径を制御しておけば、モノマーの重合率が40%を超えた後に重合速度を変化させてもポリマー粒径は略一定値に保持されることから、モノマーの重合率が40%を超えた後に自由に重合速度を調整することにより、トータルの重合時間をコントロールすることができる。
図5にて各プロットを外挿して得られるグラフG9に示すように、モノマーの重合率が20%までの間は反応液の粘度は徐々に大きくなり、重合率が20%を超えると粘度は急激に上昇していく。そして、重合率が40%を超えた後80%に至るまでの間において粘度は、略一定値を示し、また、重合率が80%を超えた後に急激に上昇していく。
このように、重合率が40%を超えた時点で粘度の上昇が収まり、一定値を示すことから、反応液の粘度を連続的にモニタし、略一定値になった時点で重合率が40%に達したことを把握することができる。
先ず、モノマーの重合率が40%に至る前に、重合速度を制御してポリマー粒径を所望の値になるように重合を行い、重合率が40%を超えた後においては、重合速度を変化させてトータル重合時間をコントロールする場合について、図6、図7に基づき説明する。図6は2つの重合過程において時間に対する重合率の変化を示グラフ、図7は2つの重合過程におけるポリマー粒径の変化を示すグラフである。
また、グラフG11は、重合率40%に至る前にグラフG10の場合と同一の重合速度でモノマーの重合反応を行い、重合率が40%を超えた後に重合温度を一定温度(例えば、50℃)から低下させて重合速度を小さくした場合の重合率の変化を示す。
各グラフG12、G13は、いずれにおいてもポリマー粒径が略同様の分散状態を示し、その値も略一定値になることを示している。
また、グラフG15は、溶存酸素濃度を高くし重合率が40%に至る前で30%になった後に重合開始剤濃度を追加投入してグラフG14の場合よりも小さい重合速度でモノマーの重合反応を行い、重合率が40%を超えた後に重合温度を一定温度(例えば、50℃)を維持しつつ重合を行った場合の重合率の変化を示す。
グラフG16では、前記したように重合速度が大きいことからポリマー粒径は小さくなり、一方、グラフG17では、重合速度は小さいことからポリマー粒径は大きくなる。
このように、ポリマー粒径を変化させつつトータル重合時間が同一となるように制御することができる。
先ず、重合装置の概略構成について図10に基づき説明する。図10は重合装置の概略構成を模式的に示す説明図である。
図10において、重合装置1は、水・乳化剤・重合開始剤・モノマーを混合してなるモノマー混合物(反応液)からポリマーを合成する撹拌槽2、供給装置3を介して撹拌槽2に投入される重合開始剤を貯留する開始剤貯留タンク4、ポリマー製造時における撹拌槽2内の温度・重合開始剤の投入量等の各種製造条件等を入力設定する操作部5、及び、操作部5にて入力設定された各種製造条件に基づき供給装置3を制御して撹拌槽2への重合開始剤投入量を制御したり、重合装置1全体を制御する制御部6を備えている。
開始剤貯留タンク4には、予め実験により求められた所定量の重合開始剤が貯留されている。
また、操作部5から入力された各種の重合条件データは、制御部6に付設されているメモリに記憶される。
尚、入口側温度センサ15及び出口側温度センサ19は、共に制御部6に接続されており、入口側温度センサ15、出口側温度センサ19にて検出された温度データは、制御部6にインプットされる。
ジャケット13に供給された冷却水は、配管18、電磁バルブ20、配管25、ポンプ17等を経由する循環路を介してジャケット13内を循環する。尚、循環される冷却水の温度は、出口側温度センサ19を介して検出され、その検出温度データは制御部6にインプットされる。
尚、冷却数の温度を上昇させる場合には熱交換器16が作動され、冷却水が昇温される。
かかる相関式は、事前に実験を行い、実験により得られた開始剤濃度(wt%)とポリマー粒径(μm)との関係を図11に示すようにプロットし、各プロットを外挿して相関式を求める。このように求めた相関式によりポリマー粒径は、下記数1のように表される。
このように得られた相関式は、制御部6のメモリに記憶される。
先ず、乳化重合における重合後期の重合速度式は、Smith-Ewart理論に基づき、下記数
2のように表される。
また、半減期については下記数4のように表される。
従って、前記した数2は、以下数5のように表される。
ここに、重合前期における開始剤濃度とポリマー粒径については、前記数1、数2を求めた際のセンター値(本実施形態では、開始剤濃度:0.015[wt%]、重合温度:45℃)とされる。
また、重合温度の上限及び下限値の範囲については、前記数1、数2を求めるにつき使用した実験条件の上限値及び下限値、又は、製品特性と重合温度との関係が顕著な場合には、製品特性を満たすにつき要求される重合温度範囲が使用される。
S7における判断がNOの場合(S7:NO)には、前記条件が満足されるまで待機する。一方、S7における判断がYESとなった場合(S7:YES)には、開始剤投入時間をt1として記録するとともに、S9乃至S17における処理・判断により、重合後期における各種重合条件が設定される。
これに対して、S11における判断がNOの場合(S11:NO)には、S13において、要求温度T1が許容上限温度以上であるかどうか判断される。S13における判断がNOの場合(S13:NO)には、S14にて許容下限温度が要求温度T1として制御部6に出力される。この後S17に移行する。
2 撹拌槽
4 開始剤貯留タンク
5 操作部
6 制御部
8 粘度センサ
13 ジャケット
Claims (4)
- 水、乳化剤、重合開始剤及び2−ヘキシルアクリレート又はブチルアクリレートを含有するモノマーを混合した反応液を乳化分散させるとともにモノマーの乳化重合を行ってポリマー粒子を製造するポリマー粒子製造方法において、
前記モノマーの重合率が40%に至る前に、前記重合開始剤濃度及び重合系の重合温度を調整してモノマーの重合速度を制御することにより前記ポリマー粒子のポリマー粒径を所定粒径にし、
前記モノマーの重合率が40%を超えた後に、前記ポリマー粒径を所定粒径に維持しつつ、前記モノマーの重合速度を調整してモノマーの重合完了時間を制御することを特徴とするポリマー粒子製造方法。 - 前記乳化重合の進行に伴って反応物の粘度を連続的に測定し、
前記粘度の上昇が略停止して安定した時点で、前記モノマー重合率が40%を超えたものと判断することを特徴とする請求項1に記載のポリマー粒子製造方法。 - 水、乳化剤、重合開始剤及び2−ヘキシルアクリレート又はブチルアクリレートを含有するモノマーを混合した反応液を乳化分散させるとともにモノマーの乳化重合を行ってポリマー粒子を製造する重合装置において、
第1重合速度及び第2重合速度を設定する重合速度設定手段と、
前記反応液におけるモノマーの重合率を検出する重合率検出手段と、
前記重合率検出手段により検出されるモノマーの重合率が40%に至る前には前記重合速度設定手段に設定された第1重合速度でモノマーの重合を行って前記ポリマー粒子のポリマー粒径を所定粒径にし、重合率検出手段により検出されるモノマーの重合率が40%を超えた後に第1重合速度から第2重合速度に切り換えてモノマーの重合を行ってポリマー粒径を所定粒径に維持しつつ第2重合速度に基づきモノマーの重合完了時間を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする重合装置。 - 前記重合率検出手段は、前記反応液中に浸漬されるとともに反応液の粘度を測定する粘度測定手段を含み、
前記制御手段は、前記モノマーの重合が進行するに従って前記粘度測定手段を介して測定される反応液の粘度が上昇している間はモノマーの重合率が40%以下にあるものと判断し、粘度測定手段を介して測定される反応液の粘度の上昇が略停止して安定した時点でモノマーの重合率が40%を超えたものと判断することを特徴とする請求項3に記載の重合装置。
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