JP5406747B2 - 電気機器 - Google Patents
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Description
本発明は一般の商用電源を電源とする電気機器に関する。
一般に空気調和機等の電気機器への給電は、商用電源のコンセントに電気機器の電源プラグを接続することで行われる。
そして、このコンセントと電源プラグの接続は、コンセント刃受けに電源プラグ刃を挿入して、両者を接触させて行っている。
そして、このコンセントと電源プラグの接続は、コンセント刃受けに電源プラグ刃を挿入して、両者を接触させて行っている。
極めてまれではあるが、このような状態で比較的大電流が流れる電気機器である空気調和機、洗濯機や電子レンジ等を長期間使用すると、コンセント部分におけるちりや埃の付着や部品の劣化によって、電源との接触不良が発生することがある。
このような接触不良が発生すると、電源プラグとコンセントの接触不良部分において過熱による電気機器の運転不具合、最悪の場合、コンセント部分からの発煙・発火が発生するおそれがある。
このような接触不良が発生すると、電源プラグとコンセントの接触不良部分において過熱による電気機器の運転不具合、最悪の場合、コンセント部分からの発煙・発火が発生するおそれがある。
そこで、電気機器の電源プラグや電源コードが、損傷や老朽化により絶縁劣化し過電流により発火するのを防止するため、電源プラグ本体や電源コードに電流ヒューズや温度ヒューズを取り付ける電源プラグが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、簡単な構成でサージ電圧を検出可能にするサージ電圧検出装置を提供するために、2相端子間に並列に挿入されたサージ吸収素子に対し直列にサージ検出用抵抗が接続され、このサージ検出用抵抗の両端には分圧抵抗を介して増幅器が接続され、この増幅器の入力側には、増幅器保護用の4個のダイオードが接続され、増幅器の出力側が電圧検出手段に接続されたサージ電圧検出装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、サージ防護装置の交換時期の判定を、簡易な構成で確実に可能にするために、サージを抑制するサージ防護装置の交換時期を判定するにあたり、サージ防護装置にサージ電流が流れたことを、サージ判定パラメータとサージ判定パラメータ閾値とを用いて判定し、サージ防護装置にサージ電流が流れた回数を計数し、次に、サージ電流が流れた回数、すなわちサージ発生回数Nと、交換時期判定閾値Ncとを比較し、その結果、N>Ncであればサージ防護装置は交換時期であると判定するサージ防護装置の交換時期判定装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の電源プラグは、電源プラグが接触不良で過熱し、内蔵された温度ヒューズが動作(溶断)した場合、家庭用電気機器への電源供給が遮断される。この場合、電源プラグの温度ヒューズが溶断したのか、機器が故障したのか、判別が難しく、またコンセント側の接触不良の場合、電源プラグ刃を介するため正確な温度を検知し難く、さらに、小形の電源プラグにヒューズ類を内設するのは難しいなどの問題がある。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたものであり、電源プラグ刃とコンセント刃受けとの接触不具合の進行中に電気機器を運転していると、その接触不良部分において放電が発生し、この放電により相間サージが発生することを見出した。そこで、この点に着目し、電気機器の運転中に相間のサージ発生を検出し、サージ発生頻度値がサージ発生頻度限界値を超えたと判断された場合、異常を報知する電気機器を提供することを目的とする。なお、特許文献2に記載のサージ電圧検出装置は、サージ吸収素子の経年劣化を検出するものであり、電源プラグとコンセントの接触不良、半断線状態の発生を検知するものではない。
さらに、特許文献3のものは、落雷に伴うサージ防護を目的にコモンモードのサージをカウントするが、相間のサージを検知するものではない。
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、商用電源と接続するコンセントを備えた電気機器において、電源の相間のサージ発生を検出するサージ検知手段と、このサージ検知手段の検出に基づき、電気機器の運転中のサージ発生頻度値を演算する頻度演算手段と、この頻度演算手段により演算されたサージ発生頻度値と予め設定されたサージ発生頻度限界値とを比較する比較手段と、この比較手段により前記サージ発生頻度値が前記サージ発生頻度限界値を超えたと判断された場合、異常を報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、商用電源と接続するコンセントを備えた電気機器において、電源の相間のサージ発生を検出するサージ検知手段と、このサージ検知手段の検出に基づき、運転中のサージ発生の回数を積算する発生回数積算手段と、この発生回数積算手段で積算されたサージ発生回数積算値と予め設定されたサージ発生回数積算限界値とを比較する比較手段と、この比較手段により前記サージ発生回数積算値が前記サージ発生回数積算限界値を超えたと判断された場合、異常を報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
なお、電気機器が商用電源と接続するコンセントを備えた室内機とこの室内機から電源が供給される室外機とからなる室内外分離型の空気調和機の場合には、前記頻度演算手段や前記発生回数積算手段は、前記室外機への通電中に生じたサージを対象としてもよい。
本発明に係る電気機器によれば、電気機器の電源プラグ刃とコンセント刃受けとの接触不具合を間接的に検出し、異常を報知する電気機器を提供することができる。
本発明に係る電気機器の第1実施形態について、電気機器に室内外分離型の空気調和機を例にとって図面を参照して説明する。
本第1実施形態の電気機器である空気調和機は、図1に示すように例えば室内機20と室外機40が分離されている。なお、図1は、第1〜第3の実施形態に共通に用いるため、特定の実施形態においては用いられない構成も記載している。
空気調和機の室内機20は、電源プラグ22を備え、この電源プラグ22が商用電源10に連なるコンセント11に差し込まれる。電源プラグ22には電源線23、商用電源の相間電圧が印加される配線24a、24bを介して室内制御部21等の室内機20の電器部品が接続される。
室内制御部21はMCU(マイクロコントローラ・ユニット)及び周辺回路を備え、制御手段として機能する。MCUはCPU、メモリなどを備え、CPUがメモリであるROM及びRAMとデータのやりとりを行いながら、ROMに記憶されている制御プログラムを実行することによって所定の制御が実行される。
さらに、配線24a、24bに対し、室内制御部21と並列に設けられたサージ保護用配線25にサージアブソーバなどのサージ吸収素子26が直列に挿入され、このサージ吸収素子26は相間に制限電圧を超える電圧が発生した時に、そのサージをサージ電流として相間に導通させることで吸収する。
サージ吸収素子26の設けられた配線25には、サージ電流に応答して電流が発生するカレント検出コイル27が設けられ、このカレント検出コイル27は配線25を貫通するように設置される。
また、カレント検出コイル27の出力にはサージ電流の発生を検出するサージ検出回路28が電気的に接続されている。
そして、サージ吸収素子26の制限電圧を超えるサージ電圧がその両端子に加わると、サージ吸収素子26の電圧電流特性に基づいて配線25に電流が流れる。カレント検出コイル27はこの電流に応答して出力を発し、サージ検出回路28がこれを検出するようになっている。
カレント検出コイル27とサージ検出回路28でサージ検出手段が構成される。
さらに、サージ検出回路28には、頻度演算手段としての発生頻度検出回路29が接続され、さらに、発生回数積算手段としての発生回数積算回路30が発生頻度検出回路29に並列に接続されている。
さらに、サージ検出回路28には、頻度演算手段としての発生頻度検出回路29が接続され、さらに、発生回数積算手段としての発生回数積算回路30が発生頻度検出回路29に並列に接続されている。
サージ検出回路28はカレント検出コイル27で発生した電流を波形整形し、サージ検出パルスとして、発生頻度検出回路29および発生回数積算回路30に送る。
発生頻度検出回路29は室内制御部21に接続され、所定時間当たりのサージ検出パルス数をサージ発生頻度値(以下、単に発生頻度値という。)Nf1として演算し、室内制御部21に送る。
さらに、第1の実施形態では用いられず、第2、第3の実施例で用いる発生回数積算回路30は、室内制御部21に接続され、その内部にメモリを備え、サージ検出パルス数を積算してサージ発生回数積算値(以下、単に積算値という。)Nt1としてメモリに記憶する。さらに、発生回数積算回路30は、積算値Nt1を室内制御部21に送る。
室内制御部21は、制御手段に加え、比較手段としての機能を備え、発生頻度値Nf1が、予め設定されメモリに記憶されたサージ発生頻度限界値(以下、単に頻度限界値という。)(閾値)Ns1を超えたか否かを判断するようになっている。
また、この比較手段は、積算値Nt1が、予め設定されメモリに記憶されたサージ発生回数積算限界値(以下、単に積算限界値という。)(閾値)Ns22を超えたか否かを判断するようになっている。
さらに、室内制御部21には室内ファンモータ31、表示部32が接続されている。この表示部は後述する報知手段として機能する。
また、室外機40には室外制御部41が設けられ、この室外制御部41は配線33a、33bにより、室内制御部21およびサージ吸収素子26と並列に接続されている。
配線33aにはパワーリレー34が設けられ、さらに、配線33aの室外機40内では、この配線を流れる電流を検出する電流検出部35が設けられている。室内外分離型空気調和機の場合、室内機20での消費電流は小さく、室外機40での消費電流が大きいため、この電流検出部35で検出する電流を空気調和機の消費電流として見直して扱うことができる。
パワーリレー34は室内制御部21によりオン/オフ制御され、オンされると室外機40に電源供給がなされ、オフされると室外機40は電流供給が断たれ、停止する。電流検出部35は室外制御部41に接続され、検出電流値は、室外制御機41によって読み取られる。この検出電流値は、室外機40内の各機器制御に用いられるとともに、室内制御部21と室外制御部41とを通信可能に接続された内外通信線36を介して室内制御部21に送信される。
室外制御部41はインバータを備え、このインバータの出力にはコンプレッサモータ42が接続される。さらに、室外制御部41には、室外ファンモータ43が接続されている。室外制御部41は、室内制御部21からの指令及び電流検出部35の検出電流値に応じてインバータの出力を制御することでコンプレッサモータ42を可変速駆動し、空調能力を可変する。また、室外制御部41は、室外ファンモータ43の回転数をインバータの出力や外気温等に応じて可変する。
次に、本第1実施形態の空気調和機の制御動作を、図2に示す動作フロー図に従って説明する。
室内制御部21は空気調和機が運転中か否かを判断する(S1)。
本発明は電気機器の運転中の相間サージを扱うものであるため、運転中か否かの判断が必要となる。この第1の実施形態における空気調和機の運転中とは、暖房、冷房、除湿運転等の室外機40内のコンプレッサ42の運転が必要な運転モードのとき及び室内機20内の機器の動作だけで可能な送風、換気、空気清浄運転等の室内機20が動作している状態を含む。暖房、冷房、除湿運転等では、室外機40に加え、室内機20も運転しているため、したがって、空気調和機の運転中とは、言い換えれば、少なくとも室内機20が動作している場合である。
本発明は電気機器の運転中の相間サージを扱うものであるため、運転中か否かの判断が必要となる。この第1の実施形態における空気調和機の運転中とは、暖房、冷房、除湿運転等の室外機40内のコンプレッサ42の運転が必要な運転モードのとき及び室内機20内の機器の動作だけで可能な送風、換気、空気清浄運転等の室内機20が動作している状態を含む。暖房、冷房、除湿運転等では、室外機40に加え、室内機20も運転しているため、したがって、空気調和機の運転中とは、言い換えれば、少なくとも室内機20が動作している場合である。
空気調和機が運転中の場合(S1のYes)、カレント検出コイル27とサージ検出回路28からなるサージ検出手段は相間のサージ発生を検出する(S2)。
コンセント11と電源プラグ22間に接触不良による放電が発生した場合(異常状態)は、サージ吸収素子26の制限電圧を超えるサージ電圧が発生し、配線25に電流が流れ、サージ検出回路28によりサージ電流が検出される。
すなわち、検出用配線25に電流が流れると、カレント検出コイル27はこの電流を検出し、サージ検出回路28が、この検出電流を波形整形し、サージ検出パルスとして、発生頻度検出回路29に送る。
発生頻度検出回路29は、所定時間当たりのサージ検出パルス数を演算し、発生頻度値Nf1として、室内制御部21に送信する。ここで、ステップS1のYesの場合にこの処理が行われることから、発生頻度検出回路29は、運転中にのみ動作することとなる。
室内制御部21が機能として備える比較手段は、発生頻度値Nf1が、予め設定されメモリに記憶された頻度限界値Ns1以上か否かを判断する(S3)。
発生頻度値Nf1が頻度限界値Ns1以上の場合(S3のYes)、コンセント11と電源プラグ22間の接触不良による放電が発生している可能性の高い異常状態であり、室内制御部21(制御手段)は室内ファンモータ31を停止させ、さらに、内外通信線36、室外制御部41を介してコンプレッサモータ42、室外ファンモータ43を停止させて、空気調和機を停止させ、「コンセント部分に異常(の可能性)」を報知手段である表示部32に表示してユーザに知らせる(S4)。
頻度限界値Ns1を設けることで、雷等の外部要因によるサージ発生を、コンセント接続異常と判断する確率が低下し、コンセント接続異常の誤判定を大幅に低減できる。頻度限界値Ns1は、例えば1分間で5回とする。これにより、判定の時間を短くすることも可能となる。
表示部32の表示により異常発生を認識した使用者は、サービスマンを呼ぶなど必要な処置を講じることで、コンセント部の接触不良が進行するのを防止できる。
発生頻度値Nf1が頻度限界値Ns1以上でない場合(S3のNo)、サージ発生は雷など外部要因による一過性のものである可能性が高く、コンセント11と電源プラグ22間の接触不良による放電が発生していない正常状態として、室内制御部21は室内ファンモータ31を制御し、さらに、内外通信線36、室外制御部41を介してコンプレッサモータ42、室外ファンモータ43を制御する等して、そのまま空気調和機の運転を継続制御する(S5)。
以後、再び、STARTに戻り、同様の動作を繰り返す。
なお、ステップ(S1)において、空気調和機が運転中でない場合(S1のNo)、空気調和機は停止状態を継続(S6)し、サージの発生の検出、サージ発生のカウントや頻度の算出は行われない。
なお、ステップ(S1)において、空気調和機が運転中でない場合(S1のNo)、空気調和機は停止状態を継続(S6)し、サージの発生の検出、サージ発生のカウントや頻度の算出は行われない。
なお、本第1の実施形態は、空気調和機の運転中(ステップS1のYes)にのみ相間のサージ発生を検出・処理するものである。空気調和機が停止状態では、空気調和機での消費電流が0かもしくは極めて小さいため、コンセントと電源プラグ間に接触不良が発生していてもサージは発生しないので、サージ発生の検出、サージ発生のカウントや頻度の算出は行わないようにして誤検出を防止する。
本第1実施形態の空気調和機によれば、コンセントと電源プラグ間の接触不具合などにより発生する相間のサージを、空気調和機の運転中に検出し、この発生頻度値が頻度限界値を超えたと判断された場合、コンセントと電源プラグ間の接触不具合の異常を報知する空気調和機が実現される。
なお、本発明に係る空気調和機では、コンセントと電源プラグ間の接触不良に加えて電源線の半断線などによる接触不良によって放電が発生している場合にも、サージ発生を検出することで、電源線の異常を知ることができる。
なお、本第1実施形態では、空気調和機が室内機と室外機に分離された分離型の例で説明したが、一体型のものでもよい。
続いて、本発明の第2実施形態に係る空気調和機について説明する。
本第2実施形態の空気調和機は、第1実施形態と同様の構成を備え、その制御動作が異なる。
本第2実施形態において、パワーリレー34が重要な働きをするので、最初にその働きについて説明する。
本第2実施形態において、パワーリレー34が重要な働きをするので、最初にその働きについて説明する。
パワーリレー34は、配線33aの途中に設けられており、室外機40の運転が必要な条件に応じて室内制御部21によりON,OFF制御される。一般にパワーリレー34をONさせる条件は、暖房運転、冷房運転、除湿運転等の室外機40内のコンプレッサ42の運転が必要な運転モードのときである。一方、コンプレッサ42の運転が不要で、室内機20内の機器の動作だけで可能な運転モードとしては、室内空気の循環を行う送風運転、室内の空気を室外へと排気もしくは室外空気を室内に吸込む換気運転、室内の空気を浄化する空気清浄運転等がある。
なお、換気運転や空気清浄運転は、コンプレッサ42の運転が必要な冷暖房除湿の運転と組み合わせることも可能である。このような場合はコンプレッサの運転が必要な運転側が優先され、パワーリレー34は、当然室内制御部21によってONされる。
本第2実施形態においては、コンセント部分の接続不良によるサージは、消費電流が大きいときに発生することから、消費電流の大きいコンプレッサ42、室外ファン43が運転されている状態である室外機40がON(パワーリレー34ON)の場合を運転中として、所定時間内のサージ発生回数をカウントし、この値が所定値を超えた場合、コンセント部分の接続異常と判断するもの点が新たに加わる。
図3に示す動作フロー図に従って、第2実施形態の空気調和機の制御動作を説明する。この第2の実施形態では、第1の実施形態では用いられなかった発生回数積算回路30も用いる。
まず、室内制御部21はパワーリレー34がONか否かを判断する(S11)。
パワーリレー34がONの場合(S11のYes)、サージ検出回路28は相間のサージ発生を検出する(S12)。
パワーリレー34がONの場合(S11のYes)、サージ検出回路28は相間のサージ発生を検出する(S12)。
コンセント11と電源プラグ22間の接触不良による放電が発生している場合(異常状態)は、サージ吸収素子26の制限電圧を超えるサージ電圧が発生し、配線25に電流が流れ、サージ検出回路28によりサージ電流が検出される。
第1実施形態のステップ2と同様にして、発生頻度検出回路29は、所定時間当たりのサージ検出パルス数を発生頻度値Nf2として演算し、室内制御部21に送信し、メモリに発生頻度値Nf2が記憶される。
また、サージ検出回路28はサージ検出パルスを、発生回数積算回路30に供給し、発生回数積算回路30は、そのサージ検出パルス数を積算し、積算値Nt2としてメモリに記憶する。
比較手段は、発生頻度値Nf2が、予め設定されメモリに記憶された頻度限界値(閾値)Ns21以上か否かを判断する(S13)。
発生頻度値Nf2が頻度限界値Ns21以上の場合(S13のYes)、コンセント11と電源プラグ22間の接触不良による放電が発生している異常状態であり、第1実施形態のステップ14と同様にして、空気調和機を停止させ、「コンセント部分に異常(の可能性)」を表示部32に表示して使用者に知らせる(S14)。
異常発生を認識した使用者は、サービスマンを呼ぶなど必要な処置を講じる。
異常発生を認識した使用者は、サービスマンを呼ぶなど必要な処置を講じる。
ステップS13において、発生頻度値Nf2が頻度限界値Ns21以上でない場合(S13のNo)、発生回数積算回路30のメモリに記憶された積算値Nt2が、サージ検出積算限界値(閾値)Ns22以上か否かを判断する(S15)。
積算値Nt2が、積算限界値Ns22以上の場合(S15のYes)、積算値Nt2が、雷など外部要因によって生じる回数をはるかに超えて、積算限界値Ns22以上の場合は、コンセント11と電源プラグ22間の接触不良による放電が発生している異常状態である可能性が極めて高いことから、ステップS14にて、空気調和機を停止させ、「コンセント部分に異常(の可能性)」を表示部32に表示して使用者に知らせる。
ステップS15において、積算値Nt2が、積算限界値Ns22以上でない場合(S15のNo)、第1実施形態のステップS5と同様、サージ発生は雷など外部要因による一過性のものであり、コンセント11と電源プラグ22間の接触不良による放電が発生していない正常状態として、空気調和機の運転を制御し(S16)、STARTに戻り、同様の動作を繰り返す。
ステップS11において、空気調和機の運転中、室内制御部21はパワーリレー34がONでない場合(S11のNo)、室内制御部21は室内機20のみの運転か否か判断する(S17)。
室内機20のみの運転の場合(S17のYes)、室内機20のみの運転を実施(継続)する(S18)。
ステップS17において、室内機20のみの運転でない場合(S17のNo)、第1実施形態のステップS6と同様、空気調和機を停止させる(S19)。
以下、STARTに戻り、以上の制御動作を繰り返す。
本第2実施形態の空気調和機によれば、コンセント部分の接続不良によるサージ発生は消費電流が大きいときに発生することから、消費電流の大きいコンプレッサ42及び/または室外ファン43が運転されている状態である室外機40がON(パワーリレーON)の場合に、サージ発生検出に基づき、発生頻度あるいは発生回数の積算値が、閾値以上になった場合、コンセント部分の接続異常と判断することで、異常を報知する空気調和機が実現される。
最後に、本発明に係る空気調和機の第3実施形態の制御動作を図4に示す動作フロー図に従って説明する。この実施形態においては、空気調和機の消費電流をも制御することで、コンセントと空気調和機の電源プラグ間の接触不具合の検出精度を高める。
まず、空気調和機の電源プラグ22がコンセント11に差し込まれ、電源が供給される。その後、使用者の操作等により空気調和機の運転が開始される(S21)。
室内制御部21はパワーリレー34がON中(室外機40側のコンプレッサモータ42、室外ファンモータ43が運転)か否かを判断する(S22)。ここで、パワーリレー34がオフであれば(S22のNO)、その状態にあった運転処理(停止や室内機20のみの運転制御)が行われる(S40)。
運転中の場合(S22のYes)、パワーリレー34はON状態にあり、室外機40の電流検出部35は配線33aを流れる入力電流値Iinを検出する(S23)。
入力電流値Iinは、例えば通常運転の圧縮機42の運転中では7A程度であり、室外制御部41から内外通信線36を介して室内制御部21に入力される。
室内制御部21は入力電流値Iinが、下側電流閾値Isより大きいか否かを判断する(S24)。
なお、入力電流値Iinが、最大許容電流値Imax、例えば20Aを超える場合は空気調和機は異常状態であり、空気調和機は異常停止となるため、正常時の入力電流値Iinは常時20Aより小さい。
入力電流値Iinが下側電流閾値Isより大きい場合(S24のYes)、第1実施形態のステップ2と同様にして、一定時間間隔(T1)における発生頻度値Nf31が演算され、メモリに記憶される(S25)。
発生頻度値Nf31が頻度限界値Ns31より大きいか否か判断される(S26)。ここで、頻度限界値Ns31は、空気調和機に流れる電流を制限し、運転継続のために能力を制限した運転を実行するか否かを判定する閾値である。
発生頻度値Nf31が頻度限界値Ns31より大きい場合(S26のYes)、室内制御部21は室外制御部41を介して、インバータの出力周波数を低下させ、配線33aに流れる電流を下側電流閾値Is、例えば5Aより小さい電流Im1、例えば3Aに制御する(S27)。具体的にはインバータの出力周波数を低減させ、消費電流をIm1以下に制限して低能力とする能力制限運転を実行する。
コンセント部の接続異常により生じるサージは機器側の消費電流が大きいほどサージの発生頻度が高くなる。また、接続不具合による発熱は、流れる電流が大きいほど高くなる。また、接続部の不具合による劣化も、流れる電流が大きい時に進行するので、電流抑制を行なえば、運転の継続も可能となる。
そこで、発生頻度値Nf31が頻度限界値Ns31以上、例えば5回/分以上の場合は雷など一過性のサージ発生ではなく、コンセント部分の接続不具合に起因するサージ発生として扱い、この場合は抑制された電流で空気調和機を運転することで、使用者は空気調和機が突然使用できなくなる不便は回避される。すなわち、コンセント部分の接続不具合が生じていても、ここに流れる電流が小さければ、それ以上接続不具合部分が悪化することがないため、運転継続を実行することができる。
ステップS22に戻り、ここでYESの場合は、電流Im1で運転が継続される。
ステップS26において、発生頻度値Nf31が頻度限界値Ns31以上でない場合(S26のNo)、サージ発生回数がΣ(Nf31+Nf32)として積算され、積算値Nt3としてメモリに記憶される(S28)。
積算値Nt3が積算限界値(閾値)Ns32より大きいか否か判断する(S29)。
積算値Nt3が積算限界値Ns32より大きい場合(S29のYes)、コンセント11と電源プラグ22間の接触不良による放電が発生している異常状態であり、「コンセント部分に異常(の可能性)」を表示部32に表示してユーザに知らせる(S30)。
積算値Nt3が積算限界値Ns32より大きくない場合(S29のNo)、コンセント11と電源プラグ22間の接触不良による放電が発生している異常状態ではなく、ステップS22に戻り、ここでYESの場合は、同じ電流Iinで運転が継続される。
ステップS24において、入力電流値Iinが下側電流閾値Isより大きくない場合(S24のNo)、すなわちステップS27で電流制限による能力制限運転が行われた場合を含む消費電流が小さい場合であり、第1実施形態のステップ2と同様にして、ステップS25の間隔T1と異なる一定時間(T0)間隔における発生頻度値Nf32が演算され、メモリに記憶される(S31)。ここで、例えばT1>T0である。
発生頻度値Nf32が、ステップS26の頻度限界値Ns31と異なる頻度限界値Ns33より大きいか否か判断される(S32)。
発生頻度値Nf32が頻度限界値Ns33より大きい場合(S32のYes)、入力電流を小さくしたにもかかわらず、サージ発生頻度が大きく、コンセント11と電源プラグ22間の接触不良による放電が発生している異常状態であり、「コンセント部分に異常(の可能性)」を表示部32に表示してユーザに知らせる(S30)。
ステップS32において、発生頻度値Nf32が頻度限界値Ns33より大きくない場合(S32のNo)、サージ発生頻度が小さく、入力電流の減少を継続する必要がなく、電流抑制は解除される(S33)。
サージ発生回数はΣ(Nf31+Nf32)として積算され、積算値Nt3としてメモリに記憶される(S28)。
上記ステップS28と同様にステップS29に行き、積算値Nt3が積算限界値Ns32より大きい場合(S29のYes)、ステップS30が実行され、積算値Nt3が積算限界値Ns32より大きくない場合(S29のNo)、ステップS22が実行される。
本第3実施形態の空気調和機によれば、コンセント部分の接続不良によるサージ発生は消費電流が大きい場合に、より多く発生するので、消費電流が大きい場合(通常運転)と小さい運転電流の場合(低能力運転)とに分け、通常運転と低能力運転で頻度限界値を変更し、かつ低能力運転において、当該発生頻度値が頻度限界値を超えない場合には、消費電流の電流抑制を解除するようにし、発生頻度値あるいは積算値が、閾値以上になった場合、コンセント部分の接続異常と判断することで、異常判定の精度を向上させている。
さらに、コンセント部分の接続不良が生じていても、低出力運転であれば、それ以上の進行は防止できるため、低能力ではあるが、空気調和機の空調運転をできる限り継続できるようにしている。しかしながら、ステップS30において、抑制制御、すなわち低能力運転、を行うことなく、空気調和機の運転を停止させても良い。
なお、第3の実施形態においては、パワーリレー34ON中にのみサージ発生を検出してコンセント部分の接続異常を判断するようにしたが、第1の実施形態のように室外機40の停止中(パワーリレー34OFF中)であるが、室内機20は運転中である状態も含めて空気調和機の運転中とすることも可能である。この場合は、ステップS22を空気調和機運転中か否かの判断ステップに変更すればよい。そして、パワーリレー34OFF中の場合、消費電流の計測ができないため、Iinは“0”となり、ステップS31で消費電流が小さい場合と判断され、ステップS32以降の処理が実行される。
また、電気機器の運転中の例として、第1ないし第3の実施の形態においては、電気機器内のいずれかの部品が動作中の場合や空気調和機における室外機へと給電するパワーリレーがONの場合を例としてあげたが、電気機器の部品の中でも消費電流の大きな部品の動作時としても良い。例えば、空気調和機であれば、最も消費電流の大きい圧縮機の動作中を運転中と扱っても良い。
20…室内機、21…室内制御部、22…電源プラグ、23…電源線、24a、24b…配線、25…検出用配線、26…サージ吸収素子、27…カレント検出コイル、28…サージ検出回路、29…発生頻度検出回路、30…発生回数積算回路、31…室内ファンモータ、32…表示部、33a、33b…配線、34…パワーリレー、35…電流検出部、36…内外通信線、40…室外機、41…室外制御部、42…コンプレッサモータ、43…室外ファンモータ。
Claims (8)
- 商用電源と接続するコンセントを備えた電気機器において、
電源の相間のサージ発生を検出するサージ検知手段と、
このサージ検知手段の検出に基づき、電気機器の運転中のサージ発生頻度値を演算する頻度演算手段と、
この頻度演算手段により演算されたサージ発生頻度値と予め設定されたサージ発生頻度限界値とを比較する比較手段と、
この比較手段により前記サージ発生頻度値が前記サージ発生頻度限界値を超えたと判断された場合、異常を報知する報知手段と
を備えることを特徴とする電気機器。 - 前記電気機器は、商用電源と接続するコンセントを備えた室内機とこの室内機から電源が供給される室外機とからなる室内外分離型の空気調和機であって、
前記頻度演算手段は、前記室外機への通電中のサージ発生頻度値を演算することを特徴とする請求項1に記載の電気機器。 - 前記頻度演算手段で演算されたサージ発生頻度値が、前記サージ発生頻度限界値を超えたと判断された場合、電気機器の運転を停止する制御手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の電気機器。
- 前記頻度演算手段で演算されたサージ発生頻度値が、前記サージ発生頻度限界値よりも小さな値に予め設定されたサージ発生頻度限界値を超えた場合、前記制御手段により前記電気機器の消費電流を抑制した能力制限運転を行うことを特徴とする請求項3に記載の電気機器。
- 前記電気機器の消費電流を検知する電流検知手段が設けられ、前記報知手段は、前記電流検知手段が検知した消費電流が所定値以下において、前記比較手段により前記サージ発生頻度値が前記サージ発生頻度限界値を超えたと判断された場合、異常を報知することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電気機器。
- 商用電源と接続するコンセントを備えた電気機器において、
電源の相間のサージ発生を検出するサージ検知手段と、
このサージ検知手段の検出に基づき、サージ発生の回数を積算する発生回数積算手段と、
この発生回数積算手段で積算されたサージ発生回数積算値と予め設定されたサージ発生回数積算限界値とを比較する比較手段と、
この比較手段により前記サージ発生回数積算値が前記サージ発生回数積算限界値を超えたと判断された場合、異常を報知する報知手段と
を備えることを特徴とする電気機器。 - 前記電気機器は、商用電源と接続するコンセントを備えた室内機とこの室内機から電源が供給される室外機とからなる室内外分離型の空気調和機であって、
前記発生回数積算手段は、前記室外機への通電中のサージ発生の回数を積算することを特徴とする請求項6に記載の電気機器。 - 前記発生回数積算手段におけるサージ発生回数積算値が、前記サージ発生回数積算限界値を超えたと判断された場合、前記電気機器の運転を停止する制御手段を設けたことを特徴とする請求項6または7に記載の電気機器。
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