JP5406627B2 - 空気電池 - Google Patents

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Description

本発明は空気電池に関する。
空気電池は、酸素を活物質とする電池である。空気電池は、空気を取り入れるための空気孔、及び、取り入れた空気中の酸素を反応させる電極(空気極)を備え、空気中の酸素を活物質として発電する。
空気孔から取り入れた空気から酸素を選択的に取り出すために、特許文献1では、ポリシロキサンの薄膜を、空気孔と空気極との間に設けることが提案されており、また、特許文献2には、ポリイミドの薄膜を設けることが提案されている。
特開平01−267974号公報 特開平03−108256号公報
しかしながら、上記の薄膜は、酸素透過係数の点で十分なものではないことから、十分な酸素供給が難しく、このような膜を用いた空気電池においては、十分な放電性能を得難い、という問題があった。
そこで本発明は、十分な放電性能を有する空気電池を提供することを目的とする。
本発明の空気電池は、電極の空気取り入れ側に、下記式(1)で表される繰り返し単位を含有する重合体膜を介在させてなる。すなわち、本発明の空気電池は、大気中の気体が、該重合体膜を透過して、電極に達するように構成された空気電池である。
Figure 0005406627
式(1)中、Rは、水素原子、ハロゲノ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、置換されていてもよい芳香族ヘテロ環基、トリアルキルシリル基又はトリアルキルゲルミル基を表し、Rは、下記式(2)で表され、mは1以上5以下の整数であり、Rが複数ある場合、Rは互いに同じでも異なっていてもよい。
Figure 0005406627
式(2)中、Xは互いに同一でも異なってもよい一価の基であり、少なくとも一つのXはハロゲン原子を含む一価の基であり、pは0以上10以下の整数である。
本発明によれば、上述の重合体膜は、酸素透過能力と、窒素の透過に対する酸素の透過選択性(以下、「酸素/窒素選択透過性」ということがある。)と、の両方に優れる。そして、空気電池における電極の空気取り入れ側に、上記重合体膜を介在させることにより、空気電池内に、窒素の透過を抑制しつつ酸素ガスを効率よく取り込むことができることから、十分な放電性能を有する空気電池、特に高出力の空気電池を得ることができる。
本発明において、少なくとも一つのXはハロゲノ基であることが好ましく、少なくとも一つのXはフルオロ基であることがより好ましい。また、全てのXがハロゲノ基であることが好ましく、全てのXがフルオロ基であることがより好ましい。これらにより、重合体と酸素の親和性が高まり、酸素/窒素選択透過性が向上すると言う効果があり、また重合体の耐熱性も向上する。
また、上記Rは、無置換フェニル基、又は、下記式(3)で表される置換フェニル基であることが好ましい。
Figure 0005406627
式(3)中、Rは、任意の一価の基を表し、nは1以上5以下の整数であり、Rが複数ある場合、Rは互いに同じでも異なっていてもよい。
上記Rがこのような構造であると、酸素透過能力、及び、重合体の酸素/窒素選択透過性が一層向上し、また、重合体の経時変化を抑えることもできる。
上記Rは、ハロゲノ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、置換されていてもよい芳香族ヘテロ環基、トリアルキルシリル基、又はトリアルキルゲルミル基であることが好ましい。
上記Rがこのような構造であると、酸素透過能力、及び、重合体の酸素/窒素選択透過性がより一層向上し、また、重合体の経時変化を抑えることもできる。
上記Rは、ハロゲノ基、置換されていてもよいアルキル基、又はトリアルキルシリル基であることがより好ましく、フルオロ基又はトリメチルシリル基であることが更に好ましく、トリメチルシリル基であることが特に好ましい。Rをこのようにすることで、重合体の酸素透過能力、及び、酸素/窒素選択透過性がより一層向上し、また、重合体の経時変化を抑えることもでき、さらには、種々の有機溶媒に溶解し易いことから、製膜性にも優れる。
また、Rが無置換フェニル基であることも好ましく、この場合、重合体が溶媒に溶け難いことから、溶媒に対する耐性の高い重合体膜を実現しやすい。
本発明によれば、空気電池内に、窒素の透過を抑制しつつ酸素を効率よく取り込むことができることから、十分な放電性能を有する空気電池、特に高出力の空気電池を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る空気電池の模式断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[重合体]
本実施形態における重合体膜を構成する重合体は、下記式(1)で表される繰り返し単位を含有する。
Figure 0005406627

重合体において複数含まれる式(1)で表される繰り返し単位は、互いにRとフェニル基との位置が左右反転していてもよい。また、重合体において複数含まれる式(1)で表される繰り返し単位は、それぞれ独立にシス型であってもトランス型であってもよい。シス型、トランス型については、重合体膜のラマン分光測定などにより、同定することができる。
(官能基R
式(1)中、Rは、水素原子、ハロゲノ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、置換されていてもよい芳香族ヘテロ環基、トリアルキルシリル基又はトリアルキルゲルミル基を表す。
なお、本明細書において、芳香族炭化水素基とは、芳香族炭化水素の芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子1個を除いた残りの原子団を意味し、芳香族ヘテロ環基とは、芳香族へテロ環式化合物の芳香族ヘテロ環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に結合した水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。なお、芳香族へテロ環式化合物とは、芳香族環式構造を持つ有機化合物のうち、環を構成する元素として、炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子、ヒ素原子などのヘテロ原子を含むものをいう。
式(1)のRのハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられる。中でも、フルオロ基、クロロ基が好ましい。
式(1)のRの置換されていてもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、1−メチルプロピル基、イソペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルペンチル基、2−メチルペンチル基、又はそれらの水素の一部並びに全部がハロゲノ基で置換されたものが挙げられる。置換されたアルキル基としては、クロロメチル基、クロロエチル基、クロロプロピル基、ジクロロメチル基、ジクロロエチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、ブロモプロピル基、ジブロモメチル基、ジブロモエチル基、モノフルオロメチル基、モノフルオロエチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロイソブチル基、パーフルオロ−1−メチルプロピル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノナニル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロウンデシル基、パーフルオロドデシル基などがその具体例として示される。中でも、パーフルオロ置換体が好ましい。
式(1)のRの置換されていてもよい芳香族炭化水素基としては、非置換の芳香族炭化水素基及びハロゲノ基、アルコキシ基、アルキル基、トリアルキルシリル基、トリアルキルゲルミル基で置換された芳香族炭化水素基が挙げられる。
芳香族炭化水素基には、縮合環を持つもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が単結合又は2価の有機基で結合したものも含まれる。芳香族炭化水素基の炭素原子数は、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜20である。芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、C〜C12のアルコキシフェニル基、C〜C12のアルキルフェニル基、トリアルキルシリルフェニル基、トリアルキルゲルミルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ピレニル基、ペリレニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられ、中でもフェニル基、C〜C12のアルキルフェニル基、トリアルキ
ルシリルフェニル基が好ましい。
式(1)のRの置換されていてもよい芳香族ヘテロ環基としては、非置換の1価の芳香族へテロ環基及びアルキル基などの置換基で置換された1価の芳香族へテロ環基が挙げられる。
1価の芳香族へテロ環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常4〜60であり、好ましくは4〜30であり、より好ましくは4〜20程度である。1価の芳香族へテロ環基としては、チオフェンイル基、C〜C12のアルキルチオフェンイル基、ピロイル基、フリル基、ピリジル基、C〜C12のアルキルピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジニル基などが挙げられる。
式(1)のRのトリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−イソプロピルシリル基、ジメチル−イソプロピルシリル基、ジエチル−イソプロピルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、オクチルジエチルシリル基、2−エチルヘキシルジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ドデシルジメチルシリル基などが挙げられる。
式(1)のRのトリアルキルゲルミル基としては、トリメチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、トリ−イソプロピルゲルミル基、ジメチル−イソプロピルゲルミル基、ジエチル−イソプロピルゲルミル基、ペンチルジメチルゲルミル基、ヘキシルジメチルゲルミル基、ヘプチルジメチルゲルミル基、オクチルジメチルゲルミル基、オクチルジエチルゲルミル基、2−エチルヘキシルジメチルゲルミル基、ノニルジメチルゲルミル基、デシルジメチルゲルミル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルゲルミル基、ドデシルジメチルゲルミル基などが挙げられる。
上記Rは、無置換フェニル基、又は、下記式(3)で表される置換フェニル基であることが好ましい。
Figure 0005406627
式(3)中、Rは、任意の一価の基を表し、nは1以上5以下の整数であり、Rが複数ある場合、Rは互いに同じでも異なっていてもよい。
上記Rがこのような構造であると、酸素/窒素選択透過性が一層向上し、また、重合体の経時変化を抑えることもできる。
また、Rは、(3)式のベンゼン環を構成する炭素原子の内の重合体の主鎖に結合する炭素原子に対してパラ位、メタ位、オルト位のいずれに結合していてもよく、適宜選択可能である。
式(3)のRの任意の1価の基としては、ハロゲノ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、置換されていてもよい芳香族ヘテロ環基、トリアルキルシリル基、又はトリアルキルゲルミル基が好ましい。
上記Rがこのような構造であると、酸素/窒素選択透過性がより一層向上し、また、重合体の経時変化を抑えることもできる。
式(3)のRのハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられ、好ましくは、フルオロ基、クロロ基が挙げられる。
式(3)のRの置換されていてもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、1−メチルプロピル基、イソペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルペンチル基、2−メチルペンチル基、又はそれらの水素の一部又は全部がハロゲノ基で置換されたものが挙げられる。置換されたアルキル基としては、クロロメチル基、クロロエチル基、クロロプロピル基、ジクロロメチル基、ジクロロエチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、ブロモプロピル基、ジブロモメチル基、ジブロモエチル基、モノフルオロメチル基、モノフルオロエチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロイソブチル基、パーフルオロ−1−メチルプロピル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノナニル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロウンデシル基、パーフルオロドデシル基などがその具体例として示される。中でも、パーフルオロ置換体が好ましい。
式(3)のRの置換されていてもよい芳香族炭化水素基としては、非置換の芳香族炭化水素基及びハロゲノ基、アルコキシ基、アルキル基、トリアルキルシリル基、トリアルキルゲルミル基で置換された芳香族炭化水素基が挙げられる。芳香族炭化水素基には、縮合環を持つもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が単結合又は2価の有機基で結合したものも含まれる。芳香族炭化水素基の炭素原子数は、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜20である。芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、C〜C12のアルコキシフェニル基、C〜C12のアルキルフェニル基、トリアルキルシリルフェニル基、トリアルキルゲルミルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ピレニル基、ペリレニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられ、中でもフェニル基、C〜C12のアルキルフェニル基、トリアルキルシリルフェニル基が好ましい。
式(3)のRの置換されていてもよい芳香族ヘテロ環基としては、非置換の1価の芳香族へテロ環基及びアルキル基などの置換基で置換された1価の芳香族へテロ環基が挙げられる。1価の芳香族へテロ環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常4〜60であり、好ましくは4〜30であり、より好ましくは4〜20程度である。1価の芳香族へテロ環基としては、チオフェンイル基、C〜C12のアルキルチオフェンイル基、ピロイル基、フリル基、ピリジル基、C〜C12のアルキルピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジニル基などが挙げられる。
式(3)のRのトリアルキルシリル基としては、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−イソプロピルシリル基、ジメチル−イソプロピルシリル基、ジエチル−イソプロピルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、オクチルジエチルシリル基、2−エチルヘキシルジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ドデシルジメチルシリル基などが挙げられ、好ましくは、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−イソプロピルシリル基、ジメチル−イソプロピルシリル基、ジエチル−イソプロピルシリル基が挙げられ、より好ましくはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基が挙げられる。
式(3)のRのトリアルキルゲルミル基としては、具体的にはトリメチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、トリ−イソプロピルゲルミル基、ジメチル−イソプロピルゲルミル基、ジエチル−イソプロピルゲルミル基、ペンチルジメチルゲルミル基、ヘキシルジメチルゲルミル基、ヘプチルジメチルゲルミル基、オクチルジメチルゲルミル基、オクチルジエチルゲルミル基、2−エチルヘキシルジメチルゲルミル基、ノニルジメチルゲルミル基、デシルジメチルゲルミル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルゲルミル基、ドデシルジメチルゲルミル基などが挙げられ、好ましくは、トリメチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、トリ−イソプロピルゲルミル基、ジメチル−イソプロピルゲルミル基、ジエチル−イソプロピルゲルミル基が挙げられ、より好ましくはトリメチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基が挙げられる。
酸素/窒素選択透過性、重合体の経時変化抑制効果、重合体の製膜性の観点からは、Rは、ハロゲノ基、置換されていてもよいアルキル基、又はトリアルキルシリル基であることが好ましく、フルオロ基又はトリメチルシリル基であることがより好ましく、トリメチルシリル基であることが更に好ましい。特に、トリアルキルシリル基、なかでも、トリメチルシリル基を有すると、重合体が溶媒に溶けやすくなり、フィルムの製膜性に極めて優れる。
また、Rが、無置換フェニル基であることも好ましい。この場合、重合体が溶媒に溶け難いことから、溶媒に対する耐性の高い重合体膜を実現しやすいと言う効果がある。
(官能基R
は、下記式(2)で表される。また、式(1)中のmは1以上5以下の整数であり、Rが複数ある場合、Rは互いに同じでも異なっていてもよい。
Figure 0005406627
式(2)中、Xは互いに同一でも異なってもよい一価の基であり、少なくとも一つのXはハロゲン原子を含む一価の基であり、pは0以上10以下の整数である。
ハロゲン原子を含む一価の基としては、例えば、ハロゲノ基、ハロゲノアルキル基、ハロゲノ芳香族環、ハロゲノ芳香族へテロ環等が挙げられる。
ハロゲノ基としては、フルオロ基(−F)、クロロ基(−Cl)、ブロモ基(−Br)、ヨード基(−I)等が挙げられる。
ハロゲノアルキル基としては、フルオロアルキル基、クロロアルキル基等が挙げられる。フルオロアルキル基としては、炭素数1〜15のパーフルオロアルキル基、モノフルオロメチル基、モノフルオロエチル基、トリフルオロエチル基等が挙げられる。また、クロロアルキル基としては、クロロメチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、クロルプロピル基、トリクロロメチル基等が挙げられる。
また、Xであって、かつ、ハロゲン原子を含まない一価の基であるものとしては、特に限定されず、例えば、水素原子、アルキル基、分岐アルキル基、芳香族炭化水素基、芳香族ヘテロ環基等が挙げられる。
ここで、少なくとも一つのXはハロゲノ基であることが好ましい。特に、少なくとも一つのXはフルオロ基であることが好ましい。これにより、重合体と酸素の親和性が高まり、酸素/窒素選択透過性が向上すると言う効果があり、また重合体の耐熱性も向上する。
さらに、式(2)中、全てのXがハロゲノ基であることが好ましく、特に、全てのXがフルオロ基であることが好ましい。これにより、重合体と酸素の親和性がより高まり、酸素/窒素選択透過性がより向上すると言う効果があり、また重合体の耐熱性もより向上する。
式(2)におけるpは、0以上10以下であり、酸素透過係数及び酸素/窒素選択透過性を向上させる観点及び水分の透過を抑制する観点から、2以上5以下であることがより好ましく、より好ましくは、3である。
本実施形態の重合体は、上述の繰り返し単位を含有することにより、酸素透過能力と、酸素/窒素選択透過性と、の両方に優れる。本発明の重合体がこのような特性を示す理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは、ハロゲン原子を少なくとも1つ含む(2)式のシクロアルキル基の存在によりファンデアワールス力が低下し、自由体積が大きくなることがその一因であると考えている。
本実施形態の重合体は、式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含有することもできるが、酸素透過能力と、酸素/窒素選択透過性と、をより高度に両立させる観点からは、式(1)で表される繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位に対して、1重量%以上であることが好ましく、10重量%以上100重量%以下であることがより好ましく、50重量%以上100重量%以下であることが更に好ましい。
また、製膜性の観点から、上記重合体の重量平均分子量(M)は、1×10以上5×10以下であることが好ましく、1×10以上2×10以下であることがより好ましく、1×10以上1×10以下であることが更に好ましい。また、同様の観点から、上記重合体の数平均分子量(M)は、1×10以上2×10以下であることが好ましく、1×10以上1×10以下であることがより好ましく、1×10以上5×10以下であることが更に好ましい。また、上記重合体の分子量分布の程度を表す分散比(M/M)は、1.0以上10.0以下であることが好ましく、1.1以上8.0以下であることがより好ましく、1.1以上5.0以下であることが更に好ましい。本発明において、重合体の重量平均分子量(M)、数平均分子量(M)及び分散比(M/M)は、溶媒としてテトラヒドロフランを用いたクロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算で求める。カラムとしては、Shodex製KF−800シリーズの「GPC KF−807L」を用いればよい。
さらに、熱安定性の観点から、上記重合体の5%重量減少温度(Td5)は、380℃以上550℃以下であることが好ましく、390℃以上500℃以下であることがより好ましく、400℃以上490℃以下であることが更に好ましい。ここで、重合体の5%重量減少温度は、熱重量測定(装置としては、示差熱・熱重量測定装置、島津製作所製、型式:DTG−60/60H)によって測定された値をいう。測定時の昇温速度は10℃/分とし、窒素雰囲気下で昇温する。
[重合体の製造方法]
上述の重合体は、例えば、下記式(A)で表されるモノマーを重合する方法や、下記式(B)で表されるモノマーを重合して得た重合体に対して、必要に応じRを付加する方法などによって製造することができる。
Figure 0005406627
式(A)及び(B)で表されるモノマーの重合は、例えば、遷移金属触媒の存在下において、40〜100℃で、2〜24時間反応させる方法により行われる。
また、式(B)で表されるモノマーを重合して得た、式(C)で表される重合体に対するRの付加は、例えば、当該重合体をジ(パーフルオロシクロアルキルカルボキシ)パーオキサイド等の、下式(D)に示す、ジ(ハロゲノシクロアルキルカルボキシ)パーオキサイドと接触させる方法により行える。具体的には、ジ(ハロゲノシクロアルキルカルボキシ)パーオキサイドを含む溶液に式(C)で表される重合体を浸漬する方法が好ましい。
Figure 0005406627

Figure 0005406627

ここで、式(D)において、Xは互いに同一でも異なってもよい一価の基であり、少なくとも1つのシクロアルキル基において少なくとも一つのXはハロゲン原子を含み、pは0以上10以下の整数であり、2つのシクロアルキル基においてpは互いに同一でも異なってもよい。Xの例示は上述と同様である。両方のシクロアルカン基において、Xのうちの少なくとも一つはハロゲン原子を含む一価の基であることが好ましい。
また、式(C)で表される重合体に対するRの付加は、(パーフルオロシクロアルキル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート等の、下式(E)に示す(ハロゲノシクロアルキル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナートと接触させる方法によっても行える。具体的には、(ハロゲノシクロアルキル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナートのクロロホルム及びアセトニトリル混合溶媒等に浸漬する方法が好ましい。
Figure 0005406627

ここで、式(E)において、X、pは、(2)式と同じである。また、TfOは、トリフルオロメタンスルホン酸イオンを示す。
[重合体膜の製造方法]
上述の重合体膜は、例えば、上記式(1)で表される繰り返し単位を含有する重合体を溶媒に混合し、膜形成用塗布液を調製した後、当該塗布液を基板上に塗布し溶媒を蒸発させる方法などにより形成できる。
ここで、膜形成用塗布液の調製に用いる溶媒としては、上記重合体の溶解能を有するものが好ましい。このような溶媒としては、例えば、トルエン、アニソール、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム、テトラヒドロフランなどの有機溶媒等が挙げられる。
また、上記の膜形成方法のほかに、重合体を溶融して製膜する方法を選択することも可能である。
また、上述の式(D)、式(E)を用いて(1)式の重合体を得る場合には、式(C)の重合体を製膜してから、膜状の重合体(C)に対して式(D),式(E)を接触させることも好適である。
続いて、本実施形態に係る空気電池について説明する。
[空気電池]
図1は、上述の重合体膜を酸素透過膜として用いたコイン型空気電池1の模式断面図である。この空気電池は、負極ケース11、負極12、絶縁ガスケット13、セパレータ14、空気極(正極)15、集電体20、電解液19、撥水膜16、酸素透過膜17、及び正極ケース18を備える。なお、正極ケース18は、空気透過部18aと、酸素透過膜17及び撥水膜16と負極ケース11、負極12、セパレータ14、空気極(正極)15、集電体20、及び電解液19から構成される発電部と、を一体化させる固定部18bとを有する。
負極12は、負極ケース11の内部に充填されており、リング状の絶縁ガスケット13は、負極ケースの開口部の周縁に係合されている。
セパレータ14は、正極−負極間に介在され、空気極(正極)15は、一方の面がセパレータ14と対向するように配置され、他方の面が集電体20に対向するように配置される。このように配置された負極12/セパレータ14/空気極(正極)15の積層体は、電解液19に浸漬される。
集電体20は、空気極(正極)15と接触して配置され、撥水膜16は、一方の面が集電体20に対向するように配置され、他方の面が酸素透過膜17と対向するように配置される。
酸素透過膜17は、一方の面が撥水膜16に対向するように配置され、他方の面が正極ケース18の空気透過部18aと対向するように配置される。正極ケースの空気透過部18aは、一方の面に酸素透過膜17が固定されるように配置され、他方の面が電池外部の空気と接触可能となるようにすればよい。空気透過部18aは、正極ケース18のうち、酸素透過方向に垂直な部分であり、空気取り入れ孔110が設けられている。空気透過部18aは、酸素透過膜17とは反対側の面が空気と接触可能な状態となっているため、空気取り入れ孔110より、空気極(正極)15の活物質である酸素を含む空気を取り込むことができる。
空気電池1の形状は、特に限定されないが、上述したコイン型以外にも、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。負極ケース11は、上述したような所望の電池の形状に合わせて成型すればよい。例えば、図1に示すようなコイン型セルの場合、ニッケル、ステンレス鋼及び銅からなる三層クラッド材を用い、電解液と接触する面が銅となるよう、プレス加工された金属板を、円筒形状に打ち抜くことにより、負極ケースを成型することができる。
負極12としては、亜鉛、アルミニウム、鉄等の一般の空気電池に用いられるバルク状の金属を用いることができる。例えば、電解液19として、アルカリ性水溶液を用いる際には、放電時に、上記負極を構成する金属と、電解液中のOHとが反応し、金属酸化物と水とを生じ、電子を放出する。
セパレータ14としては、親水処理を施したポリオレフィン系不織布やフッ素樹脂を用いることができる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。セパレータ14は、負極12と、後述する空気極(正極)15との間に介在するよう配置される。
空気極(正極)15としては、活性炭、マンガン酸化物、及び導電性カーボンなどをPTFEで結着させた混合物などが挙げられるが、これに限定されず触媒が酸素の酸化還元能を有し充放電可能であるものでもよい、例えば、イリジウム、イリジウム酸化物、並びにチタン、タンタル、ニオブ、タングステンおよびジルコニウムから選ばれた金属を含むイリジウム酸化物などが挙げられる。正極15のセパレータ14の反対側には、下記に詳述する集電体20が接触して配置される。空気極(正極)15の集電体20と接触される面は、酸素濃度の高いガスが供給される面15Sであり、例えば、電解液19として、アルカリ性水溶液を用いる際には、放電時に、面15Sに供給される酸素と、電解液19に含まれる水と、外部から集電体20を伝導して供給される電子とが反応し、上述した負極12における反応に供されるOHを生成することとなる。このような反応が起こり易いようにする観点から、正極15の形状は、多孔質状、メッシュ状であることが好ましい。
電解液19は、空気電池の出力密度を向上させる観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性水溶液を用いることが好ましい。空気極15に取り込まれる空気には、微量の二酸化炭素が含まれており、電解液19中のOHは、この二酸化炭素と反応し、電解液19中のOH含有量は減少する恐れがある。しかし、本実施形態に係る重合体膜を、後述する酸素透過膜17として用いた空気電池1は、二酸化炭素の透過を抑制する点にも優れているため、アルカリ性水溶液を用いた場合に、特にその性能が発揮される。なお、電解液19には、例えば、上記アルカリ性水溶液が20モル%以上含まれていてもよい。アルカリ性水溶液の濃度が上記の値より低いと、酸素透過膜17を透過した二酸化炭素により、OHが消費され、電解液19中に充分な量のOHが含有されなくなり、好ましくない。
集電体20としては、ステンレス、ニッケル、鉄、銅が挙げられる。上述したように、酸素濃度の高いガスは、集電体20を通過して空気極(正極)15の反応面15Sに供給されるため、集電体20は、メッシュ又は多孔体であることが好ましい。
集電体20の空気極(正極)15とは反対側に配置される撥水膜16は、電解液の電池外部への漏液を防止するとともに、空気極(正極)15へ供給される空気から水蒸気を遮断する役割も担っている。撥水膜20としては、多孔質のポリオレフィンやフッ素樹脂の膜が挙げられる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)らが挙げられる。
酸素透過膜17は、撥水膜16の集電体20とは反対側に配置されている。酸素透過膜17には、上述した本実施形態に係る重合体膜を用いる。後述する正極ケースの酸素透過部18aに形成された空気孔110から通過した空気は、この酸素透過膜17により、酸素を選択的に透過させることができる。これにより、空気極15の反応面15Sには、酸素濃度の高いガスが供給されることになる。また、二酸化炭素が電池内へ侵入して、生成した炭酸塩が酸素の放電反応を阻害し、放電性能等の電池性能を低下させることを防ぐことも可能となる。
正極ケース18の材料としては、成型性の観点から、例えば、ステンレスもしくは鉄にニッケルメッキを施したもの等が好ましい。なお、空気透過部18aに形成される空気孔110は、その数に特に制限はなく、通常の空気電池において形成される程度であればよい。具体的には、例えば、空気透過部18a、1cm当たり、2〜8個程度形成されていればよい。
固定部18bは、かしめ機等により、かしめる等することにより、集電体20の表面端縁部及び側面、並びに絶縁ガスケット13の側面のうち集電体20近傍部と密着され、空気電池1全体を密閉して一体化させることができる。
本実施形態に係る空気電池によれば、大気中の酸素を選択的に電池内に取り入れることにより、十分な放電性能を有する空気電池、特に高出力の空気電池を提供することができる。また、本発明の空気電池は、上記したような一次電池として使用することができるし、二次電池としても使用可能である。
また、本実施形態に係る空気電池は、補聴機、モバイル機器、モバイル用パソコン、自動車、据え置き用電源等に用いることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
窒素雰囲気下、五塩化タンタル(143mg,0.399mmol)のトルエン(17.1mL)溶液に、テトラ−n−ブチルスズ(215μL,6.55×10−2mmol)を加え、80℃で10分間攪拌した。別途用意した4−トリメチルシリルジフェニルアセチレン(1.07g,4.27mmol)のトルエン溶液(4.27mL)を上述のトルエン溶液に添加し、80℃で3時間攪拌し、生成物Aを得た。さらに、クロロホルム(400mL)を加え、生成物Aを溶解し、アセトン/クロロホルム混合液(アセトン:クロロホルム=1:5(体積比))2400mLに、上記生成物Aの溶解したクロロホルム溶液を加えることにより、目的とする重合体を沈殿させた。ろ過により沈殿物を回収し、一晩減圧乾燥を行い、赤褐色重合体を収率67.8%(0.725g)で得た。得られた
重合体は、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(以下、「THF」ということがある。)などの一般的な有機溶媒に可溶であった。
得られた重合体のH NMRスペクトルは非常にブロードなピークを示した。また、13C NMRを観測することは困難であった。IRスペクトルは以下に示すとおりである。:IR(Film) ν=3053(νC−H)cm−1,3016〜2897(νPh−H)cm−1,1596(νC=C)cm−1,1492〜1387(νPh C=C)cm−1,1247(δSiC−H)cm−1,1117(νSi−CH3)cm−1,854(1,4−Ph)cm−1,834(νSi−CH3)cm−1,689(νSi−Ph)cm−1,552(νPh C−H)cm−1
また、得られた重合体のM、M、M/M、及び、5%重量減少温度(Td5)はそれぞれ、M:11.3×10,M:5.89×10,M/M:1.92,Td5:399℃であった。
得られた重合体についてトルエン溶液を調製し(1.0wt%)、ガラスシャーレにキャストし室温でゆっくりと溶媒を蒸発させた。溶媒を蒸発させ乾燥した後、膜をはがし、自立した重合体膜を得た。また、マイクロメータにより求めたこの重合体膜の厚みは69μmであった。重合工程での主な反応式を以下に示す。
Figure 0005406627
続いて、得られた重合体膜(29.0mg)を、窒素雰囲気下、ジ(パーフルオロシクロヘキシルカルボキシ)パーオキサイド(3.77g,5.80mmol)のパーフルオロ(1,3−ジメチルシクロヘキサン)2mLに、室温で5分間浸漬させた。膜を上記溶液から取り出し、さらにメタノールに1時間浸漬後、室温で乾燥し、実施例1の重合体膜1を得た。浸漬工程での主な反応式を以下に示す。
Figure 0005406627
マイクロメータにより求めたこの膜の厚みは87μmであった。IRスペクトルは以下に示すとおりである。:IR(KBr) ν=3057(νC−H)cm−1,3016(νPh−H)cm−1,2955(νC−H)cm−1, 1248(δSiC−H)cm−1,1203(νC−F)cm−1,1117(νSi−CH3)cm−1,855(νSi−CH3)cm−1
得られた重合体膜1は、IRスペクトルからCF結合由来のピークが1200cm−1に確認された。
[空気電池性能評価(加速放電試験)]
図1に示すように、重合体膜1を酸素透過膜17として組み込んだ電池を、10%CO−90%Oのテドラーバック中に置き、充放電試験機(東洋システム社製、型式:TYS−30TU00)にセットし、0.2mAでCC(コンスタントカレント:定電流)放電を行い、終止電圧0.1Vでカットオフして、放電試験を行ったところ、放電電流を大きくすることができ、その結果、高出力の空気電池を得ることができた。
[比較例1]
厚み50μmのポリジメチルシロキサン膜を準備した。
[比較例2]
厚み12.5μmの四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体膜を準備した。
[比較例3]
45μmのポリイミド膜を準備した。
[重合体膜の評価(気体透過試験)]
実施例1における重合体膜1及び比較例1,2,3の重合体膜を、気体透過率測定装置(GTRテック社製、GTR−30X)を用いて、23℃、湿度60%における酸素及び窒素の気体透過係数(PO2,PN2、単位:cm(STP)・cm/cm・sec・cmHg)を測定した。また、測定したPO2,PN2より、酸素/窒素選択透過性を示すαO2/N2=PO2/PN2)を算出した。実施例1における重合体膜1及び比較例1,2,3の膜の評価結果を表1に示す。
Figure 0005406627
以上の結果から、実施例1における重合体膜1は、比較例1、2、3の重合体膜と比較して、高い酸素透過係数、及び、高い酸素/窒素選択透過性を両立できることがわかる。このことから、重合体膜1を酸素透過膜17として用いた空気電池は、放電電流を大きくして高出力の空気電池とすることができ、一方で、比較例1、2、3の重合体膜を酸素透過膜として用いた空気電池は、十分に放電できず、高出力の空気電池とすることができないことがわかる。
したがって、本発明の空気電池によれば、大気中の酸素を選択的に電池内に取り入れることにより、十分な放電性能を有する空気電池を提供することができる。
1…空気電池、11…負極ケース、12…負極、13…絶縁ガスケット、14…セパレータ、15…正極(空気極)、16…撥水膜、17…酸素透過膜、18a,18b…正極ケース、19…電解液、20…集電体、110…空気取り入れ孔

Claims (1)

  1. 電極の空気取り入れ側に、下記式(1)で表される繰り返し単位を含有する重合体膜を介在させてなる空気電池。
    Figure 0005406627
    [式(1)中、Rは、下記式(3)で表される置換フェニル基を表し、Rは、下記式(2)で表され、mは1以上5以下の整数であり、Rが複数ある場合、Rは互いに同じでも異なっていてもよい。]
    Figure 0005406627
    [式(3)中、Rは、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−イソプロピルシリル基、ジメチル−イソプロピルシリル基、及び、ジエチル−イソプロピルシリル基からなる群から選択されるいずれかであり、nは1以上5以下の整数であり、Rが複数ある場合、Rは互いに同じでも異なっていてもよい。]
    Figure 0005406627
    [式(2)中、Xはすべてフルオロ基であり、pは0以上以下の整数である。]
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