JP5406447B2 - リチウムイオン二次電池用負極活物質シートの製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極活物質シートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極として使用可能な負極活物質シートに関する。
近年、環境影響への配慮から、風力発電や潮流発電、太陽光発電のような自然力を利用した発電方式への関心が高まっている。このような自然力を利用した発電方式は、発電量が一定しない。例えば、風力発電では電力消費量が少ない夜間に発電量が大きくなる傾向があり、太陽光発電では夜間には全く発電されない。
このため、自然力を利用した発電方式の活用には、電力消費の少ない時間帯に発電した電気を蓄電し、電力消費の大きい時間帯に蓄電した電気エネルギーを放出する技術が不可欠である。リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高く高容量であるので、自然力を利用した発電方式の上記欠点を補うための蓄電池として最適である。
このようなリチウムイオン二次電池には、炭素負極が用いられており、炭素負極は、活物質である炭素質粒子と、結着剤と、溶剤と、を混合してスラリーとなし、銅箔に塗布し、乾燥、プレスする方法により製造されているが、近年、銅価格が高騰し負極製造コストが上昇している。このため、銅箔を用いない炭素負極が望まれている。また、大規模蓄電には大量のリチウムイオン二次電池が必要であるため、大規模蓄電向きの安価なリチウムイオン二次電池に対する要望が高まっている。
銅箔を用いない負極に関する技術としては、下記特許文献1がある。
特開2000-173618号公報
特許文献1は、膨張黒鉛シートを負極に用いる技術である。しかし、膨張黒鉛シートの価格が高いため、電池の低コスト化を図れないという問題がある。
本発明は、上記に鑑みなされたものであって、高性能な炭素負極を低コストで提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、次のように構成されている。
炭素材料粉末と、有機結着剤と、を含む負極合剤を加圧し、負極前駆体を作製する負極前駆体作製工程と、前記負極前駆体を不活性ガス雰囲気で600〜2000℃で焼成する焼成工程と、を備え、前記有機結着剤が、熱硬化性樹脂であり、前記負極前駆体作製工程は、前記負極合剤を前記熱硬化性樹脂の硬化温度以上に加熱しつつ加圧する工程であるリチウムイオン二次電池用負極の製造方法。
この構成によると、負極前駆体作製工程により炭素材料粉末と、有機結着剤とが強固に結合された負極前駆体が得られる。この後、不活性ガス雰囲気で焼成することにより、有機結着剤が炭素化するとともに、炭素以外の副成分が蒸散除去される。この蒸散除去により、負極に電解液の浸透性の高い気孔が形成される。 よって、円滑に電気化学的反応が進行する高性能なリチウムイオン二次電池用負極活物質シートを得ることができる。また、炭素化収率及び結着力の観点から、有機結着剤として熱硬化性樹脂を用いる。熱硬化性樹脂を用いる場合には、炭素材料粉末を結着させるために、負極前駆体作製工程において、負極合剤を熱硬化性樹脂の硬化温度以上に加熱しつつ加圧する必要がある。
上記構成において、前記負極合剤は、さらに有機気孔形成剤を含む構成とすることができる。
有機気孔形成剤を加えると、不活性ガス雰囲気での焼成により、有機気孔形成剤が炭素化するとともに、炭素以外の副成分が蒸散除去され、負極に電解液の浸透性の高い気孔が効率よく形成される。
ここで、有機結着剤とは、結着作用を有する有機物全てを意味する。有機気孔形成剤とは、焼成により除去される炭素以外の成分を含む有機化合物を意味し、有機気孔形成剤は、結着性を有するものでもよく、結着性を有しないものでもよい。したがって、炭素以外の成分を含む有機結着剤は有機気孔形成剤ともなり得、結着性を有する有機気孔形成剤は有機結着剤ともなり得る。
負極活物質シートの導電性をさらに高めるためには、負極合剤に繊維状炭素質物を含ませることが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂・エポキシ樹脂が好適である。
上記構成において、前記負極合剤全質量に占める前記有機結着剤の質量割合が、5〜50質量%である構成とすることができる。
負極合剤全質量に占める有機結着剤の質量割合が低すぎると、電解液の浸透性の高い気孔を十分に形成できないおそれがある。他方、質量割合が高すぎると、放電容量の低下を招くおそれがある。よって、上記範囲内に規制することが好ましい。
ここで、前記有機気孔形成剤としては、セルロース類、木綿、絹、レーヨン、植物繊維、木粉、砂糖、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライドよりからなる群より選択された1以上の物質が好適である。
上記構成において、前記負極合剤全質量に占める前記有機気孔形成剤の質量割合が、1〜20質量%である構成とすることができる。
負極合剤全質量に占める有機気孔形成剤の質量割合が低すぎると、十分な量の気孔が形成できないおそれがある。他方、質量割合が高すぎると、放電容量の低下を招くおそれがある。よって、上記範囲内に規制することが好ましい。
上記製造方法により得られるリチウムイオン二次電池用負極活物質シートは、次のように構成されていることが好ましい。
リチウムイオンを吸蔵脱離する炭素質粒子と、前記炭素質粒子を結着する焼成炭素化物質と、を有するリチウムイオン二次電池用負極活物質シート。
この構成では、負極活物質が炭素質粒子と焼成炭素化物とから構成され、シート状であるため、銅などの集電体を用いなくともよい。よって、コストの低減を図れる。
また、焼成炭素化物質は、従来の樹脂製結着剤よりも導電性が高いので、導電性に優れた負極活物質が得られる。
ここで、上記炭素質粒子は、粒子形態をとる炭素全てを意味し結晶化の程度は問わない。また、焼成炭素化物質とは、有機物が焼成されることにより炭化された炭素質をいう。
なお、本発明負極活物質シートは、このままで従来の負極または負極板と同様に使用することができるものである。ただし、本発明負極活物質シートを、銅箔等からなる集電体に重ね合わせて使用することができることは勿論である。
上記構成において、前記リチウムイオン二次電池用負極活物質シートの気孔径(直径)0.05〜100μmの範囲の気孔の気孔体積が質量当たり0.07〜0.25cc/gであるとする構成とすることができる。
マクロ孔と呼ばれる0.05〜100μmの範囲の気孔は、電解液を浸透させやすく、且つリチウムイオンの伝導性がよい。上記構成では、このマクロ孔が質量当たり0.07〜0.25cc/gである。このため、負極活物質である炭素質物の周囲に十分な量の電解液が供給され、リチウムイオンの吸蔵・脱離がスムースに進行するので、充放電反応がスムースに進行し、十分な充放電効率が得られる。なお、マクロ孔が0.25cc/gを超えると、実質的に気孔量が多くなりすぎて体積当たりの容量の低下を招くことになるので好ましくない。
上記構成において、前記リチウムイオン二次電池用負極活物質シートの気孔径(直径)0.01〜0.05μmの範囲の気孔の気孔体積が質量当たり0.05〜0.15cc/gであるとする構成とすることができる。
理由は定かではないが、メソ孔領域に含まれる0.01〜0.05μmの範囲の気孔が上記範囲内であると、優れた性能の負極活物質シートが得られる。これは、メソ孔がリチウムイオンや電子の伝導に影響を及ぼしているためではないかと推察される。
上記構成において、前記リチウムイオン二次電池用負極活物質シートの抵抗率が、10mΩ・cm以下である、とする構成とすることができる。
内部抵抗が大きいと、その分放電容量が低下する。このため、リチウムイオン二次電池用負極活物質シートの抵抗率は、10mΩ・cm以下とすることが好ましい。
上記構成において、前記リチウムイオン二次電池用負極活物質シートの気孔率が、20〜70%である、とする構成とすることができる。
気孔率が小さいと、十分な量の電解液を保持できないため、放電容量が低下する。他方、気孔率が大きいと、活物質量が少なくなるため、その分放電容量が低下する。このため、リチウムイオン二次電池用負極活物質シートの気孔率は、上記範囲内に規制することが好ましい。
上記構成において、前記リチウムイオン二次電池用負極活物質シートが、さらに繊維状炭素質物を有する、とする構成とすることができる。
有機結着剤を焼成した炭素質物では、十分な導電性が得られない場合がある。この場合、繊維状の炭素質物を導電剤として含ませると、さらに良好な導電性が得られる。
なお、異なる粒径の炭素質粒子を混合して用い、粒径の小さい炭素質粒子を導電剤としてもよい。
ここで、繊維状炭素質物とは、炭素繊維、カーボンナノファイバー、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ等の、繊維形態をとる炭素質物全てを含む概念である。
上記で説明したように、本発明によると、電気化学的反応性に優れた高性能なリチウムイオン二次電池用負極活物質シートを低コストで提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態を、図面を通じて、詳細に説明する。なお、本発明は下記の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することができる。
(実施の形態)
図4は、本発明にかかる負極活物質を用いた負極を示す図であり、図5は、本発明にかかる負極活物質を用いた負極を有する電池の基本構造を示す図であり、図6は、従来技術にかかる負極を示す図である。
図6に示すように、従来技術にかかる負極は、銅箔からなる集電体10に炭素を主体と刷る負極活物質層11が設けられ、集電体10の負極活物質層11が設けられていない部分に、例えば銅からなる集電タブ12が取り付けられている。これに対し、本発明にかかる負極活物質を用いた負極は、図4に示すように、集電体を有さず、炭素を主体とする負極活物質1に直接、例えば銅からなる集電タブ2が取り付けられている。充放電に関与しない銅からなる集電体を有さないため、本発明にかかる負極は、従来技術に比べ、コスト安であり、且つエネルギー密度が高い。
図5に、本発明にかかる負極活物質を用いた電池の基本構造を示す。炭素を主体とする負極100と、アルミニウム箔からなる集電体にコバルト酸リチウムを主体とする正極活物質層が設けられた正極300とが、オレフィン樹脂製等のセパレータ200を介して対向配置されており、負極100には負極タブ110が取り付けられ、正極300には正極タブ310が取り付けられている。なお、この図は電池の基本構造を示す図であって、負極−セパレータ−正極−セパレータからなる電池基本単位を複数積層した構造を備えていてもよい。
また、この電池の基本構造は外装体内に電解液とともに収容され、外装体の開口が封止されることにより、リチウムイオン二次電池が完成する。
正極活物質としては、公知の材料を用いることができ、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiNixCo1-x2、LiMnO2、LiMn24、LiFeO2が挙げられる。
電解液に用いる有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン等の一種または二種以上の混合物を用いることができる。また、電解質塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiCF3SO3等の一種または二種以上の混合物を用いることができる。電解質塩の濃度は、0.5〜2.0M(モル/リットル)とすることが好ましい。
また、他の構成要素(例えば、セパレータ、外装体、封口体等)は、公知の材料を用いればよく、負極活物質の製造方法以外については、公知の製造方法を採用できる。
次に、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
〈負極の作製〉
(材料の混合)
炭素質粒子としての天然黒鉛(鱗片状天然黒鉛を球状化処理したもの、平均粒径18μm)69質量部と、導電剤としての気相成長炭素繊維(昭和電工株式会社製)8質量部と、有機気孔形成剤としてのメチルセルロース(キシダ化学株式会社製 350〜550mP・s)3質量%と、有機結着剤してのフェノール樹脂粉末(ベルパールR890):20質量部とを、高速流動型混合機を用いてせん断混合し、負極合剤を得た。
(負極前駆体作製工程)
内径φ55mmの金型に上記負極合剤を入れ、200℃に設定した油圧式の熱圧プレスにセットし、500kg/cm2の圧力をかけて2分間保持した。その後、冷却し、負極活物質シート前駆体を得た。金型に入れる負極合剤の量は、負極活物質シート前駆体の厚みがおよそ0.4mmになるようにした。この加熱により、フェノール樹脂が熱硬化して、負極合剤が結着される。
(焼成工程)
上記負極活物質シート前駆体体を黒鉛板に挟み、窒素ガス雰囲気下において室温(25℃)より昇温し、1000℃で1時間保持して、負極活物質シートを得た。この加熱により、フェノール樹脂及びメチルセルロースが炭素化し、気孔形成剤であるメチルセルロース中の炭素以外の成分が除去されて負極シート内に気孔(空隙)が形成される。
上記負極活物質シートを、φ16mmに打ち抜いて、実施例1にかかる負極活物質シートを作製した。この負極活物質シートのかさ密度は、1.22g/cm3であった。
(実施例2)
(材料の混合)
炭素質粒子としての天然黒鉛(鱗片状天然黒鉛を球状化処理したもの、平均粒径18μm)72質量部と、気相成長炭素繊維(昭和電工株式会社製)8質量部と、熱硬化性樹脂バインダとしてのフェノール樹脂粉末(ベルパールR890)20質量部とを、高速流動型混合機を用いてせん断混合し、負極合剤を得た。
(負極前駆体作製工程)
内径φ55mmの金型に上記負極合剤を入れ、200℃に設定した油圧式の熱圧プレスにセットし、500kg/cm2の圧力をかけて2分間保持した。その後、冷却し、負極活物質シート前駆体を得た。金型に入れる負極合剤の量は、負極活物質シート前駆体の厚みがおよそ0.4mmになるようにした。この加熱により、フェノール樹脂が熱硬化して、負極合剤が結着される。
(焼成工程)
上記負極前駆体を黒鉛板に挟み、窒素ガス雰囲気下において室温(25℃)より昇温し、1000℃で1時間保持して、負極活物質シートを得た。この加熱により、フェノール樹脂が炭素化する。
上記負極活物質シートを、φ16mmに打ち抜いて、実施例2にかかる負極活物質シートを作製した。この負極活物質シートのかさ密度は、1.59g/cm3であった。
(比較例1)
焼成工程を行っていない負極活物質シート前駆体を負極活物質シートとして用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1にかかる負極活物質シートを作製した。この負極活物質シートのかさ密度は、1.34g/cm3であった。
(電極セルの組み立て)
アルゴンガス雰囲気のグローブボックス内で、電極セルの組み立てを行った。
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比1:2(25℃)で混合した混合溶媒に、LiPF6を1M(モル/リットル)に溶解した非水電解液を用意した。
上記非水電解液に、上記負極活物質シート、リチウム対極、リファレンス極を浸漬し、電極セルを完成させた。
(電池特性の測定)
上記電極セルをグローブボックスから25℃の恒温槽内に移し、リチウム対極、負極活物質シート、及びリファレンス極端子に充放電装置接続コードを繋いで、充放電容量及び抵抗率を測定した。
充電条件:電流密度0.5mA/cm2の定電流で電圧が10mVとなるまで充電し、その後定電圧10mVで40時間充電。
放電条件:0.5mA/cm2の定電流で電圧が1.2Vとなるまで放電した。
また、三菱化学製 Loresta−GP MCP-T600を用いて、抵抗率を測定した。
この結果を下記表1に示す。
(気孔分布の測定)
Thermo Electron Corporation製 Pascal 440を用い、水銀圧入法により、気孔分布及び気孔率を測定した。この結果を図1〜3及び下記表1に示す。
上記表1から、負極前駆体を焼成して作製した実施例1、実施例2にかかる負極活物質シートは、充電容量が342mAh/g,164mAh/g、放電容量が101mAh/g,36mAh/gと、焼成を行っていない比較例1の充電容量40mAh/g、放電容量13mAh/gよりも優れていることがわかる。
このことは、次のように考えられる。有機結着剤を含む負極合剤を用いた負極活物質前駆体を焼成すると、有機結着剤に含まれる炭素以外の成分が除去され、空隙が生じる。このため、表1に示すように、実施例1、2にかかる負極活物質シートは、比較例1よりも気孔率が大きい。また、この焼成による空隙は、マクロ孔と呼ばれる気孔径(直径)0.05〜100μmの範囲に現れ(実施例1:0.104cc/g、実施例2:0.072cc/g、比較例1:0.064cc/g、図1〜3参照)、このマクロ孔は電解液の浸透性が極めて大きく、リチウムイオンの伝導性が高い。このため、負極活物質周囲に十分な量の電解液が供給され、リチウムイオンの吸蔵・脱離がスムースに進行する。よって、充電容量及び放電容量が大きくなる。充放電容量の観点から、0.05〜100μmの範囲の気孔の気孔体積が質量当たり0.07cc/g以上であることが好ましく、0.08cc/g以上であることがより好ましい。
また、実施例1、2の抵抗率は1.8mΩ・cm、1.3mΩ・cmと、十分に低いことがわかる。
また、実施例1の方が、実施例2よりも放電容量、充電容量ともに大きいことがわかる。これは、実施例1では有機気孔形成剤を含む負極合剤を用いており、有機気孔形成剤に含まれる炭素以外の成分が除去され、空隙が生じる。このため、表1に示すように、実施例1にかかる負極活物質シートは、実施例2よりも気孔率が大きい。また、この焼成による空隙は、メソ孔領域に含まれる気孔径(直径)0.01〜0.05μmの範囲に現れ(実施例1:0.073cc/g、実施例2:0.016cc/g、図1,2参照)、このメソ孔においてリチウムイオンや電子が良好に伝導しているためと推察される。このため、0.01〜0.05μmの範囲の気孔の気孔体積が質量当たり0.016cc/gよりも大きいことが好ましく、0.05cc/g以上であることがより好ましい。
また、炭素質粒子の周囲には、有機結着剤や有機気孔形成剤による多孔質炭素質が焼結添着されている。これも放電特性の向上に関与していると考えられる。
好ましくは、黒鉛粉末(炭素質粒子)を60〜85質量%、有機結着剤を10〜30重量%、導電剤を3〜15重量%、有機気孔形成剤を2〜10重量%とする。
以上に説明したように、本発明によれば、銅からなる集電体を用いずに高性能な負極を得ることが可能であり、負極のコストを飛躍的に低下させることができる。よって、産業上の利用可能性は大きい。
図1は、実施例1にかかる負極の気孔分布を示すグラフである。 図2は、実施例2にかかる負極の気孔分布を示すグラフである。 図3は、比較例1にかかる負極の気孔分布を示すグラフである。 図4は、本発明にかかる負極活物質を用いた負極を示す図である。 図5は、本発明にかかる負極活物質を用いた負極を有する電池の基本構造を示す図である。 図6は、従来技術にかかる負極活物質を用いた負極を示す図である。

Claims (7)

  1. リチウムイオンを吸蔵脱離する炭素質粒子と、有機結着剤と、を含む負極合剤を加圧し、負極前駆体を作製する負極前駆体作製工程と、
    前記負極前駆体を不活性ガス雰囲気で600〜2000℃で焼成する焼成工程と、を備え
    前記有機結着剤が、熱硬化性樹脂であり、
    前記負極前駆体作製工程は、前記負極合剤を前記熱硬化性樹脂の硬化温度以上に加熱しつつ加圧する工程である、
    ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質シートの製造方法。
  2. 請求項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質シートの製造方法において、
    前記負極合剤は、さらに有機気孔形成剤を含む、
    ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質シートの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質シートの製造方法において、
    前記負極合剤は、さらに繊維状炭素質物を含む、
    ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質シートの製造方法。
  4. 請求項1、2又は3に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質シートの製造方法において、
    前記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂及び/又はエポキシ樹脂である、
    ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質シートの製造方法。
  5. 請求項1ないし4いずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質シートの製造方法において、
    前記負極合剤全質量に占める前記有機結着剤の質量割合が、5〜50質量%である、
    ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質シートの製造方法。
  6. 請求項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質シートの製造方法において、
    前記有機気孔形成剤が、セルロース類、木綿、絹、レーヨン、植物繊維、木粉、砂糖、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライドよりからなる群より選択された1以上の物質である、
    ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質シートの製造方法。
  7. 請求項に記載のリチウムイオン二次電池用負極活物質シートの製造方法において、
    前記負極合剤全質量に占める前記有機気孔形成剤の質量割合が、1〜20質量%である、
    ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極活物質シートの製造方法。
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