JP5404151B2 - ナノファイバー積層体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、膜部材となる繊維材料として、種種の樹脂が記載されており、実施例として、クロロホルム/メタノール混合溶液を溶媒として、ポリカプロラクトンをエレクトロスピニングすることが開示されている。
特許文献2には、ポリウレタン樹脂調製の際に、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン等の有機溶媒が使用されることが開示されている。
自己乳化型ポリウレタン樹脂エマルジョンとは、ポリウレタン樹脂エマルジョン中のポリウレタン樹脂がカルボン酸基、スルホン酸基等の親水性基を有するものを意味し、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等の分子内にカルボン酸基を有するポリヒドロキシ化合物等を共重合させることで得ることができる。更に自己乳化型ポリウレタン樹脂エマルジョンは、乳化安定性を向上させるために界面活性剤を併用してもよい。
一方、強制乳化型ポリウレタン樹脂エマルジョンとは、親水性基を有しない、界面活性剤を用いて強制的に乳化したポリウレタン樹脂エマルジョンを意味する。
また、本発明で用いるポリウレタン樹脂エマルジョンは、一般に市販されているものを使用することができる。
ポリウレタン樹脂含有量が50質量%を超える調整エマルジョンの場合でもエレクトロスピニングによりナノファイバーの形成は可能だが、紡糸安定性は悪くなる傾向にある。
水溶性ポリマーの含有量は、使用する水溶性ポリマーの種類、重合度により適宜設定すればよい。
得られるナノファイバーの直径は、主として使用する水溶性ポリマーの含有量に依存する。すなわち、水溶性ポリマーの含有量が少ないとナノファイバーの直径は細くなる傾向にあり、逆に、水溶性ポリマーの含有量が多いとナノファイバーの直径は太くなる傾向にある。
ポリエチレンオキシドを用いる場合には、調整エマルジョンに対し、0.5〜5.0質量%とすることが好ましい。
基材としては、織物、編物、不織布、レース、フェルト等の布や離型紙、フィルム、アルミ箔等の薄膜材および帯電あるいは接地可能な金属加工材料等を用いることができる。
得られたナノファイバー積層体は、1nm〜10μmの直径を有するナノファイバーが3次元構造を成した積層体であり、単位体積当たりの表面積が非常に大きく、他の製造方法で製造したポリマー繊維積層体と比べて非常に大きな空隙率と比表面積を有する。
更に、ナノファイバー積層体は、エレクトロスピニング法により製造された状態では、耐水性が不十分であることがあるが、熱処理することにより、ナノファイバー積層体に耐水性を付与することが可能である。
これらはポリウレタン樹脂あるいは水溶性ポリマーが熱処理により架橋、または溶着、または熱収縮することで可能となる。
細孔径は、最大細孔径、最小細孔径または平均流量細孔径の測定が可能であるが、上記細孔径の範囲は、最大細孔径および最小細孔径両方の値を包含するものである。
自己乳化型エステル系ポリウレタン樹脂エマルジョン(ポリウレタン樹脂含有率43質量%、平均粒径60nm)20gに、純水1.5gとポリエチレンオキシド(重量平均分子量500,000)0.5512gとを添加し、調整エマルジョンを得た。このときの調整エマルジョン中のポリウレタン樹脂含有率は39.0質量%であった。
得られた調整エマルジョンを、図1に示す装置でエレクトロスピニングし、ナノファイバー積層体を作製した。エレクトロスピニングの条件は、気温25℃、湿度20%RH、紡糸ノズルノンベベル(内径0.48mm)、押出し速度1ml/h、紡糸ノズル・コレクター間距離15cm、印加電圧12kV、コレクター回転速度0.8m/min、紡出時間4hとした。
得られたナノファイバー積層体の繊維径、細孔径、通気度をそれぞれ測定した。
得られた熱処理後のナノファイバー積層体の細孔径、通気度を測定した。その結果、1.16〜7.60μmの細孔径と13.38cm3/cm2/secの通気度を得た。耐水性は熱処理前が△であったのに対し、熱処理後は○であった。
上記の結果を、表1に併せて示す。
自己乳化型エステル系ポリウレタン樹脂エマルジョン(ポリウレタン樹脂含有率43質量%、平均粒径60nm)10.6gに、純水19gとポリエチレンオキシド(重量平均分子量500,000)0.7590gとを添加し、調整エマルジョンを得た。このときの調整エマルジョン中のポリウレタン樹脂含有率は15.0質量%であった。
得られた調整エマルジョンを、実施例1と同様の条件でエレクトロスピニングした。
得られたナノファイバー積層体の繊維径、細孔径、通気度をそれぞれ測定した。
得られた熱処理後のナノファイバー積層体の細孔径、通気度を測定した。その結果、0.23〜1.36μmの細孔径と0.25cm3/cm2/secの通気度を得た。耐水性は熱処理前が×であったのに対し、熱処理後は○であった。
上記の結果を、表1に併せて示す。
自己乳化型エステル系ポリウレタン樹脂エマルジョン(ポリウレタン樹脂含有率43質量%、平均粒径60nm)6gに、純水21.9gとポリエチレンオキシド(重量平均分子量500,000)0.7154gとを添加し、調整エマルジョンを得た。このときの調整エマルジョン中のポリウレタン樹脂含有率は9.0質量%であった。
得られた調整エマルジョンを、実施例1と同様の条件でエレクトロスピニングした。
得られたナノファイバー積層体の繊維径、細孔径、通気度を測定した。
得られた熱処理後のナノファイバー積層体の細孔径、通気度をそれぞれ測定した。その結果、0.16〜1.16μmの細孔径と0.05cm3/cm2/secの通気度を得た。耐水性は熱処理前が×であったのに対し、熱処理後は○であった。
上記の結果を、表1に併せて示す。
自己乳化型アクリルエステル系ポリウレタン樹脂エマルジョン(ポリウレタン樹脂含有率38質量%、平均粒径70nm)10gに、純水14.7gとポリエチレンオキシド(重量平均分子量500,000)0.6330gとを添加し、調整エマルジョンを得た。このときの調整エマルジョン中のポリウレタン樹脂含有率は15.0質量%であった。
得られた調整エマルジョンを、図1に示す装置でエレクトロスピニングし、ナノファイバー積層体を作製した。エレクトロスピニングの条件は、気温25℃、湿度20%RH、紡糸ノズルノンベベル(内径0.48mm)、押出し速度1ml/h、紡糸ノズル・コレクター間距離15cm、印加電圧18kV、コレクター回転速度0.8m/min、紡出時間4hとした。
得られたナノファイバー積層体の繊維径、細孔径、通気度をそれぞれ測定した。
上記の結果を、表1に併せて示す。
ポリウレタン樹脂(エステル系、硬度80A、押出し成形可能品)を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)とアセトンの8:7の混合溶媒に15質量%溶解しエレクトロスピニングした。エレクトロスピニングの条件は気温25℃、湿度20%RH、紡糸ノズルノンベベル(内径0.94mm)、押出し速度1ml/h、紡糸ノズル・コレクター間距離15cm、印加電圧18kV、コレクター回転速度0.8m/min、紡出時間4hとした。
得られたナノファイバー積層体の繊維径、細孔径、通気度を測定した。
得られた熱処理後のナノファイバー積層体の細孔径、通気度を測定した。その結果、1.44〜5.39μmの細孔径と14.08cm3/cm2/secの通気度を得た。耐水性は熱処理前後とも○であった。
有機溶媒を用いてエレクトロスピニングしたナノファイバー積層体は、熱処理しても、細孔径は小さくならなかった。
上記の結果を、表1に併せて示す。
ポリエチレンオキシドを用いなかった他は、実施例1と同様にして、エレクトロスピニングした。
その結果、ポリウレタン樹脂はファイバー形状を取らず粒子状に紡出され、ナノファイバー積層体は得られなかった。
2 押出し機
3 高電圧電源
4 紡糸ノズル
5 回転コレクター
Claims (7)
- エレクトロスピニング法により得られるナノファイバー積層体であり、前記ナノファイバーが、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンからなる群より選択される水溶性ポリマーを含有するポリウレタン樹脂エマルジョンをエレクトロスピニングすることにより形成されてなることを特徴とするナノファイバー積層体。
- ナノファイバー積層体の細孔径が50nm〜180μmである請求項1記載のナノファイバー積層体。
- ナノファイバー積層体の通気度が0.01〜150cm3/cm2/secである請求項1または2記載のナノファイバー積層体。
- ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンからなる群より選択される水溶性ポリマーを含有するポリウレタン樹脂エマルジョンをエレクトロスピニングすることにより、ナノファイバーを形成させ、積層させることを特徴とするナノファイバー積層体の製造方法。
- 水溶性ポリマーを含有するポリウレタン樹脂エマルジョンが、ポリウレタン樹脂を0.1〜50質量%含有する請求項4記載のナノファイバー積層体の製造方法。
- 水溶性ポリマーを含有するポリウレタン樹脂エマルジョンが、水溶性ポリマーを0.1〜20質量%含有する請求項4または5記載のナノファイバー積層体の製造方法。
- 得られたナノファイバー積層体を熱処理することを特徴とする請求項4〜6いずれか1項に記載のナノファイバー積層体の製造方法。
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