JP5403874B2 - 固体高分子形燃料電池及びその特性回復方法 - Google Patents

固体高分子形燃料電池及びその特性回復方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐久性を向上させるため、劣化しても特性を回復させることのできる固体高分子形燃料電池及びその特性回復方法に関する。
燃料電池は電解質の違い等により様々なタイプのものに分類されるが、電解質に固体高分子電解質膜を用いた固体高分子形燃料電池は、低温動作性や高出力密度等の特徴から、一般家庭用を視野に入れた小型コージェネレーションシステムや電気自動車用の動力源としての用途に適しており、今後、市場規模が急激に拡大していく燃料電池である。
この固体高分子形燃料電池は、一般家庭用の定置用小型コージェネレーションシステムを例にとると、都市ガスやLPG等に代表される炭化水素系燃料から水素含有ガスを製造する改質装置、改質装置で製造された水素含有ガスと大気中の空気を燃料極および酸化剤極にそれぞれ供給して起電力を発生させる燃料電池スタック、燃料電池スタックで発生した電気エネルギーを外部負荷に供給する電気制御装置、および発電に伴う発熱を回収する熱利用系で構成されている。
このように、燃料電池発電システムの運転には燃料の投入が前提となるため、燃料投入量に対する発電量で定義される発電効率が高いほど、燃料使用量の削減が実現でき、ユーザーメリットが高くなる。したがって、発電効率が燃料電池発電システムの性能を示す指標となっている。
ここで、燃料電池発電システムにおいて実際に発電機能を担っているのは、燃料電池スタックであり、単電池に始まり複数積層した燃料電池スタックが含まれている。発電効率の低下は、主として、この燃料電池スタックが、継続運転に伴う様々な要因により経時的にその電圧が低下することによって引き起こされる。すなわち、燃料電池スタックの経時的な電圧低下を抑制することやそれを回復させることが、発電効率の高い燃料電池発電システムを提供する上で最も重要なポイントとなっている。
そして、この燃料電池スタックの経時的な電圧低下を防ぎ、良好な特性で発電維持させるために、燃料電池スタックの固体高分子電解質膜へ、その発電原理上ある一定の加湿を加えて運転を続けさせる必要がある。この加湿方式にはスタック外部から加湿を行う外部加湿方式と内部加湿方式とが知られており、このうち、内部加湿方式については、均一に膜を加湿することができる有効な手段として注目されている(特許文献1参照)。
この内部加湿方式は、電極側に燃料ガスあるいは空気の流路が形成され、その反対側となる隣の燃料電池側に対しては、冷却水が通水可能となるような水の流路が形成された多孔質からなる例えばカーボンのプレートを材料として用いることにより行うものである。つまり、多孔質体の特性である水の毛細現象を用いて加湿を行う。
このような方法において、冷却水側よりも電極側に高い圧力とし、かつ毛細現象を適用できる圧力以下でこの圧力を制御して差圧をつけることで、発電中でも生成した余剰水については冷却水へ吸い取ることができ、固体高分子形燃料電池の水管理として効率的な方式となっている。
特表平11−508726号公報
しかしながら、特許文献1に示す方式を用いた場合であっても、所定の運転条件にて長時間の発電を続けると、多孔質体中の細孔の水分保持能力など、機能の経年的劣化が生じて電極からの生成水の吸出し性能や電極及び固体高分子膜への保湿に対して複数積層セル間およびセル面内における水管理の均一性能が損なわれ、その結果、燃料電池の拡散性が阻害される、いわゆるフラッディング或いは保湿不足が発生する。
セル面内における水管理の均一性による劣化現象は、通常の経時的劣化現象だけでなく、セル面内における特性の偏りを伴うこととなり、生成水の局所的発生を促す。そのため、部分的に水が過剰量発生し、多孔質体の水処理範囲を超える為にフラッディングとなる。フラッディングにより反応が阻害されて更なるセル面内特性に偏りが生じてしまい、結果として燃料電池特性そのものの特性が低下し、耐久性が加速度的に損なわれてくる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、耐久性を向上させるため、劣化しても特性を回復させることのできる燃料電池発電システム及びその回復運転方法を提供することにある。
以上の課題を解決するため、本発明は、電解質を挟んで燃料極と酸化剤極とをそれぞれ配置した単セルの両極側に導電性多孔質セパレータを積層してなる燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに反応ガスを供給する反応ガス流通部と、前記燃料電池スタックに冷却水を流通させる冷却水流通部と、前記冷却水流通部に冷却水を循環して供給する冷却水系と、を備えた固体高分子形燃料電池において、前記反応ガス流通部の反応ガス圧力と前記冷却水流通部の冷却水圧力との圧力差を上昇させるように調整する圧力差調整手段と、前記燃料電池スタックの累積発電時間を監視する累積発電時間監視手段を備え、前記圧力差調整手段は、前記累積発電時間監視手段により検出される累積発電時間が所定時間を上回った場合に、前記反応ガス流通部の反応ガス圧力と前記冷却水流通部の冷却水圧力との圧力差を上昇させるように調整することを特徴とする。なお、反応ガス流通部、及び冷却水流通部としての形状を規定していないが、ここでは必要に応じて導電性多孔質体に溝などの流路が備わった形状とする。
燃料電池スタックは、所定の累積発電時間を経過して経年的劣化によりフラッディングが発生し、累積発電時間が所定以上を経過した場合に、設定により水の除去機能が必要となってくるが、本発明によれば、冷却水による除熱は維持しながら、反応ガス流路の反応ガス圧力と前記冷却水流路の冷却水圧力との圧力差を調整する。具体的には、冷却水の流量を一定制御しながら、冷却水の圧力を低下制御し、酸化剤極及び燃料極と多孔質セパレータとの圧力差を上昇させることにより、フラッディング現象が発生している場合にはその解消を行うことができる。また、保湿不足となる多孔質セパレータ内部の保水性不足や連続運転により生じた空隙はその圧力差の上昇により水がセパレータ内部まで浸透し、この操作により冷却水との電極との圧力差の上昇で、水の除去機能を強化することができる。
以上のような本発明によれば、反応ガス流路の反応ガス圧力と前記冷却水流路の冷却水圧力との圧力差を調整して冷却水圧力を低下させることによって、燃料電池スタックの特性を回復させることができ、これにより燃料電池スタックの寿命を延ばすことが可能な固体高分子形燃料電池及びその特性回復方法を提供することができる。
以下、本発明に係る代表的な実施形態について、図1〜図10を参照して具体的に説明する。
(1)第1の実施形態
図1は本発明の第1の実施形態における固体高分子形燃料電池の構成を示す図であり、図中の破線はガス配管、実線は冷却水、そして一点鎖線は電圧測定回路をそれぞれ示している(図6,図10においても同様である。)。
(1−1)構成
図1に示すように、本実施形態の固体高分子形燃料電池は、燃料電池スタック1と、燃料ガス配管Gと空気配管Aと、冷却水ポンプ11を含む冷却水配管Pとを備える。なお、図1において燃料電池スタック1は、説明の便宜上、単セルで表現しているが、実際にはこれが直列に複数積層されて形成される。
本実施形態の燃料電池スタック1の構成は従来と同様であり、電解質4が燃料極2と酸化剤極3とによって挟むように構成される。また、燃料電池スタック1の両極には、燃料極2、酸化剤極3及び電解質4を挟むようにセパレータ10がそれぞれ設けられている。なお、上述のとおり、図1では燃料電池スタックを単セルで表現しているが、実際に燃料電池スタックを複数積層した場合のセパレータは燃料極と酸化剤極との間にひとつずつ積層される。
この燃料極2には、改質装置等から水素リッチガスが燃料ガス配管Gを通じて燃料ガスとして供給され、酸化剤極3には空気配管Aを通じて空気が供給され、これにより発電が行われる。また、セパレータ10は、発電による発熱の冷却や生成水の吸水、および固体高分子電解質膜4への加湿を目的として、冷却水ポンプ11により循環する冷却水の流路を備える。
冷却水配管Pは、冷却水ポンプ11と、冷却水タンク12と、燃料電池スタック1の入口側に圧力制御弁13とを備える。冷却水配管Pは、この圧力制御弁13の下流側で、2つに分岐され、燃料電池スタック1の両極側に設けられた2つのセパレータ10の流路にそれぞれ繋がる。そして、この2つに分岐した配管は、セパレータ10の下流側で合流し、冷却水ポンプ11を通過して冷却水タンク12に配管されている。
この圧力制御弁13は、冷却水圧力制御手段14によって制御される。この冷却水圧力制御手段14による制御は、累積発電時間監視手段15により、累積発電時間があらかじめ設定された時間を上回ったか否かを判断し、これに基づいて冷却水配管Pの冷却水圧力を低下させる制御を行うようになっている。また、冷却水圧力低下に伴う流量の変動については、冷却水ポンプ11の回転数を変動させることにより流量の制御を行うようになっている。
(1−2)作用効果
次に以上のような構成からなる本実施形態のフラッディングの改善に関する通常の動作を説明する。
一般に、燃料電池の発電は燃料極から得られたプロトン(H)が酸化剤極へ移動し、酸化剤極ではそのプロトンと酸素とが化合することで水が生成されながら、発電を継続する。これに伴い、燃料極2、酸化剤極3、および電解質膜4への湿分管理として、酸化剤極3で生成された水は冷却水ポンプで循環している多孔質セパレータ10の毛管現象にて余剰水分が冷却水水中へ吸水される一方、燃料極2では酸化剤極3から浸透による水の逆移動が若干発生するが、燃料極2側への湿分供給には不十分なために、多孔質セパレータ10の酸化剤極3への機能とは逆に毛管現象にて湿分を供給する。しかし、このような電極への水管理を行っていても、長時間の発電においては、多孔質セパレータ10の機能低下に伴って、そのままの状態では水の吸出し性能が低下し、いわゆるフラッディング現象や保湿不足が発生する。
そこで、本実施形態においては、多孔質セパレータを通水する冷却水系には流量の確保のために、冷却水ポンプ11が運転し冷却水が循環している。また、燃料電池スタック1入口に配置された圧力制御弁13により、燃料電池スタック1の入口部分の圧力を調節することで、燃料極2と酸化剤極3とで構成される電極とセパレータ10との圧力差を調節する。
より具体的には、図2のフローチャートに示すように、累積発電時間監視手段15により、燃料電池スタック1の累積発電時間が設定した値を上回るか否かを監視し(S201)、上回った場合には(YES)、冷却水圧力制御手段14が、圧力制御弁13を制御して冷却水の圧力を低下させる(S202)。これにより、燃料極2と酸化剤極3とで構成される電極とセパレータ10との圧力差を調節する。
仮にこの燃料電池スタック1のガス供給系が常圧である場合は、冷却水系は大気圧よりも負圧になることも、この多孔質セパレータ10を含む冷却水系の特徴となる。
これまで運転していた酸化剤極3及び燃料極2と多孔質セパレータ10との圧力差により水管理がなされていたが、多孔質セパレータ10あるいは酸化剤極3及び燃料極2のうち少なくとも一方が、所定の累積発電時間を経過して経年的劣化によりフラッディングが発生することとなる。そのため、累積発電時間が所定以上を経過した場合には、設定により水の除去機能が必要となってくる。そこで、このような場合には、冷却水による除熱は維持しながら、圧力制御弁13により、燃料電池スタック1の入口圧力を低下させる。
この圧力低下を行い酸化剤極3及び燃料極2と多孔質セパレータ10との圧力差を上昇させることにより、フラッディング現象が発生している場合は、その解消を行うことができ、多孔質セパレータ10内部の親水性不足や連続運転により生じた空隙はその圧力差の上昇により水がセパレータ10内部まで浸透していく。この操作により冷却水との電極との圧力差の上昇で、水の除去機能を強化することができる。ただし、累積発電時間による設定だけでなく、例えば、起動毎の経過時間や燃料電池スタック1電池電圧の低下により、圧力差を変更するなど、図3に示すように、圧力差の変動制御を行っても良く、また、経時的に徐々に圧力を変更していく方法でも同様の効果がある。
以上のような本実施形態によれば、燃料電池スタック1の寿命を延ばすことができる。この点、図4には、冷却水圧力制御手段14により圧力制御弁13を制御し、燃料電池スタック1入口の冷却水圧力を低減させた場合の燃料電池スタック1の電圧変化を示しており、これによれば、冷却水圧力の低下に伴って、電圧上昇が見られ、燃料電池スタック1の特性が回復したことがわかる。
また、図5は、燃料電池スタック1の入口における冷却水圧力を圧力制御弁13により低減させ、所定の差圧から更に上昇させたときのセルを複数積層した燃料電池スタック1の電圧分布を示す標準偏差とセル平均電圧の相対値を示したものである。これによれば標準偏差が1割以上改善されていることがわかる。これは燃料電池スタック1の中でも特に特性低下した燃料電池セルの電圧が上昇していることを示すものであり、本実施形態により燃料電池スタック1の寿命を延ばすことができることがわかる。
(2)第2の実施形態
(2−1)構成
本発明の第2の実施形態に係る固体高分子形燃料電池について説明する。本実施形態の固体高分子形燃料電池は、フラッディングあるいは保湿性不足の確認操作を行い、フラッディングあるいは保湿性の不足のうち少なくとも一方が発生しているかを検知することを特徴としている。具体的には、図6に示すように、燃料電池スタック用の電圧計20を設け、この電圧計20によりフラッディングによる燃料電池スタック劣化状態が発生しているかを確認するものである。なお、本実施形態の固体高分子形燃料電池におけるその他の構成及び操作方法については第1の実施形態と同様である。
本実施形態では、圧力変動操作を定期的に行うことで、フラッディングが発生しているかどうかを検知することを特徴とする。ここで、固体高分子形燃料電池において、通常、水管理機能の劣化の検知を行うには例えば製造現場による品質検査用の試験装置を使用すれば容易に行うことができる。しかしながら、実用面ではそのような試験装置による確認操作を行うこと自体が実用的でない。そこで、本実施形態では、その検知のための有効かつ簡便な方法の一つとして、フラッディングによる燃料電池スタック劣化状態が発生しているかを、燃料電池スタックを運転するために通常具備している燃料電池スタック用の電圧計20にて計測するようにしている。
より具体的には、本実施形態の固体高分子形燃料電池は、図6に示すように、第1の実施形態で示した冷却水圧力制御手段14及び累積発電時間監視手段15に加え、電流制御手段16と電圧判定手段17とを備える。
(2−2)作用効果
次に本実施形態の作用について図7のフローチャートを用いて説明する。操作を行うにあたり、発電中に所定期間を設けて定期的に燃料電池の劣化状態を検査する状態に変更する(START)。累積発電時間監視手段15により、燃料電池スタック1の累積発電時間が設定した値を上回るか否かを監視し(S601)、上回った場合には(YES)、検査状態とするために電流制御手段16により電流を一定にする制御を開始し(S602)、燃料電池スタック1の安定状態を維持する(S603)。そして、冷却水圧力制御手段14が、圧力制御弁13を制御して冷却水の圧力を低下させる(S604)。これにより、燃料極2と酸化剤極3とからなる電極とセパレータ10との圧力差が上昇するように変化させる。
次に、電圧判定手段17において、電圧の変動を測定し(S605)、その変動前電圧を上回る電圧の推移をみせれば(YES)、それらの劣化が発生していると判断し、冷却水圧力制御手段14により、再度圧力差を元に戻すように変化させる(S606)。一方、S605において、電圧がその測定電圧程度のまま推移する場合はフラッディングが発生していないと判断し(NO)、この判断を所定の時間で定期的に繰り返す。
続いて、このときの燃料電池スタック1の電圧を電圧判定手段17において測定し(S607)、この電圧が低下し上昇しない場合、すなわち元に戻らない場合は(YES)、フラッディングが発生していると判断し、冷却水圧力制御手段14が、圧力制御弁13を制御して冷却水の圧力を低下させる(S608)。このとき、図8に示すように、燃料電池スタック1の電圧は、時間をかけて低下する。
一方、この電圧が低下せず上昇した場合、すなわち元に戻った場合には(NO)、処理を終了する(END)。
そして、再度電圧判定手段17において燃料電池スタック1の電圧を測定し(S609)、電圧が上昇する場合には(YES)、それらの劣化が発生していると判断し、冷却水圧力制御手段14により、圧力制御弁13を制御して冷却水の圧力を低下させる処理を行い(S610)、処理を終了する(END)。一方、スタック電圧が上昇しない場合には(NO)、S606に戻ってこれ以降の処理を所定の時間で定期的に繰り返す。
以上による診断によって、差圧変動による電圧上昇の所定の効果が得られれば、その差圧となるように設定値を変更し、電池電流一定制御を解除して通常状態に戻すか、あるいは差圧上昇による電圧上昇の効果がなければ、差圧は元に戻して通常状態に戻す。
また、図9に示すように、フラッディング発生中は圧力に変化を与えなくても、電圧の振幅が大きく周期が早い特徴があるので、一定負荷電流操作時にその振幅状況を監視することでもフラッディング発生を判断することができる。
以上のような本実施形態によれば、燃料電池スタックがフラッディングあるいは保湿性不足のうち少なくとも一方による劣化が発生しているかを、その変動前電圧を上回る電圧の推移を電圧計で検出することにより判断することができ、反対に電圧の推移がその変動前電圧以上の推移を示さない場合はセパレータ機能劣化が発生していないと判断することができる。これにより、燃料電池のセパレータ機能低下を認識することが容易となる。
(3)第3の実施形態
本発明の第3の実施形態に係る固体高分子形燃料電池について説明する。本実施形態の固体高分子形燃料電池は、セパレータ機能劣化によるフラッディングあるいは保湿不足を第2の実施形態にて示した機能劣化情報により検知し、これに第1の実施形態で示した操作を行うこととしたものである。
すなわち、セパレータの機能劣化によるフラッディングあるいは保湿不足のうち少なくとも一方が発生しているかどうかを、電圧計20により測定し、これについて電圧判定手段17によってその変動前電圧を上回る電圧の推移が見られた場合には、それらの劣化が発生していると判断する。そして、冷却水圧力制御手段14が、圧力制御弁13を制御して冷却水の圧力を低下させる。これにより、燃料極2と酸化剤極3とで構成される電極とセパレータ10との圧力差を調節する。
反対に、電圧判定手段17によってその変動前電圧を上回る電圧の推移がないと判定された場合は、セパレータ機能劣化が発生していないと判断し、補機動力の上昇となるポンプ回転数の上昇や圧力制御弁の変更は不必要となるために、元の状態に戻す操作を行う。
これにより燃料電池のセパレータ機能低下状態を知ることができると共に、劣化状態を最小限に抑えることができるようになる。
(4)他の実施形態
本発明は、上記のような実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のような態様によっても実施可能である。例えば、第1の実施形態では、冷却水の圧力を圧力制御弁13で制御することで実現しているが、圧力差をつける制御を行うことを特徴としているが、このような圧力の制御を行うには、必ずしも調節弁が必要なのではなく、例えば、冷却水ポンプ11の出力を上昇させることにより、冷却水流量を増加させることによっても、実現可能である。また、図10に示すように、冷却水系の圧力はそのままとして、電極側の酸化剤あるいは燃料の少なくとも一方に圧力制御弁21a,21bを設けることで電極と冷却水との圧力差をつけることも可能である。
本発明の第1の実施形態の全体構成を示す図。 本発明の第1の実施形態の作用を示すフローチャート。 本発明の第1の実施形態の燃料電池スタックの特性回復状態を示すグラフ。 本発明の他の実施形態の燃料電池スタックの特性回復状態を示すグラフ。 本発明の第1の実施形態の効果を示すグラフ。 本発明の第2の実施形態の全体構成を示す図。 本発明の第2の実施形態の作用を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態の燃料電池スタックの特性回復状態を示すグラフ。 本発明の第2の実施形態の燃料電池スタックの特性回復状態を示すグラフ。 本発明の他の実施形態の全体構成を示す図。
符号の説明
1…燃料電池スタック
2…燃料極
3…酸化剤極
4…固体高分子電解質膜
4…電解質膜
4…電解質
10…多孔質セパレータ
11…冷却水ポンプ
12…冷却水タンク
13,21a,21b…圧力制御弁
14…冷却水圧力制御手段
15…累積発電時間監視手段
16…電流制御手段
17…電圧判定手段
20…電圧計
A…空気配管
G…燃料ガス配管
P…冷却水配管

Claims (2)

  1. 電解質を挟んで燃料極と酸化剤極とをそれぞれ配置した単セルの両極側に導電性多孔質セパレータを積層してなる燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに反応ガスを供給する反応ガス流通部と、前記燃料電池スタックに冷却水を流通させる冷却水流通部と、前記冷却水流通部に冷却水を循環して供給する冷却水系と、を備えた固体高分子形燃料電池において、
    前記反応ガス流通部の反応ガス圧力と前記冷却水流通部の冷却水圧力との圧力差を上昇させるように調整する圧力差調整手段と、
    前記燃料電池スタックの累積発電時間を監視する累積発電時間監視手段を備え、
    前記圧力差調整手段は、前記累積発電時間監視手段により検出される累積発電時間が所定時間を上回った場合に、前記反応ガス流通部の反応ガス圧力と前記冷却水流通部の冷却水圧力との圧力差を上昇させるように調整することを特徴とする固体高分子形燃料電池。
  2. 前記燃料電池スタックの電圧を測定する電圧計を設け、
    前記電圧計によって検出される電圧の変動を判定する電圧判定手段を備え、
    前記圧力差調整手段は、前記電圧判定手段によって前記燃料電池スタックの電圧の変動上昇幅が所定値を上回ると判定された場合に、前記反応ガス流通部の反応ガス圧力と前記冷却水流通部の冷却水圧力との圧力差を上昇させるように調整することを特徴とする請求項1記載の固体高分子形燃料電池。
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