JP5399750B2 - 微粉炭燃焼装置および微粉炭燃焼装置を用いた微粉炭燃焼方法 - Google Patents

微粉炭燃焼装置および微粉炭燃焼装置を用いた微粉炭燃焼方法 Download PDF

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本発明は、微粉炭燃焼装置および微粉炭燃焼装置を用いた微粉炭燃焼方法に関するものである。
燃料中の窒素分や空気中の窒素分が燃焼時に酸化されて生じる窒素酸化物すなわちNOxは、大気汚染物質であり、規制値以下に低減させなければならない。特に、石炭の燃焼においては、他の気体燃料や液体燃料に比べて、燃料中の窒素含有量が多い。したがって、石炭の燃焼時に生じるNOx量は、気体燃料などの燃焼時に生じるNOx量より多い。そのため、石炭の燃焼においてNOx量の抑制は、特に重要である。
NOxを抑制する方法として、2段階燃焼法がある。この方法は、バーナの燃焼空気通路に旋回べーンを設け、燃焼用空気を旋回流として供給する。燃焼用空気を旋回流で供給すると、空気はノズルから噴射後、旋回に伴う遠心力によりバーナの外側に向かって流れる。バーナ出口近傍では、微粉炭と燃焼用空気とは混合せず、微粉炭は低い空気比条件で燃焼する。つまり、火炎内のバーナ出口近傍では空気不足の燃料過剰燃焼を行って還元雰囲気を拡大し、火炎の後段では酸素濃度の高い燃焼を行うようにしたものである。バーナ近傍の還元雰囲気では、石炭中の窒素分は、主にシアン化水素(HCN)やアンモニア(NH3)などの還元性窒素化合物として放出される。これらの還元性窒素化合物は、還元雰囲気でNOxを還元する効果を有するので、NOxの生成量を抑制することができる。このように、石炭の燃焼において、還元雰囲気が形成される領域を拡大することは、NOxの抑制の観点から広く合理的である。このような方法は、例えば、特許文献1などに開示されている。
また、特許文献2には、燃料ノズルの中に旋回発生器を設置し、搬送用空気と微粉炭を含む一次空気に旋回を与え、微粉炭を遠心力により外周側に集め高濃度の領域が形成されるようにし、その後、燃料ノズルから噴出されたときに微粉炭の飛散を防ぐため、整流板を設け、これにより一次空気の旋回が止められてから噴出されるようにした技術が開示されている。
また、特許文献3には、微粉炭ノズルと、この微粉炭ノズルの外周に同心円状に配置された空気ノズルを備えた微粉炭バーナにおいて、微粉炭ノズルから噴出される微粉炭を含む一次空気の噴流が、バーナの中心線に対して周方向に微粉炭の濃度分布を持ち、微粉炭の高濃度部分が前記中心線から放射状に形成されるように構成した微粉炭バーナが開示されている。この特許文献3に記載の技術は、噴射口付近で逆流域を作り出し、噴射口付近に高温の還元雰囲気を形成することおよび着火を促進することを目的とする技術である。
特開昭57−73305号公報 特開平9−159109号公報 特開2000−314508号公報
しかしながら、上記説明したような従来方式のバーナでは、バーナ近傍での還元雰囲気の形成は可能であるが、バーナから離れた領域での還元雰囲気の形成ができない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、バーナから離れた領域においても還元雰囲気を形成することで、還元雰囲気を広範囲に形成することができる技術を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明に係る微粉炭燃焼装置は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の微粉炭ボイラにおける低NOx燃焼装置は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
上記課題を解決するための本発明に係る微粉炭燃焼装置の第1の特徴は、微粉炭および微粉炭搬送用空気を有する燃料を供給する燃料ノズルと、前記燃料ノズルの外側に配置され、燃焼用空気を供給する空気ノズルと、前記燃料ノズル内に配置され、当該燃料ノズルから火炉側に向けて前記燃料に旋回流を形成させる燃料流旋回羽根と、前記空気ノズル内に配置され、当該空気ノズルから火炉側に向けて前記燃焼用空気に旋回流を形成させる空気流旋回羽根と、を備え、前記空気流旋回羽根により形成された前記燃焼用空気の旋回流に対して、前記燃料流旋回羽根により形成された前記燃料の旋回流は逆向きであり、前記空気流旋回羽根角度は、前記燃料流旋回羽根角度よりも大きくされており、前記微粉炭の燃料比が1.0以下であることである。
この構成によると、空気ノズルから火炉に向けて供給する燃焼用空気の旋回流に対して、燃料の旋回流を逆向きにすることで、当該燃焼用空気と当該燃料との界面近傍において、燃焼用空気と燃料に急激な混合が生じ、燃焼用空気と燃料との燃焼反応が促進される。そのため、バーナから離れた領域においても還元雰囲気を形成することができる。その結果、還元雰囲気を広範囲に形成することができる。
また、燃料比が1.0以下の微粉炭は、着火が早いので、バーナ近傍での空気と燃料の混合を促進させることで、還元度の高い還元雰囲気を広範囲に形成することができる。そのため、燃料比が1.0以下の微粉炭を燃焼させる場合、NOxの生成量を従来の技術に比して抑制することができる。
また、本発明に係る微粉炭燃焼装置の第の特徴は、微粉炭が、亜瀝青炭、褐炭、または、亜瀝青炭と褐炭とを配合した混合炭である。
この構成によると、亜瀝青炭、褐炭、または、亜瀝青炭と褐炭とを配合した混合炭は、着火が早いので、バーナ近傍での空気と燃料の混合を促進させることで、還元度の高い還元雰囲気を広範囲に形成することができる。そのため、亜瀝青炭、褐炭、または、亜瀝青炭と褐炭とを配合した混合炭を燃焼させる場合、NOxの生成量を従来の技術に比して抑制することができる。
また、本発明に係る微粉炭燃焼装置の第の特徴は、燃料がバイオマス燃料をさらに有することである。
この構成によると、バイオマス燃料は、着火が早いので、バーナ近傍での空気と燃料の混合を促進させることで、還元度の高い還元雰囲気を広範囲に形成することができる。そのため、バイオマス燃料を有する燃料を燃焼させる場合、NOxの生成量を従来の技術に比して抑制することができる。
次に、本発明に係る微粉炭ボイラの低NOx燃焼方法は、上記課題を解決するために以下のような特徴を有している。
上記課題を解決するための本発明に係る微粉炭燃焼装置を用いた微粉炭燃焼方法の特徴は、微粉炭および微粉炭搬送用空気を有する燃料を燃料流旋回羽根にて形成された旋回流で供給する燃料ノズルと、当該燃料ノズルの外側に配置され燃焼用空気を空気流旋回羽根にて形成された旋回流で供給する空気ノズルとを備える微粉炭燃焼装置による微粉炭燃焼方法であって、燃料比が1.0以下である前記微粉炭を有する前記燃料を使用し、前記燃料の旋回に対して前記燃焼用空気の旋回を逆向きにするとともに、前記空気流旋回羽根角度を、前記燃料流旋回羽根角度よりも大きくすることである。

この構成によると、空気ノズルから火炉に向けて供給する燃焼用空気の旋回流に対して、燃料の旋回流を逆向きにすることで、当該燃焼用空気と当該燃料との界面近傍において、燃焼用空気と燃料に急激な混合が生る。そのため、バーナから離れた領域においても還元雰囲気を形成することができる。その結果、還元雰囲気を広範囲に形成することができる。
微粉炭燃焼装置の概略図である。 本実施形態に係る微粉炭バーナの側断面図である。 燃料の旋回ありの条件で、石炭を燃焼させた場合における排ガス中のNOx濃度を示した図である。 燃料の旋回なしの条件で、石炭を燃焼させた場合における排ガス中のNOx濃度を示した図である。 燃料の旋回ありの条件で、炉内中心軸上のCO濃度と微粉炭バーナからの距離との関係を示した図である。 燃料の旋回なしの条件で、炉内中心軸上のCO濃度と微粉炭バーナからの距離との関係を示した図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
(微粉炭燃焼装置の構成)
図1に示すように、微粉炭燃焼装置100は、ボイラ用の火炉2と、当該火炉2内で微粉炭を燃焼させる微粉炭バーナ1と、火炉2内に微粉炭を供給するために、貯炭場3から運ばれた石炭を粉砕する粉砕機4と、微粉炭搬送用空気を発生させるブロワ6と、燃焼用空気を発生させるブロワ7などを備える。
火炉2の炉壁8にはスロート5が開口され、当該スロート5と同心に微粉炭バーナ1が設けられる。粉砕機4により粉砕された石炭(微粉炭)は、ブロワ6から供給される微粉炭搬送用空気とともに、配管9aを通して微粉炭バーナ1に導かれ、火炉2に噴出される。
一方、燃焼用空気は、別のブロワ7により配管9bを通して微粉炭バーナ1に導かれ、火炉2に噴出される。
(微粉炭バーナ1の構成)
図2に示すように、微粉炭バーナ1中心部には燃料ノズル11が設けられ、当該燃料ノズル11の外側には一次空気ノズル12および二次空気ノズル13がそれぞれ配置されている。
具体的には、微粉炭バーナ1は、中心部に設けられた燃料供給管14と、風箱壁15、16、17と、風箱壁16に接続されたバーナ筒18と、風箱壁17に接続されたバーナ筒19を有して構成されている。当該燃料供給管14の入口側は配管9aに接続されている。燃料供給管14およびバーナ筒18、19は円形断面を有し、バーナ筒18、19は、燃料供給管14の外側に同心円状に順次配置される。風箱壁15および風箱壁16により風箱31が形成され、風箱壁16および風箱壁17により風箱32が形成される。この風箱31、32は、配管9bに接続されている。
これにより、燃料ノズル11は、燃料供給管14の内周面を外周壁とする管状の流路として形成される。また、一次空気ノズル12は、燃料供給管14の外周面を内周壁とし、バーナ筒18の内周面を外周壁とする円環状の流路と、風箱31による流路で形成され、二次空気ノズル13は、バーナ筒18の外周面を内周壁とし、バーナ筒19の内周面を外周壁とする円環状の流路と、風箱32による流路で形成される。ここで、ブロワ7から供給される燃焼用空気は、まず風箱31、32、に入り、その後、それぞれ一次空気ノズル12、二次空気ノズル13に供給される。
燃料ノズル11は、微粉炭および微粉炭搬送用空気からなる燃料21を噴出させる働きをし、一次空気ノズル12、二次空気ノズル13は、それぞれ一次空気22、二次空気23を噴出させる働きをするものである。なお、一次空気22および二次空気23は、微粉炭を燃焼させるための燃焼用空気であり、微粉炭の完全燃焼に必要な量が供給される。図2に示すように、燃料ノズル11から噴出された燃料21は、燃料噴流24を形成し、一次空気ノズル12、二次空気ノズル13から噴出された一次空気22、二次空気23は、それぞれ一次空気噴流25、二次空気噴流26を形成する。
燃料ノズル11の入口側の内部には、燃料流旋回羽根27が設置されており、微粉炭および微粉炭搬送用空気からなる燃料21は旋回をともなって火炉2内に噴出される。このとき、燃料21の旋回により、燃料噴流24の外周側の微粉炭濃度が高くなる。一方、一次空気ノズル12の入口側の内部、二次空気ノズル13の入口側の内部には、それぞれ一次空気流旋回羽根28、二次空気流旋回羽根29が設置されており、一次空気22および二次空気23は旋回をともなって火炉2内に噴出される。尚、燃料21、一次空気22および二次空気23に旋回を形成させる方法としては、旋回羽根に限定されるものではなく、例えば、管の形状を変化させることで旋回流を形成させる方法であってもよい。
このとき、一次空気22および二次空気23の旋回方向に対して、燃料21の旋回方向が逆向きになるように燃料流旋回羽根27を配置する。これにより、微粉炭バーナ1から噴出した燃料噴流24と一次空気噴流25との界面近傍においてせん断力が生じ、微粉炭バーナ1近傍での燃料噴流24と一次空気噴流25の混合が促進される。急速に混合した燃料噴流24と一次空気噴流25の混合気は、微粉炭バーナ1からある程度離れた下流に向けて流れる。この混合気内では、微粉炭と燃焼空気の燃焼反応が急速に進行するので、還元雰囲気となる。そのため、図2に示すように、微粉炭バーナ1から離れた領域においても還元雰囲気10を形成することができる。その結果、還元雰囲気10を広範囲に形成することができる。
ここで、還元雰囲気10内では、微粉炭中の窒素分は、主にシアン化水素(HCN)やアンモニア(NH3)などの還元性窒素化合物として放出される。これらの還元性窒素化合物は、還元雰囲気10内において、燃焼により生じたNOxを還元する。そのため、NOxの生成量を抑制することができる。なお、還元雰囲気10内では、燃料噴流24と一次空気噴流25との界面近傍におけるせん断力により、還元性窒素化合物およびCOなどの還元性ガスとNOxとの混合が迅速に行われ、NOxの還元反応が促進される。
なお、燃料21の旋回による遠心力により、微粉炭は燃料ノズル11の外周部に集められる。そのため、燃料ノズル11から噴出した燃料噴流24の外周側の微粉炭濃度が高くなっており、この微粉炭濃度が高い燃料噴流24の外周側と一次空気噴流25の混合により、混合気内では、高い微粉炭濃度となる。そのため、混合気内の着火が促進され、高い還元雰囲気10を形成することができる。また、燃料ノズル11から噴出した微粉炭は、微粉炭バーナ1近傍で一次空気噴流25と混合するので、遠心力により径方向に飛散することがない。
[実施例]
次に、上記説明した微粉炭燃焼装置100を用いて、燃料21の旋回の有無をパラメータとした燃焼試験を実施し、火炉2出口において採取した排ガスのNOx濃度の変化を調査した。以下、その燃焼実験について説明する。
(使用条件)
火炉2は、炉内径400mm、炉内有効高さ3650mmのものを用い、石炭の投入熱量は600kW一定とした。また、旋回をともなった一次空気22と、300℃に予熱した二次空気23とを火炉2内に噴出させた。また、石炭は、燃料比の異なる石炭A、石炭B、石炭Cの3種類を用い、下記表1に各石炭の燃料比と石炭中の窒素分を示す。なお、各石炭は、全て200メッシュで粉砕されており、粒径を75ミクロン以下が80%以上となるように調整している。
Figure 0005399750
燃料21の旋回ありの条件では、燃料流旋回羽根27の角度を45度、一次空気流旋回羽根28の角度を60度とし、燃料21の旋回方向は、一次空気22の旋回に対して逆向きになるように燃料流旋回羽根27を配置し燃焼試験を行った。一方、燃料21の旋回なしの条件では、燃料流旋回羽根27を除去して燃焼試験を行った。
排ガス中のNOx濃度(O:6容量%換算)[ppm]は、排ガス中の実測のNOx濃度およびO濃度により下記計算式を用いて換算される。
[数1]
[NOx濃度]=[実測NOx濃度]×(21−6)/[21−(実測O濃度)]
(調査結果)
燃焼試験の結果を図3〜6に示す。図3、図4は、それぞれ燃料21の旋回ありの条件、燃料21の旋回なしの条件で燃焼試験を行い、排ガス中のNOx濃度を調査した結果である。図3と図4を比較すると、燃料21の旋回ありの条件の方が、燃料比1.0以下の石炭Cの排ガス中のNOx生成量は低減した。
また、図5、図6は、それぞれ燃料21の旋回ありの条件、燃料21の旋回なしの条件で燃焼試験を行い、微粉炭燃焼炉内中心軸上のCO濃度を測定した結果である。図5に示すように、燃料21の旋回ありの条件で、燃料比が1.0以下の石炭Cを燃焼させた場合には、他の石炭A、石炭Bに比べて微粉炭燃焼炉内中心軸上のCO濃度が高くなっており、微粉炭バーナ1近傍での還元雰囲気の還元度が高くなっている。
(考察)
燃料比が、1.0以下の石炭Cを燃焼させる場合には、一次空気22の旋回方向に対して、燃料21の旋回方向を逆向きにし、微粉炭バーナ1近傍での燃料21と空気の混合を促進させることで、還元度の高い還元雰囲気を広範囲に形成することができる。つまり、燃料比が1.0以下の石炭は、着火が早いので、微粉炭バーナ1近傍で燃焼しやすい。さらに、微粉炭バーナ1近傍において、燃料21と燃焼空気との界面近傍にせん断力が生じることにより燃料21と燃焼空気との混合が促進させるので、燃料21と燃焼空気との燃焼反応が促進される。そのため、還元度の高い還元雰囲気を形成することができる。また、急速に混合した燃料噴流24と一次空気噴流25の混合気は、微粉炭バーナ1からある程度離れた下流に向けて流れるので、還元雰囲気を広範囲に形成することができる。尚、実施例では、微粉炭バーナ1から2m離れた領域でも還元雰囲気を形成することができた。ここで、石炭中の窒素分が加熱されて放出される還元性窒素化合物や、石炭中の炭素分が加熱されて放出されるCOなどの還元性ガスは、還元雰囲気内でNOxを還元する。そのため、NOx生成量を抑制することができる。
燃料21がバイオマス燃料を有している場合においても、微粉炭バーナ1近傍での燃料21と空気の混合を促進させることで、還元度の高い還元雰囲気を形成することができる。つまり、バイオマス燃料として、例えば、木質系バイオマス燃料を用いた場合、木質系バイオマス燃料の燃料比は、1.0以下であるため、着火しやすい。そのため、当該木質系バイオマス燃焼は、微粉炭バーナ1近傍で燃焼しやすい。さらに、微粉炭バーナ1近傍では、燃料21と燃焼空気との界面近傍にせん断力が生じることにより燃料21と燃焼空気との混合が促進させるので、燃料21と燃焼空気との燃焼反応が促進される。その結果、還元度の高い還元雰囲気を形成することができる。ここで、当該木質系バイオマス燃料が加熱されて放出される可燃性ガスは、主に、水素(H2)、一酸化炭素(CO)、メタン(CH4)であり、水素、一酸化炭素、メタンは、還元雰囲気内でNOxを還元する。そのため、NOx生成量を抑制することができる。以上のことから、燃料21が燃料比1.0以下の石炭とバイオマス燃料とを共に火炉2内に供給したとしても還元度の高い還元雰囲気を形成することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る微粉炭燃焼装置100は、微粉炭および微粉炭搬送用空気を有する燃料21を供給する燃料ノズル11と、燃料ノズル11の外側に配置され、一次空気22を供給する一次空気ノズル12と、燃料ノズル11および一次空気ノズル12の外側に配置され、二次空気23を供給する二次空気ノズル13を備える。また、燃料ノズル11内に配置され、当該燃料ノズル11から火炉2側に向けて燃料21に旋回流を形成させる燃料流旋回羽根27と、一次空気ノズル12の入口側の内部に配置され、一次空気ノズル12から火炉2側に向けて一次空気22に旋回流を形成させる一次空気流旋回羽根28と、二次空気ノズル13の入口側の内部に配置され、二次空気ノズル13から火炉2側に向けて二次空気23に旋回流を形成させる二次空気流旋回羽根29とを備える。そして、一次空気22および二次空気23の旋回方向に対して、燃料21の旋回方向が逆向きになるように燃料流旋回羽根27を配置する。
この構成によると、一次空気ノズル12および二次空気ノズル13から火炉2に向けて供給する一次空気22および二次空気23の旋回流に対して、燃料21の旋回流を逆向きにすることで、一次空気噴流25と燃料噴流24との界面近傍において、一次空気噴流25と燃料噴流24に急激な混合が生じる。そのため、微粉炭バーナ1から離れた領域においても還元雰囲気を形成することができる。その結果、還元雰囲気を広範囲に形成することができる。
また、燃料21に含まれる微粉炭は、燃料比が1.0以下のもの、例えば、亜瀝青炭、褐炭、または、亜瀝青炭と褐炭とを配合した混合炭を使用する。
この構成によると、燃料比が1.0以下の微粉炭は、着火が早いので、微粉炭バーナ1近傍での一次空気噴流25と燃料噴流24の混合を促進させることで、酸素の消費を促進し、還元度の高い還元雰囲気を広範囲に形成することができる。そのため、燃料比が1.0以下の微粉炭を燃焼させる場合、NOxの生成量を従来の技術に比して抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
1 微粉炭バーナ
2 火炉
11 燃料ノズル
12 一次空気ノズル
13 二次空気ノズル
21 燃料
22 一次空気
23 二次空気
24 燃料噴流
25 一次空気噴流
26 二次空気噴流
27 燃料流旋回羽根
28 一次空気流旋回羽根
29 二次空気流旋回羽根
100 微粉炭燃焼装置

Claims (4)

  1. 微粉炭および微粉炭搬送用空気を有する燃料を供給する燃料ノズルと、
    前記燃料ノズルの外側に配置され、燃焼用空気を供給する空気ノズルと、
    前記燃料ノズル内に配置され、当該燃料ノズルから火炉側に向けて前記燃料に旋回流を形成させる燃料流旋回羽根と、
    前記空気ノズル内に配置され、当該空気ノズルから火炉側に向けて前記燃焼用空気に旋回流を形成させる空気流旋回羽根と、
    を備え、
    前記空気流旋回羽根により形成された前記燃焼用空気の旋回流に対して、前記燃料流旋回羽根により形成された前記燃料の旋回流は、逆向きであり、
    前記空気流旋回羽根角度は、前記燃料流旋回羽根角度よりも大きくされており、
    前記微粉炭の燃料比が1.0以下であることを特徴とする微粉炭燃焼装置。
  2. 請求項1に記載の微粉炭燃焼装置において、
    前記微粉炭は、亜瀝青炭、褐炭、または、亜瀝青炭と褐炭とを配合した混合炭であることを特徴とする微粉炭燃焼装置。
  3. 請求項1に記載の微粉炭燃焼装置において、
    前記燃料は、バイオマス燃料をさらに有することを特徴とする微粉炭燃焼装置。
  4. 微粉炭および微粉炭搬送用空気を有する燃料を燃料流旋回羽根にて形成された旋回流で供給する燃料ノズルと、当該燃料ノズルの外側に配置され燃焼用空気を空気流旋回羽根にて形成された旋回流で供給する空気ノズルとを備える微粉炭燃焼装置による微粉炭燃焼方法であって、
    燃料比が1.0以下である前記微粉炭を有する前記燃料を使用し、前記燃料の旋回に対して前記燃焼用空気の旋回を逆向きにするとともに、前記空気流旋回羽根角度を、前記燃料流旋回羽根角度よりも大きくすることを特徴とする微粉炭燃焼方法。
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