JP5397830B2 - 水素生成装置 - Google Patents
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Description
燃料電池は、水素を燃料とし、酸素あるいは酸素を含む空気を酸化剤として電気化学的反応で発電するものであるが、車両等への用途を考えた場合、燃料電池システム全体の容積ができる限り小さいことが重要である。したがって、燃料源としては、気体状の水素よりも、液体であることが望ましく、液体燃料から水素を取り出すことができる水素生成装置が重要となる。
一方、水素透過膜を利用すると、1つの反応装置で改質からシフト反応までを行えるため、小型化が可能となる。また、水素透過膜を利用すると、改質反応場から水素を引き抜くことにより、水素生成反応の平衡を生成側にシフトさせて、反応温度を低下させることや、生成物の選択性を変えることが期待される。
また、燃料電池に限らず、水素を必要とする部位に水素を供給するため、水素透過膜を備えた水素分離体の開発が求められている。
一方、分子篩いの機能を利用した水素透過膜の開発も行われている。このような水素透過膜は、ゼオライトによって代表され、シリカ等の材料で細孔径を制御し、水素を選択的に透過させる機能を備えたものである。
さらに、一度生成された副生成物から再度水素を取り出そうとすると、原料からの水素改質反応に比べて長大な改質時間が必要になり、反応器の大型化やコスト高を招いてしまう問題もあった。
触媒貴金属量の低減により水素生成装置のコストを抑えることができ、水素生成装置を小型化によって車載が容易となり、燃料電池自動車への水素供給や、内燃機関への水素供給が可能となる。内燃機関に水素を供給することによって、燃費向上、排気の浄化向上が達成できる。
この加熱部3の熱源としては、当該水素生成装置1が車載用の場合、エンジンや燃料電池などといったパワーソースからの排熱を用いることができる。また、加熱部3に燃料と空気(または酸素)を供給して燃焼させ、得られた加熱ガスを加熱部3に導入するようにすることもできる。その際、加熱部3に燃焼触媒を用いても良い。
なお、上記燃焼触媒としては、燃料や水素を燃焼して加熱ガスを得ることができる触媒であればよく、具体的には、白金、パラジウム等の貴金属や、銅、コバルト、鉄等の遷移金属をアルミナ、セリア、シリカ、チタニア等の無機多孔体に担持したものを挙げることができる。
すなわち、上流部における燃料の脱水素反応や水蒸気改質反応によって副生されたメタンや一酸化炭素が下流部において水蒸気改質されて水素となることから、反応効率が高いものとなり、装置の小型化、水素収率の向上が可能になる。また、貴金属触媒を下流側にのみ配置すればよくなるので、高価な材料の使用量を減らすことができ、製造コストの削減が可能になる。
このような水素分離膜としては、例えばPd系合金、V−Nb−Zr系合金の膜や、シリカ系、ゼオライト系の分子ふるい機能を利用した膜を使用することができる。
このような水素分離膜の支持体としては、水素分離膜の強度を補強する機能とともに、透過した水素の流れを妨げないようにする機能をも備える必要があり、多孔体から成るプレート状のものを用いることが望ましい。
なお、上記した改質部2、加熱部3、分離部4においては、ガスの流れの偏りを減らし、熱の伝わりをよくするため、フィン等が設けておくことが望ましい。
硝酸コバルト・六水和物を蒸留水に溶解したコバルト含有溶液を用い、これをセリア(CeO2)に含浸させた。このときの含浸量としては、得られる触媒(コバルトとセリア)の全量に対してコバルトの担持量が10質量%(金属換算)となるようにした。
その後、得られた粉末を150℃で一晩乾燥後、500℃のマッフル炉にて1時間焼成することにより、Co/CeO2触媒を得た。
硝酸コバルト・六水和物を蒸留水に溶解したコバルト含有溶液を用い、これをセリア(CeO2)に含浸させた。このときの含浸量としては、得られる触媒(鉄とコバルトとセリア)の全量に対してコバルトの担持量が10質量%(金属換算)となるようにした。
その後、得られた粉末を150℃で一晩乾燥後、500℃のマッフル炉にて1時間焼成することにより、Co/CeO2触媒を得た。
続いて、硝酸鉄・九水和物を蒸留水に溶解した鉄含有溶液を調製し、得られたCo/CeO2触媒に上記鉄含有溶液を含浸させた。このときの含浸量としては、得られる触媒(鉄とコバルトとセリア)の全量に対して鉄の担持量が0.44質量%(金属換算)となるようにした。その後、得られた含浸粉末を150℃で一晩乾燥後、500℃のマッフル炉にて1時間焼成して、Fe/Co/CeO2触媒を得た。
硝酸ニッケル・六水和物を蒸留水に溶解したニッケル含有溶液を用い、これをセリアに含浸させた。このときの含浸量としては、得られる触媒(ニッケルとセリア)の全量に対してニッケルの担持量が10質量%(金属換算)となるように含浸させた。
そして、得られた粉末を150℃で一晩乾燥後、500℃のマッフル炉により1時間焼成することにより、Ni/CeO2触媒を得た。
炭酸ナトリムを10%硝酸溶液に溶解させた。炭酸ナトリウムの溶解を確認した後、硝酸ロジウム溶液を加え、アルミナにロジウム及びナトリムを含浸させた。このとき、ロジウムおよびナトリムの担持量が、得られる触媒(アルミナとロジウムとナトリム)の全量に対してそれぞれ4質量%(金属換算)となるように含浸させた。
その後、得られた粉末を150℃で一晩乾燥後、500℃で1時間マッフル炉にて焼成し、第1の触媒としてRh−Na/Al2O3触媒を調製した。
ジントロジアミン白金硝酸溶液を用い、これをセリアに含浸させた。このときの含浸量としては、得られる触媒(白金とセリア)の全量に対して白金の担持量が4質量%(金属換算)となるように含浸させた。
そして、得られた粉末を150℃で一晩乾燥した後、500℃のマッフル炉により1時間焼成することによって、Pt/CeO2触媒を得た。
硝酸パラジウム含有硝酸溶液を用い、これをセリアに、パラジウムの担持量が得られる触媒(パラジウムとセリア)の全量に対して4質量%(金属換算)となるように含浸させた。
その後、得られた粉末を150℃で一晩乾燥した後、500℃のマッフル炉により1時間焼成することによって、Pd/CeO2触媒を得た。
まず、上記により調製したFe/Co/CeO2触媒の粉末と、バインダーとしてのアルミナゾルと、溶媒としての水を磁性ボールミルポット中に仕込み、0.5時間混合及び粉砕して、スラリーを調製した。
次いで、調製したスラリーをステンレス鋼製のプレートフィンにおける改質ガス流の上流側から1/3までの部分にスプレー塗布し、130℃で通風乾燥したのち、400℃で1時間焼成した。なお、スラリーの塗布量としては、120g/Lとなるようにした。
そして、調製したスラリーを上記プレートフィンにおける上記Fe/Co/CeO2触媒の塗布済み部分(ガス流の上流側から1/3)以外の2/3の部分に、60g/Lとなるようにスプレー塗布し、同様に、130℃で通風乾燥したのち、400℃で1時間焼成し、改質部2とした。
なお、加熱部3の加熱方式としては、内部加熱方式を採用し、分離部4を構成する水素分離膜としては、厚さ15μmのパラジウム膜を用いた。
上記したプレートフィンの上流側1/3の部分に、Fe/Co/CeO2触媒に替えて、Co/CeO2触媒のスラリーを塗布して改質部2としたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本例の水素生成装置を得た。
上記したプレートフィンの上流側1/3の部分に、Fe/Co/CeO2触媒に替えて、Ni/CeO2触媒のスラリーを塗布して改質部2とした。これ以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本例の水素生成装置を得た。
上記したプレートフィンの下流側2/3の部分に、Rh−Na/Al2O3触媒に替えて、Pt/CeO2触媒のスラリーを塗布して改質部2としたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本例の水素生成装置を得た。
上記したプレートフィンの下流側2/3の部分に、Rh−Na/Al2O3触媒に替えて、Pd/CeO2触媒のスラリーを塗布して改質部2としたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本例の水素生成装置を得た。
Rh−Na/Al2O3触媒のスラリーを上記プレートフィンの全長に亘って塗布し、スラリー中に含有される触媒の質量(バインダーとしてのアルミナゾルを除く)がプレートフィンの体積に対して60g/Lとなるようにしたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって、本比較例の水素生成装置を得た。
上記実施例1と同様に作製した改質部2と加熱部4を使用し、分離部4を配置することなく、上記改質部2と加熱部4のみを組み立てて、本比較例の水素生成装置とした。
〈前処理〉
常圧の空気流(2L/分)中に、各実施例及び比較例により得られたそれぞれの水素生成装置をおき、改質部4のフィンプレートの温度が500℃となるように2分間保持した後、常圧の純水素気流(1L/分)中にさらに1時間放置した。
次に、エタノール及び水の混合物(反応液)を、S/C=2.0、及び液空間速度(LHSV:エタノールの流量(cm3/h)/モノリス触媒体積(cm3))=20h−1となるように上記各例の水素生成装置に供給した。
ここで、「S/C」とは、エタノール(炭素原子換算)の供給速度に対する水の供給速度の比、即ち、H2O供給速度(モル/秒)/(エタノール供給速度(モル/秒)×2)をいう。
エタノールからの水素生成量及び装置出口のメタン濃度(Wet%)を表1に示す。なお、水素生成量については、Rh−Na/Al2O3触媒のみを用いた比較例1に対する比をもって表記した。
このことは、本発明においては、貴金属触媒使用量を比較例1の2/3に抑えた上で、水素収率を向上させることができることになる。すなわち、改質触媒の塗り分けを行うことによって、Rh触媒等の高価な貴金属触媒量を削減でき、装置の低コスト化が可能になる。
2 改質部
3 加熱部
4 分離部
Claims (2)
- 改質触媒を備えた改質部と、該改質部を加熱する加熱部と、改質部で生成したガスから水素を選択的に透過する水素分離膜を備えた分離部を有し、上記改質部が燃料の脱水素反応及び/又は水蒸気改質反応が生じる上流部と、該上流部で生成したメタン及び/又は一酸化炭素の水蒸気改質反応が生じる下流部とに分かれ、上記改質部の上流部には、Pt、Rh及びPdのいずれをも含むことなく、Fe及びCoを含む触媒が配置されていると共に、上記改質部の下流部には、Pt、Rh及びPdから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む触媒が配置されていることを特徴とする水素生成装置。
- 下流部には、Rhを含む触媒が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の水素生成装置。
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