JP5396047B2 - ガラス用研摩材スラリー - Google Patents

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Description

本発明は、所定の粒度分布を有する研摩材粒子からなるガラス用の研摩材スラリーに関する。
近年、様々な用途にガラス材料が用いられている。特に光ディスクや磁気ディスク用ガラス基板、アクティブマトリックス型LCD(Liquid Crystal Display)、液晶TV用カラーフィルター、時計、電卓、カメラ用LCD、太陽電池等のディスプレイ用ガラス基板、LSIフォトマスク用ガラス基板、あるいは光学用レンズ等のガラス基板や光学用レンズ等においては、そのガラスの研摩面を高精度に加工することが行われている。
特に、最近のガラスの表面研摩においては、傷がなく優れた研摩面を素早く実現できる研摩技術が要求されている。このような要望に対応するものとして、例えば、特許文献1のような研磨液が提案されている。
この特許文献1の先行技術では、研磨材の粒度分布が二つ以上のピークを有することを特徴とするCMP用研磨液が開示されている。この先行技術によれば、高速研磨特性、低傷特性、高平坦化性能などの優れた研磨特性を備えた研磨液を実現できる。
特開2005−38924号公報
しかしながら、この特許文献1の研磨液は、粒径が90nmを超える研磨材を含むため、高精度の研摩面を要求する最近のガラス基板等に用いるには十分なものとはいえない。特に、ガラスの研摩面が算術平均表面粗さ(Ra)が0.1nm以下の研摩精度を要求されるものに対しては有効なものではない。
本発明は、以上のような事情の背景になされたもので、ガラスの研摩面を高精度に加工でき、比較的高速に研摩が可能なガラス用研摩材スラリーを提供することを目的とする。
本発明は、透過型電子顕微鏡により測定された研摩材粒子の最大粒径Tmaxが90nm以下であり、前記最大粒径Tmaxと、透過型電子顕微鏡により測定された研摩材粒子の平均粒径TavgとがTmax/Tavg≧3を満足し、該研摩材粒子の粒度分布が、少なくとも、平均粒径値付近に出現する第一ピークとTavgの3倍以上の粒径値付近に出現する第二ピークとを有することを特徴するガラス用研摩材スラリーに関する。
本発明のガラス用研摩材スラリーによれば、算術平均表面粗さ(Ra)が0.1nm以下の研摩精度を短時間に実現可能となる。
本発明のガラス用研摩材スラリーは、透過型電子顕微鏡により測定された研摩材粒子の最大粒子径Tmaxが90nm以下であることを要する。このように微細な研摩材粒子であれば、ガラスの研摩面に深い研摩傷を加えることが避けられ、より高精度の研摩面を実現できるようになるからである。
そして、本発明のガラス用研摩材スラリーは、透過型電子顕微鏡により測定された研摩材粒子の最大粒子径Tmaxと、透過型電子顕微鏡により測定された研摩材粒子の平均粒子径Tavgとが、Tmax/Tavg≧3を満足する必要がある。
さらに、本発明のガラス用研摩材スラリーは、研摩材粒子の粒度分布が、少なくとも、平均粒径値付近に出現する第一ピークと、Tavgの3倍以上の粒子径値付近に出現する第二ピークとを有することを特徴とする。このような2つのピークを少なくとも有する粒度分布を示す研摩材であると、高い研摩速度を実現できるようになる。
本発明における研摩材粒子の粒度分布は、透過型電子顕微鏡により観察される研摩材粒子により決定される。具体的には、透過型電子顕微鏡により、研摩材粒子個数として200個以上、好ましくは300〜500個の各粒子の粒径を測定し、その結果に基づき粒度分布を決定する。また、本発明における粒度分布のピークとは、粒度分布の構成する粒径の区間のうち、連続する3区間において、真ん中の区間が前後の区間の頻度(個数)より大きい場合をいう。
本発明に係るガラス用研摩材スラリーでは、平均粒径が5nm〜20nmの範囲にあることが好ましい。平均粒径が5nm未満であると、研摩速度が低くなる傾向となる。一方、平均粒径が20nmを超えると、ガラスの被研摩面の算術平均表面粗さ(Ra)が大きくなりやすくなるからである。
そして、本発明に係るガラス用研摩材スラリーでは、平均粒径が5nm〜20nmの範囲にある場合、第一ピークが5nm〜20nmの範囲に出現し、第二ピークが25nm〜60nmに出現することが好ましい。このような位置に2つのピークがあると、ガラスの被研摩面の算術平均表面粗さ(Ra)が十分に低い値となり、研摩速度は平均粒径の5nm〜20nmの範囲であって第一ピークしかない研摩材粒子からなる研摩材に比べ5倍以上も大きくなる。第1ピークが5nm〜20nmの範囲をはずれると、つまり、5nm未満であると研摩速度が低くなる傾向となり、20nm超えるとガラスの被研摩面の算術平均表面粗さ(Ra)が大きくなりやすくなる傾向となる。また、第2ピークが25nm〜60nmの範囲をはずれると、つまり、25nm未満であると研摩速度はあまり向上しなくなり、60nm超えると研摩材粒子の最大粒径Tmaxが90nmを超える傾向となり、研摩傷などを発生しやすい研摩材になる。
本発明のガラス用研摩材スラリーでは、研摩材がコロイダルセリア、コロイダルシリカ、またはコロイダルセリア及びコロイダルシリカの混合物のいずれかであることが好ましく、なかでもコロイダルセリアが特に好ましい。これらの研摩材を使用して研摩をすれば、ガラスの被研摩面の算術平均表面粗さ(Ra)を0.1nmにすることが容易となるからである。また、特にコロイダルセリアを用いると、研摩後のガラスの洗浄性が良好となり、ガラス表面への研摩材粒子の残留が生じにくくなることから望ましい。
本発明のガラス用研摩材スラリーは次のようにして製造することができる。まず、コロイダルシリカの場合は、均一な粒径の球状のものが市販されているため、粒径の異なる2種類を混合することによって製造することができる。つまり、大粒径の市販品(大粒径品と称す)と小粒径の市販品(小粒径品と称す)とについて、大粒径品平均粒径/小粒径品平均粒径≧3、大粒径品平均粒径≦90nmの関係を満足する2種類の市販品を適宜混合することにより、本発明のガラス用研摩材スラリーとなるコロイダルシリカを作製することができる。大粒径品平均粒径/小粒径品平均粒径の値が3に近い場合は、小粒径品の使用量を多くしないと、混合したものがTmax/Tavg≧3を満足しなくなる傾向となる。コロイダルシリカの場合は、粒径が比較的に均一なため、混合したもののTmaxが大粒径品の平均粒径よりわずかに大きくなるだけになる。そのため、大粒径品平均粒径/小粒径品平均粒径≧3の関係を満足する2種類のものを混合しないと、混合したものがTmax/Tavg≧3を満足させることが難しくなる。
そして、本発明のガラス用研摩材スラリーをコロイダルセリア、すなわち、酸化セリウムにより製造する場合は、次のようにして製造することができる。研摩材となる酸化セリウムは、水酸化セリウム(III)を酸化して酸化セリウムからなるセリウム系研摩材を製造する方法において、塩化セリウムとアルカリ性物質とを、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中で反応させて水酸化セリウム(III)を生成し、該水酸化セリウムを酸化して酸化セリウムとする手法による製造することが好ましい。尚、(III)とは、セリウムの価数が3価であることを示す。
この酸化セリウムの製造方法では、塩化セリウムとアルカリ性物質とを不活性ガス雰囲気下において反応させることとしているが、このような条件下での反応によると、急速に反応が進行するため、生成される水酸化セリウムの粒子が微細な正方晶となり、それを酸化することにより、立方体状で、微細な多角形粒子を生成することができる。そして、塩化セリウムとアルカリ性物質との反応を制御することにより、得られる酸化セリウム粒子の粒径を調整できる。
具体的には、水酸化セリウム(III)を生成させる反応は、塩化セリウムと、水酸化ナトリウムなどのアルカリ性物質とを、それぞれ一定の添加速度に保って溶媒に添加することで行えるが、この時の添加速度を変化させることで、異なる粒径の酸化セリウムを製造することができる。例えば、溶媒中に、塩化セリウムとアルカリ性物質とを同時に滴下する方法や、塩化セリウムとアルカリ性物質とを接触させた後、直ちに剪断する方法によって反応させることができる。このような方法によれば、反応時のゲル化が抑制されるとともに、水酸化セリウム(III))を均一な立方体形状で生成することが可能となる。このため、酸化工程が均一に進行しやすいものとなり、粒径が均一で、微細な粒子の酸化セリウムを得ることができる。
また、塩化セリウムとアルカリ性物質との反応は、液温60℃〜104℃、pH5〜9で行うことが好ましい。原料として塩化セリウム以外の硝酸セリウムや硝酸セリウムアンモニウム等を用いた場合、粒子径が大きくなる傾向となる。反応時の液温60℃未満であると、高粘度となり撹拌が困難となる傾向になり、104℃より高くするには、かなりの高圧条件で行う必要になる。また、pH5未満になると、粒径が大きくなる傾向となり、pH9を超えると、粒子形状が棒状になりやすく、研摩特性が悪くなる傾向となる。
そして、上記により得られた水酸化セリウム(III)は、酸化剤により酸化して酸化セリウムを製造する。酸化剤としては、過酸化水素水、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、オゾン等を使用できる。
上記製造方法により、異なる粒径の2種類のコロイダルセリアを準備し、それらを混合することにより、本発明のガラス用研摩材スラリーを製造することできる。混合するコロイダルセリアは、大粒径のもの(大粒径セリアと称す)と小粒径のもの(小粒径セリア品と称す)とを製造しておき、次の条件を満たすものを混合する。大粒径セリア平均粒径/小粒径セリア平均粒径≧2、大粒径品平均粒径≦70nmの条件が好ましく、大粒径セリア平均粒径/小粒径セリア平均粒径≧3、大粒径セリア平均粒径≦60nmの条件がさらに好ましい。このような条件で混合することで、混合したものがTmax/Tavg≧3を満足するものとなる。尚、コロイダルセリアの場合、流度分布にかなりの幅があるため、混合したもののTmaxが大粒径セリアの平均粒径よりかなり大きくなる。そのため、大粒径セリア平均粒径/小粒径セリア平均粒径<3であっても、このような関係の2種類のコロイダルセリアを混合したものがTmax/Tavg≧3を満足できる場合が多い。
本発明によれば、ガラスの研摩面を高精度に且つ、高速に研摩を行うことが可能となる。
本発明の最良の実施形態について、実施例及び比較例を参照しながら詳説する。
まず、初めにコロイダルセリアを使用した場合について説明する。コロイダルセリアの場合、目標平均粒径を20nm、50nmとした2種類の酸化セリウムを含む研摩材スラリーをそれぞれ製造した。
目標平均粒径20nmのコロイダルセリアは次のようにして製造した。まず、塩化セリウム水溶液を酸化セリウム換算で250g/L、水酸化ナトリウムを174.5g/Lになるようにそれぞれ調整した。次に200Lの反応槽中へ73Lの純水を加え、90℃以上まで加温し、脱気処理を行った。そして、さらに、窒素ガスを2.5L/分の流量で導入し、30分間放置することで、反応槽内を不活性雰囲気とした。
その後、塩化セリウム水溶液を260mL/分、水酸化ナトリウム水溶液を245mL/分の流量で、両者を同時に反応槽中へ投入し、強撹拌することにより混合した。この混合反応により、紫色の沈殿物が反応槽内に生成された。この得られた沈殿物は、X線回折分析(XRD)したところ、水酸化セリウム(III)と同定された。
反応槽内では、塩化セリウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液を槽内に投入したときから沈殿し始め、その時点からスラリー状態となり、槽内の撹拌(撹拌速度250rpm)を継続して、ある程度の熟成処理を行うことで、槽内は均一なスラリーとなった。そして、この水酸化セリウム(III)スラリーを液温90℃以上で反応が完結するまで10分間熟成処理を行った。その後、12質量%の過酸化水素水2400mLを流量80mL/分の速度で加え、酸化処理を行った。
酸化処理の反応完了後、得られたスラリーを回収し、クロスフロー型のろ過器にて、スラリー中のNaイオンが、<10ppm、Clイオンが<100ppmとなるまで脱塩処理を行った。得られたスラリー中の固形分をX線回折(XRD)にて分析したところ、酸化セリウム(IV)と同定された。
また、目標平均粒径50nmのコロイダルセリアは、上記した目標平均粒径20nmのコロイダルセリアの製造方法と同様で、相違する点は、塩化セリウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液との反応槽での混合である。目標平均粒径50nmのコロイダルセリアの場合、反応槽での混合は、塩化セリウム水溶液を200mL/分、水酸化ナトリウム水溶液を190mL/分の流量で、両者を同時に反応槽中へ投入することだけで混合し、強撹拌は行わなかった。この混合反応により、紫色の沈殿物が反応槽内に生成された。この得られた沈殿物は、X線回折分析(XRD)したところ、水酸化セリウム(III)と同定された。
反応槽内では、塩化セリウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液を槽内に投入したときから沈殿し始め、その時点からスラリー状態となり、槽内の撹拌(撹拌速度250rpm)を継続して、ある程度の熟成処理を行うことで、槽内は均一なスラリーとなった。そして、この水酸化セリウム(III)スラリーを液温90℃以上で反応が完結するまで10分間熟成処理を行った。その後、12質量%の過酸化水素水2400mLを流量80mL/分の速度で加え、酸化処理を行った。
酸化処理の反応完了後、得られたスラリーを回収し、クロスフロー型のろ過器にて、スラリー中のNaイオンが、<10ppm、Clイオンが<100ppmとなるまで脱塩処理を行った。得られたスラリー中の固形分をX線回折(XRD)にて分析したところ、酸化セリウム(IV)と同定された。
以上のようにして得られた目標平均粒径20nmのコロイダルセリアを固形分換算で57gとなるように2Lビーカーで計量し、目標平均粒径50nmのコロイダルセリアを固形分換算で143gを計量し、2Lビーカーにさらに投入した。そして、2Lビーカーに純水を加え、内容物が2000gとなるようにして固形分濃度が10重量%に調整した、コロイダルセリアによる研摩材スラリー(実施例1)を作製した。この研摩材スラリーを用いて石英の研摩評価を行った。研摩評価は、研摩速度と、研摩対象面の表面粗度を調べることよって行った。
研摩試験は、片面ポリッシングマシン((株)エムエーティー社製)を使用して行った。研摩条件は、石英ガラス(直径60mm)を被研摩物としてポリウレタン製の研摩パッドを用いて研摩した。そして、研摩材スラリーを25mL/minの速度で供給し、研摩面に対する圧力を9.0kPa(0.088kg/cm)に設定して研摩機回転速度を60rpmで30分間の研摩を行った。30分間の研摩処理を行い、研摩前後のガラス質量を測定して研摩によるガラス質量の減少量を求め、この値に基づき研摩速度を求めた。また、研摩精度については、研摩により得られたガラスの被研摩面を純水で洗浄し、無塵状態で乾燥させ、研摩精度の評価を行った。表面粗さは、研摩後のガラスの被研摩面について、10μm×10μmの測定範囲で、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope(AFM);日本ビーコ社製ナノスコープIIIA)で測定し、その表面粗さ値Raを算出した。
実施例1の研摩材スラリーでは、研摩速度が0.113μm/min、研摩面の算術平均表面粗さ(Ra)が0.070nmであった。
比較例1:比較のために、上記した目標平均粒径20nmのコロイダルセリアのみを用いた研摩材スラリーを作製した。上記実施例2で用いた目標平均粒径20nmのコロイダルセリアを固形分換算で200gとなるように2Lビーカーに計量し、純水を加え、内容物が2000gとなるようにした。このようにして固形分濃度が10重量%に調整した、目標平均粒径20nmコロイダルセリアによる研摩材スラリーを作製した。この研摩材スラリーを用いて石英の研摩評価を行った。研摩評価手法は、実施例1と同様である。
その結果、比較例1の研摩材スラリーでは、研摩速度が0.004μm/min、研摩面の算術平均表面粗さ(Ra)が0.067nmであった。
比較例2:比較のために、上記した目標平均粒径50nmのコロイダルセリアのみを用いた研摩材スラリーを作製した。目標平均粒径50nmのコロイダルシリカを固形分換算で200gとなるように2Lビーカーに計量し、純水を加え、内容物が2000gとなるようにした。このようにして固形分濃度が10重量%に調整した、粒径約50nmコロイダルセリアによる研摩材スラリーを作製した。この研摩材スラリーを用いて石英の研摩評価を行った。研摩評価手法は、実施例1と同様である。
その結果、比較例2の研摩材スラリーでは、研摩速度が0.225μm/min、研摩面の算術平均表面粗さ(Ra)が0.158nmであった。
次に、コロイダルシリカを使用した場合について説明する。平均粒径約20nmのコロイダルシリカ(商品名「コンポール20」:(株)フジミインコーポレッド製)を固形分換算で57gとなるように、2Lビーカーに計量した。そして、平均粒径約80nmのコロイダルシリカ(商品名「コンポール80」:(株)フジミインコーポレッド製)を固形分換算で143gを計量し、2Lビーカーに更に投入した。
2種類のコロイダルシリカが投入された2Lビーカーに純水を加え、内容物が2000gとなるようにし、固形分濃度が10重量%となるように調整し、コロイダルシリカによる研摩材スラリーを作製した。この研摩材スラリーを用いて石英の研摩評価を行った。研摩評価は、上記実施例1と同様にした。
実施例2の研摩材スラリーでは、研摩速度が0.050μm/min、研摩面の算術平均表面粗さ(Ra)が0.081nmであった。
比較例3:比較のために、上記した粒径約20nmのコロイダルシリカのみを用いた研摩材スラリーを作製した。上記実施例1で用いた粒径約20nmのコロイダルシリカを固形分換算で200gとなるように2Lビーカーに計量し、純水を加え、内容物が2000gとなるようにした。このようにして固形分濃度が10重量%に調整した、粒径約20nmコロイダルシリカによる研摩材スラリーを作製した。この研摩材スラリーを用いて石英の研摩評価を行った。研摩評価手法は、実施例1と同様である。
その結果、比較例3の研摩材スラリーでは、研摩速度が0.002μm/min、研摩面の算術平均表面粗さ(Ra)が0.067nmであった。
比較例4:比較のために、上記した粒径約80nmのコロイダルシリカのみを用いた研摩材スラリーを作製した。この比較例2は、実施例1で用いた粒径約80nmのコロイダルシリカを使用した以外は、上記比較例1の場合と同様な条件にて、研摩材スラリーを作製した。そして、この研摩材スラリーを用いて石英の研摩評価を行った。研摩評価手法は、実施例1と同様である。
その結果、比較例4の研摩材スラリーでは、研摩速度が0.014μm/min、研摩面の算術平均表面粗さ(Ra)が0.233nmであった。
続いて、各実施例及び比較例について、その粒度分布を調べた結果について説明する。
表1から表6に、各実施例及び比較例に関する研摩材粒子の粒度分布を調べた結果を示す。この粒度分布については、次のようにして作成した。
透過型電子顕微鏡により得られる粒子径(TEM径)は、次のようにして特定した。まず、透過型電子顕微鏡にて、1視野内に200個〜1000個の粒子が含まれる倍率によってTEM像を撮った。そして、そのTEM像写真上に、トレーシングペーパ或いはOHPシートを置き、総ての粒子の輪郭をトレースする。図1及び図2には実施例1の場合のTEM像写真及びそのトレース図面を、図3及び図4には比較例1の場合を、図5及び図6には比較例2の場合を示している。このようにして得られたトレース図面をスキャナー(フラットヘッドスキャナーCanonScan8200F:出力解像度400dpi)により読み込み、電子データ化して、画像解析ソフト(Image Pro Plus:Media Cybernetics社製)により、対象物(個々の粒子)の重心を通る径を2°刻みで測定し、その平均値をその粒子の粒径とし、電子データ化された総ての粒子の粒径を測定し、その合計を粒子個数で割ることにより、平均粒径Tavgを特定した。また、個々の粒子の粒径値から、以下の表1〜表6に記載する粒径区間に対して、その個数をカウントして、粒度分布表を作成した。
本実施例のおける研摩材粒子の最大粒径は90nmであるので、粒度分布の区間は、0〜100nmの間を5nm間隔でデータ区間を設けた。各粒度分布表を以下に示す。
表1〜表3とその研摩評価の結果より、コロイダルセリアの場合では、実施例1のように、その粒度分布に二つのピークがあり、最大粒子径Tmaxと平均粒子径TavgとがTmax/Tavg≧3を満足するものでは、比較例1と比べると、被研摩面の表面粗さは同等レベルであるが、その研摩速度は30倍近く速くなることが判明した。また、比較例2と比べた場合、研摩速度はやや遅くなるものの、被研摩面の表面粗さは格段に小さくなることが判明した。
表4〜表6とその研摩評価の結果より、コロイダルシリカの場合では、実施例2のように、その粒度分布に二つのピークがあり、最大粒子径Tmaxと平均粒子径TavgとがTmax/Tavg≧3を満足するものでは、比較例3と比べると、被研摩面の表面粗さは同等レベルであるが、その研摩速度は25倍近く速くなることが判明した。また、比較例4と比べた場合、研摩速度も3倍強早くなり、被研摩面の表面粗さは格段に小さくなることが判明した。
実施例1のTEM像。 実施例1のトレース図面。 比較例1のTEM像。 比較例1のトレース図面 比較例2のTEM像。 比較例2のトレース図面。

Claims (2)

  1. 透過型電子顕微鏡により測定された研摩材粒子の最大粒径Tmaxが90nm以下であり、
    前記最大粒径Tmaxと、透過型電子顕微鏡により測定された研摩材粒子の平均粒径TavgとがTmax/Tavg≧3を満足し、
    該研摩材粒子の粒度分布が、少なくとも、平均粒径値付近に出現する第一ピークとTavgの3倍以上の粒径値付近に出現する第二ピークとを有し、
    第一ピークが5nm〜20nmの範囲に出現し、第二ピークが25nm〜60nmに出現するものであり、研摩材がコロイダルセリアであることを特徴とするガラス用研摩材スラリー。
  2. 平均粒径が5nm〜20nmの範囲にある請求項1に記載のガラス用研摩材スラリー。
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