JP5395669B2 - 血液試料中の第xa因子インヒビターの電気化学測定のための方法および装置 - Google Patents

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Description

(発明の分野)
本発明は、血液試料中の、第Xa因子インヒビター、特にヘパリンおよびヘパリン誘導体ならびに直接の第Xa因子インヒビターの電気化学測定のための方法に関する。
また、本発明は、血液試料中の、第Xa因子インヒビター、特にヘパリンおよびヘパリン誘導体ならびに直接の第Xa因子インヒビターの電気化学測定のための、乾燥化学に基づいた試験エレメントおよび試験エレメント分析系に関する。
(先行技術)
特にヘパリンをも含む抗凝固剤は、血液停止障害(凝固系の障害)の予防および治療の臨床実施でよく使用される。ヘパリンおよびヘパリン誘導体は血栓塞栓症の治療および予防に特に使用される。これらは、足静脈血栓、肺血栓の予防および治療、ならびに不安定な狭心症および急性心筋梗塞の治療に非常に有効である。また、これらは、手術中、特に心臓学手順(バイパス)および輸血によく使用される。
ヘパリンの作用は主に、アンチトロンビンIII(ATIII)との相互作用に基づき、結果としてこれらがATIIIの構造を変化させる。これは、特定の凝固酵素(トロンビン(FIIa)、第Xa因子(FXa)および第IXa因子)の不活性化を促進し、その結果凝固が延長される。従って、ヘパリンは第Xa因子インヒビターとして分類され得る。他の第Xa因子インヒビターは、例えば、なお臨床開発中であり、異なる種類の物質に特定され得る五糖フォンダパリヌクスまたは低分子量の直接の第Xa因子インヒビターのような特定のオリゴ糖類である。長期間使用されてきた未分画ヘパリン(UFH)の他に、様々な分画ヘパリンまたは低分子量ヘパリン(LMWH)が1980年代の終わりから使用されている。分画ヘパリンは現在、多くの表示でUFHと置き換えられており、化学または酵素脱重合によって未分画ヘパリンから調製されて標準ヘパリンのわずか約1/3の大きさを有する断片を形成する。中でも、これはトロンビンに対するこれらのLMWHの効果を弱めるが、第Xa因子が優先的に不活性化される。分画ヘパリンは、さらに有利な薬物動態学の結果として従来の未分画ヘパリンよりも他の利点を有する。臨床作用および重要性に関してこれらの種類の物質の概説が、「Heparin and Low-Molecular-Weight Heparin」(Mechanisms of Action, Pharmakokinetics, Dosing, Monitoring, Efficacy and Safety), Hirsh et al.; Chest 2001; 119:64p-94pに見ることができる。
未分画ヘパリンを投与された患者は、出血傾向が増大する可能性がある過量または止血のリスクが増大する不十分な量を回避するために、生物学的利用能、タンパク質結合および30〜150分の短い半減期の個体の変動のためにモニターされる必要がある。UFHを用いる臨床通例治療では、活性化された部分トロンボプラスチン時間(aPTT)を用いて、また、トロンビン凝固時間(TCT)もしくは活性化された凝固時間(ACT)によっても、これを最も頻度高くモニターする。これらのアッセイは、トロンビンが誘導したフィブリン凝固の形成を非特異的に反映するために、いわゆる包括的アッセイである。aPTT試験は、内因系の因子の活性を主に測定するが、主にトロンビンに対するヘパリンの阻害効果に対して感度が高い。aPTT試験は0.1〜0.7U/mlのヘパリン範囲について感度が高いが、aPTTの正常範囲およびその治療範囲は、使用される試薬および分析器に非常に強く依存する。別の制限要因は、特に血液試料が非常に長い間放置された後に偽の結果をよくもたらす試料の安定性である。中でも、かかる包括的凝固アッセイのさらなる不都合は、再現性のある結果を達成するために特別に訓練された個人を必要とするよくある複雑な実験手順およびこれらの試験の比較的高い試薬の消費である。
改善された薬物動態学のために低分子量ヘパリンを投与する場合に正常な患者のモニタリングは絶対に必要ということはない。しかし、治療の開始時に治療をチェックすることが推奨され、これは、腎臓排出の変化のために腎臓機能不全を有する患者の場合に特に必要であり、極端な体重を有する患者、新生児、子供および妊娠女性に推奨されるか、あるいは数週間ヘパリンを使用する場合または新しい外傷もしくは手術後に推奨される。
臨床通例では、LMWHをモニターするためにaPTTが上記の全てに使用されるが、この試験は、この抗凝固剤に対する不十分な感度のみを有し、使用される検出試薬に非常に強い程度でさらに依存する。
FXa試験は、低分子量ヘパリンの効果をモニタリングするための適切な検出試験である。
以前のFXa試験は通常、発色試験が第Xa因子活性を測定し、凝固試験が凝固を測定する場合の発色試験または凝固試験として行われる。両方の試験原理は同じ試験手順に従う:
1. FXa + [ヘパリン/アンチトロンビンIII] → [FXa/ヘパリン/ATIII]複合体+残存するFXa
2. a) 残存するFXaがFXa-特異的基質の発色残基を切断する(発色試験)
b) 残存するFXaがプロトロンビンを切断してトロンビンを形成する(トロンビンが誘導したフィブリン架橋を介した凝固試験)
試料を添加する場合に、試験試薬中に所定量で存在する第Xa因子は、試料に含まれるヘパリンおよびアンチトロンビンIIIと結合し、これらと不活性化複合体を形成する。残存する第Xa因子は発色基質を切断するかまたは試料中に含まれる他の凝固因子によってトロンビンを形成するかのいずれかであり、トロンビンは、フィブリノーゲンを切断してフィブリンを形成する(凝固形成)。多かれ少なかれ基質は第Xa因子の活性に依存して切断される。次に第Xa因子の活性は、試料に含まれるヘパリンの量に依存する。発色試験は試料中のFXa活性に特異的であるが、凝固試験はFXa活性を限定的に測定するだけでなく、それにも関わらずaPTTよりもLMWHに対する感度がさらに高い。
いくつかの発色試験の他に、ごく少ない凝固試験(Sigma Company製Heptest、Pharmanetics Company製のENOX試験)が市販されている。様々な試験は、これらの試験が異なる終点を有するために、互いにかつaPTTと適度に相関するだけである。発色試験は、凝固時間ではなく活性を生じる。しかし、凝固時間と第Xa因子活性との間で適度に相関するだけである。さらに、これらの発色試験は、血漿の分離を必要とし、これらの試験は全血試料中で直接的に使用することができない。複雑な試料調製およびプロセス工程ならびに必要なデバイスの結果として、これらの測定方法は、時間を浪費し、多くの作業が必要であり、複雑な装置を要する。Heptestは、結果として凝固時間を生じるが、同じヘパリン濃度でも患者の異なるヘパリン感度に依存して非常に異なり得る。さらに、試験結果が読み取られ得るヘパリン校正曲線を確立することが必要である。現在まで、1つの第Xa因子試験だけが、乾燥化学試験として利用可能であり、また、Bayer AG製の高速瞬間分析器で試験カードを用いて行うその場で行う(Point of Care)装置(Pharmanetics Co.製ENOX試験)に適している。この試験は、経皮管腔通過血管形成用エノキサパリン(Enoxaparin)の使用のために特別に開発され、>1U/mlおよび<1U/mlのエノキサパリン濃度を区別するだけであり、特に他の分画ヘパリンおよび未分画ヘパリンが試験に干渉するために低分子量ヘパリンの通例モニタリングに不適切である。
WO 03/050298には以下のようにこの乾燥化学FXa試験の原理が記載されている: 検査される試料、好ましくはクエン酸処理された全血は、少なくとも第Xa因子アクチベーター、好ましくはラッセルクサビヘビ毒(Russels Viper Venom)および均一に分散された磁性粒子を含む乾燥化学試薬と混合される。試料に含まれる第X因子は、試薬に含まれる第Xa因子アクチベーターによって第Xa因子に転換され、次に、第Xa因子はプロトロンビン-トロンビン転換を介したフィブリノーゲンのフィブリンへの転換をもたらし、従って凝固の形成をもたらす。この凝固は、外部振動磁場によって生じる反応混合物中の磁性粒子の運動を観察することによる光学方法の手段によって検出される。つまり、この試験原理は、第Xa因子の他にさらなる酵素および補因子を含み、第Xa因子によって誘発される多段階反応カスケードの検出反応の経過中だけに形成されるフィブリン凝固の形成に基づいている。従って、例えば、フィブリンの重合および架橋には、カルシウムイオン、およびトロンビンに依存した活性化によって不活性な第XIII因子から形成される活性化された第XIIIa因子の存在が必要とされる。従って、フィブリン凝固の測定による第Xa因子の測定はまた、他の不可欠な因子およびありうる干渉影響に依存する。この間接的な測定方法の他に、WO 03/050298に記載される検出方法は、第Xa因子の測定のための複雑な検出および評価系を必要とする。従って、一方では、凝固反応が起こる試験担体は、試薬および磁性粒子と試料との良好で均一な混合を確実にする特別なデバイスを有する必要があり、他方では、第Xa因子活性を測定するための評価系は、例えば運動可能な永久磁石および照射して磁性粒子の運動を測光的に検出するための光学系による、振動磁場を生成するためのデバイスを有する必要がある。
WO 01/63271には、一般的に、不活性担体上に少なくとも2つの電極を有し、血液凝固または個々の凝固因子を測定するための乾燥化学に基づく電気化学センサー、および血液凝固系のプロテーゼによって切断され得、カルボキシル末端を介して置換アミン、特にフェニレンジアミン残基にアミド結合されるペプチド残基からなるプロテアーゼ基質を含む乾燥試薬が記載されている。プロテアーゼが誘導した切断の後に、これらの置換アミンは、2型の電子キャリアとして働き、プロテアーゼ活性の電気化学測定に使用され得る。凝固時間がプロテアーゼトロンビンの活性を介して測定されるaPTT、PTまたはACT等のいわゆる包括的試験の他に、WO 01/63271には、個々の凝固因子またはそのインヒビターを測定するために使用され得る試験も記載されている。この場合、WO 01/63271は、測定される凝固因子のために特に設計された基質、プロテアーゼによって特異的に切断され得るように測定されるためにプロテアーゼに特別に適合されるペプチド部分、および電気化学的に検出可能な粒子がこのプロテアーゼ活性を特異的に反映する置換アミンの使用を教示する。第Xa因子試験に適用する場合に、これは、第Xa因子によって切断され得、カルボキシル末端が置換アミン、特にフェニレンジアミン残基にアミド結合されるペプチド残基からなるプロテアーゼ基質の使用を意味する。この程度まで、試験原理は発色性第Xa因子試験の原理と類似し、第Xa因子特異的基質の酵素切断産物がまた、第Xa因子を測定するために使用される。
(発明の目的)
本発明の目的は、先行技術の不都合を回避する、血液試料中の第Xa因子インヒビターの測定方法および測定デバイスを提供することである。
特に、本発明の目的は、時間、装置または労力に関して少ない要件で特別に訓練されていない個人でも単純に行うことができ、短時間で信頼性のある結果をもたらす、血液試料中の第Xa因子インヒビターの測定方法を提供することである。
特に、本発明の目的は、可能な限り最小数のプロセス工程および必要な試薬および/または装置で単純に実施および管理することができ、その結果例えば集中治療室または病棟での直接的な高速分散分析を可能にする、血液試料中の第Xa因子インヒビターの測定方法を提供することである。
特に、本発明の目的は、全血中の直接的な測定を可能にして任意の複雑な試料調製工程を要しない、血液試料中の第Xa因子インヒビターの測定方法および測定デバイスを提供することである。
特に、本発明の目的は、試薬の保管寿命および安定性の要件を満たし、できるだけ正確で特異的な測定を可能にする、血液試料中の第Xa因子インヒビターの測定方法および測定デバイスを提供することである。
特に、本発明の目的は、血液試料中の、ヘパリン、特に分画ヘパリンまたは低分子量ヘパリンならびに直接の第Xa因子インヒビターの測定方法および測定デバイスを提供することである。
(本発明の解決)
本発明は、独立した特許請求項に記載されるこれらの目的を達成するための、血液試料中の第Xa因子インヒビターを測定するための方法、電気化学試験エレメントおよび試験エレメント分析系を提供する。好ましい態様は従属した請求項に記載されている。
これらの目的を達成するために、本発明は、血液試料中の第Xa因子インヒビターの測定方法を記載するが、この方法は、第一工程において、分析される血液試料と、トロンビンによって切断され得、カルボキシル末端を介して電気発生物質にアミド結合されるペプチド残基からなる少なくとも1つのトロンビン基質を含む検出試薬と、既知量の第Xa因子とを接触させて、続いて第二工程において、第Xa因子媒介トロンビン活性化によってトロンビン基質から切断される電気発生基質の量または活性および/またはその時間経過を、電気化学方法を用いた測定シグナルとして測定し、最終的に第三工程において、分析される血液試料中の第Xa因子インヒビターの量またはそれに相当する測定量、特にそれに相当する凝固時間をこの測定シグナルに基づいて測定することを特徴とする。
本発明によれば、既知量の第Xa因子が方法の第一工程で第Xa因子試薬として直接添加されるのではなく、むしろ既知量の第X因子試薬および第X因子の第Xa因子への転換をもたらすアクチベーター試薬を試料に添加することによって起こる。
図1は、本発明の方法に対応する電気化学的第Xa因子インヒビター測定の最初の測定された結果の例を示す。 図2は、試験エレメント上のアクチベーター試薬および検出試薬/第X因子試薬の組合せの試薬ラインの異なる配置による、電気化学的トロンビン測定の結果を示す。
本発明による方法は、例示する実施例に基づいてさらに明らかにされる:
試験原理は、少なくとも1つの切断産物が電極で電気化学的に測定される電気化学測定によって第Xa因子が誘導した凝固反応の結果として形成されるトロンビンの酵素活性の測定に基づいている。トリペプチド部分のカルボキシル末端を介して電気発生物質とアミド結合される例えば還元Chromozym TH (トシル-グリシ-プロリル-アルギニン-4-ニトロアニリドアセテート)のようなトリペプチド基質が、トロンビン特異的基質として特に使用され得る。かかる電気発生基質は、例えばWO 01/63271に記載されており、特に置換アニリン、特にニトロアニリン誘導体またはフェニレンジアミンであり得る。検出反応は以下のように進行する:
酵素トロンビンは基質から電気発生物質を切断し、該物質は本実施例でフェニレンジアミンであり、電極上でフェニレンジアミンに酸化される。好ましい態様において、補助物質が、切断産物の量と相関する電流強度を測定し得る結果として例えばリザズリンからレゾルフィンへの切断産物の酸化と同時に還元される。従って、本発明の電気化学反応において、リザズリンは陰極で補助物質として還元され、フェニレンジアミンが陽極で酸化される。2つの電極系が、好ましくはトロンビン活性の電気化学測定に使用され、作用電極での電位が一方でトロンビンから放出されるフェニレンジアミンを酸化するほど十分に高く、他方でトリペプチドの残余基が還元されないほど十分に低いように選択される。陰極(作用電極)と陽極(対極)との間での電位差がポテンシオスタットによって制御される。本実施例において、約550mVの電位差が、所望の反応だけが電極で生じることができるように適切な電位差として選択され得る。
本発明による方法に関して、この電気化学試験原理が以下のような第Xa因子インヒビター試験に使用される:
反応混合物中には、検出試薬の他に、既知量の第X因子試薬および第X因子を第Xa因子に転換するアクチベーター試薬を添加することによって形成される既知量の第Xa因子が存在する。分析される血液試料は、測定される第Xa因子インヒビター、好ましくはヘパリンを含む。このインヒビターは、反応混合物中に既知量で過剰に存在する第Xa因子および血液試料中に存在するアンチトロンビンIIIとの化学量論複合体を形成する。このプロセスにおいて、残余量の第Xa因子が残り、その濃度は試料中の第Xa因子インヒビターの濃度に依存する。これは血液試料中に存在するプロトロンビンと(およびそこに存在する第Va因子とも)反応し、プロトロンビン複合体および続いて上記のような電気発生物質のトロンビン依存性酵素切断および物質の電気化学検出によって測定され得るトロンビンを形成することができる。
第Xa因子インヒビターが試料中に多く存在するほど、ATIIIと複合体を形成した後に残余する第Xa因子が少なくなり、トロンビンの形成が少なくなる。本測定原理は厳密な意味で凝固時間を検出せず、即ち、これはフィブリンの形成を用いる凝固試験ではなくむしろ電気化学方法によるトロンビン形成の時間経過の測定である。
実施例2および図1は、例としての本発明の方法によるかかる電気化学トロンビン測定の結果を示す。
活性化された第Xa因子とトロンビン検出試薬との本発明による使用は、この場合において切断され、第Xa因子活性を測定するために使用される人工的な第Xa因子特異的基質ではなく、むしろ第一にトロンビンが生理学的凝固のように形成されるために、WO 01/63271に記載される発色性第Xa因子試験および方法と比べて凝固系の生理学的状態について多くの情報を与える。本発明によるこのトロンビンの形成は、トロンビン特異的基質を用いて電気化学的に測定され得、例えば適切なアルゴリズムを用いて凝固時間に変換され得る。第Xa因子が誘導したフィブリン凝固の形成の測定に基づくHeptestまたはENOX試験のような第Xa因子インヒビター試験と比べて、本発明は、電気化学方法による測定がかなり単純であり、少ない集約的な労力および単純な装置で行うことができるという利点を有する。第Xa因子活性は、本発明による方法を用いて、生理学的凝固カスケード中で第Xa因子の下流にある第一天然凝固因子(トロンビン)の活性で測定されるために、一方で第Xa因子インヒビターの生理学的活性が、非生理学的な第Xa因子基質を使用するWO 01/63271に記載される発色試験および方法を用いるよりも天然の系に近い様式で、測定され、他方で第Xa因子活性の検出が、第Xa因子が誘導したフィブリン凝固の形成の測定に基づく試験を用いる場合よりも凝固カスケードでの初期点で行われ、その結果トロンビン形成とフィブリン凝固形成との間での下流凝固因子は第Xa因子活性の測定に対する影響がない。これによって、より正確で特異的な情報が以前の既知試験を用いるよりも生理学的系の第Xa因子活性について得られる。
発色測定方法とは対照的に、使用される電気化学方法で干渉し特に色が付いた血液成分を分ける必要はないために、本発明の解決によって、特に全血中の第Xa因子インヒビターの測定が可能になる。対照の電極を検出に使用される電気発生物質に適合させることによって、例えば選択される電極電位を適合することによって、試料または試薬中で生じる潜在的に干渉する他の物質によって実質的に影響を受けない検出に使用される電気発生物質を検出することができる。
本発明によれば、第Xa因子インヒビターを測定するために、少なくとも以下の物質: 既知量の第X因子、アクチベーター試薬および検出試薬として電気発生物質が酵素で切断され得るペプチド性トロンビン基質を、調べる試料に添加することが必要であるか、またはこれらの物質が試料中に存在しなければならない。
しかし、広く使用されるChromozym THなどのトロンビン試験に使用される多くの既知のトロンビン基質は、絶対的で限定的なトロンビン特異性を有さないが、他の酵素によっても切断され得る。
凝固第Xa因子は、セリンプロテアーゼであり、本質的にプロトロンビンのアミノ配列-Ile-Glu-Gly-Arg-を認識し、この配列を切断することによって天然基質プロトロンビンを活性化してトロンビンを形成する。この生理学的基質の他に、第Xa因子はまた、この切断配列または他の切断配列を有する他のペプチドを酵素的に切断し得る。従って、ペプチド性トロンビン基質、特に広く使用されるChromozym THはまた、第Xa因子によって切断され得る。この第Xa因子の低い基質特異性は、特に第Xa因子によって切断され得るかかるトロンビン基質が検出試薬として使用され、試料を添加する前に既に第Xa因子と接触してそれによって転換され得る場合に、本発明による方法における問題をもたらし得る。結果として、トロンビン基質の一部は既に転換され得、その結果これがもはやトロンビン媒介検出反応に利用可能ではなく、従って測定の結果に影響を及ぼす。かかる望ましくない副反応は、特に第Xa因子およびトロンビン基質が長期間接触する場合、例えばこれら2つの物質が液体検出試薬に同時に導入される場合に、生じ得る。
前述の例示的な測定系に関して、これは、第Xa因子およびトロンビン基質として使用される還元Chromozym THが検出反応の開始前に長期間すでに互いに反応し得る場合に、トロンビン基質の一部が既に切断され、従って多くの不明確な量の切断された電気発生物質が試薬中に既に存在することを意味する。特に2つの物質が液体試薬中に共に存在するか、または乾燥化学試験の場合において生成中に液体形態で接触する場合に、このようなことが生じ得る。従って、2時間の共存時間は、第Xa因子の作用だけによって、存在する還元Chromozym THの約25%を切断するのに十分であり得る。かかる第Xa因子が誘導した未成熟な基質分解の結果、本発明による電気化学方法の場合において、特に測定シグナルが高い電流強度に対してオフセットであり、また、第Xa因子の酵素作用によって試料中にすでに放出されたフェニレンジアミンが電気発生物質として存在するために、還元Chromozym THのトロンビン誘導切断の開始前に測定シグナルが既に最小での高い電流強度を有する。
本発明によれば、第Xa因子が誘導した未成熟な基質分解の問題は、既知量の第X因子試薬およびタンパク質分解的に不活性な第X因子のタンパク質分解的に活性な第Xa因子への転換をもたらすアクチベーター試薬を試料に添加することによって既知量の第Xa因子が反応混合物中に得られることで少なくとも部分的に解決される。
驚くべきことに、本発明による方法は、特に単純で安定な試験エレメントアセンブリがこの試薬組み合わせによって達成され得ることを示した。不活性な第X因子ではなく活性化された第Xa因子がアクチベーター試薬の添加または活性化前に試薬に存在しないという事実によって、検出試薬が、第Xa因子が誘導した未成熟な基質分解によって生じる測定を干渉することなく、測定反応の開始前に第X因子と接触することが可能とされる。
特に好ましい態様において、血漿凝固の外因性経路に関わるアクチベーターまたは複合体は、アクチベーター試薬として使用される。特に、組織因子および/または第VIIa因子のような天然アクチベーターまたは凝固因子が、アクチベーター試薬として使用され得、天然アクチベーターまたは凝固因子の他に合成的に作製したアクチベーターのような他のアクチベーターを使用することも可能である。
さらに好ましい態様において、血漿凝固の内因性経路に関わるアクチベーターまたは複合体が、アクチベーター試薬として使用される。特に、第XIIa因子のような天然アクチベーターもしくは凝固因子、またはラッセルクサビヘビ毒(RVV-X)のような第X因子の第Xa因子への転換をもたらす物質が、アクチベーター試薬として使用され得、これらの天然アクチベーターの他に合成的に調製したアクチベーターのような他のアクチベーターも使用され得る。
この場合において、アクチベーター試薬は、測定の前または測定の経過中に外部試薬として試料または他の試薬に添加され得るか、あるいはこれは血液試料中に既に存在し得る。このことは第Xa因子の活性化のプロセスまたは検出反応に必要なさらなる物質にも同様に適用される。従って、特に第V因子またはアンチトロンビンのようなさらに必要な凝固因子が分析される血液試料によって提供され得る。
この変形の特に好ましい態様において、第X因子試薬が、アクチベーター試薬の試料への添加とは空間的または経時的に隔てて試料に添加される。
第X因子試薬およびアクチベーター試薬の分離は、第X因子の第Xa因子への望ましくない未成熟な転換を回避する。これは、測定の開始にできるだけ正確な既知の第Xa因子の量に基づいており、次に第Xa因子インヒビターの測定に対して重大な影響を及ぼす。この場合において、第Xa因子試薬の試料への添加は、アクチベーター試薬の試料への添加とは空間的および/または経時的に隔てられる。
乾燥化学試薬は通常、試験エレメント上にライン形態で溶液としてこれらを利用して、乾燥化学形態で存在するように溶媒を除去することによって試験エレメントに適用される。乾燥化学形態の試薬は湿潤化学試薬よりも保管寿命および安定性に関して実質的に高い要件をしばしば満たすために、これは特に有利である。より活性ではあるがより不安定な溶解形態への移行は、液体の供給により乾燥化学試薬を再溶解することによって、好ましくは分析される血液試料にこれらを直接溶解することによって、所定の時間で起こる。
試験エレメント上で異なるコンパートメントに種々の試薬を配置し得ることで、第Xa因子インヒビターの測定の開始までこれらの試薬間での接触を実質的に妨げる。また、これによって、これらの試薬の望ましくない副反応が大きく抑制される。様々なコンパートメントに存在する試薬は、好ましくは試料液体と別のものと接触するだけである。湿潤化学方法において、これは、例えば試薬溶液が異なる液体空間に存在し、第Xa因子インヒビターの測定の開始時に試料と接触だけすること、例えば試薬溶液がポンプによってこれらの空間から試料に添加されること、または試料が異なる液体空間から連続して流れることで達成され得る。
アクチベーター試薬および第Xa因子試薬の試料への空間的または経時的に隔てた添加をもたらす好ましい方法およびデバイスは、特に別々の試薬ラインの形式で形成され得る。
また、本発明によって第Xa因子インヒビターを測定するために、検出試薬が第X因子試薬およびアクチベーター試薬の他に存在しなければならない。これらの試薬は、測定の開始前に少なくとも部分的に空間的に隔てたコンパートメントに存在し得る。本発明によれば、第Xa因子は検出反応の開始前に存在すべきではないので、好ましい態様において、第X因子試薬またはアクチベーター試薬が検出試薬と共に存在することも可能である。このことはまた、湿潤化学方法の場合において試薬の一緒の持ち運びおよび混合に同様に適用される。従って、この場合において、第X因子試薬またはアクチベーター試薬は、試薬溶液中の検出試薬と共に存在し得る。欠けている試薬成分(第X因子試薬またはアクチベーター試薬)がこの試薬混合物に添加されて始めて第Xa因子が形成される。
これらの試薬混合物によって、より少ないプロセス工程または試薬コンパートメントを要し、従って製造が簡単で経済的であり、取り扱いが容易な測定方法およびデバイスが可能になる。
特に好ましい態様において、第X因子試薬は、検出試薬の成分であり、この検出試薬/第X因子試薬の組み合わせの試料への添加は、アクチベーター試薬の試料への添加と空間的または経時的に隔てられる。
アクチベーター試薬および検出試薬/第X因子試薬の組み合わせが空間的に隔てた様式でまたは別々の時間で試料に添加されるのを可能にする好ましい方法およびデバイスは、アクチベーター試薬および第X因子試薬が空間的に隔てた様式でまたは異なる時間で、特に別々の試薬ラインの形式で試料に添加されるのを可能にする以前に記載された方法およびデバイスと同様に設計され得る。
特に、検出試薬/第X因子試薬の組み合わせはアクチベーター試薬の添加後に添加され得る。好ましい態様において、試薬は試料の流れの方向に連続して試薬ラインを配列することによって空間的に隔てられて、従って試薬が試料によって連続的に活性化され、試料への部分的にずらした添加に対応する。この場合において、試薬ラインは、互いに隔てられて存在するか、または互いに接触し得、例えば互いに隣接し得るか、または互いの先端で全体的に適合され得るかあるいは部分的に互い違いに配列され得る。特に好ましい態様において、アクチベーター試薬の試薬ラインは、試料の流れの方向において検出試薬/第X因子試薬の組み合わせの試薬ラインの前に少なくとも部分的に適合され、好ましくは部分的に重複する試薬ラインまたは互いの上にある試薬ラインの形式で適合され、ここで後者の場合、アクチベーター試薬の試薬ラインは検出試薬/第X因子試薬の組み合わせの試薬ラインの上に適合される。
実施例3および図2は、試験エレメント上でのアクチベーター試薬および検出試薬/第X因子試薬の組み合わせの試薬ラインの種々の配置を用いた電気化学トロンビン測定の例を示す。
この変形のさらに好ましい態様において、第X因子試薬はアクチベーター試薬を試料に添加する共通工程で試料に添加される。
湿潤化学反応の場合において、これは、例えば両方の試薬をそれぞれの保存コンパートメント(保存容器)から試料に、例えばポンプまたはピペットによって共に添加することによって行われ得る。しかし、第X因子試薬およびアクチベーター試薬が最初に互いに添加され、第Xa因子を形成するこの試薬混合物が次に試料に添加されることも可能である。
特に好ましい態様において、第X因子試薬およびアクチベーター試薬の両方は乾燥状態で存在しており、第X因子が試料と接触することによってのみ第Xa因子に転換する。
乾燥化学試薬を使用することで、試薬間で化学反応を生じることなく不活性な形態で試薬を一緒に保存することが可能になる。試薬は、乾燥化学試薬が湿るまでは、互いに反応し得るような状態に転換されない。この乾燥化学試薬の「活性化」は、好ましい態様において液体血液試料自体によって影響を受ける。
特に好ましい態様において、第X因子試薬、アクチベーター試薬および検出試薬は乾燥化学試薬として存在し、第X因子が試料と接触するまで第Xa因子に転換されない。
乾燥化学試薬を使用することで、試薬間で化学反応を生じることなく不活性形態で試薬を一緒に保存することが可能になるので、本発明のこれらの方法およびデバイスは、未成熟第Xa因子誘導性のトロンビン基質分解を生じることなく、第Xa因子インヒビターの測定に必要な全ての試薬を共通のコンパートメントに保存することが可能になる。液体試料を添加した場合にのみ、実質的に規定された開始点および時間経過で第X因子は第Xa因子に転換するので、最終的に、試料中には既知の量の第Xa因子が存在し、これが本発明の原理に従った第Xa因子インヒビターの測定の基礎をなす。このことは基本的に、当業者に公知の方法を使用して、第Xa因子インヒビターの測定に必要な全ての試薬が単一の乾燥化学試薬のラインまたはスポットにおいて混合されることを可能にし、簡単かつ経済的な製造および簡単かつエラーが生じにくい取り扱いを可能にする。
第Xa因子インヒビターを測定するための本発明の方法およびデバイスは、ヘパリン、特に分画ヘパリンまたは低分子量ヘパリンの測定に特に有利に使用することができる。本発明の方法およびデバイスを使用して有利に測定可能な他の第Xa因子インヒビターは、特に間接的な選択性第Xa因子インヒビターまたは直接的な第Xa因子インヒビターであり得る。
本発明の意味における第Xa因子インヒビターは、第Xa因子の活性、特に活性の減少に直接または間接的に影響する全ての物質とみなすことができ、凝血カスケードの過程に影響する、特に凝血カスケードの過程を阻害する。直接的な第Xa因子インヒビターは第Xa因子に直接的な影響を与えて第Xa因子の活性に影響し、一方で間接的な第Xa因子インヒビターは第Xa因子と直接は相互作用しないが、第Xa因子の量および形成に影響を有するか、または第Xa因子の活性化に補因子を必要とする。第Xa因子インヒビターは、例えば第Xa因子よりも以前の凝固カスケード中に存在する凝固因子に作用する抗凝固剤であってもよく、第Xa因子の形成および/または調節に関連する。間接的な選択性第Xa因子インヒビターの例は、抗トロンビンIIIと協調して作用するフォンダパリヌクスおよびイドラパリナックスなどの特定の5糖類であり、ヘパリンとは対照的に、第Xa因子に対して選択的である。直接的なXaインヒビターの例は、オタミキサバン(Otamixaban)またはラザキサバン(Razaxaban)である。
本発明の別の局面は、第Xa因子インヒビター、特に未分画ヘパリン、分画または低分子量ヘパリン、間接的な選択性第Xa因子インヒビターまたは直接的な第Xa因子インヒビターの測定のための乾燥化学系における電気化学的センサーを備えた試験エレメントに関し、不活性担体上に、少なくとも2つの電極およびトロンビンにより切断され得、カルボキシル末端を介して電気発生物質にアミド結合するペプチド残基からなる少なくとも1つのトロンビン基質を含む検出試薬、ならびに少なくとも特定量の第X因子試薬およびアクチベーター試薬を有する。
本発明のかかる試験エレメントは、血液試料中の第Xa因子インヒビターを測定するための先述の本発明の方法を実行することに特に適している。
本発明の試験エレメントは、特に、乾燥化学系に関する電気化学的試験エレメントである。かかる試験エレメントは、少なくとも1つの電極がいわゆる作用電極である少なくとも2つの電極を含む。該試験エレメントは、例えばAg/AgCl参照電極などの古典的な参照電極を必ずしも含むことはないが、単に、少なくとも1つの作用電極および1つの対極を含む。電極は、金属、貴金属、合金またはグラファイトなどの全ての電流電極材料、好ましくは金もしくはパラジウムなどの貴金属またはグラファイトから構築され得る。試験エレメントの種々の電極は、同一または異なる材料から構成することができる。特に好ましい態様において、試験エレメントは作用電極および対極を含み、それらは共に金で構成される。
特に、材料の選択、電極および試薬の配置に関するかかる電気化学的な試験エレメントならびに試験エレメントの製造の具体的な態様は、従来技術、例えばUS 5762770、US 6270637またはWO 01/63271に記載され、当業者に公知である。
好ましい態様において、試薬は、1つ以上の試薬ラインの形態で電極に供される。これらはそれぞれ別々に存在してもよいか、または部分的もしくは完全に重なってもよい。さらに、本発明によると、電極に直接ではなくむしろ電極の近く、例えば電極の隣の平面基材上に試薬を供するおよび乾燥させることが可能である。この場合、試薬は試料と共に、測定の間に電極へと運ばれる。あるいは、試薬は、例えばフリース、紙、膜などの多孔質材料、および例えば分離可能な様式で、試薬が浸み込み得るようなものの中に提供することができる。この場合、電極と接触する前に試薬を試料へと放出し得る間に、試料がこれらの材料を通過する必要がある。試薬の個々の成分を試験エレメントの異なるコンパートメントに供することも可能であり、例えば電極上または電極のすぐ隣に検出試薬を供し、第X因子試薬とアクチベーター試薬をそこから空間的に離す(例えば、さらに電極から除去する)か、または異なる層(例えば、膜またはフリース)に浸み込ませることも可能である。
本発明によると、試験エレメントは第X因子試薬および第X因子を第Xa因子に転換するアクチベーター試薬を含み、アクチベーター試薬は第X因子試薬と少なくとも部分的に空間的に離れて試験エレメント上に存在し、特に試料の流れの方向において第X因子試薬の少なくとも部分的に前に配置する。
好ましい態様において、このことは例えば、第X因子試薬およびアクチベーター試薬を別々の試薬ラインの形態で試験エレメント上に配置することで達成される。試薬は互いに離れて、または互いに接触して存在し得る。アクチベーター試薬の試薬ラインが試料の流れの方向において第X因子試薬の試薬ラインの少なくとも部分的に前に配置され、少なくとも部分的にこの試薬ラインと接触、特に少なくとも部分的にこの試薬ラインと重なる配置が特に好ましい。この態様において、検出試薬はさらなるコンパートメント、特にさらなる試薬ライン中に存在するが、アクチベーター試薬の試薬ラインおよび第X因子試薬の試薬ラインと少なくとも部分的に接触し得る。
特に好ましい態様において、検出試薬は、アクチベーター試薬または第X因子試薬と一緒に試験エレメント上に存在する。アクチベーター試薬も第X因子試薬も活性化された第Xa因子を有さないか、または単独で第Xa因子を形成することができないために、検出試薬の未成熟な第Xa因子誘導性分解を生じることなく検出試薬をこれらの試薬のうちの1つと混合することができるので、第Xa因子インヒビターの測定に望ましくない障害は生じない。検出試薬を2つの他の試薬の1つに加えることで、1つの試薬コンパートメントが不要になり、それにより、より経済的に製造することができる単純な試験エレメントの構築が可能になる。特に好ましい態様において、このことは、例えば、アクチベーター試薬の試薬ラインを、試料の流れの方向において第X因子試薬の試薬ラインの少なくとも部分的に前に配置して、このラインと少なくとも部分的に接触させ、特にこのラインと少なくとも部分的に重なり、検出試薬が第X因子試薬と一緒に試薬ライン中に存在する配置により達成することができる。
さらなる態様において、試験エレメントは、第X因子の第Xa因子への転換が生じる乾燥化学形態で第X因子試薬およびアクチベーター試薬を含み、アクチベーター試薬は第X因子試薬と一緒におよび任意に検出試薬とも一緒に試験エレメント上に存在し、第X因子が試料と接触するまで第Xa因子に転換しない。第X因子試薬およびアクチベーター試薬が乾燥化学形態で試験エレメント上に存在するために、それらは互いに反応することができない形態で存在する。したがって、第X因子試薬およびアクチベーター試薬は、第Xa因子を形成することなく、1つのコンパートメント中に一緒に保存することができる。液体が添加されるまで、特に試料液と接触するまで2つの試薬は互いに反応することができず、第X因子はその後第Xa因子へと転換し得る。
好ましい態様において、このことは例えば、第X因子試薬とアクチベーター試薬を共通の試薬ラインの形態で試験エレメント上に一緒に配置することにより達成される。この態様において、検出試薬はさらなるコンパートメント、特にさらなる試薬ライン中に存在し得るが、組み合わされたアクチベーター/第X因子試薬の試薬ラインと少なくとも部分的に接触し得る。
特に好ましい態様において、検出試薬はまた、第X因子試薬およびアクチベーター試薬に添加することができるので、第Xa因子インヒビターの測定に必要な全ての試薬は1つのコンパートメント、特に試験エレメント上の1つの試薬ライン中に存在し得る。前述のように、乾燥化学試薬の使用により、第Xa因子が形成されることなく第X因子試薬およびアクチベーター試薬を混合して一緒に1つのコンパートメントに入れることが可能になる。ここで、活性化された第Xa因子がなければ、未成熟な第Xa因子誘導性の検出試薬の分解も生じ得ないので、このことによってもまた、検出試薬をこの試薬の組合せに添加することが可能となる。特に、本発明の溶液は、第Xa因子インヒビターの測定に必要な全ての試薬を1つのコンパートメントに供することを可能にし、より経済的に製造することができるより単純な試験エレメントの構築を可能にする。
本発明の別の局面は、特許請求の範囲に記載の少なくとも1つの試験エレメントおよび電流または電圧の測定のための器具を含む、電気化学的試験エレメント解析系に関する。かかる器具を使用することで、電極で生じる電流による第Xa因子インヒビターの測定の経過の際に形成される電気発生性のトロンビン基質切断生成物、特にフェニレンジアミンの検出が可能になる。特に好ましい態様において、電流の時間経過が測定される。電気化学的な測定は、好ましくは、一方の電極が参照電極および対極として同時に接触し、他方の電極が作用電極として接触する2つの電極系を使用して、好ましくは準静止電位的に実施される。この二電極系に定電圧がかけられ、電流が経時的に測定される。この方法は電流測定法とも称される。この方法において経時的な電流が測定され、反応測定の開始からの時間の後に測定し、測定された電流が所定の閾値を超える。この時間は、試料中の第Xa因子インヒビターの存在量に順次依存する凝固反応の経過の間の第Xa因子誘導性トロンビン基質転換についての測定である。
記載される電流測定法に加えて、ボルタンメトリー測定法を使用することも可能である。この場合、電極間に制御された定電圧はなく、電圧は開始値から最終値まで直線的に変化し、続いて再度開始値に戻る。この方法は、全測定時間内に数回繰り返すことができる。ボルタンメトリー測定法の場合、電圧に対し電流をプロットし、反復の回数に対応する正味の電流-電圧曲線(サイクロボルタモグラムZyklovoltamogramme)が得られる。適切な電圧範囲で電子キャリアの酸化ピークおよび還元ピークがこれらの曲線中に示される。これらのピークの高さは電子キャリアの濃度に正比例するが、他の酸化還元物質はカバーされた電位範囲内で共に酸化または還元されないので、それ以上は電流には寄与しない。濃度の変化の測定の際に、かかる障害を無視することが可能であり得る。ここで、最大ピークの電流値または経時的な個々の電流-電圧ループの曲線によって囲まれる面積(電荷の反転に対応する)をプロットする場合も、周期の継続時間によって規定される時間枠中の測定期間にわたる電子キャリアの濃度変化の像(Bild)が得られる。第Xa因子インヒビターを測定するために電流測定法と同様にこの情報を使用することができる。かかる方法は、例えばWO 01/63271に記載される。
本発明の方法およびデバイスは、特に血液試料中の第Xa因子インヒビターを測定するために使用することができる。本発明の意味において、用語、血液試料としては、未処理血液(全血)だけでなく、物理的および/または化学的および/または生化学的処理によって本来の血液試料から得ることができる血液派生物または血液産物が挙げられる。特に、血清または血漿を本願の意味における血液派生物とみなすことができる。本願の意味において、第Xa因子インヒビターの測定は、任意に定性的、定量的または半定量的な第Xa因子インヒビターの測定であり得る。
本発明は、以下の例示的な実施例および図面によってさらに説明される。
実施例1:本発明の試験エレメントの代表的な配置
本発明の試験エレメントの可能性のある配置およびその製造を以下の実施例に記載する。
不活性キャリア材料は、例えばポリエステルホイル、例えばMelinexホイルから構成され得る。種々の方法、例えばキャリアホイルを金で蒸気コーティングして所望の電極構造をレーザー切除する方法を使用して電極構造をこのホイルに適用することができ、エッチング法またはプリンティング法などのこれらの電極構造を製造するための他の方法も当業者に周知である。任意に、その後、電極構造の特定の部分に絶縁層を施すこともできる。
次に、測定に必要な試薬を、電極構造を備えたキャリア材料に供する。このために当業者に公知である種々の方法、特に試薬ラインの形態で溶解した状態で試験エレメントに試薬を供し、次いで少なくとも部分的に溶媒を除去して、乾燥化学形態、すなわち不活性形態で試験エレメント上に試薬を存在させるプリンティング法またはナイフコーティング法を使用することができる。かかる方法は例えばWO 01/63271に記載される。
かかるコーティング法において、通常、試薬は試薬溶液の最適なプロセッシングを可能にする物質を含むベース製剤中に溶解させる。
かかるベース製剤の代表的な組成物は、例えば(蒸留水に溶解される):

である。
それぞれの具体的な試薬成分(例えば、トロンビン基質、第X因子、アクチベーター試薬;個々にまたは組み合わせて)をこのベース製剤に添加して、空間的に規定された様式で、例えば試薬ラインまたは試薬スポットとして試験エレメントに供する。溶媒を除去した後に、活性を損なうことなく長期間にわたり安定な形態で試薬を保存し得る試験エレメント上に、規定された安定な試薬ラインまたは試薬スポットが存在する。好ましい態様において、実質的に一定容積の試料が取り出されて試薬コンパートメントおよび電極へと送達され得るキャピラリーチャンネルを備えた側面スペーサーおよびカバーホイルも適用される。
実施例2:本発明の方法およびデバイスに対応する電気化学的な第Xa因子インヒビター測定のための代表的な方法
第Xa因子インヒビター測定を実施するために、適量、例えば1〜1000μl、好ましくは約10μlの分析対象の血液を、試験エレメント上に配置される試薬コンパートメントおよび電極と接触するように、例えば実施例1に従って製造可能な本発明の試験エレメントに供する。このことは、好ましくは、試験エレメント上のキャピラリーチャンネルが存在することおよび試験エレメント上でこのキャピラリーチャンネル中に試薬コンパートメントおよび電極を適切に配置することにより達成することができる。好ましい態様において、第Xa因子インヒビター測定に必要な試料液体、試験エレメントおよび/または他のデバイスを、特定の温度、特に約37℃に維持し得る。電気化学的な検出反応を検出するために、試験エレメントは適切な測定デバイス、例えば、特に電流の時間経過を測定および保存し得る電流測定システムに連結される。
図1は、本発明の方法に対応する電気化学的な第Xa因子インヒビター測定の時間経過の例を示す。この場合、実施例1の試験エレメントが使用された。
曲線は、トロンビン基質からトロンビン誘導性切断された後のフェニレンジアミンの酸化により生じた測定電流強度の時間経過を示す。血液試料を供して以降の時間t(秒)をx軸にプロットし、それぞれの時点で測定された電流強度I(ナノアンペア)をy軸にプロットする。まず曲線は最小値を通過し、その後フェニレンジアミンの酸化が増加するにつれて増加し、最終的に最大値に達して、その後基質の欠乏により連続して減少する。検出反応の経過を反映する時間パラメーターを決定するためのかかる電流時間経過の評価は、例えば閾値アルゴリズムを使用して実施される。このアルゴリズムは、全ての測定について保持される計算最小値、例えば60nAに閾値を加える。最小値に達した後の閾値に到達するまでの時間は、トロンビン転換の時間パラメーターとして測定することができる。この様式で測定されたトロンビン転換の時間パラメーターは、活性化された第Xa因子の活性/濃度に依存し、これは順次、第Xa因子インヒビターの存在し得る量または濃度に依存するので、この様式で測定された時間値は第Xa因子インヒビターの存在、第Xa因子インヒビターが特定の濃度または第Xa因子インヒビターの量もしくは濃度を超えるかまたはそれを下回るか、を推定するために使用することができる。このために、例えば、第Xa因子インヒビター濃度が公知の試料を使用して、これらの濃度と本発明に従って測定されたそれらの時間パラメーターを相関させる曲線を作成することが可能である。
さらに、測定されたこれらの時間パラメーターを使用して、時間パラメーターおよび存在し得る第Xa因子インヒビターの量と相関するさらなるパラメーター、特に適当なアルゴリズムを使用して凝固時間を測定することができる。
実施例3:第X因子試薬およびアクチベーター試薬を含む試薬ラインの試験エレメント上の配置の影響
図2は、試験エレメント上にアクチベーター試薬および検出試薬/第X因子試薬の組合せの試薬ラインを様々に配置した、電気化学的なトロンビン測定の結果を示す。それぞれの場合において、測定された電流強度の時間経過を、血液試料を供して以降の時間t(秒)をx軸にプロットし、それぞれの時点で測定された電流強度I(ナノアンペア)をy軸にプロットして示す。本実施例において、検出試薬/第X因子試薬の組合せの試薬ラインは、0.8mlの還元型Chromozym THおよび38.1μl第X因子(American Diagnosticsの第X因子;2U/mlの第Xa因子に相当)を含み、アクチベーター試薬の試薬ラインは80μlのラッセルクサリヘビ毒(Pentapharm Ltd.のラッセルクサリヘビ毒(RVV-X))および0.04%のリン脂質(PHL)を含む。
試薬ラインは以下の変形で適用した:
曲線A:まず、検出試薬/第X因子試薬の組合せの試薬ラインを適合して、次いでアクチベーター試薬の試薬ラインをこのラインの上に適合した。
曲線B:まず、検出試薬/第X因子試薬の組合せの試薬ラインを適合して、次いでアクチベーター試薬の試薬ラインをこのラインの上に適合したが、アクチベーター試薬の試薬ラインの適合をずらして、その少なくとも一部を、試料の流れの方向において検出試薬/第X因子試薬の組合せの試薬ラインの前に配置し、少なくとも一部をこのラインに重ねた。
図2における両方の曲線は、高い電流値および低い開始電流に対する最小値のずれを示さない。このことは、2つのコンパートメント、特に試薬ラインにおいて少なくとも部分的に試薬を空間的にずらすことで、本発明のこれらの好ましい方法およびデバイスにより未成熟な基質の分解を大きく抑制することができることを示す。
試料の流れの方向において検出試薬/第X因子試薬の組合せの試薬ラインの前にアクチベーター試薬の試薬ラインをずらして適合すること(曲線B)は、アクチベーター試薬の試薬ラインを検出試薬/第X因子試薬の組合せの試薬ラインの直上に適合すること(曲線A)と比較して、低い電流最大値および遅い反応速度を示す。アクチベーター試薬の試薬ラインを、検出試薬/第X因子試薬の組合せの試薬ラインの直上に適合することは、第Xa因子インヒビターの本発明の測定、特に主としてより迅速な反応速度による診断応用に特に有利である。

Claims (17)

  1. a) 分析対象の血液試料を、トロンビンにより切断され得、かつカルボキシル末端を介して電気発生物質とアミド結合するペプチド残基からなる少なくとも1つのトロンビン基質を含む検出試薬、ならびに既知の量の第X因子試薬および第X因子の第Xa因子への転換を誘導するアクチベーター試薬と接触させること、ここで、第X因子試薬は、アクチベーター試薬の該試料への添加と共通する工程で、該試料に添加される、
    b) 第Xa因子媒介性トロンビン活性化によりトロンビン基質から切断される電気発生物質の量もしくは活性、および/またはその時間経過を、電気化学的方法を使用した測定シグナルとして測定すること、ならびに
    c) 分析対象の血液試料中の第Xa因子インヒビターの量またはそれに相する測定された量を、この測定シグナルに基づいて測定すること
    を特徴とする、血液試料中の第Xa因子インヒビターを測定するための方法。
  2. 該それに相関する測定された量が、分析対象の血液試料中の第Xa因子インヒビターの量に相関する凝固時間である、請求項1記載の方法。
  3. 血漿凝固の外因性経路に関連するアクチベーターもしくは複合体、または血漿凝固の内因性経路に関連するアクチベーターもしくは複合体、または第X因子の第Xa因子への転換を誘導する物質をアクチベーター試薬として使用することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 該血漿凝固の外因性経路に関連するアクチベーターもしくは複合体が、組織因子および/または第VIIa因子である、請求項3記載の方法。
  5. 該血漿凝固の内因性経路に関連するアクチベーターもしくは複合体が、第XIIa因子である、請求項3記載の方法。
  6. 第X因子試薬とアクチベーター試薬が乾燥状態で一緒に存在し、第X因子が試料と接触するまで第Xa因子に転換されないことを特徴とする、請求項1〜5いずれか記載の方法。
  7. 第X因子試薬、アクチベーター試薬および検出試薬が乾燥状態で一緒に存在し、第X因子が試料と接触するまで第Xa因子に転換されないことを特徴とする、請求項記載の方法。
  8. 第Xa因子インヒビターがヘパリン、間接的な選択性第Xa因子インヒビターまたは直接的な第Xa因子インヒビターであることを特徴とする、請求項1〜7いずれか記載の方法。
  9. 該ヘパリンが、分画ヘパリンまたは低分子量ヘパリンである、請求項8記載の方法。
  10. 第Xa因子インヒビターを測定するための乾燥化学系の電気化学的センサーを有する試験エレメントであって、該試験エレメントは、不活性担体上に、少なくとも2つの電極およびトロンビンにより切断され得、かつカルボキシル末端を介して電気発生物質にアミド結合するペプチド残基からなる少なくとも1つのトロンビン基質を含む検出試薬、ならびに少なくとも特定量の第X因子試薬およびアクチベーター試薬を有第X因子が試料と接触するまで第Xa因子への転換が生じないように、第X因子試薬が、アクチベーター試薬の試料への添加と共通する工程で、該試料に添加される、試験エレメント。
  11. 該第Xa因子インヒビターが、未分画ヘパリン、分画ヘパリンまたは低分子量ヘパリン、間接的な選択性第Xa因子インヒビターおよび直接的な第Xa因子インヒビターからなる群より選択される、請求項10記載の試験エレメント。
  12. アクチベーター試薬が第X因子試薬と少なくとも部分的に、空間的に離れて試験エレメント上に存在することを特徴とする、請求項10記載の試験エレメント。
  13. 該アクチベーター試薬が、試料の流れの方向において第X因子試薬の少なくとも部分的に前に配置される、請求項12記載の試験エレメント。
  14. 検出試薬がアクチベーター試薬または第X因子試薬と一緒に試験エレメント上に存在することを特徴とする、請求項12記載の試験エレメント。
  15. 該試験エレメントが、乾燥化学試薬として第X因子試薬および第X因子の第Xa因子への転換を誘導するアクチベーター試薬を含み、第X因子が試料と接触するまで第Xa因子への転換が生じないように、アクチベーター試薬が第X因子試薬と一緒に試験エレメント上に存在することを特徴とする、請求項10記載の試験エレメント。
  16. 該アクチベーター試薬が、第X因子試薬および検出試薬と一緒に試験エレメント上に存在することをさらに特徴とする、請求項15記載の試験エレメント。
  17. 電流または電圧を測定するための少なくとも1つのデバイスおよび
    請求項1115いずれか記載の試験エレメント
    を含む、電気化学的試験エレメント分析システム
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