JP5394266B2 - 金属蒸着用アンダーコート層形成用被覆材組成物及び樹脂成型物 - Google Patents

金属蒸着用アンダーコート層形成用被覆材組成物及び樹脂成型物 Download PDF

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Description

本発明は、活性エネルギー線照射によって平滑性、硬化性、及び金属蒸着膜に対する付着性に優れた硬化物となる被覆材組成物に関する。
樹脂は、生産性、成型性、軽量化等の利点を有するため、この樹脂成型品基材表面上にアンダーコート層(プライマー層)を形成し、その上にイオン化蒸着、スパッタリング等の金属化処理を施した成型品が装飾品や家電製品などの分野において広汎に利用されている。
そのような金属化処理に用いられるアンダーコート層の形成方法として被覆材組成物を紫外線によって硬化させる方法が他の方法に比べて生産性に優れている利点があり、広く普及している(例えば特許文献1参照)。しかしながら、近年、蒸着用アンダーコート層形成用被覆材組成物に要求される物性は益々高くなっており、特に金属蒸着膜とアンダーコート層との付着性の要求が更に高くなっている。
特開2006−233074号公報
本発明の目的は平滑性、硬化性が良好で、かつ過酷な条件下でも金属蒸着膜との付着性に優れた金属蒸着用アンダーコート層形成用被覆材組成物、及びこの組成物を用いて得られる樹脂成型物を提供することにある。
すなわち、本発明は(A)下記式(1)に示される、カプロラクトンにより変性されたモノ又はポリペンタエリスリトール(ポリ)(メタ)アクリレート化合物10〜20質量%、
(B)分子中に少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレート(但し(A)以外の化合物)40〜50質量%、
(C)ビニル系単量体の重合体又はビニル系単量体混合物の共重合体35〜45質量%、
を含む組成物100質量部当たり
(D)光重合開始剤0.1〜15質量部
を含む金属蒸着用アンダーコート層形成用被覆材組成物である。
Figure 0005394266
[式中、αのうち少なくともひとつはカプロラクトンにより変性された(メタ)アクリロイルオキシ基{CH2=CR−CO(O(CH25C=O)a−O−}(Rは水素原子又はメチル基を示し、aは2以上の整数である。)であり、残りのαは水酸基であり、nは0〜4の整数である。]
また、本発明は樹脂基材上に、前述の被覆材組成物の硬化被膜、金属蒸着膜を順次有する樹脂成型物である。
本発明の被覆材組成物は、活性エネルギー線の照射によって平滑性、硬化性が良好で、かつ過酷な条件下でも金属蒸着膜との付着性に優れた硬化物となる。
本発明において使用される成分(A)を構成する、式(1)で示されたカプロラクトンにより変性されたモノまたはポリペンタエリスリトール(ポリ)(メタ)アクリレートは、活性エネルギー線の照射により良好な重合活性を示し、特に硬化性良好で金属蒸着膜との付着性を発現する成分である。なお、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」との総称であり、その他の「(メタ)アクリ・・・」も同様に、「アクリル」と「メタクリル」から派生する基の総称である。
成分(A)としては、式(1)におけるn=1、a=2であるカプロラクトン12モル変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが硬化性良好である点から好ましく、日本化薬(株)製の商品名KAYARAD DCPA−120として入手可能である。
成分(A)の使用割合は、成分(A)〜(C)の合計量100質量%中、10〜20質量%、より好ましくは13〜18質量%であり、10質量%未満では蒸着膜との付着性が低下する。また20質量%を超えると硬化性が低下する。
成分(B)は、分子中に少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレート(但し(A)以外の化合物)であり、活性エネルギー線によって硬化可能であれば特に限定されない。使用可能なモノマーやオリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレートなどの重合性不飽和結合を有する単官能(メタ)アクリレート、または多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられ、被膜の要求性能に応じて適宜選択すれば良い。
単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、モルフォリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ−ルモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート、無水フタル酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの付加物などのモノ(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(繰り返し単位数(以下「n」と記載する)=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコール(n=2〜15)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロ−ルプロパンジアクリレ−ト、ビス(2−(メタ)アクリロキシエチル)−ヒドロキシエチル−イソシアヌレ−ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレ−ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールA型ジエポキシと(メタ)アクリル酸とを反応させたエポキシジ(メタ)アクリレート等のエポキシポリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させたウレタントリ(メタ)アクリレート、イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、ジシクロメタンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート、ジシクロメタンジイソシアネートとポリ(n=6〜15)テトラメチレングリコールとのウレタン化反応物に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート等のウレタンポリ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルエタンとコハク酸および(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパンとコハク酸、エチレングリコ−ル、及び(メタ)アクリル酸とを反応させたポリエステル(メタ)アクリレート等のポリエステルポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらは、1種又は2種以上を併用して用いることができる。
特に成分(B)としてウレタンジ(メタ)アクリレート(b−1)を含有することが金属蒸着膜との付着性を更に向上させる観点から好ましい。
この成分(b−1)であるウレタンジ(メタ)アクリレートについて説明する。この成分(b−1)は、アジピン酸と炭素数2〜6までのアルカンジオールから選ばれる少なくとも一種のジオールから成るポリエステルジオールと、トリレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネート、及びヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させることにより得られるものが好ましい。特にアルカンジオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、及び1,6−ヘキサンジオール等が挙げられ、得られる組成物の錫蒸着膜との付着性の観点から、エチレングリコールを用いることが特に好ましい。
また、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、得られる組成物の低粘度化の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
成分(B)の使用割合は、(A)〜(C)成分の合計量100質量%中に40〜50質量%、より好ましくは43〜47質量%である。
成分(B)の量が40質量%未満では硬化性が低下する。また50質量%を超えると金属蒸着膜との付着性が低下する。
また成分(B)に含まれる成分(b−1)の使用割合は、(A)〜(C)成分の合計量100質量%中、1〜4質量%が好ましい。1質量%以上であれば、金属蒸着膜との付着性が更に向上し、4質量%以下では被膜の外観がより向上する。
成分(C)としてはビニル系単量体の重合体又はビニル系単量体混合物の共重合体が挙げられる。ラジカル重合開始剤の存在下に溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法等の採用により得ることができる。具体的な共重合可能な単量体の例としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のアクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとエチレンオキシドの付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとプロピレンオキシドの付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとε−カプロラクトンの付加物などの2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと有機ラクトン類の付加物等の水酸基含有ビニルモノマー;スチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン又はスチレン誘導体;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド化合物;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸類;(メタ)アクリロニトリルのような重合性不飽和ニトリル類;マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等不飽和カルボン酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類等が挙げられる。これら共重合可能な単量体は、1種又は2種以上を併用することができる。
成分(C)の使用割合は、(A)〜(C)成分の合計量100質量%中に35〜45質量%、より好ましくは38〜42質量%である。
成分(C)の量が35質量%未満では金属蒸着膜との付着性が低下する。また45質量%を超えると硬化性や硬化被膜の平滑性が低下する。
本発明において使用される成分(D)である光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−エチルアントラキノン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上の混合系で使用される。これらの中でも、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンがより好ましい。成分(D)の使用量は、(A)〜(C)成分の合計量100質量部当たり0.1〜15質量部、より好ましくは、1〜10質量部である。成分(D)の量が0.1質量部未満では、硬化が不十分となり15質量部を越えると硬化被膜の付着性が低下する。
更に、本発明の被覆材組成物には、必要に応じて、性能を損なわない範囲で、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン等の公知の光増感剤を添加することもできる。
本発明の被覆材組成物には、必要に応じて望ましい粘度に調整するために有機溶剤を使用することができる。有機溶剤の例として、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチル等のエステル系化合物;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系化合物;トルエン、キシレン等の芳香族化合物;ペンタン、ヘキサン、石油ナフサ等の脂肪族化合物;イソプロピルアルコール、イソブタノール、n−ブタノール等のアルコール系化合物;1−メトキシプロパノール、1−メトキシプロパノールアセテート等のプロピレングリコール系化合物を挙げることができる。
また、本発明の被覆材組成物には、レベリング剤、消泡剤、沈降防止剤、潤滑剤、研磨剤、防錆剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤などの添加剤を加えてもよい。
更に、本発明の効果を妨げない範囲内であれば、付着性向上のためにアクリルポリマー、アルキッド樹脂などのポリマーを加えてもよい。
本発明の被覆材組成物は、樹脂基材上に、硬化被膜、金属蒸着膜を順次有する樹脂成型物における硬化被膜の材料として使用することが好ましい。
その樹脂基材としては、ABS樹脂、AES樹脂、PC樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、PET樹脂、PBT樹脂等のポリエステル樹脂などの成型品が挙げられ、特に化粧品容器や家電製品の筐体に用いられる、ABS樹脂、PC樹脂、アクリル樹脂に対して有用である。
これら樹脂基材上への金属化処理用アンダーコート層の形成は、本発明の被覆材組成物を樹脂基材の表面に塗付し、活性エネルギー線を照射することにより達成される。アンダーコート層の膜厚は、硬化被膜の厚さで3〜40μmの範囲であることが好ましい。
被覆材組成物の塗布方法としては、ハケ塗り、スプレーコート、ディップコート、スピンコート、フローコート等の方法が用いられるが、塗布作業性、被膜の平滑性、均一性の点から、スプレーコート法、フローコート法が好ましい。
被覆材組成物を塗布する際に、前述した有機溶剤を配合した場合には、被覆材組成物を硬化させる前に溶剤を揮発させることが好ましい。その際には、IRヒーターおよび、又は温風で加温し、30〜70℃、2〜8分の条件下で有機溶剤を揮発させることが好ましい。
また、本発明の被覆材組成物を硬化するために用いられる活性エネルギー線としては、紫外線、電子線等が挙げられる。例えば高圧水銀灯を用いた場合には、照射される紫外線エネルギー量が500〜2000mJ/cm2程度の条件が好ましい。
アンダーコート層を設けた樹脂成型品への金属化処理は、金属を蒸着する公知の方法により行われる。更に金属膜の腐食防止を目的として、形成された金属膜表面に熱硬化型トップコート、紫外線硬化トップコートを形成する、またはプラズマ重合膜等で処理しても良い。
金属膜の厚みとしては、薄すぎると金属感が得られず、また厚すぎると光沢感がなくなるため、0.02〜0.1μmであることが好ましい。
以下に、実施例及び比較例を挙げ、本発明を詳しく説明する。以下において「部」はすべて「質量部」を、「%」はすべて「質量%」を意味する。また、実施例及び比較例における各種の測定評価は次のような方法で行った。
1.アンダーコート形成用被覆材組成物の硬化性
表に示した組成物をスプレーにより、ABS樹脂製テストピースに硬化後のアンダーコート層の厚みが約15μmになるように塗布し、硬化後の被膜の指触乾燥性で評価した。
〇 タックなしで完全に硬化。
△ ややタック有り。
× タック有りで未硬化。
2.平滑性
被覆材組成物をスプレーにより、ABS樹脂製テストピースに硬化後のアンダーコート層の厚みが約15μmとなるように塗布し、硬化後の被膜の外観を目視評価した。目視評価の判定は以下の基準で行った。
◎ 表面が平滑であり、高光沢である。
〇 表面が平滑であるが、光沢が高く無い。
△ 表面にやや凹凸が有り、平滑ではない。
× 表面の凹凸が酷く平滑ではない。
3.付着性
アンダーコート層を形成させ、引き続きアルミ蒸着し、更にアルミ膜の上にトップコート層を形成し、被膜の付着性を評価した。
試験方法はカッターナイフで碁盤目状に1mm間隔で基材まで達するカットを入れ1mm の碁盤目を100個作り、その上にセロテープ(登録商標)を貼りつけ急激にはがし、アンダーコート層とアルミ膜との層間剥離した碁盤目の状態を観察した。
◎ 碁盤目カット剥離試験で剥離なし。
〇 碁盤目カット試験で剥離なしだが、切り溝がややかける。
△ 碁盤目カット試験でやや剥離。
× 碁盤目カット試験で全面剥離。
4.耐湿性
アンダーコート層を形成させ、引き続きアルミ蒸着し、更にアルミ膜の上にトップコート層を形成した金属化成型品を、50℃・98%RHの雰囲気中に72時間放置後取り出し、外観と付着性を評価した。判定は以下の基準で行った。
・外観
〇異常なし。
△ やや硬化被膜に白化あり。
× 硬化被膜の白化大。
・付着性
◎ 碁盤目カット剥離試験で剥離なし。
〇 碁盤目カット試験で剥離なしだが、切り溝がややかける。
△ 碁盤目カット試験でやや剥離。
× 碁盤目カット試験で全面剥離。
5.耐アルコール性
アンダーコート層を形成させ、引き続きアルミ蒸着し、更にアルミ膜の上にトップコート層を形成した金属化成型品を、50℃エタノール中に48時間浸漬後取り出し、外観と付着性を評価した。判定は以下の基準で行った。
・外観
〇 異常なし。
△ やや硬化被膜に白化あり。
× 硬化被膜の白化大。
・付着性
◎ 碁盤目カット剥離試験で剥離なし。
〇 碁盤目カット試験で剥離なしだが、切り溝がややかける。
△ 碁盤目カット試験でやや剥離。
× 碁盤目カット試験で全面剥離。
なお、実施例及び比較例に用いた略号は、以下の化合物を表わす。
DPCA−120:カプロラクトン12モル変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名KAYARAD DPCA−120:ジペンタエリスリトールの各アクリロイル側鎖が各2モルのカプロラクトンにより変性された化合物)
DPCA−60:カプロラクトン6モル変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名 KAYARAD DPCA−60:ジペンタエリスリトールの各アクリロイル側鎖が各1モルのカプロラクトンにより変性された化合物)
DPEA−12:エチレンオキサイド12モル変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製 商品名 KAYARAD DPEA−12)
PAR−300:多官能ポリエステルアクリレート(日本化薬(株)製、商品名 KAYARAD PAR−300)
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬(株)製、商品名KAYARAD TMPTA)
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製 ビスコート#150)
HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン(株)製、商品名 イルガキュアー184)
BNP:ベンゾフェノン
[合成例1]ウレタンアクリレート(UA−1:成分(A))の製造
(1)蒸留塔を備え付けた3Lの4つ口フラスコにアジピン酸1,606gとエチレングリコール589gとプロピレングリコール152gを仕込み、200℃で加熱しながら生成する水を留去した。水の流出が無くなり、酸価が1.0以下になった時点を終点とした。
(2)3Lの4つ口フラスコに、トリレンジイソシアネート174g、及びジブチル錫ジラウレート0.3gを仕込んでウオーターバスで内温が50℃になるように加熱した。
(3)上記(1)にて合成したポリエステルジオール1,950gを側管付きの保温滴下ロート(60℃保温)に仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(2)で調整したフラスコ中の内容物を攪拌しつつ、フラスコ内温を50℃に保ちながら、4時間等速滴下により滴下し、同温度で2時間攪拌して反応させた。
(4)次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に上げて、同温度で1時間攪拌した。2−ヒドロキシエチルアクリレート116g、2,6−ジ−ターシャリブチル−4−メチルフェノール0.3g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.3gを均一に混合溶解させた液を別の滴下ロートに仕込んだ。フラスコ内温を75℃に保ちながら、この滴下ロート内の液を2時間かけて等速滴下した後、同温度で4時間反応させて、GPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量が11,000となるウレタンアクリレート(UA−1)を製造した。
[合成例2]共重合体(PA−1)の製造
2Lの4つ口フラスコに、トルエン500gを仕込み、内温が80℃になるように加温した。次いで、N−(n−ブトキシメチル)アクリルアミド125g(25質量%)、メチルメタクリレート200g(40質量%)、スチレン175g(35質量%)と重合開始剤としてアゾビスイソブチルニトリル1gを混合し、フラスコ内を攪拌しつつ、内温を80℃に保ちつつ、2時間等速滴下により滴下した。その後1時間毎にアゾビスイソブチルニトリル0.2gを合計4回追加投入しながら6時間攪拌し、GPC測定によるポリスチレン換算による重量平均分子量が2.5×10となる共重合体(PA−1)を得た。
[トップコート用組成物の調整]
トップコート用組成物に配合する共重合体(PA−2)を、滴下する単量体の混合比率を、N−(n−ブトキシメチル)アクリルアミド150g(30質量%)、メチルメタクリレート50g(10質量%)、スチレン50g(10質量%)、及びイソボルニルメタアクリレート250g(50質量%)とすること以外は、合成例2と同様にして、GPC測定によるポリスチレン換算による重量平均分子量が5.0×10となる共重合体(PA−2)を得た。この共重合体のトルエン溶液20質量部(固形分換算では10質量部)と、DPHA(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA)30質量部、TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬(株)製、商品名KAYARAD TMPTA)20質量部、EO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート(第一工業製薬(株)製、商品名:ニューフロンティアHBPE―4)25質量部、THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機(株)製、ビスコート#150)10質量部、ベンゾフェノン5質量部、キシレン30質量部、酢酸ブチル50質量部、酢酸エチル30質量部及びn−ブタノール30質量部を随時秤量し、その後混合攪拌してトップコート材を調整した。
[実施例1]
表1に示す各成分をステンレス容器に計量し、約30分間、全体が均一になるまで攪拌して被覆材組成物を調製した。次にABS樹脂で成型された縦9cm、横5cm、厚さ3mmの長方形のテストピースに硬化後の被膜の膜厚が約15μmになるようにスプレー塗装した。
次に60℃の雰囲気中で3分間加熱して有機溶剤を揮発させた後、空気中で高圧水銀灯を用い、波長340〜380nmの積算光量が1000mJ/cm2のエネルギーを照射し、アンダーコート層を形成させ、引き続きアルミを真空蒸着法により真空度1.33×10−2Pa中において蒸着させて厚み0.08μmのアルミ膜を形成し、更にアルミ膜の腐食防止等を目的として上記トップコート用組成物を用いアンダーコート層と同じ条件で紫外線硬化トップコート層を形成した。この得られた金属化樹脂成型品についての評価結果を表1に示す。
[実施例2〜4]
実施例1と同様に表に示す各成分の配合比で硬化液を調製し得られた金属化樹脂成型品について評価を行った。
Figure 0005394266
[比較例1〜5]
実施例1と同様に表に示す各成分の配合比で硬化液を調製し得られた金属化樹脂成型品について評価を行った。
Figure 0005394266

Claims (3)

  1. (A)下記式(1)に示される、カプロラクトンにより変性されたモノ又はポリペンタエリスリトール(ポリ)(メタ)アクリレート化合物10〜20質量%、
    (B)分子中に少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレート(但し(A)以外の化合物)40〜50質量%、
    (C)ビニル系単量体の重合体又はビニル系単量体混合物の共重合体35〜45質量%、
    を含む組成物100質量部当たり
    (D)光重合開始剤0.1〜15質量部
    を含む金属蒸着用アンダーコート層形成用被覆材組成物。
    Figure 0005394266
    [式中、αのうち少なくともひとつはカプロラクトンにより変性された(メタ)アクリロイルオキシ基{CH2=CR−CO(O(CH25C=O)a−O−}(Rは水素原子又はメチル基を示し、aは2以上の整数である。)であり、残りのαは水酸基であり、nは0〜4の整数である。]
  2. 成分(B)が、ウレタンジ(メタ)アクリレート(b−1)を含有する請求項1に記載の金属蒸着用アンダーコート層形成用被覆材組成物。
  3. 樹脂基材上に、請求項1または2に記載の被覆材組成物の硬化被膜、金属蒸着膜を順次有する樹脂成型物。
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